JPH08187740A - 芳香族ポリイミド樹脂の成形方法および芳香族ポリイミド樹脂組成物 - Google Patents

芳香族ポリイミド樹脂の成形方法および芳香族ポリイミド樹脂組成物

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JPH08187740A
JPH08187740A JP373695A JP373695A JPH08187740A JP H08187740 A JPH08187740 A JP H08187740A JP 373695 A JP373695 A JP 373695A JP 373695 A JP373695 A JP 373695A JP H08187740 A JPH08187740 A JP H08187740A
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polyimide resin
silicone
compression
molding
aromatic polyimide
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JP373695A
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Masato Hashiba
正登 羽柴
Kazunari Iwamoto
和成 岩本
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性の優れた芳香族ポリイミド樹脂の成形
方法を提供すること。 【構成】 芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを添加し
てなるポリイミド樹脂組成物を圧縮成形することを特徴
とする芳香族ポリイミド樹脂の成形方法。 【効果】 圧縮成形工程での圧縮成形体と金型との離型
不良が改善されて連続成形安定性に優れ、割れ、欠けな
どの発生がなく、また密度差がなく均質で強度の高いポ
リイミド樹脂成形体を容易に製造することができ、得ら
れたポリイミド成形体は、耐熱性、耐摩耗性などに優
れ、衝動部材などの機構部品、自動車部品、事務機器部
品、電気・電子部品などに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性が優れたポリイ
ミド樹脂の成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリイミド樹脂の成形体は、優れ
た耐熱性に加え、耐摩耗性、耐薬品性、耐放射線性など
の優れた諸特性を有しており、摺動部材などの機構部品
として、あるいは、自動車、事務機器、電気・電子機
器、航空・宇宙、原子力、一般産業機械分野などに広く
利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に芳香族ポリイ
ミド樹脂は、通常、特公昭49−5737号公報に開示
されているような圧縮成形工程と焼結工程からなる焼結
成形法で成形される。しかしながら、これらの芳香族ポ
リイミド樹脂は、圧縮成形工程での成形性が悪いという
問題がある。具体的には、圧縮成形工程における圧縮成
形体と金型との離型不良の発生により、連続成形安定性
が悪く、また、圧縮成形体に割れ、欠けなどが発生す
る。また、成形体の形状によっては、成形体に密度差が
生じやすく、均質な成形体が得られ難いという問題があ
る。例えば、図1に示すような形状の成形体の場合、ポ
リイミド樹脂を圧縮する際、圧縮力は成形体の部位によ
って差が生じることで、粉末圧縮成形法で一般的に知ら
れているニュートラルゾーンができるため、通常、Aで
示す部分の密度が大きくなり難いという問題がある。
【0004】そこで本発明は、これら従来の成形法にお
ける問題点を解決し、成形性、および成形体の均質性に
優れた芳香族ポリイミド樹脂の成形方法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
に鑑み鋭意検討の結果、芳香族ポリイミド樹脂に少量の
シリコーンを添加することで、圧縮成形工程における圧
縮成形体と金型との離型不良、及び成形体の密度差を解
消しうることを見出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明に係る芳香族ポリイミド樹脂の成形方法
は、芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを添加すること
を特徴とするものであって、このポリイミド樹脂組成物
を圧縮成形し、更には、この圧縮成形体を焼結するもの
である。前記芳香族ポリイミド樹脂に対するシリコーン
の添加量としては、ポリイミド樹脂100重量部に対し
て0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量
部、更に好ましくは0.5〜5重量部である。また、前
記シリコーンとしては、シリコーンゴム、更にはその粉
末、シリコーン樹脂、更にはその粉末、及びシリコーン
オイルなどを用いることができる。このような本発明に
係る成形方法によれば、シリコーンを添加することで芳
香族ポリイミド樹脂の圧縮成形時の金型との離型性が改
善されて成形性が向上するとともに成形体の割れ、欠け
の発生を防止でき、しかも、シリコーンを添加すること
で、成形体が均質なものとなり、図1のような形状の成
形体の場合でも、通常では密度が高くなり難いAの部分
の密度が高くなることで、その結果、成形体の強度が上
昇する。
【0006】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明で用いられる芳香族ポリイミド樹脂の製造法には特に
制限がなく、例えば特公昭39−30060号や、特開
平4−142332号に記載されている、N,N−ジメ
チルアセトアミド等の有機極性溶媒中で4,4′−ジア
ミノフェニルエーテルとピロメリット酸二無水物から得
られる芳香族ポリイミド酸を加熱し、熱的に脱水閉環し
て芳香族ポリイミド樹脂粉末を得る方法、また、特開昭
57−200452号に記載されている、ビフェニルテ
トラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分との略等モル
を、生成するポリイミドが1重量%以上溶解しないアミ
ド系溶媒に155℃より低い温度で溶解した低い回転粘
度の均一な溶液を、攪拌しながら160℃〜300℃の
温度に短時間で昇温し、前記範囲内の温度に維持して対
数粘度(50℃、0.5g/100ml p−クロルフ
ェノールで測定)が0.2〜1である芳香族ポリイミド
を生成させ微細な粒子として析出させることを特徴とす
る芳香族ポリイミド樹脂の製造法における、芳香族テト
ラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを有機極性溶
媒中で反応させてポリアミド酸溶液を得、次いでこれを
加熱することによりポリイミド樹脂粉末を得る方法、あ
るいは特公昭39−9078号に記載されている、少な
くとも1種のジアミンと、少なくとも1種のテトラカル
ボン酸ジアンヒドリンとを、該ジアミンと該ジアンヒド
リンの少なくとも一つに対して溶媒となる有機溶媒中に
おいて反応させてポリアミド酸を含む重合体組成物の溶
液をつくり、これと液体炭化水素、脂肪族エーテル、脂
肪族環式エーテルおよびベンゾニトリルから成る群から
選ばれた該ポリアミド酸に対する沈澱剤とを混合して微
細分化され個々に分離せるポリアミド酸固体粒子を沈澱
させることを特徴とする少なくとも1種のポリアミド酸
から成る微粒子の製造法や、特開昭61−252228
号に記載されている、含窒素耐熱性重合体溶液と混和性
でありかつ該重合体の非溶媒である沈澱剤を回転数10
00〜50000rpmの高速回転衝撃式粉砕機に連続
的に流延させながら同時に濃度5〜50重量%の含窒素
耐熱性重合体溶液を上記沈澱剤の0.01〜2倍の流量
で供給することを特徴とする含窒素耐熱性重合体粒子の
析出方法における含窒素耐熱性重合体粒子の製造方法に
おける、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジア
ミンを有機極性溶媒中で反応させてポリアミド酸溶液を
得、次いでこの溶液を水、トルエン、ヘキサンのような
ポリアミド酸に対する貧溶媒と接触させポリアミド酸を
粉末として得て、これを加熱することによりポリイミド
樹脂粉末を得る方法、更には、特公昭61−26926
号に記載されている、熱に不融性でかつ有機溶媒に不溶
性のポリイミドを生成しうる少なくとも1種の芳香族テ
トラカルボン酸二無水物とこれと略等量の少なくとも1
種の芳香族ポリイソシアネートとを、アミド系極性溶媒
またはフェノール系極性溶媒の中から選ばれた少なくと
も1種の極性溶媒を主成分とする有機溶媒中100〜2
00℃の温度で加熱重合させて上記ポリイミドの粒子を
スラリー状に沈澱析出させる第1の工程と、この工程で
生成したスラリーから上記ポリイミド粒子をろ別ないし
遠心分離する第2の工程と、さらにこの工程で得られた
ポリイミド粒子を上記同様の極性溶媒を主成分とする有
機溶媒で洗浄する第3の工程とにより、平均粒子径1〜
20μmの球状多孔性のポリイミド粉末を得ることを特
徴とするポリイミド粉末の製造方法などにおける、芳香
族テトラカルボン酸成分と芳香族ジイソシアネートとを
有機極性溶媒中で反応させて直接ポリイミド樹脂粉末を
得る方法などが用いられる。ここで用いる芳香族テトラ
カルボン酸二無水物および芳香族テトラカルボン酸成分
にはとくに制限はない。また、芳香族ジアミンおよび芳
香族ジイソシアネートに関しても、特に制限はない。特
に好適にはピロメリット酸二無水物またはその誘導体と
4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとその誘導体を
主要な原料として得られるポリイミドに代表される芳香
族ポリイミド樹脂が適用される。
【0007】又、本発明で用いられるシリコーンとして
は、シリコーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンオイ
ルなどが挙げられ、シリコーンゴム、シリコーン樹脂と
しては、液体状、粉末状のものが挙げられる。またシリ
コーンの組成としては、一般的に、上市されている、オ
ルガノポリシロキサン、もしくはこれらの変性体などを
主成分とするものが挙げられる。芳香族ポリイミド樹脂
に添加するシリコーンとしては、上記シリコーンゴム、
シリコーン樹脂、シリコーンオイルの単体、もしくはこ
れら2種以上の混合物、また、これらシリコーンと助剤
としてのシリカとの混合物などが挙げられる。これらシ
リコーンのうち、本発明で特に好適なものとしてシリコ
ーンゴム粉末が使用される。
【0008】本発明における芳香族ポリイミド樹脂に対
するシリコーンの添加量は、芳香族ポリイミド樹脂10
0重量部に対して、好ましくは、0.01〜10重量
部、特に好ましくは、0.1〜5重量部、さらに好まし
くは0.5〜5重量部である。芳香族ポリイミド樹脂に
対するシリコーンの添加量が0.01重量部未満では、
成形性の改善効果が不十分となるので好ましくなく、一
方、10重量部を超えると、ポリイミド成形体が本来有
する機械的特性や摺動特性などが変化するので好ましく
ない。
【0009】このシリコーンの芳香族ポリイミド樹脂へ
の添加方法としては、何ら制約を受けるものではなく、
例えば、ホモジナイザー、ヘンシェルミキサーなどによ
り直接混合する方法、あるいはポリイミド樹脂とシリコ
ーンの一方または両方を適当な溶媒に分散させて混合す
る方法などが挙げられるが、ポリイミド樹脂を重合する
際に添加しておいても何等差し支えない。
【0010】また、シリコーンを塗布した金型を用いる
などして、外部添加することもできる。例えば、シリコ
ーンゴム粉末を成形して金型にシリコーンを付着させた
後、ポリイミド樹脂粉末を成形することでも、成形性を
改善することができる。
【0011】更に、上記のような芳香族ポリイミド樹脂
にシリコーンを添加してなる本発明の芳香族ポリイミド
樹脂組成物には、必要に応じて充填剤を配合することで
成形体の諸特性、例えば、機械特性、摺動特性、電気特
性、耐薬品性などを改良することができる。充填剤の具
体的な例としては、黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ
素、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオルガノシロキ
サン、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸
カリウム繊維、アルミニウム、鉛、各種金属酸化物など
が挙げられる。
【0012】本発明に係る芳香族ポリイミド樹脂の成形
は、公知の方法で実施すればよい。圧縮工程において
は、例えば、温室にて、金型内に充填した該樹脂組成物
を1000〜10000kg/cm2 の圧力で圧縮成形
し、次に、350〜500℃の温度にて焼結する。前記
圧縮成形の圧力が1000kg/cm2 未満では圧縮不
十分で、最終的に十分な機械特性の成形体が得られない
ため好ましくない。また、10000kg/cm2 を超
える加圧は実用的ではない。焼結成形の焼結の温度は、
350℃未満では融着が不十分となり、また、500℃
を超えると芳香族ポリイミド樹脂そのものが劣化し、最
終的に十分な機械特性の成形体が得られないため好まし
くない。また焼結雰囲気は、不活性ガス中、真空中、大
気の存在下であってもかまわない。尚、上記の場合にお
いて、例えば400℃〜500℃の高温で圧縮成形する
ことで焼成工程を省略することもできる。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0014】尚、実施例に使用した芳香族ポリイミド樹
脂粉末は、特開平4−142332号に記載された方法
に準じてピロメリット酸二無水物および4,4′−ジア
ミノフェニルエーテルから合成した。
【0015】(実施例1)上記ポリイミド樹脂粉末50
0gと信越化学工業(株)製KMP−594のシリコー
ンゴム粉末2.5gをヘンシェルミキサーを用いて混合
し、ポリイミド樹脂組成物を得た。このポリイミド樹脂
組成物を、室温にて、口径2×2mmの金型に充填し、
加圧力5000kg/cm2 で圧縮成形し、約2×2×
5mmの圧縮成形体を得た。この圧縮成形においては、
金型と成形体との離型は良好で連続成形安定性に優れ、
また、得られた圧縮成形体には、割れ、欠けがなく、ま
た成形体の外観は均質となっていることを確認した。
【0016】(実施例2)シリコーンゴム粉末2.5g
を10gにする以外は実施例1と同様にして圧縮成形体
を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体との離
型は良好で連続成形安定性に優れ、また、得られた圧縮
成形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観は均
質となっていることを確認した。
【0017】(実施例3)シリコーンゴム粉末2.5g
を25gにする以外は実施例1と同様にして圧縮成形体
を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体との離
型は良好で連続成形安定性に優れ、また、得られた圧縮
成形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観は均
質となっていることを確認した。
【0018】(実施例4)信越化学工業(株)製KMP
−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信越
化学工業(株)製X−52−1139Gのシリコーンゴ
ム粉末10gを用いる以外は実施例1と同様にして圧縮
成形体を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体
との離型は良好で連続成形安定性に優れ、又、得られた
圧縮成形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観
は均質となっていることを確認した。
【0019】(実施例5)信越化学工業(株)製KMP
−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信越
化学工業(株)製X−52−874Eのシリコーンゴム
粉末10gを用いる以外は実施例1と同様にして圧縮成
形体を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体と
の離型は良好で連続成形安定性に優れ、また、得られた
圧縮成形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観
は均質となっていることを確認した。
【0020】(実施例6)信越化学工業(株)製KMP
−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに東レ
・ダウコーニングシリコーン(株)製トレフィルE−6
04のシリコーンゴム粉末10gを用いる以外は実施例
1と同様にして圧縮成形体を得た。この圧縮成形におい
ては、金型と成形体との離型は良好で連続成形安定性に
優れ、また、得られた圧縮成形体には、割れ、欠けがな
く、また成形体の外観は均質となっていることを確認し
た。
【0021】(実施例7)信越化学工業(株)製KMP
−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信越
化学工業(株)製KMP−590のシリコーン樹脂粉末
10gを用いる以外は実施例1と同様にして圧縮成形体
を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体との離
型は良好で連続成形安定性に優れ、又、得られた圧縮成
形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観は均質
となっていることを確認した。
【0022】(実施例8)信越化学工業(株)製KMP
−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信越
化学工業(株)KMP−590のシリコーン樹脂粉末2
5gを用いる以外は実施例1と同様にして圧縮成形体を
得た。この圧縮成形においては、金型と成形体との離型
は良好で連続成形安定性に優れ、また、得られた圧縮成
形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観は均質
となっていることを確認した。
【0023】(実施例9)信越化学工業(株)製KMP
−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに東芝
シリコーン(株)製YR3370のシリコーン樹脂粉末
10gを用いる以外は実施例1と同様にして圧縮成形体
を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体との離
型は良好で連続成形安定性に優れ、又、得られた圧縮成
形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外観は均質
となっていることを確認した。
【0024】(実施例10)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに東
芝シリコーン(株)製トスパール120のシリコーン樹
脂粉末10gを用いる以外は実施例1と同様にして圧縮
成形体を得た。この圧縮成形においては、金型と成形体
との離型は良好で連続成形安定性に優れ、また、得られ
た圧縮成形体には、割れ、欠けがなく、また成形体の外
観は均質となっていることを確認した。
【0025】(実施例11)信越化学工業(株)製KF
−96−100CSのシリコーンオイル10gを塩化メ
チレン100gに溶解させたものと上記ポリイミド樹脂
粉末500gをホモジナイザーを用いて混合した後、混
合物を減圧オーブン中で乾燥させてポリイミド樹脂組成
物を得た。このポリイミド樹脂組成物を実施例1と同様
に圧縮して成形体を得た。この圧縮成形においては、金
型と成形体との離型は良好で連続成形安定性に優れ、ま
た、得られた圧縮成形体には、割れ、欠けがなく、また
成形体の外観は均質となっていることを確認した。
【0026】(実施例12)ポリイミド樹脂組成物とし
て、ポリイミド樹脂粉末500g、信越化学工業(株)
製KMP−594のシリコーンゴム粉末2.5gに加え
て、充填剤として黒鉛粉末50gを添加した以外は実施
例1と同様にして圧縮成形体を得た。この圧縮成形にお
いては、金型と成形体との離型は良好で連続成形安定性
に優れ、また、得られた圧縮成形体には、割れ、欠けが
なく、また成形体の外観は均質となっていることを確認
した。
【0027】(比較例1)上記ポリイミド樹脂組成物粉
末を他に何ら添加することなくそのままで、室温にて、
口径2×2mm金型に充填し、加圧力5000kg/c
2 で圧縮成形し、約2×2×5mmの圧縮成形体を得
た。この場合、金型と成形体との離型不良により、連続
的にかつ安定的に成形できず、また、得られた圧縮成形
体には、割れ、欠けが成形体100個中85個観察され
た。また、成形体の外観は均質となっておらず、密度差
が生じていることが観察された。
【0028】(比較例2)芳香族ポリイミド樹脂組成物
として、上記ポリイミド樹脂粉末500gに充填剤とし
て黒鉛50gを添加する以外は他にシリコーン等を何ら
添加しないものを用いた以外は実施例1と同様に圧縮成
形した。この場合、金型との離型不良により連続的にか
つ安定的に成形できず、また、得られた圧縮成形体には
割れ、欠けが100個中81個数観察された。また、成
形体の外観は均質となっておらず、密度差が生じている
ことが観察された。
【0029】上記の実施例1〜実施例12、および比較
例1〜比較例2の結果を下記表1にまとめて示した。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、本発明の
ように芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを添加した芳
香族ポリイミド樹脂組成物を圧縮成形した場合には、シ
リコーンを添加しない芳香族ポリイミド樹脂組成物を圧
縮成形した場合のような金型と成形体との離型不良は全
く発生せず、本発明方法が連続成形安定性に優れたもの
であることが明らかとなった。しかも、本発明方法で得
られる成形体は、シリコーンを添加しないで成形した比
較例の場合のような割れ、欠け等の不良は全く発生せ
ず、外観上も均質なものであった。
【0032】(実施例13)上記ポリイミド樹脂粉末5
00gと信越化学工業(株)製KMP−594のシリコ
ーンゴム粉末2.5gをヘンシェルミキサーを用いて混
合しポリイミド樹脂組成物を得た。このポリイミド樹脂
組成物を、図1のような成形体を成形するための口径φ
5mm−□2×2mmの段付き金型に充填し、室温にて
加圧力5000kg/cm2 で圧縮成形し、図2に示す
ような圧縮成形体を得た。この成形体の強度を図3のよ
うに、成形体を斜めにして平板ではさみ、上部より圧縮
荷重Fを加え、荷重を徐々に大きくして測定した結果、
30.3kgで成形体が破壊した。
【0033】(実施例14)シリコーンゴム粉末2.5
gを10gにする以外は実施例13と同様にして圧縮成
形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13と同
様に測定した結果、31.1kgで成形体が破壊した。
【0034】(実施例15)シリコーンゴム粉末2.5
gを25gにする以外は実施例13と同様にして圧縮成
形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13と同
様に測定した結果、29.3kgで成形体が破壊した。
【0035】(実施例16)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信
越化学工業(株)製X−52−1139Gのシリコーン
ゴム粉末10gを用いる以外は実施例13と同様にして
圧縮成形体を得た。また、この成形体の強度を実施例1
3と同様に測定した結果、27.0kgで成形体が破壊
した。
【0036】(実施例17)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信
越化学工業(株)製X−52−874Eのシリコーンゴ
ム粉末10gを用いる以外は実施例13と同様にして圧
縮成形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13
と同様に測定した結果、27.5kgで成形体が破壊し
た。
【0037】(実施例18)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに東
レ・ダウコーニングシリコーン(株)製トレフィルE−
604のシリコーンゴム粉末10gを用いる以外は実施
例13と同様にして圧縮成形体を得た。また、この成形
体の強度を実施例13と同様に測定した結果、27.1
kgで成形体が破壊した。
【0038】(実施例19)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信
越化学工業(株)製KMP−590のシリコーン樹脂粉
末10gを用いる以外は実施例13と同様にして圧縮成
形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13と同
様に測定した結果、26.7kgで成形体が破壊した。
【0039】(実施例20)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに信
越化学工業(株)製KMP−590のシリコーン樹脂粉
末25gを用いる以外は実施例13と同様にして圧縮成
形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13と同
様に測定した結果、26.5kgで成形体が破壊した。
【0040】(実施例21)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに東
芝シリコーン(株)製YR3370のシリコーン樹脂粉
末10gを用いる以外は実施例13と同様にして圧縮成
形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13と同
様に測定した結果、26.9kgで成形体が破壊した。
【0041】(実施例22)信越化学工業(株)製KM
P−594のシリコーンゴム粉末2.5gの代わりに東
芝シリコーン(株)製トスパール120のシリコーン樹
脂粉末10gを用いる以外は実施例13と同様にして圧
縮成形体を得た。また、この成形体の強度を実施例13
と同様に測定した結果、26.5kgで成形体が破壊し
た。
【0042】(実施例23)信越化学工業(株)製KF
−96−100CSのシリコーンオイル10gを塩化メ
チレン100gに溶解させたものと上記ポリイミド樹脂
粉末500gをホモジナイザーを用いて混合した後、混
合物を減圧オーブン中で乾燥させてポリイミド樹脂組成
物を得た。このポリイミド樹脂組成物を実施例13と同
様に圧縮成形して圧縮成形体を得た。また、この成形体
の強度を実施例13と同様に測定した結果、26.1k
gで成形体が破壊した。
【0043】(比較例3)上記ポリイミド樹脂粉末を他
に何ら添加することなく、室温にて、図1のような成形
体を成形するための口径φ5mm−□2×2mmの段付
き金型に充填し、加圧力5000kg/cm2 で圧縮成
形し、図2に示すような圧縮成形体を得た。この成形体
の強度を実施例13と同様に測定した結果、22.0k
gで成形体が破壊した。
【0044】上記の実施例13〜実施例23、および比
較例3の結果を下記表2にまとめて示した。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から明らかなように、本発明の
ように芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを添加した芳
香族ポリイミド樹脂組成物を圧縮成形した場合には、シ
リコーンを添加しない芳香族ポリイミド樹脂組成物を圧
縮成形した場合に比べて成形体の強度が上昇している。
【0047】
【発明の効果】上記のように本発明に係る芳香族ポリイ
ミド樹脂の成形方法によれば、芳香族ポリイミド樹脂の
圧縮成形工程での圧縮成形体と金型との離型不良が改善
されて連続成形安定性に優れ、割れ、欠けなどの発生が
なく、しかも、密度差がなく均質な強度の高いポリイミ
ド樹脂成形体を容易に製造することができる。こうして
得られたポリイミド成形体は、耐熱性、耐摩耗性などに
優れ、摺動部材などの機構部品、自動車部品、事務機器
部品、電気・電子部品などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ポリイミド樹脂成形体における密度差を示す
成形体の正面図。
【図2】 ポリイミド樹脂成形体の1例を示す正面図。
【図3】 成形体の強度試験の説明図。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを添
    加してなるポリイミド樹脂組成物を圧縮成形することを
    特徴とする芳香族ポリイミド樹脂の成形方法。
  2. 【請求項2】 加熱状態で圧縮成形してなることを特徴
    とする請求項1記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを添
    加してなるポリイミド樹脂組成物を圧縮成形し、次いで
    焼結することを特徴とする芳香族ポリイミド樹脂の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 芳香族ポリイミド樹脂に対してシリコー
    ンを0.01〜10重量部添加してなる請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 シリコーンがシリコーンゴムであること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の成
    形方法。
  6. 【請求項6】 シリコーンがシリコーン樹脂であること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の成
    形方法。
  7. 【請求項7】 シリコーンがシリコーンオイルであるこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の
    成形方法。
  8. 【請求項8】 シリコーンがシリコーンゴム粉末である
    ことを特徴とする請求項5記載の成形方法。
  9. 【請求項9】 シリコーン樹脂がシリコーン樹脂粉末で
    あることを特徴とする請求項6記載の成形方法。
  10. 【請求項10】 芳香族ポリイミド樹脂が縮合型ポリイ
    ミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の成形方法。
  11. 【請求項11】 芳香族ポリイミド樹脂にシリコーンを
    添加してなる圧縮成形用ポリイミド樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 芳香族ポリイミド樹脂に対してシリコ
    ーンを0.01〜13重量部添加してなることを特徴と
    する請求項11記載のポリイミド樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 シリコーンがシリコーンゴムであるこ
    とを特徴とする請求項11または請求項12記載のポリ
    イミド樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 シリコーンがシリコーン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項11または請求項12記載のポリ
    イミド樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 シリコーンがシリコーンオイルである
    ことを特徴とする請求項11または請求項12記載のポ
    リイミド樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 シリコーンがシリコーンゴム粉末であ
    ることを特徴とする請求項13記載のポリイミド樹脂組
    成物。
  17. 【請求項17】 シリコーン樹脂がシリコーン樹脂粉末
    であることを特徴とする請求項14記載のポリイミド樹
    脂組成物。
  18. 【請求項18】 芳香族ポリイミド樹脂が縮合型ポリイ
    ミド樹脂であることを特徴とする請求項11または請求
    項12記載のポリイミド樹脂組成物。
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