JP2000164563A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JP2000164563A
JP2000164563A JP10335307A JP33530798A JP2000164563A JP 2000164563 A JP2000164563 A JP 2000164563A JP 10335307 A JP10335307 A JP 10335307A JP 33530798 A JP33530798 A JP 33530798A JP 2000164563 A JP2000164563 A JP 2000164563A
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Japan
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plasma
processing apparatus
plasma processing
flat plate
gas supply
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JP10335307A
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English (en)
Inventor
Nushito Takahashi
主人 高橋
Ichiro Sasaki
一郎 佐々木
Kenji Maeda
賢治 前田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】省エネルギー、低コストの観点から酸化膜エッ
チングに必要な高密度プラズマを効率よく生成する必要
がある。 【解決手段】円盤状の平板アンテナ5の周囲からUHF
帯のマイクロ波を放射して電子サイクロトロン共鳴によ
るプラズマを発生させると共に、アンテナ5のプラズマ
側の面に設けたガス供給板4の板厚をマイクロ波の表皮
深さより厚くした。 【効果】低電子温度高密度プラズマを用いた酸化膜エッ
チングができるので、優れた特性のエッチング結果が得
られるとともに、省エネルギー、低コストの装置が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に関し、特にシリコン酸化膜などの絶縁膜をプラズマに
よりエッチングする装置に関し、効率よくプラズマ発生
が可能なプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウエハの口径が200mmから300m
mへと大口径化されるにつれ、プラズマ処理装置に必要
なパワーはますます大きくなってきている。ウエハの単
位面積当たりに必要な所要パワーが同じと仮定すると、
300mmウエハでは200mmウエハの約2倍のパワ
ー、電力が必要となる。このパワー増大は、装置のコス
トを増すばかりでなく、熱エネルギーとして消失するエ
ネルギーが増加することも意味し、地球温暖化防止の面
からも、所要パワーの低減が強く要求されている。した
がって、プラズマ発生効率を高めることは今後のプラズ
マ処理装置に必須の課題となっている。
【0003】従来のプラズマ処理装置の中で、酸化膜エ
ッチング装置は、CF系ガスの解離を制御しつつ高エネ
ルギーのイオンを用いてエッチングを行っていることか
ら、低電子温度でかつプラズマ密度を高めることが必要
である。さらに、ウエハ径が300mmと大口径化する
ため、プラズマの均一化も重要な課題である。
【0004】従来のプラズマエッチング装置として代表
的なものに、日立評論、Vol.76、No.7(19
94)、pp.55−58に記載の有磁場マイクロ波プ
ラズマエッチング装置がある。2.45GHzのマイク
ロ波を用い、エッチング室の周囲に設けられたコイルで
発生させた磁場により、電子サイクロトロン共鳴を利用
した効率的なプラズマ発生方法が使用されている。
【0005】一方、一対の対向する電極からなる狭電極
型の高周波プラズマ生成装置が酸化膜エッチング装置と
して広く使用されている。この方式のエッチング装置
は、13.56MHzから数10MHz程度の高周波を
片方の電極に印加し、他方にはウエハを載置して周波数
が1MHz前後のウエハへの高周波バイアスを別に印加
する方式や、一対の電極に高周波を印加する方式が知ら
れている。この方式のエッチング装置は、電極間の距離
が20から30mm程度と狭いため、狭電極型プラズマ
源や平行平板型プラズマ源と呼ばれている。なお、狭電
極型のプラズマ源は圧力が低い領域でのプラズマ生成が
困難であるが、磁場印加などの機能を付加することで、
放電圧力の低下を図った装置も使用されている。
【0006】また、これとは別に誘導コイルを使用した
誘導型プラズマ源も使用されている。これらのプラズマ
源は低圧力でもプラズマの発生と維持が可能であり、し
かもプラズマ密度が高いことから、低圧力高密度プラズ
マ源と呼ばれている。
【0007】これらのプラズマ源を用いたシリコン酸化
膜エッチングでは、エッチングガスとしてアルゴン:A
rにC48などの炭素:C、フッ素:Fを含むガスや、
CHF3などの水素:Hを含むガスなどを混合したり、
さらに酸素:O2や一酸化炭素:CO、水素:H2等が添
加された混合ガスが使用されている。これらのガス種を
用いて、高エネルギーのイオンをウエハ上に照射するこ
とでエッチングが進行する。
【0008】酸化膜エッチング装置の重要な課題は、プ
ラズマによるガス分子の解離を酸化膜のエッチングに最
適な状態にすることである。これに対応し、低電子温度
で高密度プラズマの新しいプラズマ発生源が提案されて
いる。たとえば、公開特許公報特願平8−300039
号に記載のように、プラズマ励起周波数を300Mhz
から1GhzのUHF帯にしたUHF型ECR装置であ
る。この範囲の周波数帯で励起されたプラズマの電子温
度は0.25eVから1eVと低く、C48のプラズマ
解離が酸化膜エッチングに適したレベルになっている。
また、ECR方式であるため、低圧力でも高密度のプラ
ズマを生成することが可能となっている。
【0009】この様に、微細化とウエハ大口径化に対応
するには、電子温度を低くしてエッチングガスの過剰解
離を抑制するとともにプラズマ密度を高くし、プラズマ
密度やガス圧力、反応生成物分布をウエハ上で均一化す
る必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
技術の課題において示した酸化膜プラズマエッチング装
置への要求に見合ったプラズマ発生方法を提案すること
にある。
【0011】酸化膜エッチング装置では、ウエハへの高
エネルギーイオンの入射が必要である。このイオンエネ
ルギーのウエハ面内分布やイオン電流値の面内分布が発
生すると、ウエハ内に面内イオン電流値の不均一に起因
する電流が流れ、ウエハ上の素子を破壊するなどの不具
合が生ずる。このため、ウエハ上に引き込むイオンのエ
ネルギー分布や電流分布を均一化することが重要であ
り、ウエハへのバイアス電圧回路のアースをウエハに対
向した位置に設けた、いわゆる対向アースが必須とな
る。
【0012】本発明の目的は、対向アース方式のプラズ
マ発生装置において、高効率プラズマ発生を図るととも
に、酸化膜エッチングに必要な低電子温度で高密度プラ
ズマの発生が可能なUHF型ECRプラズマエッチング
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】UHF型ECRプラズマ
エッチング装置は、ウエハと対向した位置に平板状の電
磁波放射アンテナを有し、かつ平板アンテナ部のプラズ
マ側にはエッチングガスを供給する微細な孔が設けられ
た平板が設置された構造である。エッチング室に供給さ
れたUHF帯電磁波は、平板アンテナと処理室の天板と
の間で共振状態となる。この電磁波は、平板アンテナの
周囲に設けられた誘電体を通してプラズマ中に放射され
る。
【0014】また、ウエハ載置電極は平板アンテナと対
向する位置にある。さらに平板アンテナはウエハに印加
される高周波バイアスのアースとして機能する。また、
ウエハ載置電極と平板アンテナ間の距離(電極間距離と
称する)は、反応生成物の再解離などを考慮して30m
mから100mm(200mmウエハの場合はウエハ直
径の1/2)の範囲に設定されている。
【0015】また、プラズマ処理室の周囲に配置したコ
イルによって磁場を発生させ、平板アンテナから放射さ
れた電磁波との電子サイクロトロン共鳴を利用して高密
度プラズマを発生させる。プラズマ励起周波数がUHF
帯(300MHzから1GHz)であるため、プラズマ
解離が中程度でCfxガス種が酸化膜エッチングに必要
なレベルだけ存在する。そのため、高密度プラズマ源で
問題となるCfx種の不足と過剰Fは解決される。
【0016】このようなプラズマ源で、さらにプラズマ
発生を高効率化するとともにウエハ面上のプラズマ密度
分布を均一化するには、平板アンテナのウエハと対向す
る面に十分な高周波電流が流れるようにすることが有効
である。平板アンテナには300MHzから1GHzの
高周波電流が流れているが、アンテナの抵抗値が十分低
ければ導体の内部まで電流が流れず、表面電流のみが流
れる。ところが、プラズマに接する平板アンテナをシリ
コンなどの比較的抵抗の高い材料にした場合はシリコン
材料の内部まで電流が流れ、表面電流密度が低下する。
このような場合は、平板アンテナ面内電流によるプラズ
マ発生効率が低下する。本発明では、プラズマに接する
平板アンテナ部材の厚さを表面電流が流れる表皮深さに
比較して十分厚くすることで、平板アンテナに流れる電
流を効率的にプラズマ発生のために利用している。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について述べ
る。図1はUHF型ECRプラズマエッチング装置の一
例である。真空容器であるエッチング室1の周囲に電子
サイクロトロン共鳴(ECR)用磁場を発生するために
コイル2が設置されている。エッチング用ガスは、ガス
供給管3を通して供給され、直径が0.4ないし0.5
mm程度の微細な穴が数100個程度設けられたガス供
給板4からエッチング室1に導入される。ガス供給板4
は平板状で円形である。ガス供給板4に接してUHF帯
のマイクロ波を放射する円形で平板状のアンテナ5が設
けられ、アンテナ5へのマイクロ波は電源6から導入軸
7を通して給電される。マイクロ波は、アンテナ5の周
囲から放射されるのと、アンテナ5の上方の空間での共
振電界が誘電体8を通ってエッチング室内に導入され
る。
【0018】また、アンテナ5と電極9との間で容量結
合的な電界も発生し、効率的なプラズマ発生源になって
いる。したがって、ガス供給板4が導体である場合はア
ンテナ5とガス供給板4は電気的には一体構造となるた
め、ガス供給板4もアンテナの一部である。マイクロ波
の周波数は、プラズマの電子温度を0.25eVから1
eVの低温度にできる帯域が選定されていて、300M
Hzから1GHzの範囲である。本実施例では450M
Hz付近の周波数帯を使用した。
【0019】また、誘電体8としては、石英やアルミナ
が使用できるし、ポリイミドなどの耐熱性ポリマーで誘
電損失が小さいものが使用できる。一方、ガス供給板4
の材質は、シリコン、黒鉛、ガラス状炭素、アルミニウ
ム合金、表面にアルミナを被覆したアルミニウム合金、
などが用いられる。その他に、金属であれば使用可能で
ある。しかし、ステンレス鋼などを使用すると、ガス供
給板4の表面がイオンでスパッタされたりした場合に、
鉄、クロム、ニッケルなどがウエハに混入する恐れがあ
る。したがって、ガス供給板4の材料は、たとえスパッ
タされても汚染物質として害をなさない材料とすべきで
ある。本発明の例では、シリコンを用いた。
【0020】ガス供給板4の下方にはウエハ載置電極9
が設けられ、ウエハ10が静電吸着により支持されてい
る。ウエハ10にプラズマ中のイオンを引き込むため、
ウエハ載置電極9に高周波バイアスが高周波電源11か
ら印加される。
【0021】また、エッチング室内壁の温度制御は、温
調側壁12においてなされる。温調側壁12には、図に
は示していないが、温度調節された冷媒が導入され一定
の温度に保持されている。本実施例では30℃に設定し
た。
【0022】エッチングガスや反応生成物がエッチング
室1の内壁に堆積するが、ウエハ載置電極9の周囲や下
流域にも堆積し、異物の発生源となる。そのため、定期
的に清掃する必要がある。大気開放したエッチング室1
は速やかに真空排気に移行するのが、装置の不稼働時間
を短縮し生産性を向上する上で重要である。そのため、
容易に交換できる堆積物付着用のカバー13を温調側壁
12の下流域に設置した。カバー13には、真空排気や
ウエハ受け渡し用の開口部を設けた。カバー13で堆積
物が回収されるので、下流域における堆積物の付着が低
減される。
【0023】エッチング室1に直結接続された真空室1
5には、排気速度が2000から3000L/s程度の
ターボ分子ポンプ14が設置されている。また、図には
示していないが、ターボ分子ポンプの開口部には排気速
度調整用のコンダクタンスバルブが設置され、エッチン
グに適した流量と圧力を達成するために、排気速度を調
節する。バルブ16は、大気開放時などにターボ分子ポ
ンプ14を隔離するために使用される。
【0024】次に、本発明のプラズマエッチング装置を
用いた酸化膜エッチングの一実施例について説明する。
【0025】高真空に排気された状態のエッチング室1
に、図には示していないが、搬送室から搬送アームによ
ってウエハが搬入され、ウエハ載置電極9の上に受け渡
される。搬送アームが後退してエッチング室1と搬送室
間のバルブが閉じられた後、ウエハ載置電極9が上昇し
て、エッチングに適した位置で停止する。本一実施例の
場合は、ウエハ10とガス供給板4との距離(電極間距
離)を70mmとした。
【0026】エッチングガスとして、ArとC48、O
2の混合ガスを使用し、それぞれの流量500、10、
5sccmを導入した。圧力は2Paである。UHFマ
イクロ波電源の出力を1kWとし、ウエハへのバイアス
電源11の出力を600Wとした。コイル2に電流を印
加し、UHFマイクロ波450MHzの共鳴磁場0.0
16Tをガス供給板4とウエハ載置電極9の間に発生さ
せた。次にマイクロ波電源6を動作させた。電子サイク
ロトロン共鳴により、磁場強度0.016TのECR領
域に強いプラズマが発生する。
【0027】プラズマが着火した後に、図には示してい
ないが、高周波電源11に並列に接続された直流電源か
ら高電圧がウエハ載置電極9に印加され、ウエハ10は
ウエハ載置電極9に静電吸着される。静電吸着されたウ
エハ10の裏面にヘリウムガスが導入され、冷媒により
温度調節されたウエハ載置電極9のウエハ載置面とウエ
ハ間でヘリウムガスを介してウエハの温度調節が行われ
る。
【0028】次に、高周波電源11を動作させ、ウエハ
載置電極9に高周波バイアスを印加する。これにより、
ウエハ10にプラズマ中からイオンが垂直に入射する。
酸化膜エッチングでは高エネルギーイオン入射が不可欠
であり、本一実施例でも高周波バイアス電圧Vpp(最
大ピークと最小ピーク間の電圧)は1000Vから20
00Vの値とした。このような高エネルギーイオンによ
る衝撃で、ウエハ10の温度が上昇する。酸化膜エッチ
ングでは、ウエハ温度は、高めの方が選択比は高くなる
などエッチング特性に優れているため、数10℃の値に
調節される。
【0029】バイアス電圧がウエハ10に印加されると
同時に、エッチングが開始される。所定のエッチング時
間でエッチングを終了する。あるいは、図示していない
が、反応生成物のプラズマ発光強度変化をモニターし、
エッチング終点を判定してエッチング終了時間を求め、
適切なオーバーエッチングを実施した後、エッチングを
終了する。エッチングの終了は、高周波バイアス電圧の
印加を停止したときである。これと同時に、エッチング
ガスの供給も停止する。
【0030】ただし、静電吸着したウエハ10をウエハ
載置電極9から脱着する工程が必要である。静電吸着電
圧の供給を停止して給電ラインをアースに接続した後、
マイクロ波の放電を維持しながら10秒間程度の除電時
間を設ける。これにより、ウエハ10上の電荷がプラズ
マを介してアースに除去され、ウエハ10が容易に脱着
できるようになる。除電工程が終了すると、除電ガスの
供給停止とともにマイクロ波の供給も停止される。さら
には、コイル2への電流供給も停止する。また、ウエハ
載置電極9の高さを、ウエハ受け渡し位置まで下降させ
る。
【0031】この後しばらくの間、エッチング室1を高
真空まで排気する。高真空排気が完了した時点で、搬送
室間のバルブを開け、搬送アームを挿入してウエハ10
を受け取り、搬出する。次のエッチングがある場合は、
新しいウエハを搬入し、再び上述の手順に従ってエッチ
ングが実施される。
【0032】以上で、エッチング工程の代表的な流れを
説明した。
【0033】なお、本発明の他の実施例では、UHF帯
マイクロ波に重畳させて数10kHzから数10MHz
の高周波をアンテナ5に印加している。この高周波印加
により、アンテナ5のプラズマ側に接しているガス供給
板4には高周波バイアスが印加される。ガス供給板4が
シリコンで作成されている場合は、この高周波バイアス
の印加でプラズマ中のフッ素がシリコンと反応し、プラ
ズマ中から除去される。高周波バイアスの印加量を調節
することで、酸化膜エッチングに適したフッ素の比率に
プラズマを制御することが可能である。
【0034】以上述べたUHF型ECRプラズマエッチ
ング装置のアンテナ部の構造を図2に示す。本発明のプ
ラズマエッチング装置は、450Mhzのマイクロ波が
投入されると、アンテナ5の上面において共振状態にな
るようにアンテナ5と真空容器の天板1a間の寸法なら
びに誘電体8の誘電率が選択されている。この領域で共
振状態が維持されるので、450Mhzのマイクロ波が
効率よく投入される。アンテナ5の外周部の誘電体8を
通してマイクロ波がプラズマ中に投入される。このマイ
クロ波と磁場が電子サイクロトロン共鳴に寄与すること
になるが、その他に、図3に示したような、表面電流が
アンテナ5およびガス供給板4に流れている。高周波電
流は、導体内部には進入できず、導体の表面を流れる。
その電流値の大きさが1/eになる深さを表皮深さと称
すが、表皮深さtは次式で表される。
【0035】t=1/√(πfμσ) ここで、fは高周波の周波数、μは透磁率、σは導電率
である。導体の抵抗Rは1/(tσ)に比例し、周波数
が一定であれば、導体の抵抗は1/√(σ)に比例す
る。したがって、導電率が大きいほど、すなわち抵抗率
ρ=1/σが小さいほど高周波電流に対する導体の抵抗
は小さくなり、表皮深さも薄くなる。アンテナ5および
ガス供給板4に使用される材料の導電率は、シリコンで
はボロンなどの不純物のドーピング量によって変化す
る。通常のシリコンでは、約104〜10(S/m)で
あり、ガラス状炭素が2.3×104S/m、黒鉛が1
5S/m、純アルミニウムが3.8×107S/mであ
る。抵抗率で示すと、シリコン、ガラス状炭素、黒鉛、
純アルミニウムの順に、それぞれ0.0001〜0.
1、4.4×10-5、1×10-5、2.6×10-8Ωm
である。
【0036】これらの材料を450Mhzのマイクロ波
が伝搬するときの表皮深さは、図3の抵抗率と表皮深さ
の関係から求めることができる。抵抗の低いガラス状炭
素、黒鉛、アルミニウム合金の場合は、表皮深さが0.
16mm,0.08mm,0.004mmであり、通常
のアンテナ部材の極表面を電流が流れることになる。と
ころが、シリコンの場合は、不純物のドーピング量によ
って抵抗が変わるため、表皮深さは0.2mm(0.0
001Ωmの場合)〜7.5mm(0.1Ωmの場合)
と抵抗率に依存する。
【0037】たとえば、抵抗率が0.1Ωmのシリコン
を使用した場合は、表皮深さが7.5mmにも達する。
ガス供給板4の厚さが7.5mm以下の場合は、シリコ
ンのガス供給板4の裏面にあたるアンテナ5の表面にも
高周波電流が流れることになる。この場合は、アンテナ
5がアルミニウム合金で製作されているので、表面抵抗
がシリコンに比較して小さい。したがって、アンテナ5
の表面を流れる電流が大きなものとなる。
【0038】ところで、ガス供給板4に流れる表面電流
は、プラズマ中に電磁界を発生させプラズマを誘起する
働きを有している。この作用はプラズマ発生効率を高め
ると共に、ウエハ中心部でのプラズマ密度分布を均一化
する上で、重要な働きをしている。アンテナ5の外周部
から投入されたマイクロ波は電子サイクロトロン共鳴に
より高密度プラズマを発生するが、高密度プラズマが発
生した後にさらにマイクロ波を投入しようとしても、マ
イクロ波投入に対するカットオフ現象が生じ、ある限度
以上にはマイクロ波を投入することが出来ない。そのた
め、アンテナ5の外周部が高密度領域となり、ウエハ中
央部は相対的に低めのプラズマ密度になる。この現象を
改善する上で、ガス供給板4の表面に流れる高周波電流
により誘起されるプラズマが有効に作用する。
【0039】したがって、ガス供給板4に流れる表面電
流を如何に損失無くプラズマ側に変換するかが重要とな
る。図4にアンテナ5の表面を流れる電流を模式的に示
した。マイクロ波の導入軸7から投入された450Mh
zの高周波は、アンテナ5の表面5aの領域のみを流れ
る。さらにガス供給板4においては、シリコンの表皮深
さがガス供給板4の板厚より小さい場合、図4に示した
ように表面4aを流れる。シリコンにおける表皮深さは
アルミニウム合金性のアンテナ5の表皮深さに比較して
非常に大きいので、ガス供給板の板厚のかなりの部分を
占める。ただし、図4のようにガス供給板4の板厚が表
皮深さ4aよりも大きければ、表面電流がガス供給板4
のみを流れるので、表面電流による誘起プラズマは十分
効率的に発生する。
【0040】ところが、表皮深さ4aがガス供給板4よ
りも大きくなると、ガス供給板4の裏面に接するアンテ
ナ5の表面にも流れる。この様な状態になると、アンテ
ナ5に流れる表面電流によってプラズマを誘起させるた
めには、誘電体であるガス供給板4を介したプラズマ発
生となり、効率が悪い。
【0041】したがって、本発明では、アンテナでもあ
るガス供給板の板厚を、投入する高周波の表皮深さより
厚くするとしている。同じことであるが、ガス供給板4
の抵抗率を低くする、すなわち導電率を高くすること
も、表皮深さを小さくするので、ガス供給板4の板厚を
それほど厚くしなくても良いということになる。
【0042】また、抵抗率を下げたことによる効果は、
抵抗加熱によってガス供給板4が発熱することも抑制さ
れるので、投入パワーを熱によって発散してしまう比率
が低くなり、結果として効率的なプラズマ発生が達成で
きる。シリコンの場合は、450Mhzの高周波に対し
ては、厚さを8mm以上にするか、抵抗を1Ωcm以下
にすることが有効になる。もちろん、他の条件やガス供
給板をシリコン以外の材料とした場合に対しても上記の
考え方を適用することが出来る。
【0043】本発明の他の実施例を図5に示す。シリコ
ンからなるガス供給板4の表皮深さが深くても、ガス供
給板4とアンテナ5の間に絶縁板4bを挿入する。絶縁
板4bには高周波が流れないので、たとえ表皮深さがガ
ス供給板4の板厚より大きくても、電流はガス供給板4
のみを流れることになるので、プラズマ発生効率は高く
なる。
【0044】次に、本発明における他の実施例について
説明する。アンテナ5には1〜2kW程度の高パワーが
投入される。したがって、アンテナ5の発熱を抑制する
ことが必要になるが、本発明では、図1に示したガス供
給管3と同じ構成で、図には示していないが、アンテナ
5の内部に冷媒を供給する構造とした。ガス供給管3は
アンテナ5を貫通しているが、冷媒供給管はアンテナ5
の内部に流路を設けて冷媒が流れるように構成し、その
流路に接続する。もちろん、冷媒の供給と戻りの両配管
を接続する。この様にしてアンテナ5の温度は一定に抑
えられる。また、エッチングガスがアンテナ5とガス供
給管4の間に供給され、圧力が数Torr程度になるの
で、ガス伝熱によりガス供給板4も温度調節される。
【0045】また、アンテナ5とガス供給板4の間に絶
縁板4bを挿入した場合に、絶縁板にもガス供給穴を設
けることもある。
【0046】以上述べたように、本発明によれば、効率
的なプラズマ発生が可能になると共に、均一なプラズマ
が得られる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、酸化膜エッチングに必
要な低電子温度で高密度プラズマが効率的に発生できす
るので、所用電力が低減できるという利点がある。さら
に、電源パワーが低くできるので、装置コストの低減も
期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるプラズマエッチング装
置の説明図である。
【図2】図1のアンテナ部の構造図である。
【図3】抵抗率と表皮深さの関係を示す説明図である。
【図4】アンテナ表面を流れる電流を模式的に示す説明
図である。
【図5】アンテナ表面を流れる電流を模式的に示す説明
図である。
【符号の説明】
1…エッチング室、2…コイル、3…ガス供給管、4…
ガス供給板、5…アンテナ、6…電源、7…導入軸、8
…誘電体、9…ウエハ載置電極、10…ウエハ、11…
高周波電源、12…温調側壁、13…カバー、14…タ
ーボ分子ポンプ、15…真空室、16…バルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 賢治 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 5F004 AA16 BA14 BB07 BB11 BB29 BC08 CA04 CB02 CB15 DA00 DA16 DA23 DA24 DA26 DB03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空処理室と、該真空処理室内で処理され
    る試料を載置するための試料台と、プラズマ生成手段
    と、プラズマ生成用のガス供給手段とを有するプラズマ
    処理装置において、 前記プラズマを生成する手段を前記試料と略平行に配置
    された導体平面板からなる電磁波供給手段とし、該平面
    板に給電された高周波電流の流れる表皮深さが該平面板
    の厚さよりも小さいことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のプラズマ処理装置のおい
    て、 前記平面板を略同じ大きさの複数の平面板とし、高周波
    電流の流れる表皮深さがそれぞれの平面板の厚さより小
    さいことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1および2に記載のプラズマ処理装
    置において、 前記平面板の周囲に電磁波が通過できる誘電体を配した
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のプラズマ処理装置におい
    て、 前記平面板のプラズマに対向する面は直接プラズマに接
    することを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4に記載のプラズマ処
    理装置において、 前記平面板が円盤であることを特徴とするプラズマ処理
    装置。
  6. 【請求項6】請求項1から請求項5に記載のプラズマ処
    理装置において、 複数の円盤から構成される該平面板で最もプラズマ側に
    配置される平面板にガス供給用の微細な複数の孔を設け
    たことを特徴とするプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のプラズマ処理装置におい
    て、 ガス供給用の孔が設けられた該平面板をシリコン、黒
    鉛、ガラス状炭素、炭化シリコン、アルミニウム合金、
    表面に酸化アルミニウム層が形成されたアルミニウム合
    金のいずれかとしたことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1から請求項7に記載のプラズマ処
    理装置において、 前記平面板を温度調節することを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8に記載のプラズマ処
    理装置において、 前記温度調節の手段として温度制御された冷媒を循環す
    る方法としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】請求項1から請求項9に記載のプラズマ
    処理装置において、 複数の平面板からなる該平面板の少なくとも一つの平面
    板に温度調節された冷媒を循環させて該平面板の温度調
    節を行い、該温度調節された平面板のプラズマ側に請求
    項7に記載された微細な孔を有する平面板を設けたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】請求項11に記載のプラズマ処理装置に
    おいて、 前記冷媒を循環させる平面板をアルミニウム合金とした
    ことを特徴とするプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1から請求項11に記載のプラズ
    マ処理装置において、 前記プラズマに接する平面板を請求項7に記載の材料と
    し、その平面板のプラズマ側とは反対の面に接して誘電
    体を配し、さらに温度調節された導体からなる平面板を
    積層させ、該平面板の外周はプラズマに接する平面板と
    接触するようにしたことを特徴とするプラズマ処理装
    置。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のプラズマ処理装置に
    おいて、 前記積層された該誘電体にガス供給用の孔を設けたこと
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  14. 【請求項14】請求項12および13に記載のプラズマ
    処理装置において、 前記誘電体を石英、アルミナ、窒化アルミ、ポリイミド
    としたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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