JPH0572253A - 送電線路の事故発生区間の標定方法 - Google Patents

送電線路の事故発生区間の標定方法

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JPH0572253A
JPH0572253A JP26110691A JP26110691A JPH0572253A JP H0572253 A JPH0572253 A JP H0572253A JP 26110691 A JP26110691 A JP 26110691A JP 26110691 A JP26110691 A JP 26110691A JP H0572253 A JPH0572253 A JP H0572253A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 送電線路の事故発生区間の標定方法に係り、
事故電流によって形成される磁界を効率良く検出して、
地絡事故及び短絡事故の高精度の標定を迅速にかつ正確
にし、かつ、設置機器の信頼性を向上させる。 【構成】 鉄塔の下部近傍に、相互に異なる取り付け角
度を有する二つの磁界センサを配し、磁界の絶対値とそ
の方向、あるいは磁界の水平成分、磁界の垂直成分を算
出し、これらの最新値が、通常送電時の検出値によるし
きい値を越えたか否か、移動平均値に設定倍数の幅を持
たせた範囲内にあるか否か、移動平均値に標準偏差の設
定倍数の幅を持たせた範囲内にあるか否かによって、測
定点が事故発生地点より電源側にあるか、負荷側にある
かを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電線路の事故発生区
間の標定方法に係り、特に、事故区間の点検、復旧作業
の省力化及び迅速化を図る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】66kVないし154kV級の送電線
は、分岐数が多くかつ布設長さが数10kmに及ぶこと
も多いため、地絡事故が発生した場合、その事故点の探
索を人力によって行う労力は多大なものとなり、送電線
復旧に長時間を要することになる。
【0003】図7に示すような中性点接地方式の送電線
1がある場合、送電線1を複数の区間A・B・C・D…
…に区画して、地絡点Fがその中の1つの区画(図7で
は区間B)ということが分かれば、この区間のみを集中
巡視点検するだけでよいので、労力及び点検時間の短縮
を図ることができる。
【0004】中性点接地方式の送電線1において、接地
事故が発生した場合には、図8に破線で示すように、中
性点接地抵抗Rー送電線1ー地絡点Fー大地Gの回路を
経由する地絡電流iが流れるため、三相平衡電流のバラ
ンスの崩れによる零相電流に基づいて発生する磁界を監
視することによって、地絡事故の発生を検知することが
可能となる。
【0005】零相電流の増加を検出する方法として、図
9に示すように、鉄塔2の腕金上部等に2個の磁界セン
サ3A・3Bを設置し、送電線1の正常送電時に2個の
磁界センサ3A・3Bの出力を互いに打ち消し合うよう
に調整しておき、地絡時に出力のバランスが崩れること
から事故を検出する方法や、図10に示すように、鉄塔
2の下部に磁界センサ3を設置しておいて、零相電流の
増加に伴う磁束密度の上昇を監視し、かつ、鉄塔2の中
間部に電界センサ4を設置して、送電停止に基づく電界
変化を作動条件として付加することによって、誘導ノイ
ズなどによる誤作動を防止する方法が考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法は、いずれも地絡事故検出の精度や落雷時の保護の
点で難点がある。
【0007】一般的に、架空送電線は、図9や図10で
示すように、3相が縦に配列される二回線線路となって
いる。このような送電線1の回線の左右中心でかつ地表
付近の磁界Hは、各相の電流による磁界のベクトル和と
なり、近似的に次の式で表わされる。 H=(1/2π){(Ia1/ra )+(Ib1/rb )+(Ic1/rc ) +(Ia2/ra )+(Ib2/rb )+(Ic2/rc )} ……式 ただし、 Ia1,Ib1,Ic1,Ia2,Ib2,Ic2:各相の電流 ra ,rb ,rc :各相の電線と地表付近の磁界検出位
置との距離 である。そして、距離ra ,rb ,rc が相間距離に対
して十分に大きく、ra ≒rb≒rc である場合には、 H=(1/2πr)(Io1+Io2) …………式 で表わされる。ただし、 Io1+Io2:各回線の零相電流 である。零相電流は、各相電流が完全に平衡していれば
零となり、磁界Hも零となるが、実際には、若干の不平
衡分の影響やra ,rb ,rc が異なるために、磁界H
が零とならず、相電流の変化にともなって、例えば図1
1に示すように、時々刻々変動するものとなる。したが
って、一定のしきい値を設定して異常警報を発する場合
には、この変動範囲の最大値より大きいしきい値とする
必要がある。
【0008】この場合、事故電流による磁界Hpがしき
い値Hsよりも小さければ、事故を検出することができ
ず、また、磁界Hpよりも小さなしきい値Hxを設定し
ておけば、事故を検出することができるものの、送電線
1が正常であるにもかかわらず、事故が生じたものと判
定してしまう誤動作を発生する問題がある。
【0009】そして、前述の二つの方法であると、鉄塔
2の中間部等に磁界センサ3A・3B・3が設置される
ので、落雷時の大電流による衝撃を受け易くなる。
【0010】一方、本発明者らは、標準的な二回線送電
における各相の配列が、図9や図10で示すようになっ
ている場合等において、通常時と地絡事故と相間短絡事
故とでは、事故電流によって形成される磁界の方向や大
きさが相違することを知見し、該知見に基づいて、事故
電流によって形成される磁界を効率良く検出する方法に
ついての研究を進めた。本発明は、前述の事情及びかか
る研究によって創出されたもので、地絡事故及び短絡事
故の高精度の標定を迅速にかつ正確にし、かつ、設置機
器の信頼性を向上させることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る送電線路の
事故発生区間の標定方法にあっては、四つの発明を包含
している。第1の発明は、鉄塔の下部近傍に、検出方向
が、送電線の線路方向と直交する面に沿いかつ相互に異
なる取り付け角度を有する二つの磁界センサを配し、両
磁界センサの検出磁界と取り付け角度とによって、磁界
の絶対値とその方向、あるいは磁界の水平成分、磁界の
垂直成分を算出し、これらの最新値が通常送電時の検出
値によるしきい値を越えたか否かによって、測定点が事
故発生地点より電源側にあるか、負荷側にあるかを判定
し、送電線路の事故発生区間を標定するものである。第
2の発明は、鉄塔の下部近傍に、検出方向が、送電線の
線路方向と直交する面に沿いかつ相互に異なる取り付け
角度を有する二つの磁界センサを配し、両磁界センサの
検出磁界と取り付け角度とによって、磁界の絶対値とそ
の方向、あるいは磁界の水平成分、磁界の垂直成分につ
いて、その最新値と単位時間内における移動平均値とを
算出し、最新値が移動平均値に設定倍数の幅を持たせた
範囲内にあるか否かによって、測定点が事故発生地点よ
り電源側にあるか、負荷側にあるかを判定し、送電線路
の事故発生区間を標定するものである。第3の発明は、
鉄塔の下部近傍に、検出方向が、送電線の線路方向と直
交する面に沿いかつ相互に異なる取り付け角度を有する
二つの磁界センサを配し、両磁界センサの検出磁界と取
り付け角度とによって、磁界の絶対値とその方向、ある
いは磁界の水平成分、磁界の垂直成分について、その最
新値と単位時間内における移動平均値と標準偏差とを算
出し、最新値が移動平均値に標準偏差の設定倍数の幅を
持たせた範囲内にあるか否かによって、測定点が事故発
生地点より電源側にあるか、負荷側にあるかを判定し、
送電線路の事故発生区間を標定するものである。第4の
発明は、鉄塔の下部近傍に、検出方向が、送電線の線路
方向と直交する面に沿いかつ水平方向及び垂直方向とな
る二つの磁界センサを配し、これら二つの磁界センサの
検出磁界によって事故発生を判定する構成を第1、第2
または第3の発明に付加して、送電線路の事故発生区間
を標定するものである。
【0012】
【作用】第1の発明にあって、送電線路によって形成さ
れる磁界を二つの磁界センサで検出すると、二つの磁界
センサが、磁界検出方向が異なるように角度を持って配
置されていることに基づいて、実際の磁界の方向との角
度のずれ分の余弦値を磁界の強さに乗じた検出磁界が得
られる。これらの二つの検出磁界と取り付け角度とから
磁界の水平成分、垂直成分及びその合成磁界が算出され
る。これは磁界検出位置における実際の磁界の強さ及び
方向と等価なものとなる。このようにして算出された磁
界計算値について、各々の最新値が通常送電時の検出値
によるしきい値を越えたか否かを判別すると、短絡事故
時あるいは地絡事故時の検出磁界が、通常時と大きな差
異を生じるために事故発生の認識が容易となり、事故発
生区間の標定が速やかに行なわれる。第2の発明にあっ
ても、磁界の水平成分、垂直成分及びその合成磁界が算
出されるが、磁界計算値について、各々の最新値が直前
の単位時間内における移動平均に幅を持たせた範囲内に
あるか否かを判別する手法を付加することによって、事
故発生の認識が容易となる。第3の発明にあっては、磁
界の水平成分、垂直成分及びその合成磁界が算出される
が、磁界計算値についての単位時間内における移動平均
と標準偏差との算出も行なわれ、さらに各々の最新値
が、直前の単位時間内における移動平均に標準偏差の設
定倍数の幅を持たせた範囲内にあるか否かを判別する手
法を付加することによって、事故発生の判定が行なわれ
る。第4の発明にあっては、二つの磁界センサを水平、
垂直方向に設置することにより、水平、垂直方向の成分
が演算処理をすることなく求められ、判定処理が容易に
かつ迅速になるとともに、第1、第2または第3の発明
との組み合わせによって、判定精度が高められる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る送電線路の事故発生区間
の標定方法の一実施例について、図1ないし図5に基づ
いて説明する。
【0014】図1は本発明に係る送電線路の事故発生区
間の標定方法の一実施例を示す結線図であり、符号1は
送電線、2は各鉄塔、3A・3Bは磁界センサ、5は光
ファイバ複合架空地線、6は検出装置、7は光伝送装
置、8は光ファイバ、9はジョイントボックス、10は
送電所、11は中央監視装置である。
【0015】中性点接地方式の送電線路を複数の区間に
区画して、これらの区間を集中管理する場合、その区画
の境界となる鉄塔1について、標定方法が適用される。
【0016】鉄塔1の下部近傍には、二回線送電線路の
零相電流によって形成される磁界を検出するための磁界
センサ3A・3Bが配される。
【0017】該磁界センサ3A・3Bは、図1に示すよ
うに、一つの鉄塔1について、磁界検出方向(検出感度
が最大となる方向)が、送電線1の線路方向と直交する
面に沿って異なる方向を向くように、例えば鉛直方向及
び水平方向となるように2個設置され、検出装置6に接
続されている。あるいは図2に示すように斜めの状態と
することもできる。
【0018】検出装置6は、図3に示すように、磁界セ
ンサ3A・3Bの検出磁界による電圧の異常上昇時の保
護をするためのサージアブソーバ61と、該サージアブソ
ーバ61を経由した電圧の大きさを整合するためのレベル
調整器62と、該レベル調整器62を経由した電圧信号をデ
ジタル信号化するためのA/Dコンバータ63と、該A/
Dコンバータ63を経由した信号を処理するための処理装
置(CPU)64と、各情報を記憶するためのメモリ65と
によって構成されている。
【0019】前記処理装置64は、A/Dコンバータ63か
ら送られてくる時事刻々変化するデジタル信号に基づい
て、磁界の水平・垂直及び合成成分の演算・移動平均・
標準偏差の演算や異常・正常の判定を行なう。
【0020】通常送電時の各方向磁界を基準値として予
め設定しておき、該基準値と現在値との比較を随時行な
って、最新値が、予め設定しておいてたしきい値を越え
たか否かを判別する監視を実行する。
【0021】一方、前記統計的処理による判定では、予
め数秒程度の所定時間を設定しておいて、所定時間内の
検出レベルについて、刻々変化しつつある移動平均値及
び標準偏差を求める処理と、この移動平均値と各時刻の
検出レベルとの比較によって、その差が標準偏差の設定
倍数の幅を持たせた範囲内であるか否かを判別する監視
を実行する。
【0022】このような処理装置64による処理及び監視
結果等の各情報は、直ちに光伝送装置7から光ファイバ
8及び光ファイバ複合架空地線5を経由して、遠隔地で
ある送電所10の中央監視装置11まで伝送される。
【0023】前記光伝送装置7は、図4に示す光伝送装
置等とされる。
【0024】前記中央監視装置11においては、光/電
気信号変換器を具備するとともに、受信した情報データ
の解析判別、ディスプレー装置による表示、警報の出
力、事故点の記録表示などが行われる。
【0025】ここで、図5に示す地上磁界Hbについて
説明すると、従来技術における各磁界センサは、一方向
の磁界を検出してこれを便宜上零相電流によって生じる
磁界Hbとしているために、前述したように実際には磁
界の余弦値を求めていることになり、かつ、磁界の向き
(角度)が変ると余弦値そのものも変動することに基づ
いて、不安定なものとなり易いのと比較して、図1及び
図2に示す実施例における二つの磁界センサ3A・3B
は、直交する磁界検出データにおけるベクトル和の換算
によって磁界を求めているために、磁界検出位置におけ
る実際の磁界の強さと等価なものとなって、磁界の向き
(角度)が変化した場合でも検出誤差が生じることがな
く、地上磁界Hbを正確に検出することができる。
【0026】次いで、図5に基づいて、地上磁界Hbの
時間的変化と地絡事故検出との関係について説明する。
磁界検出データにおけるベクトル演算によって地上磁界
Hbを求めた場合にあっても、図5に示すように時々刻
々と変化する場合があり得る。図5において、時刻tm
の設定時間Δtにおける地上磁界Hbの移動平均値がH
m、標準偏差がσmであり、時刻tnの設定時間Δtに
おける地上磁界Hbの移動平均値がHn、標準偏差がσ
nであるとする。
【0027】ここで、任意の時刻tm・tnにおける地
上磁界Hbが、移動平均値Hm・Hnに標準偏差σm・
σnの設定倍数(例えば3倍)の幅を持たせた範囲内で
あるか否かを判別することを随時行なうようにする。時
刻tnにおいて、例えば地絡事故が発生した場合には、
地絡発生時の地上磁界Hpの急激な上昇または降下は、
極めて短時間に起こって、図5で示すように、地上磁界
Hpが設定範囲であるしきい値Hn±3σnを越えるた
め、異常を正確に検出することができる。このような異
常の検出は、相間短絡発生時においても可能であること
は言うまでもない。
【0028】また、通常時の地上磁界Hbは緩やかに変
化するため、送電線路に基づく磁界の強さの移動平均値
を求めてこれを基準とすると、地上磁界の通常の変動や
磁界検出時の周囲の環境からのノイズ等の影響による誤
作動の発生を防止することができる。
【0029】<通常時及び事故時における磁界の計算例
>実際の送電線に基づくモデルを設定して、通常時、相
間短絡事故時、地絡事故時における発生磁界を計算で求
めた結果を以下に示す。 [送電線仕様] 送電線モデル :2回線送電線 周波数 :50ヘルツ(Hz) 電圧 :66000ボルト(V) 導体 :SCSR410mm2 単導体 電流 :400アンペア(A) 短絡電流 :1795アンペア 鉄塔 :図1に示すモデル a1 寸法 :4.4m a2 寸法 :5.6m a3 寸法 :4.8m L1 寸法 :2.8m L2 寸法 :2.4m L3 寸法 :17.0m [磁界センサの配置] 地上からの高さ:0m センサの向き :図1例に準じて水平方向及び鉛直方向
とした。 [通常送電時(順相)の磁界の強さ]2回線送電線(順
相)に400アンペアの電流を流した場合の水平方向、
鉛直方向、そのベクトル和における磁界の強さ(AT/
m)を求めた。ただし、AT=アンペアターンである。 水平方向 :1.44(AT/m) 鉛直方向 :0 ベクトル和:1.44(AT/m) [短絡事故時の磁界の強さ]2回線送電線(順相)の上
相及び中間相が短絡した場合の水平方向、鉛直方向、そ
のベクトル和における磁界の強さを求めた。この場合の
短絡電流は1795アンペアとした。 水平方向 :1.68(AT/m) 鉛直方向 :0.82(AT/m) ベクトル和:1.87(AT/m) この短絡時の磁界の方向は、地面に水平な方向に対して
26度の角度であった。 [地絡事故時の磁界の強さ]2回線送電線(順相)の下
相が地絡した場合の水平方向、鉛直方向、そのベクトル
和における磁界の強さを求めた。この場合の地絡電流
は、送電線と中性点との電位差及び接地抵抗257オー
ムから求められる148アンペアとした。 水平方向 :2.49(AT/m) 鉛直方向 :0.104(AT/m) ベクトル和:2.50(AT/m) この地絡時の磁界の方向は、地面に水平な方向に対して
2.4度の角度であった。 [通常送電時(逆相)の磁界の強さ] 水平方向 :0 鉛直方向 :0.41(AT/m) ベクトル和:0.41(AT/m) なお、逆相配列の二回線送電線における短絡事故時及び
地絡事故時における磁界の強さは、上述の[短絡事故時
の磁界の強さ]及び[地絡事故時の磁界の強さ]と同じ
値を示すので省略する。 [比較結果]異常判定を行なう場合、正常時との差が顕
著である方が当然容易となる。 順相配列の場合 (1)地絡 水平方向 1.44→2.49;1.73倍 合成値 1.44→2.50;1.74倍 一方、垂直方向については、0→0.104と変化率が
∞であるが、絶対値が合成値と比較して小さいため、水
平方向磁界と合成磁界とに着目して判定すればよい。 (2)短絡 水平方向 1.44→1.68;1.17倍 合成値 1.44→1.87;1.30倍 一方、垂直方向は、0→0.82と倍率も大きくまた絶
対値も比較的大きいので、この場合には、垂直成分に着
目して判定すればよい。 逆相配列 同様に考えると、地絡の場合は、水平磁界か合成磁界、
短絡の場合は水平磁界に着目すればよいものと考えられ
る。
【0030】一方、二つの磁界センサにおける検出方向
は、90度以外の任意角をなすように設定することもで
きる。図6を参照して説明すると、二つの磁界センサの
検出方向がi軸方向及びj軸方向であり、基準とするX
軸方向(例えば水平方向)に対して、角度θi 及び角度
θj であるとき、実際の磁界の大きさ(線分OA:座標
A ,yA )、磁界センサによって検出されるi軸方向
の磁界の大きさ(線分OB:座標xB ,yB )、j軸方
向の磁界の大きさ(線分OC:座標xC ,yC )とすれ
ば、求める座標xA ,yA は、次の式及び式で求め
られる。 xA =(b−a)/{(1/tanθj )−(1/tanθi )}……式 yA =−(xA /tanθi )+a …………式 ただし a=yB +(1/tanθi )xB b=yC +(1/tanθj )xC である。したがって、座標xA ,yA によって、前述し
たようにベクトル和を求めることや、事故点の評定を行
なうことが可能となる。
【0031】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、二つの磁
界センサが、磁界検出方向が異なるように角度を持って
配置されていることに基づいて、二つの検出磁界と取り
付け角度とから、磁界検出位置における実際の磁界の強
さ及び磁界の方向と等価である磁界の水平成分、垂直成
分、合成磁界が求められるので、以下のような効果を奏
する。 (1) 求められた磁界の強さがしきい値を越えたか否
かを判別することによって、事故発生区間の標定を、つ
まり、測定点が事故発生地点より電源側であるか負荷側
であるかを判別することができる。 (2) 検出磁界の合成値の算出により、大きさ及び方
向を総合した状態で磁界が検出され、零相電流や事故発
生時に流れる電流による磁界の方向によって磁界検出感
度が変動する影響を低減して検出精度の向上を図り、地
絡事故発生時と短絡事故発生時との両方について判別を
容易にするとともに、設置機器の信頼性を向上させるこ
とができる。 (3) 上記により、短絡事故と地絡事故とを検出する
磁界センサを兼用させて設備の簡素化を図ることができ
る。 (4) 磁界センサ等を地上近傍に設置することによっ
て、鉄塔への落雷時の影響を低減し、安全性を向上させ
るとともに、施工及び保守を容易にすることができる。 請求項2および請求項3記載の発明によれば、移動平均
値に設定倍数の幅を持たせた値をしきい値とするか、あ
るいは、移動平均値に標準偏差の設定倍数の幅を持たせ
るようにしているので、以下のような効果を奏する。 (1) 磁界変動の状況が既知の場合に、通常の変動範
囲を正常と判断するよう一定の幅を移動平均値に持た
せ、あるいは、標準偏差の倍数の幅を持たせることによ
り、事故発生の判別を高速処理によって容易にかつ確実
に実施することができる。 (2) 従来技術と比較して、事故発生時あるいは正常
時にその逆の判定をする誤りの発生を排除することがで
きる。 請求項4記載の発明によれば、水平、垂直方向の磁界を
直接測定するものであるため、上記の各発明よりも演算
が簡易となり、処理速度をさらに高めて速やかな事故発
生区間の標定を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る送電線路の事故発生区間の標定方
法の一実施例を示す結線図である。
【図2】本発明に係る送電線路の事故発生区間の標定方
法で使用される磁界センサの他の配置例を示す結線図で
ある。
【図3】図1の鉄塔における磁界センサの信号処理例を
示す結線図である。
【図4】本発明に係る送電線路の事故発生区間の標定方
法の実施に使用する光伝送装置の例を示す結線図であ
る。
【図5】本発明に係る送電線路の事故発生区間の標定方
法における地上磁界の時間的変化と地絡事故検出との関
係図である。
【図6】本発明に係る送電線路の事故発生区間の標定方
法の他の実施例による実際の磁界の大きさを求める場合
のベクトル図である。
【図7】中性点接地方式の送電線の区間と故障点との関
係を示す結線図である。
【図8】中性点接地方式の送電線における接地事故時の
地絡電流の循環例を示す結線図である。
【図9】磁界センサによる地絡事故検出方法の従来例を
示す鉄塔の正面図である。
【図10】磁界センサと電界センサによる地絡事故検出
方法の従来例を示す鉄塔の正面図である。
【図11】送電線地絡事故時における磁界の時間的変化
としきい値との関係図である。
【符号の説明】
F 地絡点 R 中性点接地抵抗 G 大地 1 送電線 2 鉄塔 3A・3B 磁界センサ 5 光ファイバ複合架空地線 6 検出装置 7 光伝送装置 8 光ファイバ 9 ジョイントボックス 10 送電所 11 中央監視装置 61 サージアブソーバ 62 レベル調整器 63 A/Dコンバータ 64 処理装置(CPU) 65 メモリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔(2)の下部近傍に、検出方向が、
    送電線(1)の線路方向と直交する面に沿いかつ相互に
    異なる取り付け角度を有する二つの磁界センサ(3A)
    (3B)を配し、両磁界センサの検出磁界と取り付け角
    度とによって、磁界の絶対値とその方向、あるいは磁界
    の水平成分、磁界の垂直成分を算出し、これらの最新値
    が通常送電時の検出値によるしきい値を越えたか否かに
    よって、測定点が事故発生地点より電源側にあるか、負
    荷側にあるかを判定することを特徴とする送電線路の事
    故発生区間の標定方法。
  2. 【請求項2】 鉄塔(2)の下部近傍に、検出方向が、
    送電線(1)の線路方向と直交する面に沿いかつ相互に
    異なる取り付け角度を有する二つの磁界センサ(3A)
    (3B)を配し、両磁界センサの検出磁界と取り付け角
    度とによって、磁界の絶対値とその方向、あるいは磁界
    の水平成分、磁界の垂直成分について、その最新値と単
    位時間内における移動平均値とを算出し、最新値が移動
    平均値に設定倍数の幅を持たせた範囲内にあるか否かに
    よって、測定点が事故発生地点より電源側にあるか、負
    荷側にあるかを判定することを特徴とする送電線路の事
    故発生区間の標定方法。
  3. 【請求項3】 鉄塔(2)の下部近傍に、検出方向が、
    送電線(1)の線路方向と直交する面に沿いかつ相互に
    異なる取り付け角度を有する二つの磁界センサ(3A)
    (3B)を配し、両磁界センサの検出磁界と取り付け角
    度とによって、磁界の絶対値とその方向、あるいは磁界
    の水平成分、磁界の垂直成分について、その最新値と単
    位時間内における移動平均値と標準偏差とを算出し、最
    新値が移動平均値に標準偏差の設定倍数の幅を持たせた
    範囲内にあるか否かによって、測定点が事故発生地点よ
    り電源側にあるか、負荷側にあるかを判定することを特
    徴とする送電線路の事故発生区間の標定方法。
  4. 【請求項4】 鉄塔(2)の下部近傍に、検出方向が、
    送電線(1)の線路方向と直交する面に沿いかつ水平方
    向及び垂直方向となる二つの磁界センサ(3A)(3
    B)を配し、これら二つの磁界センサの検出磁界によっ
    て事故発生を判定することを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載の送電線路の事故発生区間の標定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010183678A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Chugoku Electric Power Co Inc:The 事故箇所検出システム及び事故区間特定方法
CN103884965A (zh) * 2014-04-01 2014-06-25 淄博威纳电气有限公司 架空线路接地故障定位方法
CN111580536A (zh) * 2020-05-22 2020-08-25 三峡大学 基于磁场感应控制的输电线路巡线无人机

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