JP2010183678A - 事故箇所検出システム及び事故区間特定方法 - Google Patents

事故箇所検出システム及び事故区間特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地面の近くで、電力線の故障を示す信号と、不要ノイズとを切り分ける。
【解決手段】検出システム1のコイルC1及びC2は、地面の近くで同じ高さに設置され、電磁誘導特性も同じである。コイルC1は、軸方向が電力線EWを流れる故障サージ電流の方向及び塔脚を流れる誘導サージ電流の方向に垂直に設置されることにより、故障サージ電流が作る磁束に鎖交し、誘導サージ電流が作る磁束にも鎖交するので、故障サージ電流による磁界及び誘導サージ電流による磁界をともに検出する。コイルC2は、軸方向が故障サージ電流の方向に平行に、かつ、誘導サージ電流の方向に垂直に設置されることにより、故障サージ電流が作る磁束に鎖交せず、誘導サージ電流が作る磁束に鎖交するので、誘導サージ電流による磁界だけを検出する。コイルC1の磁界と、コイルC2の磁界との差分をとることにより、電力線EWの故障サージ電流の方向を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電力線に発生した事故の箇所を検出する事故箇所検出システム及びその事故箇所検出システムを用いた事故区間特定方法に関する。
送電線の故障点を標定する方法には様々な方式があるが、故障であることを示す信号と、不要なノイズとを切り分けるために、電力線の近傍や架空地線に各種センサを取り付ける必要があった。その背景を以下に説明する。
図6は、電力線を故障サージ電流が流れた場合の鉄塔への影響を示す図である。図6(a)は、鉄塔の上面図を示す。電力線EWと、架空地線GWとは高さが異なるが、各鉄塔間において略平行に架設される。電力線EWの一箇所に地絡事故が発生すると、その事故箇所(故障点)に向かって故障サージ電流が流れ込む。そして、その故障サージ電流が起因する電磁誘導により、架空地線GWに誘導サージ電流が流れる。この誘導サージ電流の方向は、故障サージ電流の方向とは逆になる。
鉄塔の径間長の違い等により、図6(a)中鉄塔の左側と、右側とで電力線EW及び架空地線GWの電磁結合に差があると、架空地線GWの左側と、右側とで流れる誘導サージ電流の大きさに差分が生じ、その差分の電流が鉄塔を流れることになる。
図6(b)は、鉄塔一部の側面図(図6(a)のA矢視図)を示す。電力線EWを流れる故障サージ電流の作り出す磁束が、鉄塔部材のループ形状になった部分と鎖交し、塔脚に誘導サージ電流が流れる。この詳細については、特許文献1を参照のこと。
図6(c)は、鉄塔全体の側面図(図6(a)のB矢視図)を示す。地絡事故の発生箇所(区間)を標定するためには、電力線EWを流れる故障サージ電流の作り出す磁界の方向を検知する必要がある。ところが、地面の近くでは、故障サージ電流による磁界強度が弱く、塔脚を流れる誘導サージ電流の影響を無視できないので、故障サージ電流による磁界の方向を検知するのは難しい。
以上により、従来の検出器は、地面の近くではなく、電力線の近くに置かれることになる。
特開2008−39549号公報 特許第3226554号公報
上記の従来の構成によれば、検出器のある高所の作業や、充電中の電力線に近付くような危険な作業を行う必要があるので、検出器の取付工事やメンテナンスの費用がかさむという問題がある。そこで、故障を示す信号と、不要ノイズとの切り分けを鉄塔の下部でも行える方法が求められている。
なお、特許文献2に、送電線路によって形成される磁界を検出する複数のセンサを鉄塔の下部近傍に設置して事故発生区間を標定する方法が開示されているが、鉄塔の塔脚を流れるノイズ電流については考慮されていない。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、地面の近くにおいて、電力線の故障を示す信号と、不要ノイズとを切り分けることにある。
上記課題を解決するために、本発明は、鉄塔に架設される電力線に発生した事故の箇所を検出する事故箇所検出システムであって、前記鉄塔のうち、地面の近くにおいて、前記電力線を流れる故障サージ電流の方向及び前記鉄塔の塔脚を流れる誘導サージ電流の方向の両方向に対して垂直に設置され、前記故障サージ電流及び前記誘導サージ電流による磁界である第1のサージ磁界を検出する第1のコイルと、前記鉄塔のうち、地面の近くにおいて、前記故障サージ電流の方向に平行に、かつ、前記誘導サージ電流の方向に垂直に設置され、前記誘導サージ電流による磁界である第2のサージ磁界を検出する第2のコイルと、前記第1のコイルの検出した前記第1のサージ磁界と、前記第2のコイルの検出した前記第2のサージ磁界との差分に基づいて、前記故障サージ電流の方向を判定する電流方向判定部と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、第1のコイルは、電力線を流れる故障サージ電流の方向及び塔脚を流れる誘導サージ電流の方向に垂直に設置されるので、故障サージ電流による磁界及び誘導サージ電流による磁界をともに検出する。一方、第2のコイルは、故障サージ電流の方向に平行に、かつ、誘導サージ電流の方向に垂直に設置されるので、故障サージ電流による磁界は検出せず、塔脚の誘導サージ電流による磁界を検出する。そこで、第1のコイルの検出したサージ磁界と、第2のコイルの検出したサージ磁界との差分をとることにより、電力線における故障サージ電流による磁界の方向が分かり、ひいては、当該故障サージ電流の方向を判定することができる。これによれば、地面の近くにおいて、電力線の故障を示す信号(故障サージ電流)と、不要ノイズ(誘導サージ電流)とを切り分けることができる。
また、本発明は、事故箇所検出システムであって、前記電流方向判定部が、前記第1のコイルが前記第1のサージ磁界の変化に伴って出力する電圧と、前記第2のコイルが前記第2のサージ磁界の変化に伴って出力する電圧との差分をとり、その差分の正負に従って前記故障サージ電流の方向を判定することを特徴とする。
また、本発明は、事故箇所検出システムであって、前記鉄塔のうち、地面の近くにおいて、前記故障サージ電流の方向に平行に、かつ、前記鉄塔の塔脚を流れる商用周波電流の方向に垂直に設置され、前記商用周波電流による磁界である商用周波磁界を検出し、第1の電圧を出力する第3のコイルと、前記第3のコイルの出力した前記第1の電圧をA/D変換し、第2の電圧として出力するA/D変換器と、前記A/D変換器の出力した第2の電圧の実効値が所定値以上である状態が、所定時間以上継続した場合に、当該第3のコイルの設置された鉄塔において事故が発生したと判定する自鉄塔事故判定部と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、地面の近くにおいて、第3のコイルが電力線を流れる故障サージ電流の方向に平行に、かつ、塔脚を流れる商用周波電流の方向に垂直に設置されるので、商用周波電流による磁界を検出することができる。これによれば、第3のコイルの設置された鉄塔において事故が発生したことを知ることができる。
また、本発明は、事故箇所検出システムであって、前記第1のコイルと、前記第2のコイルとが、前記塔脚の軸を中心とする同心円上に設置され、かつ、同じ電磁誘導特性を有することを特徴とする。
この構成によれば、2つのコイルが、塔脚の軸から同じ距離に位置し、同じ電磁誘導特性を有するので、設置方向を除いた条件が同じになり、塔脚を流れる誘導サージ電流による磁界を等しく検出する。これによれば、電力線を流れる故障サージ電流を精確に特定することができ、その方向を精度よく判定することができる。
また、本発明は、前記事故箇所検出システムを用いて、前記電力線における事故区間を特定する事故区間特定方法であって、連なる複数の前記鉄塔ごとに、当該鉄塔のうち、地面の近くに前記第1のコイル及び前記第2のコイルを設置するステップと、前記電力線に事故が発生した場合に、前記鉄塔ごとの前記電流方向判定部が判定した前記故障サージ電流の方向を取得するステップと、隣接する2つの鉄塔に係る前記電流方向判定部が判定した前記故障サージ電流の方向が反転したときに、当該2つの鉄塔の間を事故区間として特定するステップと、を実行することを特徴とする。
この方法によれば、鉄塔のうち、地面の近くに設置されたコイルを用いて事故区間を特定するので、危険な高所作業がなくなるとともに、事故箇所検出システムの取付工事費やメンテナンス費用の低減が可能になる。
その他、本願が開示する課題及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
本発明によれば、地面の近くにおいて、電力線の故障を示す信号と、不要ノイズとを切り分けることができる。これによれば、電力線の故障を示す信号を検出するためのコイルを地面近くに設置可能であり、危険な高所作業がなくなるので、事故箇所検出システムの取付工事費やメンテナンス費用の低減が可能になる。
事故区間を標定する方法の原理を説明する図である。 自鉄塔以外の地絡事故を検出する方法の原理を説明する図であり、(a)は鉄塔の正面図を示し、(b)及び(c)は鉄塔の上面図を示し、(c)は特に電力線に水平角がある場合のコイルの取付方法を示す。 自鉄塔の地絡事故を検出する方法の原理を説明する図であり、(a)は鉄塔の正面図を示し、(b)は鉄塔の上面図を示す。 検出システム1の構成を示す図である。 検出システム1の処理を示すフローチャートである。 電力線を故障サージ電流が流れた場合の鉄塔への影響を示す図であり、(a)は鉄塔の上面図を示し、(b)は鉄塔一部の側面図を示し、(c)は鉄塔全体の側面図を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施の形態に係る検出システム(事故箇所検出システム)は、自鉄塔以外の事故については、地面近くに、電力線を流れる故障サージ電流の方向及び塔脚を流れる誘導サージ電流の方向の両方向に対して垂直な軸方向を持つ第1のコイルと、故障サージ電流の方向に平行で、かつ、誘導サージ電流の方向に垂直な軸方向を持つ第2のコイル(第2のコイルは塔脚電流のみを検出する変流器でもよい)とを設置し、第1のコイルの検出したサージ磁界と、第2のコイルの検出したサージ磁界との差分に基づいて、誘導サージ電流が作る磁界をキャンセルし、故障サージ電流が作る磁界の方向(さらには、当該故障サージ電流の方向)を検出するものである。
一方、自鉄塔の地絡事故の判定については、地面近くに、故障サージ電流の方向に平行で、かつ、塔脚を流れる商用周波磁界の方向に垂直な軸方向を持ち、商用周波磁界を検出する第3のコイルをさらに設置し、第3のコイルが検出した事故鉄塔脚の商用周波電流による磁界を用いる。
これによれば、連なる複数の各鉄塔に検出システムを配置することで、2台の検出システムが事故点をはさんで配置されている場合に、当該2台の検出システムが検出する磁界の方向が反転するため、事故区間を標定することができる。また、地絡事故の特定に際して、高い信頼性が得られる。
図1は、事故区間を標定する方法の原理を説明する図である。図1に示すように、複数の鉄塔の下部(地面の近く)に磁界の方向(さらには、電流の方向)を検出する検出システム1が設置され、複数の検出システム1により検出された磁界の方向(さらには、電流の方向)のうち、その方向が反転する区間を事故区間として標定する。
詳細には、図の中央に示す電力線EW上の事故点で地絡事故が発生すると、その事故点に向かって、故障サージ電流が流れ込む。これにより、図中事故点より左側の鉄塔に設置された検出システム1a、1b及び1cは、故障サージ電流が右方向に流れることを検出する。一方、図中事故点より右側の鉄塔に設置された検出システム1d、1e及び1fは、故障サージ電流が左方向に流れることを検出する。そこで、検出システム1a〜1fの検出した電流の方向を順番に見ていくと、検出システム1cと、1dとの間で電流の方向が反転することが分かる。これにより、検出システム1cと、1dとの間の区間で地絡事故が発生したことが標定できる。なお、事故区間の標定は、各検出システム1と通信可能なコンピュータシステムを用いてもよいし、人が各検出システム1の出力情報(電流の方向)を把握し、判断してもよい。
図2は自鉄塔以外の地絡事故を検出する方法の原理を説明する図であり、図2(a)は鉄塔の正面図を示し、図2(b)は鉄塔の上面図を示す。図2(c)は、鉄塔の上面図を示し、特に電力線に水平角がある場合のコイルの取付方法を示す。
電力線EWにおいて地絡事故が発生した場合、当該電力線EWのうち、事故点を挟んで隣接する2つの鉄塔付近を伝搬する故障サージ電流の方向が異なるので、連なる複数の各鉄塔において故障サージ電流が作る磁界の方向を検出することにより、磁界の方向が反転する鉄塔区間を事故区間(故障区間)として特定することができる。ただし、架空地線GWを流れる誘導サージ電流の差分や、鉄塔部材のループに誘起される誘導サージ電流が鉄塔脚に流れ、その鉄塔脚の周辺に磁界を作る。すなわち、鉄塔脚の周辺には、故障サージ電流による磁界と、誘導サージ電流による磁界とが作られているので、故障サージ電流分だけを検出する必要がある。なお、架空地線GWを流れる誘導サージ電流も磁界を作るが、鉄塔下部からは架空地線GWが電力線EWより遠方にあるので、影響は小さい。
そこで、図2に示すように、検出システム1のコイルC1及びC2は、鉄塔の下部、すなわち、地面近くに設置される。この場合、コイルC1と、コイルC2とは、同じ高さ(塔脚の軸を中心とする同心円上であるが、塔脚を流れる電流による磁界の変化を等しく検出する範囲内の位置ずれは許容される。)に設置され、電磁誘導に係る特性(例えば、コイルの巻き数)も同じであり、サージ電流による磁界であるサージ磁界を検出するものとする。
コイルC1は、その軸方向が電力線EWを流れる故障サージ電流の方向及び塔脚を流れる誘導サージ電流の方向に垂直になるように設置される。これにより、コイルC1は、電力線EWを伝搬する故障サージ電流が作る磁束に鎖交し、かつ、塔脚に流れる誘導サージ電流が作る磁束にも鎖交するので、故障サージ電流による磁界及び誘導サージ電流による磁界をともに検出する。一方、コイルC2は、その軸方向が故障サージ電流の方向に平行に、かつ、誘導サージ電流の方向に垂直になるように設置される。これにより、コイルC2は、当該故障サージ電流が作る磁束に鎖交せず、かつ、当該誘導サージ電流が作る磁束に鎖交するので、誘導サージ電流による磁界だけを検出する。そして、検出システム1は、コイルC1の検出した磁界と、コイルC2の検出した磁界との差分をとることにより、塔脚を流れる誘導サージ電流の影響を除去し、電力線EWを流れる故障サージ電流による磁界の方向(ひいては、故障サージ電流の方向)を判定する。
なお、コイルC3は図示されているが、原理的には使用しない。
図3は、自鉄塔の地絡事故を検出する方法の原理を説明する図であり、図3(a)は鉄塔の正面図を示し、図3(b)は鉄塔の上面図を示す。
電力線EWを流れる故障サージ電流は事故点に向かって流れ込んで来るため、その事故点の直下における磁界分布が複雑な様相となり、当該故障サージ電流が作る磁界をうまく検出できないと考えられる。このため、故障サージ電流による磁界の方向の判定を事故点の特定に使用することができない。従って、コイルC1は図示されているが、原理的には使用しない。そして、鉄塔において地絡事故が発生した場合、事故点に流れ込んで来た故障電流は、サージ成分及び商用周波成分ともに、架空地線GW側と、対地側とに分流する。
そこで、図3に示すように、検出システム1は、検出する周波数帯域の異なるコイルC2及びC3を備える。コイルC2及びC3は、その軸方向が電力線EWを流れる故障サージ電流の方向に平行に、かつ、塔脚を流れる電流の方向に垂直になるように設置される。そして、コイルC2は、塔脚を流れる故障電流のうち、サージ電流が作るサージ磁界だけを捕捉する。一方、コイルC3は、塔脚を流れる故障電流のうち、商用周波電流が作る商用周波磁界だけを捕捉する。検出システム1において、コイルC2の出力と、コイルC3の出力とのANDをとり、自鉄塔の事故と判定する。詳細には、待機電力を抑えるために、コイルC2の出力が所定値以上であることをトリガとして、コイルC3の出力電圧をA/D(Analog/Digital)変換し、デジタル化された出力の実効値及び継続時間の妥当性を判定する。
図4は、検出システム1の構成を示す図である。検出システム1は、コイルC1、C2、C3、閾値記憶部11、電圧判定部12、A/D変換部13、実効値継続時間計測部14、自鉄塔事故判定部15、電流方向判定部16及び判定結果出力部17を備える。
コイルC1は、電力線EWの故障サージ電流による磁界成分(1kHz以上)及び塔脚の電流によるサージ磁界成分(1kHz以上)を検出する。コイルC2は、塔脚の電流によるサージ磁界成分(1kHz以上)だけを検出する。コイルC3は、塔脚の電流による商用磁界成分(50Hz又は60Hz)を検出する。
閾値記憶部11は、検出システム1内で用いられる閾値(コイルC1及びC2の出力した磁界成分の閾値や、コイルC3の出力した磁界成分の閾値)を記憶する部分であり、例えば、フラッシュメモリやハードディスク装置等の不揮発性記憶装置によって実現される。電圧判定部12は、コイルC1及びC2が出力し、HPF(High Pass Filter)を通過した磁界成分の電圧が閾値より大きいか否かを判定する。コイルC2の磁界成分の電圧だけが閾値より大きければ、A/D変換部13に処理開始を指示する。コイルC1及びC2の磁界成分の電圧がともに閾値より大きければ、電流方向判定部16に処理開始を指示する。なお、コイルC1及びC2が電圧判定部12に出力する磁界成分の電圧レベルを調整して、電流方向判定の精度を上げるようにしてもよい。
A/D変換部13は、電圧判定部12からのトリガを受けて、コイルC3が出力し、LPF(Low Pass Filter)を通過した電圧をA/D変換する部分であり、アナログ電気信号をデジタル電気信号に変換する電子回路によって実現される。実効値継続時間計測部14は、A/D変換部13が出力したデジタル波形から電圧の実効値及び継続時間を計測する部分であり、デジタル波形を処理する電子回路によって実現される。自鉄塔事故判定部15は、実効値継続時間計測部14が計測した電圧の実効値及び継続時間と、閾値記憶部11に記憶された閾値とを比較し、自鉄塔(検出システム1の設置された鉄塔)の事故か否かを判定する。電流方向判定部16は、コイルC1がサージ磁界の変化に伴って出力する電圧と、コイルC2がサージ磁界の変化に伴って出力する電圧との差分をとり、その差分の正負に従って電力線EWの故障サージ電流の方向を判定する。判定結果出力部17は、自鉄塔事故判定部15及び電流方向判定部16の判定結果を出力する部分であり、ディスプレイに表示してもよいし、ネットワークを通じて他の装置に通知してもよい。
なお、電圧判定部12、自鉄塔事故判定部15及び電流方向判定部16は、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。また、コイルC1、C2及びC3は、鉄塔の塔脚に設置されるが、他の各部11〜17の設置場所は鉄塔に限定されない。
図5は、検出システム1の処理を示すフローチャートである。検出システム1において、まず、電圧判定部12が、コイルC2の出力した電圧が閾値より大きいか否かを判定する(S501)。コイルC2の電圧が閾値より小さいか、同じであれば(S501のNO)、S501の判定を繰り返す。コイルC2の電圧が閾値より大きければ(S501のYES)、電圧判定部12が、コイルC1の出力した電圧が閾値より大きいか否かを判定する(S502)。
コイルC1の磁界が閾値より小さいか、同じであれば(S502のNO)、自鉄塔事故判定部15が自鉄塔の事故か否かを判定する(S503)。例えば、コイルC3が出力し、A/D変換部13が変換し、実効値継続時間計測部14が計測した電圧の実効値が閾値記憶部11に記憶された閾値(所定値)以上であり、かつ、当該計測した電圧の継続時間が当該記憶された閾値である60Hzの3サイクル分(=0.05秒)以上であるか否かを判定する。60Hzの3サイクル分とは、地絡事故が発生してから変電所の遮断器が制御所の指示を受けて切断するまでの時間である。自鉄塔の事故であると判定するには、十分な商用周波電流が十分な時間だけ継続して流れたという事実の認定が必要である。
自鉄塔の事故でなければ(S503のNO)、S501の判定に戻る。自鉄塔の事故であれば(S503のYES)、判定結果出力部17が自鉄塔の事故であることを出力する。
S502において、コイルC1の磁界が閾値より大きければ(S502のYES)、電流方向判定部16が電力線EWの故障サージ電流の方向を判定する(S505)。そして、判定結果出力部17が、他鉄塔事故であること及び故障サージ電流の方向を出力する(S506)。
以上説明した本発明の実施の形態によれば、コイルが地面の近くに設置された検出システム1において、コイルC1の検出したサージ磁界と、コイルC2の検出したサージ磁界との差分をとることにより、電力線EWを流れる故障サージ電流による磁界の方向が分かる。これによれば、地面の近くにおいて、所望の電力線における故障サージ電流と、不要なノイズである誘導サージ電流とを切り分けることができ、当該故障サージ電流の方向を判定することができる。
また、地面の近くにおいて、コイル3が商用周波磁界を検出することにより、検出システム1の設置された鉄塔において地絡事故が発生したことを知ることができる。
以上によれば、地面の近くに設置されたコイルを用いて事故区間を特定するので、危険な高所作業がなくなるとともに、検出システム1の取付工事費やメンテナンス費用の低減が可能になる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
1 検出システム(事故検出システム)
12 電圧判定部
13 A/D変換部
14 実効値継続時間計測部
15 自鉄塔事故判定部
16 電流方向判定部
C1 コイル(第1のコイル)
C2 コイル(第2のコイル)
C3 コイル(第3のコイル)
EW 電力線

Claims (5)

  1. 鉄塔に架設される電力線に発生した事故の箇所を検出する事故箇所検出システムであって、
    前記鉄塔のうち、地面の近くにおいて、前記電力線を流れる故障サージ電流の方向及び前記鉄塔の塔脚を流れる誘導サージ電流の方向の両方向に対して垂直に設置され、前記故障サージ電流及び前記誘導サージ電流による磁界である第1のサージ磁界を検出する第1のコイルと、
    前記鉄塔のうち、地面の近くにおいて、前記故障サージ電流の方向に平行に、かつ、前記誘導サージ電流の方向に垂直に設置され、前記誘導サージ電流による磁界である第2のサージ磁界を検出する第2のコイルと、
    前記第1のコイルの検出した前記第1のサージ磁界と、前記第2のコイルの検出した前記第2のサージ磁界との差分に基づいて、前記故障サージ電流の方向を判定する電流方向判定部と、
    を備えることを特徴とする事故箇所検出システム。
  2. 請求項1に記載の事故箇所検出システムであって、
    前記電流方向判定部は、
    前記第1のコイルが前記第1のサージ磁界の変化に伴って出力する電圧と、前記第2のコイルが前記第2のサージ磁界の変化に伴って出力する電圧との差分をとり、その差分の正負に従って前記故障サージ電流の方向を判定する
    ことを特徴とする事故箇所検出システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の事故箇所検出システムであって、
    前記鉄塔のうち、地面の近くにおいて、前記故障サージ電流の方向に平行に、かつ、前記鉄塔の塔脚を流れる商用周波電流の方向に垂直に設置され、前記商用周波電流による磁界である商用周波磁界を検出し、第1の電圧を出力する第3のコイルと、
    前記第3のコイルの出力した前記第1の電圧をA/D変換し、第2の電圧として出力するA/D変換器と、
    前記A/D変換器の出力した第2の電圧の実効値が所定値以上である状態が、所定時間以上継続した場合に、当該第3のコイルの設置された鉄塔において事故が発生したと判定する自鉄塔事故判定部と、
    をさらに備えることを特徴とする事故箇所検出システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の事故箇所検出システムであって、
    前記第1のコイルと、前記第2のコイルとは、前記塔脚の軸を中心とする同心円上に設置され、かつ、同じ電磁誘導特性を有する
    ことを特徴とする事故箇所検出システム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の事故箇所検出システムを用いて、前記電力線における事故区間を特定する事故区間特定方法であって、
    連なる複数の前記鉄塔ごとに、当該鉄塔のうち、地面の近くに前記第1のコイル及び前記第2のコイルを設置するステップと、
    前記電力線に事故が発生した場合に、前記鉄塔ごとの前記電流方向判定部が判定した前記故障サージ電流の方向を取得するステップと、
    隣接する2つの鉄塔に係る前記電流方向判定部が判定した前記故障サージ電流の方向が反転したときに、当該2つの鉄塔の間を事故区間として特定するステップと、
    を実行することを特徴とする事故区間特定方法。
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