JP4167505B2 - 多密度構成のフェルト吸音材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表皮が存在せずに全体が一体であるフェルト吸音材に関し、特に自動車、電車や航空機などにおけるダッシュボードインシュレータ、フロアインシュレータ、ルーフインシュレータとして好適な多密度構成のフェルト吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や電車は走行中に騒音を発生することにより、車内環境に非常に悪影響を与え、しかも道路際や路線際の住民に対して騒音公害を発生する。特に、自動車のエンジンまたは電車のモータ部などの騒音発生源は、制振鋼板や遮音板などの防音材で全体を囲むだけでは遮音・防音が不十分である。このため、自動車や電車の一部では、吸音材による遮音・防音効果を高めるために、ポリウレタンの発泡樹脂をダッシュボードなどの裏面に貼り合わせている。
【0003】
ポリウレタンなどの発泡樹脂は、クッション材として優れた性能を有し、構造体として強度が要求される場合にはガラス繊維などで強化することが可能であっても、苛酷な使用環境では耐熱性が問題であり、高温雰囲気中で強度が著しく低下するうえに、吸音性と防音性の点でも不十分である。このため、ポリウレタン樹脂製の吸音材は、自動車などのダッシュボードインシュレータ、フロアインシュレータ、ルーフインシュレータとしては不適当であり、耐熱性を高めるための化学処理を加えると製造コストも非常に高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自動車用の吸音材には、ダッシュボードインシュレータ用途などとして、比較的高い吸音性と耐熱性を有するポリエステル繊維のフェルト材を用いることが多くなっている。例えば、特開2000−202933号公報のように、ポリエステル繊維のフェルト材の表面に、PVC、EVA、ビチューメンなどの表皮を接着している。この種の吸音材は、ポリエステル繊維がポリウレタン樹脂に比べて高温雰囲気中で強度が低下することが少なく、ダッシュボードインシュレータなどの苛酷な使用環境において機械的性質と耐熱性に優れている。
【0005】
表皮を有する繊維マット材は、その表皮の存在によって重くなり、大量使用によってダッシュボード自体の全体重量に悪影響を及ぼし、自動車における軽量・高速化という究極の目的に反している。この表皮は、吸音材の製造工程を複雑化するとともに、環境保護のために自動車部品をリサイクルする際に剥離・除去することを要するため、リサイクル経費が高くなってしまう。また、この繊維マット材は、遮音効果がある表皮が存在しても吸音性が未だに十分ではなく、吸音・防音性をいっそう向上させることが急務の課題である。
【0006】
本発明は、表皮を備える従来の吸音材に関する前記の問題を改善するために提案されたものであり、吸音性能と軽量化をいっそう向上させた自動車、電車、航空機などに用いる多密度構成のフェルト吸音材を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、特に低音域における吸音性を向上させ、しかも製造工程の単純でリサイクルが容易なフェルト吸音材を提供することである。本発明の別の目的は、成形性が優れ且つ吸音性能も向上しているダッシュボードインシュレータ、フロアインシュレータ、ルーフインシュレータを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るフェルト吸音材は、加熱成形によって所望の立体形状に成形でき、表側部および裏側部をニードルパンチングによって高密度化し且つ中間部がラップ状のままである上方マットと、相対的に肉厚で中密度である下方マットとで構成する。このフェルト吸音材では、両マットを所定の温度で加熱圧着することによって全体を一体化する。
【0008】
本発明のフェルト吸音材において、上方マットは、厚さ1.0〜3.0mmで密度0.050〜0.400g/cm3である表側部および裏側部と、厚さ3.0〜10mmで密度0.010〜0.100g/cm3である中間部とを有する。相対的に、表側部および裏側部は高密度におよび中間部は低密度になるように定める。また、下方マットは、厚さ10〜35mmで密度0.014〜0.150g/cm3であり、相対的に中密度である。
【0009】
本発明のフェルト吸音材において、上方マットと下方マットとの間に中間マットを配列させるならば、上方マットおよび中間マットとを合わせて実質的に低密度層が2層の高密度層の間に位置するように構成すればよい。このフェルト吸音材では、上方、中間および下方マットを加熱圧着することによって全体を一体化する。
【0010】
他方では、本発明のフェルト吸音材は、0.1〜10デニールの繊度範囲において繊度が異なる少なくとも2種の通常繊維50〜90重量%および繊度0.5〜15デニールである低溶融の熱融着性繊維10〜50重量%とを混綿して得たラップを積層した上方マットと、0.1〜10デニールの繊度範囲において繊度が異なる少なくとも2種の通常繊維60〜90重量%と、繊度0.5〜10デニールである低溶融の熱融着性繊維10〜40重量%とを混綿して得たラップを積層した下方マットとからなる。このフェルト吸音材では、上方および下方マットを所定の温度で加熱圧着することによって全体を一体化している。好ましくは、上方マットは厚さ5〜15mm、下方マットは厚さ10〜35mm、全体厚が15〜40mmであり、上方および下方マットに中空スパイラル形状の繊維を含んでいる。
【0011】
本発明のダッシュボードインシュレータは、フェルト吸音材の全体厚さが15〜40mmであり、プレス成形してからダッシュボードの裏側に接着する。本発明のフロアインシュレータは、フェルト吸音材の全体厚さが15〜40mmであり、フロアカーペット材の下側と接着してからプレス成形する。本発明のルーフインシュレータは、フェルト吸音材の上方および下方マットに含まれる熱融着性繊維は融点が100℃以上または結晶化タイプであり、且つ全体厚さが15〜40mmであり、天井表皮と接着してからプレス成形する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るフェルト吸音材1は、図1に例示するように、上方マット2の表側部6および裏側部7を高密度化し且つ中間部8がラップ状のままであり、一方、下方マット10が相対的に中密度である。吸音材1において、上方マット2の表側部6と裏側部7は密度0.050〜0.400g/cm3、中間部8は密度0.010〜0.100g/cm3、下方マット10は密度0.014〜0.150g/cm3であると好ましく、この範囲内にあると吸音材1の吸音性、遮音性、防音性をより高くできる。上方マット2の中間部8は、ラップ状のままで一般に低密度層に相当する。本発明の吸音材1において、その一部または全体における繊維密度の高低は相対的な評価であるから、吸音材1の低密度層や中密度層が別の吸音材の高密度層より密度が高くてもよい。
【0013】
フェルト吸音材1は、厚みが全体で15〜65mmであり、より軽量化を図るためには厚さ15〜40mmであると好ましい。フェルト吸音材1において、上方マット2は厚さ5〜15mmおよび下方マット10は厚さ10〜35mmであり、該上方マットの表側部6と裏側部7を厚さ1.0〜3.0mm、中間部8を厚さ3.0〜10mmに定めると、吸音材1の吸音性能を高めるうえで好ましい。所望に応じて、図7から図10に例示するように、中間マット36を上方マット2と下方マット10との間に介在させてもよい。
【0014】
中間マット36(図7)は、吸音材の吸音性能をさらに高めるために上方マット2と下方マット10との間に配列し、例えば、上方マット2と同じまたは類似の繊維構成であり、厚さは上方マット2と同様に5〜15mmであればよい。中間マット36には、上方マットと同様に高密度層38(図7)を表側部と裏側部に形成しても、表側部または裏側部の一方だけに形成してもよい。中間マット36は、上方マット2と合わせて、低密度層40(図7)が実質的に2層の高密度層の間に位置するように構成する。
【0015】
フェルト吸音材1では、通常、上方マット2および下方マット10において構成繊維の繊度と種類が異なる。上方マット2は、0.1〜10デニールの繊度範囲において繊度が異なる少なくとも2種の通常繊維50〜90重量%および繊度0.5〜15デニールである熱融着性繊維10〜50重量%とを混綿して得たラップを積層すると好ましい。また、下方マット10は、0.1〜10デニールの繊度範囲において繊度が異なる少なくとも2種の通常繊維60〜90重量%と、繊度0.5〜10デニールである熱融着性繊維10〜40重量%とを混綿して得たラップを積層すると好ましい。マット2,10において、合成または天然繊維である通常繊維が前記の含有範囲を超えると、全体が硬くなりすぎたり、形状を保持できずに後工程に支障を来すことがある
【0016】
前記の通常繊維は、通常では3〜6デニールの繊維を使用するけれども、より細デニールの繊維を混在させると吸音性を増大させることができる。この通常繊維として、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、ナイロン、芳香族ポリアミドなどの合成繊維、羊毛、木綿などの天然繊維、レーヨン、アセテートなどの化学繊維またはこれらを相互に混綿した繊維が例示でき、一般に繊度調整が容易なポリエステル繊維を使用すると好ましい。これらの構成繊維として、一部に反毛(回収再生綿)を用いてもよい。
【0017】
前記の熱融着性繊維は、通常繊維に対して融点が約20℃以下であればよく、通常、融点が90〜170℃である繊維、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、低融点ポリエステル、低融点ポリアミドまたはこれらの混合繊維などである。この熱融着性繊維は、低融点のポリプロピレンやポリエステルとエチレンまたはブテンとのコポリマーでもよく、芯鞘や並列のような2層型または多重並列や多芯のような多層型の複合繊維であってもよい。この熱融着性繊維には、比較的安価な低融点ポリエステル系繊維を用いると好ましい。この吸音材をルーフインシュレータ32(図6)として使用するならば、車両の室内温度上昇時の部材の垂れを考慮して、より融点の高い繊維または結晶化タイプの繊維を選択すればよい。
【0018】
前記の通常繊維および熱融着性繊維は、一般に白色または無色透明である。吸音材1をダッシュボードインシュレータ20(図5)に適用する際に、白い繊維がハンドルチルトアップ時などにダッシュパネル隙間から覗くならば、これらの繊維の一部または全部を黒系繊維に変更すればよい。通常繊維および熱融着性繊維ともに、黒色ポリエステル繊維を使用可能である。
【0019】
マット2,10からなる吸音材1では、吸音性能の向上を図るために、通常繊維および熱融着性繊維について、繊度が異なる繊維を5種類以上含み、しかも細い繊維を適宜加える。好ましくは、フェルト吸音材1の全体で繊度が異なる繊維が9種類以上含有し、各繊維の繊度が0.1〜6デニールの範囲において広く分散させる。
【0020】
上方マット2および下方マット10には、へたり防止のために、中空スパイラル形状の繊維(例えば、商品名:エスアップ、東洋紡製)を含むと好ましい。また、下方マット10には、潜在捲縮性繊維例えば潜在捲縮性ポリエステル系繊維(商品名:ナチューラ、東洋紡製)を5〜15重量%含有させると、加熱によって下方マット10をいっそう嵩高にできるので好ましい。
【0021】
上方マット2および下方マット10は、通常繊維および熱融着性繊維を混綿し、この混綿は公知のラップフォーミング方法によって全体を均一に行い、ついで展綿・積層すればよく、カード方式以外で製造したラップも使用可能である。フェルト吸音材1は、所定の温度で加熱圧着するので全体を一体化させ、該フェルト吸音材に基布層や接着剤層などの境界が存在しない。
【0022】
フェルト吸音材1を製造するには、図2(1)に示すように、所定量の通常繊維および熱融着性繊維をそれぞれカーディング機3で混綿し、得たラップを積層して上方マット2を形成する。上方マット2は、通常のロッキングニードル機4,5によって、表側部6および裏側部7をそれぞれ浅く高密度にニードルパンチングすることにより、部分的に高密度化し、中間部8はラップ状つまり低密度の綿状繊維組織のままである。上方マット2について、表側部6、裏側部7、中間部8をそれぞれ別個に形成し、加熱圧着時に全体を重ね合わせて一体化してもよい。
【0023】
一方、下方マット10として、所定量の通常繊維および熱融着性繊維をそれぞれカーディング機(図示しない)で混綿し、得たラップ12を裏向きの上方マット2に振り分けて所定量積層する(図3参照)。積層した嵩高マット14は、図2(2)に示すように、ベルトコンベアで走行させて熱処理炉15に送り込んで加熱し、該炉を出るとローラ対16などで加熱圧着することで一体化させる。重合したマット2,10は、公知のホットプレス(図示しない)に送って加熱圧着してもよい。したがって、この加熱圧着は、バッチ処理または連続処理のいずれも可能である。上方マット2および下方マット10は、適量の熱融着性繊維が介在することによって容易に熱接着する。
【0024】
本発明により、板状のフェルト吸音材1からダッシュボードインシュレータ20(図5)、フロアインシュレータ26(図6)、ルーフインシュレータ32(図6)などを製造できる。フェルト吸音材1を加熱成形する場合には、通常、約160〜280℃で短時間加熱し、直ちに冷間プレスで立体成形してから適宜にトリミングすればよい。
【0025】
フェルト吸音材1は、苛酷な使用環境において機械的性質および耐熱性が優れ、目付が750〜2600g/m2であるから厚さに比べて軽量である。フェルト吸音材1は、熱融着性繊維を10〜50%含むことにより、加熱後に直ちにプレスすると所望の形状に成形でき、複雑の立体形状を有する自動車33(図6)および電車用部品として用いると好適である。吸音材1では、ボルト孔21(図5)などの穿孔作業および切断作業時にガラス粉のような粉塵が発生せず、作業環境の悪化を顧慮する必要がない。
【0026】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1
図1に示すフェルト吸音材1の上方マット2を製造するため、カーディング機3(図2)に、6デニールの白色ポリエステル繊維30%、3デニールの白色ポリエステル繊維20%と、6デニールの中空スパイラルクリンプポリエステル繊維(商品名:エスアップ)20%と、4デニールの白色低融点ポリエステル系繊維(商品名:メルティー、ユニチカ製)30%とを投入する。
【0028】
カーディング機3で混綿・積層したマット素材は、実際には裏向きの状態であり、ロッキングニードル機4で裏側を270本/cm2の針密度で浅く高密度にニードルパンチングし、ついで、ロッキングニードル機5で表側も270本/cm2の針密度で浅く高密度にニードルパンチングする。この結果、上方マット2において、表側部6および裏側部7が高密度になり、中間部8が低密度の綿状繊維組織のままである。
【0029】
一方、下方マット10用のマット素材として、3デニールの白色ポリエステル繊維30%、0.75デニールの白色ポリエステル繊維30%と、2デニールの白色低融点ポリエステル系繊維(商品名:メルティー)20%、6デニールの中空スパイラルクリンプポリエステル繊維(商品名:エスアップ)10%と、2.5デニールの白色潜在捲縮性ポリエステル系繊維(商品名:ナチューラ)10%とを用い、別のカーディング機(図示しない)において相互に混綿してラップ12を得る。ラップ12は、図3に示すように、裏向きの上方マット2の上に振り分けて所定量積層して嵩高マット素材を製造する。
【0030】
次に、図2(2)に示すように、嵩高マット素材14を熱風乾燥炉15において180℃で1分間加熱し、公知の成形ローラ対16で全体を圧着してから冷風冷却室18に送り込む。上方マット2の裏側部と積層ラップとは、適量の熱融着性繊維が介在することによってローラ対16で熱接着され、積層ラップは下方マット10(図1)となる。得た吸音材1は、見掛け総目付1600g/m2および見掛け厚さ25mmである。
【0031】
吸音材1における厚さ約8mmの上方マット2について、表側部6は厚さ1.5mmで目付200g/m2、中間部8は厚さ5mmで目付200g/m2、裏側部7は厚さ1.5mmで目付200g/m2である。また、下方マット10は厚さ約17mmおよび目付1000g/m2である。この結果、上方マット2の表側部6および裏側部7は密度0.133g/cm3である相対的な高密度層であり、中間部8は密度0.040g/cm3である低密度層となる。また、下方マット10は密度0.059g/cm3である相対的な中密度層である。
【0032】
吸音材1の重量は、現行のダッシュボードインシュレータに比べると約25%から最大45%も軽くなり、自動車33(図6)や電車などの車両搭載の際に有利である。また、吸音材1では、上方マット2が擬似表皮に相当し、表皮の廃止によって全体が一体化して加工時間を短縮でき、自動車部品をリサイクルする際にリサイクルが容易になる。
【0033】
試験例1
実施例1で製造した吸音材1の吸音性能を確認するため、垂直入射法によって上方マット2側から入射した場合および下方マット10側から入射した場合の吸音性を測定し、さらに同様に単層の吸音材についても測定し、それぞれの結果を図4のグラフに示す。単層の吸音材は、実施例1の上方マット2と同様の繊維構成であり、加熱圧着によって見掛け目付1600g/m2および見掛け厚さ25mmであるから、密度0.06g/cm3で相対的な中密度層に相当する。
【0034】
この試験結果から、実施例1で得た吸音材1は、単層の吸音材に比べて殆どの周波数において吸音性能が優れ、特に低周波数域において独特の高い吸音性能を発揮する。この理由としては、図1右側に例示するように、上方マット2側から入射した音(ノイズ)Sを上方マット2における高密度層間で反射を繰り返して封じ込め、且つ滞留時間を長くして波長を減衰させ、該マットを透過した一部の音S'も下方マット10つまり中密度層でさらに吸収される多密度構成に依る。吸音材1は、上方マット2および下方マット10により細いデニールの通常繊維を多種加えることにより、低音域における吸音率をいっそう良化させることが可能である。
【0035】
実施例2
実施例1で製造した板状のフェルト吸音材1を160〜260℃で9〜60秒間加熱し、直ちに冷間プレスで成形し、ついでトリムプレスによって形状トリミングすると、例えばダッシュボードインシュレータ20(図5)を製造できる。成形したインシュレータ20は、ダッシュボード(図示しない)の車体パネルの裏側にアクリル系接着剤を塗布してから貼り合わせる。得たインシュレータ20は、現行品よりも23〜45%軽く、吸音性能が向上することにより、自動車内部における遮音効果をいっそう高める。インシュレータ20では、取付用のボルト孔21の穿孔作業時にガラス粉のような粉塵が発生せず、作業環境の悪化を顧慮する必要がない。
【0036】
実施例3
図6の下方に示すように、実施例1で製造した板状のフェルト吸音材1を接着シート22または接着剤を介してフロアカーペット材24の下面と貼り合わせ、180〜280℃で30〜120秒間加熱し、直ちに冷間プレスでプレス成形し、ついでトリムプレスによって形状トリミングする。成形したフロアインシュレータ26は、自動車のフロア表側にアクリル系接着剤を塗布してから貼り合わせる。得たフロアインシュレータ26は、現行品よりもかなり軽く、吸音性能が向上することにより、自動車内部における遮音効果をいっそう高める。
【0037】
実施例4
図6の上方に示すように、実施例1で製造した板状のフェルト吸音材1を接着シート28または接着剤を介して天井表皮30の下面と貼り合わせ、180〜280℃で30〜120秒間加熱し、直ちに冷間プレスでプレス成形し、ついでトリムプレスによって形状トリミングする。成形したルーフインシュレータ32は、ダッシュボードの車体パネルの裏側にアクリル系接着剤を塗布してから貼り合わせる。得たフロアインシュレータ32は、現行品よりもかなり軽く、吸音性能が向上することにより、自動車内部における遮音効果をいっそう高める。
【0038】
実施例5
図7に示すフェルト吸音材34には、実施例1における上方マット2と下方マット10との間に、中間マット36を介在させる。中間マット36は、上方マット2と同じ繊維構成および同じ厚みである。重合した上方マット2と中間マット36の上に、実施例1と同様の下方マット用ラップを振り分けて下方マット10を配列する。図2(2)に示すように、得た嵩高マット素材を熱風乾燥炉において180℃で1分間加熱し、公知の成形ローラ対で全体を圧着してから冷風冷却室に送り込む。上方マット2、中間マット36および下方マット10は、適量の熱融着性繊維が介在することによってローラ対で熱接着できる。
【0039】
得た吸音材34は、見掛け総目付2200g/m2および見掛け厚さ33mmである。上方マット2および中間マット36は、厚さ約8mmであり、両者の表側部および裏側部は厚さ1.5mmで目付200g/m2、中間部は厚さ5mmで目付200g/m2である。また、下方マット10は厚さ約17mmおよび目付1000g/m2である。
【0040】
吸音材34では、上方マット2および中間マット36とを合わせて、両マットの表側部および裏側部がそれぞれ高密度層38に相当する。低密度層40が、それぞれ2層の高密度層38の間に位置し、該低密度層は2層存在する。
【0041】
実施例6
図8に示すフェルト吸音材42には、実施例5と同様に中間マット44を介在させる。中間マット44は、上方マット2と同じ繊維構成であるが、最終的に厚さ約5mmになるように定め、その表側だけをニードルパンチングして、厚さ1.5mmで目付200g/m2となる表側部46だけを形成する。ついで重合した上方マット2と中間マット44の上に下方マット10を配列してから、実施例5と同様に加熱処理して、見掛け総目付1940g/m2および見掛け厚さ30mmのフェルト吸音材42を得る。
【0042】
吸音材42では、上方マット2および中間マット44とを合わせて、上方マット2の表側部と裏側部ならびに中間マット44の表側部46が高密度層48に相当する。低密度層50が、2層の高密度層48の間に位置している。
【0043】
実施例7
図9に示すように、中間マット52を実施例5と同様に介在させる。図9の吸音材54では、上方マット55の表側部56および中間マット52の裏側部58だけをニードルパンチングして、高密度の表側部56および裏側部58を形成する。重合した上方マット55と中間マット52の上に下方マット10を配列してから、実施例5と同様に加熱処理して、見掛け総目付1800g/m2および見掛け厚さ30mmのフェルト吸音材54を得る。
【0044】
吸音材54では、上方マット55および中間マット52とを合わせて、上方マット55の表側部56および中間マット52の裏側部58が高密度層62に相当する。低密度層64が、2層の高密度層62,62の間に位置している。
【0045】
実施例8
図10に示すように、実施例7と同様の上方マット55および中間マットを用いるけれども、この中間マット64では表側部66だけを高密度化する。重合した上方マット55と中間マット64の上に下方マット10を配列してから、実施例5と同様に加熱処理して、見掛け総目付1800g/m2および見掛け厚さ30mmのフェルト吸音材68を得る。
【0046】
吸音材68では、上方マット55および中間マット64とを合わせて、上方マット55の表側部56および中間マット64の表側部66が高密度層70に相当する。低密度層72は2層の高密度層70,70の間に位置している。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係るフェルト吸音材は、従来の吸音材と比較すると低音域から高音域に至る殆どの周波数において吸音性能が優れ、特に低周波数域において独特の高い吸音性能を発揮する。本発明のフェルト吸音材は、多種の原料繊維を含む多密度構成であり、上方マットでは低密度層を高密度層でサンドイッチした仕様として、音の封じ込めと反射を繰り返させて吸音性能を高めている。
【0048】
本発明のフェルト吸音材は、PVCなどの表皮が存在しないことで軽量化および製造工程の簡素化を達成することにより、製造時間を短縮し且つ製造コストを節減するとともに、吸音材の軽量化によって自動車、電車や航空機などにおける究極の目的である高速・軽量化に十分に寄与する。本発明のフェルト吸音材は、表皮が介在しないうえにポリエステル繊維などで全体を単一化すると、環境保護のために自動車部品をリサイクルする際に部分的な剥離や除去が不要となり、全体を同時処理してリサイクル経費を抑制できる。
【0049】
本発明のフェルト吸音材は、加熱後の冷間プレスなどによって所望の立体形状に成形でき、ダッシュボードインシュレータとして、自動車内部などの狭い設置個所で複雑な形状に成形して敷設できる。本発明のフェルト吸音材は、成形性が優れているので、ダッシュボードインシュレータのほかにフロアインシュレータおよびルーフインシュレータとして、あるいは別個の遮音・防音用途にも適用できる。本発明のフェルト吸音材により、エンジンルームなどの数多くの騒音発生源から発生する種々の騒音を効率良く吸音・遮音でき、ドライバが静かで快適なツーリングを満喫し且つ騒音公害も減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフェルト吸音材の概略断面図である。
【図2】 フェルト吸音材の製造工程を示し、(1)は上方マットの形成、(2)は嵩高マット素材の加工順である概略説明図である。
【図3】 下方マットの製造工程を示す概略側面図である。
【図4】 本発明のフェルト吸音材の吸音率を示すグラフである。
【図5】 ダッシュボードインシュレータを例示する概略断面図である。
【図6】 フロアインシュレータおよびルーフインシュレータを例示する概略断面図である。
【図7】 本発明の変形例を示す概略断面図である。
【図8】 本発明の第2変形例を示す概略断面図である。
【図9】 本発明の第3変形例を示す概略断面図である。
【図10】 本発明の第4変形例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 フェルト吸音材
2 上方マット
6 表側部
7 裏側部
8 中間部
10 下方マット
12 ラップ
20 ダッシュボードインシュレータ
26 フロアインシュレータ
32 ルーフインシュレータ
36 中間マット
Claims (7)
- 加熱成形によって所望の立体形状に成形できるフェルト吸音材であって、表側部および裏側部をニードルパンチングによって高密度化し且つ中間部が低密度のままである上方マットと、該上方マットよりも肉厚である下方マットとからなり、上方マットは密度0.050〜0.400g/cm3である表側部と裏側部ならびに密度0.010〜0.100g/cm3である中間部を有し、且つ下方マットは密度0.014〜0.150g/cm3であって上方マットの表側部と裏側部より低密度であり、両マットを所定の温度で加熱圧着することによって全体を一体化している多密度構成のフェルト吸音材。
- 加熱成形によって所望の立体形状に成形できるフェルト吸音材であって、表側部および裏側部をニードルパンチングによって高密度化して密度0 . 050〜0 . 400g/cm 3 であり且つ中間部が密度0 . 010〜0 . 100g/cm 3 である上方マットと密度0 . 014〜0 . 150g/cm 3 の下方マットとの間に中間マットを配列させ、上方マットおよび中間マットとを合わせて実質的に低密度層が2層の高密度層の間に位置するように構成し、上方、中間および下方マットを加熱圧着することによって全体を一体化しているフェルト吸音材。
- 加熱成形によって所望の立体形状に成形できるフェルト吸音材であって、0.1〜10デニールの繊度範囲において繊度が異なる少なくとも2種の通常繊維50〜90重量%および繊度0.5〜15デニールである低溶融の熱融着性繊維10〜50重量%とを混綿して得たラップを積層してからニードルパンチングによって表側部および裏側部を高密度化して密度0 . 050〜0 . 400g/cm 3 であり且つ中間部が密度0 . 010〜0 . 100g/cm 3 である上方マットと、0.1〜10デニールの繊度範囲において繊度が異なる少なくとも2種の通常繊維60〜90重量%と、繊度0.5〜10デニールである低溶融の熱融着性繊維10〜40重量%とを混綿して得たラップを積層した密度0 . 014〜0 . 150g/cm 3 の下方マットとからなり、両マットを所定の温度で加熱圧着することによって全体を一体化しているフェルト吸音材。
- 上方マットは厚さ5〜15mm、下方マットは厚さ10〜35mm、全体厚が15〜40mmであり、上方および下方マットに中空スパイラル形状の繊維を含む請求項1から3のいずれかに記載のフェルト吸音材。
- 所望の立体形状に加熱成形できるフェルト吸音材であって、表側部および裏側部をニードルパンチングによって高密度化し且つ中間部が低密度のままである上方マットと、該上方マットよりも肉厚である下方マットとからなり、上方マットは密度0.050〜0.400g/cm3である表側部と裏側部ならびに密度0.010〜0.100g/cm3である中間部を有し、且つ下方マットは密度0.014〜0.150g/cm3であって上方マットの表側部と裏側部より低密度であり、全体厚さが15〜40mmであり、プレス成形してからダッシュボードの裏側に接着するダッシュボードインシュレータ。
- 所望の立体形状に加熱成形できるフェルト吸音材であって、表側部および裏側部をニードルパンチングによって高密度化し且つ中間部が低密度のままである上方マットと、該上方マットよりも肉厚である下方マットとからなり、上方マットは密度0.050〜0.400g/cm3である表側部と裏側部ならびに密度0.010〜0.100g/cm3である中間部を有し、且つ下方マットは密度0.014〜0.150g/cm3であって上方マットの表側部と裏側部より低密度であり、全体厚さが15〜40mmであり、フロアカーペット材の下側と接着してからプレス成形するフロアインシュレータ。
- 所望の立体形状に加熱成形できるフェルト吸音材であって、表側部および裏側部をニードルパンチングによって高密度化し且つ中間部が低密度のままである上方マットと、該上方マットよりも肉厚である下方マットとからなり、上方マットは密度0.050〜0.400g/cm3である表側部と裏側部ならびに密度0.010〜0.100g/cm3である中間部を有し、且つ下方マットは密度0.014〜0.150g/cm3であって上方マットの表側部と裏側部より低密度であり、上方および下方マットに含まれる熱融着性繊維は融点が100℃以上または結晶化タイプであり、全体厚さが15〜40mmであり、天井表皮と接着してからプレス成形するルーフインシュレータ。
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