JPH08181019A - 平面コイル - Google Patents

平面コイル

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JPH08181019A
JPH08181019A JP32532894A JP32532894A JPH08181019A JP H08181019 A JPH08181019 A JP H08181019A JP 32532894 A JP32532894 A JP 32532894A JP 32532894 A JP32532894 A JP 32532894A JP H08181019 A JPH08181019 A JP H08181019A
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JP
Japan
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coil
conductor
pattern
conductors
photosensitive resin
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JP32532894A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sakabe
健一 酒部
Nobuo Nakasaki
展男 中崎
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高い信頼性を有した導体形状が矩形である平面
コイルを提供する。 【構成】導体の断面形状が矩形で、かつコイルパターン
3が絶縁層4を挟んで面対向し、互いのコイルパターン
がスルーホールで導通される構造の平面コイルであり、
平面コイル表面の導体および導体間にある感光性樹脂硬
化物1が同一平面にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度かつ高い信頼性
を有する平面コイルおよびその製造方法に関するもので
ある。特に超小型かつ高性能な平面モータ用コイル、光
ピックアップに代表される微小駆動用アクチュエータ等
に適した平面コイルを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な平面コイルの製造方法として感
光性樹脂を使用したリソグラフィーとメッキを組み合わ
せる方法、銅張り積層板等のエッチング法、銅線を渦巻
き状に巻く方法等が提案されている。しかしながら、近
年平面コイルの高密度化、低抵抗化、さらに形状の複雑
化に伴い、小型、高密度コイル分野においてリソグラフ
ィーとメッキ技術を応用した平面コイル製造法が主流に
なりつつある。
【0003】例えば、特開昭60−161605号公報
には金属箔表面上に所望のコイルパターンが露出するよ
うに耐メッキ性レジスト層を形成し、異方性メッキによ
る導体形成、導体表面への絶縁樹脂コートを行った後、
金属箔をエッチングし、再びメッキを行うことを特徴と
したプリントコイルの製造方法が開示されている。ま
た、特開61−254039号公報には表面に導電層を
形成した絶縁基板を使用して、エッチングにより導体パ
ターンを形成した後、絶縁樹脂を埋め込み平坦化し、異
方性メッキにより導体を形成する方法が開示されてい
る。このような従来法は、例えば、図2に示すように、
平面コイルの導体は矩形状にはならず、球形状に形成さ
れるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
で得られる平面コイルはコイル表面方向に異方性メッキ
導体の上部が向くため、半球状の凸部が表面に存在す
る。このため、メッキ膜厚のばらつきによるコイル特性
の不安定化、電気的信頼性の面で若干の問題を残してい
た。さらに平面コイルを作成する最終工程でコイル表面
にソルダーレジスト等の保護膜をコーティングしている
が、表面に導体部の凹凸が存在する場合、気泡の取り込
みや塗布ムラを生じるため著しくコイルの信頼性を低下
させていた。
【0005】そこで、本発明は上記の欠点を解決するた
めになされたものであり、導体形状が矩形である平面コ
イルであって、極めて高い信頼性を有し、同時に高密度
でかつ低抵抗な平面コイルを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、導体形状が矩形である平面コイルは、極
めて高い信頼性を有し、同時に、高密度でかつ低抵抗な
コイルであることを見い出した。すなわち、導体の断面
形状が矩形で、かつ、コイルパターンが絶縁層を挟んで
面対向し、互いのコイルパターンがスルーホールで導通
される構造の平面コイルであって、その平面コイル表面
の導体および導体間にある感光性樹脂硬化物が同一平面
にあることで極めて信頼性の高い平面コイルが得られる
ことを見い出したのである。
【0007】なお、本発明での矩形という表現の定義は
以下に示すとおりである。導体形状を台形で仮定した場
合、導体の幅方向の厚みのバラツキが平均値(導体の高
さ方向に10分割し、その点での導体の幅方向の厚みを
測定した平均値)の±X%の場合、一つの導体内での線
占率Y(%)は以下の式で表せる。 Y=10000/(100+X) 即ち、一つの導体内での線占率80%以上を与えるXは
約20%以内であり、従って本願の矩形という表現はこ
のXが20%以内である領域のことを示すものである。
【0008】導体厚みは20〜400μmであり、さら
に好ましくは50〜150μmである。導体厚みが20
μ以下では導体の抵抗値が高くなり、コイルに大きな電
流を流すことが困難になるため実用上不適である。逆に
400μ以上では、逆に抵抗値が低くなり、モータやア
クチュエータなどの素子に組み込んだ場合、消費電力が
大きくなること、また平面コイル自体の厚みが大きくな
り充分な性能が出ない等の面で実際上好ましくない。
【0009】信頼性の高い平面コイルを得るためには、
コイル表面の導体と導体間にある感光性樹脂硬化物が同
一の平面上にあることが好ましい。例えば、図1に示す
ように本発明で得られる平面コイルでは導体と導体間の
感光性樹脂層が同一平面上にある。同一平面上にない場
合、隣接する導体間の距離がメッキ厚みのばらつきやメ
ッキ時に発生する突起等により極めて信頼性が低下す
る。これに対し、同一平面上にある場合、メッキ厚みの
ばらつきや導体突起の影響を受けることはなく、安定し
た電気特性が得られる。さらにソルダーレジストなどの
保護層をコーティングする際、気泡の取り込みや塗布ム
ラによる信頼性の低下も抑制される。さらに、導体両端
に感光性樹脂が存在しているため、外部からの機械的な
衝撃に対しても安定である。
【0010】導体の材質は特に規定はないが、通常電気
メッキで形成することのできる金属が利用でき、例え
ば、銅、ニッケル、金、銀、等である。さらに、導体間
にある感光性樹脂硬化物がエチレン性不飽和結合を有す
るプレポリマーもしくはオリゴマーと、エチレン性不飽
和結合を有する単量体とを含む液状感光性樹脂硬化物で
あって、プレポリマーもしくはオリゴマーの分子量が5
00ないし50000であり、エチレン性不飽和結合を
有する単量体が、該一分子中にアクリロイル基もしくは
メタクリロイル基を少なくとも3個有し、かつ、該アク
リロイル基もしくはメタクリロイル基が結合している炭
素原子間に15個以下の原子を有して結合している化合
物を少なくとも一種含む場合に特に信頼性の高い平面コ
イルが得られる。
【0011】分子量は、感度、解像度の点から、150
0ないし25000が好ましい。分子量が500未満の
場合、感光性樹脂組成物としての感度が低下しすぎ使用
に耐えないし、また50000を越えると高エネルギー
線を照射した後の現像性が著しく低下し、高解像力は得
られない。本発明の感光性樹脂硬化物として用いうるオ
リゴマーもしくはプレポリマーとして、不飽和ポリエス
テル、不飽和ポリウレタン、オリゴエステルアクリレー
ト類もしくはオリゴエステルメタクリレート類、不飽和
ポリアミド類、不飽和ポリイミド類、不飽和ポリエーテ
ル類、不飽和ポリアクリレート類もしくは不飽和ポリメ
タクリレート類及びこれらの各種変性体、混合物、炭素
−炭素二重結合を有する化合物を例示することが出来
る。これらの内、高さと幅の比(以降アスペクト比と呼
称する)の大きい樹脂硬化物を得る場合の好ましい例と
して、不飽和ポリエステル類、もしくは、不飽和ポリウ
レタン類が挙げられる。
【0012】不飽和ポリエステル類として、例えばマレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸のような不飽和二塩基酸
類またはその酸無水物とエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリトリトール、末端水酸基を有する1、4−ポリブ
タジエン、水添もしくは非水添1、2−ポリブタジエ
ン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体等の多価アルコールとを反応させ
たポリエステル類、又、前記酸成分の一部を飽和多塩基
酸に置き換えたポリエステル類、あるいは、乾性油脂酸
または半乾性油脂酸で変性したポリエステル類などが挙
げられる。
【0013】不飽和ポリウレタン類としては、例えば、
前記した多価アルコール類やポリエステルポリオール
類、ポリエーテルポリオール類等のポリオール類、末端
水酸基を有する1、4−ポリブタジエン、水添もしくは
非水添1、2−ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン
共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等
と、トルイレジイソシアネート、ジフェニルメタン、
4、4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネートなどのポリイソシアネート類から誘導されたポ
リウレタン類の末端イソシアネート基、あるいは水酸基
の反応性を利用して不飽和基を導入した化合物が挙げら
れる。すなわち、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等
の活性水素を有する化合物とイソシアネート類との反応
により不飽和基を導入したり、カルボキシル基と水酸基
との反応により不飽和基を導入したり、または、前記の
不飽和ポリエステル類をポリイソシアネート類で連結し
た化合物などである。
【0014】特に好ましい例として、アルキルジオール
類と分子内に5個以下のエーテル結合を有するジオール
類との混合物からなるアルコール成分と、エチレン性不
飽和結合を有するジカルボン酸類単独もしくはエチレン
性不飽和結合を有しないジカルボン酸とエチレン性不飽
和結合を有するジカルボン酸類との混合物からなる酸成
分との縮重合により得られる、分子量500ないし50
000の不飽和ポリエステル類である。
【0015】本発明における、一分子中にアクリロイル
基もしくはメタクリロイル基を少なくとも3個有し、か
つ、該アクリロイル基もしくはメタクリロイル基が結合
している炭素原子間に15個以下の原子を有する単量体
は、高い線密度、大きな厚膜の感光性樹硬化物を形成す
るためには必須の成分である。すなわち感光性樹脂硬化
物の断面形状が幅方向に対する高さ方向の寸法の比(ア
スペクト比)が大きく、倒れたり傾いたりするのを防ぐ
ために光重合後の架橋密度を大きくして感光性樹脂硬化
物の強度を持たせることが必要である。その一方、導電
性基板上の未露光部分にはメッキを施すために現像用液
体によって感光性樹脂組成物が完全に除去されなければ
ならず、露光系の散乱や反射による光の回り込みによっ
て感光性樹脂組成物が現像用液体によって除去できない
ほどに重合ないし架橋してはならない。つまり露光部分
と未露光部分の架橋密度の差を大きくする必要があるた
めに、一分子中に少なくとも3個のアクリロイル基また
はメタクリロイル基を有する重合性単量体が必須とな
る。また、2個以下のアクリロイル基またはメタクリロ
イル基を有する重合性単量体のみを用いる場合や、3個
以上のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する
重合性単量体のアクリロイル基またはメタクリロイル基
が結合する炭素原子間の原子数が16個以上の単量体を
用いても、本発明を実施するのに十分な感光性樹脂硬化
物の架橋密度が得られず、感光性樹脂硬化物が柔らかく
なって倒れたり、隣同士がよりかかってくっついたりし
て所望の感光性樹脂硬化物が得られない。
【0016】以上の観点から、一分子中に少なくとも3
個のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有し、か
つ、該アクリロイル基またはメタクリロイル基が結合し
ている炭素原子間に15個以下の原子を有する単量体は
本発明において必須の成分である。この単量体が有する
アクリロイル基またはメタクリロイル基の個数は一分子
中に3個以上であるが、その個数が必要以上に多くても
光反応に携わる反応基個数は限られ硬化反応に寄与する
程度は少なく、かえって未露光部基板表面上に「スカ
ム」(半硬化樹脂成分残渣)として残り、その後のメッ
キ工程でメッキ付着不良等の大きな問題を引き起こす。
個の単量体が有するアクリロイル基またはメタクリロイ
ル基の個数の好ましい範囲は3ないし10個である。
【0017】なお、単量体成分は、液体クロマトグラフ
で検出することができる。ここでいう、アクリロイル基
またはメタクリロイル基が結合している炭素原子間に1
5個以下の原子を有するという意味を以下に説明する。
まずアクリロイル基またはメタクリロイル基が結合して
いる炭素原子とは、アクリル酸あるいはメタクリル酸と
エステル結合を介してすぐとなりのヒドロキシル基側の
炭素原子である。この炭素原子同士の間に最短で数えて
この炭素原子を含まず15個以下の原子が結合している
という意味である。つまり、3個以上のアクリロイル基
またはメタクリロイル基の二重結合同士が8ないし22
個の原子−原子結合を介して存在すると言い換えること
もできる。
【0018】一分子中に3個以上のアクリロイル基また
はメタクリロイル基を有し、かつ、該アクリロイル基ま
たはメタクリロイル基が結合している炭素原子間に15
個以下の原子を有する単量体としてはトリメチロールプ
ロパントリアクリレートまたはメタクリレート、トリア
クリロイルまたはトリメタクリロイルエチルトリメチロ
ールプロパン、ジ(エチレンオキシ)トリメチロールプ
ロパントリアクリレートまたはメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレートまたはメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレートまたはメ
タクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ/ペンタ
/ヘキサアクリレートまたはメタクリレート、グリセロ
ールトリアクリレートまたはメタクリレート、あるいは
これら化合物のアクリレートまたはメタクリレートのエ
ステル基の隣にモノまたはポリ(オキシエチル)基やモ
ノまたはポリ(オキシプロピル)基等を挿入した構造を
持つ化合物、3個以上の水酸基を有する化合物を縮合し
て得られる多価アルコール類やビニルアルコールオリゴ
マー等のアルキルポリオール類の3個以上10個までの
水酸基にアクリロイル基またはメタクリロイル基を導入
した化合物などを具体例として挙げることが出来る。こ
れら単量体は単独で用いてもよいし、2種類以上の成分
を組み合わせて用いてもよい。これら単量体の含有量は
少なすぎると強度が低く本発明の効果が発揮できない
し、多すぎるとクラックが発生するなど不都合な点も生
ずる。本発明においてこれら単量体の好ましい含有量は
感光性樹脂組成物の100重量部のうち1〜30重量
部、さらに好ましくは3〜15重量部の範囲で用いるの
がよい。上記した液状感光性樹脂硬化物を使用すること
により電気絶縁性も高く、低抵抗で高密度の平面コイル
が得られることを同時に見い出した。
【0019】次に、本発明の平面コイルを製造する方法
について説明する。例えば図1に示すように、第一工程
として、導電性基板2の表面に上記した液状感光性樹脂
を塗布し、コイルパターンを有するマスクを通じて露光
・現像により感光性樹脂硬化物のパターン1を形成す
る。第二工程として、感光性樹脂の除去された部分に電
解メッキにより金属皮膜を析出させ導体パターン3を形
成する。第三工程として、形成した感光性樹脂硬化物パ
ターンと導体パターンを絶縁基板或いは絶縁材料を介し
てスルーホールで接続可能な位置に面対向するように絶
縁接着剤4で転着した後、導電性基板2を除去し、導体
間を絶縁化する工程からなる。スルーホールの導通は通
常のドライスルーホールや化学メッキ法等が利用でき
る。なお、必要に応じて得られた平面コイルの表面を研
磨処理により平坦化することも有効である。平坦化方法
としては、ブラシ研磨やブラスト研磨等の研磨処理によ
る平坦化が効果的であり、平面コイルの信頼性は飛躍的
に向上する。
【0020】また、導電性基板に特に制限はないが、ア
ルミニウム、銅等の基板が好適に用いられる。以下に本
発明を実施例を示し詳細に説明する。なお、本発明は実
施例により限定されるものではない。
【0021】
【実施例1】ジエチレングリコール、フマル酸、イソフ
タル酸、イタコン酸をモル比で0.5/0.13/0.
24/0.13の割合で窒素雰囲気中、反応温度180
℃、反応時間6時間、減圧下で重縮合させて数平均分子
量が1200の不飽和ポリエステルプレポリマーを作製
した。
【0022】このプレポリマー100重量部にテトラエ
チレングリコールジメタクリレート15部、ジエチレン
グリコールジメタクリレート5部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート5部、ジアセトンアクリルアミド3
部、トリメチロールプロパントリメタクリレート12
部、リン酸モノ(メタクリロイルオキシエチル)5部、
ベンゾインイソブチルエーテル4部、4−ターシャリー
ブチルカテコール0.05部、日本化薬(株)製カヤセ
ットレッドA−BR0.1部を加えてよく撹拌混合し、
感光性樹脂組成物を得た。
【0023】次に#600の耐水研磨紙で表面を粗化し
た厚さ100μmのアルミニウム基板と、上記調製した
感光性樹脂組成物を旭化成工業(株)製SRB装置を用
いてラミネートした。この際、レジスト層の厚みが10
0μmになるようにスペサーで調節した。所定のガラス
マスクとORC社製平行光方式光源を用いてマスク露
光、現像(ほう酸ナトリウム1wt%溶液、40〜45
℃、吐出圧力0.1kg/cm2 )を行い、アルミニウ
ム基板上に配線ピッチ65μm、レジスト幅15μm、
レジスト高さ100μm、ターン数24ターンのコイル
状レジストパターンを得た。
【0024】このコイル状パターンは、外形15mmφ
で表及び裏の2種類あり、各々内径周囲に等角度間隔で
配列された複数個のほぼ同型の渦巻き状コイルと、外部
との接続のための端子、及びこれらのコイルどうしある
いはコイルと端子を接続するための引き回しライン、さ
らに表裏の接続のためのスルーホールランド等からな
る。このレジストパターン内にハーショウ村田社製ピロ
リン酸銅メッキ液を用いて、陰極の電流密度4A/dm
2 の条件で100μmのメッキ銅皮膜を析出させ、導体
を形成した。
【0025】得られた基板の表面に接着剤(セメダイン
EP008、EP170)をスクリーン印刷し、旭シェ
ーベル製ガラス繊維織布(106/AS307)をはさ
み、表面、裏面の位置合わせを行ない、転着した後、ア
ルミニウム基板を10%塩酸でエッチング除去した。さ
らに、張り合わせ基板の表面をバフロール研磨機で表面
を約4μm程度研磨し平坦化し、タムラ化研製ソルダー
レジストUSR−11Gを用いて、スクリーン印刷法に
より30μmの厚さのコーティングを行い、紫外線硬化
した。次にスルーホール成形部にドリルで0.45mm
φの穴を開け、クリーム半田を充填した後、リフロー炉
でスルーホール導通をとった。
【0026】得られた平面コイルを2cm角に切断し、
エポキシ樹脂で硬化させた後、研磨機により断面を鏡面
研磨した。コイル導体部分を光学顕微鏡で観察した結
果、導体幅50μm、導体高さ100μm、幅方向の厚
みのばらつきが平均値の±3%以内、導体間距離15μ
mで矩形を呈しており、導体と導体間にある感光性樹脂
硬化物が同一平面上にあった。
【0027】得られた平面コイルの異相間の端子間の絶
縁抵抗は、いずれも4×105MΩ以上、絶縁破壊電圧
は1kV以上で良好であった。また、温度85℃、湿度
90%の環境下、1000時間後のインダクタンス、抵
抗とも変化率は±2%以下と極めて小さい。さらに、温
度85℃、湿度90%、24VDC印可、100時間に
おいても導体表面からの銅析出、腐食等認められない。
また、衝撃試験として100gの鋼球を1mの高さから
落下した場合においても、インダクタンス、抵抗値は変
わらず、短絡しないことが確認された。
【0028】
【比較例1】厚さ100μmのアルミニウム基板上にイ
ーストマンコダック社製ネガ型レジスト「マイクロレジ
スト747−110cst」を乾燥後膜厚が5μmにな
るように塗布し、プリベークの後、コイルパターンマス
クを通して露光・現像、ポストベークを行った。アルミ
ニウム基板上に形成されたレジストパターン内にハーシ
ョウ村田社製ピロリン酸銅メッキ液を用いて、陰極の電
流密度4A/dm2 の条件で50μmのメッキ銅皮膜を
析出させ、導体を形成した。実施例と同様の方法で転着
し、アルミニウムエッチング、スルーホール導通をとっ
た後、再びハーショウ村田社製ピロリン酸銅メッキ液を
用いて、陰極の電流密度5A/dm2 の条件で50μm
のメッキ銅皮膜形成を行った。その後、実施例と同様に
保護層を形成し平面コイルを作成した。
【0029】得られた平面コイル断面観察から、導体形
状は半球型の導体が上下でつながった球形状を呈してお
り、導体半径が約50μm、導体間距離15μmであっ
た。得られた平面コイルの異相間の端子間の絶縁抵抗
は、2×105MΩ以上、絶縁破壊電圧は0.9kV以
上で比較的良好であったが、温度85℃、湿度90%、
24VDC印可、100時間後ではインダクタンス、抵
抗がそれぞれ20%、12%程度低下する傾向があり、
試験中に導体間ショートが起こっていることが確認され
た。また、実施例と同一の衝撃試験を行った結果、イン
ダクタンス、抵抗値が20%以上低下したコイルが10
0個中28個あり、衝撃による導体間ショートまたは断
線が観察された。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、構成された平面コイル
の表層部の導体とその導体間絶縁層が同一平面上にある
ため、製造段階で混入するダストや或いは保護層形成時
の泡等の取り込みが無く、長期信頼性、製品安定性が極
めて高い。さらに、導体間に感光性樹脂硬化物が存在す
るため、極めて高密度の配線、低い抵抗が可能である。
具体的には平面モータや光ピックアップ用コイルとして
利用した場合、製品寿命を延ばすことが可能で、導体間
絶縁材料としてエチレン性不飽和結合を有するプレポリ
マーもしくはオリゴマーと、エチレン性不飽和結合を有
する単量体を必須成分とする液状感光性樹脂硬化物を用
いた場合、高絶縁性、高耐衝撃性が得られ、製品の長期
信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平面コイルの製造工程を概念的に示し
た図である。
【図2】従来の平面コイルの製造工程を概念的に示した
図である。
【符号の説明】
1 感光性樹脂硬化物パターン 2 導電性基板 3 導体パターン 4 絶縁接着剤 5 絶縁層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の断面形状が矩形で、かつ、コイル
    パターンが絶縁層を挟んで面対向し、互いのコイルパタ
    ーンがスルーホールで導通される構造の平面コイルであ
    って、その平面コイル表面の導体および導体間にある感
    光性樹脂硬化物が同一平面にあることを特徴とする平面
    コイル。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂硬化物が、エチレン性不飽和
    結合を有するプレポリマーもしくはオリゴマーと、エチ
    レン性不飽和結合を有する単量体とを含む液状感光性樹
    脂硬化物であって、プレポリマーもしくはオリゴマーの
    分子量が、500ないし50000であり、エチレン性
    不飽和結合を有する単量体が、該一分子中にアクリロイ
    ル基もしくはメタクリロイル基を少なくとも3個有し、
    かつ、該アクリロイル基もしくはメタクリロイル基が結
    合している炭素原子間に15個以下の原子を有して結合
    している化合物を少なくとも一種含むことを特徴とする
    請求項1に記載の平面コイル。
JP32532894A 1994-12-27 1994-12-27 平面コイル Pending JPH08181019A (ja)

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