JPH08182471A - 溶解性改良ゼラチン、その製造方法および原料ゼリー - Google Patents

溶解性改良ゼラチン、その製造方法および原料ゼリー

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JPH08182471A
JPH08182471A JP6338780A JP33878094A JPH08182471A JP H08182471 A JPH08182471 A JP H08182471A JP 6338780 A JP6338780 A JP 6338780A JP 33878094 A JP33878094 A JP 33878094A JP H08182471 A JPH08182471 A JP H08182471A
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gelatin
jelly
water
solubility
soluble substance
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JP6338780A
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Toshihiko Ushizawa
利彦 牛沢
Wataru Kikuchi
渉 菊池
Akinori Ito
明徳 伊藤
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MIYAGI CHEMICAL IND
MIYAGI KAGAKU KOGYO KK
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MIYAGI CHEMICAL IND
MIYAGI KAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価かつ容易に、高い品質で製造できる。ママ
コができず、溶解性が大きく改善される。 【構成】ゼラチン製造工程の乾燥前の20〜50重量%
のゲル化したゼリーを細かくカットし、その表面積を大
きくする。このゼリーに、5〜50重量%の低分子化し
たゼラチンまたは糖などの水溶性物質を、無水物として
ゼラチンに対し5〜50重量%、吸着吸収させる。これ
を乾燥、粉砕する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水や熱水への分散性お
よび溶解性を改良した溶解性改良ゼラチン、その製造方
法および原料ゼリーに関する。
【0002】
【従来の技術】ゼラチンは、牛の骨や皮、豚の皮などの
原料に含まれるコラーゲンを、温水で抽出した後、精
製、乾燥して得ることができ、写真用、食用、医薬用な
ど様々な分野で広く使われている。
【0003】一般に、ゼラチンは、希塩酸や希硫酸など
の酸液または、石灰乳などのアルカリ液に、原料の皮な
どを数時間から数十日間、漬け込んだ後、水洗して温水
で抽出し、この抽出液を濾過、濃縮後、冷却してゼリー
とし、このゼリーを乾燥装置で乾燥して製造される。さ
らに、ユーザーの希望に合わせるため、このゼラチンを
粉砕、混合して製品化するのが一般的である。
【0004】ゼラチンは使用に際して溶解されるが、ゼ
ラチンを溶解する方法には、冷水で膨潤させてから加温
して溶かす方法と、熱水を攪拌しながらゼラチンを投入
して直接溶かす方法とがある。後者は前者に比べて手間
や時間がかからないため、家庭向けの調理用ゼラチン
で、しばしば行われている。
【0005】ゼラチンを熱水に直接溶かす場合、その溶
解速度はゼラチン粒子の大きさで決まる。すなわち、粒
子が大きいと時間がかかり、小さいと速く溶ける。しか
し、熱水への分散性が悪いゼラチンでは、ママコができ
てしまい、溶解に時間がかかるという欠点があった。一
般に、42メッシュよりも大きい粒子の場合、分散性が
良いためママコにはなりにくいが、粒子が大きい分だ
け、溶解しにくい。42メッシュ以下の粒子の場合、熱
水中の分散性が悪いため、粒子同士がくっついて大きな
粒子状のママコとなり、溶解しにくくなる。
【0006】ゼラチン粒子の分散性を改良し、この欠点
を解決するため、種々の技術が開発されている。例え
ば、水をバインダーとしてゼラチンの微粉を造粒する
方法(特公平3−51386号公報参照)、ゼラチン
をバインダーとしてゼラチンの微粉を造粒する方法(特
公平1−39689号公報参照)、ゼラチン微粉粒子
をアミノ酸、糖類、塩類、水溶性ペプチドなどの水溶性
物質で被覆する方法(特開平4−23834号公報参
照)、ゼラチン粒子を加水分解されたゼラチンのフィ
ルムで被覆する方法(特開昭62−121729号公報
参照)、ゼラチンとゼラチン分解物とを高濃度の液で
混合した後、乾燥微粉化する方法(特開平5−1867
42号公報参照)などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術のうち〜の方法では、造粒機などの
設備が必要となるため、設備と設置場所に費用がかか
り、また、粉砕、混合工程後、造粒機などにかけるため
に工程数が増え、製造に手間がかかるという問題点があ
った。従来のの方法では、分散性の効果が極めて弱
く、溶解性を高めるためにゼラチン分解物の割合を高く
すると、ゼリー強度などの物性が低下し、品質が低下す
るという問題点があった。
【0008】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、安価かつ容易に、高い品質で製造
することができ、溶解性が大きく改善された溶解性改良
ゼラチン、その製造方法および原料ゼリーを提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る溶解性改良ゼラチンは、水溶性物質を
吸着吸収していることを特徴とする。
【0010】本発明に係る溶解性改良ゼラチンの製造方
法は、ゲル化した未乾燥のゼリーに水溶性物質を吸着吸
収させ、乾燥した後、粉砕することを特徴とする。特
に、この方法では、ゲル化した未乾燥のゼリーの表面積
を大きくし、このゼリーに水溶性の低分子化ゼラチンを
吸着吸収させ、乾燥した後、粉砕することが好ましい。
【0011】本発明に係る溶解性改良ゼラチンの原料ゼ
リーは、ゲル化した未乾燥のゼリーであって、水溶性物
質を吸着吸収していることを特徴とする。
【0012】本発明者は、ゼラチンの水、特に、熱水へ
の分散性および溶解性を向上させる研究を重ね、ゼラチ
ン製造工程において乾燥工程前のゲル化したゼリーに水
溶性物質を吸着吸収させることにより、著しい溶解性改
善効果があることを発見した。本発明において、水溶性
物質とは、水に溶けやすい物質であって、例えば、低分
子化ゼラチン、糖類、塩類、アミノ酸などが含まれる。
水溶性物質は、1種のみから成っても、2種以上の物質
から成ってもよい。
【0013】低分子化ゼラチンとは、ゲル化能を示さな
い程度に低分子化されたゼラチンであって、平均分子量
20,000以下のものが好ましい。低分子化ゼラチン
は、例えば、ゼラチンを、加熱、酸処理、アルカリ処
理、あるいは蛋白質分解酵素による処理のいずれかで、
またはこれらの2以上の処理を組み合わせて、液状に分
解して製造することができる。
【0014】糖類には、例えば、グラニュー糖、キシロ
オリゴ糖、グルコース、フラクトース、ソルビトールな
どが含まれる。塩類には、例えば、食塩、塩化カリウム
などが含まれる。アミノ酸には、例えば、グリシン、L
−グルタミン酸、L−リジンなどが含まれる。
【0015】溶解性改良ゼラチンおよびゼリーの原料
は、牛や豚など動物の骨、軟骨、皮、腱、筋膜など、一
般のゼラチン原料を用いることができる。ゼリーは、一
般のゼラチン製造工程において製造される中間体であっ
て、例えば、骨や皮などの原料から水洗、精製処理、水
洗、抽出、濾過、濃縮、冷却の工程を経て製造すること
ができる。精製処理の際の、原料の漬け込み液は、酸液
であっても、アルカリ液であってもよい。
【0016】ゼリーには、着色剤、糖類、調味料、栄養
強化剤、塩類、可塑剤、界面活性剤、その他の添加剤を
加えてもよい。ゼリーの物性は、ゼラチンを製造した場
合ゲル化するものであれば、高くても低くてもよいが、
特に、ゼリー強度が80ブルーム以上のものが好まし
い。ゼリーの濃度は、20〜50重量%のものが用いら
れる。
【0017】水溶性物質は、溶解性改良ゼラチンまたは
原料ゼリーの中心部までまんべんなく吸着吸収されてい
ることが好ましい。ゼリーは、水溶性物質の吸着吸収を
高めるため、できるだけ表面積が大きいことが好まし
い。表面積を大きくするには、例えば、ゼリーをシート
状や線状、賽の目状、細粒状にする方法を用いることが
できる。シート状にした場合、1〜5mm厚のものが好
ましい。線状にした場合、直径、1.5〜5mmのもの
が好ましい。賽の目状にした場合、一辺が1.5〜5m
mのものが好ましい。細粒状にする場合、プレート目が
1.5〜5mmφのチョッパーを用いることが好まし
い。
【0018】水溶性物質をゼリーに吸着吸収させる方法
は、水溶性物質の溶液にゼリーを浸漬させる方法、ゼリ
ーを攪拌しながら、ゼリーに水溶性物質の溶液を噴霧す
る方法、その他、ゼリーに対し水溶性物質を均一に吸着
吸収させる方法であれば、いかなる方法であってもよ
い。水溶性物質のゼリーへの吸着吸収は、水溶性物質が
ゼリーに浸透すると捉えてもよい。水溶性物質の溶液の
溶媒は、水のほか、沈澱を起こさない範囲で、一部の水
をアルコールに代えたものであってもよい。水溶性物質
をゼリーに吸着吸収させる温度は、0〜20℃であり、
特に、5〜10℃が好ましい。
【0019】水溶性物質のゼリーへの吸着吸収率は、無
水物としてゼラチンに対し5〜50重量%であり、特
に、10〜25重量%が好ましい。吸着吸収に用いられ
る水溶性物質の溶液の濃度は、5〜50重量%の範囲で
ある。しかしながら、水溶性物質の溶液の濃度があまり
低濃度の場合には、ゼリーに水が多く吸収されて乾燥に
時間がかかり、高濃度の場合には、ゼリーにまんべんな
く吸着吸収させるのに吸着吸収率を高める結果、ゼリー
強度の物性が低下してしまう。このため、水溶性物質の
溶液の濃度は、特に、10〜25重量%の範囲が好まし
い。
【0020】水溶性物質を吸着吸収させたゼリーは、溶
解性改良ゼラチンの原料とすることができ、これを乾燥
および粉砕することにより溶解性改良ゼラチンを製造す
ることができる。乾燥および粉砕には、通常のゼラチン
の製造に使用する方法および装置を適用できる。粉砕の
程度は、42メッシュ以下、特に、42〜100メッシ
ュの範囲が好ましい。
【0021】溶解性改良ゼラチンは、家庭向け調理用な
ど食用のほか、写真用、医薬用などいかなる用途に利用
してもよい。吸着吸収させる水溶性物質は、用途に応じ
て選択することが好ましい。例えば、甘味を添加した食
用ゼリー用には、水溶性物質として糖類を用いることが
好ましい。
【0022】
【作用】ゼリーの内部で、低分子の物質は分子運動によ
り自由に拡散する。低分子物質の拡散速度は、ゼリーの
濃度が高いほど遅く、低いほど速い。従って、低分子物
質の移動は、ゼラチン粒子中では水分が少ないため非常
に遅く、ゼリー中では水分が多いため速い。
【0023】低分子の水溶性物質は、吸着吸収されて、
ゼリーの表面ばかりでなくその中心部まで入り込む。低
分子の水溶性物質が入り込むのは、ゼリー構成分子によ
る網目構造の隙間の部分である。このゼリーを乾燥して
ゼラチンにした場合にも、水溶性物質は、ゼラチンの表
面を被覆しているだけでなく、ゼラチンの中心部にある
ゼラチン構成分子による網目構造の隙間にまで入り込ん
でいる。従って、このゼラチンを粉砕した場合、水溶性
物質は、粉砕物の表面にあるゼラチン構成分子の網目構
造の隙間に存在する。
【0024】このゼラチンを熱水に溶解するとき、水溶
性物質があるため、ゼラチンの網目構造の隙間に熱水が
速やかに入り込む。このため、ゼラチンは、濡れがよ
く、ママコになりにくく、溶けやすい。
【0025】なお、水溶性物質をゼリーの状態にゲル化
する前に混合した場合には、ゼラチンの網目構造を構成
する一本鎖の中に水溶性物質のほとんどが閉じ込められ
てしまう。この一本鎖は、ゼラチンにしたとき熱水が入
り込みにくい分子構造のため、このゼリーをゼラチンに
した場合、閉じ込められた水溶性物質は溶解性を高め
ず、このゼラチンはあまり溶けやすくならない。
【0026】
【実験例】溶解性改良ゼラチンに、内部まで水溶性物質
が入り込んでいることを確かめるため、以下の実験を行
った。
【0027】まず、皮由来のアルカリ処理原料を抽出、
濾過、濃縮、冷却し、35重量%濃度のゼリーを製造し
た。このゼリーをカッターで一辺が4mmの賽の目状に
カットした。このゼリー500gを25重量%濃度、分
子量4,000〜250,000のカラメル溶液113
gに2時間浸漬し、全量を吸着吸収させた後、乾燥、粉
砕した(実験例)。また、比較のため、このゼリー50
0gを水分10%まで乾燥してから、これに同量の同じ
カラメル溶液を塗布しながら乾燥し、粉砕した(比較実
験例)。両者を色差計で測定した。その測定結果を表1
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】観察の結果、カラメルを吸着吸収させた実
験例のものでは、どの粒子もカラメルで茶色に着色して
いるのに対し、乾燥後にカラメルを塗布した比較実験例
のものでは、茶色の粒子と白色の粒子とが混在してい
た。このことは、表1の数値により裏付けられる。この
ように、溶解性改良ゼラチンでは、内部まで水溶性物質
のカラメルが入り込むことがわかる。
【0030】以下、本発明の実施例1〜5について説明
する。
【実施例1】骨由来のアルカリ処理原料を抽出、濾過、
濃縮、冷却し、30重量%濃度のゼリーを作った。この
ゼリーを、3mmφ目のプレートを装着した電動チョッ
パーで細かくカットした。この細かくしたゼリー500
gを、内径16cm、口内径10cm、容量3リットル
の蓋無し円柱型容器に入れ、入口側を12°傾け起こし
た状態で、85rpmで回転攪拌した。攪拌中のゼリー
に、噴霧器で20重量%の低分子化したゼラチン溶液を
113g、毎分100gで噴霧して吸着吸収させた。低
分子化したゼラチンは、骨由来のアルカリ処理原料から
製造したゼラチンを、蛋白質分解酵素(天野製薬株式会
社製、商品名『プロテアーゼN「アマノ」』)により、
ゲル化能を示さない程度に低分子化したものである。
【0031】吸着吸収処理後のゼリーを温風乾燥した
後、粉砕機で粉砕し、JIS標準篩により42〜100
メッシュの粒度に調製して、溶解性改良ゼラチンを得た
(実施例1)。
【0032】製造した実施例1の溶解性改良ゼラチンの
特性を比較するため、比較例1.1および比較例1.2
を準備した。まず、比較例1.1として、実施例1と同
様に細かくしたゼリー500gに、低分子化したゼラチ
ン溶液を噴霧しない点を除き、実施例1と同様に処理し
たものを準備した。また、比較例1.2として、低分子
化したゼラチン溶液113gを、ゼリーに噴霧する代わ
りに、ゼリー化する前のゾルの段階のものに添加、混合
した後、ゼリー化し、その他は実施例1と同様に処理し
たものを準備した。
【0033】準備した実施例1、比較例1.1および比
較例1.2について、ゼリー強度、粘度、ならびに熱水
への分散性および溶解性を測定した。ゼリー強度および
粘度の測定は、JIS−6503の方法で行った。熱水
への分散性の測定は、100mlビーカーに80℃の熱
水100mlを用意し、これにゼラチン0.5gを投入
して、すべての粒子が濡れるまでの時間を測定して行っ
た。熱水への溶解性の測定は、300mlビーカーに8
0℃の熱水200mlを用意し、スターラーを用いて6
50rpmで攪拌しながら、これにゼラチン5gを投入
して、すべての粒子が溶けるまでの時間を測定して行っ
た。この結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2をみると、実施例1のゼラチンは、マ
マコが発生せず、比較例1・1および比較例1・2のゼ
ラチンと比べて、分散性および溶解性が極めて優れてお
り、しかも、ゼリー強度および粘度が殆ど低下していな
いことがわかる。
【0036】
【実施例2】皮由来の酸処理原料を抽出、濾過、濃縮、
冷却し、30重量%濃度のゼリーを作った。このゼリー
を、2mmφ目のプレートを装着した電動チョッパーで
細かくカットした。この細かくしたゼリー500gを、
実施例1と同様の方法で攪拌しながら、これに噴霧器で
20重量%の低分子化したゼラチン溶液を75g、毎分
100gで噴霧して吸着吸収させた。低分子化したゼラ
チンは、皮由来のアルカリ処理原料から製造したゼラチ
ンを、蛋白質分解酵素により、ゲル化能を示さない程度
に低分子化したものである。吸着吸収処理後のゼリーを
実施例1と同様の方法で処理し、溶解性改良ゼラチンを
得た(実施例2)。
【0037】製造した実施例2の溶解性改良ゼラチンの
特性を比較するため、比較例2を準備した。比較例2
は、実施例2と同様に細かくしたゼリー500gに、低
分子化したゼラチン溶液を噴霧しない点を除き、実施例
2と同様に処理して準備した。
【0038】準備した実施例2および比較例2につい
て、実施例1と同様に、ゼリー強度、粘度、ならびに熱
水への分散性および溶解性を測定した。この結果を表3
に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【実施例3】骨由来のアルカリ処理原料を抽出、濾過、
濃縮、冷却し、35重量%濃度のゼリーを作った。この
ゼリーを、1.5mmφ目のプレートを装着した電動チ
ョッパーで細かくカットした。この細かくしたゼリー5
00gをポリエチレン製ネットに入れて、実施例1と同
様にして製造した低分子化ゼラチン溶液を25重量%の
濃度に調製した溶液に10秒間、浸漬し、低分子化ゼラ
チンをゼリーに吸着吸収させた。ゼリーから余分な溶液
をただちに遠心分離器により除いた後、このゼリーを実
施例1と同様の方法で処理し、溶解性改良ゼラチンを得
た(実施例3)。ゼリーに吸着吸収された低分子化ゼラ
チン溶液の重量は、175gであった。
【0041】製造した実施例3の溶解性改良ゼラチンの
特性を比較するため、比較例3を準備した。比較例3
は、実施例3と同様に細かくしたゼリー500gを、低
分子化したゼラチン溶液に浸漬しない点を除き、実施例
3と同様に処理して準備した。
【0042】準備した実施例3および比較例3につい
て、実施例1と同様に、ゼリー強度、粘度、ならびに熱
水への分散性および溶解性を測定した。この結果を表4
に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
【実施例4】骨由来のアルカリ処理原料を抽出、濾過、
濃縮、冷却し、30重量%濃度のゼリーを作った。この
ゼリーを、2mmφ目のプレートを装着した電動チョッ
パーで細かくカットした。この細かくしたゼリー500
gをポリエチレン製ネットに入れたものを3つ準備し
た。この3つのネット入りのゼリーを、それぞれ、以下
の〜の水溶性物質の溶液に10秒間、浸漬し、各溶
液をゼリーに吸着吸収させた。の溶液は、実施例1と
同様にして製造した低分子化ゼラチン溶液を35重量%
の濃度に調製した溶液57部と、エタノール43重量部
とを混合した溶液、の溶液は、グラニュー糖20重量
部と、水33重量部と、エタノール47重量部とを混合
した溶液、の溶液は、キシロオリゴ糖20重量%水溶
液であった。
【0045】それぞれ、ゼリーから余分な溶液をただち
に遠心分離器により除いた後、そのゼリーを実施例1と
同様の方法で処理し、〜の各溶液に浸漬したものか
ら、溶解性改良ゼラチン(実施例4.〜)をそれぞ
れ得た。ゼリーに吸着吸収された低分子化ゼラチン溶液
の重量は、実施例4.では88g、実施例4.では
95g、実施例4.では207gであった。
【0046】製造した実施例4.〜の溶解性改良ゼ
ラチンの特性を比較するため、比較例4を準備した。比
較例4は、実施例4と同様に細かくしたゼリー500g
を、上記〜の各溶液に浸漬しない点を除き、実施例
4.〜と同様に処理して準備した。
【0047】準備した実施例4.〜および比較例4
について、実施例1と同様に、ゼリー強度、粘度、なら
びに熱水への分散性および溶解性を測定した。この結果
を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】
【実施例5】皮由来のアルカリ処理原料を抽出、濾過、
濃縮、冷却し、35重量%濃度のゼリーを作った。この
ゼリーを、カッターで一辺が4mmの賽の目状にカット
した。この賽の目状ゼリー500gを、実施例1と同様
にして製造した20重量%濃度の低分子化ゼラチン溶液
113gに2時間、浸漬し、低分子化ゼラチンを全量、
ゼリーに吸着吸収させた。このゼリーを実施例1と同様
の方法で処理し、溶解性改良ゼラチンを得た(実施例
5)。
【0050】製造した実施例5の溶解性改良ゼラチンの
特性を比較するため、比較例5を準備した。比較例5
は、実施例5と同様に賽の目状にしたゼリー500g
を、低分子化したゼラチン溶液に浸漬しない点を除き、
実施例5と同様に処理して準備した。
【0051】準備した実施例3および比較例3につい
て、実施例1と同様に、ゼリー強度、粘度、ならびに熱
水への分散性および溶解性を測定した。この結果を表6
に示す。
【0052】
【表6】
【0053】表3〜6をみると、各実施例2、3、4.
〜および5のゼラチンは、いずれもママコが発生せ
ず、対応する比較例のゼラチンと比べて、分散性および
溶解性が極めて優れており、しかも、ゼリー強度および
粘度が殆ど低下していないことがわかる。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る溶解性改良ゼラチン、その
製造方法および原料ゼリーによれば、製造された溶解性
改良ゼラチンは、熱水に直接入れてもママコを発生させ
ず、溶解性が大きく改善され、設備に費用をかけたり製
造に手間をかけたりせずに、通常のゼラチンの製造工程
を一部変更するだけで、安価かつ容易に、高い品質で製
造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性物質を吸着吸収していることを特徴
    とする溶解性改良ゼラチン。
  2. 【請求項2】ゲル化した未乾燥のゼリーに水溶性物質を
    吸着吸収させ、乾燥した後、粉砕することを特徴とする
    溶解性改良ゼラチンの製造方法。
  3. 【請求項3】ゲル化した未乾燥のゼリーの表面積を大き
    くし、このゼリーに水溶性の低分子化ゼラチンを吸着吸
    収させ、乾燥した後、粉砕することを特徴とする溶解性
    改良ゼラチンの製造方法。
  4. 【請求項4】ゲル化した未乾燥のゼリーであって、水溶
    性物質を吸着吸収していることを特徴とする溶解性改良
    ゼラチンの原料ゼリー。
JP6338780A 1994-12-29 1994-12-29 溶解性改良ゼラチン、その製造方法および原料ゼリー Pending JPH08182471A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009055787A (ja) * 2007-08-05 2009-03-19 Reiko Sosogi 機能性流動体および機能性ジェルの製造法
CN115322686A (zh) * 2022-07-16 2022-11-11 广东欧帝玛生物工程有限公司 鱼鳞速溶明胶的制造方法

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