JPH08183678A - 厚付け化粧模様形成用軽量体組成物 - Google Patents
厚付け化粧模様形成用軽量体組成物Info
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- JPH08183678A JPH08183678A JP6339248A JP33924894A JPH08183678A JP H08183678 A JPH08183678 A JP H08183678A JP 6339248 A JP6339248 A JP 6339248A JP 33924894 A JP33924894 A JP 33924894A JP H08183678 A JPH08183678 A JP H08183678A
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Abstract
ら、コンクリート表面に目地棒や孔開き型紙を使用し
て、数十mmという厚付けの凹凸模様仕上げを施すこと
のできる軽量厚付け材料を得る。 【構成】 セメント、平均粒子径0.1〜0.5mmの
細骨材、嵩比重0.02〜0.20、平均粒子径30〜
300μの軽量粉体、合成樹脂エマルションを主要成分
とする組成物であり、場合によっては、さらに減水剤、
増粘剤、繊維状充填材を配合する組成物。 【効果】 水を加えて混練して製造したスラリーは、目
地棒や孔開き型紙を介して基材に塗布することで厚膜が
形成でき、硬化後の塗膜は機械的強度に優れると共に、
その表面が緻密で硬質かつ平滑であるという特徴があ
る。
Description
に目地棒や孔開き型紙を用いて、厚膜の凹凸状化粧模様
を形成する際に、その塗膜が低温硬化性に優れ、硬質
で、緻密性、平滑性に優れた表面性状となる模様形成用
軽量組成物に係るものである。
厚膜の凹凸化粧模様を形成する際には、型枠流し込み工
法によって、予め型枠内壁に形成された立体形状模様を
流し込み材料によって転写させ、流し込み材料の硬化後
に立体形状模様と共に型枠を除去するという手法が多く
用いられてきた。一般にこのような流し込み材料として
利用されるのは、コンクリート組成物等であるが、型枠
の除去後に転写形成された、立体模様形状の表面は、材
料中に含有されていたり流し込み時に混入した気泡によ
る巣穴や、材料分離(セメントペーストと骨材の分離)
による欠損部や、型枠の継目部位における不陸等により
必ずしも平滑で高硬度の美しい面が形成されているとは
言えない場合があった。これに対して、圧送機等を使用
した吹き付けや、コテ塗りによってコンクリート型枠流
し込み工法と同様な、厚膜の化粧模様を形成する工法が
行われている。これは建築物や土木構築物の表面に、形
成しようとする立体化粧模様の目地部に相当する部分
に、予め目地棒又は孔開き型紙を載置ないしは貼着して
おき、凹凸模様形成材料を吹き付けまたはコテ塗りし、
材料が乾燥硬化後又は半乾燥状態で目地棒を除去する方
法や、建築物や土木構築物の表面全体に、凹凸模様形成
材料を吹き付けまたはコテ塗りし、材料が未乾燥状態の
間に型押しを行って凹凸模様を付与する方法等がある。
これらの工法は目地棒や型押し用の凹凸型のみがあれば
施工可能であり、コンクリート型枠流し込み工法におけ
るような、大掛かりな型枠の設置が必要でない点におい
て簡便で優れている。しかしながら、このような吹き付
け、コテ塗り工法においても、コンクリート型枠流し込
み工法で使用する流し込み材料で、数十ミリという厚膜
の化粧模様を施工するには材料の重量が大きくなりす
ぎ、吹き付けやコテ塗り時にタレを生じたり、かろうじ
て厚付けできた場合でも、厚膜表面と内部で乾燥硬化の
程度が異なり、表面にクラックを生じたり、剥離脱落と
いう結果を引き起こしていた。これに対して、有機ない
しは無機の結合材成分に軽量の充填材を配合して、この
ような吹き付けやコテ塗り方法に使用できる厚膜形成可
能な軽量塗材が各種開発され、その一部は特許出願され
ている。例えば特公平55−8106号公報は、厚膜用
塗材に関するものであり、その内容は特許請求の範囲
に、「スチレンモノマーとアクリル酸エステルモノマー
を水と共に乳化重合させたスチレン/アクリル共重合エ
マルションに、体質顔料及びフロー剤を配合した塗材に
おいて、フロー剤がポリビニルピロリドン又はヒドロキ
シアルキルメチルセルロースであって、かつ樹脂分重量
1部に対する体質顔料重量部の比率が約5.5〜34部
で、かつ不揮発分が約70重量%以上であることを特徴
とした厚膜用塗材。」とあるように、体質顔料濃度が高
く不揮発分が多い塗材で、塗布後における塗膜の凸部が
丸みを帯び滑らかで、高級感のある仕上がりとなるもの
である。しかしながらこの厚膜用塗材は、軽量骨材等の
軽量材料が含有されておらず、数十ミリという超厚膜に
するには重量が大きすぎるものであった。また、厚膜塗
材の接着、結合成分が、合成樹脂エマルションであるた
め、低温時において硬化性が極端に低下する問題があっ
た。また、特開平3−21671号公報は、凹凸模様を
形成するための厚膜用塗材に関するものであり、その内
容は特許請求の範囲に「(1)結合材と充填材とを主体
とし、塗装面に凹凸模様が形成される厚膜用塗材であっ
て、前記結合材が合成樹脂エマルションであり、前記充
填材が軽量骨材及び他の充填材成分とよりなり、合成樹
脂エマルションと軽量骨材との配合は、合成樹脂エマル
ションの樹脂分100重量部に対し、嵩比重0.01〜
0.90でかつ粒径1〜500μの軽量骨材が400重
量部以下量の割合において、他の充填材成分とともに加
えられて混合分散され総充填材量が合成樹脂エマルショ
ンの樹脂分100重量部に対し700〜2000重量部
であり、塗材の比重が1.6以下にされてなることを特
徴とした凹凸模様を形成するための厚膜用塗材。(2)
軽量骨材が気泡を内包した中空体あるいは発泡体からな
ることを特徴とする請求項(1)に記載の凹凸模様を形
成するための厚膜用塗材。(3)軽量骨材が多孔質体か
らなることを特徴とする請求項(1)に記載の凹凸模様
を形成するための厚膜用塗材。(4)軽量骨材が合成樹
脂の粉体からなることを特徴とする請求項(1)に記載
の凹凸模様を形成するための厚膜用塗材。(5)塗材の
粘度が、B型粘度計の20℃、20rpmの測定におい
て、5000〜200000cpであり、吹付けあるい
はローラーにて塗布されるものであることを特徴とする
請求項(1)記載の凹凸模様を形成するための厚膜用塗
材。」とあるように、比重が小さいことにより、運賃の
コストアップの防止や現場での運搬、移動の行い易さを
得て、さらに塗装壁面の大きな荷重負担を軽減させると
いうものである。しかしながらこの厚膜用塗材は多孔質
の軽量骨材を大量に配合しているため、形成された塗膜
の表面に滑らかさが欠けるうえに、大量の水を吸水する
ため、必然的に(水/セメント)比が大きくなり強度の
低下を招いていた。また、厚膜塗材の接着、結合成分
が、合成樹脂エマルションであるため、低温時において
硬化性が極端に低下する問題があった。また、特公平6
−10116号公報は、超厚付け塗材に関するものであ
り、その内容は特許請求の範囲に、 「(1)水硬性セメント 49.9〜97.9重量% 軽量骨材 2〜50重量% 繊維 0.1〜3重量% から成る粉状体に、該粉状体100重量部当たり 2〜
50重量部の合成樹脂並びに硬化促進剤の有効量を配合
して成るコンクリート構造物の補修に好適な超厚付け塗
材。 (2)繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、ビニロン繊維、
ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊
維より成る群から選択される特許請求の範囲第1項記載
の塗材。 (3)繊維長が、3〜25mmの長さ範囲に調整されて
成る特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の塗材。」
とあるように、コンクリート構造物の欠損部の補修に好
適な比較的比重の小さい厚塗り用塗材である。しかしな
がらこの超厚膜塗材は軽量化の手段として、軽量骨材の
みを使用するため、表面の緻密性に欠け、また軽量骨材
が大量の水を吸水するため、必然的に(水/セメント)
比が大きくなり強度の低下を招いていた。
使用されている厚付け塗材は、、コンクリート型枠流し
込み材料に比較すると軽量であり、かつ表面の巣穴等も
少ないものもあるが、依然として表面の緻密性や表面強
度の弱さは改善されておらず、また、低温時における硬
化性に劣り、寒冷地では凍害の問題を生じることがあっ
た。したがって、本発明の解決しようとする課題は、こ
のような問題がなく軽量かつ表面強度に優れ、有機−無
機複合のバインダーにより、低温においても硬化性に問
題がなく、緻密で平滑な表面を形成可能で、目地棒ない
しは孔開き目地型枠を使用することにより、厚膜の凹凸
模様表面を形成することのできる厚付け化粧模様形成用
軽量体組成物を提供することにある。
するために、本発明者らは従来の厚付け軽量材料の構成
成分について鋭意検討の結果、ある種の物性を有する軽
量骨材と、軽量骨材より粒径が小さく、ある種の物性を
有する軽量粉体を複合させ、さらに、バインダーとし
て、合成樹脂エマルションとセメントを主要成分として
使用することが有効であることを見出した。すなわち本
発明は以下に示した内容から構成されるものである。 1.(A)セメント、(B)平均粒子径0.1〜0.5
mmの細骨材、(C)嵩比重0.02〜0.20、平均
粒子径150〜1200μの軽量骨材、(D)嵩比重
0.20〜0.80、平均粒子径30〜300μの軽量
粉体、(E)合成樹脂エマルションを主要成分とする厚
付け化粧模様形成用軽量体組成物。さらにこれら
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)成分は、 2.(A)を100重量部に対して、(B)を20〜3
0重量部、(C)を10〜20重量部、(D)を10〜
30重量部、(E)を固形分換算で10〜20重量部の
比率で配合した場合にその効果が良好にあらわれる。ま
た、実際の使用にあたっては、(水/セメント)比が5
0〜100となるように(G)水を配合することが、強
度低下の防止から望ましい。なお、この場合に(F)減
水剤を0.1〜2重量部配合すればより(水/セメン
ト)比を下げることが可能である。ここで各構成成分に
ついて詳述すると、本発明において使用するセメント
は、寒冷地や冬期における低温時においても、厚付け塗
膜が早急に硬化し、タレや脱落が生じないことを目的に
配合するものであり、そのような目的を達成することの
できるものであれば特に限定はされないが、特にJIS R
5210 にて規定する早強ポルトランドセメント、超早強
ポルトランドセメント、アルミナセメント、シリカセメ
ントに相当するものが好適に用いられる。次に平均粒子
径0.1〜0.5mmの細骨材は、珪砂、重質炭酸カル
シウム、寒水石、川砂、海砂、山砂等が使用される。こ
れらは厚付け塗膜全体としての強度を付与する目的で配
合するものである。細骨材の配合比率があまり少ないと
圧縮強度や曲げ強度が低下し、逆にあまり多すぎると比
重が大きくなり、軽量化することによる厚付けという本
発明の目的が達成できなくなる。したがって前述のよう
に、セメント100重量部に対して、20〜30重量部
程度が好適に用いられる。次に嵩比重0.02〜0.2
0、平均粒子径300〜1200μの軽量骨材は、シラ
スバルーン、パーライト等が使用可能である。これらは
厚付け塗膜を軽量化させる目的で配合するものであるた
め、あまり少ないと軽量化の意味をなさない。逆にあま
り多すぎると、吸水性が大きくなりすぎ、(水/セメン
ト)比が大きくなる原因になる。その結果、厚付け塗膜
の強度が低下するため、セメント100重量部に対し
て、10〜20重量部程度が好適に用いられる。嵩比重
0.20〜0.80、平均粒子径30〜300μの軽量
粉体は、アルミノシリケート中空体、微小炭素中空体、
中密度ポリエチレンパウダー等が使用できる。これらは
上記の軽量骨材と同様に厚付け塗膜を軽量化させる目的
で配合するものであるが、同時に上記軽量骨材と複合し
て厚付け塗膜の表面を緻密で平滑なものとすると共に、
厚付け塗膜の強度を向上させる効果を有するものであ
る。したがって、あまり少ないと軽量化が不充分になっ
てしまう。逆に多すぎると、厚付け塗膜の経時の長さ変
化率が大きくなりクラックの原因になる。したがってセ
メント100重量部に対して、10〜30重量部程度が
好適に用いられる。合成樹脂エマルションとは、天然ゴ
ムや合成ゴムのラテックスならびに、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリ酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル、エポキ
シおよびアスファルトなどのエマルション等および再乳
化型粉末樹脂のことであり、JIS A6203 セメント混和
用ポリマーディスパージョンに規定される物性を有する
ものが使用可能である。特にスチレンブタジエンゴムラ
テックス、ポリアクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニ
ルが好適に用いられる。これらは厚付け塗膜の接着性や
強度を向上させる目的で用いられるものである。したが
って、少なすぎると接着性や強度が不充分になるため、
セメント100重量部に対して、固形分換算で10〜2
0重量部程度が好適に用いられる。減水剤は、リグニン
スルホン酸ソーダ、β−ナフタレンスルホン酸ソーダ、
β−ナフタレンスルホン酸ソーダホルムアルデヒド高縮
合物、メラミン樹脂スルホン酸ソーダ、グルコン酸ソー
ダ、グルコン酸カリウム、ポリオキシノニルフェニルエ
ーテル等があげられるが、特にβ−ナフタレンスルホン
酸ソーダホルムアルデヒド高縮合物が好適に用いられ
る。これらは厚付け化粧模様形成用組成物を、少ない水
添加量、すなわち小さな(水/セメント)比で高い流動
性を有するようにすると共に、乾燥収縮を低減させる目
的で配合される。したがってこれを配合することによ
り、より物性にすぐれた厚付け塗膜がえられる。配合比
率としてはセメント100重量部に対して、0.1〜2
重量部程度が好適に用いられる。減水剤を配合して、さ
らに水を加えることで、施工作業性が良好な粘性が得ら
れるとともに(水/セメント)比が50〜100と比較
的小さく押さえることが可能である。本発明組成物に
は、さらに増粘剤や繊維長0.1〜5mmの繊維状充填
材を配合することが可能である。増粘剤の配合により、
吹付け作業性やこて塗り作業性がさらに良好となる。ま
た、繊維状充填剤の配合により、厚付け塗膜の強度が高
くなり、経時の長さ変化率はより小さくすることが可能
である。増粘剤としては、メチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリル酸カルシウム等の水溶性ポ
リマーがあげられる。厚付け時の作業性は厚付け化粧模
様形成用組成物の粘性挙動によるところが多く、特にメ
チルセルロースが粘性挙動に優れており好適に用いられ
る。繊維長0.1〜5mmの繊維状充填材は、炭素繊
維、ビニル繊維、ガラス繊維、セピオライト等があげら
れる。これらは厚付け塗膜の強度付与や乾燥収縮の緩和
のために配合するものである。これら増粘剤、繊維状充
填材は本発明の目的である、厚付け軽量化および高い塗
膜強度と緻密で堅い表面性状を損なわない限り、適宜に
配合可能であるが、目安としては、増粘剤を0.1〜1
重量部、繊維状充填材を3〜10重量部配合することが
望ましい。本発明組成物の使用方法としては、上述の各
構成成分を水と混合してスラリー状にし、これを吹付
け、コテ塗り、ローラー等にて適宜塗布すればよい。こ
のとき塗布する下地に、予め孔開き型紙や目地棒を載置
または貼着し、本発明組成物を塗布後、半乾燥時に除去
することで、重厚感のある立体凹凸模様が形成される。
また、本発明組成物は下地に直接塗布するだけでなく、
予め有機系及び/又は無機系の各種下地調整塗材によっ
て、塗布に最適な下地面を形成しておいても良い。特に
下地が湿潤面の場合には、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂を、変成ポリアミドアミンによって、水に乳化させ
たエポキシ樹脂エマルションとセメントからなるエポキ
シ樹脂モルタル等によって、密着性良好な下地表面の形
成をしておけば密着性の向上や、エフロレッセンスの防
止において効果的である。
て、低温時においても優れた硬化性を有する。また、軽
量骨材と軽量粉体によって軽量化しているため、数十ミ
リという厚膜にしても、重量が軽くタレや剥離の問題が
生じないとともに、軽量骨材単独の場合に比較して、系
全体の吸水率が低く押さえられるため、水/セメント比
が小さくなり、結果として形成した塗膜の各種強度が向
上する。また、軽量骨材と軽量粉体の平均粒子径の範囲
がずれているため、これら粉粒体が細密充填に近い状態
になり、塗膜の表面が緻密で強固なものとなる。
形分47%のスチレン−ブタジエン共重合体エマルショ
ンを1.05kg(35重量部)と、水を1.8kg
(60重量部)入れておき、セメントミキサーにて混合
しながら、早強ポルトランドセメント3kg(100重
量部)を投入し、さらに珪砂0.75kg(25重量
部)、シラスバルーン0.45kg(15重量部)、ア
ルミノシリケート中空体0.45kg(15重量部)を
予め混合した粉体を投入して混合を続け、系全体の流動
性が均一のスラリー状になったところで混合を止めた。
このようにして製造したスラリーを使用して以下のよう
に各種の物性試験を行った。 (嵩比重)得られたスラリーを50×50×50mmの
型枠内にこてにて充填し、養生室にて24時間静置した
後に脱型し、さらに養生室内にて材齢14日まで養生し
て成形体を作製した。この成形体の重量(グラム)を測
定して、成形体の見掛け容積(125cm3 )にて除し
て、成形体の嵩比重を求めたところ、嵩比重は0.96
であった。 (耐ひび割れ試験)JIS A 6916 セメント系下地調整塗
材の5.7 ひび割れ試験に基づいて、300×300
×60mmのモルタル板の表面に、内のり寸法250×
250×2mmの合成樹脂製型枠を置き、得られたスラ
リーをこてにて充填し、上面を平坦に仕上げて成形し試
験体とした。試験体を養生室に静置し、材齢7日におい
て、試験体表面のひび割れの有無について目視にて観察
し、ひび割れの無いものを○、多少ひび割れのあるもの
を△、ひび割れが非常に多いものを×としたところ、○
であった。 (耐衝撃性試験)次にJIS A 6916 セメント系下地調整
塗材の5.8 衝撃試験に基づいて、上記のひび割れ試
験が終了した試験体を使用して、試験体を砂上に水平に
静置し、1kgの球形おもりを高さ50cmから落下さ
せ、試験体表面の成形部分の割れやはがれの有無を目視
によって観察し、成形体部分の割れ及びはがれの無いも
のを○とし、割れ及びはがれの有るものを×としたとこ
ろ、○であった。 (付着強さ試験)JIS A 6916 セメント系下地調整塗材
の5.6 付着強さ試験に基づいて、70×70×20
mmのモルタル板の研磨した面に、内のり寸法40×4
0×2mmの合成樹脂型枠を置き、得られたスラリーを
こてにて充填し、上面を平坦に仕上げて成形し、さらに
養生室に24時間静置した後に脱型し、更に材齢14日
まで養生して試験体とした。この試験体を養生室内にお
いて水平に保持し、試料塗り付け面に接着剤を塗り、4
0×40mmの上部引張用ジグを静かに載せ、軽くすり
付けるように接着し、更にの上に質量1kgの重りを載
せ、周りにはみ出した接着剤をていねいに取り除き、2
4時間静置した後に、重りを取り除き、下部引張用ジグ
及び鋼製当て板を用いて、試料面に対して鉛直方向に引
張力を加えて最大引張荷重を求める。付着強さは次式に
よって計算した。 付着強さ(N/mm2 )=T/1600 その結果、付着強さは1.52N/mm2 であった。 (曲げ強度試験)得られたスラリーを160×40×4
0mmの型枠内にこてにて充填し、養生室にて24時間
静置した後に脱型し、さらに養生室内にて材齢28日ま
で養生して試験体を作製した。次にJIS R 5201 セメン
トの物理試験方法の9.強さ試験方法に規定される曲げ
強さ試験機を使用して、支点間距離100mmで試験体
を支え、試験体側面の中央部に毎秒49Nの割合で載荷
して最大荷重を求める。曲げ強さは得られた最大荷重か
ら次式によって計算した。 曲げ強さ(N/mm2 )= 最大荷重(N)×0.23
4 その結果、曲げ強さは4.2N/mm2 であった。 (圧縮強度)圧縮強度は、先の曲げ強度試験で切断され
た試験体を用いて、JIS R 5201 セメントの物理試験方
法の9.強さ試験方法に規定される圧縮強さ試験機を使
用して、両側面を加圧面とし、荷重用加圧板を用いて試
験体中央部に、毎秒785Nの割合で載荷して最大荷重
を求める。圧縮強さは得られた最大荷重から次式によっ
て計算した。 圧縮強さ(N/mm2 )= 最大荷重(N)/16 その結果、圧縮強さは12.8N/mm2 であった。 (表面硬度)得られたスラリーを160×40×40m
mの型枠内にこてにて充填し、養生室にて、3℃、3日
間静置した後に脱型し、JIS K 6301 加硫ゴム物理試験
方法の5.硬さ試験に準拠して、同試験におけるスプリ
ング式硬さ試験機A形を用いて、試験体表面の5点を加
圧し、その時の試験機の目盛りをそれぞれ読み平均値を
求めた。結果は77.4であった。 (長さ変化率)図1のように20×40×1000mm
の軽みぞ形鋼の内側全面にクラフトテープを貼りつけた
ものに外蓋をセットし、末端基準器を外蓋に接触した状
態で、軽みぞ形鋼内部に設置し、この末端基準器ととも
にスラリーをこてにて充填した。室温で3日間静置後に
外蓋をはずし、ダイヤルゲージにて軽みぞ形鋼と末端基
準器との隙間を測定し収縮の0点とした。測定後、温風
機を用いて50℃で強制乾燥した後、材齢28日後に収
縮幅を測定した。軽みぞ形鋼の長さから、最初の隙間を
差し引いた値に対して、収縮幅の比率を求めたところ、
0.20%であった。 (表面平滑性)嵩比重の測定に使用した試験体の表面状
態を目視にて観察し、表面が非常に平滑なものを○、や
や平滑性に欠けるものを△、表面が非常に荒れているも
のを×として評価したところ、○であった。以上の各種
試験結果のように実施例1の組成物は軽量で、かつひび
割れや大きな収縮をせず、各種強度に優れ、低温におい
ても表面の硬度に優れる表面が平滑な厚塗り材料であっ
た。 (実施例2〜実施例4)実施例1と同様に、表1に示し
た原材料を使用して、表2に示した配合比率にて、セメ
ントが3kgとなるスケールにてスラリーを製造し、同
様に各種試験を行った。試験結果は表5に示したように
実施例1同様に軽量で、かつひび割れや大きな収縮をせ
ず、各種強度に優れ、低温においても表面の硬度に優れ
る表面が平滑な厚塗り材料を得ることができた。 (実施例5〜実施例6)各種粉体を配合して混合した後
に、減水剤および繊維状充填材を配合する以外は、実施
例1と同様に、表1に示した原材料を使用して、表2お
よび表3に示した配合比率にて、セメントが3kgとな
るスケールにてスラリーを製造し、同様に各種試験を行
った。試験結果は表5および表6に示したように実施例
1同様に軽量で、かつひび割れや大きな収縮をせず、各
種強度に優れ、低温においても表面の硬度に優れる表面
が平滑な厚塗り材料を得ることができた。 (実施例7〜実施例10)減水剤を配合する前に、繊維
状充填材を配合する以外は、実施例1と同様に、表1に
示した原材料を使用して、表3に示した配合比率にて、
セメントが3kgとなるスケールにてスラリーを製造
し、同様に各種試験を行った。試験結果は表6に示した
ように、付着強度や表面硬度において若干低い値となる
が、ほぼ実施例1同様に軽量で、かつひび割れや大きな
収縮をせず、各種強度に優れ、低温においても表面の硬
度に優れる表面が平滑な厚塗り材料を得ることができ
た。 (比較例1)減水剤を配合する以外は、実施例1と同様
に、表1に示した原材料を使用して、表4に示した配合
比率にて、セメントが3kgとなるスケールにてスラリ
ーを製造し、同様に各種試験を行った。試験結果は表7
に示したように、耐ひび割れ性、耐衝撃性、低温の表面
硬度や長さ変化率において不充分な結果であった。 (比較例2)減水剤を配合する以外は、実施例1と同様
に、表1に示した原材料を使用して、表4に示した配合
比率にて、セメントが3kgとなるスケールにてスラリ
ーを製造し、同様に各種試験を行った。試験結果は表7
に示したように、耐ひび割れ性、耐衝撃性において不充
分でな結果であった。 (比較例3)減水剤を配合する以外は、実施例1と同様
に、表1に示した原材料を使用して、表4に示した配合
比率にて、セメントが3kgとなるスケールにてスラリ
ーを製造し、同様に各種試験を行った。試験結果は表7
に示したように、圧縮強度と長さ変化率において不充分
な結果であった。 (比較例4)減水剤と繊維状充填材を配合する以外は、
実施例1と同様に、表1に示した原材料を使用して、表
4に示した配合比率にて、セメントが3kgとなるスケ
ールにてスラリーを製造し、同様に各種試験を行った。
試験結果は表7に示したように、圧縮強度、表面平滑性
において不充分な結果であった。 (比較例5)減水剤と繊維状充填材を配合する以外は、
実施例1と同様に、表1に示した原材料を使用して、表
4に示した配合比率にて、セメントが3kgとなるスケ
ールにてスラリーを製造し、同様に各種試験を行った。
試験結果は表7に示したように、耐ひび割れ性、曲げ強
度、表面硬度、圧縮強度、長さ変化率において不充分な
結果であった。
リーを使用して、建築物、土木構築物表面に目地棒や孔
開き型紙を介して塗布し、数十mmもの厚膜の凹凸状化
粧模様を形成する際に、その塗膜が低温硬化性に優れ、
軽量のためタレを生じないという効果がある。また、硬
質で、緻密性、平滑性に優れた表面性状となるため、そ
の表面に各種の塗料を塗布しても平滑な表面が形成で
き、結果として塵埃等が付着し難く、汚れ難いという効
果もある。したがって、比較的に無味乾燥な建築物、土
木構築物に対して、重厚感のある意匠性凹凸模様を形成
させるのに最適な景観美装材料である。
形鋼、末端基準器、外蓋等を表す斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】(A)セメント、(B)平均粒子径0.1
〜0.5mmの細骨材、(C)嵩比重0.02〜0.2
0、平均粒子径150〜1200μの軽量骨材、(D)
嵩比重0.20〜0.80、平均粒子径30〜300μ
の軽量粉体、(E)合成樹脂エマルションを主要成分と
する厚付け化粧模様形成用軽量体組成物。 - 【請求項2】(A)セメント100重量部に対して、
(B)平均粒子径0.1〜0.5mmの細骨材を20〜
30重量部、(C)嵩比重0.02〜0.20、平均粒
子径150〜1200μの軽量骨材を10〜20重量
部、(D)嵩比重0.20〜0.80、平均粒子径30
〜300μの軽量粉体を10〜30重量部、(E)合成
樹脂エマルションが固形分換算で10〜20重量部を主
要成分とする厚付け化粧模様形成用軽量体組成物。 - 【請求項3】請求項1の配合にさらに(F)減水剤、
(G)水を配合することを特徴とする厚付け化粧模様形
成用軽量体組成物。 - 【請求項4】(A)セメント100重量部に対して、
(B)平均粒子径0.1〜0.5mmの細骨材を20〜
30重量部、(C)嵩比重0.02〜0.20、平均粒
子径150〜1200μの軽量骨材を10〜20重量
部、(D)嵩比重0.20〜0.80、平均粒子径30
〜300μの軽量粉体を15〜30重量部、(E)合成
樹脂エマルションが固形分換算で10〜20重量部、
(F)減水剤を0.1〜2重量部配合し、(水/セメン
ト)比が50〜100となるように、さらに(G)水を
配合することを特徴とする厚付け化粧模様形成用軽量体
組成物。 - 【請求項5】請求項3の配合にさらに(H)増粘剤、
(I)繊維長0.1〜5mmの繊維状充填材を配合する
ことを特徴とする厚付け化粧模様形成用軽量体組成物。 - 【請求項6】請求項4の配合にさらに(H)増粘剤を
0.1〜1重量部、(I)繊維長0.1〜5mmの繊維
状充填材を3〜10重量部配合することを特徴とする厚
付け化粧模様形成用軽量体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33924894A JP3417700B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 厚付け化粧模様形成用軽量体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33924894A JP3417700B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 厚付け化粧模様形成用軽量体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08183678A true JPH08183678A (ja) | 1996-07-16 |
JP3417700B2 JP3417700B2 (ja) | 2003-06-16 |
Family
ID=18325666
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33924894A Expired - Lifetime JP3417700B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 厚付け化粧模様形成用軽量体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3417700B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008421A (ja) * | 2004-06-22 | 2006-01-12 | Univ Nihon | 断面補修用非流動性モルタル組成物 |
JP2007269508A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Ube Ind Ltd | 水硬性組成物 |
JP2015000820A (ja) * | 2013-06-13 | 2015-01-05 | 太平洋マテリアル株式会社 | ポリマーセメントモルタル、及びポリマーセメントモルタルを用いた工法 |
JP2022517482A (ja) * | 2018-11-06 | 2022-03-09 | クナウフ ギプス カーゲー | 低収縮のペースト状の充填および仕上げ材料用の組成物、ペースト状の充填および仕上げ材料、ならびにペースト状の充填および仕上げ材料を生成するための方法 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP33924894A patent/JP3417700B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008421A (ja) * | 2004-06-22 | 2006-01-12 | Univ Nihon | 断面補修用非流動性モルタル組成物 |
JP2007269508A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Ube Ind Ltd | 水硬性組成物 |
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JP2022517482A (ja) * | 2018-11-06 | 2022-03-09 | クナウフ ギプス カーゲー | 低収縮のペースト状の充填および仕上げ材料用の組成物、ペースト状の充填および仕上げ材料、ならびにペースト状の充填および仕上げ材料を生成するための方法 |
US12091568B2 (en) | 2018-11-06 | 2024-09-17 | Knauf Gips Kg | Composition for a low shrinkage pasty fill and finishing material, pasty fill and finishing material, and method for producing a pasty fill and finishing material |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3417700B2 (ja) | 2003-06-16 |
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