JPH08176715A - 剛性および耐熱性に優れた展伸用アルミニウム合金 - Google Patents

剛性および耐熱性に優れた展伸用アルミニウム合金

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JPH08176715A
JPH08176715A JP32651894A JP32651894A JPH08176715A JP H08176715 A JPH08176715 A JP H08176715A JP 32651894 A JP32651894 A JP 32651894A JP 32651894 A JP32651894 A JP 32651894A JP H08176715 A JPH08176715 A JP H08176715A
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JP
Japan
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aluminum alloy
alloy
high temperature
phase
rigidity
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JP32651894A
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Makoto Saga
誠 佐賀
Masao Kikuchi
正夫 菊池
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車、鉄道車両、船舶等輸送分野におけ
る、エンジン部品等の機械部品用材料として150℃以
上の高温雰囲気下で使用される剛性および耐熱性に優れ
た展伸用アルミニウム合金を提供すること。 【構成】 本発明は、サイズを制御したSi分散組織を
付与することにより加工性を確保しながら高ヤング率化
を図るとともに、Cu,Mgの析出強化元素を含有し、
さらにFe,Niの高温強度向上に寄与する元素、並び
に必要に応じて高温での回復・再結晶抑制効果を有する
Mn,Zr,Vを共存させることを主な特徴とするもの
であり、このような成分組成とすることにより、剛性な
らびに耐熱性に優れたアルミニウム合金が得られる。 【効果】 本発明合金は、200℃の高温においても2
05N/mm2 以上の耐力を発揮するとともに、73G
Pa以上の高いヤング率を有する。従って、コンロッド
等の自動車用エンジン部品をはじめとする高温環境下で
使用される機械部品に非常に適した材料となり得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、鉄道車両、船
舶等輸送分野において、エンジン部品等の機械部品用材
料として150℃以上の高温雰囲気下で使用される、剛
性および耐熱性に優れた展伸用アルミニウム合金に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】展伸用耐熱アルミニウム合金としては、
2618合金が最も良く知られており、150℃程度の
使用温度において比較的良好な高温強度を備えている
が、剛性、すなわちヤング率が低いという問題があっ
た。一方、4032合金は耐摩耗性に優れるとともに、
ヤング率も高いという特徴を有しているが、耐熱性に劣
るという問題点がある。また、耐摩耗性、機械的性質に
優れた過共晶Al−Si合金複合材料の製造方法に関す
る提案(特公平4−31009号公報)はあるが、複合
材料という点で製造コスト的に問題がある。すなわち、
既存のインゴットメイキングによる展伸用アルミニウム
合金では剛性、耐熱性の両者に優れるものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、150℃以
上の高温雰囲気下で使用される、強度ならびにヤング率
ともに優れた展伸用アルミニウム合金を提供することを
目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々実験
検討を重ねた結果、Cu系析出物による析出強化および
複数の遷移金属元素を共存させることによって高温強度
を向上させ、さらに大量のSi添加によるヤング率の向
上、ならびにSi相サイズを25μm以下に制御するこ
とで加工性の確保を図り、上述の課題を解決するに至っ
た。
【0005】本発明の第1は、重量%で、 Si:14.0 〜 20.0% Cu: 1.5 〜 4.0% Mg: 1.0 〜 2.0% Fe: 0.3 〜 1.4% Ni: 0.5 〜 1.5% Ti: 0.04 〜 0.2% を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、2
5μm以下のSi相の分散組織を有することを特徴とす
る。
【0006】本発明の第2は、上記成分組成からなるア
ルミニウム合金に対して、さらに重量%で、 Mn: 0.1 〜 0.7% Zr: 0.1 〜 0.3% V : 0.05 〜 0.5% のうち1種以上を含有し、25μm以下のSi相の分散
組織を有することを特徴とする。
【0007】
【作用】次に本発明におけるアルミニウム合金の成分組
成範囲の限定理由について説明する。 Si:Siは、Al母相中に大部分Si相として晶出、
あるいは析出することによってヤング率の向上に寄与す
るとともに、耐摩耗性向上および熱膨張率の低下に効果
がある。Siの含有量は、重量%で14.0〜20.0
%とした。通常のインゴットメイキング法では14%以
上含有した場合、粗大な初晶Siが形成され、加工性を
著しく低下させてしまう。しかし、半溶融凝固状態にお
いて電磁攪拌または機械攪拌等を行うことによって初晶
Si相を粉砕し、25μm以下とすれば、加工性をあま
り低下させずに、ヤング率、耐摩耗性を向上させ、熱膨
張率を低下させることができる。ただし、Si量が2
0.0%超に過剰に含有すると、極端に加工性を低下さ
せてしまう。好ましい成分範囲は、16.0〜19.0
%である。
【0008】Cu,Mg:Cu,Mgを共存させること
によって 、Al2 Cu,Al2 CuMg等を析出さ
せ、その析出強化によって高温強度を向上させる。また
CuはAl母相中に固溶し、固溶強化によっても機械的
強度の向上に寄与する。それぞれの元素の含有量は、重
量%でCu:1.5〜4.0%、Mg:1.0〜2.0
%とした。Cu量が1.5%未満、Mg量が1.0%未
満では150℃以上の高温において必要とされる強度が
得られない。一方、Cu量が4.0%超に過剰に含有す
るとCu系粗大金属間化合物の析出の駆動力が過度に大
きくなり、Cuの固溶強化能および析出強化能が低下し
てしまう。またMg量が2.0%超に過剰に含有される
と加工性が低下する傾向にある。好ましい成分範囲は、
Cu:2.0〜3.7%、Mg:1.3〜1.8%であ
る。
【0009】Fe,Ni:Fe,NiはいずれもAlと
の間に金属間化合物を形成し、合金の高温強度の向上に
寄与する。FeとNiの含有量としては、Fe:0.3
〜1.4%、Ni:0.5〜1.5%とした。この金属
間化合物粒子による分散強化は、Fe量が0.3%未
満、Ni量が0.5%未満ではその効果に乏しく、一
方、Fe量が1.4%超、Ni量が1.5%超では、粗
大な金属間化合物を形成して、かえって強度を低下させ
てしまう。好ましい成分範囲は、Fe:0.5〜1.1
%、Ni:0.7〜1.4%である。
【0010】Ti:Tiは、Alとの間に金属間化合物
を形成し結晶粒の微細化に寄与する。含有量としては、
Ti:0.04〜0.2%とした。Ti量が0.04%
未満では上記の効果を十分に得ることができない。しか
し、Ti量が0.2%超に含有されるとAlとの間に粗
大な金属間化合物を形成して加工性、機械的性質を損な
うことになる。またBを同時に添加してもよい。好まし
い成分範囲は、Ti:0.07〜0.17%である。
【0011】Mn,Zr,V:上述した成分が本発明の
必須成分であるが、高温における強度の確保をさらに容
易にするためには必要に応じてMn,Zr,Vを含有さ
せるとよい。Mn,Zr,Vは、いずれの元素もAlと
の間に金属間化合物を形成し結晶粒の微細化に寄与する
とともに、常温から高温域にわたって回復・再結晶を抑
制して強度の低下を防止する。それぞれの元素の含有量
は、Mn:0.1〜0.7%、Zr:0.1〜0.3
%、V:0.05〜0.5%とした。Mn量が0.1%
未満、Zr量が0.1%未満、V量が0.05%未満で
は上記の効果を十分に得ることはできない。しかし、M
n量が0.7%超、Zr量が0.3%超、V量0.5%
超に含有されるとAlとの間に粗大な金属間化合物を形
成して加工性、機械的性質を損なうことになる。好まし
い成分範囲は、Mn:0.3〜0.6%、Zr:0.1
5〜0.25%、V:0.2〜0.4%である。
【0012】本発明のアルミニウム合金は、通常の機械
攪拌または電磁攪拌による半溶融凝固加工方法に準じて
製造することができる。ただし、溶体化処理および時効
処理は、高温強度確保という点において、下記条件によ
って行うことが望ましい。Cu,Mgによる析出強化、
AlとFeおよびAlとNiとの間での金属間化合物の
形成による分散強化、さらにMn,Zr,Vの回復・再
結晶抑制効果を有効に活用するために、溶体化処理を
(固相線温度−5)℃〜(固相線温度−25)℃の温度
範囲で施し、次いで160〜240℃で5〜30時間の
時効処理を施すことが望ましい。この時効処理条件にお
ける各下限値は、これらを下回ると強化に作用し得るだ
けの金属間化合物が形成されないことから規定する。一
方、各上限値は、これらを上回ると形成された金属間化
合物が粗大化し、強化作用が得にくくなるために規定す
る。
【0013】
【実施例】表1に示すような本発明の成分組成範囲内に
ある20種類の合金(本発明例)および12種類の範囲
外の合金(比較例)を固液共存領域で機械的に攪拌しな
がら鋳造した後、520℃、4時間の均質化焼鈍を施
し、鍛造により直径16mmの丸棒に加工した。次いで
540℃の溶体化処理後、180℃、20時間の時効処
理を行った。また各合金のSi相の平均サイズは表1に
記載した通りである。得られた丸棒より高温引張試験用
およびヤング率測定用試験片を作製した。高温引張試験
では、室温、150℃、および200℃における機械的
性質(耐力)を調査し、またヤング率は室温、150
℃、および200℃における値を測定した。なお従来例
として従来材の4032相当合金(従来例1)、261
8相当合金(従来例2)の試験片も準備した。
【0014】
【表1】
【0015】表2の調査結果から明かなように、本発明
の合金は、200℃においても従来の耐熱合金と同等、
あるいはそれ以上の205N/mm2 以上の高温耐力、
および73GPa以上の高いヤング率の両者を同時に具
備していることがわかる。また成分範囲を越えてSiを
含有した比較例2はSi相の平均サイズが43μm(表
1)と規定値25μmを越えてしまっており、このため
に加工性が大幅に低下し、鍛造加工中に割れが発生し
た。Si相の平均サイズは小さいほど望ましいが、請求
項で規定しているように、少なくとも25μm以下に制
御する必要がある。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】本発明アルミニウム合金は、サイズを制
御したSi分散組織を付与することにより加工性を確保
しながら高ヤング率化を図るとともに、Cu,Mgの析
出強化元素を含有し、さらにFe,Niの高温強度向上
に寄与する元素、並びに必要に応じて高温での回復・再
結晶抑制効果を有するMn,Zr,Vを共存させること
を主な特徴とするものであり、200℃の高温において
も、205N/mm2 以上の耐力を発揮するとともに、
73GPa以上の非常に高いヤング率を有する。従っ
て、コンロッド等の自動車用エンジン部品をはじめとす
る高温環境下で特に高ヤング率を要求される機械部品に
非常に適した材料となり得る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Si:14.0 〜 20.0% Cu: 1.5 〜 4.0% Mg: 1.0 〜 2.0% Fe: 0.3 〜 1.4% Ni: 0.5 〜 1.5% Ti: 0.04 〜 0.2% を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、2
    5μm以下のSi相の分散組織を有することを特徴とす
    る剛性および耐熱性に優れた展伸用アルミニウム合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成分を含有するアルミニ
    ウム合金に、さらに重量%で、 Mn:0.1 〜 0.7% Zr:0.1 〜 0.3% V :0.05 〜 0.5% のうち1種以上を含有し、25μm以下のSi相の分散
    組織を有することを特徴とする剛性および耐熱性に優れ
    た展伸用アルミニウム合金。
JP32651894A 1994-12-28 1994-12-28 剛性および耐熱性に優れた展伸用アルミニウム合金 Withdrawn JPH08176715A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11335766A (ja) * 1998-05-26 1999-12-07 Yamaha Motor Co Ltd 鍛造用アルミニウム合金及びその製造方法
CN113774245A (zh) * 2021-08-27 2021-12-10 苏州铭恒金属科技有限公司 一种电导率优良的铝合金铸锭及其生产工艺

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