JPH0817608A - 電圧非直線性抵抗体の製造方法 - Google Patents

電圧非直線性抵抗体の製造方法

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JPH0817608A
JPH0817608A JP6148800A JP14880094A JPH0817608A JP H0817608 A JPH0817608 A JP H0817608A JP 6148800 A JP6148800 A JP 6148800A JP 14880094 A JP14880094 A JP 14880094A JP H0817608 A JPH0817608 A JP H0817608A
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JP
Japan
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aluminum oxide
resistor
heat treatment
voltage
sintering
Prior art date
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Pending
Application number
JP6148800A
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English (en)
Inventor
Toyoshige Sakaguchi
豊重 坂口
Koichi Tsuda
孝一 津田
Kazuo Koe
和郎 向江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱暴走することがなく信頼性に優れる電圧非直
線性抵抗体を得る。 【構成】酸化亜鉛ZnO を主成分とし希土類と酸化アルミ
ニウムAl2O3 を副成分として添加し、混合,造粒,成
型,焼結して電圧非直線性抵抗体を製造する際に酸化ア
ルミニウムAl2O3 の添加量を所定の大きな値にして焼結
した後に酸素雰囲気中において熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は酸化亜鉛ZnO を主成分
とし寿命特性と電圧非直線性に優れる電圧非直線性抵抗
体の製造方法に係り、特に熱暴走がなく信頼性に優れる
電圧非直線性抵抗体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛ZnO を主成分とする電圧非直線
性抵抗体は優れた非直線性,サージ吸収能力などを有し
ているために半導体素子のような過電流耐性の小さい素
子で構成されている電子機器の過電圧に対する保護を目
的としてサージアブソーバや電力機器のアレスタとして
広く利用されている。
【0003】サージアブソーバやアレスタはその優れた
非直線性のために直列ギャップを付加することなく直接
電源ラインに接続して使用される。このような従来の抵
抗体は常時課電状態で流れる漏れ電流は小さいが長時間
使用による劣化やサージ吸収による劣化で次第に漏れ電
流が増大しその結果増加した漏れ電流により大きく発熱
して最終的に熱の均衡を失して熱暴走する場合が考えら
れる。
【0004】酸化亜鉛ZnO 素子の熱暴走を制御するため
にはその使用方法として課電率(電流1mAを流したと
きの抵抗体の所要端子間電圧に対する現実の印加電圧の
割合)を小さくすることが考えられる。さらに抵抗体自
体の特性として抵抗体の漏れ電流を小さくするとか、あ
るいは抵抗体の許容電力を大きくすること等が有効な方
法である。ここで許容電力とは酸化亜鉛ZnO 抵抗体の寿
命の目安となるもので定電圧を印加して10分以内に電
流が増大する定電圧のうちの最小の定電圧を選びこの最
小の定電圧とその最小の定電圧を印加した際の初期電流
との積で定義され、寿命試験の簡便な代替方法として用
いられる。許容電力の大きい抵抗体は熱暴走がなく信頼
性が高い。
【0005】抵抗体の漏れ電流を小さくしたり許容電力
を大きくするためには抵抗体を酸素雰囲気で焼結した
り、あるいは抵抗体内の酸化アルミニウムAl2O3 の添加
量を小さくする等の方法が考えられる。特開平2−15
8104号公報には抵抗体内の酸素拡散量を増やすため
に不活性ガスなどの圧力媒体を含む高温高圧の酸素ガス
雰囲気下で焼結体を熱処理する方法が開示されている。
【0006】さらに特開平2−163903号公報には
酸素雰囲気下で焼結した後の降温過程で熱処理を行い、
酸化亜鉛ZnO 結晶粒界に吸着された酸素量を増大させる
方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな抵抗体を酸素雰囲気中で焼成したりあるいは抵抗体
内の酸化アルミニウムAl2O3 の添加量を小さくしたりす
る方法は漏れ電流を小さくし、許容電力を増大し、低電
流領域での制限電圧を低くする等の長所を有するが、大
電流領域での制限電圧を高くするという欠点があること
がわかった。
【0008】この発明は上述の点に鑑みてなされ、その
目的は抵抗体の許容電力特性と、大電流領域での制限電
圧特性を調和させることにより、熱暴走のない信頼性に
優れる電圧非直線性抵抗体の製造方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よれば酸化亜鉛ZnO を主成分とし希土類と酸化アルミニ
ウムAl2O3 を副成分として添加し、混合,造粒,成型,
焼結してなる電圧非直線性抵抗体の製造方法において、
酸化アルミニウムAl2O3 の添加量を所定の大きな値にし
て焼結した後に酸素雰囲気中において熱処理を行うとす
ることにより達成される。
【0010】上述の製造方法において酸化アルミニウム
Al2O3 の添加量は0.006ないし0.007原子%の
範囲が良く、また熱処理条件は900℃ないし1050
℃の範囲で30分ないし2時間が好適である。
【0011】
【作用】酸化アルミニウムAl2O3 の添加量と酸素雰囲気
中の熱処理条件の両者を組み合わせると理由は明確でな
いが許容電力特性と、大電流領域での制限電圧特性がと
もに良好になる領域がある。この領域は酸化亜鉛ZnO 粒
子内の酸化アルミニウムAl2O3 濃度の比較的高い所と酸
化亜鉛ZnO 粒子内に拡散した酸素濃度の高い所にある。
【0012】酸化アルミニウムAl2O3 濃度の比較的高い
所は大電流領域での制限電圧特性を良好にするが許容電
力特性を悪くする。これに対し熱処理は適当な領域で許
容電力特性を良好にするが大電流領域での制限電圧特性
を悪くする。
【0013】
【実施例】次にこの発明の実施例を図面に基づいて説明
する。酸化亜鉛ZnO 粉末に酸化プラセオジムPr3O4 ,酸
化アルミニウムAl2O3 ,酸化コバルトCo3O4 ,酸化マグ
ネシウムMgO , 炭酸カリウムK2CO3 ,酸化クロムCr
2O 3 ,酸化ボロンB2O3粉末を所定の割合で混合し、充分
に混合したのちに600℃で数時間仮焼した。得られた
仮焼物を充分に粉砕し、バインダを加えて直径17mm
の円板状に加圧し、空気中で1200ないし1350℃
の温度で1時間焼成して焼結体を得た。
【0014】次いで酸素雰囲気中で600ないし120
0℃の温度で15分ないし5時間熱処理した。比較のた
めに熱処理をおこなわない焼結体も作成した。得られた
焼結体を厚さ2mmの試料に研磨し、抵抗体の電気特性
を測定した。電気特性としては抵抗体に1mAの電流を
流したときの電極間電圧をV1mA,波形8/20μsのイ
ンパルス電流40Aを印加したときの電圧をV40A,とし
てV40 A /V1mA を測定した。V40A /V1mA は大電流
領域での制限電圧特性を示す指標となる。
【0015】さらに許容電力は使用状態においてサージ
を吸収した場合や課電劣化等により漏れ電流が増大して
温度が上昇した場合を考慮して、恒温槽内で105℃の
温度で測定した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】表1,表2は酸化アルミニウムAl2O3 添加
量と熱処理の条件を変化させたときの得られた抵抗体の
許容電力比およびV40A /V1mA 比を示す。酸化アルミ
ニウムAl2O3 添加量を0.005原子%(試料No.1から
試料No.12 )、0.006原子%(試料No.13 から試料
No.29 )、0.007原子%(試料No.30 から試料No.4
0 )としている。酸化アルミニウムAl2O3 添加量を0.
005原子%として熱処理を行わない場合を基準にして
それぞれの比を表記している。許容電力比については1
より大きな値が良く、V40A /V1mA 比に関しては1よ
りも小さい値が良好である。
【0019】表1,表2の試料はバリスタ電圧(単位厚
さ当たりのV1mA )を焼成温度の調節により180ない
し220V/mmに設定した。表1,表2の試料のなか
でV40A /V1mA 比が1以下であり、且つ許容電力比が
1以上であるものは試料No.18 ないし試料No.22 の試
料、試料No.26 ないし試料No.27 の試料および試料No.
32ないし試料No. 34であることがわかる。
【0020】熱処理と組み合わせることのできる酸化ア
ルミニウムAl2O3 の最適の添加量は0.006ないし
0.007原子%の範囲にある。熱処理は900ないし
1050℃の温度範囲で30分ないし2hの処理時間が
適当である。図1は電圧非直線性抵抗体につき制限電圧
比の電流依存性を示す線図である。特性線(イ)は酸化
アルミニウムAl2O3 添加量を0.005原子%にして大
気中で焼結した抵抗体の特性である。特性線(ロ)は酸
化アルミニウムAl2O3 添加量を0.005原子%にして
大気中で焼結した抵抗体を酸素雰囲気中で熱処理した抵
抗体の特性線である。特性線(ハ)は酸化アルミニウム
Al2O3 添加量を0.006原子%にして大気中で焼結し
た抵抗体の特性である。
【0021】酸化アルミニウムAl2O3 添加量を増大する
と制限電圧比が良好になることがわかる。これに対し酸
素雰囲気中で熱処理を行うと制限電圧比が悪くなること
がわかる。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば酸化亜鉛ZnO 内の酸化
アルミニウムAl2O3 と酸素の添加量の両者を調節するの
で許容電力特性と、大電流領域での制限電圧特性がとも
に良好な抵抗体となり熱暴走を防止して信頼性に優れる
電圧非直線性抵抗体が得られる。酸化アルミニウムAl2O
3 と酸素の添加量はともに大きくすることが両特性の調
和に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電圧非直線性抵抗体につき制限電圧比の電流依
存性を示す線図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛ZnO を主成分とし希土類と酸化ア
    ルミニウムAl2O3 を副成分として添加し、混合,造粒,
    成型,焼結してなる電圧非直線性抵抗体の製造方法にお
    いて、酸化アルミニウムAl2O3 の添加量を所定の大きな
    値にして焼結した後に酸素雰囲気中において熱処理を行
    うことを特徴とする電圧非直線性抵抗体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法において、酸化
    アルミニウムAl2O3の添加量は0.006ないし0.0
    07原子%の範囲内にあることを特徴とする電圧非直線
    性抵抗体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の製造方法において、熱処
    理は温度900℃ないし1050℃で、30分ないし2
    時間の間行うことを特徴とする電圧非直線性抵抗体の製
    造方法。
JP6148800A 1994-06-30 1994-06-30 電圧非直線性抵抗体の製造方法 Pending JPH0817608A (ja)

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