JPH08174874A - 熱転写記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ローラ間に掛け渡したベルトに記録すべき画
像を形成した後に、記録紙に再転写するよう構成するよ
うにした熱転写記録装置に関し、ベルトの回転に伴うず
れを矯正して、画質の低下を防止する。 【構成】 画像情報に基づき、サーマルヘッド３によっ
てインクシート２のインクをベルト５上に顕像化させる
構成とする。また、ベルト５は無端で、プラテンローラ
４と下流側に位置する従動ローラ６に掛け渡され、前記
従動ローラ６は両側に次第に径が小さくなる中央ローラ
６ａと、その両側に位置し、外側に次第に径が大きくな
る側部ローラ６ｂ，６ｃよりなり、中央ローラ６ａがベ
ルト５のずれに応じて移動し、その結果、ベルト５の左
右のテンション力を変化させてベルト５のずれを補正す
る構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクシートより中間
記録媒体上に転写し、これより記録紙に転写する方式の
熱転写記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、熱転写記録装置の中でも染料熱転
写記録装置は、カラー写真に匹敵する高画質な画像を提
供できる記録装置として知られている。特開平４−１４
１４８６号公報には、普通紙にも高画質が得られるよう
に、中間記録媒体を用いた記録装置が提案されている。
これは図４に示すように、中間記録媒体として用いるド
ラム上に、カラー画像を形成するとともに、このドラム
で記録紙への転写・定着を行う構成となっている。

【０００３】すなわち、１は図３で示すインクシート２
を収納したインクカートリッジであり、離型層２１を介
した染着層２２と、Ｙ（イエロー）、Ｍ（マゼンタ）、
Ｃ（シアン）の各色材層２３，２４，２５とが順に形成
されており、記録に応じて順次新たな染着層および色材
層が供給されるようになっている。３は発熱素子をライ
ン状に有するサーマルヘッドであり、インクシート２の
染着層２１および各色材層２２，２３，２４をドラム２
７に転写するものである。ドラム２７は、アルミ素管２
９上にシリコンゴム２８をおよそ３ｍｍ程度の肉厚で巻
き付けたものであり、そのシリコンゴム２８の表面に
は、粘着性をもった離型層２６が形成されている。ドラ
ム２７上のシリコンゴム２８の硬度は、サーマルヘッド
３で記録するために、４０〜５０度であることが必要で
ある。また、７は定着ローラであり、定着ローラ７の中
には発熱体８が内蔵されている。

【０００４】記録のプロセスは、まずサーマルヘッド３
をドラム２７に圧接し、離型層２１を介して形成されて
いる染着層２２をドラム２７上の離型層２６に均一に転
写する。次にドラム２７上に均一に転写された染着層２
２上に、画像情報に応じて選択的にＹ（イエロー）の色
材層２３をサーマルヘッド３により重ねて転写する。さ
らに同様に、Ｍ（マゼンタ）の色材層２４、Ｃ（シア
ン）の色材層２５の転写を順次行い、ドラム２７上にカ
ラー画像を形成する。そしてドラム２７上にカラー画像
が記録された染着層２２を、加熱された定着ローラ７と
ドラム２７を圧接することにより、記録紙１７に転写・
定着させる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、たとえばＡ６サイズで副走査方向に１１０
ｍｍ程度の記録をする場合には、ドラム２７の直径は約
５０ｍｍとなり、転写・定着後の記録紙１７のカールを
抑制するには、定着ローラ７はドラム２７と同径のもの
が必要となり、装置が大型化してしまうという問題点が
ある。

【０００６】そこで本発明は、前記従来の問題に留意
し、装置を小型化することを目的とするものである。さ
らに本発明は、転写するベルト上における色ずれを防止
するとともに、ベルトの損傷等も防止することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の熱転写記録装置は、複数色の色材層を担持
したインクシートと、プラテンローラと従動ローラと、
前記プラテンローラと従動ローラに掛け渡されて回転駆
動されるフィルム状の無端のベルトと、前記インクシー
トの色材層を、画像情報に応じて選択的に前記ベルト上
に転写し、各色材の画像を重ね合わせてカラー画像を形
成するための発熱ヘッドと、前記カラー画像を記録紙に
再度転写するよう前記ベルトを挟持する一対のローラと
を備えた熱転写記録装置の構成とする。

【０００８】また、本発明は、その従動ローラが、中央
部が径大であり両端部にかけて次第に径小になる形状を
した中央ローラと、その両側に位置し、外側に次第に径
大となる形状で、ベルトの搬送力で回転自在な側部ロー
ラよりなる構成とする。

【０００９】

【作用】このように、中間記録媒体に無端状ベルトを用
いる構成によれば、大型のドラムを必要とせず装置を小
型化することが可能である。また特に、ローラ間に掛け
渡した中間記録媒体の無端状ベルトを回転駆動する際、
移動可能な中央ローラをベルト表面に当接させる構成で
あるので、ベルトの回転にともなってずれ等が生じて
も、ベルトに係るテンション力の変化によりベルトの蛇
行が矯正され、ベルト回転時の走行性を良好にすること
で画質の低下を防止することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
なお、上述の従来例と実質的に同一の構成部分には同一
の符号を付して説明を略する。本実施例と前述の従来例
との最大の差異は、中間記録媒体を無端状のベルトで行
っていることである。図１において１はインクカートリ
ッジ、２はインクシート、３はサーマルヘッドである。
５は薄膜のベルトで、シリコンゴム等で表面処理された
ポリイミドフィルムよりなり、かつ無端状で、プラテン
ローラ４と従動ローラ６に掛け渡されて回転駆動され
る。７は定着ローラ、８は発熱体である。９はローラア
ングル１０により、ベルト５の内側に配置された前記定
着ローラ７との圧着・解除が自在に支持された加圧ロー
ラである。１７は記録紙である。

【００１１】画像記録の際は、まずサーマルヘッド３を
プラテンローラ４に圧着してインクシート２を挟持し、
サーマルヘッド３の発熱素子を発熱させながら、インク
シート２およびベルト５を矢印ａ、ｂの方向にともに移
動させることにより、染着層をベルト５に均一に転写さ
せる。

【００１２】染着層の転写後、サーマルヘッド３の圧着
を解除してベルト５を１回転させた後、再びサーマルヘ
ッド３をプラテンローラ４に圧着し、画像情報に基づく
信号によりサーマルヘッド３の発熱素子を選択的に発熱
させながら、インクシート２とベルト５を矢印ａ，ｂの
方向にそれぞれ移動させることにより、まずＹ（イエロ
ー）の色材層２３（図３）をベルト５上に昇華させる。

【００１３】そしてサーマルヘッド３の圧着を解除して
ベルト５を一回転させた後、再びサーマルヘッド３をプ
ラテンローラ４に圧着し、Ｙ（イエロー）の記録画像上
にＭ（マゼンタ）の色材層２４の画像を重ね合わせて記
録する。さらに同様にベルト５を一回転させた後に、Ｃ
（シアン）のインク画像を重ね合わせることによりカラ
ーインク画像をベルト５上に形成する。これら一連の記
録動作では、定着ローラ７と加圧ローラ９との圧着は解
除しておく。

【００１４】カラーインク画像を形成した後、ローラア
ングル１０を駆動して加圧ローラ９を定着ローラ７に圧
着させ、ベルト５を回転させる。ベルト５の走行速度と
同期して、矢印ｃ方向より記録紙１７を搬送し、定着ロ
ーラ７と加圧ローラ９とによりベルト５と記録紙１７と
を加熱・圧着する。これにより記録紙１７にカラーイン
ク画像の転写・定着を行う。

【００１５】このように、インクシート２からのカラー
画像形成のプロセスはプラテンローラ４で行い、記録紙
１７への転写・定着のプロセスは定着ローラ７と加圧ロ
ーラ９で行うように、個々のプロセスで別々のローラを
用いる構成である。したがって従来のドラムを用いた装
置に比べ、定着ローラ７および加圧ローラ９を径小にす
ることができるので、装置を小型化することができる。

【００１６】ところで上記構成においては、プラテンロ
ーラ４と従動ローラ６の回転軸とが平行に配置されてい
れば問題はないのであるが、実際には組み立て誤差が生
じるため、ベルト５はその回転によって左右のテンショ
ン力の小さい方に移動してしまう。

【００１７】このためインクシート２からベルト５上に
３色のインク画像を重ね合わせる場合、ベルト５のずれ
によって色ずれが発生して画質が低下する。また長期間
使用すると、ベルト５のずれる量も大きくなるので片寄
りを矯正しなければならない。しかしながら、単にロー
ラの端部にフランジを設けたのでは、ポリイミドよりな
るベルト５の厚さは２０μｍ〜８０μｍ程度と薄いため
に、ベルト５の端部がフランジと擦れあって破損してし
まう。そこでベルト５を損傷することなく、ずれや片寄
りを矯正することが必要になる。

【００１８】図２に示す従動ローラ６は、ベルト５のず
れや片寄りを矯正するよう構成したものである。すなわ
ち従動ローラ６は、中央部が径大で両端にかけて次第に
径小になるクラウン形状をなす中央ローラ６ａと、中央
ローラ６ａの両側において回転軸１１の端部に向かって
次第に径大になる円錐形状の側部ローラ６ｂ，６ｃとか
らなる。

【００１９】前記中央ローラ６ａと側部ローラ６ｂ，６
ｃとは互いに離間して回転軸１１に配置してあり、中央
ローラ６ａは、２つの側部ローラ６ｂ，６ｃの間を矢印
Ａ，Ｂ方向に移動可能に取り付けてある。また図の実線
で示すように、中央ローラ６ａが側部ローラ６ｂと６ｃ
の中間に位置するときには、ベルト５はそれぞれのロー
ラに当接するように掛け渡してある。

【００２０】以上の構成において、プラテンローラ４と
従動ローラ６の回転軸１１が互いに平行でなく、側部ロ
ーラ６ｂ側と側部ローラ６ｃ側の周長に差があると、ベ
ルト５は回転にともなって、わずかに側部ローラ６ｂま
たは６ｃの一方へとずれていく。たとえば側部ローラ６
ｂ側の周長が短い場合には、ベルト５は、実線で示す中
央位置からテンションの小さい破線で示す側部ローラ６
ｂ側の位置へと移動する。中央ローラ６ａは、軸１１に
対して移動可能に取り付けているため、ベルト５ととも
に側部ローラ６ｂ側へと移動する。

【００２１】ベルト５が破線の位置に移動すると、ベル
ト５の周長は側部ローラ６ｂ側端の方が大きくなり、テ
ンションも同様に側部ローラ６ｂ側が大きくなる。ここ
で中央ローラ６ａの中央部の径を大きくしているのは、
側部ローラ６ｂ側のテンションと側部ローラ６ｃ側のテ
ンションとの差を大きくするためであり、一定の径のロ
ーラに比べて、ずれに対して敏感に応答することができ
るものである。このためベルト５は再び矢印Ａ方向の側
部ローラ６ｃ側へと移動することとなり、ずれが矯正さ
れていく。

【００２２】また、側部ローラ６ｂ、６ｃは円錐形状を
しているため、ベルト５はその端面が側部ローラ６ｂ，
６ｃに当接しないので、ベルトを傷つけることなく矯正
することができる。

【００２３】

【発明の効果】以上の実施例の説明より明らかなよう
に、本発明の熱転写記録装置はインクシートに担持され
た複数色の色材を、サーマルヘッドにて画像情報に応じ
てそれぞれ転写してカラー画像を形成するとともに、そ
のカラー画像を記録紙に再度転写する中間記録媒体をベ
ルトで構成したので、ベルト上に形成されたカラー画像
を記録紙に転写するための定着ローラおよび加圧ローラ
を径小に構成できるので、記録装置を小型化することが
できる。

【００２４】また本発明は、ベルトを回転駆動するプラ
テンローラと従動ローラのうち、その従動ローラを、中
央部が径大であり両端部にかけて次第に径小になる形状
の中央ローラと、この中央ローラの両側において、回転
軸の端部向けて次第に径大になる円錐形状の側部ローラ
とにより構成したため、プラテンローラと従動ローラの
取り付け誤差等により、ベルトの回転に伴ってずれや蛇
行が生じても、ベルトに加わるテンションの差を利用し
てベルトの位置規制や、ベルトの片寄りを規制すること
ができる。このためベルト上にインクシートの色材を重
ね合わせてカラー画像を形成するときに、色ずれもなく
高画質の画像を形成することができる。また、薄膜のベ
ルトであってもベルトにダメージを与えることなく位置
規制を行うことができ、さらに長期間使用してもベルト
が一方向だけに片寄ることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の熱転写記録装置を示す概略
構成図

【図２】同装置の要部平面図

【図３】本発明に使用されるインクシートを示す説明図

【図４】従来の熱転写記録装置の概略構成図

【符号の説明】

１ インクカートリッジ ２ インクシート ３ サーマルヘッド ４ プラテンローラ ５ ベルト ６ 従動ローラ ６ａ 中央ローラ ６ｂ，６ｃ 側部ローラ ７ 定着ローラ ８ 発熱体 ９ 加圧ローラ １０ ローラアングル １１ 支軸 １７ 記録紙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 7416−2Ｈ Ｂ４１Ｍ 5/26 Ｈ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数色の色材層を担持したインクシート
   と、プラテンローラと従動ローラに掛け渡されて回転駆
   動されるフィルム状で、かつ無端状のベルトと、前記イ
   ンクシートの色材を、画像情報に応じて選択的に前記ベ
   ルト上に転写し、各色材層の画像を重ね合わせてカラー
   画像を形成するための発熱ヘッドと、前記カラー画像を
   記録紙に再度転写するよう前記ベルトを挟持する一対の
   ローラとを備えた熱転写記録装置。
2. 【請求項２】 従動ローラは、中央部が径大であり両端
   部にかけて次第に径小になる形状に形成された中央ロー
   ラと、中央ローラの両側に配置され外側に次第に径が大
   きくなり、ベルトの搬送力で自在に回転運動なし、前記
   中央ローラとそれぞれ離間した側部ローラよりなること
   を特徴とする請求項１記載の熱転写記録装置。