JPH08185730A - 電線端末保持具 - Google Patents

電線端末保持具

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JPH08185730A
JPH08185730A JP6328546A JP32854694A JPH08185730A JP H08185730 A JPH08185730 A JP H08185730A JP 6328546 A JP6328546 A JP 6328546A JP 32854694 A JP32854694 A JP 32854694A JP H08185730 A JPH08185730 A JP H08185730A
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JP
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electric wire
electric
wire
electric wires
casing
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JP6328546A
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Kotaro Suzuki
高太郎 鈴木
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Publication date
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  • Supply And Installment Of Electrical Components (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】この保持具Aは、電線保持部(U) によって、分
岐電線と、これと接続する電線との端末を揃えた状態で
保持する。これら電線が1本づつ挿入する所定深さのキ
ャビティ(42)を設けた。このキャビティ(42)に進入し、
キャビティ(42)に挿入した電線に当接する当接部材を設
けた。この当接部材により、電線の抜けを防止した。当
接部材は、所要時に電線から離反するようにした。 【効果】布線作業と同時に、分岐電線と、これと接続す
る電線との端末を揃えた状態で保持できる。電線束を形
成した後、これら端末を揃えた状態で電線を取り外せ
る。揃えた端末を一括して簡単容易に処理できる。保持
すべき電線の員数管理ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、布線板上においてワ
イヤーハーネスを組み立てる際に、所定の電線の端末を
揃えた状態で保持する電線端末保持具に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ワイヤーハーネスは、一般に多種類の長
尺加工電線を布線板上で布線することにより構成され
る。従来の長尺加工電線には、図9に示すような分岐線
を有するスプライス電線が含まれていることが多い。こ
のスプライス電線は、ワイヤーハーネスの分岐回路を構
成するためのものである。
【0003】ところで、このようなスプライス電線は、
次のようにして形成される。図9を参照して、幹線とな
る電線1の所定部1aの被覆を剥ぎ取ると共に、分岐線
となる電線2の端部2aの被覆を剥ぎ取る。そして、こ
れら被覆が剥がされた部分1a,2aを互いに接触させ
て、接続用端子3によって圧着する。このスプライス電
線は、布線作業とは別に、その前に作成しておかなけれ
ばならず、その作成作業が面倒であった。しかも、スプ
ライス電線は、布線する際に絡まったりして布線作業が
しずらい。このため、ワイヤーハーネスの構成要素とな
る長尺加工電線の中からスプライス電線を無くしたいと
いう要請があった。
【0004】この要請を実現するものとして、特開昭5
8−192209号公報に開示されたワイヤーハーネス
の製造方法がある。このワイヤーハーネスの製造方法で
は、ワイヤーハーネスを、分岐線部分と、この分岐線部
分が接続されるストレート部分とに分け、各部分に含ま
れる電線の端部に端子金具を設ける。そして、これら分
岐線部分とストレート部分とを布線板上で布線し、接続
コネクタを用いて分岐線部分とストレート部分とを接続
する。これにより、仕様に適合した分岐線を有するワイ
ヤーハーネスを製造するようになっている。ところが、
この製造方法では、分岐線部分ごとに接続コネクタが必
要となり、ワイヤーハーネスの製造コストが上昇してい
た。加えて、完成したワイヤーハーネスの接続コネクタ
部分には、大きな塊部分が形成され、ドアの内部等のと
かく狭い場所に配線しなければならない自動車用ワイヤ
ーハーネスとしては、配線作業がしずらい等の問題があ
った。
【0005】そこで、このような問題を解決するため、
特開昭61−104505号公報に開示されたワイヤー
ハーネスの製造方法がある。このワイヤーハーネスの製
造方法では、ワイヤーハーネスの幹電線束を形成する部
分から、分岐線と、この分岐線が接続される電線とを引
き出し、これらの接続部分同士を予め集中させる。そし
て、この集中させた接続部分を一括して溶接により接続
するようになっている。このように、接続部分を一括処
理することにより、すべての分岐線を簡単に形成するこ
とができる。しかも、接続コネクタが不要になると共
に、接続部分をコンパクトに形成することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このワ
イヤーハーネスの製造方法では、すべての電線を布線し
た後に形成された電線束の中から、分岐線と、これが接
続される電線とを引き出す旨が示唆されている(同公報
第2ページ右上第12行〜第15行参照)。従って、こ
の製造方法では、上記接続部分を集中させるための電線
引出作業を布線作業と別に行わなければならない。しか
も、この電線引出作業は、布線作業に比べて一般に容易
ではなく、電線の引出しに時間がかかってしまう。
【0007】このため、この製造方法によって組立ライ
ン上でワイヤーハーネスを組み立てた場合、上記電線引
出作業に必要な、いわゆるタクトを、他の作業に比べて
長くせざるを得ない。その結果、生産効率が悪くなり、
ライン生産には不向きであるという新たな問題に遭遇す
る。また、引き出す電線の数を確認することが困難であ
るため、電線の引出し忘れによる不良品の発生のおそれ
もあった。
【0008】そこで、後に引き出していた電線を、予め
布線作業時に区別して布線すれば、このような問題を回
避することができると思われる。しかし、この区別した
電線を布線作業時に保持しておくためのものが必要にな
る。このような観点から、この発明の目的は、組立ライ
ン上での布線作業において、分岐線の端末と、これが接
続される電線の端末とを揃えて保持し、且つ端末を揃え
た状態で電線をまとめて取り外すことができ、しかも、
分岐線およびこれが接続される電線の数を確認すること
ができる電線端末保持具を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】 本発明の目的を達成するため、請求項1に係る電線
端末保持具は、電線を布線するための布線板上に取り付
けられるベースと、ベースに連結され、布線された電線
の端部を保持する保持手段とを備えた電線端末保持具に
おいて、上記保持手段は、布線された電線を所定の開口
から長手方向に沿って挿入することにより電線の端部を
収容する複数のキャビティと、キャビティに収容された
電線の端部の所定位置に当接する第1の姿勢と、この電
線から離反する第2の姿勢とに変位可能であって、第1
の姿勢に変位することにより上記電線の反挿入方向への
移動を規制し、第2の姿勢に変位することにより上記規
制を解除する当接部材と、各キャビティに収容された各
電線の端末を揃えて位置決めするための、当該電線端末
が当接する当接面とを有していることを特徴とするもの
である。
【0010】この構成によれば、電線端末保持具は、ベ
ースを介して電線の布線作業をするための布線板上に取
り付けることができる。布線作業中において、これら布
線される電線のうち、組立完成後のワイヤーハーネスの
分岐線を構成する電線およびこれが接続されるべき電線
のそれぞれの端部を長手方向に沿ってキャビティに挿入
する。このとき、一のキャビティには1本の電線のみを
挿入する。そして、当接部材が第1の姿勢に変位してキ
ャビティに収容された電線に当接し、電線の反挿入方向
への移動を規制する。これにより、電線の抜けを防止し
て端部を保持することができる。しかも、各キャビティ
に収容された電線の端末は、当接面に当接する。これに
より、各電線は、端末を揃えた状態で保持される。一
方、当接部材が第2の姿勢に変位することにより、電線
をキャビティから引き抜くことができる。従って、保持
した電線を、その端末を揃えた状態で取り出すことがで
きる。
【0011】 本発明の目的を達成するため、請求項
2に係る電線端末保持具は、請求項1記載の電線端末保
持具において、上記保持手段は、ベースに対して着脱可
能となっていることを特徴とするものである。この構成
によれば、請求項1に係る発明と同様の作用を奏する。
加えて、保持手段をベースから取り外せるから、端末を
揃えた状態に保持したまま、これら電線を移動させるこ
とができる。
【0012】 本発明の目的を達成するため、請求項
3に係る電線端末保持具は、請求項1または2記載の電
線端末保持具において、上記保持手段は、ベースに取り
付けられる、開口部を有するケーシングと、一端面がケ
ーシングの開口部によって露出状態となるようにケーシ
ングに挿脱可能に収容される電線収容ブロックとを備
え、上記キャビティは、上記電線収容ブロックに形成さ
れ、当該電線収容ブロックの一端面に開口を有する所定
深さの孔を含んでおり、上記当接部材は、上記電線収容
ブロックに取り付けられており、電線収容ブロックをケ
ーシングに挿入した状態で上記孔に進入する方向に弾性
的に変位し、且つ電線収容ブロックをケーシングから抜
脱した状態で上記孔から退避する方向に弾性的に変位す
る弾性爪を有していることを特徴とするものである。
【0013】この構成によれば、請求項1または2に係
る発明と同様の作用を奏する。特に、本請求項に係る発
明では、電線収容ブロックをケーシングに収容すること
により、弾性爪が弾性的に変形してキャビティを構成す
る孔に進入する。この状態で、ケーシングの開口部を通
して電線収容ブロックの開口から孔に電線を挿入する
と、この電線によって弾性爪が押し退けられるように弾
性変形する。これにより、電線は、孔の内壁と弾性爪と
の間に挟み込まれた状態となり、反挿入方向への移動が
規制される。また、各孔は、所定深さを有しているか
ら、挿入された各電線の端末は、孔の底面に突き当た
る。従って、収容された電線の端末を揃えることができ
る。また、電線収容ブロックをケーシングから抜脱する
ことにより、弾性爪が孔から退避する方向に弾性的に変
位する。これにより、弾性爪が孔に収容された電線から
退避し、その結果、電線をまとめて取り出すことができ
る。
【0014】 本発明の目的を達成するため、請求項
4に係る電線端末保持具は、請求項3記載の電線端末保
持具において、上記弾性爪は、キャビティに進入した状
態に変位したときに、その先端部分が、キャビティに挿
入される電線の挿入方向に対して鋭角的な角度を有する
ように配置されていることを特徴とするものである。こ
の構成によれば、請求項3に係る発明と同様の作用を奏
する。加えて、弾性爪の先端部分は、電線の挿入方向に
対して鋭角的な角度を有しているから、電線をキャビテ
ィに挿入しただけで、当該電線を反挿入方向に引っ張っ
ても、弾性爪の先端部が電線に食い込む状態となり、こ
れにより、キャビティに挿入された電線は、反挿入方向
側へ移動することができない。
【0015】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1は、この発明の一実施例に係る電線端末
保持具(以下、「保持具」という。)Aが装備された組
立図板Bを用いてワイヤーハーネスWHを製造している
状態を示した斜視図である。
【0016】図1を参照して、この組立図板Bは、ワイ
ヤーハーネスの組立ライン上を所定の移動装置(図示せ
ず)によって移動されるようになっている。そして、こ
の組立ライン上において、複数の電線を布線する布線工
程,分岐線を構成する電線W1およびこれが接続される
電線W2のそれぞれの端部を保持する端末保持工程,布
線された電線を束ねる結束工程および結束された電線束
を組立図板から取り出す取外作業工程が行われる。次い
で、上記電線W1,W2の端部の一括処理をする端末処
理工程を行うことにより、ワイヤーハーネスWHの組み
立てが完了するようになっている。なお、参照符号C
は、電線端に取付けられるコネクタを示している。ま
た、参照符号Tは、電線を布線する際および結束工程に
おいて、適宜巻き付けられる電線結束用テープを示して
いる。
【0017】組立図板Bは、布線板10と、複数の組立
用支持具20と、保持具Aとを有している。布線板10
は、たとえばベニヤ板により構成することができる。こ
の布線板10は、ワイヤーハーネスの構成要素となる複
数の電線を布線するための基板である。この布線板10
の上面には、予め設計されたワイヤーハーネスの形態図
面を描いておくことができる。
【0018】組立用支持具20は、布線板10上に立設
されている。この組立用支持具20は、布線板10に固
定される支柱部21と、この支柱部21の上端に設けら
れた電線受け部22とを有している。この電線受け部2
2は、略U字状に形成されている。そして、各電線は、
この電線受け部22によって受け止められ、予め設計さ
れた形態に沿って配線されるようになっている。
【0019】保持具Aは、複数の電線のうち、分岐線を
構成する電線W1およびこれが接続される電線W2の端
部をまとめて保持しておくためのものである。そして、
本実施例における特徴とするところは、この組立ライン
上で、保持具Aによって、電線W1,W2をその端末を
揃えた状態でまとめて保持すると共に、このように保持
した電線W1,W2をまとめて取り外すことによって、
これら電線W1,W2の端末を一括して簡単に処理する
ことができる点にある。
【0020】図2は、この保持具Aを正面から見た斜視
図であり、図3は、背面から見た分解斜視図である。こ
れらの図を参照して、保持具Aについて詳しく説明す
る。この保持具Aは、ベース30と、このベース30の
上部に設けられた電線保持部Uとを備えている。ベース
30は、支柱31と、電線保持部Uを載せた状態で係止
する係止部32とを有している。
【0021】支柱31は、棒状をしており、布線板10
上に固定されるようになっている。具体的には、この支
柱31の下部には、固定用フランジ31aが形成されて
おり、このフランジ31aより下方に、雄ねじ31bが
形成されている。この支柱31の下部は、布線板10に
設けられた取付穴に挿通され、布線板10の下面側から
ナットN1をかける。これにより、支柱31は、布線板
10に固定されるようになっている。
【0022】係止部32は、上面部32aおよび後面部
32bが開放された箱状に形成されており、底面部32
cと側壁部32dとにより、電線保持部Uを載置するた
めの載置空間Fを形成している。この係止部32は、底
面部32cが支柱31の上端に連結されている。この係
止部32は、支柱31と別体に構成して両者を固着する
ようにしても良いし、両者を一体に形成することもでき
る。また、底面部32cの所定位置には、載置空間F側
に露出するように、マグネットMが配設されている。
【0023】電線保持部Uは、電線W1,W2を収容し
て保持する電線収容ブロック40と、この電線収容ブロ
ック40を挿脱自在に収容するケーシング50と、電線
収容ブロック40に収容した電線W1,W2に当接し
て、電線W1,W2の抜けを防止する当接部材60を有
している。この当接部材60は、電線収容ブロック40
に取り付けられている。
【0024】図4は、電線収容ブロック40と当接部材
60との取付関係を示す分解斜視図である。図2および
図4を参照して、電線収容ブロック40には、一端面4
1に開口41aを有したキャビティ42が複数形成され
ている。本実施例では、2連に形成されたキャビティ4
2が3段に設けられており、都合6つのキャビティ42
が備えられている。各キャビティ42は、断面円形の孔
により構成されており、この孔は、所定の深さを有して
いる(図5参照)。
【0025】電線収容ブロック40の両側面43には、
各キャビティ42と連通する連通孔43aが3つづつ設
けられている。また、両側面43には、当接部材60を
取り付けるための取付穴43bが適宜形成されている。
さらに、両側面43の所定位置には、電線収容ブロック
40をケーシング50に収容した際に、ケーシング50
に対して位置決めを行う当たり片44が突設されてい
る。また、側面43には、後述するプランジャPが係合
する係合孔45が形成されている。
【0026】当接部材60は、金属性の薄板により構成
されており、基板61と、この基板61に延設された弾
性爪62とを有している。この弾性爪62は、3つ形成
されている。基板61には、取付用の穴61aが適宜設
けられている。そして、この穴61aにねじJ1を挿通
して電線収容ブロック40の取付穴43bにねじ込むこ
とにより、当接部材60は、電線収容ブロック40の側
面43に締結されるようになっている。
【0027】各弾性爪62は、略山形に折り曲げられて
いる。これにより、当接部材60を電線収容ブロック4
0に取り付けた状態では、弾性爪62の山の頂部62a
が、電線収容ブロック40の側面43から外方に突出
し、且つ弾性爪62の先端部62bが、連通孔43aに
若干進入してキャビティ42を臨む状態となる(図5参
照)。また、この弾性爪62は、弾性変形することがで
きる。すなわち、弾性爪62は、上記キャビティ42を
臨む第2の姿勢と、キャビティ42内に進入する第1の
姿勢(図6参照)とに変位することができるようになっ
ている。また、弾性爪62が第1の姿勢に変位したとき
に、弾性爪62の先端部分(山の頂部62aと先端部6
2bとの間の部分)は、電線W1(W2)の挿入方向に
対して鋭角的な角度を有するようになっている。
【0028】図2および図3を参照して、ケーシング5
0は、前面51および後面52にそれぞれ開口部51
a,52aが形成された箱状をしている。また、このケ
ーシング50の側面部53には、後面52の開口部52
aの開口周縁から前面側へ切り込まれた切欠溝54が形
成されている。電線収容ブロック40をケーシング50
に収容する際には、電線収容ブロック40の当たり片4
4を切欠溝54に嵌め込み、この切欠溝54に案内させ
る状態で収容する。そして、この当たり片44が、切欠
溝54の終縁部54aに当接することにより、電線収容
ブロック40がケーシング50に対して位置決めされる
ようになっている。
【0029】このとき、電線収容ブロック40の一端面
41は、ケーシング50の開口部51aによって露出状
態となる。また、ケーシング50の側面部53の所定位
置には、ねじ孔が形成されており、このねじ孔にプラン
ジャPがねじ込まれている。このプランジャPは、電線
収容ブロック40が収容されたときに、電線収容ブロッ
ク40に形成された係合孔45に係合するようになって
いる。これにより、ケーシング50からの電線収容ブロ
ック40の抜けを抑制している。
【0030】また、ケーシング50は、全体を金属で構
成することができる。これにより、ケーシング50をベ
ース30の載置空間Fに収容した場合には、当該ケーシ
ング50は、マグネットMの磁力による引力で係止部3
2に引きつけられ、係止部32からの脱落が抑制される
ようになっている。なお、このケーシング50を樹脂等
で構成することもできる。このような場合には、ケーシ
ング50に、上記マグネットMに引きつけられる金属板
を取り付ければ良い。電線収容ブロック40をケーシン
グ50から抜脱する際には、電線収容ブロック40の当
たり片44部分を手で把持して反挿入方向に引く。これ
により、プランジャPと係合孔45との係合が外れ、電
線収容ブロック40を取り出すことができる。
【0031】次に、この組立図板Bを用いたワイヤーハ
ーネスの製造手順と、図5ないし図8を適宜参照して、
この保持具Aを用いた電線W1,W2の保持作業につい
て説明する。図5および図6は、電線収容ブロック40
とケーシング50との位置関係を示す電線保持部Uの横
断面図であり、図7および図8、電線収容ブロック40
に電線W1,W2を収容した状態での電線保持部Uの横
断面図である。
【0032】先ず、前工程として、所定の装置により、
ワイヤーハーネスの構成要素となる電線を採寸し、必要
な電線の端末に端子を設ける。また、図5および図6に
示すように、電線収容ブロック40をケーシング50に
セットする。具体的には、電線収容ブロック40の一端
面41側をケーシング50の後面52側から挿入する
(図5参照)。そして、このまま電線収容ブロック40
を押し込むことにより、弾性爪62がケーシング50の
側面部53に当接して押さえ付けられる。これにより、
弾性爪62は、弾性変形して第1の姿勢に変位する。す
なわち、弾性爪62は、電線収容ブロック40の連通孔
43aからキャビティ42に進入する(図6参照)。続
いて以下の工程により、ワイヤーハーネスを製造する。
【0033】 図1を参照して、布線工程により、複
数の電線を布線板10上で予め設計された形態となるよ
うに布線していく。この作業は、布線板10に立設され
た組立用支持具20に従って配線することにより行う。 次に、端末保持工程により、布線される電線のう
ち、ワイヤーハーネスの分岐線を構成する電線W1およ
びこれが接続されるべき電線W2の端部を、保持具Aに
よって保持する。この工程は、布線工程中において行わ
れる。なお、この保持具Aは、電線W1,W2の引出し
長さに合わせて配設されている。
【0034】詳しく説明すると、布線作業中において、
これら布線される電線のうち、上記電線W1(W2)の
それぞれの端部を、図7に示すように、電線収容ブロッ
ク40の開口41aから長手方向に沿って1本づつキャ
ビティ42に挿入する。このとき、電線W1,W2の端
末Eがキャビティ42の底面部42aに当接するまで挿
入する。一方、キャビティ42に進入している弾性爪6
2は、挿入された電線W1(W2)によって押し退けら
れるようにして弾性的に湾曲変形する。これにより、電
線W1(W2)は、キャビティ42の内壁と弾性爪62
との間で挟み込まれる。従って、電線W1(W2)は、
反挿入方向への移動が規制され、その結果、電線W1
(W2)の端部が、電線保持部Uによって保持されるこ
とになる。しかも、キャビティ42を構成している孔
は、すべて所定の深さを有しているので、電線W1(W
2)の端末Eを揃えた状態で保持することができる。
【0035】特に、本実施例では、折り曲げ形成された
弾性爪62は、その先端部62bと頂部62aとの間の
部分が、電線W1(W2)の挿入方向に対して鋭角的な
角度を有するように配置されている。従って、電線W1
(W2)がキャビティ42から抜ける方向へ移動しよう
とすると、弾性爪62の先端部62bが電線W1(W
2)に食い込む状態となり、電線W1(W2)のキャビ
ティ42からの抜けを確実に防止することができる。こ
れにより、電線W1(W2)をキャビティ42の奥まで
挿入するという作業を行うだけで、ワンタッチで端末E
を揃えて電線W1(W2)を保持することができるとい
う利点がある。
【0036】 布線作業が終了した後、結束工程によ
り、形成された電線束の所要部分にテープTによるテー
ピング等を施す。なお、このテーピングは、布線作業の
途中においても適宜行うことができる。 次に、取外作業工程によって、保持具Aにより保持
された電線W1,W2を、当該保持具Aから取り外すと
共に、結束された電線束を布線板10から取り外す。こ
の状態で、電線W1,W2の端末Eは、揃ったままであ
る。
【0037】詳しく説明すると、電線収容ブロック40
がケーシング50に挿入されたままでは、弾性爪62が
電線W1,W2の抜けを防いでいるため、電線W1,W
2は抜けない。従って、保持された電線W1,W2を、
保持具Aから取り外すには、電線収容ブロック40を手
で把持して反挿入方向に引っ張り、ケーシング50から
抜脱する。
【0038】図8を参照して、電線収容ブロック40を
ケーシング50から引き抜くと、弾性爪62の頂部62
aが移動してケーシング50の切欠溝54に達する。こ
れにより、ケーシング50の側面部53によって押さえ
付けられていた弾性爪62が弾性変形し、第2の姿勢に
変位する。従って、弾性爪62は、電線W1(W2)か
ら離反する。これにより、弾性爪62が当接することに
よって達成されていた、電線W1,W2の反挿入方向側
への移動規制が解除され、電線W1,W2は、キャビテ
ィ42から抜脱可能な状態となる。この状態から、保持
した電線W1,W2をまとめて抜き取ることにより、こ
れら電線W1,W2の端末Eを揃えた状態で取り外すこ
とができる。なお、電線W1,W2を取り外す際に、先
に電線W1,W2の端部をテープ等で結束しておけば、
取り外したときに端末Eがずれてしまうのを確実に防止
することができ、好ましい。
【0039】 そして、端末処理工程により、これら
電線W1,W2の端末Eの処理を一括して行う。すなわ
ち、電線W1,W2の端末部分に、一括して抵抗溶接,
超音波溶接,ハンダ付け,端子圧着等の処理を施すこと
ができる。このように、本実施例によれば、組立ライン
上で電線の布線作業を行いながら、所定の電線W1,W
2の端末Eを揃えて保持することができる。また、保持
した電線W1,W2の端末Eを揃えた状態で保持具Aか
らまとめて取り外すことができる。これにより、布線作
業後において、電線W1,W2の端末部分の処理を一括
して簡単に行うことができ、ワイヤーハーネスを効率良
く製造することができる。しかも、本実施例では、分岐
線が多数含まれるワイヤーハーネスを製造する場合であ
っても、ワイヤーハーネスの構成としてのスプライス電
線を使用する必要がなく、作業に支障をきたすことなく
布線作業を行うことができる。
【0040】特に、本実施例では、以下のような作用効
果を奏する。先ず、各キャビティ42は、単一の電線W
1(W2)を収容するようになっているから、保持すべ
き電線W1,W2の員数管理を容易に行うことができ、
保持すべき電線W1(W2)の数を確認しながら作業を
進めることができる。具体的には、この電線収容ブロッ
ク40は、本実施例では、6つのキャビティ42を有し
ているが、保持すべき電線W1,W2の数が、たとえば
5本である場合、形成されたキャビティ42のうち、任
意のキャビティ42の開口41aに栓45を押し込んで
おく。そして、布線作業を進めていき、5つのキャビテ
ィ42のすべてに電線W1(W2)が挿入されれば、一
括処理すべき電線W1,W2がすべて保持されたことが
一目瞭然に分かる。特に、栓45は、上段側のキャビテ
ィ42から順に押し込むようにし、電線W1,W2は、
下段側のキャビティ42から順に挿入するようにしてお
けば、保持すべき電線W1,W2の残りの数をも容易に
把握でき、好ましい。
【0041】また、電線保持部Uがベース30から取り
外せる。すなわち、電線W1,W2を保持したまま、こ
れら電線W1,W2を移動することができるという利点
がある。具体的には、ケーシング50をベース30の係
止部32から取り外す。このケーシング50を取り外す
には、ケーシング50を手で把持し、マグネットMによ
る引力に抗して引っ張れば良い。この電線保持部Uを上
記一括処理を行うための装置(たとえば、超音波溶接
機)が別工程の場所に設置されている場合には、その場
所まで搬送する。そして、この一括処理を行う現場に到
着した時点で、電線収容ブロック40をケーシング50
から抜き取り、その場で処理をする。なお、電線収容ブ
ロック40をケーシング50から抜き取る際に、予めテ
ープ等により電線W1,W2を結束すれば、確実に電線
W1,W2の端部Eを揃えたままで処理を行うことがで
きる。
【0042】さらに、折り曲げ形成した薄板を当接部材
60として採用し、この弾性変形により、挿入された電
線W1,W2の抜け防止および取り外しの許容を実現し
ている。従って、構造が簡単であり、保持具Aを安価に
製造することができる。なお、この発明は上記実施例に
限定されるものではなく、電線収容ブロック40に形成
するキャビティ42の数は、自由に増減することができ
る。また、当接部材60としては、ケーシング50の側
面部53に押さえ込まれることによってキャビティ42
内に進入するカム部材を使用することもできる。その
他、種々の設計変更を施すことができる。
【0043】
【発明の効果】 請求項1に係る発明によれば、布線作業中におい
て、保持しようとする電線の端部を保持手段のキャビテ
ィに挿入することによって、当接部材がこの挿入された
電線に当接してキャビティからの抜けを防止する。しか
も、挿入された各電線は、当接面に当接されることによ
り、その端末を揃えることができる。従って、布線作業
を行いながら、所定の電線の端部を、その端末を揃えた
状態で保持することができる。しかも、一のキャビティ
には、単一の電線のみを挿入するから、保持すべき電線
の員数管理を容易に行うことができ、その結果、一括処
理すべき分岐線およびこれが接続される電線の数を確認
しながら布線作業を行うことができる。加えて、当接部
材が電線から離反することにより、端末を揃えて保持さ
れた電線をまとめて取り外すことができる。その結果、
保持した電線の端末部分を一括して簡単に処理すること
が可能となる。
【0044】 請求項2に係る発明によれば、請求項
1に係る発明と同様の効果を奏する。加えて、ベースか
ら保持手段を取り外し、端末を揃えた状態に保持したま
ま、電線を移動させることができるという利点がある。
その結果、端末部分の一括処理を行う所定の装置まで、
電線の端末にずれを生じさせることなく搬送することが
可能となり、一括処理を行う際に、再び端末を揃え直す
作業が不要である。
【0045】 請求項3に係る発明によれば、請求項
1または2に係る発明と同様の効果を奏する。特に、本
請求項に係る発明では、電線収容ブロックをケーシング
に挿入することにより弾性爪が弾性的に変形し、これに
より、キャビティに挿入される電線に当接して電線の抜
けを防止する。しかも、電線収容ブロックをケーシング
から抜き取ることにより、弾性爪が弾性的に変形し、こ
れにより、電線を取り外すことができる。従って、非常
に簡単な構造で電線を保持することができ、電線端末保
持具のコストの上昇を抑えることができる。
【0046】 請求項4に係る発明によれば、請求項
3に係る発明と同様の効果を奏する。加えて、電線をキ
ャビティに挿入した時点で、弾性爪の先端部分が電線の
挿入方向に対して鋭角的に当接し、当該電線の反挿入方
向側への移動を規制することができる。従って、電線を
キャビティの奥まで挿入するだけで、電線の保持と、そ
の端末の位置決めとをワンタッチで行うことができる。
その結果、各電線の端末を揃えて保持する作業を円滑に
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る保持具が装備された組
立図板を用いてワイヤーハーネスを製造している状態を
示した要部斜視図である。
【図2】正面側から見た保持具の斜視図である。
【図3】後面側から見た保持具の分解斜視図である。
【図4】電線収容ブロックと当接部材との取付関係を示
す分解斜視図である。
【図5】電線収容ブロックがケーシングにセットされる
前の状態を示す電線保持部の横断面図である。
【図6】電線収容ブロックがケーシングにセットされた
状態を示す電線保持部の横断面図である。
【図7】電線保持部に電線が保持された状態を示す電線
保持部の横断面図である。
【図8】保持された電線を電線収容ブロックから取り外
す状態を示す電線保持部の横断面図である。
【図9】従来における分岐線を形成する際の要領を示す
斜視図である。
【符号の説明】
A 保持具 B 組立図板 U 電線保持部 E 端末 W1 電線 W2 電線 10 布線板 30 ベース 40 電線収容ブロック 41 一端面 41a 開口 42 キャビティ 42a 底面部 50 ケーシング 51a 開口部 60 当接部材 62 弾性爪

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電線を布線するための布線板上に取り付け
    られるベースと、 ベースに連結され、布線された電線の端部を保持する保
    持手段とを備えた電線端末保持具において、 上記保持手段は、 布線された電線を所定の開口から長手方向に沿って挿入
    することにより電線の端部を収容する複数のキャビティ
    と、 キャビティに収容された電線に当接する第1の姿勢と、
    この電線から離反する第2の姿勢とに変位可能であっ
    て、第1の姿勢に変位することにより上記電線の反挿入
    方向への移動を規制し、第2の姿勢に変位することによ
    り上記規制を解除する当接部材と、 各キャビティに収容された各電線の端末を揃えて位置決
    めするための、当該電線端末が当接する当接面とを有し
    ていることを特徴とする電線端末保持具。
  2. 【請求項2】請求項1記載の電線端末保持具において、 上記保持手段は、ベースに対して着脱可能となっている
    ことを特徴とする電線端末保持具。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の電線端末保持具に
    おいて、 上記保持手段は、ベースに取り付けられる、開口部を有
    するケーシングと、一端面がケーシングの開口部によっ
    て露出状態となるようにケーシングに挿脱可能に収容さ
    れる電線収容ブロックとを備え、 上記キャビティは、上記電線収容ブロックに形成され、
    当該電線収容ブロックの一端面に開口を有する所定深さ
    の孔を含んでおり、 上記当接部材は、上記電線収容ブロックに取り付けられ
    ており、電線収容ブロックをケーシングに挿入した状態
    で上記孔に進入する方向に弾性的に変位し、且つ電線収
    容ブロックをケーシングから抜脱した状態で上記孔から
    退避する方向に弾性的に変位する弾性爪を有しているこ
    とを特徴とする電線端末保持具。
  4. 【請求項4】請求項3記載の電線端末保持具において、 上記弾性爪は、 キャビティに進入した状態に変位したときに、その先端
    部分が、キャビティに挿入される電線の挿入方向に対し
    て鋭角的な角度を有するように配置されていることを特
    徴とする電線端末保持具。
JP6328546A 1994-12-28 1994-12-28 電線端末保持具 Pending JPH08185730A (ja)

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JP6328546A JPH08185730A (ja) 1994-12-28 1994-12-28 電線端末保持具
US08/568,862 US5945635A (en) 1994-12-28 1995-12-05 Wire assembly apparatus and method for assembling wires
EP95120261A EP0720180B1 (en) 1994-12-28 1995-12-21 Wire assembly apparatus and method for assembling wires
DE69517786T DE69517786T2 (de) 1994-12-28 1995-12-21 Drahtzusammenbauapparat und -verfahren
CN95119099.7A CN1132952A (zh) 1994-12-28 1995-12-28 电线装配装置及装配电线的方法
US09/268,579 US6124548A (en) 1994-12-28 1999-03-15 Wire assembly apparatus and method for assembling wires

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