JPH08188717A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH08188717A
JPH08188717A JP78595A JP78595A JPH08188717A JP H08188717 A JPH08188717 A JP H08188717A JP 78595 A JP78595 A JP 78595A JP 78595 A JP78595 A JP 78595A JP H08188717 A JPH08188717 A JP H08188717A
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JP
Japan
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resin
flame
examples
weight
phenol
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Application number
JP78595A
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English (en)
Inventor
Masanori Higano
正徳 日向野
Atsushi Watanabe
淳 渡邊
Takashi Chiba
尚 千葉
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実質的にハロゲン系難燃剤を使用せずに優れ
た耐光性及び耐熱性を有する難燃性樹脂組成物を提供す
る。 【構成】 (A)熱可塑性樹脂、(B)燐化合物および
(C)フェノールアラルキル樹脂を必須成分とする難燃
性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性樹脂組成物に関す
るものである。さらに詳しくは、熱可塑性樹脂に燐化合
物及びフェノールアラルキル樹脂を配合した耐光性及び
耐熱性に優れた難燃性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂の難燃化は主にハロ
ゲン系難燃剤、燐系難燃剤、三酸化アンチモンなどを単
独あるいは複合的に用いることによって達成されてき
た。そして、特にハロゲン系難燃剤と燐系難燃剤とを組
み合わせた場合には相乗的に難燃性が向上することが知
られている。しかしながら、ハロゲン系難燃剤や三酸化
アンチモンを用いた場合には燃焼時にハロゲン化水素や
ハロゲン化アンチモン等の毒性の高いガスが発生するこ
とが知られている。このためハロゲンを全く含有しない
か、或いはハロゲンの量が少ない難燃性樹脂の開発が望
まれていた。
【0003】この様な状況において、ハロゲン系難燃剤
の代わりに、燐及び/または窒素を含む化合物を、AB
S樹脂をはじめとするスチレン系樹脂へ添加する事が提
案されている。しかしながら、これらの化合物は難燃化
効果の点でハロゲン系難燃剤に劣り、特に、ABS樹脂
をはじめとするスチレン系樹脂に対する難燃化効果は低
い。従って、この様な樹脂に対しては、燐及び/または
窒素を含む化合物を多量に添加しなければならず、その
結果、組成物の耐熱性などの物性を著しく低下させてし
まう問題があった。
【0004】更にこの様な問題を解決しようとする方法
として、フェノール樹脂、燐化合物、メラミンなどを熱
可塑性グラフト共重合体に配合する方法(西独国特許第
3、401、835A号公報)が開示されている。しか
しこの方法で得られた組成物は、フェノール樹脂に由来
する耐光性の低下や、ブルーミングによるメラミンのし
み出しを引き起こし、また難燃剤の可塑化効果による耐
熱性の低下も十分に抑制できていない。そこで、組成物
本来の耐熱性などの性能を低下させることなく、しかも
優れた難燃性と耐光性を示す熱可塑性樹脂組成物の開発
が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれら従来の
問題点を解決するものであり、その目的とするところ
は、ハロゲン系難燃剤を使用せずに優れた耐光性及び耐
熱性を有する難燃性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、フェノ
ール樹脂を使用する難燃化技術について、耐光性及び耐
熱性を改善するため鋭意研究を重ねた結果、燐化合物と
重量平均分子量が1000以上のフェノールアラルキル
樹脂を併用配合することにより、樹脂本来の耐熱性を維
持しつつ優れた耐光性及び難燃性が発現される事を見い
だし、本発明に到達した。即ち本発明は、(A)熱可塑
性樹脂、(B)燐化合物および(C)フェノールアラル
キル樹脂を必須成分とする難燃性樹脂組成物に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる(A)熱可塑性樹脂は公知のものの中から適
宜選択することが出来る。それらの中の代表的なものを
例示すれば、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリ
カーボネート系樹脂をはじめとして、ポリエステル系樹
脂(PBT、PET)、(変性)ポリエチレン、(変
性)ポリプロピレン、(変性)エチレン・プロピレン共
重合樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミ
ド、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、ポリメタクリ
ル酸メチル等が挙げられ、これらの樹脂は2種以上を組
み合わせて使用することも可能である。次に、これらの
いくつかについて、更に詳しく説明する。
【0008】本発明で用いられるポリスチレン系樹脂は
芳香族ビニル系単量体を含有する不飽和単量体を(共)
重合することにより得られる(共)重合体であり、さら
には、該重合体がゴム質重合体により改質された重合体
をも包含するものである。不飽和単量体として用いられ
る芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ヒ
ドロキシスチレン、ハロスチレン等が挙げられる。さら
にこれらの単量体と共に、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マ
レイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水物系単量体
等から選ばれる1種以上の単量体が使用できる。(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル等が挙げられる。マレイミド系単量体としては、
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸無水物系単
量体としては、無水マレイン酸等が挙げられる。ポリス
チレン系樹脂の製造方法には、特に制約はなく塊状重
合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法が
使用できる。
【0009】ポリスチレン系樹脂の具体例としては、ポ
リスチレン、α−メチルスチレン/アクリロニトリル共
重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリ
ル酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、α
−メチルスチレン/アクリロニトリル/N−フェニルマ
レイミド共重合体、スチレン/アクリロニトリル/N−
フェニルマレイミド共重合体、スチレン/N−フェニル
マレイミド/無水マレイン酸共重合体、およびそれらの
ゴム変性体等を挙げることができる。
【0010】本発明で用いられるABS系樹脂はゴム質
重合体に芳香族ビニル系単量体を必須成分とするビニル
系単量体を共重合することにより得られるグラフト重合
体であり、さらには、芳香族ビニル系単量体を含有する
ビニル系単量体を重合して得られる重合体と該グラフト
重合体とのブレンド物をも包含するものである。
【0011】グラフト重合体は、ガラス転移温度が10
℃以下であるゴム質重合体に、芳香族ビニル系単量体お
よび(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エ
ステル、マレイミド系単量体、不飽和ジカルボン酸無水
物系単量体等から選ばれる1種以上の単量体をグラフト
重合することにより得られる。芳香族ビニル系単量体と
しては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、t−ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、ハロス
チレン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルと
しては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。マ
レイミド系単量体としては、マレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイ
ミド、N−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマ
レイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。不
飽和ジカルボン酸無水物系単量体としては、無水マレイ
ン酸等が挙げられる。これらの単量体はそれぞれ2種以
上併用して用いることもできる。本発明で使用されるグ
ラフト重合体に好ましく用いられる単量体は、スチレン
と、アクリロニトリル及び/またはメタクリル酸メチル
である。グラフト重合体の製造方法には、特に制約はな
く塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の
方法が使用できる。
【0012】グラフト重合体に用いられるゴム質重合体
を例示すると、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン
共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水
素添加ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ブタジ
エン−アクリロニトリル共重合体、アクリル系ゴム、エ
チレン−プロピレン(ジエン成分)共重合体、イソブチ
レン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレンブロ
ック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブロック
共重合体、ポリウレタン系ゴム、ポリアミド系ゴム、シ
リコーン系ゴム等が挙げられる。本発明では好ましく
は、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、
アクリル系ゴム、エチレン−プロピレン(ジエン成分)
共重合体、シリコーン系ゴム等が用いられる。
【0013】グラフト重合体とブレンドする重合体とし
ては、前記のグラフト重合体に用いられる単量体を重合
して得られる重合体を用いることができる。好ましく用
いられる重合体はα−メチルスチレン/アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、α
−メチルスチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン/メタクリル酸メチル共重合体、α−メチルスチレ
ン/アクリロニトリル/N−フェニルマレイミド共重合
体、スチレン/アクリロニトリル/N−フェニルマレイ
ミド共重合体、スチレン/N−フェニルマレイミド/無
水マレイン酸共重合体等である。これらの重合体は1種
のみ用いても良いし、2種以上組み合わせて用いること
もできる。これらの重合体の製造方法には、特に制約は
なく塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公
知の方法が使用できる。
【0014】本発明で用いられるポリカーボネート系樹
脂は、2価フェノール類とカーボネート前駆体とを溶液
法または溶融法で反応せしめて製造されるものである。
2価フェノールの代表的な例を挙げると、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノール
A]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サル
ファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等
が挙げられる。好ましい2価フェノールはビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)アルカン系であり、更に好ましく
は、ビスフェノールAを主原料とするものである。ま
た、カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、
カルボニルエステルまたはハロホルメート等が挙げら
れ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジ
メチルカーボネート、2価フェノールのジハロホルメー
ト及びそれらの混合物である。ポリカーボネート樹脂を
製造するに当たり、これらの2価フェノールの1種以上
を使用することができる。またこのようにして得られた
ポリカーボネート樹脂は2種以上を併用することもでき
る。本発明では好ましくはハロゲン非含有ポリカーボネ
ートが用いられる。
【0015】本発明で用いられる(B)燐化合物は、燐
原子を有する化合物であれば特に制限はないが、好まし
くは一般式(I)で表される有機燐化合物が用いられ
る。
【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は互いに独立して、水素原
子または有機基を表すが、R1 =R2 =R3 =Hの場合
を除く。Xは2価以上の有機基を表し、Yは酸素または
硫黄原子、Zはアルコキシ基またはメルカプト基を表
す。pは0または1であり、qは1以上、例えば30以
下の整数、rは0以上の整数、nは0または1を表す。
しかし、これらに限定されるものではない。)。
【0016】上記式において、有機基とは例えば、置換
されていてもいなくてもよいアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基などである。また、置換されている場
合、置換基としては例えばアルキル基、アルコキシ基、
アルキルチオ基等が挙げられ、またこれらの置換基を組
み合わせた基(例えばアリールアルコキシアルキル基な
ど)またはこれらの置換基を酸素原子、硫黄原子、窒素
原子などにより結合して組み合わせた基(例えば、アリ
ールスルホニルアリール基など)を置換基として用いて
もよい。また、2価以上の有機基とは上記した有機基か
ら、炭素原子に結合している水素原子の一個以上を除い
てできる2価以上の基を意味する。例えばアルキレン
基、及び好ましくは(置換)フェニレン基、多核フェノ
ール類例えばビスフェノール類から誘導されるものが挙
げられ、2以上の遊離原子価の相対的位置は任意であ
る。特に好ましいものとして、ヒドロキノン、レゾルシ
ノール、ジフェニロールメタン、ジフェニロールジメチ
ルメタン、ジヒドロキシジフェニル、p,p’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシナフタレンな
どが挙げられる。
【0017】(B)の燐化合物を例示すると、燐酸エス
テルとしては、トリメチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチ
ルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフ
ェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニル
ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフ
ェート、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフェー
ト、トリス(p−フェニルフェニル)ホスフェート、ト
リナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェ
ート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル
(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピ
ルフェニル)フェニルホスフェート、o−フェニルフェ
ニルジクレジルホスフェート、ジブチルホスフェート、
モノブチルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルホス
フェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロ
イルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリ
ロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル
−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェ
ニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート及
びこれらの縮合物等が挙げられる。
【0018】亜燐酸エステルとしては、トリメチルホス
ファイト、トリエチルホスファイト、トリブチルホスフ
ァイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ト
リブトキシエチルホスファイト、トリオレイルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスフ
ァイト、トリキシレニルホスファイト、トリス(イソプ
ロピルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニル
ホスファイト、トリス(o−フェニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(p−フェニルフェニル)ホスファイ
ト、トリナフチルホスファイト、クレジルジフェニルホ
スファイト、キシレニルジフェニルホスファイト、ジフ
ェニル(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジ(イソ
プロピルフェニル)フェニルホスファイト、o−フェニ
ルフェニルジクレジルホスファイト、ジブチルホスファ
イト、モノブチルホスファイト、ジ−2−エチルヘキシ
ルホスファイト、モノイソデシルホスファイト及びこれ
らの縮合物等が挙げられる。
【0019】また、これら以外の燐化合物としては、ト
リフェニルホスフィンオキシド、トリクレジルホスフィ
ンオキシド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホ
スホン酸ジエチル、赤燐等を挙げることができる。これ
ら燐化合物は1種のみ用いても良いし、2種以上組み合
わせて用いることもできる。
【0020】これらの燐化合物の配合量は特に制限はな
いが、(A)成分100重量部に対し好ましくは1〜5
0重量部の範囲である。更に好ましくは、5〜30重量
部の範囲である。1重量部よりも少ない量では充分な難
燃化効果が得られず、50重量部よりも多い量では、得
られる組成物の耐熱性の著しい低下、成型加工時の揮発
分の増加等の弊害を生じる。
【0021】本発明で用いられる(C)フェノールアラ
ルキル樹脂はフェノール類とアラルキルハライドまたは
アラルキルアルコール誘導体を酸触媒下、公知の方法で
反応させて得られる。フェノール類としては、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、ブチルフェノール、アミルフェノール、ノニルフ
ェノール、フェニルフェノール、フェノキシフェノー
ル、ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)エタン、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジ
ヒドロキシジフェニルケトン、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0022】本発明におけるアラルキルハライドまたは
アラルキルアルコール誘導体は、一般式(II)で表さ
れる。
【化2】 (式中、Rは塩素、臭素等のハロゲン原子、水酸基また
はアルコキシ基である。)。アルコキシ基としては炭素
数4以下の低級アルコキシ基が好ましい。好ましく使用
されるアラルキルハライドとしては、α,α’−ジクロ
ロ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレ
ン、α,α’−ジヨード−p−キシレン等が挙げられ、
また、好ましく使用されるアラルキルアルコール誘導体
としては、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、
α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエ
トキシ−p−キシレン、α,α’−ジプロポキシ−p−
キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレ
ン、α,α’−ジ−sec−ブトキシ−p−キシレン、
α,α’−ジイソブトキシ−p−キシレン等が挙げられ
る。
【0023】本発明で用いられるフェノールアラルキル
樹脂の分子量は、重量平均分子量で1000〜1000
0のものが好ましく、より好ましくは1500〜900
0であり、更に好ましくは3000〜8000の範囲の
ものである。分子量が1000未満のフェノールアラル
キル樹脂では、樹脂組成物の耐熱性を大きく低下させて
しまい、また、10000以上の分子量では成形性を低
下させるなどの弊害が生じるため好ましくない。なお、
本発明でいう重量平均分子量とは、溶媒にテトラヒドロ
フランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーにより、ポリスチレン換算で測定して得られるもので
ある。具体的には、カラムにShodex A−802
5(昭和電工社)を一本と、Shodex A−802
(昭和電工社)を一本使用して、以下に示す条件でポリ
スチレン基準で測定して得られるものを挙げることがで
きる。 条件 溶媒:テトラヒドロフラン 流速:1.0ml/min 検出:紫外線検出器 波長272nm カラム温度:35℃
【0024】フェノールアラルキル樹脂の配合量は特に
制限はないが、好ましくは(A)成分100重量部に対
し1〜50重量部の範囲であり、更に好ましくは1〜4
0重量部の範囲である。1重量部よりも少ない量では充
分な難燃化効果が得られず、50重量部よりも多い量で
は、得られる組成物の耐衝撃性の著しい低下等の弊害を
生じる。
【0025】なお、未置換フェノール類とアルデヒド及
び/またはケトン類を酸触媒下、公知の方法で反応させ
て得られるフェノール樹脂等も勿論併用する事ができる
が、(C)の5倍量以下好ましくは3倍量以下である。
また、重量平均分子量が1000未満のフェノールアラ
ルキル樹脂ももちろん併用することができるが、(C)
の5倍量以下好ましくは3倍量以下である。
【0026】本発明の難燃性樹脂組成物は、臭素或いは
塩素を含有する化合物を難燃剤として使用せずに優れた
難燃性を発現するものであるが、通常用いられる公知の
難燃剤を併用することもできる。難燃剤は、通常難燃化
効果を有するものであれば特に制限はなく、フッ素化合
物、珪素化合物、アンチモン化合物、窒素化合物、硼素
化合物、熱膨張性グラファイト、金属酸化物、金属水酸
化物、アルカリ(土類)金属塩、ポリ核置換ヒドロキシ
スチレン等の難燃剤が使用できる。これらの難燃剤は1
種のみ用いても良いし、2種以上組み合わせて用いるこ
とも可能である。
【0027】樹脂及び難燃剤等の混合方法には特別の制
限はなく、これらを均一に混合できる手段であればいず
れの手段をも採用できる。例えば、押出機、ヘンシェル
型ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、加熱ロー
ルなど各種の混合用機械による混合、混練等が適宜採用
できる。
【0028】この際、必要に応じて難燃性を阻害しない
範囲でその効果を発現する種々の充填材や添加剤等を配
合できる。それらを例示するとガラス繊維、アスベス
ト、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウ
ムウイスカー繊維、金属繊維、セラミックス繊維、ボロ
ンウイスカー繊維等の繊維状充填材、マイカ、シリカ、
タルク、クレー、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラ
スバルーン、ガラスフレーク等の充填材や、離型剤、滑
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、耐
熱安定剤、老化防止剤、染(顔)料等の添加剤等が挙げ
られる。更にはポリマーブレンドの特性を向上させるた
めの衝撃強度改良剤、相溶化成分等も配合することがで
きる。
【0029】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために以下
に実施例を挙げる。 製造例1 撹拌機、還流冷却管を備えた反応器にp−キシレン−
α、α’−ジオール207g、フェノール160g、メ
タンスルホン酸0.1gを添加し、150〜160℃に
て4時間加熱撹拌し、その後減圧下で水を留去すること
で、フェノールアラルキル樹脂を得た。得られたフェノ
ールアラルキル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーで調べたところ3000で
あった。 製造例2 撹拌機、還流冷却管を備えた反応器にp−キシレン−
α、α’−ジオール207g、フェノール188g、メ
タンスルホン酸0.1gを添加し、150〜160℃に
て3時間加熱撹拌し、その後減圧下で水を留去すること
で、フェノールアラルキル樹脂を得た。得られたフェノ
ールアラルキル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーで調べたところ700であ
った。
【0030】実施例1〜8、比較例1〜8 表1及び2記載の各成分を各配合割合で、ヘンシェルミ
キサーにて混合後、30mmφ2軸押出機(池貝鉄工社
製、PCM−30)を使用し、220〜280℃で溶融
混練押出しし、ペレタイザーによりペレット化した。こ
のようにして得たペレットから射出成型機を用いてテス
トピースを作製し、燃焼性、耐光性、耐熱性等を評価し
た。それらの結果を同じく表1及び2に示す。UL燃焼
試験は、得られたペレットから射出成形にて127mm
×12.7mm×1.6mmの燃焼テストピースを作製
し、米国アンダーライターズ・ラボラトリー社のサブジ
ェクト94(UL−94)垂直燃焼試験に従い測定し
た。耐光性は、垂直燃焼試験用の試験片を用い、暴露試
験装置(東洋精機製作所、UVCON)により、温度5
5℃、湿度50%RH、照射照度0.39W/mm
2 (キセノンat340nm)、照射時間25時間で処
理を行い、JIS K7105に従い色差測定を行っ
た。熱変形温度はJISK7207に従い18.5kg
f/cm2 荷重で測定した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】なお、表1、表2中の記号は以下の通りで
ある。 熱可塑性樹脂(1):電気化学工業社製AS樹脂AS-W 熱可塑性樹脂(2):電気化学工業社製ABS樹脂GR-GT-14 熱可塑性樹脂(3):三菱瓦斯化学社製PPE樹脂YPX-100L 熱可塑性樹脂(4):三菱化成社製PBT樹脂ノハ゛ト゛ール5020S 熱可塑性樹脂(5):帝人化成社製PC樹脂ハ゜ンライト K-1300W 熱可塑性樹脂(6):三菱瓦斯化学社製PA樹脂レニー MXD6007 燐化合物 :(株)大八化学工業所製トリフェニルホスフェート フェノール樹脂(1):明和化成社製フェノールアラルキル樹脂MEH7800LL 重量平均分子量1000 フェノール樹脂(2):三井東圧社製フェノールアラルキル樹脂XL225-3L 重量平均分子量1700 フェノール樹脂(3):住友デュレズ社製フェノールノボラックPR-53194 製造例1の化合物:フェノールアラルキル樹脂 重量平均分子量3000 製造例2の化合物:フェノールアラルキル樹脂 重量平均分子量700 耐光性 △E :色差(JIS K7105準拠) HDT :熱変形温度(JIS K7207準拠) UL−94 :UL94垂直燃焼試験結果
【0034】表2中、比較例の1〜4、8はフェノール
ノボラック樹脂を配合した系の耐光性に着目したもので
あるが、フェノールノボラック樹脂を配合した場合は耐
光性が低いことがわかる。一方、表1中の実施例1〜
6、8は、良好な耐光性を示した。このことからフェノ
ールアラルキル樹脂を用いることにより、顕著な耐光性
改良効果が得られたものと解される。また比較例5〜7
は重量平均分子量が1000未満のフェノールアラルキ
ル樹脂を用いたものであるが、本発明の実施例1、3、
5〜7に比べて熱変形温度が大きく低下しており、好ま
しくない。実施例7及び比較例7は重量平均分子量が1
000未満のフェノールアラルキル樹脂と重量平均分子
量が1000以上のフェノールアラルキル樹脂を併用し
た場合の耐熱性の比較であり、低分子量のフェノールア
ラルキル樹脂の比率を大にすると良好な耐熱性を維持で
きないことを示す。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、燐化合物及びフェノールア
ラルキル樹脂を熱可塑性樹脂に配合することにより、こ
れまでのフェノールノボラック樹脂を用いた技術よりも
著しく耐光性及び耐熱性を改善することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(A)、(B)及び(C)の各成分
    を必須とする難燃性樹脂組成物。 (A)熱可塑性樹脂 (B)燐化合物 (C)フェノールアラルキル樹脂
  2. 【請求項2】 フェノールアラルキル樹脂の重量平均分
    子量が1000以上である請求項1記載の難燃性樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分100重量部あたり、(B)
    成分を1〜50重量部、(C)成分を1〜50重量部の
    割合で混合して得られる請求項2記載の難燃性樹脂組成
    物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013199651A (ja) * 2013-05-02 2013-10-03 Somar Corp 難燃性樹脂組成物及びこれを用いた粘着シート、及びその製造方法

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