JPH08179475A - 写真フイルムカートリッジ用バーコードラベル - Google Patents

写真フイルムカートリッジ用バーコードラベル

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JPH08179475A
JPH08179475A JP6321029A JP32102994A JPH08179475A JP H08179475 A JPH08179475 A JP H08179475A JP 6321029 A JP6321029 A JP 6321029A JP 32102994 A JP32102994 A JP 32102994A JP H08179475 A JPH08179475 A JP H08179475A
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JP
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less
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Pending
Application number
JP6321029A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Mizuno
和則 水野
Hidetoshi Kawasaki
英敏 河崎
Tadao Nishikawa
忠男 西川
Tatsuo Takeuchi
龍夫 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Kuramoto Sangyo Co
Original Assignee
Kuramoto Sangyo Co
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kuramoto Sangyo Co, Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Kuramoto Sangyo Co
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 バーコードの読取りが確実に行われ、かつ確
実に貼り付けられる写真フイルムカートリッジ用バーコ
ードラベルを提供する。 【構成】 バーコードラベルは、透明なベース層20
と、バー16のパターンで印刷されたインク層22と、
ベース層20に被着された金属薄膜により反射層21を
形成し、粘着剤層23を介してバーコード板に貼り付け
る。インク層22は、マット剤が添加された黒色インク
で印刷し、その表面を粗面にする。反射層21は、イン
ク層22のない部分から上面に露呈してスペース17の
パータンになる。カメラ側のフォトセンサ38がバー1
6に対峙した時には、赤外光がインク層22に吸収され
るとともに、粗面にされた表面によって一部が拡散反射
し、極めて弱い正反射光だけが受光部37に入射する。
スペース17に対峙した時には、赤外光が反射層21の
鏡面作用で正反射され受光部37に入射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フイルムカートリ
ッジ用バーコードラベルに関し、さらに詳しくは写真フ
イルムカートリッジ内のスプールと一体に回転する円板
に貼り付けて用いられ、写真フイルムの固有情報等がバ
ーコードで記された写真フイルムカートリッジ用バーコ
ードラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真フイルムカートリッジに収納された
写真フイルム固有の情報を表すバーコードを記した円板
(バーコード板)をスプールに連動させて回転するよう
にした写真フイルムカートリッジ及びそのバーコードを
識別するカメラが考案されている(例えば、米国特許
5,049,912号)。バーコードは、低反射率のバ
ー(黒バー)と高反射率のスペース(白バー)とを交互
に並べて構成されており、表現する情報の内容に応じて
バー及びスペースの幅が決められている。スプールの回
転中に、カメラ側に設けられた反射型フォトセンサでバ
ー及びスペースの幅が測定され、信号幅からバー及びス
ペースの表す論理値「0」または「1」が判断されて、
バーコードの情報が解読される。
【0003】バーコードは、バーコード板に直接印刷さ
れるか、バーコード表面に接着される円形のラベル(バ
ーコードラベル)に印刷される。通常、バーは黒色イン
クで、スペースは白色インクでそれぞれのパターンが表
現されている。
【0004】一方、バーコードを反射型フォトセンサで
読み取る場合、投光部からの光をバーコードに入射角θ
で照射したときに、反射角θ(=入射角θ)で正反射し
た反射光を受光部で検出するようにしておくと、バーコ
ードのスペース部分で反射された強い反射光が受光部に
入射されるようになるので、投光部の光量を大きくした
り、あるいは受光部に組み込まれる受光レンズを大きく
したりせずに、高い信号レベルの光電信号を得ることが
できる。したがって、組み込みスペースが制約されたカ
メラなどでは、正反射式でバーコード読取りを行うのが
有利となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
バーコードを印刷した印刷面は滑らかなので正反射の反
射率が高くなっており、たとえ黒色で印刷されているバ
ーコードのバー部分でも正反射の光強度がかなり大きく
なる。このため、スペースとバーとを測定した時の各光
電信号の信号レベル差が小さくなって、論理値の判断を
間違いやすくなるという問題がある。また、レベル差が
小さな光電信号からスペースとバーとを正確に判定しよ
うとすると、信号レベルの変動が少ない反射型フォトセ
ンサを用いたり、高精度で信号レベルを判別する回路を
用いる必要があるためコストがかかってしまうという問
題がある。
【0006】また、スプールと一体となったバーコード
板にラベルを貼り付けるためには、接着剤が必要である
が、一般には感圧性接着剤(以下、粘着剤と称する)が
使われる。この粘着剤種により、写真フイルムに「カブ
リ」,「感度異常」等が発生して写真性を悪化させてし
まうことがある。さらに、貼付機では、ラベルが剥離紙
から剥がれる必要があるが、粘着剤量が多すぎると剥離
不良が出たり、少ないとバーコードラベルがスプール回
転中に剥がれてしまうという問題がある。
【0007】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、スペースとバーとの正反射に対する反射率
の差を大きくし、バーコードの読取りが確実に行われ、
かつ確実に貼り付けられる写真フイルムカートリッジ用
バーコードラベルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、バーコードラベルを透明なベース層と、ベ
ース層を透過してきた光を反射するベース層の下面に被
着させた金属薄膜からなる反射層と、反射層のさらに下
面に反射層を被覆するように塗布した粘着剤層と、ベー
ス層の上面に前記バーの配列パターンに対応して印刷さ
れ、表面を粗面にした低反射率のインク層とからなるよ
うにしたものである。また、インク層は、マット剤を添
加した黒色インクの印刷により形成するのがよい。
【0009】前記黒色インクは、カーボンブラック濃度
を5重量%以上25重量%以下とし、かつマット剤とし
て平均粒子径が0.1μm以上10μm以下のコロイダ
ルシリカを0.5重量%以上20重量%以下添加したし
たものがよい。コロイダルシリカとは、シリカゾルと呼
ばれる水を分散媒とする高分子量の二酸化ケイ素(シリ
カ)のコロイドである。四酸化ケイ素を水に添加する
か、ケイ酸塩水溶液を中和するか、有機溶媒を分散媒と
して用いる等公知の種々の方法により製造されたすべて
のコロイダルシリカが本発明では使用できる。コロイダ
ルシリカの主成分の二酸化ケイ素(以下、シリカと称す
る)は、大別すると天然シリカ(主として硅砂を原料と
して製造)と合成シリカとがある。本発明では、目的に
応じた性質(平均粒子径,比表面積,細孔容積等)のも
のを安価で簡単に入手でき、不純物混入が少なく写真性
に悪影響を及ぼすことが少ない点から合成シリカが好ま
しい。合成シリカの代表的な製造方法としては、ケイ酸
ナトリウムと酸との反応(湿式法)と四塩化ケイ素の分
解(乾式法)の2つの方法があるが、本発明ではいずれ
の合成シリカを用いることができる。本発明では、特に
湿式法のコロイドを脱水して得られる微粉末(平均粒子
径が0.1〜10μm)シリカが好ましい。
【0010】また、前記粘着剤層の粘着剤組成は、アル
キル基が平均4〜12の炭素原子を有するアルキルアク
リレートモノマー69重量%以上99重量%以下と、共
重合可能なビニル化合物30重量%以下と、モノエチレ
ン状不飽和かつ極性共重合性モノマー1重量%以上20
重量%以下とを含有するアクリル系共重合体が100重
量部と、軟化点35℃以上の粘着付与剤を1〜40重量
部としたものであり、前記粘着剤の塗布量が1平方メー
トル当たり10g以上40g以下とするのがよい。
【0011】
【作用】バーコードラベルは、透明なベース層の上面に
例えばマット剤を添加した黒色インクでバーの配列パタ
ーンが印刷されて、表面が粗面にされたインク層により
バーが記され、インクが形成されていない部分からベー
ス層の下面に被着された金属薄膜からなる反射層が露呈
することによりスペースが記される。バーは正反射する
反射光が極めて少なく、スペースは光のほとんど全てを
正反射させる。バーとスペースで正反射された反射光
は、その反射光の強さに大きな差をもつから、正反射し
た反射光を受光するようにした反射型フォトセンサから
は、バー及びスペースから得られる反射光に比例して光
電信号のレベル差が大きくなり、バーコードの読取りが
正確にされる。
【0012】また、上記のようにカーボンブラックとコ
ロイダルシルカを含む黒色インクでバーを印刷すること
により、良好な低反射率を有するバーを形成するとこと
ができる。上記粘着剤組成および塗布量とすることによ
って、写真フイルムカートリッジ用バーコードラベルに
適したものになる。
【0013】
【実施例】図2において、写真フイルムカートリッジ2
は、写真フイルム3を巻き付けたスプール4と、写真フ
イルム3を光密に収納するカートリッジ本体5とから構
成されている。カートリッジ本体5は、互いに嵌合され
る一対のカートリッジシェル6,7からなり、これらは
遮光性のプラスチックでそれぞれ形成されている。カー
トリッジ本体5の外周には、フイルム送出口8が先端に
形成されたポート部9が、またカートリッジ本体5の上
面には後述するバーコード14を外部に露呈させるため
の開口10が形成されている。また、カートリッジ本体
5の側面には、胴体ラベル貼付スペース5aが形成され
ており、この胴体ラベル貼付スペース5aには、フイル
ム感度,撮影可能フレーム数等が記された胴体ラベル
(図示省略)が貼付される。
【0014】ポート部9には、フイルム送出口8とカー
トリッジ本体5の内部をつなぐフイルム通路が形成され
ており、このフイルム通路内には、遮光用の蓋部材(図
示せず)が設けられている。蓋部材は、ポート部9の上
面に露呈した係合部11と一体となっており、この係合
部11を回動させることにより、フイルム通路を開閉す
ることができる。なお、蓋部材の代わりに遮光用のテレ
ンプをフイルム通路に設けてもよい。
【0015】スプール4を示す図3において、スプール
4は、写真フイルムが巻き付けられるスプール軸4a
と、一対のフランジ4bと、バーコード板12とからな
り、これらは一体に組み付けられている。一対のフラン
ジ4bは、フイルムロールの両側面の位置を規制する。
【0016】バーコード板12は、ドーナッツ状の円板
の一部に扇状に切欠きが形成された形状になっており、
このバーコード板12の上面には、これと同形状のバー
コードラベル13が貼り付けられる。バーコードラベル
13には、写真フイルム3のフイルム感度,撮影可能な
フレーム数,写真フイルム3のラチチュード,製造年月
日,メーカー名等の各種情報を表したバーコード14が
記されている。バーコード14は、扇状に切り欠かれた
ブラッククワイエットゾーン15以外の部分に、低い反
射率のバー16と高い反射率のスペース17とを交互に
並べたデータ部が設けられている。バーコードラベル1
3は、バーコード板12の切欠きとブラッククワイエッ
トゾーン15の位置とを一致させて貼り付けられる。
【0017】バーコード14のデータ部は、後述するよ
うにして形成された多数のバー16及びスペース17か
らなり、バー16及びスペース17には、幅(角度)の
狭いものと幅(角度)の広いものとがある。例えばこれ
らの幅の比率は1:2となっており、バー16及びスペ
ース17のいずれも幅の狭いものが論理値「0」を表
し、幅の広いものが論理値「1」を表している。そし
て、これらバー16およびスペース17は、交互に並べ
られて写真フイルムの情報等が表現される。なお、ブラ
ッククワイエットゾーン15は、連続的な低反射部とし
て検出されることでバーコード14のデータの区切りす
なわちバーコード14のデータの開始端を検知するため
に使用される。バーコード板12及びバーコードラベル
13は、扇状の切欠き部分を設けずに、バーコードラベ
ル13の全周にバーコードを形成してもよい。この場合
には、データの開始位置,終了位置を識別できるよう
に、バーコードにこれら位置を示すパターンを設けるの
がよい。また、バーコード板12を設けずに一方のフラ
ンジ4bに貼り付け、カートリッジ本体5の開口10か
ら露呈させるようにしてもよい。
【0018】図4は、バーコード板12に貼り付けられ
る前のバーコードラベル13を厚みを誇張して示したも
のである。バーコードラベル13は、透明なポリスチレ
ン樹脂(PS)からなるベース層20と、その下面に例
えば蒸着によりアルミニウム薄膜を被着させた反射層2
1と、ベース層20の上面に黒色インクを用いてバー1
6のパターンを印刷したインク層22及び反射層21の
下面に塗布された粘着剤層23とからなる。黒色インク
には、コロイダルシリカ,ガラス中空のマイクロバルー
ン,炭酸マグネシウム, PMMA(ポリメチルメタクリ
レート)やポリエチレン(PE)のビーズ等のマット剤
が適量添加され、インク層22の表面は粗面(マット
面)となっている。このため、インク層22に入射した
光のほとんどは黒色インクで吸収され、また乱反射され
ることにより、インク層22の表面からの正反射光は極
めて微弱なものになる。なお、最も好ましいマット剤と
しては、コストが安くマット効果の高いコロイダルシリ
カがあげられる。
【0019】なお、インク層22の表面を粗面にするに
は、例えば印刷用の型の印刷面を粗面にするなど、印刷
工程でインク層22の表面を粗くする印刷法を用いれば
必ずしも黒色インクにマット剤を添加しなくてもよく、
もちろん、このような印刷法とマット剤を添加した黒色
インクとを組み合わせてインク層22を形成してもよ
い。また、反射層21としてはアルミニウムの蒸着膜を
用いるのが低コストの高反射面を得るうえで有利である
が、反射率の高いスズ(Sn),亜鉛(Zn),コバル
ト(Co),クロム(Cr),ニッケル(Ni)等の金
属単体または合金の金属膜を用いることも可能で、形成
方法にしても蒸着のみに限られない。また、スペース1
7を表面反射率の高い白色印刷とすることもできる。
【0020】バーコードラベル13は、反射層21の下
面に塗布された粘着剤層23により剥離紙24に貼り付
けられている。そして、バーコード板12にバーコード
ラベル13を貼り付ける工程で、ラベル自動貼り付け機
によりバーコードラベル13が剥離紙24から1枚ずつ
剥がされ、バーコード板12に貼り付けられる。
【0021】実際にバーコードラベル13を作成する場
合には、ベース層20となる帯状のPS製フイルムの下
面の全面にアルミニュウムを蒸着して反射層21が形成
される。剥離紙24には粘着剤層23が塗布され、この
粘着剤層23に反射層21の下面が貼り付けられる。粘
着剤層23の好ましい組成は、アルキル基が平均4〜1
2の炭素原子を有するアルキル(メタ)アクリレートモ
ノマーを69〜99重量%と、共重合可能なビニル化合
物を30重量%以下と、モノエチレン状不飽和かつ極性
共重合性モノマーを1重量%以上20重量%以下とを含
有するアクリル系共重合体を100重量部と、軟化点3
5℃以上の粘着付与剤を40重量部以下としたものであ
って、塗布量は1平方メートルあたり10g〜40g、
好ましくは20g〜30gとしたものである。
【0022】その後、ベース層20の上面に、バーコー
ド14のバー16のパターンが凸版輪転印刷,オフセッ
ト印刷等を用いて黒色インクで印刷される。そして、バ
ーコードラベル13は、その形状に半抜きされ、不要な
外周が剥離紙24から剥がされて、中心部分は剥離紙2
4とともに打ち抜かれ、バーコードラベル13が中央に
穴があいた状態で剥離紙24の上に残された状態とな
る。このようにして作成されたバーコードラベル13
は、剥離紙24から剥がされ、バーコード板12に貼り
付けられる。なお、ベース層20は、蒸着が可能で貼付
作業性が良く、平面性の良い材質が好ましく、ポリスチ
レン(PS)の他に透明なポリエチレン(PE),ポリ
プロピレン(PP),ポリエチレンテレフタレート(P
ET),アクリル,ポリカーボネート,トリアセテート
等のフイルムを用いてもよい。特にリサイクルの視点か
らは、写真フイルムカートリッジと同一の材質をベース
層20に使用することが好ましい。
【0023】ベース層20は、無延伸フイルム,一軸又
は二軸延伸フイルムのいずれも使用することができる
が、耐熱性の点から一軸又は二軸延伸フイルムが好まし
く、特に二軸延伸ポリスチレンフイルム,二軸延伸ポリ
プロピレンフイルム,二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムが好ましい。ベース層20の厚さは、10
〜90μm,好ましくは20〜80μm,特に好ましく
は30〜70μm,最も好ましくは40〜60μmであ
る。10μm未満では強度が不足し、90μmを越える
と高価になり且つ延伸フイルムとすることが困難にな
る。
【0024】ラベル製造においては、一般的に凸版方
式、オフセット方式、スクリーン方式で印刷される。こ
れらのうち、スクリーン方式はインク厚が厚く、耐候性
に優れ、ベタ印刷部の仕上がり外観が良好であるが、生
産(印刷)スピードが遅くコストが高いため、少量生産
の高級印刷ラベルに使用されるのが主体である。一方、
凸版方式、オフセット方式は、生産(印刷)スピードが
速く生産性が良いため、大量生産に適しており、大量生
産される写真フイルムカートリッジ用バーコードラベル
は、凸版方式、オフセット方式で印刷するのが望まし
い。しかしながら、この両者の印刷方式ともインク厚が
薄いため隠蔽力が低く、反射層を充分に隠蔽することが
できない場合がある。このため、これらの印刷方式を写
真フイルムカートリッジ用バーコードラベルに使用する
ためには、隠蔽性を改善する目的でインク濃度を上げ黒
色インクをマット化することが必須条件となった。
【0025】(1) 写真フイルム用バーコードラベル
では、ポリスチレン等のフイルムに印刷する前提がある
ので、紙印刷に使用される浸透型インクは使用されず、
酸化重合乾燥型インク,及びUV硬化型インクが主に使
用される。 (2) 凸版印刷用インク及びオフセット印刷用インク
のいずれについても下記のような組成のインクが使用さ
れる。 1.酸化重合乾燥型インクの組成としては、 バインダー 乾性油:あまに油,桐油等 樹 脂:ロジン変性フェノール,アルキド樹脂等 石油系溶剤 顔料(カーボンブラック) ドライヤー(触媒):乾燥促進作用のために、コバ
ルトの脂肪酸塩,ナフテン酸塩,鉛,マンガンのホウ酸
塩等 2.UV硬化型インクの組成としては、 バインダー 重合反応性樹脂(オリゴマーまたはプレポリマー) :アクリル酸エステル,エポキシアクリレート,ウレタ
ンアクリレート,ポリエステルアクリレート等 光重合モノマー:反応性希釈剤として用いられ、粘度特
性,硬化物性,架橋促進等を目的として、モノアクリレ
ート,ジアクリレート,トリアクリレート 光重合開始剤または増感剤:ベンゾフェノンエーテ
ル類,ベンゾフェノン等 顔料(カーボンブラック) 助剤及び添加剤:ワクッス,充填剤等
【0026】低反射率のインキ用顔料としては、黒色の
カーボンブラックが好ましい。好ましいカーボンブラッ
クの原料による分類例をあげると、ガスブラック,ファ
ーネスブラック,チャンネルブラック,アントラセンブ
ラック,アセチレンブラック,ケッチェンカーボンブラ
ック,サーマルブラック,ランプブラック,油煙,松
煙,アニマルブラック,ベジタブルブラック等がある。
【0027】市販品としては、例えば三菱化成製のカー
ボンブラック#20(B),#30(B),#33
(B),#40(B),44(B),#45(B),#
50,#55,#100,#600,#2200
(B),#2400(B),MA8,MA11,MA1
00等が挙げられる。また、海外の製品としては、例え
ばキャボット社のBlack Pearls 2,4
6,70,71,74,80,81,607等、Reg
al 300,330,400,660,991,SR
F−S等、Vulcan 3,6等,Sterling
10,SO,V,S,FT−FF,MT−FF等が挙
げられる。さらに、アシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,
3006,3007,3008,3009,3011,
3012,XC−3016,XC−3017,3020
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】カーボンブラックのPHは、2.0〜1
0.0,好ましくは4.0〜9.0,特に好ましくは
6.0〜8.0であり、平均粒子径が10〜120m
μ,好ましくは15〜60mμ、揮発成分が3.0%以
下,好ましくは1.0%以下,特に好ましくは0.8%
以下であり、吸油量が50ml/100g以上,好まし
くは60ml/100g以上,特に好ましくは70ml
/100g以上としたものが、写真フイルムに「カブ
リ」や「感度異常」等の写真性を悪化させない。
【0029】写真フイルムの写真性に悪影響を与えない
ようにするするための上記カーボンブラック中の遊離硫
黄分は0.6%以下、好ましくは0.3%以下,特に好
ましくは0.1%以下であり、シアン化合物含有量は
0.01%以下、好ましくは0.005%以下,特に好
ましくは0.001%以下であり、アルデヒド化合物含
有量は0.1%以下,好ましくは0.05%以下,特に
好ましくは0.01%以下である。これらの物質は少量
でも写真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0030】バーコードラベル13は、写真フイルムカ
ートリッジ2のバーコード板12に貼り付けた後、要求
される物性を満足するもラベルでなければならない。す
なわち、カメラや写真フイルムカートリッジが置かれる
状況、車の中や屋外で、高湿度,高温,低温,高温低温
の繰り返しにおいて、バーコードラベルが剥がれたり,
めくれたり,波打ったり,縮んだり,亀裂が入ったり、
糊(粘着剤)がはみ出したりしてはならない。そのた
め、耐久性のある粘着剤でなければならない。
【0031】上記特性を有するとともに、特に写真フイ
ルム用として写真性に悪影響を及ばさない点からアクリ
ル系粘着剤が好ましい。バーコードラベル13に使用さ
れる粘着剤層23の粘着剤組成は、上述したようにアル
キル基が平均4〜12の炭素原子を有するアルキルアク
リレートモノマーと,共重合可能なビニル化合物と、モ
ノエチレン状不飽和かつ極性共重合性モノマーとに必要
に応じて粘着付与剤を添加したアクリル系粘着剤であ
る。このバーコードラベル13に使用されるアクリル酸
エステルを主成分とする共重合体は化学的な耐性,耐熱
性,酸化劣化,耐候性に優れ、上記の要求に合致する性
能を持つものである。
【0032】アクリル系粘着剤の製造方法としては特に
限るものではなく、溶液重合,エマルジョン重合,ある
いはコーティングと同時に重合させる紫外線重合や電子
線重合等のいずれの重合方法も使用することができる。
紫外線とは波長の範囲が約180〜約460nmの電磁
放射線であり、紫外線源としては水銀アーク、低圧,中
圧,高圧水銀ランプ等を使用する。照射時間は、一般に
0.1〜10秒位である。紫外線照射による硬化の場合
はベンゾイン,ベンゾフェノン等の光開始剤を使用し、
使用量は0.01〜20重量%の範囲で適宜使用する。
また、電子線とは加速された核粒子の放射線をいい、線
量は一般に約0.01〜100Mradの範囲で電子線
加速器により適宜照射される。
【0033】アルキル基が平均4〜12の炭素原子を有
するアルキルアクリレートモノマーとしては、nブチル
アクリレート,イソブチルアクリレート,ヘキシルアク
リレート,2エチルヘキシルアクリレート,イソオクチ
ルアクリレート等であり、感圧接着剤としての基本物性
を得るためにこれらのアルキルアクリレートモノマーの
配合量は69〜99重量%が好ましい。
【0034】また、モノエチレン状不飽和かつ極性共重
合性モノマーとしては、水酸基,カルボシキル基,酸ア
ミド,エポキシ基等の官能基を含有するモノマーであ
り、アクリル酸,メタアクリル酸,イタコン酸,無水マ
レイン酸,アクリル酸ヒドロキシプロピル,アクリル酸
2ヒドロキシエチル,メタクリル酸2ヒドロキシエチ
ル,N−tブチルアクリルアミド,ダイアセトンアクリ
ルアミド,グリシジルアクリレート等である。これら
は、共重合させることにより、粘着性,接着性,凝集力
のバランスを図ることができ、また架橋成分として使用
される。このモノエチレン状不飽和かつ極性共重合性モ
ノマーは、1重量%より少ないと上記バランスにおける
効果が充分でなく、20重量%より多いとかえって粘着
性や接着性が低下する傾向にある。
【0035】共重合可能なビニル化合物としては、アク
リロニトリル,メタアクリロニトリル,アクリル酸及び
メタアクリル酸の誘導体,酢酸ビニル,無水マレイン
酸,スチレン,プロピオン酸ビニル,マレイン酸ジブチ
ル,イタコン酸ジブチル等が凝集力向上などの目的で導
入され、30重量%以下の割合で使用可能である。
【0036】さらに、必要に応じて粘着付与剤が添加さ
れる。粘着付与剤としては、ロジンもしくはロジン誘導
体樹脂(変性ロジン系樹脂も含む),フェノール樹脂も
しくはアルキルフェノール系樹脂,石油系樹脂,アルキ
ルフェノール・アセチレン樹脂,テルペン・フェノール
系樹脂,テルペン系樹脂,クマロン・インデン樹脂,キ
シレン樹脂等が使用され、耐熱性の低下を防ぐために軟
化点が35℃以上,好ましくは40℃以上,特に好まし
くは45℃以上のものである。好ましいものは、ロジン
誘導体樹脂,フェノール樹脂,キシレン樹脂である。粘
着付与剤の添加量が多い場合はかえって固くなり初期タ
ックの低下をまねくため、アクリル系ポリマー100重
量部に対して1〜40重量部,好ましくは2〜35重量
部,特に好ましくは3〜30重量部である。添加量が1
重量部以下では、接着性や粘着性が得られず、40重量
部をこえても接着性や粘着性が得られない。
【0037】耐熱性,糊のはみ出し,凝集力を向上させ
るため架橋を行うことも可能であり、多官能イソシアネ
ートを用いる方法,メラミン架橋による方法,グリシジ
ルアクリレートとアミンによる方法,内部架橋剤を使用
する方法等があり,粘着性,接着性,耐熱性のバランス
を取るように行えば、いずれの方法も可能である。架橋
剤の添加量は、アクリル系ポリマー100重量部に対し
て0.1〜10重量部,好ましくは0.2〜8重量部,
特に好ましくは0.5〜6重量部である。0.1重量部
未満では添加効果がなく経費増となるだけであり、10
重量部を越えても増量効果がなく材料費増となるだけで
ある。粘着剤塗布量としては、十分な接着性を出すため
に、1平方メートル当たり10g以上の塗布量であれば
良く、40g以上であれば糊のはみ出し等の悪影響が出
やすくなるため、これ以下が好ましい。
【0038】図5に上記写真フイルムカートリッジ2を
使用するカメラを示す。カメラボディ30には、周知の
ようにカートリッジ装填室31が形成されており、その
底部31aが開口しており、この開口は裏蓋32によっ
て開閉される。写真フイルムカートリッジ2は、底部3
1aからカートリッジ装填室31に挿入され、そして、
スプール4にはフォーク33が連結し、ポート部9の上
面の係合部11にはキー34が連結する。このフォーク
33は、周知のようにカメラ内に内蔵したモータ(図示
せず)によって、正逆両方向に回転される。また、キー
34は係合部11を介して蓋部材を回動し、写真フイル
ムカートリッジ2のフイルム通路を開閉する。
【0039】写真フイルムカートリッジ2をカメラのカ
ートリッジ装填室31に装填して裏蓋32を閉じると、
カメラの制御部は、キー34を介して写真フイルムカー
トリッジ2の蓋部材を回動して、写真フイルムカートリ
ッジ2のフイルム通路を開けた状態にしてから、フォー
ク33を回転し、スプール4をフイルム送り出し方向に
回転する。これにより、写真フイルム3の先端がフイル
ム送出口8からカートリッジ本体5の外部に送り出され
る。
【0040】写真フイルム3は、カメラのフイルム通路
44に送られ、アパーチャの背後を通ってカメラの巻取
り軸に巻き取られる。1フレーム目がアパーチャにセッ
トされると、フイルムの初期送りが完了する。その後
は、シャッタボタンが押下される毎に、モータが回転し
て、写真フイルム3を1フレームずつ巻取り軸に巻き取
る。全てのフレームが撮影されると、モータは自動的に
逆転し、露光済の写真フイルム3をカートリッジ本体5
内に巻き戻す。巻戻しが終了すると、キー34で蓋部材
が回動されて写真フイルムカートリッジ2のフイルム通
路が閉じられる。
【0041】また、カートリッジ装填室31内で、写真
フイルムカートリッジ2の開口10すなわちバーコード
ラベル13に臨む位置には、バーコード14を読取りる
ための投光部36と受光部37とからなる反射型のフォ
トセンサ38が設けられている。図6に示すように、投
光部36は、デイライトタイプやタングステンタイプの
写真フイルムが感度を持たない赤外波長域の赤外光を発
光する発光ダイオード36aと投光レンズ36bとから
構成され、受光部37は、投光部36の赤外光の波長に
受光感度もったフォトトランジスタ37aと受光レンズ
37bとから構成されている。なお、発光ダイオード3
6aが発光する光を赤外光とするのは、写真フイルムカ
ートリッジ2から引き出された写真フイルム3にカブリ
を与えないようにするためである。フォトセンサ38に
は、例えばシャープ製のGP2S04,GP2S06,
GP2S07,GP2S09,GP2S10,GP2S
24,パナソニック製のON2170,東芝製のTLP
908,JRC製のNJL5171,光電子製のSG1
05等があげられるが、これに限定されるものではな
い。
【0042】写真フイルム3の初期送りの間に、ドライ
バ41によって投光部36の発光ダイオード36aが発
光し、スプール4とともに回転するバーコードラベル1
3に対して赤外光を照射する。この照射された赤外光が
バーコード14で反射されて受光部37で受光される。
【0043】発光ダイオード36aが発した赤外光は、
投光レンズ36bによって小さなスポット径でバーコー
ドラベル13上に照射される。また、赤外光がバーコー
ドラベル13に入射角θで入射するように、投光部36
は所定の角度に傾けられている。すなわち、投光レンズ
36bの光軸36cがバーコードラベル13表面の法線
39に対してθの傾きを持つようにされている。一方、
受光部37は、投光部36からの赤外光がバーコード1
4のスペース17で反射された時に、正反射(反射角
θ)した反射光を受光するように傾けられており、受光
レンズ37bの光軸37cと投光レンズ36bの光軸3
6cとがバーコードラベル13上で交差するようにされ
ている。さらに詳しくは、ベース層20と反射層21の
境界の位置で各光軸36c,37cが交差するようにさ
れている。
【0044】このため、図1に示すように、スペース1
7にフォトセンサ38が対峙したときには、投光部36
から投光された赤外光は、透明なベース層20を透過し
て反射層21に入射する。反射層21は鏡面として作用
し、入射した赤外光のほとんどを入射角θと同じ反射角
θで反射(正反射)する。受光部37には強い赤外光が
入射し、強い赤外光に応じた大きな信号レベルの光電信
号が受光部37から出力される。また、反射層21をベ
ース層20と粘着剤層23との間としたことにより、ラ
ベル表面の擦過等による反射層21の脱落が防止でき、
スペース17の十分な反射率を確保することができる。
【0045】また、バー16にフォトセンサ38が対峙
したときには、投光部36からの赤外光は、インク層2
2の黒色にそのほとんどが吸収されるとともにその一部
が反射するが、この反射光はインク層22のマット化さ
れた表面で散乱(拡散反射)するため、極めて弱い赤外
光が受光部37に入射するだけとなる。これにより、受
光部37は、極めて微弱な赤外光に応じた小さな信号レ
ベルの光電信号を出力する。
【0046】図6に示すように、受光部37は、受光し
た光の強さに比例した信号レベルの光電信号をバーコー
ド解読部40に送る。バーコード解読部40は、波形整
形回路40a,マイクロコンピュータ40bから構成さ
れている。波形整形回路40aは、光電信号を所定のし
きい値と比較することでHレベルとLレベルの二値信号
に変換して、これをマイクロコンピュータ40bに送
る。マイクロコンピュータ40bは、二値信号の各レベ
ルの信号幅を測定して、バー16またはスペース17の
幅を求めて、これらバー16とスペース17が表す論理
値を判断する。そして、バーコード14の全てのバー1
6及びスペース17の論理値からバーコード14の持つ
情報を解読する。
【0047】バー16及びスペース17から得られる各
光電信号の信号レベルは、大きなレベル差を持つ。した
がって、波形整形回路40aでは、光電信号レベルとの
間に十分な余裕をもってしきい値を設定することができ
る。これにより、多少光電信号の信号レベルが変動して
も、波形成形回路40aは間違ったレベルの二値信号を
出力することがない。例えばスペース17にフォトセン
サ38が対峙しているときに、光電信号の信号レベルが
低下しても、しきい値よりも下がることがなく、Lレベ
ルの二値信号が出力されない。また、波形整形回路40
aのしきい値が多少変動してもあるいは信号レベルの判
断精度が低い回路構成になっていても間違った二値信号
が出力されることがない。したがって、マイクロコンピ
ュータ40bは、波形整形回路40aからの二値信号に
基づいてバーコード14の論理の判断を正確に行うこと
ができ、バーコード14の情報を正確に解読することが
できる。
【0048】解読されたバーコード14の情報は、マイ
クロコンピュータ40bに接続されたLCDに表示され
たり、露出制御のために写真フイルムの感度設定に使用
される。なお、図6に示したバーコード解読部40は、
バーコードを解読する回路の一例であり、その他の回路
構成により受光部37からの光電信号に基づいてバーコ
ードを解読するようにしてもよい。なお、フォトセンサ
とバーコードラベルとの距離は、0.5mm〜3.0m
m,好ましくは1.0〜2.0mm程度が良い。これら
の距離が離れすぎるとバーコードラベル上でのスポット
径が大きくなり光電信号の出力低下や誤読の原因とな
り、近すぎるとノイズをひろいやすくなる。
【0049】次に、黒インクに添加されるマット剤の混
合量と,印刷方法とによるバーコードラベル13の適性
を評価した実施例と比較例とを説明する。
【0050】各実施例及び比較例に共通する条件は、 バーコードのパターン:バー16を11本設けたものを
使用した。 印刷工程 :各実施例に示す印刷方法で上述
した手順により、剥離紙24上に同一種のバーコードラ
ベル13のサンプルを複数個作成し、これをいったん巻
き取った後に、これを引き出しながら、バーコードラベ
ル13を剥離紙24から剥がして、バーコード板12に
貼り付けた。巻き取るまでの工程は17〜18m/mi
nの速さとした。 ベース層20 :PS製フイルムを使用した 反射層21 :アルミニュウムを蒸着。
【0051】〔実施例1〕nブチルアクリレート70重
量%、2エチルヘキシルアクリレート24重量%、アク
リル酸5重量%、2ヒドロキシアクリレート1重量%で
共重合した粘着剤100重量部に対して、架橋剤として
コロネートL(日本ポリウレタン製)1.4重量部を添
加し、剥離紙24上に25g/m2 の乾燥重量を持つよ
う塗布,乾燥させた(粘着剤層23)。次に、厚さ50
μmのポリスチレンフイルム(ベース層20)にアルミ
蒸着(反射層21)を施したものの蒸着面に、この粘着
剤層23を貼り合わせ、粘着シート原反を得た。このラ
ベル物性は下記の表1の通りであった。
【0052】
【表1】
【0053】この粘着シート原反から、図7に示すよう
な凸版輪転印刷方式のシール印刷機を使用して、バーコ
ードラベル13を作成した。粘着シート原反50は、ロ
ール状にされた繰り出し部51から送り出される。印刷
部52の印刷版53はバーコード14のバー16のパタ
ーンをした凸版であり、この凸部分に後述する黒色イン
クが転写されてから、凸版から黒色インクが粘着シート
原反50のベース層20上に転写、印刷される。この後
に、乾燥機54で紫外線を照射し、粘着シート原反に印
刷された黒色インクが乾燥(硬化)される。この粘着シ
ート原反50は、抜き部55でバーコードラベル13の
外周が半抜きされるとともに、中心部が打ち抜かれる。
粘着シート原反50は、余分なバーコードラベル13の
外周部がハーフカットカス仕上げ部56で剥がされてか
ら、巻き取り部57に巻き取られる。なお、符号58
は、粘着シート原反50のロールを交換した時に、次の
ロールの粘着シート原反と前の粘着シート原反とを接続
して、連続的に印刷部52に送るための継ぎ装置であ
る。
【0054】作成されたバーコードラベル13をポリス
チレンの板に貼り、実用テスト(耐冷熱繰り返し性及び
耐高湿度性について)を行った。この結果を下記の表2
に示すように、各テストとも問題はなかった。
【0055】
【表2】
【0056】印刷した条件は下記の通りである。 黒色インクは、凸版輪転機用に、プラスチックラベ
ル用インキでカーボンブラック含有量15重量%のUV
硬化タイプインクを使用した。 マット剤としては、1.5μmのコロイダルシリカ
を使用した。 この実施例1では、黒色インクに対するマット剤の
混合比率を1,2,5,10(重量%)としたサンプル
1,2,3,4を作成した。
【0057】作成したサンプル1〜4の正反射率比とフ
ォトセンサによる読み取り結果を表6にまとめた。
【0058】〔実施例2〕実施例1と同様にして作成し
た粘着シート原反から、図8に示すようなオフセット印
刷方式のシール印刷機を使用してバーコードラベル13
を作成した。オフセット印刷では、印刷部60の版胴6
1からブランケット胴62に、いったんバー16のパタ
ーンで後述する黒色インキを転写してから、このブラン
ケット胴62から粘着シート原反50に黒色インキを転
写して印刷を行う。なお、図7と同じものには、同符号
を付してある。このようにして、作成されたバーコード
ラベル13をポリスチレンの板に貼り、実用テストを行
った。この結果を下記の表3に示すように、問題はなか
った。
【0059】
【表3】
【0060】印刷した条件は下記の通りである。 黒色インクはオフセット印刷用に、プラスチックラ
ベル用インキでカーボンブラック含有量13重量%のU
V硬化タイプインクを使用した。 マット剤としては、0.5μmのコロイダルシリカ
を使用した。 この実施例2では、黒色インクに対するマット剤の
混合比率を1,2,5,10(重量%)としたサンプル
5,6,7,8を作成した。
【0061】作成したサンプル5〜8の正反射率比とフ
ォトセンサによる読み取り結果を表6にまとめた。
【0062】〔実施例3〕2エチルヘキシルアクリレー
ト80重量%,エチルアクリレート4重量%,酢酸ビニ
ル8重量%,アクリル酸8重量%で共重合した粘着剤1
00重量部に対して、不均化ロジンのペンタエリスリト
ールエステル(軟化点115℃)20重量部、架橋剤と
してコロネートL(日本ポリウレタン製)2重量部を添
加し、剥離紙24上に25g/m2 の乾燥重量を持つよ
うに塗布,乾燥させた(粘着剤層23)。次に、厚さ5
0μmのポリエステルフイルム(ベース層20)にアル
ミ蒸着(反射層21)を施したものの蒸着面に、この粘
着剤層23を貼り合わせ、粘着シート原反を得た。この
ラベル物性は下記の表4の通りである。
【0063】
【表4】
【0064】この粘着シート原反を、実施例1と同じシ
ール印刷機と同じ条件で、バーコードラベル13を作成
した。またPETの板に貼り、実用テストを行ったが下
記の表5に示すように問題はなかった。
【0065】
【表5】
【0066】〔比較例〕また比較例としては、上記実施
例1,2の印刷方法によって、マット剤を添加しない黒
色インクでバー16を印刷したサンプル9,10を作成
した。なお、この比較例で用いたインクは上記実施例
1,2と同じものを使用した。作成したサンプル9,1
0の正反射率比とフォトセンサーによる読み取り結果を
表6にまとめた。
【0067】以上の実施例1,2および比較例で作成し
たバーコードラベル13のサンプル1〜10は、バー1
6及びスペース17における正反射率比(正反射の反射
率)を測定するとともに、カメラ装填時をシミュレーシ
ョンして、反射型のフォトセンサによる読取りを行って
評価をした。正反射率比の測定では、分光光度計(日立
製作所製U−4000)に同社製の12度アタッチメン
トを使用して、入射角12度で波長900nmの赤外光
をバーコードラベルに照射し、反射角12度の正反射し
た反射光を測定してバー16及びスペース17の正反射
の絶対反射率の比(正反射率比=スペース17の正反射
率/バー16の正反射率)を求めた。
【0068】フォトセンサによる読取りでは、反射型の
フォトセンサ(光電子社製SG105)を用いて、バー
コードラベル13への入射角及び反射角を20度に設定
した。そして、バーコードラベル13を回転させている
間に、バーコード14の10周分を読取り、バー16及
びスペース17の論理値が正確に判断されない周回数を
カウントした。なお、表6中フォトセンサの読取りの欄
には10周分全てについて正確に論理値が判断できたも
のには「○」を、1周でも正確に判断できなかったもの
には「×」を記し、その後に論理値に間違いが生じた周
回数を記した。
【0069】
【表6】
【0070】以上の評価の結果からわかるように、マッ
ト剤を1重量%以上混合して、インク層22の表面をマ
ット状にした場合は、正確に論理値が判断されている
が、マット剤を添加しなかった場合には、論理値が正確
に判断されなかった(バーコードを正確に読み取れなか
った)。
【0071】実際には、マット剤の混合比率は1以上2
0以下(重量%)がよく、より好ましくは2以上10以
下(重量%)がよい。マット剤が少ない場合には十分な
効果がなく、多い場合にはインク粘度が上昇し、印刷適
性が低下するからである。
【0072】また、表6からわかるように、バー16及
びスペース17の正反射比を5以上にしてバーコードラ
ベル13を作成するのが好ましいことがわかる。また、
より好ましくは、正反射率比を10以上とするのがよ
い。
【0073】なお、黒色インクに添加するマット剤の種
類をスターチ,PMMAやPEのビーズに変えた場合
は、実施例1,2と同様の効果を得るためには、添加量
を増やさねばならず、その結果として塗布性不良,面状
悪化,コストアップなどの問題が発生するので、コスト
を考慮するとコロイダルシリカが好ましい。
【0074】また、マット剤の平均粒子径を変化させた
場合には、0.1μm以下の場合はインクのマット化の
効果が十分でなく、10μm以上の場合はインク厚に比
べて大きすぎるため印刷適性が低下するので、マット剤
の平均粒子径は、0.1μm〜10μmが好ましい。
【0075】好ましい実施態様としては、以下のものが
あげられる。 (1) 黒色インクを、凸版方式あるいはオフセット方
式で印刷することを特徴とする請求項2記載の写真フイ
ルムカートリッジ用バーコードラベル。 (2) 粘着剤層の粘着剤組成は、アルキル基が平均4
〜12の炭素原子を有するアルキルアクリレートモノマ
ー69重量%以上99重量%以下と、共重合可能なビニ
ル化合物30重量%以下と、モノエチレン状不飽和かつ
極性共重合性モノマー1重量%以上20重量%以下とを
含有するアクリル系共重合体が100重量部と、軟化点
35℃以上の粘着付与剤を1〜40重量部と、多官能イ
ソシアネート化合物0.1重量部以上10重量部以下と
したものであり、前記粘着剤の塗布量が1平方メートル
当たり10g以上40g以下であることを特徴とする請
求項1記載の写真フイルムカートリッジ用バーコードラ
ベル。
【0076】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のバーコー
ドラベルによれば、ベース層の上面にバーのパターンを
黒色インクで印刷して、表面を粗面にしたインク層を形
成してバーを記すとともに、透明なベース層の下面に金
属薄膜を被着して反射層を形成し、バーのパターン部分
以外から反射層を露呈させることにより、スペースのパ
ターンを記すようにしたから、バーに入射し吸収されず
に反射される光はインク層の表面で散乱されるので、こ
の時の正反射光は極めて微弱となり、またスペースに入
射した光はベース層を透過し、反射層の鏡面作用でその
ほとんどが正反射される。このため、バーコードからの
正反射光を受光するようにしたフォトセンサからは、バ
ー及びスペースから得られる各光電信号の信号レベル差
が大きい光電信号が出力されるようになり、論理値を正
確に判断でき、バーコードの読取りを正確に行うことが
できる。また、このバーコードラベルのバー及びスペー
スから得られる光電信号は、信号レベル差が大きいの
で、安価かつ小型な反射型フォトセンサ,安価な信号レ
ベルを判断する回路を用いて、バーコードの読取りを正
確に行うことができる。
【0077】また、バーを印刷する黒色インクを、カー
ボンブラックを5重量%以上25重量%以下と、平均粒
子径が0.1μm以上10μm以下のコロイダルシリカ
を0.5重量%以上20重量%以下とを含むようにした
から、印刷適性がよく、良好な低反射率を有するととも
に、インク層よりも下層の隠蔽性を良くすることができ
た。さらに、粘着剤層の粘着剤組成をアルキル基が平均
4〜12の炭素原子を有するアルキルアクリレートモノ
マー69重量%以上99重量%以下と、共重合可能なビ
ニル化合物30重量%以下と、モノエチレン状不飽和か
つ極性共重合性モノマー1重量%以上20重量%以下と
を含有するアクリル系共重合体が100重量部と、軟化
点35℃以上の粘着付与剤を1〜40重量部とし、粘着
剤の塗布量を1平方メートル当たり10g以上40g以
下とすることにより、写真フイルムカートリッジ用バー
コードラベルに適した粘着剤とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したバーコードラベルによる入射
光の反射する状態を示す説明図である。
【図2】バーコードを備えたフイルムカートリジを示す
斜視図である。
【図3】同写真フイルムカートリッジのスプール及びバ
ーコード板を示した斜視図である。
【図4】剥製紙上に貼り付けられたバーコードラベルを
示す説明図である。
【図5】フイルムカートッジのカメラへの装填状態を示
す斜視図である。
【図6】カメラ側のバーコード解読装置の一例を示した
説明図である。
【図7】凸版輪転印刷方式のシール印刷機の説明図であ
る。
【図8】オフセット印刷方式のシール印刷機の説明図で
ある。
【符号の説明】
12 バーコード板 13 バーコードラベル 14 バーコード 16 バー 17 スペース 20 ベース層 21 反射層 22 インク層 23 粘着剤層 24 剥離紙 36 投光部 37 受光部 38 フォトセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JJA JJJ JJW JKE 133/08 JDB (72)発明者 西川 忠男 東京都豊島区東池袋3丁目7番4号 株式 会社倉本産業内 (72)発明者 竹内 龍夫 東京都豊島区東池袋3丁目7番4号 株式 会社倉本産業内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに反射率が異なるスペースとバーと
    を交互に並べたバーコードを有し、写真フイルムを巻き
    付けたスプールと一体に回転するバーコード板に貼り付
    けられる写真フイルムカートリッジ用バーコードラベル
    において、 透明なベース層と、ベース層を透過してきた光を反射す
    るベース層の下面に被着させた金属薄膜からなる反射層
    と、反射層のさらに下面に反射層を被覆するように塗布
    した粘着剤層と、ベース層の上面に前記バーの配列パタ
    ーンに対応して印刷され、表面を粗面にした低反射率の
    インク層とからなることを特徴とする写真フイルムカー
    トリッジ用バーコードラベル。
  2. 【請求項2】 前記インク層は、マット剤を添加した黒
    色インクの印刷により形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の写真フイルムカートリッジ用バーコード
    ラベル。
  3. 【請求項3】 前記黒色インクは、カーボンブラックを
    5重量%以上25重量%以下と、平均粒子径が0.1μ
    m以上10μm以下のコロイダルシリカを0.5重量%
    以上20重量%以下とを含むことを特徴とする請求項2
    記載の写真フイルムカートリッジ用バーコードラベル。
  4. 【請求項4】 前記粘着剤層の粘着剤組成は、アルキル
    基が平均4〜12の炭素原子を有するアルキルアクリレ
    ートモノマー69重量%以上99重量%以下と、共重合
    可能なビニル化合物30重量%以下と、モノエチレン状
    不飽和かつ極性共重合性モノマー1重量%以上20重量
    %以下とを含有するアクリル系共重合体が100重量部
    と、軟化点35℃以上の粘着付与剤を1〜40重量部と
    したものであり、前記粘着剤の塗布量が1平方メートル
    当たり10g以上40g以下であることを特徴とする請
    求項1記載の写真フイルムカートリッジ用バーコードラ
    ベル。
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Cited By (5)

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