JPH08183408A - 嵩高性フェルト及び自動車用ダッシュインシュレータ - Google Patents

嵩高性フェルト及び自動車用ダッシュインシュレータ

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JPH08183408A
JPH08183408A JP6337741A JP33774194A JPH08183408A JP H08183408 A JPH08183408 A JP H08183408A JP 6337741 A JP6337741 A JP 6337741A JP 33774194 A JP33774194 A JP 33774194A JP H08183408 A JPH08183408 A JP H08183408A
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JP
Japan
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felt
dash insulator
density
bulky
bulkiness
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JP6337741A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Goshima
堅 五島
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Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Tokushu Toryo Co Ltd
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Publication date
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  • Body Structure For Vehicles (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 遮音性に優れ、容易に製造可能なダッシュイ
ンシュレータを開発する。 【構成】 嵩高性のフェルトにおいて、少なくとも面密
度が300〜700g/m2である部分と、700〜1
400g/m2である部分を有することを特徴とする嵩
高性フェルト、及び、ダッシュインシュレータのアッパ
ー部1に、主として面密度が300〜700g/m2
ある部分を使用し、ダッシュインシュレータのロアー部
2、トーボード部3その他に主として面密度が700〜
1400g/m2である部分を使用する嵩高性フェルト
を使用する事を特徴とする自動車用ダッシュインシュレ
ータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ダッシュイン
シュレータと、そのインシュレータに使用する嵩高性フ
ェルトに関する。
【0002】
【従来の技術】前方にエンジンを搭載する形式の自動車
は、エンジンから発生する騒音が自動車車室内に侵入す
るのを防止するため、エンジンルームと車室内とを隔て
る、いわゆるダッシュボードにフェルトや合成樹脂フォ
ーム材といった多孔質材料や、ゴム、アスファルト等を
原料にしたシート材料を組み合わせた、あるいは単独の
防音材を装着している。これらの防音材は通常ダッシュ
インシュレータなどと呼ばれている。
【0003】このダッシュインシュレータは、自動車へ
装着する時の部位によって、上部の速度計や回転計、時
計等が設置される部分がアッパー部、それより下部の部
分をロアー部、さらに下部の足元に該当する部分をトー
ボード部と呼んでいる。
【0004】一方、嵩高性フェルトを原材料としてダッ
シュインシュレータを加熱成形する場合、多くの自動車
はアッパー部にダッシュインシュレータを装着するため
の空間、クリアランスが僅かしか取れないため、アッパ
ー部に該当する部分の嵩高性フェルトは、ロアー部、ト
ーボード部に比較して高圧縮成形せざるを得ず、したが
ってアッパー部はロアー部、トーボード部よりも高密度
のダッシュインシュレータとなるのが通例であった。
【0005】同じ材料の多孔質材料で比較した場合、一
般に高密度の部分は低密度の部分より、透過する音を遮
断する性能、いわゆる遮音性能が低くなる。そこで、遮
音性能の低下を防止するためにトリムしたフェルトを必
要箇所に貼り合わせる等の対策が必要となる。しかしな
がら、このような対策はダッシュインシュレータの製造
工程を増やすこととなる。
【0006】そこで、1枚の嵩高性フェルト原反によっ
て、全体的にほぼ均一な密度のダッシュインシュレータ
を作成し、貼り合わせ対策を施した従来のダッシュイン
シュレータと同等以上の遮音性能を有し、より軽量化を
実現して同時にコストダウンを図ることのできるダッシ
ュインシュレータが求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本願発明の課題は、1
枚の嵩高性フェルトによって成形の完了したダッシュイ
ンシュレータの面密度が全体的にほぼ均一であり、従っ
て特に新たに対策を施さなくとも従来からのダッシュイ
ンシュレータと同等以上の遮音性能を有するダッシュイ
ンシュレータと、このための嵩高性フェルトを開発する
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の様
な課題を解決するべく鋭意研究の結果、嵩高性フェルト
及びそのフェルトを使用した自動車用ダッシュインシュ
レータの開発に成功したものであり、その要旨は以下に
存する。嵩高性のフェルトにおいて、少なくとも面密度
が300〜700g/m2である部分と、700〜14
00g/m2である部分を有することを特徴とする嵩高
性フェルト。ダッシュインシュレータのアッパー部1
に、主として面密度が300〜700g/m2である部
分を使用し、ダッシュインシュレータのロアー部2、ト
ーボード部3その他に主として面密度が700〜140
0g/m2である部分を使用する、前記嵩高性フェルト
を使用する事を特徴とする自動車用ダッシュインシュレ
ータ。
【0009】嵩高性フェルトは、綿、ウール、麻等の天
然繊維原料、ポリエステル、ナイロン、テトロン等の化
学繊維原料からなる織布、不織布などの1次繊維製品を
原材料としている。古着、使用済みのカーペット、カー
テン等の繊維内装材といった形態で回収される原料を適
当な大きさに裁断し、ホッパーに蓄積され、搬送ベルト
コンベア上に落下させる。ベルトコンベアによって搬送
された原料は、爪が多数付いている円柱形のドラムの高
速回転により発生する剪断力によってばらばらの繊維に
解繊され、密閉された容器内に流れる空気流によって搬
送されてフリースを形成する。レジンフェルトを製造す
る場合には、ばらばらの繊維に解繊された後、バインダ
ー樹脂を落下混合させる。バインダー樹脂としてはフェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂等の熱
可塑性樹脂が例示出来る。
【0010】この時に、ホッパー落下口に仕切りを設け
ることにより、落下する繊維量を減少させることが可能
になる。また、フリース形成のための空気流の強さを搬
送ベルトの右側と左側で変えることにより、空気流が強
い側は繊維量が減少する。これらの方法のいずれか、あ
るいは併用する事により、製造される嵩高性フェルトの
面密度を部分的に変化させる事が可能である。
【0011】又、カード機によって製造された薄い連続
した帯状の不織布を、レアー機と呼ばれる加工機が製造
ライン進行方向に直角の方向に振れながら送出すること
により、薄い不織布が何層かに積層され、この積層され
た不織布をニードル加工することによって、あるいは繊
維バインダーを予め含有させておき加熱によって一体化
させるという方法によって嵩高性不織布が生産される場
合には、以下の方法が例示できる。カード機で作られた
薄い不織布をレアー機により重ねて嵩高性フェルトを作
る工程においては、レアー機の振り幅に差を設けるこ
と、例えば全体の幅に1回振れた時と、中央から左半分
にしか振れない時が交互になる様に調整すれば、積層さ
れた厚さは左半分は右半分の略倍の厚さとなる。
【0012】あるいは、上記の方法での生産を2ライン
以上でやれる場合、第1ラインはレアー機の振り幅を1
100mm、第2ラインはレアー機の振り幅を600m
mのように変え、これら2ラインの幅の異なるフェルト
を積層して、製造される嵩高性フェルトの面密度を部分
的に変化させることが可能である。
【0013】結果として製造されるフェルトの面密度が
少なくとも300〜700g/m2である部分と、70
0〜1400g/m2である部分を有することが必要で
あり、例えば1つのエリアが面密度平均500g/m2
であり、今1つのエリアが面密度平均900g/m2
ある、という状態が好ましい。また、面密度平均が40
0g/m2のエリアと1000g/m2とが存在し、この
中間のエリアの面密度が400〜1000g/m2迄連
続的に変化している、という状態でもかまわない。
【0014】レジンフェルトを製造する場合には、搬送
ベルトコンベアによって形成されたフリースを加熱オー
ブン中を通過させ、その熱によって予め混合したバイン
ダー樹脂を溶融させて半硬化状態の嵩高性フェルト原反
を製造する。また、ニードルフェルトを製造する場合に
は同様に搬送ベルトコンベアによってニードル加工機へ
フリースを搬送し、必要に応じてニードル加工を行い嵩
高性フェルトを製造する。製造された嵩高性フェルト
は、その後に製造する自動車用ダッシュインシュレータ
のサイズに従って裁断され、原反となる。
【0015】原反である嵩高性フェルトは、予め作成さ
れた自動車用ダッシュインシュレータ成形用の成形型に
載置される。成形型は金属製、樹脂製などがあるが、量
産用の多くは鉄等の金属製である。型には任意の圧力で
加重がかけられ、また任意の温度により加熱が可能な、
熱間プレス成形機を使用することが望ましい。型に原反
を載置する時に、フェルトの面密度が少なくとも300
〜700g/m2のエリアを自動車用ダッシュインシュ
レータのアッパー部となる部分に、また、面密度が70
0〜1400g/m2のエリアが、ロアー部、トーボー
ド部となる部分に載置することが重要である。この時、
300〜700g/m2のエリアが必ずしも100%ア
ッパー部である必要はなく、700〜1400g/m2
の部分も同様である。しかし低面密度の方向を必ずアッ
パー部へ載置する事は必要となる。
【0016】ダッシュインシュレータのアッパー部はロ
アー部、トーボード部に比較して高圧縮成形されるが、
本願発明の嵩高性フェルトの低面密度部をアッパー部に
適用する事により、ダッシュインシュレータ全体として
は著しく高密度に圧縮成形される部分はない。加熱加圧
成形の条件としては、温度100〜250℃、圧力1〜
100kg/cm2、成形時間30秒〜5分という条件
が例示できるが、これは一例であり、成形するべきダッ
シュインシュレータの部品形状、大きさ、要求される遮
音性能、生産タクト等によって任意に変えることが出来
るものである。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明のより詳細な理解
に供する。当然のことながら本発明は以下の実施例のみ
に限定されるものではない。
【0018】
【実施例1】各種の天然、化学繊維原料を裁断したフェ
ルト原料投入ホッパーの片側を、落下料が2/3になる
ように調節し、これと同じ側の解繊繊維をフリースに形
成するための空気流を、他の空気流より20%増加させ
た。フェノール樹脂を投入して加熱し、半硬化状態とし
て生産された嵩高性フェルト原反は、全体のうち幅1/
3程度の部分の面密度が平均450g/m2、他の部分
が平均900g/m2であった。この原反の低面密度部
分を、ダッシュインシュレータのアッパー部を成形する
成形下型に載置し、高面密度部分を、ロアー部、トーボ
ード部を成形する成形下型に載置し、200℃、5kg
/cm2で2分間加熱加圧成形を行い、自動車用ダッシ
ュインシュレータ1を得た。
【0019】
【比較例】従来と同様のフェルト原料ホッパー、フリー
ス形成ラインによって嵩高性フェルト原反を生産した。
ほぼ一様な面密度は平均800g/m2であった。この
原反を実施例1と同じ成形型、同じ成形条件により加熱
加圧成形を行い、自動車用ダッシュインシュレータ2を
得た。
【0020】
【試験方法】
(1)成形部品の密度測定 ダッシュインシュレータ1及び2のアッパー部の密度、
ロアー部の密度をそれぞれ数箇所づつ測定し、その平均
値を算出した。 (2)遮音性測定試験 成形部品の密度と同じ密度の、厚さ12mmフェルト、
表皮材3.5kg/cm2を使用して、各周波数におけ
る遮音性を測定した。遮音性の数字は、大きいほど遮音
効果が高い。
【0021】
【結果1】自動車用ダッシュインシュレータ1のアッパ
ー部の密度は、0.045g/cm3、ロアー部、トー
ボード部の密度は、0.04g/cm3であった。一方
自動車用ダッシュインシュレータ2のアッパー部の密度
は0.08g/cm3、ロアー部、トーボード部の密度
は0.04g/cm3でありアッパー部の密度は他の部
分に比較して高密度になっていた。
【0022】
【結果2】結果1における密度のフェルトの遮音性を測
定した結果を次の表1に示す。なお、dBの単位で表し
た遮音性能は、数字が大きいほど、その遮音効果は高
い。
【0023】
【発明の効果】本願発明の嵩高性フェルトによる自動車
用ダッシュインシュレータは、従来はどうしてもアッパ
ー部が成形後に高密度になってしまい、高密度の部分の
遮音性が悪くなる傾向にあったものが、アッパー部の低
密度化により遮音性能の向上、特に明らかな1000H
z以上の高周波数における遮音性能の向上と、1枚の嵩
高性フェルト原反によって製造する事ができる生産効率
化、さらには従来からの嵩高性フェルトに比較して少な
い材料で生産できるため、工数低減を図ることが出来
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるダッシュインシュレータの一例正
面図
【図2】図1のI−I線断面図
【符号の説明】
1.ダッシュアッパー部 2.ダッシュロアー部 3.トーボード部 4.嵩高性フェルト 5.表皮材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵩高性のフェルトにおいて、少なくとも
    面密度が300〜700g/m2である部分と、700
    〜1400g/m2である部分を有することを特徴とす
    る嵩高性フェルト。
  2. 【請求項2】 ダッシュインシュレータのアッパー部1
    に、主として面密度が300〜700g/m2である部
    分を使用し、ダッシュインシュレータのロアー部2、ト
    ーボード部3その他に主として面密度が700〜140
    0g/m2である部分を使用する、請求項1に記載した
    嵩高性フェルトを使用する事を特徴とする自動車用ダッ
    シュインシュレータ。
JP6337741A 1994-12-28 1994-12-28 嵩高性フェルト及び自動車用ダッシュインシュレータ Pending JPH08183408A (ja)

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