JPH08189U - 貯蔵容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 検査さるべき液体を入れた測定容器を貯蔵し
ている貯蔵容器の製作費を低下せしめ，測定容器の汚損
を防止する保護箔による廃棄物処分問題を減少せしめ，
測定容器の使用性能を改善することを可能にすること。 【構成】 血液，血漿又はその類似物のような検査さる
べき液体を入れた測定容器７を貯蔵している貯蔵容器１
である。貯蔵容器１の上壁８と測定容器７との間に，貯
蔵容器７の入口開口を覆っている箔３が設けられてい
る。箔３は測定容器７の使用前に貯蔵容器１から引抜き
可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，血液，血漿又はその類似物のような検査さるべき液体を入れた測定 容器を貯蔵している直方体状の貯蔵容器であって，上壁を形成している広幅壁に 互いに平行に間隔を置いて並んで形成されている長方形の貫通開口と，該上壁に 隣接する側壁に形成されている押し出しスリットとを有しており，測定容器の入 口開口は貫通開口と向かい合うように位置している形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

このような貯蔵容器は，自動検査装置に測定容器を自動的に供給するために使 用されている。貯蔵容器の貫通開口及び押し出しスリットは，搬送装置内に設け られているスライダを係合させるのに役立ち，該スライダによって，個々の測定 容器を自動検査装置に連続的に供給することができる。

【０００３】 測定容器の汚損を防止するために，つまり，貫通開口を通して，開放されてい る測定容器内に汚物が到達することを防止するために，工場で測定容器を貯蔵容 器内に収納した後に貯蔵容器全体を箔で完全に包装することは公知である。箔は ，貯蔵容器を自動供給装置内へ入れる前に裂開テープによって裂開せしめられ， これによって箔を簡単に取り外すことができる。

【０００４】 しかしながらこのような保護包装は，所望の保護作用を生ぜしめるために比較 的に多量の箔が必要であるという欠点を有している。

【０００５】 これによって付加的な費用が生じることは別にしても，この比較的に多量の箔 は，貯蔵容器から取り外して使用されなくなった場合には，廃棄物問題が発生し ないようにこれをきちんと廃棄処分しなければならない。

【０００６】 したがって，特に廃棄物を可及的に著しく減少させるという観点からみると， 今まで使用されてきた保護包装には問題がある。しかも現在では極めて多数の測 定容器が使用されるようになっており，そのため極めて多量の箔を廃棄処分しな ければならない。

【０００７】 測定容器の測定性能を改善するため，測定容器には小さな鋼球が入れられてお り，これによって，単に測光式測定によって液体の検査を行うことができるだけ でなしに，いわゆる鋼球測定法による測定も可能になっている。

【０００８】 この鋼球は，測定容器を貯蔵容器内に収納する前に測定容器内に入れられてお り，測定容器内で自由に動き得る状態にある。

【０００９】 前述のように，従来普通であった貯蔵容器全体を包み込む包装箔による保護包 装を行う場合には，鋼球が測定容器から滑り出て，その結果，測定容器を自動的 に検査し得なくなるという危険がある。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

したがって本考案の課題は，冒頭で述べた形式の貯蔵容器を改良して，その製 作費を低下せしめ，保護箔による廃棄物処分問題を減少せしめ，測定容器の使用 性能を改善することを可能にすることである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために，本考案の構成では最初に述べた形式の貯蔵容器に おいて，上壁と測定容器との間に測定容器の入口開口を覆っている箔が配置され ており，この箔は，測定容器の使用前に貯蔵容器から引き出し可能であるように した。

【００１２】 本考案の有利な実施の形態においては，箔が押し出しスリット内に突出してい るつまみを備えており，つまみを引っ張ることによって箔を簡単に引き出すこと が可能である。

【００１３】

【実施例】

以下においては図面に示した実施例に基づいて本考案の構成を具体的に説明す る。

【００１４】 図１に示した直方体状の貯蔵容器１には，やはり直方体状の多数の測定容器７ が収納されており，これらの測定容器７は，互いに並べて配置されていて，血液 ，血漿又はその類似物のような検査さるべき液体を入れられている。

【００１５】 貯蔵容器１の上壁８を形成している広幅壁には，貯蔵容器１の長手方向に対し て横方向に延びていて，互いに平行に間隔を置いている３つの貫通開口２が形成 されており，これらの貫通開口２内には，測定容器７を自動検査装置に供給する 自動供給装置の図示していないスライダ又は類似の装置部分が係合可能である。

【００１６】 押し出しスリット４も，測定容器７を自動検査装置に供給するのに役立つ。こ の押し出しスリット４は，貯蔵容器１の上壁８に隣接する長手方向の側壁に形成 されていて，この側壁の全長にわたって延びている。この場合貯蔵容器１の端壁 は，押し出しスリット４に隣接する範囲に開口９を有しており，この開口９を通 って測定容器７を押し出すことができる。

【００１７】 測定容器７の図示していない入口開口は上壁８の方に向いている。上壁８と測 定容器７との間には，測定容器７の入口開口を覆っている箔３が設けられており ，この箔３は，上壁８によって規定される面全体にわたって延びている。

【００１８】 上壁８は，押し出しスリット４の側の縦縁部を折り曲げられており，箔３も， この折り曲げ部に相応して折り曲げられており，これによって箔３が不動に締め 付けられている。

【００１９】 この折り曲げ領域内で箔３は，押し出しスリット４のほぼ中央部に位置してい るつまみ５を備えており，このつまみ５は押し出しスリット４内に突出しており ，このつまみ５を引っ張ると，箔３を貯蔵容器１から簡単に引き出すことができ る。

【００２０】 液体の検査を行うために重要なことは，箔３が測定容器７上に単にルーズに位 置していること，つまり箔３を測定容器７に接着する接着剤を使用しないように して，接着剤粒子が測定容器７内に入ることがないこと，並びに箔３が，例えば 綿毛のような粒子を放出することがないような材料から成っていることである。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように本考案の構成では，上壁８と測定容器７との間に測定容器７の入 口開口を覆っている箔３が配置されており，この箔３は，測定容器７の使用前に 貯蔵容器１から引き出し可能であるようにしたので，測定容器７を保護する箔３ の大きさは，実際上，貯蔵容器１の広幅面の大きさに過ぎない。この場合，従来 使用された箔材料のほんの一部の量の箔材料しか使用されないので，当然のこと ながら箔３のコストが低下し，廃棄処分の問題に容易に対処することができる。 箔３は，貯蔵容器１の上壁８を形成している広幅壁によって実際上不動に締め付 けられ，ずれ動くことはなく，貯蔵容器１からひとりでに滑り出ることはない。 箔３が，測定容器７上に直接かぶせられて，測定容器７の入口開口を閉鎖してい るので，貯蔵容器１が例えば運搬の際に天地を逆にされて，測定容器７の入口開 口が下方を向かされても，測定容器７内に入れられている鋼球が滑り出ることは ない。本考案の別の効果は，箔３が貯蔵容器１の上壁８によって保護されていて ，箔３の損傷ひいては測定容器７の汚損の危険性が著しく減少せしめられること である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の貯蔵容器の斜視図である。

【符号の説明】

１ 貯蔵容器， ２ 貫通開口， ３ 箔， ４ 押し
出しスリット， ５つまみ， ７ 測定容器， ８ 上
壁， ９ 開口

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 血液，血漿又はその類似物のような検査
   さるべき液体を入れた測定容器（７）を貯蔵している直
   方体状の貯蔵容器（１）であって，上壁（８）を形成し
   ている広幅壁に互いに平行に間隔を置いて並んで形成さ
   れている長方形の貫通開口（２）と，該上壁（８）に隣
   接する側壁に形成されている押し出しスリット（４）と
   を有しており，測定容器（７）の入口開口は貫通開口
   （２）と向かい合うように位置している形式のものにお
   いて，上壁（８）と測定容器（７）との間に測定容器
   （７）の入口開口を覆っている箔（３）が配置されてお
   り，この箔（３）は，測定容器の使用前に貯蔵容器から
   引き出し可能であることを特徴とする貯蔵容器。
2. 【請求項２】 上壁（８）が押し出しスリット（４）の
   方向に折り曲げられており，箔（３）がこの折り曲げ部
   に相応して折り曲げられていることを特徴とする，請求
   項１記載の貯蔵容器。
3. 【請求項３】 箔(３)が押し出しスリット（４）内に突
   出しているつまみ(５）を備えていることを特徴とす
   る，請求項１又は２記載の貯蔵容器。
4. 【請求項４】 つまみ（５）が押し出しスリット（４）
   の中央部に位置していることを特徴とする，請求項３記
   載の貯蔵容器。