JPH08190890A - 蛍光ランプおよびこの点灯装置ならびにこれを用いた光源装置および液晶表示装置 - Google Patents

蛍光ランプおよびこの点灯装置ならびにこれを用いた光源装置および液晶表示装置

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JPH08190890A
JPH08190890A JP7001239A JP123995A JPH08190890A JP H08190890 A JPH08190890 A JP H08190890A JP 7001239 A JP7001239 A JP 7001239A JP 123995 A JP123995 A JP 123995A JP H08190890 A JPH08190890 A JP H08190890A
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JP
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fluorescent lamp
xenon
mercury
less
argon
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JP7001239A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Nishimura
潔 西村
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水銀とアルゴンを封入した蛍光ランプに比べて
始動時の光束立上がり特性に優れ、かつ水銀+キセノン
を封入した蛍光ランプに比べて始動性および発光効率に
優れた蛍光ランプおよびこの点灯装置ならびに光源装置
および液晶表示装置を提供する。 【構成】内面に蛍光体被膜3を形成したバルブ2の端部
に冷陰極4を設け、このバルブ2に水銀およびキセノン
ならびにアルゴンを封入し、ランプの電流密度を0.7
5mA/mm2 以下にし、かつ放電空間の断面積を20mm
2 以下にしたことを特徴とする蛍光ランプ。 【作用】バルブ内に水銀とキセノンおよびアルゴンガス
を封入したから、始動電圧を引き下げることができ、始
動の光束立上がりに優れ、かつ発光効率の有利な領域で
点灯することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水銀と、キセノンおよ
びアルゴンなどの他の希ガスとを封入してなる小形の蛍
光ランプ、およびこのランプをパルス点灯するようにし
た点灯装置ならびにこれを用いた光源装置、および液晶
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、液晶表示装置のバックライト
や、各種メータの表示指針として、小形に形成された冷
陰極蛍光ランプが使用されている。具体例を説明すれ
ば、液晶表示装置のバックライト用光源として用いられ
る冷陰極蛍光ランプの1種は、バルブ内径が2mmで、電
極間距離が90mmの細長いバルブ内に、水銀と50Torr
程度のアルゴンArガスが封入されており、バルブの内
面には蛍光体被膜が形成されている。バルブの両端部に
封装された一対の冷陰極間に高周波電圧を印加すると、
バルブ内で放電が発生し、この放電により上記水銀が1
85nmおよび254nmの紫外線を発し、この紫外線が蛍
光体を励起して可視光を発光させる。この時のランプ電
流は5mAであり、輝度は22000cd/m2 であ
る。
【0003】しかしながら、従来の上記冷陰極蛍光ラン
プは、発光物質として水銀と、希ガスとしてアルゴンを
封入した低圧水銀ランプであり、蒸発された水銀の原子
が電離および励起作用により185nmおよび254nmの
紫外線を発するものであるため、発光効率は水銀の蒸気
圧に依存する。このため、バルブ温度が低い場合は、水
銀蒸気圧が低いことから光束が低下し、よって始動時の
光束立ち上がり特性が良くない。すなわち、周囲温度が
低い場合は、例えがランプ電流が1mAで、輝度は50
00cd/m2 程度になり、始動時の光束立上がりが遅
くなるという問題がある。
【0004】このような低温始動の対策として、上記従
来の水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ランプにおけるそ
のアルゴンに代わって、キセノンまたはキセノンを主体
とする希ガスを封入した、いわゆる水銀+キセノン封入
タイプの蛍光ランプが考えられる。
【0005】このようにすると、低温始動時の光束立上
がりはキセノンの作用により素早く立ち上げることがで
き、また、安定点灯中の光束は蒸発した水銀の発光が期
待でき、よって水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ランプ
に比べて始動時の光束立ち上がり特性に優れ、また安定
点灯時の光束は水銀でまかなうから、所定レベルの発光
効率が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水銀+
キセノン封入タイプの蛍光ランプ場合は所定の温度以上
になると、逆に水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ランプ
に比べて光束が低下するという傾向にある。したがっ
て、本発明者等は、バルブ温度の低い条件の場合のみ始
動の立上がり特性に優れた水銀+キセノン封入タイプの
蛍光ランプを使用すれば、水銀+アルゴン封入タイプの
蛍光ランプに比べてランプ効率のよい範囲で使用できる
ものと推察した。
【0007】つまり、始動時の光束立上がり特性に有利
な水銀+キセノン封入タイプの蛍光ランプを、水銀+ア
ルゴン封入タイプの蛍光ランプに比べてランプ効率の優
れた範囲で使用しようとする場合、バルブ温度の低い条
件で使用するのが有効であることをつきとめた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水銀+
キセノン封入タイプの蛍光ランプをバルブ温度の低い条
件で使用した場合、水銀+アルゴン封入タイプのランプ
に比べてランプ効率は良好であるが、発光効率が今一歩
満足できないことが分ってきた。このような条件下で発
光効率を高くしようとすると、キセノンの封入圧を10
0Torr以上の高圧に封入する必要があり、このようにす
ると封入ガス圧が高くなることから始動電圧が高くな
り、始動性を阻害するという問題がある。
【0009】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは始動時の光束立上が
り特性に有利な水銀+キセノン封入タイプの蛍光ランプ
を改善し、発光効率を向上させることができ、また同等
な発光効率であれば始動電圧を引き下げることができ、
始動性に優れた蛍光ランプおよびこの点灯装置ならびに
これを用いた光源装置および液晶表示装置を提供しよう
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、放電
空間の断面積が24mm2 以下の発光管バルブと、上記バ
ルブ内に定格電流密度が1.0mA/mm2 以下の放電を
発生させる手段と、上記バルブ内に封入され、上記放電
により紫外線を発する水銀とキセノンおよび他のガスを
含む混合希ガスと、上記バルブの内側に設けられ、上記
水銀およびキセノンから放出された紫外線を受けて発光
する蛍光体被膜と、を具備したことを特徴とする蛍光ラ
ンプである。
【0011】請求項2の発明は、上記他の希ガスは、7
5%以下の割合で混合されたアルゴンであることを特徴
とする請求項1に記載の蛍光ランプである。請求項3の
発明は、混合希ガスの全封入圧は200Torr以下であ
り、そのうちキセノンガスの封入分圧は50Torr以上で
あることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
蛍光ランプである。
【0012】請求項4の発明は、発光管バルブの内径が
5.5mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請
求項3のいずれか1に記載の蛍光ランプである。請求項
5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1に記
載の蛍光ランプと、この蛍光ランプを電流密度が1.0
mA/mm2 以下で点灯する点灯手段と、を有することを
特徴とする蛍光ランプ点灯装置である。
【0013】請求項6の発明は、上記点灯手段は、蛍光
ランプの電流密度を0.10mA/mm2 以上、0.45
mA/mm2 以下で点灯することを特徴とする請求項5に
記載の蛍光ランプ点灯装置である。
【0014】請求項7の発明は、発光管バルブの内径が
1.5mm以上、2.5mm以下であることを特徴とする請
求項6に記載の蛍光ランプ点灯装置である。請求項8の
発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の
蛍光ランプと、休止期間をもつパルス電圧を上記蛍光ラ
ンプに印加するパルス電圧供給装置と、を備えたことを
特徴とする蛍光ランプ点灯装置である。
【0015】請求項9の発明は、上記パルス電圧供給装
置から上記蛍光ランプに印加される休止期間をもつパル
ス電圧は、周波数が30kHz以上、80kHz以下で
あり、デュ−ティ比が2%以上、50%以下であること
を特徴とする請求項8に記載の蛍光ランプ点灯装置であ
る。
【0016】請求項10の発明は、請求項5ないし請求
項9のいずれか1に記載の蛍光ランプ点灯装置と、上記
蛍光ランプ点灯装置を組み込んだ光源装置本体と、を備
えたことを特徴とする光源装置である。
【0017】請求項11の発明は、請求項5ないし請求
項9のいずれか1に記載の蛍光ランプ点灯装置と、上記
蛍光ランプ点灯装置を組み込んだ液晶表示装置本体と、
を具備したことを特徴とする液晶表示装置である。
【0018】
【作用】本発明者等は、始動時の光束立上がり特性に有
利な水銀+キセノン封入タイプの蛍光ランプを、水銀+
アルゴン封入タイプの蛍光ランプに比べてランプ効率の
優れた範囲で使用しようとする場合、バルブ温度の低い
条件で使用するのが有効である点に注目し、ランプの電
流密度と発光効率の関係を種々調べた。
【0019】通常、バルブ温度は、周囲温度ばかりでな
くランプに入力される電気エネルギーよっても変化す
る。ランプに入力される電気エネルギーはランプの電流
密度に関係する。すなわち、安定点灯中のランプの電流
密度が低いと、発光管バルブの温度も低くなる。
【0020】水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ランプ
は、ランプの電流密度を大きくすれば光束が増加する。
これに対し、水銀+キセノン封入タイプの蛍光ランプは
始動時の光束は大であるが、電流密度を変化させてバル
ブ温度を変化させてもキセノンの蒸気圧がさほど大きく
変化しないから、光束の増加割合は少ない。よって、バ
ルブ温度が低いレベルでは、むしろ水銀+アルゴン封入
タイプの蛍光ランプに比べて光束が高くなる。つまり、
ランプの発光効率が逆転するという現象が発生する。そ
こで、本発明者等は、種々の実験により、水銀+キセノ
ン封入タイプの蛍光ランプの発光効率が、水銀+アルゴ
ン封入タイプの蛍光ランプに比べて有利になる条件を見
出した。
【0021】そして、このような条件のもとでは、水銀
+キセノン封入タイプの蛍光ランプは水銀+アルゴン封
入タイプの蛍光ランプに比べて光束は高くなるが、その
発光効率は充分でない。そこで本発明者らは、種々の研
究、実験を経た結果、水銀+キセノン封入タイプの蛍光
ランプに、さらにアルゴンを主とした他の希ガスを封入
すれば発光効率が向上することを見出した。
【0022】このことから、請求項1に記載したよう
に、ランプの定格電流密度を1.0mA/mm2 以下に
し、かつ放電空間の断面積を24mm2 以下とした水銀+
キセノン封入タイプの蛍光ランプに、さらにアルゴンな
どの他の希ガスを混合すると発光効率が向上する。この
ため、同等発光効率であれば、希ガスの封入圧を下げる
ことができ、このようにした場合は始動電圧を引き下げ
ることができ、始動が容易になる。
【0023】ランプの電流密度が1.0mA/mm2 を越
えると、水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの蛍光ラ
ンプの発光効率は、水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ラ
ンプに比べて低くなる。また、放電空間の断面積が24
mm2 を越えると、電子温度が低下するとともにキセノン
の自己吸収が増えるから水銀+アルゴン封入タイプの蛍
光ランプに比べて効率が低下する。
【0024】請求項2の発明によれば、他の希ガスをア
ルゴンとしたから、発光効率の向上に有効である。つま
り、封入希ガスがキセノンのみの場合は、電流密度が
0.75A/mm2 以上では陽光柱の収縮現象により効率
が低下する。この収縮現象によりバルブ中心部に電流が
集中し、実質的な電流密度が急激に増加する。このため
キセノンの自己吸収作用により累積電離が増大し、また
電子温度が急激に低下して発光効率が低下するものであ
る。これに対し、キセノンよりも原子量の小さいアルゴ
ンを混合すると、キセノンが拡散するため電流密度が
1.0mA/mm2 まで電流の集中が防止され、また電子
温度が上昇するので発光効率が上昇する。しかし、アル
ゴンよりもさらに原子量の小さいネオンやヘリウムを用
いると、非弾性衝突によるエネルギー損失の増加が効率
の増加を上回ってしまうため、発光効率はむしろ低下す
る。また、クリプトンではキセノンとの原子量の差が小
さいため陽光柱の収縮現象による効果はほとんど得られ
ない。よって、封入希ガスはキセノンに加えてアルゴン
がよい。そして、アルゴンの混合割合が75%を越える
と、発光効率が、水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ラン
プと有意差をもたなくなる。
【0025】請求項3の発明によれば、キセノンの封入
圧を50Torr以上としたから、キセノンが分子発光され
て長波長側の172nmの紫外線を放出することになり、
効率が向上する。
【0026】請求項4の発明によれば、放電空間の断面
形状が円形である場合は、内径を5.5mm以下にすれ
ば、キセノンの自己吸収が増えず、水銀+アルゴン封入
タイプの蛍光ランプに比べて効率が良好になる。
【0027】請求項5の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用により、発光効率が水銀+アルゴン封入タ
イプの蛍光ランプに比べて向上する。また、請求項6の
発明によれば、電流密度が0.10〜0.45mA/mm
2 の範囲でランプを点灯するから、一層好ましい範囲と
なる。すなわち、電流密度を0.45mA/mm2 以下で
使用すると、従来の水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ラ
ンプに対し効率で130%以上の向上が認められ従来の
比べて顕著な有意差が生じる。また、電流密度が0.1
0mA/mm2 未満では発光量が少なくなり、輝度が低く
なる。
【0028】請求項7の発明によれば、発光管バルブの
内径を1.5〜2.5mmの範囲にしたから、最高効率の
95%以上の効率の範囲で使用することができる。請求
項8の発明によれば、水銀+キセノン封入タイプの蛍光
ランプをパルス点灯するから、光強度が増し、さらに効
率の向上が望める。
【0029】請求項9の発明によれば、上記蛍光ランプ
を周波数が30〜80kHzで、デュ−ティ比が2〜5
0%の範囲のパルス電圧で点灯するから、効率がすこぶ
る良好になる。
【0030】請求項10の発明によれば、始動性および
効率に優れた光源装置を提供できる。請求項11の発明
によれば、始動性および効率に優れた液晶表示装置を提
供できる。
【0031】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図8に示す
第1の実施例にもとづき説明する。図1は水銀+キセノ
ン+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプおよびその
点灯装置の構成を示すもので、1は水銀+キセノン+ア
ルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ、10はパルスイ
ンバータなどからなるパルス電圧印加装置、11は電流
制限手段である。
【0032】蛍光ランプ1は、細長い針状の発光管バル
ブ2を有し、このバルブ2は、例えば内径2.00mm、
したがって断面積が3.14mm2 で、長さ130mmの鉛
ガラスにより直管形に形成されている。このバルブ2の
内面には、水銀の発する波長185nmおよび254nmの
紫外線と、キセノンの発する波長147nmおよび172
nmの紫外線により発光する蛍光体、例えば3波長発光形
蛍光体からなる蛍光体被膜3が形成されている。3波長
発光形蛍光体は、例えば、赤系蛍光体として(Y,G
d)BO3 :Eu、緑系蛍光体としてCaPO4 、青系
蛍光体としてBaMgAl1423:Euが用いられてい
る。
【0033】バルブ2の長手方向両端部には、電極間距
離(放電長)を5mm以上、例えば90mmとした冷陰極
4,4が封装されている。冷陰極4,4は、それぞれリ
ード線を兼ねる電極軸5に棒形の電極本体6を接合して
構成されており、電極本体6は線径0.5mm、長さ10
mmのニッケルワイヤにて形成されている。上記電極軸5
は、ガラスと熱膨脹率が近似する金属からなる封着線7
に接続されており、これら封着線7はバルブ2の端部の
封止部8に封着されている。封着線8、8はそれぞれ外
部リード線9、9に接続されている。
【0034】このような発光管バルブ2には、所定量の
水銀と、所定圧のキセノンXeおよびアルゴンArを混
合した混合希ガスが封入されている。混合希ガスの全封
入圧は200Torr以下となっており、そのうちキセノン
の封入分圧は50Torr以上、100Torr以下であり、ア
ルゴンArの混合割合は3%以上、75%以下に設定さ
れている。
【0035】本実施例の場合、キセノンXe50%とア
ルゴンAr50%の混合希ガスを用いており、これらの
全封入圧は100Torrとされている。このような構成の
冷陰極蛍光ランプ1は、図1に示すパルスインバータな
どのようなパルス電圧印加装置10および電流制限手段
11に接続されている。パルス電圧印加装置10は、冷
陰極4,4間に、休止期間をもつパルス、すなわち所定
のデューティ比をもつパルス電圧を印加するようになっ
ている。この場合、パルス周波数は30〜80kHz
で、デューティ比τ(a/a+b)は2%以上、50%
以下となっている。
【0036】この水銀+キセノン+アルゴン封入タイプ
の冷陰極蛍光ランプ1の場合、上記パルス電圧印加装置
10および電流制限手段11を通じて、ランプ電力が
0.4Wにより始動電圧が710Vで点灯され、ランプ
の安定点灯中には1.2mAのランプ電流IL が流され
るようになっている。この場合のランプの電流密度は
0.38mA/mm2 となり、輝度は6950cd/m2
となる。
【0037】上記冷陰極蛍光ランプ1は、ランプの安定
点灯中の電流密度が1.0mA/mm2 以下の範囲となっ
ており、バルブ2の断面積が24mm2 以下の範囲である
から、同一構造の水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍
光ランプに比べて発光効率が上回る。
【0038】すなわち、上記構造の水銀+キセノン+ア
ルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1と、これと同一
構造の水銀+キセノン封入タイプの冷陰極キセノン希ガ
ス放電灯、およびこれと同一構造の水銀+アルゴン封入
タイプの冷陰極蛍光ランプについて、電流密度(mA/
mm2 )と、相対発光効率との関係を測定したところ、図
2に示すような特性が得られた。
【0039】水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの冷
陰極蛍光ランプ1の場合、実線Aで示すように、電流密
度(mA/mm2 )を次第に大きくすると、発光効率は緩
やかに低下する。また、水銀+キセノン封入タイプの冷
陰極蛍光ランプの場合も、一点鎖線Bで示すように、電
流密度(mA/mm2 )を次第に大きくすると、やはり発
光効率は低下する。しかし、実線Aと一点鎖線Bを比べ
れば明らかなように、水銀+キセノン+アルゴン封入タ
イプの冷陰極蛍光ランプの方が、水銀+キセノン封入タ
イプの冷陰極蛍光ランプに比べて常に発光効率が上回っ
ていることが分る。
【0040】なお、水銀+アルゴン封入タイプの冷陰極
蛍光ランプの場合は、破線Cで示すように、電流密度
(mA/mm2 )を次第に大きくすると、発光効率はほぼ
直線的に増大する。
【0041】特性Cはそれぞれ特性AおよびBと交わる
点があり、特性Aと特性Cの交わる点、すなわち電流密
度が1.0mA/mm2 の点より小さい領域では、水銀+
キセノン+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1が
水銀+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプに比べて
発光効率が良いことが確認できる。
【0042】また、特性Bと特性Cの交わる点、すなわ
ち電流密度が0.75mA/mm2 の点より小さい領域で
は、水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍光ランプが水
銀+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプに比べて発
光効率に優れていることが確認できる。
【0043】このことは以下のような理由によると考え
られる。つまり、水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍
光ランプの場合、電流密度が0.75A/mm2 以上では
陽光柱の収縮現象により効率が低下する。この収縮現象
によりバルブ中心部に電流が集中し、実質的な電流密度
が急激に増加する。これによりキセノンの自己吸収作用
による累積電離が増大し、また電子温度が急激に低下す
る結果、発光効率が低下する。
【0044】これに対し、キセノンよりも原子量の小さ
いアルゴンを混合して水銀+キセノン+アルゴン封入タ
イプにすれば、原子量の小さいアルゴンによりキセノン
が拡散されるため、電流密度が1.0mA/mm2 までは
電流の集中が防止され、また電子温度が上昇することか
ら発光効率が上昇する。
【0045】しかし、アルゴンよりもさらに原子量の小
さいネオンNaやヘリウムHeを用いると、非弾性衝突
によるエネルギー損失の増加が効率の増加を上回ってし
まうため、発光効率はむしろ低下する。また、クリプト
ンKrを用いると、クリプトンはキセノンとの原子量の
差が小さいため陽光柱の収縮現象による効果はほとんど
得られず、電子温度の上昇効果も小さく、水銀の発光量
の増加もわずかである。また、クリプトン自身の発光波
長は116nm近傍であり、蛍光体の励起波長として利用
するには短いため可視光への変換効率が低下する。
【0046】図3には各種希ガスによる輝度の変化を測
定した結果を示す。なお、使用したランプは、図1に示
す構造と同一発光管バルブを用い、封入ガス圧100To
rrである。
【0047】図3から、封入希ガスとしては、キセノン
にアルゴンを加えた混合ガスが最も輝度が高く、発光効
率に優れていることが判る。このようなことから、電流
密度が1.0mA/mm2 の点より小さい領域では水銀+
キセノン+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1
が、水銀+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプおよ
び水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍光ランプに比べ
て発光効率に優れていることが分る。
【0048】さらに、本発明者等は、発光管バルブの内
径とランプの発光効率との関係を調べた。この結果を図
4に示す。図4から、水銀+キセノン+アルゴン封入タ
イプの冷陰極蛍光ランプAは、水銀+キセノン封入タイ
プの冷陰極蛍光ランプBに比べて発光効率が上回り、か
つ水銀+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプCに比
べても発光効率が上回る領域があり、これはバルブ内径
が5.5mm以下となる場合である。
【0049】すなわち、水銀+キセノン+アルゴン封入
タイプの冷陰極蛍光ランプ1は、バルブ内径を5.5mm
以下にすれば、水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍光
ランプおよび水銀+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ラ
ンプのいずれに比べても発光効率が上回る。
【0050】これは、バルブ内径を5.5mm以下にする
と、キセノンおよびアルゴンの自己吸収が少なくなり、
かつ電子温度の低下が抑止されるために光出力が上昇す
るものと考えられる。
【0051】上記発光管バルブの内径を5.5mm以下に
するということは、放電空間の断面形状が円形の場合に
はそれでよいが、放電空間の断面形状円形でない場合は
放電空間の断面積で考えればよい。図5は、発光管にお
ける放電空間の断面積とランプの発光効率との関係を示
すものであり、同図から、放電空間の断面積は24mm2
以下にすれば、水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの
冷陰極蛍光ランプAは、水銀+キセノン封入タイプの冷
陰極蛍光ランプBおよび水銀+アルゴン封入タイプの冷
陰極蛍光ランプCに比べて発光効率が向上することが確
認された。
【0052】なお、断面積が1mm2 以下になると、電流
密度が過大となり、累積電離が増大し、発光管の壁から
の熱損失が割合として大きくなるから、効率が低下す
る。このような実験結果から、水銀+キセノン+アルゴ
ン封入タイプの冷陰極蛍光ランプAは、ランプの安定点
灯中の電流密度を1.0mA/mm2 以下とし、かつ放電
空間の断面積を24mm2 以下、すなわちバルブ2の内径
を5.5mm以下にすれば、同一構造の水銀+キセノン封
入タイプの冷陰極蛍光ランプBおよび水銀+アルゴン封
入タイプの冷陰極蛍光ランプCに比べて、発光効率が上
回ることになり、よって始動時の光束立上がりおよび発
光効率の優れた条件で使用できることになる。
【0053】そして、一層好ましい使用範囲は、ランプ
の電流密度を0.10mA/mm2 以上、0.45mA/
mm2 以下で点灯することが望ましい。すなわち、電流密
度が0.45mA/mm2 以下であれば、従来の水銀+ア
ルゴン封入タイプの蛍光ランプCに比べて130%以上
の効率を得ることができ、さらに電流密度が0.30m
A/mm2 以下であれば従来の水銀+アルゴン封入タイプ
の蛍光ランプCに比べて200%以上の効率を得ること
ができ、よって、従来に比べて顕著な有意差が生じる。
【0054】また、電流密度が1.0mA/mm2 以下で
あれば効率は向上するが、電流密度が0.10mA/mm
2 以下の場合は光束が低下し、輝度が22000cd/
2以下になり、発光量が少なくなるから好ましくな
い。
【0055】そして、ランプの電流密度を0.10mA
/mm2 以上、0.45mA/mm2 以下で点灯する場合
は、発光管バルブの内径を1.5mm以上、2.5mm以下
にするのがよい。これは、図4から理解できる通り、水
銀+キセノン+アルゴン封入タイプのランプAは、バル
ブの内径が2mmの場合に最大効率を示す。最大効率が9
5%以上の範囲で使用すれば、有効な使用範囲と認めら
れ、よって図3の特性から、最大効率が95%以上の範
囲を求めると、バルブの内径を1.5mm以上、2.5mm
以下にすればよいことが確認できる。これは放電空間の
断面積に換算すると、断面積を1.8mm2 以上、5mm2
以下にすればよいことを示している。
【0056】次に、キセノンとアルゴンの封入比につい
て実験をした結果を説明する。図6は、キセノンの分圧
とアルゴンの混合%について測定した特性図である。そ
れぞれの最高効率の70%以上の効率を得るには、キセ
ノンの分圧が50Torr以上、100Torr以下であり、ア
ルゴンは3%以上、75%以下であることが必要であ
る。アルゴンの混合割合が3%未満であるとアルゴンを
混合する初期の目的が達成できず、またアルゴンの混合
割合が75%を越えると、発光効率が、水銀+アルゴン
封入タイプの蛍光ランプと有意差をもたなくなる。な
お、図6から、アルゴンの混合割合を増した場合にキセ
ノンの分圧を低くしてもよいことが傾向として見られ
る。
【0057】図7は、混合希ガスの全封入圧と始動電圧
との関係を測定した特性図である。同図から、全封入ガ
ス圧が同等であっても、アルゴンの封入割合が大きいほ
ど始動電圧を下げるのに有効であることが分る。これは
キセノンに比べてアルゴンの方が電離し易いため、始動
が容易になるためと考えられる。
【0058】始動電圧を1000V以下に抑えようとす
れば、図7から、アルゴンの混合割合を75%以下に
し、全封入ガス圧を200Torr以下にする必要がある。
アルゴンの混合割合を3%以上、75%以下にする理由
は、前記した通りである。そして、混合希ガスの全封入
圧は、200Torr以下にする必要がある。希ガスの全封
入圧を200Torr以上に設定した場合は、始動電圧を引
き下げるためにアルゴンの混合割合を75%以上にしな
ければならず、また希ガスの自己吸収が増して効率が低
下し、しかも、この種のランプは細いバルブであるか
ら、強度不足により破損が心配される。このため、希ガ
スの全封入圧は、200Torr以下がよい。
【0059】また、希ガス全体の封入圧が200Torr以
下であっても、キセノンの分圧は50Torr以上、100
Torr以下に規制される。この理由は以下の通りである。
つまり、キセノンは147nmの紫外線と172nmの紫外
線を放射するが、147nmの紫外線放射は主として原子
発光であり、これに対し172nmの紫外線放射は主とし
て分子発光である。キセノンの封入ガス圧が、例えば5
0Torr未満の場合は、原子発光となり、147nmの紫外
線放射が多くなる。しかし、一般に蛍光ランプに用いら
れている蛍光体は、その感応紫外線領域が水銀から放射
される紫外線(254nm)に適合するように開発されて
おり、比較的長波長側の紫外線域にある。つまり、上記
原子発光によって147nmの紫外線を発するよりも、分
子発光によってそれよりも長波長側の172nmの紫外線
を発する方が有利である。したがって、キセノンは原子
発光よりも分子発光をさせる方がよく、このためキセノ
ンの封入ガス圧は50Torr以上の高い圧力に設定する方
が有利である。
【0060】そして、キセノンの封入ガス圧が100To
rrを越えると、アルゴンをいくら混合しても発光効率の
向上に寄与しなくなり、よってキセノンの封入ガス圧は
100Torr以下がよい。
【0061】表1は、上記実施例に示した水銀+キセノ
ン+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1と、これ
と同一構造の水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍光ラ
ンプとを比較した具体例である。
【0062】
【表1】
【0063】上記表1より、実施例の水銀+キセノン+
アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1は、これと同
一構造の水銀+キセノン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ
に比べて始動電圧を低くすることができるとともに、輝
度を高くすることができ、よって始動性に優れた蛍光ラ
ンプを得ることができる。
【0064】また、上記水銀+キセノン+アルゴン封入
タイプの冷陰極蛍光ランプ1は、パルス点灯するとパル
スの休止期間にキセノンイオンが再結合することによる
放射を生じ、いわゆるアフターグローが発生するため、
このアフターグローにより紫外線が放射され、よって発
光効率が高くなる。この場合、パルスの周波数は40〜
80kHz、例えば60kHzを使用し、そのデューテ
ィ比τ(a/a+b)は2%以上で20%以下、例えば
4〜10%が望ましい。
【0065】周波数とデューティ比について、調べた結
果を図8ないし図10に示す。図8は周波数と発光効率
との関係を示す特性図であり、それぞれの特性はデュー
ティ比τを10%、50%および75%に変えた場合を
示す。この図から、いずれのデューティ比の場合でも、
効率は周波数がほぼ60kHz付近の場合にピーク値を
示すことが判る。そして、それぞれの特性において、ピ
ーク効率の90%以上の効率が得られる範囲は、周波数
が30kHz〜80kHzの範囲であり、つまり周波数
を30kHz〜80kHzの範囲に規制すれば良好な効
率が得られることが判る。
【0066】また、図9はデューティ比τ(a/a+
b)を変化した場合の発光効率を示す。この特性からピ
ーク効率の90%以上が得られる範囲は、デューティ比
を2%以上で50%以下にするのがよく、好ましくは4
〜20%の範囲がよい。この理由は以下の通りである。
すなわち、水銀とキセノンおよびアルゴンを封入したラ
ンプをパルス点灯すると、図10に示すような紫外線出
力が得られる。つまり、パルスが印加されている場合に
はIゾーンの紫外線出力が生じ、パルスの休止期間には
IIゾーンの紫外線出力が生じる。これはキセノンガスの
特質によるもので、キセノンはパルスの休止期間中にキ
セノンイオンが再結合することにより放射を生じ、いわ
ゆるアフターグローが発生する。このアフターグローに
よりパルスの休止期間に紫外線を放射する。したがっ
て、パルスの印加中におけるIゾーンの紫外線出力は水
銀とキセノンの両者から放射される紫外線であり、パル
ス休止期間のIIゾーンの紫外線出力は、主としてキセノ
ンのアフターグローによる出力である。
【0067】発光効率を高くするには、パルス休止期間
のIIゾーンの紫外線出力を増やせばよく、すなわちキセ
ノンの発光を利用すればよいから、休止期間を長くする
と有利になる。この点からデューティ比を比較的長く
し、しかしながら20%以下にするのがよく、デューテ
ィ比が20%以下であればピーク効率の90%以上の効
率が期待できる。しかし、デューティ比を20%以下に
するような回路構成は実際上実現不可能であり、デュー
ティ比は50%以下になる。
【0068】デューティ比が低すぎると、パルス印加中
における水銀の発光が期待できなくなり、水銀発光を利
用するためには少なくともデューティ比を2%以上にす
る必要がある。
【0069】この結果、デューティ比は2%以上で50
%以下にするのがよく、好ましくは4〜20%の範囲が
よい。なお、ランプに印加する高周波の電圧波形は、図
10に示すパルス波形に限らず、図11の(A)および
(B)に、それぞれ第2および第3の実施例として示す
ような電圧波形であってもよい。これらの電圧波形の場
合も、デューティ比は、(a/a+b)で表される。
【0070】上記した水銀+キセノン+アルゴン封入タ
イプの冷陰極蛍光ランプ1は、例えば、第4の実施例と
しての図12および図13に示す液晶表示装置のバック
ライトとして使用できる。
【0071】図12および図13に示す液晶表示装置
は、液晶表示板20の背面に光拡散導光板21が重ねて
配置されており、この光拡散導光板21は、乳白色のア
クリル樹脂などからなり、下面および一側面を除く3方
向の側面がケ−シング22により囲まれている。このケ
−シング22は内面が反射面23をなしている。上記ケ
−シング32の一側に形成された開放面には、光源とし
ての前記水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの冷陰極
蛍光ランプ1が配置されている。
【0072】冷陰極蛍光ランプ1は、ケ−シング22の
一側に形成された開放面に対向して連結された円筒形反
射体25に収容されている。円筒形反射体25の内面は
反射面26をなしており、上記ランプ1はランプ軸が上
記反射体25の中心線と一致するようにしてこの反射体
25に収容されている。円筒形反射体25は、前記ケ−
シング22の一側に形成された開放面に対向する側壁が
開口されており、上記希ガス放電灯1から放出された光
は、全て光拡散導光板21の一側面に導入されるように
なっている。
【0073】そして、上記冷陰極蛍光ランプ1は、図1
に示されたパルス電圧印加装置10からパルス電圧が印
加されて点灯されるようになっており、このランプ1か
ら放出される光は反射体25の内面反射面26で反射さ
れ、光拡散導光板21の一側面に導入される。この光拡
散導光板21に導入された光は、この光拡散導光板21
内で拡散し、かつケ−シング22の内面に形成した反射
面23で反射され、光拡散導光板21の上面に向かわさ
れる。このため、光拡散導光板21の上面では全体に亘
り略均等な明るさとなり、この面に重ねて配置された液
晶表示板20をこの背面から均等に照射するようにな
る。
【0074】このような液晶表示装置においては、水銀
+キセノン+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1
の始動時の立上がり特性が良好であり、しかも安定点灯
中の発光効率が良いから、液晶表示装置としての始動時
の性能および使用中の表示性能が向上する。
【0075】なお、上記実施例の場合、水銀+キセノン
+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプ1は、バルブ
2の両端内部に冷陰極4,4を封装したが、放電を維持
する手段はこれに限らず、例えばバルブ2の一端に冷陰
極4を封装するとともにバルブの外に外部電極を設け、
これら内部の冷陰極4と外部の電極間でバルブ内に放電
を発生させるようにしてもよい。
【0076】また、図14および図15に第5の実施例
として示す水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの蛍光
ランプ30のように、バルブ31の外部に、互いに対向
してそれぞれ帯状をなす一対の外部電極32,32を設
け、これら外部電極32,32をパルス電圧印加装置1
0および電流制限手段11に接続することにより、バル
ブ31内に放電を発生させるようにしてもよい。なお、
バルブ31内には、前記した条件の範囲で所定量の水銀
と、所定圧のキセノンXeおよびアルゴンからなる混合
希ガスが封入されている。さらに、バルブ31の内面に
は、水銀およびキセノンXeから発せられる紫外線に吸
収帯をもつ蛍光体被膜33が形成されている。
【0077】このような構造の外部電極形の水銀+キセ
ノン+アルゴン封入タイプの蛍光ランプ30であって
も、ランプの安定点灯中の電流密度を1.0mA/mm2
以下にし、かつ放電空間の断面積を24mm2 以下、つま
りバルブ31の内径を5.5mm以下にすれば、同一構造
の水銀+アルゴンガスを封入した蛍光ランプに比べて始
動特性に優れ、同一構造の水銀+キセノンガスを封入し
た蛍光ランプに比べて発光効率が上回ることができる。
【0078】また、本発明は液晶表示装置のバックライ
トに使用する蛍光ランプに限らず、例えば各種メータに
使用される自己発光形の指針としての細径の蛍光ランプ
であってもよい。
【0079】さらに、混合希ガスとしては、キセノン+
アルゴンに限らず、キセノン+ネオンやキセノン+クリ
プトンなどであってもよく、またはキセノン+アルゴン
にさらにネオンやクリプトンその他の希ガスが混合され
ていてもよく、要するに希ガスとしてキセノンと他の希
ガスが混合して封入されていればよい。
【0080】さらにまた、特定方向の発光強度を強くし
たアパーチャ形蛍光ランプであっても実施可能である。
また、本発明の蛍光ランプは、図16の(A)および
(B)に示す第6の実施例のような構造であってもよ
い。
【0081】図16の(A)および(B)に示す第6の
実施例のランプは、発光管バルブがベースガラス60の
上下両面に、下カバーガラス61および上カバーガラス
62を接合して構成されており、ベースガラス60には
例えばU字形の屈曲した溝63が形成されており、した
がってこれらベースガラス60と下カバーガラス61お
よび上カバーガラス62とで囲まれた空間にU字形の屈
曲した放電路64が形成されている。この放電路64の
両端部に、例えばニッケル棒などからなる冷陰極65、
65が封装されており、これら冷陰極65、65はパル
スインバータ10および電流制限手段11に接続されて
いる。パルスインバータ10は、周波数が30〜80k
Hzで、デュ−ティ比が2%以上50%以下のパルス電
圧を供給する。放電路64の内面には図示しない蛍光体
被膜が形成されており、この放電路64には、水銀と、
キセノンおよびアルゴンを主体とした希ガスが前記した
条件の範囲で封入されている。
【0082】このような構造の蛍光ランプであっても、
ランプの安定点灯中の電流密度を1.0mA/mm2 以下
にし、かつ放電路64の断面積を24mm2 以下にすれ
ば、始動電圧を引き下げ、光束立上がり特性に優れ、発
光効率の優れた条件で使用することができる。
【0083】また、図17の(A)および(B)に示す
第7の実施例であってもよい。図17の(A)および
(B)に示す第7の実施例のランプは、発光管バルブを
構成するベースガラス70の上下両面に、下カバーガラ
ス71および上カバーガラス72を接合したものであ
り、ベースガラス70には、放射方向に伸びる多数の溝
73…が形成されている。したがってこれらベースガラ
ス70と下カバーガラス71および上カバーガラス72
とで囲まれた空間に、放射方向に伸びる放電路74…が
形成されている。この放射方向に伸びる放電路74…は
ベースガラス70の中央部で相互に連通しており、この
中央部に共通電極としての陰極75を配置してあるとと
もに、各放射方向に伸びる放電路74…の先端部にはそ
れぞれ例えばニッケル棒などからなる陽極76…が封装
されている。これら陰極75と陽極76…は、それぞれ
図示しないパルスインバータおよび電流制限手段に接続
されている。
【0084】放電路74…の内面には図示しない蛍光体
被膜が形成されており、これら放電路74…には、水銀
と、キセノンおよびアルゴンを主体とした希ガスが前記
した条件の範囲で封入されている。
【0085】このような構造の蛍光ランプであっても、
ランプの安定点灯中の電流密度を1.0mA/mm2 以下
にし、かつ放電路74…のそれぞれ断面積を24mm2
下にすれば、始動電圧を引き下げることができ、光束立
上がり特性に優れ、発光効率の優れた条件で使用するこ
とができる。
【0086】さらに、図18の(A)および(B)に示
す第8の実施例のランプは、発光管バルブを構成する筒
形に形成されたベースガラス80の側壁に、それぞれ軸
方向に伸びる円形または他の形状の多数の放電路81…
を、互いに周方向に並ぶように形成してあり、これら放
電路81…の両端部に、例えばニッケル棒などからなる
冷陰極82、82が封装されており、これら冷陰極8
2、82は図示しないパルスインバータおよび電流制限
手段に接続されている。
【0087】それぞれの放電路81…の内面には図示し
ない蛍光体被膜が形成されており、これら放電路81…
には、水銀、キセノンおよびアルゴンを主体とした希ガ
スが前記した条件の範囲で封入されている。
【0088】このような構造の蛍光ランプであっても、
ランプの安定点灯中の電流密度を1.0mA/mm2 以下
にし、かつ放電路81の断面積を24mm2 以下にすれ
ば、始動電圧を引き下げることができ、始動時の光束立
上がり特性に優れ、発光効率の優れた条件で使用するこ
とができる。これら図16ないし図18の各実施例か
ら、放電路64、74、81の断面形状は、円形、四
角、その他種々の形状であってよい。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、従来の水銀+アルゴン封入タイプの低圧水銀ラン
プに比べて始動時の光束立上がり特性に優れるとともに
発光効率にも優れ、かつ水銀+キセノン封入タイプの蛍
光ランプに比べても発光効率に優れ、始動電圧を引き下
げることができる。
【0090】請求項2の発明によれば、他の希ガスがア
ルゴンであるから、発光効率の向上に有効である。そし
て、アルゴンの混合割合が3%未満であるとアルゴンを
混合する初期の目的が達成できず、またアルゴンの混合
割合が80%を越えると、発光効率が、水銀+アルゴン
封入タイプの蛍光ランプと有意差をもたなくなる。
【0091】請求項3の発明によれば、キセノンの封入
圧を50Torr以上、100Torr以下としたから、キセノ
ンが分子発光されて長波長側の172nmの紫外線を放出
することになり、効率が向上する。
【0092】請求項4の発明によれば、放電空間の断面
形状が円形である場合は、内径を5.5mm以下にすれ
ば、キセノンの自己吸収が増えず、水銀+アルゴン封入
タイプの蛍光ランプに比べて効率が良好になる。
【0093】請求項5の発明によれば、請求項1の発明
と同様の作用により、発光効率が水銀+アルゴン封入タ
イプの蛍光ランプに比べて向上する。また、請求項6の
発明によれば、電流密度が0.10〜0.45mA/mm
2 の範囲でランプを点灯するから、一層好ましい範囲と
なる。すなわち、電流密度を0.45mA/mm2 以下で
使用すると、従来の水銀+アルゴン封入タイプの蛍光ラ
ンプに対し効率で130%以上の向上が認められ従来の
比べて顕著な有意差が生じる。また、電流密度が0.1
0mA/mm2 未満では発光量が少なくなり、輝度が低く
なる。
【0094】請求項7の発明によれば、発光管バルブの
内径を1.5〜2.5mmの範囲にしたから、最高効率の
95%以上の効率の範囲で使用することができる。請求
項8の発明によれば、水銀+キセノン封入タイプの蛍光
ランプをパルス点灯するから、光強度が増し、さらに効
率の向上が望める。
【0095】請求項9の発明によれば、上記蛍光ランプ
を周波数が30〜80kHzで、デュ−ティ比が2〜5
0%の範囲のパルス電圧で点灯するから、効率がすこぶ
る良好になる。
【0096】請求項10の発明によれば、始動性および
効率に優れた光源装置を提供できる。請求項11の発明
によれば、始動性および効率に優れた液晶表示装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る水銀+キセノン+
アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光ランプの断面図。
【図2】電流密度と相対発光効率との関係を示す特性
図。
【図3】混合希ガスの種類と輝度の関係を示す特性図。
【図4】バルブ内径と相対発光効率との関係を示す特性
図。
【図5】放電空間の断面積と相対発光効率との関係を示
す特性図。
【図6】キセノン分圧と相対発光効率との関係を示す特
性図。
【図7】全封入ガス圧と始動電圧との関係を示す特性
図。
【図8】周波数と発光効率との関係を示す特性図。
【図9】デューティ比と発光効率との関係を示す特性
図。
【図10】パルスの印加時期と紫外線出力の変化を示す
特性図。
【図11】(A)および(B)は、それぞれ本発明の第
2の実施例および第3の実施例の異なる電圧波形を示す
図。
【図12】本発明の第4の実施例を示し、図1の冷陰極
蛍光ランプをバックライト光源として用いた液晶表示装
置の分解した斜視図。
【図13】同液晶表示装置の断面図。
【図14】本発明の第5の実施例に係る水銀+キセノン
封入タイプの蛍光ランプの断面図。
【図15】同放電灯の断面図。
【図16】本発明の第6の実施例を示し、(A)図は蛍
光ランプ全体の分解した斜視図、(B)図は(A)図の
A−A線に沿う断面図。
【図17】本発明の第7の実施例を示し、(A)図は蛍
光ランプ全体の平面図、(B)図は(A)図のA−A線
に沿う断面図。
【図18】本発明の第8の実施例を示し、(A)図は蛍
光ランプ全体の断面図、(B)図は(A)図のA−A線
に沿う断面図。
【符号の説明】
1…水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの冷陰極蛍光
ランプ 2…バルブ 3…蛍光体被膜 4…冷陰極 10…パルス電圧印加装置 11…電流制限手段 20…液晶表示板 21…光拡散導光板 25…反射体 30…水銀+キセノン+アルゴン封入タイプの蛍光ラン
プ 31…バルブ 32…外部電極 33…蛍光体被膜。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電空間の断面積が24mm2 以下の発光
    管バルブと、 上記バルブ内に定格電流密度が1.0mA/mm2 以下の
    放電を発生させる手段と、 上記バルブ内に封入され、上記放電により紫外線を発す
    る水銀と、キセノンおよび他のガスを含む混合希ガス
    と、 上記バルブの内側に設けられ、上記水銀およびキセノン
    から放出された紫外線を受けて発光する蛍光体被膜と、 を具備したことを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 上記他の希ガスは、75%以下の割合で
    混合されたアルゴンであることを特徴とする請求項1に
    記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 混合希ガスの全封入圧は200Torr以下
    であり、そのうちキセノンガスの封入分圧は50Torr以
    上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載の蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 発光管バルブの内径が5.5mm以下であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    1に記載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1に
    記載の蛍光ランプと、 この蛍光ランプを電流密度が1.0mA/mm2 以下で点
    灯する点灯手段と、 を有することを特徴とする蛍光ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】 上記点灯手段は、蛍光ランプの電流密度
    を0.10mA/mm2 以上、0.45mA/mm2 以下で
    点灯することを特徴とする請求項5に記載の蛍光ランプ
    点灯装置。
  7. 【請求項7】 発光管バルブの内径が1.5mm以上、
    2.5mm以下であることを特徴とする請求項6に記載の
    蛍光ランプ点灯装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項4のいずれか1に
    記載の蛍光ランプと、 休止期間をもつパルス電圧を上記蛍光ランプに印加する
    パルス電圧供給装置と、を備えたことを特徴とする蛍光
    ランプ点灯装置。
  9. 【請求項9】 上記パルス電圧供給装置から上記蛍光ラ
    ンプに印加される休止期間をもつパルス電圧は、周波数
    が30kHz以上、80kHz以下であり、デュ−ティ
    比が2%以上、50%以下であることを特徴とする請求
    項8に記載の蛍光ランプ点灯装置。
  10. 【請求項10】 請求項5ないし請求項9のいずれか1
    に記載の蛍光ランプ点灯装置と、 上記蛍光ランプ点灯装置を組み込んだ光源装置本体と、 を備えたことを特徴とする光源装置。
  11. 【請求項11】 請求項5ないし請求項9のいずれか1
    に記載の蛍光ランプ点灯装置と、 上記蛍光ランプ点灯装置を組み込んだ液晶表示装置本体
    と、 を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
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