JPH1050261A - 放電ランプ、照明装置、および表示装置 - Google Patents

放電ランプ、照明装置、および表示装置

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JPH1050261A
JPH1050261A JP20261496A JP20261496A JPH1050261A JP H1050261 A JPH1050261 A JP H1050261A JP 20261496 A JP20261496 A JP 20261496A JP 20261496 A JP20261496 A JP 20261496A JP H1050261 A JPH1050261 A JP H1050261A
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JP
Japan
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bulb
discharge lamp
infrared
mercury
rare gas
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JP20261496A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Nishimura
潔 西村
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水銀の蒸気圧が不足する低温時、始動時、お
よび低消費電力時の発光効率を向上する。 【解決手段】 バルブ11内に、水銀およびキセノンを封
入する。バルブ11の内周面に蛍光体層21を形成する。バ
ルブ11の外周面に可視光を透過する赤外線反射膜23を形
成する。バルブ11内に放電すると、水銀およびキセノン
が紫外線を放射し、この紫外線により蛍光体層21を励起
して、可視光を照射する。キセノンが放射する赤外線
を、赤外線反射膜23で反射して、放電ランプ1を熱し、
水銀の蒸気圧を上げることにより、発光効率を向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水銀が封入された
放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置およ
び表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、いわゆるOA機器用の読
み取り光源や、液晶表示装置のバックライトとして、細
長なガラスバルブを備えた放電ランプが用いられてい
る。そして、このガラスバルブには、両端に電極が設け
られ、内面に蛍光体層が設けられるとともに、内部に水
銀および希ガスが封入されている。そして、両端の電極
に高電圧を印加して放電させることにより、電子と衝突
した水銀から紫外線を照射させ、この紫外線にて蛍光体
層の蛍光物質を励起させることにより、外部に可視光線
を照射するようになっている。また、水銀が封入された
放電ランプにおいては、水銀の蒸気圧に伴い発光効率が
変化し、水銀の蒸気圧は周囲の温度に伴い変化するた
め、通常の使用状態においては、ガラスバルブの管壁温
度の最冷部温度が40℃〜60℃の範囲内にある状態に
おいて、発光効率(光束)が良好になるようになってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、周囲温度が低い場合、点灯直後、あるい
は消費電力を低くした場合などにおいて、ガラスバルブ
の管壁温度が所定の温度まで上昇せず、水銀の蒸気圧が
不足して、発光効率が低下する問題を有している。
【0004】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、発光効率を向上できる放電ランプ、照明装置、お
よび表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の放電ラン
プは、バルブと;このバルブに封入された水銀および希
ガスと;バルブの内面に設けられ、水銀および希ガスが
発した紫外線を受けて発光する蛍光体層と;バルブの周
面に設けられ、バルブの内側から外側に向かう赤外線を
阻止する赤外線阻止部と;を具備しているものである。
【0006】なお、希ガスは、主に、アルゴン、キセノ
ンが用いられるが、これらに限られるものではない。
【0007】そして、この構成では、バルブの内部に放
電を行うことにより、水銀および希ガスが紫外線を放射
し、この紫外線により蛍光体層を励起して可視光を照射
する。さらに、水銀の蒸気圧が不足する低温時において
は、希ガスから放射される赤外線をバルブの周面に設け
た赤外線阻止部で反射あるいは吸収などして阻止するこ
とにより、放電ランプのバルブあるいはバルブ内部の温
度が上昇し、発光効率あるいは始動時の特性などが向上
する。
【0008】請求項2記載の放電ランプは、請求項1記
載の放電ランプにおいて、赤外線阻止部は、可視光を透
過させるとともに、赤外線を吸収して発熱するものであ
る。
【0009】なお、バルブの周面とは、バルブの外面ま
たは内面であり、赤外線阻止部は、バルブの外面に赤外
線を吸収する透光性樹脂を主体とした被膜をコーティン
グして形成でき、また、バルブの内面に、酸化インジウ
ム(In2 3 )などの金属酸化物微粒子を主とした赤
外線吸収層として形成できる。
【0010】そして、この構成では、バルブの周面に設
けた赤外線阻止部が可視光を抑制することがないので、
照明効果が向上するとともに、バルブの全面にわたって
赤外線阻止部を形成することが可能になる。また、水銀
の蒸気圧が不足する低温時において、希ガスから放射さ
れる赤外線をバルブの周面に設けた赤外線阻止部で吸収
して発熱させることにより、バルブの温度を上昇させて
放電ランプの温度が上昇し、発光効率あるいは始動時の
特性などが向上する。
【0011】請求項3記載の放電ランプは、請求項1ま
たは2記載の放電ランプにおいて、赤外線阻止部は、可
視光を透過させるとともに、バルブの内側から外側に向
かう赤外線の少なくとも一部を内側に向かって反射する
ものである。
【0012】なお、赤外線阻止部は、酸化チタン(Ti
2 )、酸化シリコン(SiO2 )の多層干渉膜などに
よって形成することが可能であるが、他の構成でもよ
い。
【0013】そして、この構成では、バルブの周面に設
けた赤外線阻止部が可視光を抑制することがないので、
照明効果が向上するとともに、バルブの全面にわたって
赤外線阻止部を形成することが可能になる。また、水銀
の蒸気圧が不足する低温時において、希ガスから放射さ
れる赤外線をバルブの周面に設けた赤外線阻止部で反射
してバルブの内側に戻すことにより、ガスに再吸収させ
るなどして、放電ランプの温度が上昇し、発光効率ある
いは始動時の特性などが向上する。
【0014】請求項4記載の放電ランプは、請求項1な
いし3いずれか一記載の放電ランプにおいて、バルブに
は、電極部が設けられ、赤外線阻止部は、電極部近傍を
除くバルブの略全面に設けられたものである。
【0015】そして、この構成では、バルブの軸方向の
略全長において温度が上昇し、バルブの軸方向の輝度む
らが低減され、照明効果が向上する。
【0016】請求項5記載の放電ランプは、請求項1な
いし4いずれか一記載の放電ランプにおいて、希ガス
は、キセノンを含むものである。
【0017】そして、この構成では、キセノンから放射
される赤外線を、赤外線阻止部で吸収あるいは反射など
することにより、放電ランプの温度が上昇し、発光効率
あるいは始動時の特性などが向上する。
【0018】請求項6記載の放電ランプは、請求項1な
いし5いずれか一記載の放電ランプにおいて、希ガス
は、アルゴンを含むものである。
【0019】そして、この構成では、放電ランプの温度
が上昇した後は、アルゴンにより、発光効率が向上す
る。
【0020】請求項7記載の放電ランプは、請求項1な
いし6いずれか一記載の放電ランプにおいて、陽光柱部
分のバルブの重量当たりの消費電力が0.2W/g以下
であるものである。
【0021】そして、この構成では、消費電力が低くと
も、バルブの周面に設けた赤外線阻止部により発光効率
が向上されるので、陽光柱部分のバルブの重量当たりの
消費電力が0.2W/g以下とし、消費電力の低下と発
光効率の向上との両立が可能になる。
【0022】請求項8記載の照明装置は、請求項1ない
し7いずれか一記載の放電ランプと;この放電ランプを
点灯させる点灯装置と;を具備しているものである。
【0023】そして、この構成では、発光効率あるいは
始動時の特性などが向上した照明装置が可能になる。
【0024】請求項9記載の表示装置は、請求項8記載
の照明装置と;この照明装置により照明される表示手段
と;を具備しているものである。
【0025】そして、この構成では、低温時、始動時、
あるいは低消費電力時においても照明特性が向上した表
示装置が可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放電ランプ、照明
装置、および表示装置の一実施の形態を図面を参照して
説明する。
【0027】図1は、本実施の形態の放電ランプの断面
図、図2は、本実施の形態の照明装置の構成図、図3
は、本実施の形態の表示装置の一部の分解斜視図であ
る。また、図4は、光出力の立上がり特性を示すグラ
フ、図5は、同上周囲温度と相対効率との関係を示すグ
ラフである。
【0028】図1および図2において、1は冷陰極蛍光
ランプである放電ランプで、この放電ランプ1は、電流
制限装置およびパルスインバータなどを備えた点灯装置
としての高電圧印加装置2に接続され、照明装置3を構
成している。そして、この照明装置3は、図3に示す表
示装置としての液晶表示装置5に組み込まれ、いわゆる
OA機器を構成している。
【0029】そして、放電ランプ1は、細長な直管状を
なすガラス製のバルブ11を備えている。そして、このバ
ルブ11は、例えば、外径3mm、長手寸法230mmで、両
端部が封止部12,12により封止されている。
【0030】また、このバルブ11の両端部には、それぞ
れ電極部としての冷陰極14,14が封装されている。そし
て、各冷陰極14は、それぞれリード線を兼ねた電極軸15
に棒状の電極本体16を接合して構成され、電極本体16
は、ニッケル(Ni)製のワイヤにて形成され、相対向
する電極本体16の相対向する先端部間の距離すなわち電
極間距離(放電長)は、210mmとなっている。さら
に、各電極軸15は、封止部12に封着された封着線17に接
続され、これら封着線17に、バルブ11の外部に導出され
る外部リード線19が接続されている。
【0031】一方、バルブ11の内部には、放電ガスとし
て、所定量の水銀(Hg)と、所定圧の希ガスとが封入
されている。そして、希ガスは、キセノン(Xe)ある
いはキセノンを主体としてアルゴン(Ar)などを加え
た混合ガスで、希ガスの全封入圧は80torr、このうち
キセノンの封入分圧は40torrとなっている。
【0032】また、バルブ11の内壁(内周面)には、蛍
光体層(蛍光膜)21が形成されている。そして、この蛍
光体層21は、水銀から放射される紫外線(主に254n
m)およびキセノンから放射される紫外線(147nm,
172nm)により励起され可視光を放射する蛍光体(蛍
光物質)を塗布して形成されている。なお、この水銀輝
線用の蛍光体としては、例えば、3波長形発光蛍光体と
して、一般に用いられる、Y2 3 :Eu、(La,C
e,Tb)PO4 、BaMg2 Al1627:Euが用い
られている。また、キセノン輝線用の蛍光体としては、
3 (Al,Ga)5 18,Y2 SiO5 :Ce、Ba
Al1219:Mn、Y3 Al5 12:Ceなどが用いら
れる。
【0033】さらに、バルブ11の外壁(外周面)には、
赤外線阻止部としての面状の赤外線反射膜23が形成され
ている。そして、この赤外線反射膜23は、バルブ11の端
部から冷陰極14,14の近傍までの部分を除いて、全面に
形成され、バルブ11の端部ではガラスが露出するように
なっている。そして、この赤外線反射膜23は、TiO2
およびSiO2 からなり、可視光を透過し、赤外線を反
射する多層干渉膜として形成されている。
【0034】また、高電圧印加装置2は、放電ランプ1
の外部リード線19,19に接続され、パルスインバータに
より、冷陰極14,14に所定のデューティー比を有するパ
ルス電圧を印加するとともに、電流制限装置により、放
電ランプ1の点灯中には、例えば、2mAのランプ電流
が流れるようになっている。
【0035】さらに、液晶表示装置5は、液晶表示板31
と、この液晶表示板31の背面に配置される導光板32と、
この導光板32を支持するケース体33とを備えている。ま
た、このケース体33の一端部には、断面略円弧状をなす
反射体35が取り付けられ、この反射体35に、放電ランプ
1が装着されている。
【0036】そして、この構成では、高電圧印加装置2
により、冷陰極14,14に所定の電圧を印加し、バルブ11
の内部に放電を行うことにより、封入した水銀とキセノ
ンが紫外線(水銀:254nm,185nm、キセノン:1
47nm,172nm)を放射し、この紫外線により蛍光体
層21を励起して可視光を照射する。
【0037】すると、この可視光は、反射体35に反射さ
れ、導光板32の一端部から入射されて液晶表示板31の全
面を均一に照明するようになっている。
【0038】さらに、この構成においては、放電ランプ
1の消費電力が小さい場合、点灯直後、あるいは、周囲
温度が低い場合などにおいて、水銀の蒸気圧が不足する
低温時においては、キセノンガスなどの希ガスから放出
される特有の赤外線スペクトルを、バルブ11の外壁に形
成した赤外線反射膜23で反射し、バルブ11の内側に戻し
ている。なお、キセノンの場合、代表的なスペクトル
は、823nm,828nm,881nmで、常時放射される
が、特に、水銀蒸気圧の低下する低温時に放射強度が増
加するようになっている。また、アルゴン(Ar)の赤
外線の輝線は、751.5nm,763.5nm,810.
4nmとなっている。そこで、この赤外線スペクトルは、
内部のガスに再吸収され、可視光に再変換させて光出力
を直接的に上昇させ、あるいは、熱を生じさせてガスま
たはバルブ11の温度を上昇させ、水銀の蒸気圧を上昇さ
せて、放電ランプ1の点灯時の光出力の立ち上がり特性
の改善や、低温環境下での発光効率を向上することがで
きる。
【0039】すなわち、従来例に比べて、本実施の形態
では、図4の光出力の立上がり特性のグラフに示すよう
に、光出力の立上がりを速くできるとともに、図5の周
囲温度と相対効率との関係のグラフに示すように、周囲
温度が低い場合の発光効率を向上することができる。な
お、従来例は、バルブの外壁に赤外線反射膜を形成して
いないもので、バルブの外径は3mm、長手寸法は230
mmで、内部には、アルゴンガス100torrと水銀とが封
入され、ランプ電流が2mAの場合の陽光柱の長さあた
りの消費電力は0.4W/g、最冷部温度が40℃〜6
0℃の状態でランプの最大効率が最大になるものであ
る。また、図4のグラフの実験は、ランプ電力(WL )
が2W、周囲温度が10℃の条件で行われ、縦軸は、従
来の放電ランプの安定点灯中の光出力を100%とした
場合の相対値である。また、図5のグラフは、周囲温度
の変化に対する発光効率の変化を示すもので、縦軸は、
従来の放電ランプの30℃の状態での発光効率を100
%としたものである。
【0040】さらに、上記の実験の結果などにも示され
るように、これらの発光効率の向上などの効果は、放電
ランプ1の消費電力が低く最冷部の温度が水銀の効率が
最も高い40℃〜60℃に満たないような低消費電力で
使用した場合に特に効果がある。すなわち、実験の結
果、室温において、陽光柱の消費電力が0.2W/g以
下となる条件において、従来の公正に対して大きく発光
効率を向上することができた。
【0041】このように、本実施の形態によれば、従来
可視光とともに無駄に外部に放射されていた赤外線を利
用し、すなわち、放電ランプ1の水銀蒸気圧が不足する
低温時や点灯直後において、希ガスから放射される赤外
線を反射してガスに再吸収させ、光出力を直接的に上昇
させ、あるいは、熱を生じさせてガスまたはバルブ11の
温度を上昇させ、水銀の蒸気圧を上昇させて、放電ラン
プ1の始動時の光出力の立ち上がり特性を改善し、ま
た、低温環境下での発光効率を向上することができる。
【0042】さらに、一般に、バルブは、ランプ中央部
に比べて、電極近傍では、この電極の熱により温度が上
がりやすく、バルブの軸方向において光出力の分布にむ
らが生じやすいが、本実施の形態では、赤外線反射膜23
を冷陰極14の近傍を除く全面に設けることで、バルブ11
の軸方向における温度を均一化し、輝度むらを防止する
ことができる。
【0043】そして、このような放電ランプ1を用いる
ことにより、低温時、始動時、あるいは低消費電力時に
おいても、均一で明るい照明装置3および視認性の良好
な液晶表示装置5を実現できる。
【0044】また、赤外線阻止部としての赤外線反射膜
23により、バルブ11の外側に放射される赤外線を抑制で
きるため、OA機器などにおいて、赤外線のワイヤレス
信号を用いたリモコン装置に対する影響を抑制すること
ができる。
【0045】なお、上記の実施の形態では、赤外線阻止
部として、可視光を透過し赤外線を反射する赤外線反射
膜23をバルブ11の外壁に設けたが、このような赤外線反
射膜23はバルブ11の内壁に設けてもよく、また、赤外線
阻止部として、赤外線を吸収して熱に変換する赤外線吸
収膜を用いても、上記の同様の効果を実現することがで
きる。
【0046】すなわち、図6は、第2の実施の形態を示
す断面図であり、バルブ11の外壁には、赤外線のみを吸
収して、可視光を透過する透光性樹脂製の面状の赤外線
吸収膜41が形成されている。
【0047】そこで、この図6に示す構成においても、
キセノンガスなどの希ガスから放出される赤外線を、バ
ルブ11の外壁に形成した赤外線吸収膜41で吸収して熱に
変換し、ガスまたはバルブ11の温度を上昇させ、水銀の
蒸気圧を上昇させて、放電ランプ1の点灯時の光出力の
立ち上がり特性の改善や、低温環境下での発光効率を向
上することができる。
【0048】また、上記の各実施の形態では、バルブ11
に封入するガスについて、水銀にキセノンおよびアルゴ
ンを加えた構成について説明したが、希ガスは、これら
キセノンおよびアルゴンに限られるものではなく、放電
を受けた状態で、特に水銀の蒸気圧が小さい低温時に赤
外線を放射するものであれば用いることができる。
【0049】そして、赤外線を吸収する赤外線阻止部と
しては、バルブの外面に赤外線を吸収する透光性樹脂を
主体とした被膜をコーティングしてもよいが、酸化イン
ジウム(In2 3 )などの金属酸化物微粒子を主とし
た赤外線吸収層をバルブの内面に形成することもでき
る。
【0050】また、赤外線を反射する赤外線阻止部は、
酸化チタン(TiO2 )、酸化シリコン(SiO2 )の
多層干渉膜などによって形成することが可能であるが、
他の構成とすることもできる。
【0051】さらに、本発明は、広く水銀を用いた放電
ランプに適用可能であり、例えば、電極を有しないマイ
クロ波放電ランプなどに適用しても同様の効果を得るこ
とができる。
【0052】そして、液晶表示装置5のいわゆるバック
ライトとして用いるほか、例えば、いわゆる読み取り光
源など、広くOA機器の光源として用いることができ
る。
【0053】
【発明の効果】請求項1記載の放電ランプによれば、水
銀の蒸気圧が不足する低温時において、希ガスから放射
される赤外線をバルブの周面に設けた赤外線阻止部で反
射あるいは吸収などして阻止することにより、放電ラン
プのバルブあるいはバルブ内部の温度を上昇させ、発光
効率あるいは始動時の特性などを向上することができ
る。
【0054】請求項2記載の放電ランプによれば、請求
項1記載の効果に加え、可視光を透過させる赤外線阻止
部を用いることにより、バルブの周面に設けた赤外線阻
止部が可視光を抑制することがなくなり、照明効果を向
上できるとともに、バルブの全面にわたって赤外線阻止
部を形成して、急速な加熱や輝度むらの防止を可能にす
ることができる。さらに、赤外線を吸収して発熱する赤
外線阻止部を用いることにより、水銀の蒸気圧が不足す
る低温時において、希ガスから放射される赤外線をバル
ブの周面に設けた赤外線阻止部で吸収して発熱させ、バ
ルブの温度を上昇させて放電ランプの温度を上昇させ、
発光効率あるいは始動時の特性などを向上できる。
【0055】請求項3記載の放電ランプによれば、請求
項1または2記載の効果に加え、可視光を透過させる赤
外線阻止部を用いることにより、バルブの周面に設けた
赤外線阻止部が可視光を抑制することがなくなり、照明
効果を向上できるとともに、バルブの全面にわたって赤
外線阻止部を形成して、急速な加熱や輝度むらの防止を
可能にすることができる。さらに、バルブの内側から外
側に向かう赤外線の少なくとも一部を内側に向かって反
射する赤外線阻止部を用いることにより、水銀の蒸気圧
が不足する低温時において、希ガスから放射される赤外
線をバルブの周面に設けた赤外線阻止部で反射してバル
ブの内側に戻し、ガスに再吸収させるなどして、放電ラ
ンプの温度を上昇させ、発光効率あるいは始動時の特性
などを向上することができる。
【0056】請求項4記載の放電ランプによれば、請求
項1ないし3いずれか一記載の効果に加え、赤外線阻止
部を、電極部近傍を除くバルブの略全面に形成すること
により、バルブの軸方向の略全長において温度を上昇さ
せ、急速な加熱を可能にできるとともに、バルブの軸方
向の輝度むらを低減し、照明効果を向上することができ
る。
【0057】請求項5記載の放電ランプによれば、請求
項1ないし4いずれか一記載の効果に加え、キセノンを
含む希ガスを用いることにより、キセノンから放射され
る赤外線を、赤外線阻止部で吸収あるいは反射などして
放電ランプの温度を上昇させ、発光効率あるいは始動時
の特性などを向上できる。
【0058】請求項6記載の放電ランプによれば、請求
項1ないし5いずれか一記載の効果に加え、アルゴンを
含む希ガスを用いることにより、放電ランプの温度が上
昇した後の発光効率を向上できる。
【0059】請求項7記載の放電ランプによれば、請求
項1ないし6いずれか一記載の効果に加え、消費電力が
低くとも、バルブの周面に設けた赤外線阻止部により発
光効率を向上できるため、陽光柱部分のバルブの重量当
たりの消費電力を0.2W/g以下とし、消費電力の低
下と、発光効率の向上とを両立することができる。
【0060】請求項8記載の照明装置によれば、請求項
1ないし7いずれか一記載の放電ランプを具備している
ため、照明装置の発光効率あるいは始動時の特性などを
向上できる。
【0061】請求項9記載の表示装置によれば、請求項
8記載の照明装置を具備しているため、低温時、始動
時、あるいは低消費電力時においても照明特性が向上し
視認性が良好な表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放電ランプの一実施の形態を示す断面
図である。
【図2】同上照明装置の構成図である。
【図3】同上表示装置の一部の分解斜視図である。
【図4】同上光出力の立上がり特性を示すグラフであ
る。
【図5】同上周囲温度と相対効率との関係を示すグラフ
である。
【図6】本発明の放電ランプの他の実施の形態を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 放電ランプ 2 点灯装置としての高電圧印加装置 3 照明装置 5 表示装置としての液晶表示装置 11 バルブ 14 電極部としての冷陰極 21 蛍光体層 23 赤外線阻止部としての赤外線反射膜

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブと;このバルブに封入された水銀
    および希ガスと;バルブの内面に設けられ、水銀および
    希ガスが発した紫外線を受けて発光する蛍光体層と;バ
    ルブの周面に設けられ、バルブの内側から外側に向かう
    赤外線を阻止する赤外線阻止部と;を具備していること
    を特徴とする放電ランプ。
  2. 【請求項2】 赤外線阻止部は、可視光を透過させると
    ともに、赤外線を吸収して発熱することを特徴とする請
    求項1記載の放電ランプ。
  3. 【請求項3】 赤外線阻止部は、可視光を透過させると
    ともに、バルブの内側から外側に向かう赤外線の少なく
    とも一部を内側に向かって反射することを特徴とする請
    求項1または2記載の放電ランプ。
  4. 【請求項4】 バルブには、電極部が設けられ、赤外線
    阻止部は、電極部近傍を除くバルブの略全面に設けられ
    たことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の
    放電ランプ。
  5. 【請求項5】 希ガスは、キセノンを含むことを特徴と
    する請求項1ないし4いずれか一記載の放電ランプ。
  6. 【請求項6】 希ガスは、アルゴンを含むことを特徴と
    する請求項1ないし5いずれか一記載の放電ランプ。
  7. 【請求項7】 陽光柱部分のバルブの重量当たりの消費
    電力が0.2W/g以下であることを特徴とする請求項
    1ないし6いずれか一記載の放電ランプ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7いずれか一記載の放電
    ランプと;この放電ランプを点灯させる点灯装置と;を
    具備していることを特徴とする照明装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の照明装置と;この照明装
    置により照明される表示手段と;を具備していることを
    特徴とする表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6265825B1 (en) 1998-02-27 2001-07-24 Nec Corporation Plasma display panel with an up-conversion phosphor
CN100399497C (zh) * 2005-09-21 2008-07-02 友达光电股份有限公司 荧光灯管及平面灯
WO2009041129A1 (ja) * 2007-09-25 2009-04-02 Sharp Kabushiki Kaisha 赤外線通信妨害抑制用放電管、表示装置用照明装置及び液晶表示装置
JP2009146583A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Ushio Inc エキシマランプ

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