JPH081807A - 光学部品の製造方法 - Google Patents

光学部品の製造方法

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JPH081807A
JPH081807A JP13266994A JP13266994A JPH081807A JP H081807 A JPH081807 A JP H081807A JP 13266994 A JP13266994 A JP 13266994A JP 13266994 A JP13266994 A JP 13266994A JP H081807 A JPH081807 A JP H081807A
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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型コストを増加させることなく、金型パー
ティング部からの樹脂漏れ及びバリ発生を抑えることが
でき、成形精度の低下を抑えることができる。 【構成】 転写面を有するキャビティと、該キャビティ
に連通する樹脂供給路と、該樹脂供給路の一部に設けら
れた樹脂封止機構とを有する成型装置を用い、かつ硬化
性樹脂を用いて光学部品を製造する方法において、前記
キャビティに前記樹脂供給路を通して液状の前記硬化性
樹脂を注入する第1の工程と、次いで、前記硬化性樹脂
を液状からゲル状になるように所定の硬化率まで硬化さ
せる第2の工程と、次いで、前記キャビティに所定の圧
力が立つまで最終成形品に必要な量の前記硬化性樹脂を
再度注入する第3の工程と、次いで、前記樹脂封止機構
により封止を行い、取り出しても変形しない程度まで硬
化させる第4の工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学部品の製造方法に
係り、詳しくは、エネルギー線硬化性樹脂を用いてレン
ズ、ミラー等の高精度な転写面を有する成形技術に適用
することができ、特に、金型コストを増加させることな
く、金型パーティング部からの樹脂漏れ及びバリ発生を
抑えることができ、成形精度の低下を抑えることができ
る光学部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学部品の製造方法では、キャビ
ティにエネルギー硬化性樹脂を充填するために、キャビ
ティに所定圧力を加えて硬化性樹脂を液状の状態で封止
し、硬化させるように構成することにより、硬化時の収
縮による精度低下を抑えることができるという利点を有
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の光学部品の製造方法では、キャビティ内に充填
した硬化性樹脂を液状の状態でキャビティ内に圧力を加
えて圧縮するため、金型のパーティング部から樹脂が漏
れたり、バリが発生したりする等、成形精度が低下し易
いという問題があった。
【0004】そこで、この問題を防ぐために、金型のパ
ーティング部(面)に非常に高精度の加工を加えたり、
特殊なシール部材を設ければよいと考えられるが、この
ように、金型パーティング部に高精度の加工を加えた
り、特殊なシール部材を設けたりすると、その分金型コ
ストが増加するという問題があった。そこで、本発明
は、金型コストを増加させることなく、金型パーティン
グ部からの樹脂漏れ及びバリ発生を抑えることができ、
成形精度の低下を抑えることができる光学部品の製造方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
転写面を有するキャビティと、該キャビティに連通する
樹脂供給路と、該樹脂供給路の一部に設けられた樹脂封
止機構とを有する成型装置を用い、かつ硬化性樹脂を用
いて光学部品を製造する方法において、前記キャビティ
に前記樹脂供給路を通して液状の前記硬化性樹脂を注入
する第1の工程と、次いで、前記硬化性樹脂を液状から
ゲル状になるように所定の硬化率まで硬化させる第2の
工程と、次いで、前記キャビティに所定の圧力が立つま
で最終成形品に必要な量の前記硬化性樹脂を再度注入す
る第3の工程と、次いで、前記樹脂封止機構により封止
を行い、取り出しても変形しない程度まで硬化させる第
4の工程とを含むことを特徴とするものである。
【0006】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、前記第2の工程における前記硬化性樹
脂の硬化率は、30%以上90%以下であることを特徴
とするものである。請求項3記載の発明は、上記請求項
1,2記載の発明において、前記第3の工程における前
記硬化性樹脂は、硬化収縮後の体積が前記キャビティの
体積と等しいか、若しくは略等しくなるように注入する
ことを特徴とするものである。
【0007】請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至
3記載の発明において、前記硬化性樹脂は、紫外線硬化
性樹脂からなることを特徴とするものである。請求項5
記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、前記
第2の工程における前記硬化性樹脂の硬化は、成形品の
実効的転写面に対応する有効部の硬化率が該有効部を除
く非有効部の硬化率よりも低くなるように紫外線照射量
を調整することにより行うことを特徴とするものであ
る。
【0008】請求項6記載の発明は、上記請求項1乃至
3記載の発明において、前記硬化性樹脂は、熱硬化性樹
脂からなることを特徴とするものである。請求項7記載
の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記第2
の工程における前記硬化性樹脂の硬化は、成形品の実効
的転写面に対応する有効部の硬化率が該有効部を除く非
有効部の硬化率よりも低くなるように硬化に必要な熱量
を調整することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】まず、請求項1記載の発明の作用を従来例(比
較例)と対比しながら説明する。まず、従来例を簡単に
説明する。光硬化性樹脂を用いた光学部品は、非球面形
状を容易に得られるうえ、更に量産性に優れているとい
う利点を有するため、様々な適用例が挙げられる。以
下、一般的な複合型レンズの製作法の一例を図面を用い
て説明する。図1〜3は従来の光学部品の製造方法を示
す図である。従来は、非球面形状に加工された金型10
03の表面に光硬化性樹脂1002を載せ、この光硬化
性樹脂1002上に球面形状に加工されたガラスレンズ
1001を圧着し、ガラスレンズ1001を介して放射
線、例えば紫外線1004を照射して樹脂を硬化した後
(図1,2)、金型1003を外して複合型レンズを得
る(図3)。
【0010】しかしながら、この従来の光学部品の製造
方法では、樹脂を硬化させる時に、樹脂の硬化収縮量を
見込んで硬化させていないため、樹脂の硬化収縮による
精度低下は避けられず、高精度な部品を得ることはでき
なかった。そこで、前述した従来例の如く、硬化収縮に
よる精度低下を防ぐために、図4に示すような下金型1
011上部にガラスレンズ1001が配置された金型1
011,1012を用い、光硬化性樹脂1002を硬化
収縮を見込んだ量だけ圧力をかけて注入し、封止した
後、硬化する方法が挙げられる。
【0011】しかしながら、この従来の光学部品の製造
方法では、硬化時の収縮による精度低下を抑えることが
できるという効果があるが、キャビティ内に充填した硬
化性樹脂を液状の状態でキャビティ内に圧力をかけて圧
縮するため、金型のパーティング部から樹脂が漏れた
り、バリが発生したりする等、成形精度が低下し易いと
いう問題が生じ易い。
【0012】そこで、本発明では、まず、金型1,2の
キャビティ3に硬化性樹脂4を樹脂供給装置5により注
入する(図5(a),(b))。この時、金型1,2の
パーティング部から硬化性樹脂4を漏れないようにする
ために、キャビティ3には大きな圧力をかけない。この
ように、硬化性樹脂4が漏れない程度の圧力をかけてキ
ャビティ3に硬化性樹脂4を注入した後、キャビティ3
内に注入した硬化性樹脂4を紫外線、熱等のエネルギー
6を加えて金型1,2のパーティング部から更に漏れ難
くするために、かつ、次の硬化性樹脂4の再注入時の圧
力を小さくするために、液状からゲル状になるように、
所定の硬化率まで硬化させる(図5(c),図6
(a))。ここでは、硬化性樹脂4を全て完全に硬化さ
せるのではなく、液状からゲル状になるように不完全に
硬化させており、予め所定の硬化率まで硬化させるとい
う意味で以後プレ硬化と呼ぶことにする。
【0013】次に、プレ硬化後、ゲル状樹脂が導入され
ているキャビティ3に更に最終成形品の形状に達しさせ
るのに必要な未硬化の硬化性樹脂を再注入する。ここで
は、最終成形品の形状に達しさせるのに必要な未硬化の
硬化性樹脂をキャビティ3に注入するために所定の圧力
を立てて注入する(図6(b))。そして、硬化性樹脂
4の再注入時の圧力を保持するとともに、樹脂漏れを抑
えるために、キャビティに注入された硬化性樹脂4を樹
脂封止機構により封止した後、キャビティ3内の樹脂を
取り出しても変形しない程度まで硬化して形成品7を形
成する(図6(c),(d))。
【0014】このため、硬化性樹脂4が漏れない程度の
小さな圧力でキャビティ3に硬化性樹脂4を注入するの
で、最終成形品に必要な樹脂量には満たなくなるが、こ
の樹脂注入時に樹脂漏れを生じ難くすることができる。
この後、液状の硬化性樹脂4をプレ硬化してゲル状(半
固体状態)にするため、樹脂に弾性が付与されるので、
従来の液状の場合よりも変形し易くなり、樹脂の再注入
時の圧力を小さく済ませることができるとともに、流動
性を小さくすることができ、注入の際の樹脂漏れ及びば
りの発生を抑えることができる。
【0015】また、樹脂をゲル化して弾性を付与し変形
し易くすることができるため、樹脂の再注入時の圧力が
小さくても、所定の樹脂量をキャビティ内に容易に注入
することができる。しかも、従来のように液状の樹脂を
そのまま一気に硬化するのではなく、液状の樹脂を完全
に硬化する前にプレ硬化しているため、プレ硬化により
ある程度硬化収縮してから最終の硬化を行っているの
で、従来の液状の樹脂を一気に硬化する場合よりも、最
終的に硬化させる時の収縮量を小さくすることができ、
硬化収縮に伴う変形を小さく抑えることができる。
【0016】更に、キャビティ3に樹脂を過充填してい
るため、硬化に伴う収縮を抑えることができる。従っ
て、複雑な装置、作業を行うことなく金型パーティング
部からの樹脂漏れ及びバリ発生を抑えることができる
等、成形精度の低下を抑えることができるため、高精度
な成形品7を得ることができる。次に、請求項2記載の
発明の作用を説明する。プレ硬化時の樹脂の硬化率は、
30%よりも小さくなると、樹脂が液状の状態に近くな
り弾性体としての効果が得られ難くなり好ましくなく、
また、プレ硬化時の樹脂の硬化率は、90%よりも大き
くなると、固体状態に近くなり再注入時の圧力を高くし
なければならず好ましくない。これから、弾性体として
の効果を得るうえで好ましいプレ硬化時の樹脂の硬化率
は、30%以上90%以下である。
【0017】次に、請求項3記載の発明の作用を説明す
る。再注入時の樹脂は、硬化収縮後の体積がキャビティ
の体積よりも極端に大きくなったり、小さくなったりす
るように注入すると、キャビティと硬化後の成形品の体
積差が大きくなって、硬化収縮に伴う変形が大きくなっ
て好ましくない。そこで、再注入時の樹脂は、硬化収縮
後の体積がキャビティの体積と等しいか、若しくは略等
しくなるように注入するのが好ましく、この場合、キャ
ビティと硬化後の成形品の体積差を小さくすることがで
きるため、硬化収縮に伴う変形を防ぐことができる。
【0018】次に、請求項4記載の発明の作用を説明す
る。硬化性樹脂は、硬化させるために金型温度を熱した
り冷やしたりしなければならず、樹脂を硬化させるのに
面倒な調整を行わなければならない。これらを考慮する
と、硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂からなるものが好
ましく、この場合、所定の紫外線を照射するだけで済ま
せることができる等、硬化率の調整を容易にすることが
できる。しかも、部分的硬化が特殊な装置等を設けない
で実現することができる他、材料も一般的に流通してお
り、材料コスト等の面においても優れている。
【0019】次に、請求項5記載の発明の作用を説明す
る。プレ硬化時の紫外線照射量は、転写面の必要な部分
となる成形品の有効部の硬化率が、側面部分等の非有効
部の硬化率よりも高くなるように調整すると、有効部の
硬化率が高くて、再注入した樹脂のウェルドが発生し易
いうえ、非有効部の硬化率が低くて樹脂の弾性による効
果が得られ難くなる等、好ましくない。
【0020】そこで、プレ硬化時の紫外線照射量は、転
写面の必要な部分となる成形品の有効部の硬化率が、側
面部分等の非有効部の硬化率よりも低くなるように調整
するのが好ましく、この場合、有効部の硬化率を下げる
ため、再注入させた樹脂とのウェルドを防ぐことができ
るとともに、非有効部の硬化率を上げるため、樹脂の弾
性による効果を得ることができる。
【0021】また、非有効部で硬化率を上げるため、プ
レ硬化による硬化収縮を稼ぐことができる他、非有効部
に金型の合わせ面等が来るようにすることで、クリアラ
ンスが大きくても、バリの発生を生じ難くすることがで
きる。従って、金型コストを低減することができる。次
に、請求項6記載の発明の作用を説明する。硬化性樹脂
には、熱硬化性樹脂を用いてもよく、この場合、剛性の
要求される成形品に最適であり、材料も非常に一般的で
あり、コスト等において優れている他、加熱という一般
的な手法を用いることができるので、特殊な装置を用い
ないで済ませることができる等、装置コストの点でも優
れている。
【0022】次に、請求項7記載の発明の作用を説明を
する。プレ硬化時の加熱量は、転写面の必要な部分とな
る成形品の有効部の硬化率が、側面部分等の非有効部の
硬化率よりも高くなるように調整すると、有効部の硬化
率が高くて、再注入した樹脂のウェルドが発生し易いう
え、非有効部の硬化率が低くて樹脂の弾性による効果が
得られ難くなる等、好ましくない。
【0023】そこで、プレ硬化時の加熱量は、転写面の
必要な部分となる成形品の有効部の硬化率が、側面部分
等の非有効部の硬化率よりも低くなるように調整するの
が好ましく、この場合、有効部の硬化率を下げるため、
再注入させた樹脂とのウェルドを防ぐことができるとと
もに、非有効部の硬化率を上げるため、樹脂の弾性によ
る効果を得ることができる。
【0024】また、非有効部で硬化率を上げるため、プ
レ硬化による硬化収縮を稼ぐことができる他、非有効部
に金型の合わせ面等が来るようにすることで、クリアラ
ンスが大きくても、バリの発生を生じ難くすることがで
きる。従って、金型コストを低減することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図7〜10は本発明に係る実施例1の光学
部品の製造方法を示す図である。図示例は、予め、球面
加工されたガラスレンズに紫外線硬化型樹脂を複合化し
た非球面レンズを例示している。本実施例では、転写す
べき鏡面を有する金型1とこれと対になってキャビティ
3を形成する金型2において、予め球面加工されたガラ
スレンズ11をキャビティ3中にセットし、その後、液
状の紫外線硬化性樹脂4を注入する。この時、金型1,
2パーティング部から樹脂を漏れないようにするため
に、キャビティ3には大きな圧力をかけない。
【0026】このように、硬化性樹脂4が漏れない程度
の圧力をかけてキャビティ3に硬化性樹脂4を注入した
後、この状態でフィルター12を通してキャビティ3内
の硬化性樹脂4に紫外線照射を行い、硬化性樹脂4を液
状からゲル状になるようにプレ硬化させる。次に、プレ
硬化後、この状態から更に最終成形品の形状に達しさせ
るのに必要な量の未硬化の紫外線硬化型樹脂4をキャビ
ティ3中に所定圧力になるまで充填する。そして、充填
が完了した時点で、図8〜10に示す如く、樹脂4を樹
脂供給路21と通じるゲート22、球状弁体23及びス
トップピン24から構成される樹脂封止機によりキャビ
ティ3内に封止する。その後、フィルター12を通して
キャビティ3内の硬化性樹脂4に紫外線照射を行い、キ
ャビティ3内の樹脂4を取り出しても変形しない程度ま
で硬化させ、金型1,2を開いて成形品を得る。
【0027】このように、本実施例では、硬化性樹脂4
が漏れない程度の小さな圧力でキャビティ3に硬化性樹
脂4を注入するので、最終成形品に必要な樹脂量には満
たなくなるが、この樹脂注入時に樹脂漏れを生じ難くす
ることができる。この後、液状の硬化性樹脂4をプレ硬
化してゲル状(半固体状態)にするため、樹脂に弾性が
付与されるので、従来の液状の場合よりも変形し易くな
り、樹脂の再注入時の圧力を小さく済ませることができ
るとともに、流動性を小さくすることができ、注入の際
の樹脂漏れ及びばりの発生を抑えることができる。
【0028】また、樹脂をゲル化して弾性を付与し変形
し易くすることができるため、樹脂の再注入時の圧力が
小さくても、所定の樹脂量をキャビティ内に容易に注入
することができる。しかも、従来のように液状の樹脂を
そのまま一気に硬化するのではなく、液状の樹脂を完全
に硬化する前にプレ硬化しているため、プレ硬化である
程度硬化収縮してから最終の硬化を行っているので、従
来の液状の樹脂を一気に硬化する場合よりも、最終的に
硬化させる時の収縮量を小さくすることができ、硬化収
縮に伴う変形を小さく抑えることができる。
【0029】更に、キャビティ3に樹脂を過充填してい
るため、硬化に伴う収縮を抑えることができる。従っ
て、複雑な装置、作業を行うことなく金型パーティング
部からの樹脂漏れ及びバリ発生を抑えることができる
等、成形精度の低下を抑えることができるため、高精度
な成形品7を得ることができる。また、周辺部は非有効
部であると同時に型のパーティング面に接する場所なの
で周辺部の硬化率を80%〜90%に上げることで、パ
ーティング面からのバリを完全に防ぐことができる。
【0030】また、有効部である中心部の硬化率は50
%程度と低く抑えたことにより、ゲル化した樹脂の弾性
のため、再注入時の樹脂の注入圧力を小さくでき、か
つ、プレ硬化した部分と再注入した樹脂の分かれ目(ウ
ェルド)の発生を防ぐことができる。 (実施例2)図11は本発明に係る実施例2の光学部品
の製造方法を示す図である。図示例は、熱硬化性樹脂を
用いて非球面ミラー面を形成する場合である。本実施例
では、ガラスを研磨することで得た非球面を有する金型
31を駒として、その他の部分を金属製のブロックでキ
ャビティ3を構成する金型31,2を用い、このキャビ
ティ3に熱硬化性樹脂を注入する。この時、金型31,
2パーティング部から樹脂を漏れないようにするため
に、キャビティ3には大きな圧力をかけない。
【0031】このように、樹脂が漏れない程度の圧力を
かけてキャビティ3に樹脂を注入した後、この状態で金
型31,2をヒーター32により伝熱加熱して樹脂を液
状からゲル状になるようにプレ硬化する。この際、金型
31,2の金属ブロックに接している樹脂が80%程度
硬化したところでヒーター32による加熱を止める。熱
硬化性樹脂は、加えられた熱量によって硬化率が変化す
るため、キャビティ3中心に向かって硬化率は低くなる
他、ガラス製金型31は、熱伝達が良くないため、転写
面部分の硬化率は低くなる。
【0032】このように、熱伝達の違いを利用すること
で加えるヒーター32の熱量を調整することができる。
そして、プレ硬化後、この状態から更に最終成形品の形
状に達しさせるのに必要な量の未硬化の樹脂をキャビテ
ィ3中に所定圧力になるまで注入する。この時、ブロッ
クに接している面の硬化率が高くなるため、パーティン
グ面からのバリを防ぐことができ、かつ、ゲル化した樹
脂の弾性により、注入時の圧力が小さくて済む。その
後、上記図8〜10の実施例1と同様の樹脂封止機によ
り樹脂を封止した後、更にヒーター32でキャビティ3
内の樹脂を取り出しても変形しない程度まで加熱して硬
化させ、金型31,2を開いて成形品を得る。
【0033】このように、本実施例では、硬化性樹脂が
漏れない程度の小さな圧力でキャビティ3に硬化性樹脂
を注入するので、最終成形品に必要な樹脂量には満たな
くなるが、この樹脂注入時に樹脂漏れを生じ難くするこ
とができる。この後、液状の硬化性樹脂をプレ硬化して
ゲル状(半固体状態)にするため、樹脂に弾性が付与さ
れるので、従来の液状の場合よりも変形し易くなり、樹
脂の再注入時の圧力を小さく済ませることができるとと
もに、流動性を小さくすることができ、注入の際の樹脂
漏れ及びばりの発生を抑えることができる。
【0034】また、樹脂をゲル化して弾性を付与し変形
し易くすることができるため、樹脂の再注入時の圧力が
小さくても、所定の樹脂量をキャビティ内に容易に注入
することができる。しかも、従来のように液状の樹脂を
そのまま一気に硬化するのではなく、液状の樹脂を完全
に硬化する前にプレ硬化しているため、プレ硬化により
ある程度硬化収縮してから最終の硬化を行っているの
で、従来の液状の樹脂を一気に硬化する場合よりも、最
終的に硬化させる時の収縮量を小さくすることができ、
硬化収縮に伴う変形を小さく抑えることができる。
【0035】更に、キャビティ3に樹脂を過充填してい
るため、硬化に伴う収縮を抑えることができる。従っ
て、複雑な装置、作業を行うことなく金型パーティング
部からの樹脂漏れ及びバリ発生を抑えることができる
等、成形精度の低下を抑えることができるため、高精度
な成形品7を得ることができる。また、成形品成形後、
転写面にアルミニウム等を蒸着させてミラー面を得るた
めに、ウェルド等の内部の不正に気を使う必要がないた
め、プレ硬化時の硬化率の設定にかなり幅をとることが
できる。
【0036】なお、上記実施例1,2においては、プレ
硬化時の樹脂の硬化率は、弾性体としての効果を効率良
く得ることを考慮すると、30%以上90%以下が好ま
しい。上記実施例1,2においては、再注入時の樹脂
は、硬化収縮後の体積がキャビティの体積と等しいか、
若しくは略等しくなるように注入するのが好ましく、こ
の場合、キャビティと硬化後の成形品の体積差を小さく
することができるため、硬化収縮に伴う変形を防ぐこと
ができる。
【0037】上記実施例1においては、プレ硬化時の紫
外線照射量は、転写面の必要な部分となる成形品の有効
部の硬化率が、側面部分等の非有効部の硬化率よりも高
くなるように調整すると、有効部の硬化率が高くて、再
注入した樹脂のウェルドが発生し易いうえ、非有効部の
硬化率が低くて樹脂の弾性による効果が得られ難くなる
等、好ましくない。
【0038】そこで、プレ硬化時の紫外線照射量は、転
写面の必要な部分となる成形品の有効部の硬化率が、側
面部分等の非有効部の硬化率よりも低くなるように調整
するのが好ましく、この場合、有効部の硬化率を下げる
ため、再注入させた樹脂とのウェルドを防ぐことができ
るとともに、非有効部の硬化率を上げるため、樹脂の弾
性による効果を得ることができる。
【0039】また、非有効部で硬化率を上げるため、プ
レ硬化による硬化収縮を稼ぐことができる他、非有効部
に金型の合わせ面等が来るようにすることで、クリアラ
ンスが大きくても、バリの発生を生じ難くすることがで
きる。従って、金型コストを低減することができる。上
記実施例2においては、プレ硬化時の加熱量は、転写面
の必要な部分となる成形品の有効部の硬化率が、側面部
分等の非有効部の硬化率よりも高くなるように調整する
と、有効部の硬化率が高くて、再注入した樹脂のウェル
ドが発生し易いうえ、非有効部の硬化率が低くて樹脂の
弾性による効果が得られ難くなる等、好ましくない。
【0040】そこで、プレ硬化時の加熱量は、転写面の
必要な部分となる成形品の有効部の硬化率が、側面部分
等の非有効部の硬化率よりも低くなるように調整するの
が好ましく、この場合、有効部の硬化率を下げるため、
再注入させた樹脂とのウェルドを防ぐことができるとと
もに、非有効部の硬化率を上げるため、樹脂の弾性によ
る効果を得ることができる。
【0041】また、非有効部で硬化率を上げるため、プ
レ硬化による硬化収縮を稼ぐことができる他、非有効部
に金型の合わせ面等が来るようにすることで、クリアラ
ンスが大きくても、バリの発生を生じ難くすることがで
きる。従って、金型コストを低減することができる。上
記実施例1,2では、硬化性樹脂4に、樹脂の硬化率の
調整が容易等の点で好ましい紫外線硬化樹脂と、剛性の
要求される成形品に最適である等の点で好ましい熱硬化
性樹脂を用いる場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、電子線硬化樹脂等のエネル
ギー硬化性樹脂にも適用することができる。また、成形
品もレンズ、ミラーには限らず、高精度の要求されるも
の全てに適用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、金型コストを増加させ
ることなく、金型パーティング部からの樹脂漏れ及びバ
リ発生を抑えることができ、成形精度の低下を抑えるこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較例の光学部品の製造方法を示す図である。
【図2】比較例の光学部品の製造方法を示す図である。
【図3】比較例の光学部品の製造方法を示す図である。
【図4】比較例の光学部品の製造方法を示す図である。
【図5】本発明に係る光学部品の製造方法を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る光学部品の製造方法を示す図であ
る。
【図7】本発明に係る実施例1の光学部品の製造方法を
示す図である。
【図8】本発明に係る実施例1の光学部品の製造方法を
示す図である。
【図9】本発明に係る実施例1の光学部品の製造方法を
示す図である。
【図10】本発明に係る実施例1の光学部品の製造方法
を示す図である。
【図11】本発明に係る実施例2の光学部品の製造方法
を示す図である。
【符号の説明】
1,2,31 金型 3 キャビティ 4 硬化性樹脂 5 樹脂供給装置 6 エネルギー 7 成形品 11 ガラスレンズ 12 フィルター 21 樹脂供給路 22 ゲート 23 球状弁体 24 ストップピン 32 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写面を有するキャビティと、該キャビテ
    ィに連通する樹脂供給路と、該樹脂供給路の一部に設け
    られた樹脂封止機構とを有する成型装置を用い、かつ硬
    化性樹脂を用いて光学部品を製造する方法において、前
    記キャビティに前記樹脂供給路を通して液状の前記硬化
    性樹脂を注入する第1の工程と、次いで、前記硬化性樹
    脂を液状からゲル状になるように所定の硬化率まで硬化
    させる第2の工程と、次いで、前記キャビティに所定の
    圧力が立つまで最終成形品に必要な量の前記硬化性樹脂
    を再度注入する第3の工程と、次いで、前記樹脂封止機
    構により封止を行い、取り出しても変形しない程度まで
    硬化させる第4の工程とを含むことを特徴とする光学部
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第2の工程における前記硬化性樹脂の
    硬化率は、30%以上90%以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の光学部品の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第3の工程における前記硬化性樹脂
    は、硬化収縮後の体積が前記キャビティの体積と等しい
    か、若しくは略等しくなるように注入することを特徴と
    する請求項1,2記載の光学部品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記硬化性樹脂は、紫外線硬化性樹脂から
    なることを特徴とする請求項1乃至3記載の光学部品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】前記第2の工程における前記硬化性樹脂の
    硬化は、成形品の実効的転写面に対応する有効部の硬化
    率が該有効部を除く非有効部の硬化率よりも低くなるよ
    うに紫外線照射量を調整することにより行うことを特徴
    とする請求項4記載の光学部品の製造方法。
  6. 【請求項6】前記硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の光学部品の製造
    方法。
  7. 【請求項7】前記第2の工程における前記硬化性樹脂の
    硬化は、成形品の実効的転写面に対応する有効部の硬化
    率が該有効部を除く非有効部の硬化率よりも低くなるよ
    うに硬化に必要な熱量を調整することを特徴とする請求
    項6記載の光学部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007015334A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Sanyo Electric Co Ltd 複合光学素子の製造方法および複合光学素子モジュール
US7599120B2 (en) 2004-09-07 2009-10-06 Sanyo Electric Co., Ltd. Composite lens, manufacturing method for composite lens, and lens module
TWI461285B (zh) * 2011-05-18 2014-11-21 Choung Lii Chao 微結構基板製造方法

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