JPH0817594A - 電子ビーム励起プラズマ発生装置 - Google Patents

電子ビーム励起プラズマ発生装置

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JPH0817594A
JPH0817594A JP6165750A JP16575094A JPH0817594A JP H0817594 A JPH0817594 A JP H0817594A JP 6165750 A JP6165750 A JP 6165750A JP 16575094 A JP16575094 A JP 16575094A JP H0817594 A JPH0817594 A JP H0817594A
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民夫 原
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Katsunobu Aoyanagi
克信 青柳
Makoto Riyuuji
真 龍治
Masakuni Tokai
正國 東海
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電子ビーム励起イオン照射技術での電子ビーム
励起プラズマ発生装置におけるプラズマ生成に寄与する
電子ビームの引き出し効率を向上させるようにする。 【構成】イオン生成領域11内に於て、電子ビームガン
の電子ビーム加速領域10の加速電極8に近接して電子
吸収電極22をドーナツ状に独立して設置し、電源20
''に接続し、加速電極8の電位より高い電位にし、加速
電極8への電子ビーム6の直接流入を抑制し、イオン生
成領域11内へ打ち込まれる電子ビーム6の量を大きく
する。 【効果】高密度なプラズマが生成され、放電、及び、加
速電源の容量が小さくなり、加速電極への熱負荷が小さ
くなり、装置が小型になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】開示技術は、電子ビームを介して
生成されたイオンをシリコンウエハ等のターゲット試料
に照射してドライエッチングによる微細加工等を行う電
子ビーム励起プラズマ発生装置の構造の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、産業社会の隆盛は高度に発
達した科学、就中、電子工学や量子力学等に強力にバッ
クアップされており、したがって、かかる電子工学技術
等の更なる発展が強く求められている。
【0003】而して、該電子工学においては各種データ
等の情報のより高度な精細度で正確な処理が、しかも、
可及的に超高速でなされることがより更に強く求めら
れ、したがって、かかるデータのより精細で、且つ、正
確な超高速演算処理を行う装置のハイテク化,デバイス
のダウンサイジング化がますます求められ、したがっ
て、IC,LSI等の高度集積回路をなすシリコンウエ
ハ等に対するより微細で精密なドライエッチング加工技
術が求められ、これに対処するに、例えば、特開昭63
−138634号公報発明に示されている如く、イオン
照射技術が開発されて、所謂DC放電プラズマ,RF放
電プラズマ,ECR(電子サイクロトロン共鳴)放電プ
ラズマとは異なり電子ビームによりイオンプラズマを発
生させ、該イオンプラズマのイオンをシリコンウエハ等
のターゲット試料の表面に生じる電界を介して照射する
システム所謂EBEP技術が開発されて実用化されるよ
うになってきている。
【0004】しかしながら、シリコンウエハ等の次第に
大口径化する該ターゲット試料に対するイオン照射によ
る損傷について大きなダメージを残さずに、良好なイオ
ンによるドライエッチング加工を有効に行うには、低運
動エネルギー領域にて大きな断面積に亘り、均一な大電
流密度のイオンを当該ターゲット試料に照射することが
必要で、しかも、基本的に相反する条件下のもとで行わ
れなければならないことが分ってきた。
【0005】即ち、旧式のイオン照射装置にあっては低
運動エネルギーイオンにおいて、イオンの電流密度を大
きくすると、大断面積に亘り均一にイオンを当該ターゲ
ット試料に照射することに対処出来ないという問題があ
った。
【0006】これに対処するに、例えば、特願平3−2
74960号公報発明に開示している如く、大きなイオ
ン電流密度が得られる高密度のプラズマを生成可能な所
謂電子ビーム励起プラズマ発生技術が開発され、図9に
示す様な電子ビーム励起イオン照射装置1が実用化され
る設計が可能になってきており、電子の運動エネルギー
と電流量を相互独立にコントロール出来る制御性の高い
プラズマ生成が可能である等、ECR(電子サイクロト
ロン共鳴)方式とは別の利点を有して産業上実用化可能
な開発がなされてきている。
【0007】即ち、当該図9に示す在来態様の電子ビー
ム励起イオン照射装置1にあってはプラズマ生成領域2
に於て、ポート3よりプラズマ形成用のアルゴンガス4
を供給し、直流電源5により陰極電極5' を、例えば、
1400℃等に赤熱状態に加熱して電子を放出し、直流
電源20により陰極電極5' と放電電極7' 間に電圧を
印加し、プラズマを形成させ、該プラズマ中の電子6を
直流電源20' により生じた電界で引き出し外設した電
磁コイル9,9' で絞りながら電子ビームとして加速領
域10にて加速させてイオン生成領域11に打ち込み、
ポート12から供給される塩素ガス13をイオン化させ
てイオンプラズマ19を生成し、励起されたイオン14
(図示態様は電子6と共にモデル化しているものであ
る。)をホルダ15に設けられた電気的にフローディン
グ状態のシリコンウエハ等のターゲット試料16に照射
させ、所定の微細加工をドライエッチングにより行うよ
うにされている。
【0008】そして、この間、イオン生成領域11に配
設されたマルチポール磁石17,17…、及び、外設し
た逆磁場コイル18により導入される電子ビームをコン
トロールするようにしていた。
【0009】尚、3' は加速領域10からの排気ポート
であり、12' はイオン生成領域11の排気ポートであ
る。
【0010】そして、20,20' は熱陰極5から放射
される電子6に対する放電電源,加速電源であり、21
はプローブである。
【0011】しかしながら、低エネルギーイオンにおい
て、大口径化するターゲット試料16の大面積に亘り、
均一な大電流密度のイオンを該ターゲット試料16に照
射する等のメリットを有するかかる在来型の電子ビーム
励起イオン照射装置1にあっては、次のような実用上の
不具合を相伴することが無視出来ないという問題点が生
じてきた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】即ち、イオン生成領域
11でのイオン電流密度を上げることはターゲット試料
16の加工量を上げて量産体制をアップすることに寄与
し、このためには電子ビームのイオン生成領域11に入
射する量を大きくすると共に、入射した電子を効率良く
イオン化に寄与させる必要がある。
【0013】而して、イオン生成領域11に多量の電子
ビーム6を入射するためには、放電部からの該電子ビー
ム6の引き出し量を大きくすると共に、加速電極8に直
接流入して、イオン生成領域11に到達しない電子の量
を減らす必要がある。
【0014】放電部からの電子6の引き出し量は主に放
電電流と放電部のガス圧、及び、加速空間のガス圧で決
まり、放電電流が一定のもとでは、放電部のガス圧、及
び、加速空間のガス圧を高くしなければ多量の電子を引
き出すことは出来ない。
【0015】ところが、加速空間のガス圧を高くする
と、引き出された電子ビームが中性ガス分子と衝突し、
方向を変え、その結果、加速電極を通過せずに加速電極
に直接流入し、イオン生成領域11へ到達しない電子6
の量が増加してしまう欠点があった。
【0016】又、放電部のガス圧を高くし、加速空間の
ガス圧を低い状態にするには、加速空間に大容量の真空
ポンプを設置することが必要となり、装置の大型化,コ
スト高につながる不利点があった。
【0017】更に、放電電流を大きくすることは、放電
部の冷却が大がかりになり、又、カソードの負担が大き
くなり、その結果、カソードの消耗が著しく大きくなる
マイナス点があった。
【0018】これに対処するに、電磁コイル9,9' を
コントロールして電子ビーム6を絞り込むようにする制
御も行えはするが、かかる態様では装置が大型になる不
都合があり、加速電極8への電子6の流入量が抑制出来
ず、イオン生成領域11への導入率が低下する欠点があ
り、イオン生成効率が悪くなる難点があった。
【0019】又、該加速電極8の電子ビーム6通過孔の
径を大きくする設計にすると、イオン生成領域11から
のガスが電子ビームガン加速領域10に逆流する量が大
きくなり、性能低下を招き、いずれにしてもイオン生成
効率のロスが大きくなるデメリットがあった。
【0020】そして、図10,図11に示す様に、加速
電極8にあっては、例えば、SUSのサポート8' と同
材質の電子ビーム通過部材8'',8''' が圧入式やネジ
螺合式で一体化され、したがって、その電子ビーム6の
通過部材8'',8''' の電位はサポート8' と同電位で
あり、その結果、イオン生成領域11のプラズマ電位に
比して電子ビーム6の通過部材8'',8''' の電位を充
分に低くすることが出来ず、その点からも該加速電極8
に電子ビーム6が吸収され易く、該イオン生成領域11
への電子ビーム6の通過効率が大きくとれない不都合さ
があった。
【0021】かかる問題は特に大電流を引き出す必要が
ある場合にはロスが大きく、その対策が強く臨まれるも
のであった。
【0022】一方、入射した電子6を効率良くイオン化
に寄与させるためには、例えば、特開平5−29552
7号公報発明に開示されているような電子ビーム6に対
するリフレクタプレートを設ける技術があるが、その電
位をプラスマの電位より低くすれば電子の閉じ込めは良
くなり、イオン化効率は大きくなる反面イオン14がリ
フレクタプレートに衝突し、スパッタリングが生じ、金
属汚染やパーティクルの発生を引き起こしプロセス上問
題がある。
【0023】したがって、シリコンウエハ等のターゲッ
ト試料16に対する良好なドライエッチングを高速では
出来難いという難点があった。
【0024】又、ターゲット試料16に対する処理方式
が枚葉式であるために、そのスループット性を高めるに
は高密度のイオンプラズマの生成が必要で、そのため、
電子ビームガンが大型となり、初期据付は勿論のこと、
保守点検整備や稼動中の管理制御が煩瑣となる不具合が
あった。
【0025】
【発明の目的】この出願の発明の目的は、上述従来技術
に基づく電子ビーム励起イオン照射におけるイオン生成
領域(反応室)での電子ビームのイオン化に寄与しない
比率があることによるドライエッチング加工を阻害する
問題点を解決すべき技術的課題とし、該反応室に入射す
る電子ビームの電流量を確実に向上するべく加速電極に
直接的に吸収されないようにし、それによってイオン生
成領域にて生成されたイオンの電流密度を上げ、ターゲ
ット試料に対するエッチングのスループット性を高める
ようにして本来的な電子ビーム励起イオン照射を介して
のドライエッチング加工のメリットをフルに生かすこと
が出来るようにして電子産業における加工技術利用分野
に益する優れた電子ビーム励起プラズマ発生装置を提供
せんとするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段・作用】上述目的に沿い先
述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成
は、前述課題を解決するために、電子ビーム励起プラズ
マ発生装置のイオン生成領域の反応室に於て、シリコン
ウエハのターゲット試料を電子ビームガンから入射する
電子ビームに対して所定に設置し、電子ビームガン寄り
に独立に電子吸収電極を配設し、或いは、該反応室の壁
面を電子吸収電極とし、該電子吸収電極の電位を加速電
極よりも高くし、或いは、加速電極の加速空間側の側
面、又は、電子が通過する中央部を加速電極本体よりも
電気抵抗の高い材質製のものにすることにより放電電極
から引き出された電子ビームを加速電極に吸収させない
か、可及的に抑制し、反応室に多く入射され、プラズマ
を生成し、プラズマ中の電子は電子電流として電子吸収
電極へ戻されるようにし、該反応室で励起されるイオン
が大電流で均一な密度分布であり、ターゲット試料のエ
ッチングにおいて、充分高いエッチング速度がとれるよ
うにして所望の設計通りの微細なドライエッチング加工
が行われるようにした技術的手段を講じたものである。
【0027】
【実施例】次に、この出願の発明の実施例を図1〜図8
に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0028】尚、図9と同一態様部分は同一符号を用い
て説明するものとする。
【0029】図1に示す実施例において、1' はこの出
願の発明の要旨を成す電子ビーム励起プラズマ発生装置
であり、プラズマ生成領域2に於て、ポート3よりプラ
ズマ形成用のアルゴンガス4が所定に供給され、熱陰極
5' が直流電源5により通電加熱されて電子を放出し直
流電源20により熱陰極5' と放電電極7' 間に電圧を
印加し、プラズマが所定に形成され、該プラズマ中の電
子6を放電電極7' 、及び、加速電極8間に印加した直
流電源20' により生じた電界で引き出し、外設した電
磁コイル9,9' により絞り制御され、電子ビームガン
として加速領域10にて加速させてイオン生成領域11
の反応室内に入射され、該イオン生成領域11の反応室
に於てはポート12から塩素ガス13が供給されてイオ
ンプラズマ19が誘起生成され、そのうちのイオン(電
子6と共にモデル化して示されている。)14がホルダ
15' に支持されたシリコンウエハのターゲット試料1
6に照射されて在来態様同様に所定のドライエッチング
に供せられる。
【0030】尚、17はマルチポール磁石で、18は逆
磁場コイルで、21はプローブであり、イオン生成領域
のプラズマ密度をモニターすることが出来るようにされ
ている。
【0031】而して、この出願の発明にあっては熱陰極
5' 、及び、放電電極7' が電源20に接続され、又、
加速電極8は電源20' に接続されている態様で図9に
示した在来態様と同様であるが、イオン生成領域11に
あっては電子ビームガン加速領域10寄りの壁面と平行
に電子吸収電極22をリング状に独立的に配設し該前
壁、及び、加速電極8とは離隔し、該加速電極8の電位
よりは高い電位になるよう直流電源20''に接続してい
る。
【0032】そのため、電子ビームガンの加速領域10
で直流電源20' のつくる電界により加速される電子ビ
ームがイオン生成領域11内に導出されるプロセスにお
いて、該電子吸収電極22が加速電極8よりも電位が高
いために、電子ビームは前述した如く該加速電極8に吸
収される率は低くイオン生成領域11内に導入されプラ
ズマを生成し、更に、ターゲット試料16、及び、イオ
ン生成領域11の反応チャンバーが電気的にフローティ
ングであれば電子はプラズマからリターンカレントとし
て電子吸収電極22へ流れ込む。
【0033】この時、フローティング状態の反応チャン
バーには電子は流れ込まず、マルチポール磁石17によ
り電子は効率良く閉じ込められ、又、電子吸収電極の位
置がイオン生成領域の加速空間側にあるため、電子はイ
オン生成領域に打ち込まれた後、マルチポール磁石17
等で反射され、電子吸収電極まで戻ることになり、行路
長が長く、そのため、更に閉じ込め効果が高くなり、イ
オン化効率が高くなる。
【0034】上述構成において、電子ビームガンのプラ
ズマ生成領域2のポート3からアルゴンガス4を供給し
て陰極5' を直流電源5により、通電加熱し熱電子を放
出し直流電源20により熱陰極5' と放電電極7' 間に
電圧を印加し、プラズマを形成し、該プラズマ中の電子
6を該放電電極7' 、及び、加速電極8間に印加した直
流電源20' により生じた電界で引き出し加速すると共
に電磁コイル9,9'で収束し加速電極8を通過させ、
イオン生成領域11に導出し、ポート12から供給され
る塩素ガス13を励起させ、プラズマを形成し、該プラ
ズマ中のイオン14はホルダ15に支持されているウエ
ハのターゲット試料16の表面に生成する電界により加
速され、照射されて所定の微細なドライエッチング加工
に供される。
【0035】尚、該イオン生成領域11に於ては該ター
ゲット試料16が浮動状態にあるため、電流の出入はな
く多くの電子は電子吸収電極22、一部は加速電極8に
流れ込む。
【0036】当該プロセスにおいて、電子ビームガンの
加速電極8に近接してイオン生成領域11にあっては電
子吸収電極22が加速電極8よりも電位を高くして独立
的に設けられていることにより、該加速電極8を通過す
る電子ビーム6は該加速電極8に吸収される割合が少
く、高効率でイオン生成領域11に放出されてプラズマ
中のイオン14の励起に充分に寄与し、大電流を引出す
場合のロスが小さくなり、高密度,大面積プラズマの生
成に大いに寄与することになる。
【0037】勿論、電磁コイル9,9' の電子ビームに
対する収束作用等の制御は在来態様同様であり、又、マ
ルチポール17や逆磁場コイル18の制御機能も在来態
様同様に働くものである。
【0038】次に、図2に示す実施例は上述実施例が電
子吸収電極22を加速電極8に対しイオン生成領域11
内に於て独立して設けた態様であるのに対し、該イオン
生成領域11の壁そのものを電子吸収電極22' とし、
加速電極8の電位よりも高い電位になるように電源20
''に接続(勿論、当該電子吸収電極22' そのものへの
接続)を行った態様であり、実質的に上述同様のプラズ
マ内に於けるイオン化効率を高からしめる作用は同様で
ある。
【0039】次に、図3に示す実施例は上述実施例が該
イオン生成領域11の壁面全体を電子吸収電極22' と
した態様であったのに対し、該イオン生成領域11の電
子ビームガン側の前壁そのものを電子吸収電極22' と
し、加速電極8の電位よりも高い電位になるように電源
20''に接続を行った態様であり、該イオン生成領域の
周囲の壁23を電気的に浮遊電位にしておけば、吸収さ
れる電子の量が少くなるため、電子の閉じ込め効果が更
に高く、イオン化効率が高くなる作用がある。
【0040】尚、当然のことながら、該前壁の電子吸収
電極22' とイオン生成領域の周囲の壁23との電気的
絶縁性は絶縁材25により充分に保持されている。
【0041】そして、当該実施例にあっては前述同様タ
ーゲット試料16、及び、イオン生成領域の周囲の壁2
3は電気的に浮動状態にあるために、プラズマ中の電子
6は大部分が当該電子吸収電極22' に流れ込む。
【0042】次に、図4に示す実施例は放電電極7' と
上述電子吸収電極22間に加速電源20' により電圧を
印加し、電子6の加速を行う態様であり、加速電極8へ
は可変抵抗26を介して接続されている。
【0043】又、可変抵抗26バイパス用のスイッチ2
7が設置されている。
【0044】本実施例においては電子吸収電極22はイ
オン生成領域11の加速電極8側に環状に形成されてい
るが、上述実施例のようにイオン生成領域11の壁面全
体、又は、前壁を電子吸収電極とする形態も勿論可能で
ある。
【0045】又、本実施例においては、加速領域10で
直流電源20' のつくる電界により加速された電子ビー
ム6の一部が直接加速電極8に流入すると、可変抵抗2
6によって電圧降下が自己発生的に生じ、該加速電極8
の電位は電子吸収電極22の電位より低くなる。
【0046】そのため、加速空間内の電子6は加速電極
8に直接流入する量が減少し、イオン生成領域11に大
部分が打ち込まれ、イオン化に寄与する。
【0047】尚、加速開始を容易に行うためには、加速
開始時には可変抵抗26の抵抗を最小にしておき、又
は、スイッチ27により短絡状態にしておき、イオン生
成領域11にプラズマが生成後、徐々に抵抗値を大きく
し、加速電極8に直接流入する電子量を減じることが望
ましい。
【0048】次に、図5に示す実施例は放電電極7' と
上述実施例の可変抵抗26の代わりに切り換えスイッチ
28を介して接続した態様であって、本実施例において
はスイッチオフ時には加速電極8は電気的にフローティ
ング状態になり、加速領域で直流電源20' のつくる電
界により加速された電子ビーム6はその大部分がイオン
生成領域11に打ち込まれ、イオン化に寄与する。
【0049】尚、上述実施例と同様に加速開始を容易に
行うためには、加速開始時には切換スイッチ28をオン
にしておき、イオン生成領域11にプラズマが生成後、
オフに切り替えることが望ましい。
【0050】次に、図6に示す実施例は加速電極8の加
速領域側側面に加速電極本体よりも電気抵抗の大きい材
質の円板30を取り付けたもので、加速領域の電子6が
直接流入すると、上述実施例と同様に電圧降下が生じ、
その結果、流入部表面の電位が低くなり、流入する電子
6の量が減少し、結果として、電子の加速電極8の通過
効率が高くなるようにした態様である。
【0051】尚、当該態様にあっては円板30の材質と
しては電極本体がステンレス鋼(SUS)の場合、炭化
珪素(SiC)やチタンカーバイド(TiC)、二酸化
珪素(SiO2 )、窒化アルミ(AlN)、アルミナ
(Al2 3 )等が好ましい。
【0052】次に、図7に示す実施例は加速電極8の軸
中心部に加速電極本体よりも電気抵抗の大きい材質の筒
状の円筒31を取り付けた態様であって、加速領域の電
子6が直接流入すると、上述実施例と同様に電圧降下が
生じ、その結果、流入部表面の電位が低くなり、流入す
る電子の量が減少し、結果として、電子の加速電極8の
通過効率が高くなるようにしたものである。
【0053】次に、図8(イ),(ロ)に示す実施例は
上述実施例の組み合わせの態様であり、加速電極8の加
速領域側、及び、電子6の通過する軸中心部に加速電極
本体よりも電気抵抗の大きい材質のハット型の部材3
2,32' を取り付けたもので、その降下については上
述実施例と同様である。
【0054】尚、上述実施例は組み合わせて実施するこ
とも可能である。
【0055】
【発明の効果】以上、この出願の発明によれば、基本的
に先述した如く、シリコンウエハ等の大口径のターゲッ
ト試料に対するイオン照射によるドライエッチング加工
を介しての集積回路等の加工にあって、さまざまなメリ
ットを有する電子ビーム励起イオン照射技術における電
子ビーム励起プラズマ(EBEP)発生装置において前
段の電子ビームガンの電子ビーム加速領域の加速電極に
近接してイオン生成領域中に電子吸収電極を独立的に、
或いは、該イオン生成領域の壁、又は、前壁自体を電子
吸収電極として加速電極より高い電位にして設置するこ
とにより、電子ビームガンで加速された電子ビームがこ
れまで加速電極に直接流れ込み、イオン生成領域中にて
プラズマを励起し、イオン化に寄与しなかった点が改善
され、大電流を引出す場合のロスが小さくなり、電磁コ
イルを大型にして電子ビームガンを大きくしたり、加速
電極の電子ビーム通過孔の径を大きくしたりすることに
よる反応性ガスの逆流を避けることが出来、電子のエネ
ルギーと電流量を相互に独立的に制御出来るという極め
て制御性の高いメリットを有する電子ビーム励起プラズ
マの利点をフルに生かすことが出来、イオン生成効率を
向上させることが出来るという優れた効果が奏される。
【0056】そして、装置の在来態様のサイズ等の維持
も出来、産業用プラズマ発生装置の現出を可能に出来、
取り扱い性も良く、イニシャルコストは勿論のこと、ラ
ンニングコストも低減させることが出来、しかも、良好
な耐久性を付与することが出来るという効果もある。
【0057】又、電子ビームガンにおける電子ビーム加
速領域における加速電極の加速空間側、更には電子通過
部に電極サポートよりも高電気抵抗の部材を設置するこ
とにより、又は、加速電源を抵抗を介して加速電極に接
続することにより、通過する電子ビームに対し電気的に
高抵抗とし、イオン生成領域に設置した電子吸収電極
(加速電極サポートのイオン生成領域側の場合もある)
との電位差を大きくすることにより、当該加速電極に対
する通過電子ビームの直接流入率を低く抑え、イオン生
成領域への打ち込み電子ビームの量を多くし、それによ
ってイオン化に大きく寄与し、大電流の引き出しにロス
をなくし、高密度,大面積プラズマの生成を極めて効果
的にプラスするという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の1実施例の全体概略縦断面図
である。
【図2】別の実施例の全体概略縦断面図である。
【図3】他の実施例の全体概略縦断面図である。
【図4】更に別の実施例の全体概略縦断面図である。
【図5】更に他の実施例の全体概略縦断面図である。
【図6】更なる別の実施例の全体概略縦断面図である。
【図7】更なる他の実施例の全体概略縦断面図である。
【図8】別の実施例の組合せ概略縦断面図である。
【図9】従来技術に基づく電子ビーム励起プラズマ発生
装置の全体概略縦断面図である。
【図10】同、加速電極の1態様の概略断面図である。
【図11】同、他の態様の概略断面図である。
【符号の説明】
10 電子ビームガン(電子ビーム加速領域) 16 ターゲット試料 17 マルチポール磁石 11 イオン生成領域 22,22' 電子吸収電極 8 加速電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 21/027 (72)発明者 浜垣 学 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 青柳 克信 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 龍治 真 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 東海 正國 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子ビームガンに接続されターゲット試料
    を内設し、マルチポール磁石を装備するイオン生成領域
    を有する電子ビーム励起プラズマ発生装置において、上
    記イオン生成領域に臨ませて電子吸収電極が形成されて
    いることを特徴とする電子ビーム励起プラズマ発生装
    置。
  2. 【請求項2】上記電子吸収電極が上記電子ビームガンの
    加速電極寄りに環状に配設されていることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の電子ビーム励起プラズマ発
    生装置。
  3. 【請求項3】上記電子吸収電極がイオン生成領域の壁面
    として形成されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  4. 【請求項4】上記電子吸収電極がイオン生成領域の加速
    電極側の壁面として形成されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第3項記載の電子ビーム励起プラズマ発生
    装置。
  5. 【請求項5】上記電子吸収電極の電位が加速電極の電位
    よりも高くされていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1〜4項いずれか記載の電子ビーム励起プラズマ発生
    装置。
  6. 【請求項6】上記電子吸収電極と放電電極の間に加速電
    圧を印加し、更に抵抗を介して加速電極に接続すること
    により、電子吸収電極の電位が該加速電極の電位よりも
    高くされていることを特徴とする特許請求の範囲第5項
    記載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  7. 【請求項7】上記電子吸収電極と放電電極の間に加速電
    圧を印加し、更に加速電極を電気的に浮動電位にするこ
    とにより、電子吸収電極の電位が加速電極の電位よりも
    高くされていることを特徴とする特許請求の範囲第5項
    記載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  8. 【請求項8】加速電極の加速空間側側面を加速電極の材
    質よりも高電気抵抗を有する材質で被覆していることを
    特徴とする特許請求の範囲第1〜7項いずれか記載の電
    子ビーム励起プラズマ発生装置。
  9. 【請求項9】加速電極の電子通過部を加速電極の材質よ
    りも高電気抵抗を有する材質にしていることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1〜7項いずれか記載の電子ビーム
    励起プラズマ発生装置。
  10. 【請求項10】上記高電気抵抗の材質が炭化珪素SiC
    であることを特徴とする特許請求の範囲第8,9項記載
    の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
  11. 【請求項11】上記高電気抵抗の材質が二酸化珪素Si
    2 であることを特徴とする特許請求の範囲第8,9項
    記載の電子ビーム励起プラズマ発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AU736800B2 (en) * 1996-10-30 2001-08-02 Troy Technology Corporation, Inc. Microemulsion and method
JP2009033064A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Hitachi Kokusai Electric Inc 半導体デバイス製造装置
WO2016009779A1 (ja) * 2014-07-15 2016-01-21 中外炉工業株式会社 プラズマ処理装置、及びそのプラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法
CN112616235A (zh) * 2021-01-14 2021-04-06 深圳大学 二维钛化碳在生成大气压均匀介质阻挡放电中的应用

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