JPH08188075A - 車両用シート - Google Patents

車両用シート

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JPH08188075A
JPH08188075A JP7001230A JP123095A JPH08188075A JP H08188075 A JPH08188075 A JP H08188075A JP 7001230 A JP7001230 A JP 7001230A JP 123095 A JP123095 A JP 123095A JP H08188075 A JPH08188075 A JP H08188075A
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JP
Japan
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pad
seat
frame
skin material
seat frame
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JP7001230A
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English (en)
Inventor
Kokichi Doi
孝吉 土井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】座り心地及びホールドのさらなる満足ととも
に、軽量化及び製造コストの低廉化を一層実現可能な車
両用シートを提供する。 【構成】表皮材6の裏面側において、パッド11と一体
にガラス繊維製の表面側シート3a、3bを設ける。ま
た、パッド11の裏面側に一体にポリエステル繊維製の
裏面側シート4を設ける。この裏面側シート4は適数の
切り込みを有して2本の第1吊りワイヤ12を内包し、
第1吊りワイヤ12には各切り込みを介してリング13
が係止され、リング13は弾性フックによりシートフレ
ームに係止される。さらに、パッド11の裏面側には、
前後中央に延在する第2吊りワイヤがシートフレームに
上下動可能に張設され、パッド11にはシートフレーム
側にフック6aをもつ伸縮可能な表皮材6が共縫いさ
れ、フック6aがシートフレームに係止されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な車両用シートでは、シートクッ
ションフレーム及びシートバックフレームからなるシー
トフレームがアジャスターを介して車体に取りつけら
れ、シートクッションフレームにはシートクッションパ
ッドが固定され、シートバックフレームにはシートバッ
クパッドが固定されている。シートクッションパッド及
びシートバックパッドは一般的にはウレタンフォームか
らなる。ファブリック、塩ビレザー、皮革等の表皮材は
ウレタンフォームのスラブからなるカバーパッド及び裏
基布とともに縫製されてシートカバーアッセンブリにさ
れ、このシートカバーアッセンブリは接着剤によりシー
トクッションパッド及びシートバックパッドの各表面側
に一体的に設けられる。
【0003】かかる車両用シートのうち、フルフォーム
型のものでは、皿状に形成されたシートクッションフレ
ーム上に直接シートクッションパッドが固定される。ま
た、フルスプリング型のものでは、皿状に形成されたシ
ートクッションフレーム上に複数のコイルスプリングが
設けられ、シートクッションパッドはそれらコイルスプ
リング上に固定される。さらに、両者の中間的なコンタ
ーマット型のものでは、枠状に形成されたシートクッシ
ョンフレーム上に複数のS字型のコイルスプリングが設
けられているとともに、コイルスプリング間には金属製
の網状支持体が張設され、シートクッションパッドはS
字型のコイルスプリング上に固定される。
【0004】これら従来の車両用シートでは、充分な座
り心地を考慮してパッドが比較的厚肉品であるため製造
コストの高騰化を生じること、車両用であるために人間
の充分なホールドが必要なこと等の課題があったため、
近年、種々の提案がなされている。例えば、特開平2−
257911号公報、実開昭63−54352号公報、
特開平4−45917号公報、特開平5−329850
号公報、特開平5−329937号公報では、かかる車
両用シートの新規なパッドを開示している。このうち、
特開平2−257911号公報記載のパッドはウレタン
フォームの裏面にダイメトロールファブリック等の高弾
性繊維部材を設けたものであり、実開昭63−5435
2号公報記載のパッドは樹脂製パット間に同様の布製弾
性部材を張設したものである。また、特開平4−459
17号公報及び特開平5−329850号公報記載のパ
ッドは不織布とウレタンフォームとを一体成形したもの
である。さらに、特開平5−329937号公報記載の
パッドは複数の繊維質パッド材をホットメルトフィルム
により接着したものである。
【0005】また、実開平5−93293号公報、特開
平6−55961号公報、特開平6−98817号公
報、実開平2−22143号公報、実開平2−1256
57号公報、実開平2−127238号公報では、車両
用シートの新規なシートクッションを開示している。こ
れらのシートクッションでは、シートクッションフレー
ムにスプリングを張設し、又はスプリングを介して底板
を張設し、スプリング又は底板にシートクッションパッ
ドを取りつけている。特に、実開平2−22143号公
報、実開平2−125657号公報、実開平2−127
238号公報記載のシートクッションでは、スプリング
を上下2段に設け、高さ調節可能になされている。
【0006】さらに、特公昭56−54248号公報で
は、シートクッションパッドの下方に吊りワイヤを張設
し、衝突等に吊りワイヤをロックしてサブマリン現象を
防止可能なシートクッションを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高弾性繊維部
材又は布製弾性部材を採用したパッドでは、人間の尻の
着座位置の真下が高弾性繊維部材等で構成されるため、
人間が着座した場合に高弾性繊維部材等が伸縮弾性変形
し、側方から尻を押圧する側圧が高くなる。また、不織
布とウレタンフォームとを一体成形したパッドを採用す
れば、不織布に対して破泡する部分が一定になりにくい
ため、必ずしも最適形状で人間をホールドすることがで
きない場合がある。また、この種のパッドでは、破泡し
た部分が伸縮による未だ大きな弾性率を有していること
から低い曲げ剛性しか有さず、人間の荷重に対して大き
なストロークの変形を生じ、未だ70〜90mm程度の
厚肉品となってしまう。
【0008】さらに、複数の繊維質パッド材を接着した
パッドを採用すれば、繊維質パッド材の積層等に工数を
要してしまう。また、シートフレームにスプリングを介
し、又はスプリング及び底板を介してシートクッション
パッドを取りつける構造では、部品点数が多いととも
に、スプリングに予圧力を付与して組付けなければなら
ないことから組付け性が悪いという欠点がある。
【0009】さらに、スプリングを上下2段に設けて高
さ調節可能にすれば、構造が複雑化してしまう。また、
この種の車両用シートでは、面圧の高い部分の荷重分布
は変化せず、最大反力の生じる部分が上下するだけであ
るため、長時間の着座により痛み、しびれ等を生じやす
い。また、シートクッションパッドの下方に張設した吊
りワイヤは、非ロック時には自由に撓みやすく、荷重分
布を変化させることができない。
【0010】このように、上記従来の車両用シートはい
ずれも未だ座り心地及びホールドの満足とともに、軽量
化及び製造コストの低廉化を実現することが充分ではな
かった。本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたも
のであって、座り心地及びホールドのさらなる満足とと
もに、軽量化及び製造コストの低廉化を一層実現可能な
車両用シートを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の車両用シートは、車体に取りつけられ
るシートフレームと、該シートフレームに固定される弾
性発泡体からなるパッドと、該パッドの表面側に設けら
れた表皮材とを有する車両用シートにおいて、前記表皮
材の裏面側には、可撓性を有し、実質的に伸縮弾性変形
不能な表面側シートが前記パッドと一体に設けられてい
ることを特徴とする。
【0012】(2)請求項2の車両用シートは、車体に
取りつけられるシートフレームと、該シートフレームに
固定される弾性発泡体からなるパッドと、該パッドの表
面側に設けられた表皮材とを有する車両用シートにおい
て、前記パッドの裏面側には、可撓性を有する裏面側シ
ートが該パッドと一体に設けられて前記シートフレーム
に張設されていることを特徴とする。
【0013】(3)請求項3の車両用シートは、請求項
2記載の車両用シートにおいて、裏面側シートは適数の
切り込みを有して複数本の第1吊りワイヤを内包し、該
第1吊りワイヤには各該切り込みを介して弾性フックが
係止され、各該弾性フックはシートフレームに係止され
ていることを特徴とする。 (4)請求項4の車両用シートは、請求項1、2又は3
記載の車両用シートにおいて、パッドの裏面側には第2
吊りワイヤがシートフレームに張設され、該第2吊りワ
イヤは、シートクッションでは上下動可能に該パッドの
前後中央に延在され、シートバックでは前後動可能に該
パッドの下方で水平に延在されていることを特徴とす
る。
【0014】(5)請求項5の車両用シートは、請求項
1、2、3又は4記載の車両用シートにおいて、パッド
にはシートフレーム側にフックをもつ伸縮可能な表皮材
が共縫いされ、該フックがシートフレームに係止されて
いることを特徴とする。 (6)請求項6の車両用シートは、請求項1、2、3又
は4記載の車両用シートにおいて、パッドには伸縮可能
な表皮材が共縫いされ、該表皮材は、縁部に該パッドの
幅を下回る幅で枠型をなす枠ワイヤをもち、該パッドの
表面側を被覆してシートフレーム側に該枠ワイヤを位置
させていることを特徴とする。
【0015】
【作用】
(1)請求項1の車両用シートでは、表皮材の裏面側に
おいて、パッドと一体に表面側シートが設けられてい
る。このため、シートクッションの場合、人間の尻の着
座位置の真下は、表皮材を介して表面側シートで構成さ
れる。この表面側シートは可撓性を有し、実質的に伸縮
による弾性変形不能なものであるため、高い曲げ剛性を
有する。
【0016】このため、人間が着座した場合、荷重はパ
ッド全体に分散される。また、軽量化及び製造コストの
低廉化の観点からパッドを薄肉化していても、側圧は低
くなる。さらに、表面側シート自体の剛性は一定に定め
やすく、最適形状で人間をホールドしやすい。かかる車
両用シートは、例えば表面側シートをインサートしてパ
ッドを弾性発泡体により成形すれば得られるため、工数
のさほどの増加がなく、構造も簡易である。
【0017】(2)請求項2の車両用シートでは、パッ
ドの裏面側において、裏面側シートがシートフレームに
張設されている。このため、シートクッションの場合、
人間の尻の着座位置の真下は、表皮材及びパッドを介し
て裏面側シートで構成される。この裏面側シートも可撓
性を有しているため、パッドの干裂等を防止できる。こ
こで、この裏面側シートを実質的に伸縮弾性変形不能な
もので構成すれば、高い曲げ剛性により請求項1と同様
の作用が得られる。また、この裏面側シートを織物、ゴ
ムシート等の伸縮弾性変形可能なもので構成すれば、ソ
フト感のある車両用シートとなるとともに、減衰特性も
発揮できる。
【0018】かかる車両用シートも裏面側シートがパッ
ドと一体に設けられているため、例えば裏面側シートを
インサートし、パッドを弾性発泡体により成形すれば得
られ、工数のさほどの増加がなく、構造も簡易である。 (3)請求項3の車両用シートでは、裏面側シートが複
数本の第1吊りワイヤを内包している。このため、シー
トクッションの場合、人間の尻の着座位置の真下は、表
皮材、パッド及び裏面側シートを介して複数本の第1吊
りワイヤで構成される。これら第1吊りワイヤには適数
の切り込みを介して弾性フックが係止され、各弾性フッ
クがシートフレームに係止されている。このため、これ
ら第1吊りワイヤは、弾性フックとの協働により、スプ
リング等の代わりに人間の荷重を支持し、底着き感を防
止する。このため、従来のスプリング等を省略できるこ
とから部品点数の削減が可能であり、組付けも容易であ
る。
【0019】かかる車両用シートを製造するためには、
まず裏面側シートに内包すべき各第1吊りワイヤを予め
取りつける。このとき、裏面側シートには適数の切り込
みを形成しておく。そして、この裏面側シートをインサ
ートしてパッドを弾性発泡体により成形する。こうして
この車両用シートは得られるため、工数のさほどの増加
がなく、構造も簡易である。
【0020】また、この際、弾性発泡体の樹脂は、各切
り込みから侵入して第1吊りワイヤと接触するため、各
切り込みにおいて第1吊りワイヤを被覆し、第1吊りワ
イヤと弾性フックとの間の異音を防止する。 (4)請求項4の車両用シートでは、パッドの裏面側に
第2吊りワイヤがシートフレームに張設されている。こ
の第2吊りワイヤは、シートクッションの場合、上下動
可能にパッドの前後中央に延在しており、上下動によっ
て面圧の高い部分の荷重分布を変化させることができ
る。また、この第2吊りワイヤは、シートバックの場
合、前後動可能にパッドの下方で水平に延在しており、
前後動によって面圧の高い部分の荷重分布を変化させる
ことができる。
【0021】(5)請求項5の車両用シートは、予め必
要な大きさに裁断された表皮材にフックが取りつけられ
ており、これを請求項1〜4に係るパッドに共縫いし、
フックをシートフレームに係止すれば、表皮材が伸縮し
て皺を生じることなくパッドを意匠的にカバーし、同時
にこれらをシートフレームに固定できる。このため、立
体裁断、立体縫製及び接着剤が不要であり、組付けも容
易である。
【0022】(6)請求項5の車両用シートは、予め必
要な大きさに裁断された表皮材の縁部に枠ワイヤが取り
つけられており、これを請求項1〜4に係るパッドに共
縫いしている。枠ワイヤはパッドの幅を下回る幅で枠型
をなしており、表皮材でパッドの表面側を被覆し、枠ワ
イヤをシートフレーム側に位置させれば、表皮材が伸縮
して皺を生じることなくパッドを意匠的にカバーし、サ
ブアッシーが得られる。このため、立体裁断、立体縫製
及び接着剤が不要であり、組付けも容易である。
【0023】
【実施例】以下、各請求項の発明を具体化した実施例
1、2を図面を参照しつつ説明する。 (実施例1)この実施例1では、請求項1〜5の発明を
具体化している。
【0024】始めに実施例1の車両用シートの製造方法
について説明する。まず、図1に示す下型1と、上型2
とからなる金型を用意する。下型1には、シートクッシ
ョンパッド11(図2参照)を賦形するキャビティ1a
が形成されており、上型2には第1吊りワイヤ12及び
リング13(図2及び図3参照)を収納可能な縦溝2a
が2本凹設されている。また、上型2の内部には永久磁
石2bが内蔵されている。
【0025】また、ガラス繊維を目付け500g/m2
の布状に織った表面側シート3aと、同じくガラス繊維
を目付け500g/m2 の布状に織った表面側シート3
bと、ポリエステル繊維を織った裏面側シート4とを用
意する。裏面側シート4には、図3にも示すように、筒
状のループ4aが前後に2本縫製されており、このとき
表面側シート3bは共縫いにより固定されている。各ル
ープ4a内には直径2.6mmの鉄製の第1吊りワイヤ
12が収納されている。また、各ループ4aには適数の
切り込み4bが形成されている。
【0026】これらを用い、図1に示すように、下型1
のキャビティ1aの底面に表面側シート3aを載置する
とともに、第1吊りワイヤ12及びリング13が取りつ
けられた裏面側シート4に予め表面側シート3bを仮接
着し、これを上型2の底面に磁着する。そして、下型1
と上型2とを型締めし、図示しない注入口からウレタン
フォーム原液を注入し、インサートRIM成形を行う。
【0027】こうして、シートクッションパッド11を
中央部の厚さが20〜30mm程度のウレタンフォーム
で賦形する。このとき、ウレタンフォーム原液は、各切
り込み4bから侵入して第1吊りワイヤ12と接触する
ため、各切り込み4bにおいて第1吊りワイヤ12及び
リング13を被覆する。また、ウレタンフォーム原液
は、表面側シート3a、3b及び裏面側シート4に含浸
し、ガラス繊維等に対してマトリックスを構成する。こ
うしてウレタンフォーム原液がマトリックスとなれば、
ガラス繊維等の織り組織が固定され、ガラス繊維等の座
屈が制限される。このため、表面側シート3a、3b及
び裏面側シート4は可撓性を有するものの、実質的に伸
縮弾性変形不能になされ、かつ強度が向上する。さら
に、こうしてシートクッションパッド11等を製造すれ
ば、従来に比べて工数のさほどの増加がないとともに、
金型の構造もキャビティ1aがほぼ平面状であるため簡
易であり、かつバリを生じにくい。
【0028】図2に示すように、こうして一体化された
シートクッションパッド11等の表面側に通気性を考慮
して厚さ10mmの不織布5を載置し、この上に表皮材
6を覆い被せる。この表皮材6は、図3にも示すよう
に、予め必要な大きさに裁断された後、適数個のフック
6aが4辺に縫製されている。この表皮材6を図2及び
図3に破線で示す位置でシートクッションパッド11等
に共縫いする。
【0029】そして、アジャスターとしての2本のサイ
ドレール20上を摺動可能なロ字形状に形成されたシー
トクッションフレーム22を用意する。なお、各サイド
レール20の前後にはブラケット21が溶接されてお
り、各ブラケット21は車体に図示しないボルトにより
固定される。かかるシートクッションフレーム22の両
脇にはリング13と同数の係止穴22aが貫設されてい
るとともに、4辺にはフック6aと同数の係止穴22b
が貫設されている。
【0030】このシートクッションフレーム22の係止
穴22bに表皮材6の各フック6aを係止すれば、表皮
材6が伸縮して皺を生じることなくシートクッションパ
ッド11を意匠的にカバーし、同時にこれらをシートク
ッションフレーム20に固定できる。このため、立体裁
断、立体縫製及び接着剤が不要である。各係止穴22a
には、ねじりコイルばねの両端を屈曲させてなり、引っ
張り力を有する弾性フック23の一端が係止されてい
る。裏面側シート4の切り込み4bにおいて第1吊りワ
イヤ12に装備された各リング13は、各弾性フック2
3の他端に係止される。
【0031】また、シートクッションフレーム22の前
端中央には固定穴22cが貫設されており、この固定穴
22cには直径2.6mmの鉄製の第2吊りワイヤ27
の一端が固定される。他方、シートクッションフレーム
22の後端中央では、図4に示すように、ラック24が
上下摺動可能に設けられ、ブラケット26a、26bに
より回転可能に支持されたピニオン25がラック24の
抜け止めを行いつつ噛合されている。ラック24の上方
には固定穴24aが前後に貫設されており、この固定穴
24aはラック24の上端にねじ込まれる固定ねじ24
bのねじ穴と連通されている。第2吊りワイヤ27の他
端は固定穴24aに貫通され、固定ねじ24bによって
固定されている。また、ピニオン25の回転軸にはノブ
25aが固定されている。こうして簡易に組付けられ
る。
【0032】なお、シートバックにおけるシートバック
フレーム、シートバックパッド等も同様の構成であり、
説明は省略する。但し、シートバックの第2吊りワイヤ
は、前後動可能にシートバックパッドの下方で水平に延
在されている。以上のように構成された車両用シートで
は、図2に示すように、表皮材6の裏面側において、シ
ートクッションパッド11と一体に表面側シート3a、
3bが設けられているとともに、図5に示すように、シ
ートクッションパッド11の裏面側において、裏面側シ
ート4が2本の第1吊りワイヤ12を内包し、弾性フッ
ク23を介してシートフレーム22に張設されている。
【0033】このため、人間の尻の着座位置(図5に破
線で示す。)の真下は、表皮材6を介して表面側シート
3a、3b、シートクッションパッド11、裏面側シー
ト4を介して2本の第1吊りワイヤ12で構成される。
ここで、表面側シート3a、3b及び裏面側シート4は
可撓性を有し、実質的に伸縮弾性変形不能なものである
ため、高い曲げ剛性を有する。このため、人間が着座し
た場合、荷重はシートクッションパッド11全体に分散
され、最終安定姿勢での面圧の中央値である0.5〜
0.7kgf/cm2 程度で大きな曲げ変形を生じる。
このとき、裏面側シート4が可撓性を有しているため、
シートクッションパッド11の干裂等を防止している。
また、この車両用シートでは、軽量化及び製造コストの
低廉化の観点からシートクッションパッド11を薄肉化
しているが、これでも側圧は低いものである。さらに、
表面側シート3a、3b及び裏面側シート4はそれぞれ
ガラス繊維又は鉄線からなるため剛性を一定に定めやす
く、最適形状で人間をホールドしやすい。
【0034】また、2本の第1吊りワイヤ12は、弾性
フック23との協働により、スプリング等の代わりに人
間の荷重を支持し、底着き感を防止する。このため、従
来のスプリング等を省略できることから部品点数の削減
が可能であり、組付けも容易である。同時に、第1吊り
ワイヤ12が樹脂により被覆されているため、弾性フッ
ク23との間の異音を防止している。
【0035】さらに、この車両用シートでは、シートク
ッションパッド11の裏面側において、ノブ25aを回
動させれば、図6に示すように、前後中央に張設された
第2吊りワイヤ27の後端を上下動することができるた
め、面圧の高い部分の荷重分布を変化させることができ
る。すなわち、図7(A)に示すように、仮に第2吊り
ワイヤ27が無いとすれば、人間の座骨結節間の裏面側
シート4は直線状になり、座骨結節間に面圧は発生せ
ず、尻側部の面圧は比較的過大となる。これに対し、図
7(B)に示すように、第2吊りワイヤ27を設け、こ
の第2吊りワイヤ27の後端をやや下降させておけば、
裏面側シート4はW形状になり、座骨結節間の面圧が上
昇し、尻側部の面圧が低下する。さらに、図7(C)に
示すように、個人差に応じてノブ25aを回動させて第
2吊りワイヤ27の後端をやや上昇させれば、裏面側シ
ート4はよりW形状になり、座骨結節間の面圧がさらに
上昇し、尻側部の面圧がさらに低下する。こうしてこの
車両用シートは、より側圧が低くなるとともに、ハンモ
ック感を無くすことができるため、疲れにくいものであ
る。
【0036】また、図示しないシートバックでは、第2
吊りワイヤが前後動可能にシートバックパッドの下方で
水平に延在されており、シートクッションと同様の前後
動によって面圧の高い部分の荷重分布を変化させること
ができるため、人体の腰椎部を強弱で調整しつつ支持す
ることができる。したがって、この車両用シートは、一
般的には90mm程度の厚さのシートクッションパッド
を種々のスプリングを介してシートクッションフレーム
に固定していた一般的な車両用シートや、上記種々の改
良技術に係る車両用シートと比較して、20〜30mm
程度の厚さのシートクッションパッド11でも座り心地
及びホールドのさらなる満足が得られるため、軽量化及
び製造コストの低廉化を一層実現することができる。そ
して、薄肉のシートクッションパッド11を採用してい
ることから、低姿勢で着座するタイプの車両でも優れた
座り心地及びホールドの満足が得られる。
【0037】なお、上記実施例1では、表面側シート3
aをガラス繊維製とし、表面側シート3bもガラス繊維
製としたが、他に金属繊維、アラミド繊維等を採用する
こともできる。また、裏面側シート4をポリエステル繊
維製としたが、他に伸縮弾性変形可能な超延伸ポリプロ
ピレン繊維又はシート等を採用することもできる。こう
して裏面側シート4を伸縮弾性変形可能なものとすれ
ば、弾性フックのばね定数との調製により、減衰特性の
チューニングも可能である。また、これら表面側シート
3a等をさらに多数積層することもできる。さらに、表
皮材6とシートクッションパッド11との間に不織布5
を設けたが、従来のようにウレタンフォームのスラブを
設けることもできる。加えて、第1吊りワイヤ12を前
後ではなく、左右に設けることもできる。また、リング
13を省略することもできる。 (実施例2)この実施例2では、請求項1〜4、6の発
明を具体化している。実施例1の車両用シートと同一の
構成については同一符合を付し、詳説は省略する。
【0038】図8に示すように、実施例1と同様にシー
トクッションパッド11等を得る。但し、このシートク
ッションパッド11等では、裏面側シート4の各ループ
4a内に収納された第1吊りワイヤ12に切り込み4b
を介して弾性フック23が係止され、弾性フック23の
他端には他端側が下方に曲がった断面略U字形状のU字
板30が係止されている。
【0039】このシートクッションパッド11等の表面
側に不織布5を介して表皮材6を覆い被せる。この表皮
材6は、予め必要な大きさに裁断された後、全縁部にロ
字形状の枠型をなす枠ワイヤ31が縫製されている。こ
の枠ワイヤ31の幅は、シートクッションパッド11等
の幅を下回っている。そして、表皮材6でシートクッシ
ョンパッド11等の表面側を被覆し、シートクッション
パッド11等を変形させることにより枠ワイヤ31内に
押し込むことにより枠ワイヤ31をシートクッションフ
レーム22側に位置させる。この表皮材6を図8に破線
で示す位置でシートクッションパッド11等に共縫いす
る。これにより、表皮材6が伸縮して皺を生じることな
くシートクッションパッド11等を意匠的にカバーし、
シートクッションサブアッシーが得られる。このため、
立体裁断、立体縫製及び接着剤が不要である。
【0040】また、シートクッションフレーム22に
は、図9に示すように、幅方向外側に向かって延びるフ
ランジ22が突設されており、U字板30を摺動させつ
つフランジ22に係止すれば、シートクッションサブア
ッシーをシートクッションフレーム20に容易に固定で
きる。以上のように構成された車両用シートにおいて
も、実施例1と同様の作用及び効果を奏することができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、各請求項記載の車
両用シートは、各請求項記載の構成を採用しているた
め、座り心地及びホールドのさらなる満足とともに、軽
量化及び製造コストの低廉化を一層実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の車両用シートに係るパッド等を製造
するための金型の断面図である。
【図2】実施例1の車両用シートに係るパッド等を示す
断面図である。
【図3】実施例1の車両用シートの分解斜視図である。
【図4】実施例1の車両用シートの一部拡大側面図であ
る。
【図5】実施例1の車両用シートに係るパッド等の底面
図である。
【図6】実施例1の車両用シートの一部を示す側面図で
ある。
【図7】人間の着座状態を示す説明図である。
【図8】実施例2の車両用シートに係るパッド等を示す
断面図である。
【図9】実施例2の車両用シートの分解斜視図である。
【符号の説明】
22…シートクッションフレーム 11…シートクッ
ションパッド 6…表皮材 3a、3b…表面
側シート 4…裏面側シート 4b…切り込み 12…第1吊りワイヤ 23…弾性フック 27…第2吊りワイヤ 6a…フック 31…枠ワイヤ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体に取りつけられるシートフレームと、
    該シートフレームに固定される弾性発泡体からなるパッ
    ドと、該パッドの表面側に設けられた表皮材とを有する
    車両用シートにおいて、 前記表皮材の裏面側には、可撓性を有し、実質的に伸縮
    弾性変形不能な表面側シートが前記パッドと一体に設け
    られていることを特徴とする車両用シート。
  2. 【請求項2】車体に取りつけられるシートフレームと、
    該シートフレームに固定される弾性発泡体からなるパッ
    ドと、該パッドの表面側に設けられた表皮材とを有する
    車両用シートにおいて、 前記パッドの裏面側には、可撓性を有する裏面側シート
    が該パッドと一体に設けられて前記シートフレームに張
    設されていることを特徴とする車両用シート。
  3. 【請求項3】裏面側シートは適数の切り込みを有して複
    数本の第1吊りワイヤを内包し、該第1吊りワイヤには
    各該切り込みを介して弾性フックが係止され、各該弾性
    フックはシートフレームに係止されていることを特徴と
    する請求項2記載の車両用シート。
  4. 【請求項4】パッドの裏面側には第2吊りワイヤがシー
    トフレームに張設され、該第2吊りワイヤは、シートク
    ッションでは上下動可能に該パッドの前後中央に延在さ
    れ、シートバックでは前後動可能に該パッドの下方で水
    平に延在されていることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の車両用シート。
  5. 【請求項5】パッドにはシートフレーム側にフックをも
    つ伸縮可能な表皮材が共縫いされ、該フックがシートフ
    レームに係止されていることを特徴とする請求項1、
    2、3又は4記載の車両用シート。
  6. 【請求項6】パッドには伸縮可能な表皮材が共縫いさ
    れ、該表皮材は、縁部に該パッドの幅を下回る幅で枠型
    をなす枠ワイヤをもち、該パッドの表面側を被覆してシ
    ートフレーム側に該枠ワイヤを位置させていることを特
    徴とする請求項1、2、3又は4記載の車両用シート。
JP7001230A 1995-01-09 1995-01-09 車両用シート Pending JPH08188075A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001252930A (ja) * 2000-03-10 2001-09-18 Bridgestone Corp 発泡樹脂成形品の製造方法
JP2012136213A (ja) * 2010-12-10 2012-07-19 Tokai Kogyo Co Ltd クッション体及びシート構造

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