JPH08189949A - 架空送電線の故障方向評定装置 - Google Patents

架空送電線の故障方向評定装置

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JPH08189949A
JPH08189949A JP60995A JP60995A JPH08189949A JP H08189949 A JPH08189949 A JP H08189949A JP 60995 A JP60995 A JP 60995A JP 60995 A JP60995 A JP 60995A JP H08189949 A JPH08189949 A JP H08189949A
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overhead
power transmission
ground wire
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JP60995A
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Yuji Yamaguchi
裕司 山口
Junichi Minafuji
順一 皆藤
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡素な構成で精度がよい架空送電線の故障方
向評定装置を提供する。 【構成】 架空送電線の故障時にこの送電線路に沿って
設けた架空地線に流れる地線電流を鉄塔両側で大小比較
してその鉄塔から見た故障の方向を評定する装置におい
て、地線電流に比例した誘導電流を発生する1対の変流
器3a,4aを鉄塔両側の架空地線2aに取り付け、こ
の1対の変流器を互いに逆相に接続すると共にこの接続
で得られる両変流器の合成電流値をA/D変換するA/
D変換器21を設け、さらに鉄塔一側の架空地線に取り
付けた変流器5aの誘導電流と上記合成電流とを位相比
較する位相比較器を設け、この位相比較結果と上記A/
D変換値とから故障方向を評定する評定手段を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架空送電線の故障方向
評定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】送電線は電力供給に不可欠な設備であ
り、この設備の事故や故障は高度に電化された現代社会
に極めて重大な影響を及ぼし社会機能の麻痺にもつなが
る。このため、落雷事故から送電線を保護する架空地線
が敷設され、また、閃絡事故を防ぐように極めて信頼性
の高い送電線の絶縁支持方法が採用されている。しか
し、落雷事故や閃絡事故を全く無くするまでには至って
いない。そこで、万一これらの事故が発生した場合、そ
の発生位置を速やかに確定することが次善の課題となっ
ている。
【0003】送電線の事故発生位置を検出する方法とし
て、従来は、サージ受信FL、パルス受信FL等のフォ
ールトロケータ(FL)が採用されている。これらは、
いずれも変電所等の送電線両端において故障サージ等の
到達時間を計測し、故障点までの距離を算出するもので
ある。また、最近では、送電端で計測した故障直後の電
圧、電流から故障点までのインピーダンスを算出して距
離に換算するいわゆるデジタルFLも開発されている。
【0004】上述のFLでは、装置規模が大きく、高価
なものになる。また、基本的に変電所等の検出端から故
障点までの距離を評定するものであるから、例えば、保
守業務上の担当境界のどちら側に事故が発生したかを厳
密に示せるだけの精度は得られていない。このため、万
一の事故の場合、まず最初にどの事業所の担当区間であ
るかを知って事後の対応を決定することが必要であるに
もかかわらず、境界の近傍の事故ではこれができないと
いう問題がある。これは、変電所等の検出端で計測でき
る情報のみを使用して長距離に及ぶ送電線から故障点を
探知しているために起きており、送電線の途中の情報を
使用していないことによる。
【0005】そこで、送電線の途中の特定鉄塔の電源側
及び負荷側の架空地線にCT(変流器;地線電流に比例
する誘導電流=2次電流を発生する)を設置し、この送
電線に短絡故障、地絡故障等の事故が発生した場合に地
線電流を検出し、地線電流の大きさを比較して、特定鉄
塔から見てどの方向で故障が発生したかを評定し、その
結果を現場で表示、或いは保守担当事業所まで無線等を
利用して伝送し、記録表示するようになった。
【0006】架空送電線の故障時に鉄塔から見た故障の
方向を評定する一般的方法は、鉄塔の並び順に鉄塔に番
号を与え、その鉄塔に支持される架空地線を若番側、老
番側と呼ぶものとしたとき、これら若番側及び老番側の
架空地線にそれぞれCTを取り付け、若番側及び老番側
の地線電流をそれぞれ検出し、これらの電流値から送電
線の若番側或いは老番側のどちらの方向で故障が発生し
たかを判定する方法である。その判定には、各検出電流
値の大きさと共にその大小が重要な材料となる。図7
に、若番側が電源側である送電線系統について、故障が
発生した場合の発生場所と、そのときの検出鉄塔の若番
側対老番側の架空地線電流の関係を示す。検出鉄塔の近
傍の若番側で故障が発生すると若番側の電流が大きい。
また、検出鉄塔の近傍の老番側で故障が発生すると老番
側の電流が大きい。そして、検出鉄塔の老番側の遠方で
故障が発生すると若番側と老番側との電流がほぼ等し
い。
【0007】若番側及び老番側の電流の検出方法は、設
置したそれぞれのCTの2次電流をA/D変換してデジ
タル値とし、このデジタル値をマイクロコンピュータに
より演算して各電流値(1次電流)を求める。電流値の
大小関係はこの電流値を演算して求める。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の若番側
及び老番側の電流値にはA/D変換器の誤差が含まれ
る。超高圧送電線の場合、故障時に架空地線に誘起され
る電流は数万Aにもなる。例えば、最大30000Aの
電流が流れるとすると、これをデジタル値で扱うとする
とデジタル値のダイナミックレンジも30000Aに相
当して必要となる。8ビットのデジタル値は全ダイナミ
ックレンジを128段階に分解して表すから、分解能即
ち1ビットあたりの電流は約235Aに相当する。一
方、このときの若番側と老番側との電流の差は最大でも
1000A程度である。そうすると、最大でも1000
A程度の電流差を見るのに対し、それぞれの電流値に含
まれる誤差が数百Aとなることになる。このように比較
対象と誤差とが接近しているのでは、正確な大小関係が
得られない。大小関係は故障方向の判定の上で重要であ
り、これが不正確では誤判定の要因となる。
【0009】仮に、この方法を用いて正確な大小関係を
得るにはデジタル値のビット数を大幅に増やして分解能
を高める必要があり、そうするとA/D変換器やマイク
ロコンピュータ周辺の回路が複雑になり、かつ高価にな
る。
【0010】ところで、特定鉄塔の電源側と負荷側とに
CTを設置し、地線電流の大小を比較して方向を評定す
る方法では、対象となる送電線が片方向電源系統のみに
限定される。即ち、片方向電源系統の故障では、特定鉄
塔から負荷側の故障であれば架空地線に故障電流が流れ
込むが、電源側の故障であれば流れ込まないか、非常に
少ないという特徴があり、この特徴から方向を評定でき
るが、両方向電源系統の故障では、故障点に向かって両
方向から電流が供給されるために、特定鉄塔から見て負
荷側の故障であっても電源側の故障であっても、この特
定鉄塔の架空地線にほぼ同じ電流が流れる場合があり、
電流の大きさの比較のみからは方向の評定が困難とな
る。
【0011】両方向電源系統の故障は、故障点に向かっ
て両方向から電流が供給されることから、故障点を境に
電流位相が逆転することに特徴がある。従って、故障発
生時に地線電流の位相を求め、複数の鉄塔で求めた電流
位相を対比することにより、位相差が最大の区間を故障
区間とすることができる。このように、両方向電源系統
における故障方向評定には複数鉄塔での地線電流位相の
比較が重要である。位相を求めるには基準位相を設ける
ことが不可欠である。複数の鉄塔間で基準位相を合わせ
るために、複数の特定鉄塔間を光ファイバ等の伝送路で
結んで時間同期を取ることは可能である。しかし、伝送
路の構築等に費用が生じ、経済性に難点がある。
【0012】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、簡素な構成で精度がよい架空送電線の故障方向評定
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の第1の発明は、架空送電線の故障時にこの送
電線路に沿って設けた架空地線に流れる地線電流を鉄塔
両側で大小比較してその鉄塔から見た故障の方向を評定
する装置において、地線電流に比例した誘導電流を発生
する1対の変流器を鉄塔両側の架空地線に取り付け、こ
の1対の変流器を互いに逆相に接続すると共にこの接続
で得られる両変流器の合成電流値をA/D変換するA/
D変換器を設け、さらに鉄塔一側の架空地線に取り付け
た変流器の誘導電流と上記合成電流とを位相比較する位
相比較器を設け、この位相比較結果と上記A/D変換値
とから故障方向を評定する評定手段を設けたものであ
る。
【0014】上記鉄塔より架空送電線が分岐されている
場合、分岐側の架空地線と少なくとも鉄塔一側の架空地
線とに別の1対の変流器を取り付けて互いに逆相に接続
し、両変流器の合成電流値をA/D変換するA/D変換
器を設けてもよい。
【0015】上記架空送電線が2条の架空地線を有する
場合、各架空地線の鉄塔両側にそれぞれ上記1対の変流
器を設けてもよい。
【0016】また、本発明の第2の発明は、架空送電線
路の2以上の鉄塔に対し、地線電流に比例した誘導電流
を発生する変流器を架空地線に取り付け、かつ送電線本
線の電圧変化を検出する電圧変化検出器を設け、誘導電
流から地線電流の大きさを求めると共に送電線本線の電
圧変化を基準として地線電流の位相差を求める電流値・
位相差検出手段を設け、他方、各鉄塔の電流値及び位相
差を情報収集して相互比較する相互比較手段を設け、こ
の比較結果から故障方向を評定する評定手段を設けたも
のである。
【0017】各鉄塔に検出結果を表示又は印字出力する
出力手段を設けてもよい。
【0018】上記電圧変化検出器は、1つの相の送電線
本線を対象として静電誘導により電界の変化波形を検出
してもよい。
【0019】上記鉄塔より架空送電線が分岐されている
場合、分岐側の架空地線に別の変流器を取り付けてもよ
い。
【0020】
【作用】上記第1の発明によれば、鉄塔両側の架空地線
に取り付けた1対の変流器が互いに逆相に接続されてい
るので、両変流器の電流は互いに打ち消し合い、合成電
流には両者の差が現れる。この差は各電流の大きさに比
べて小さい値である。従って、これをA/D変換するA
/D変換器のダイナミックレンジは小さくてよい。デジ
タル値のダイナミックレンジが小さいことにより、相対
的に分解能はよくなる。
【0021】このようにして地線電流の差の値が得られ
るが、どちらの地線電流が大きいかを知るには、差の電
流と一方の地線電流との位相比較が必要となる。従っ
て、鉄塔のどちらかに変流器を設けて、この変流器に流
れる誘導電流と上記合成電流とを位相比較する。この結
果、位相が一致する方向の大小関係が明らかになり、故
障方向を評定することができる。
【0022】架空送電線が分岐されている場合、分岐側
に対しても同様の構成とする。この場合、鉄塔の一側と
反対側と分岐側との三者で3対の変流器を取り付ける必
要はなく、上記の分岐のない構成に加えて、分岐側の架
空地線と少なくとも鉄塔一側の架空地線とに別の1対の
変流器を取り付けて互いに逆相に接続し、両変流器の合
成電流値をA/D変換するA/D変換器を設ければよ
い。
【0023】架空送電線が2条の架空地線を有する場
合、各架空地線の鉄塔両側にそれぞれ1対の変流器を設
ける。
【0024】2以上の鉄塔に変流器と電圧変化検出器と
を設けた上記第2の発明にあっては、電圧変化検出器が
送電線本線の電圧変化を検出する。ここで送電線本線の
電圧波形は運転中安定しており、線路上のどこでも同じ
である。従って、送電線本線の電圧波形を位相の算出に
利用することができる。この場合、電圧値を知る必要は
なく、電圧変化検出器は送電線本線の電圧の変化のみを
検出すればよい。
【0025】電流値・位相差検出手段は、変流器で得ら
れる誘導電流から地線電流の大きさを求めると共に送電
線本線の電圧変化を基準として地線電流の位相差を求め
る。このようにして地線電流の大きさと位相差とが各鉄
塔で求まることになる。これらの情報により両方向電源
系統でも方向評定可能となる。
【0026】相互比較手段は各鉄塔の電流値及び位相差
を情報収集して相互比較し、評定手段は比較結果から故
障方向を評定することになる。
【0027】情報収集の伝送路等がない場合、各鉄塔に
設けた出力手段で検出結果を表示又は印字出力する。こ
れは、いわゆる現地出力であり、故障方向の評定は現地
出力を巡回等により集めて行う。
【0028】前記したように電圧変化検出器は、送電線
本線の電圧の変化のみを検出すればよく、送電線本線が
形成する電界の変化波形を静電誘導により検出する構成
でよい。また、3相について検出する必要はなく、1つ
の相を対象とすればよい。
【0029】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。
【0030】先ず図1及び図2を用いて本発明の第1の
発明の一実施例を説明する。
【0031】図1に示されるように、架空送電線を支持
する鉄塔1の最上部には2条の架空地線2a,2bが設
けられている。この送電線路の鉄塔には鉄塔の並び順に
番号が与えられており、鉄塔1に対し図の左方向に小さ
い番号の鉄塔があり、右方向に大きい番号の鉄塔がある
ものとする。鉄塔1の左側を若番側、右側を老番側と呼
ぶ。架空地線2a,2bには鉄塔1の老番側にそれぞれ
地線電流に比例した誘導電流を発生する変流器(CT)
3a,3bが取り付けられている。また、若番側にも同
じ性能のCT4a,4bが取り付けられている。架空地
線2aにおいて、対をなしているCT3aとCT4aと
は互いに逆相に接続されており、若番側の地線電流と老
番側の地線電流とが同じ方向に流れるとき、若番側の地
線電流による誘導電流と老番側の地線電流による誘導電
流とが打ち消しあい、差の電流が検出されるようになっ
ている。架空地線2bにおいても、CT3bとCT4b
とは互いに逆相に接続されており、差の電流が検出され
るようになっている。架空地線2a,2bの若番側に
は、別のCT5a,5bが取り付けられており、若番側
の地線電流による誘導電流が検出されるようになってい
る。
【0032】図2は、図1のCT3a,4aの対、CT
5aに接続される回路装置の図である。CT3a,4a
の対にはA/D変換器21が接続されている。A/D変
換器21はCT3a,4aの対の合成電流値をA/D変
換するものであり、ダイナミックレンジが地線電流の数
千Aに相当するように設定されている。CT5aにはA
/D変換器22が接続される。A/D変換器22はCT
5aの誘導電流値をA/D変換するものであり、ダイナ
ミックレンジが地線電流の数万Aに相当するように設定
されている。マイクロコンピュータ23は、誘導電流と
合成電流とを位相比較する位相比較器であり、かつ位相
比較結果と合成電流のA/D変換値とから故障方向を評
定する評定手段である。架空地線2bに対しても同様の
回路装置が接続される。
【0033】次に実施例の作用を述べる。
【0034】架空地線2aに故障時の地線電流が流れる
ときCT3a,CT4a,CT5aにはそれぞれ地線電
流に比例した誘導電流が流れる。鉄塔1の若番側、老番
側の架空地線2aに取り付けたCT3aとCT4aとが
互いに逆相に接続されているので、両CTの誘導電流は
互いに打ち消し合い、合成電流には両者の差が現れる。
この合成電流はA/D変換器21でA/D変換され、マ
イクロコンピュータ23に取り込まれる。このときA/
D変換器21のダイナミックレンジは小さく、マイクロ
コンピュータ23で扱うデジタル値のダイナミックレン
ジが小さいことにより、相対的に分解能はよい。従っ
て、マイクロコンピュータ23は若番側と老番側との地
線電流の電流差を正確に算出することができる。
【0035】CT5aに流れる誘導電流はA/D変換器
22でA/D変換され、マイクロコンピュータ23に取
り込まれる。マイクロコンピュータ23は、誘導電流と
上記合成電流とを位相比較する。CT5aは若番側にあ
るから、位相が一致すれば上記電流差は若番側を基準と
したものとなり、一致しなければ老番側を基準としたも
のとなる。これにより若番側の地線電流と老番側の地線
電流との大小関係が明らかになり、故障方向を評定する
ことができる。
【0036】次に本発明の第2の発明の一実施例を説明
する。
【0037】図3に示されるように、架空送電線路には
多数の鉄塔31が設けられ、鉄塔の最高部には架空地線
32が架空され、それより低い位置に3相の送電線本線
33が架空されている。鉄塔31のうち、故障方向評定
のための本発明に係る設備を設置する特定鉄塔31aは
2以上であればよい。
【0038】各特定鉄塔31aにおいては、地線電流に
比例した誘導電流を発生する変流器(CT)34が架空
地線32の鉄塔近傍に取り付けられている。CT34
は、分割可能に形成された貫通型電流トランスで構成さ
れる。また、送電線本線33の近傍には送電線本線33
の電圧変化を検出する電圧変化検出器35が設けられて
いる。CT34及び電圧変化検出器35は光信号変換回
路36に接続され、光信号変換回路36から鉄塔の地上
部へ光ファイバ37が配線されている。地上部には、マ
イクロコンピュータ等で構成される判定回路38と伝送
装置39とが設けられている。判定回路38は、誘導電
流から地線電流の大きさを求めると共に送電線本線の電
圧変化を基準として両地線電流の位相差を求める電流値
・位相差検出手段を内蔵している。
【0039】電圧変化検出器35は、送電線本線33の
電圧変化の波形を取り出せるだけの簡単な機能があれば
よく、簡易な構成でよい。例えば、図4に示されるよう
に、送電線本線33に向けて設けられたアンテナ41
が、直列抵抗42,43を介して鉄塔部材44に接続さ
れている。アンテナ41は球、平板等の形状とする。ア
ンテナ41と送電線本線33との間には静電容量Csが
存在することになる。このため、直列抵抗43の両端に
アンテナ41と送電線本線33との静電誘導による電圧
波形が出るようになっている。
【0040】この架空送電線路には、保守担当事業所等
に図5の中央装置51が設けられている。中央装置51
は、CPU及びオペレータコンソール52、プリンタ5
3、外部メモリ54、伝送装置55を備えている。伝送
装置55は各鉄塔31aの伝送装置39と通信を行うも
のである。伝送媒体は無線や光伝送系を用いる。CPU
及びオペレータコンソール52には、各鉄塔の電流値及
び位相差を情報収集して相互比較する相互比較手段と、
この比較結果から故障方向を評定する評定手段とが内蔵
されている。
【0041】図8に示されるように、両方向電源系統の
線路で故障が発生すると、故障点を境に地線電流の位相
が180°異なる。この位相差は相対的なものである。
故障時の複数鉄塔で検出した電流の相対的な位相差を抽
出すれば故障区間が判別できる。位相差を抽出するため
には時間軸を合わせるための基準位相が必要であるが、
この基準位相に電圧変化検出器35で検出した電圧波形
を用いる。電圧波形は線路長さ方向で同一であり、しか
も線路が停止していない限り必ず所定の大きさを有して
いることから、基準位相としての利用ができる。
【0042】電流位相の算出は、図6に示されるよう
に、特定鉄塔31a(A,B,C)のそれぞれより得ら
れた電圧波形61と地線電流波形62とが高速フーリエ
変換63で処理されて位相が求められる。即ち、故障時
に中央装置51に伝送されてきた電圧波形の所定の時間
軸に対しての地線電流位相sin(ωt+θ)を求め、
このθの大きさを複数の特定鉄塔31aで検出した地線
電流からそれぞれ求め、隣接した特定鉄塔31aからの
位相差θa1 −θs2 ,θb1 −θb2 ,・・が最も1
80°に近い区間が事故区間と判断できる。
【0043】伝送装置がない場合には、各特定鉄塔31
aに検出結果を表示する液晶制御装置、印字出力するプ
リンタを設け、位相差θを出力する。当該鉄塔で読み取
った位相差θ1 と他の鉄塔で読み取った位相差θ2 とを
比較し、その差が180°に最も近い鉄塔区間を故障発
生区間と判断する。
【0044】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0045】(1)本発明の第1の発明によれば、電流
差に相当するダイナミックレンジがあればよいので、デ
ジタル値の分解能が相対的に高まり、正確な方向判定が
可能となる。
【0046】(2)本発明の第2の発明によれば、両方
向電源系統でも方向評定可能となり、しかも基準位相を
合わせるための構成が簡素である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明の一実施例を示す鉄塔の最
上部の平面図である。
【図2】本発明の第1の発明の一実施例に使用される回
路装置のブロック図である。
【図3】本発明の第2の発明の一実施例を示す架空送電
線路の側面図である。
【図4】本発明の電圧変化検出器の構造図である。
【図5】本発明の中央装置の概念図である。
【図6】本発明の位相差算出のデータ流れ図である。
【図7】故障が発生場所と、検出鉄塔の若番側対老番側
の地線電流との関係を示す分布図である。
【図8】送電線路に沿った地線電流と位相差との分布図
である。
【符号の説明】
1 鉄塔 2a,2b 架空地線 3a,3b 変流器(CT) 4a,4b 変流器(CT) 5a,5b 変流器(CT)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架空送電線の故障時にこの送電線路に沿
    って設けた架空地線に流れる地線電流を鉄塔両側で大小
    比較してその鉄塔から見た故障の方向を評定する装置に
    おいて、地線電流に比例した誘導電流を発生する1対の
    変流器を鉄塔両側の架空地線に取り付け、この1対の変
    流器を互いに逆相に接続すると共にこの接続で得られる
    両変流器の合成電流値をA/D変換するA/D変換器を
    設け、さらに鉄塔一側の架空地線に取り付けた変流器の
    誘導電流と上記合成電流とを位相比較する位相比較器を
    設け、この位相比較結果と上記A/D変換値とから故障
    方向を評定する評定手段を設けたことを特徴とする架空
    送電線の故障方向評定装置。
  2. 【請求項2】 上記鉄塔より架空送電線が分岐されてい
    る場合、分岐側の架空地線と少なくとも鉄塔一側の架空
    地線とに別の1対の変流器を取り付けて互いに逆相に接
    続し、両変流器の合成電流値をA/D変換するA/D変
    換器を設けたことを特徴とする請求項1記載の架空送電
    線の故障方向評定装置。
  3. 【請求項3】 上記架空送電線が2条の架空地線を有す
    る場合、各架空地線の鉄塔両側にそれぞれ上記1対の変
    流器を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の架
    空送電線の故障方向評定装置。
  4. 【請求項4】 架空送電線路の2以上の鉄塔に対し、地
    線電流に比例した誘導電流を発生する変流器を架空地線
    に取り付け、かつ送電線本線の電圧変化を検出する電圧
    変化検出器を設け、誘導電流から地線電流の大きさを求
    めると共に送電線本線の電圧変化を基準として地線電流
    の位相差を求める電流値・位相差検出手段を設け、他
    方、各鉄塔の電流値及び位相差を情報収集して相互比較
    する相互比較手段を設け、この比較結果から故障方向を
    評定する評定手段を設けたことを特徴とする架空送電線
    の故障方向評定装置。
  5. 【請求項5】 上記電流値及び位相差の検出結果を表示
    又は印字出力する出力手段を設けたことを特徴とする請
    求項4記載の架空送電線の故障方向評定装置。
  6. 【請求項6】 上記電圧変化検出器は、1つの相の送電
    線本線を対象として静電誘導により電界の変化波形を検
    出することを特徴とする請求項4又は5記載の架空送電
    線の故障方向評定装置。
  7. 【請求項7】 上記鉄塔より架空送電線が分岐されてい
    る場合、分岐側の架空地線に別の変流器を取り付けるこ
    とを特徴とする請求項4〜6いずれか記載の架空送電線
    の故障方向評定装置。
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