JPH08174419A - 磁界を用いた研削方法及び装置 - Google Patents

磁界を用いた研削方法及び装置

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JPH08174419A
JPH08174419A JP32606194A JP32606194A JPH08174419A JP H08174419 A JPH08174419 A JP H08174419A JP 32606194 A JP32606194 A JP 32606194A JP 32606194 A JP32606194 A JP 32606194A JP H08174419 A JPH08174419 A JP H08174419A
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整 大森
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一郎 高橋
Naoya Odaka
直哉 小高
Michinori Tanaka
倫則 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解電流を制御することができ、これにより
砥粒の突出し量を制御することができ、かつ電極表面へ
の金属の付着量を低減することができ、これにより長時
間の連続運転を可能にすることができる研削方法及び装
置を提供する。 【構成】 ワーク1との接触面を有する導電性かつ磁性
体の砥石12と、砥石と間隔を隔てて対向する導電性か
つ磁性体の電極14と、砥石と電極との間に導電性液を
流すノズル16と、その間に導電性液を介して電流Iを
流す電圧印加装置18と、その間に電流Iに交差する方
向に磁界Bを形成する磁界装置20と、を備え、砥石を
電解によりドレッシングしながらワークを研削する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁界を用いた研削方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】メタルボンド砥石、例えば鋳鉄ファイバ
ボンドダイヤモンド砥石等の導電性砥石を用い、この砥
石に電圧を印加し、砥石を電解によりドレッシングする
導電性砥石の電解ドレッシング方法及び装置が、本願と
同一の出願人による特開平1-188266号( 特願昭63-12305
号) に開示され、電子材料であるシリコン等の半導体材
料を鏡面研削することに成功している。更に、この方法
及び装置を発展させた電解インプロセスドレッシング研
削法(Electrolytic In-process Dressing:以下 ELID 研
削法という) と呼ばれる方法及び装置が本願出願人によ
り開発され、発表されている( 理研シンポジウム「鏡面
研削の最新技術動向」、平成3年3月5日開催)。
【0003】この ELID 研削法は、ワークとの接触面を
有する砥石と、砥石と間隔を隔てて対向する電極と、砥
石と電極との間に導電性液を流すノズルと、砥石と電極
との間に電圧を印加する印加装置(電源及び給電体)と
からなる装置を用い、砥石と電極との間に導電性液を流
しながら、砥石と電極との間に電圧を印加し、砥石を電
解によりドレッシングするものである。
【0004】この ELID 研削法によるドレッシングの機
構を図6に示す。砥石の目立て開始時(A)には、砥石
と電極との間の電気抵抗が少なく比較的大きい電流(5
〜10A)が流れる。これにより、電解効果により砥石
表面の金属部(ボンド)が溶解し、非導電性のダイヤモ
ンド砥粒が突出する。更に、通電を続けると、酸化鉄(F
e2O3)を主とした絶縁被膜(不導体被膜)が砥石表面に
形成され、砥石の電気抵抗が大きくなる。これにより、
電流が低下し、ボンドの溶解が減り、砥粒の突出(砥石
の目立て)が実質的に終了する(B)。この状態で研削
を開始する(C)と、被膜が研削屑を遊離しつつ、ワー
クの研削につれてダイヤモンド砥粒が摩耗していく。更
に研削を続けると(D)、砥石表面の不導体被膜が摩耗
により除去され、砥石の電気抵抗が低下し、砥石と電極
間の電流が増大し、ボンドの溶解が増し、砥粒の突出
(砥石の目立て)が再開される。従って、 ELID 研削法
による研削中には、(B)〜(D)のように被膜の形成
・除去によりボンドの過溶出が抑えられ、砥粒の突出
(砥石の目立て)が自動的に調整される。(B)〜
(D)に示したサイクルを以下 ELID サイクルと呼ぶ。
【0005】上述した ELID 研削法では砥粒を細かくし
ても ELID サイクルによる砥石の目立てにより砥石に目
詰まりが生じないので、砥粒を細かくすれば鏡面のよう
な極めて優れた加工面を研削加工により得ることができ
る。従って、 ELID 研削法は、高能率研削から鏡面研削
に至るまで砥石の切れ味を維持でき、種々の研削加工へ
の適用が期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した ELI
D 研削において、砥粒の突出(砥石の目立て)自体は自
動的に調整されるが、その突出し量の大小は制御ができ
ない問題点があった。すなわち、砥粒の突出し量は、粒
径の1/3程度であるのが好ましく、例えば粒径50μ
mの砥粒の場合に約16μm程度にするのがよいが、従
来の ELID 研削法では、電解電流値が、砥石の材質と電
源電圧で決まってしまい、これにより、砥粒の突出し量
も決まっていた。
【0007】そのため、砥粒の突出し量(及びこれに直
接影響を受ける電解電流値)を変えるためには、砥石
を別の材料のものに交換するか、電源電圧を変化させ
たりパルス電源の直流成分を変化させたりする必要があ
った。しかし、の手段は、材質の異なる種々の砥石を
準備してそれぞれ試験する必要があり、所望の砥粒の突
出し量を得るのに費用と手間がかかりすぎる問題があっ
た。また、の手段は、電圧や電流を増大させるとアー
クや局所電解が生じやすく、均一な砥粒の突き出しがで
きなくなり、安定した切れ味を維持できず、優れた加工
面が得られなくなり、パルス電源の直流成分を変化させ
るには電気回路が複雑となり、かつ多数の試験を行う必
要がある等の問題があった。
【0008】更に、従来の ELID 研削では、電解により
電極(陰極)の表面に砥石を構成する金属(鉄、コバル
ト等)が一種のメッキのように付着し、砥石と電極との
隙間が変化してしまい、甚だしい場合には埋まる恐れも
ある問題点があった。そのため、従来は、例えば8〜1
0時間程度の連続使用後にこれを機械的に除去する必要
があり、電極の寸法変化や再調整に時間がかかる問題が
あった。
【0009】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、電
解電流を制御することができ、これにより砥粒の突出し
量を制御することができる研削方法及び装置を提供する
ことにある。また、本発明の別の目的は、電極表面への
金属の付着量を低減することができ、これにより長時間
の連続運転を可能にすることができる研削方法及び装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
かつ磁性体の砥石及び電極との間に導電性液を流し、前
記砥石と電極との間に導電性液を介して電流を流し、か
つその間に前記電流に交差する方向に磁界を形成し、こ
れにより砥石を電解によりドレッシングしながらワーク
を研削する、ことを特徴とする磁界を用いた研削方法が
提供される。本発明の好ましい実施例によれば、研削中
に、前記磁界を変化させる、ことが好ましい。
【0011】また、本発明によれば、ワークとの接触面
を有する導電性かつ磁性体の砥石と、該砥石と間隔を隔
てて対向する導電性かつ磁性体の電極と、前記砥石と電
極との間に導電性液を流すノズルと、その間に導電性液
を介して電流を流す電圧印加装置と、その間に前記電流
に交差する方向に磁界を形成する磁界装置と、を備え、
これにより、砥石を電解によりドレッシングしながらワ
ークを研削する、ことを特徴とする磁界を用いた研削装
置が提供される。本発明の好ましい実施例によれば、前
記磁界と電流の方向は、ほぼ直交する。また、前記砥石
及び電極は、強磁性体からなる。更に、前記磁界装置の
少なくとも砥石及び電極に対向する部分は、絶縁体から
なる。
【0012】
【作用】導電性液には、陽イオン(Na+ ,K+ ,Ca
++ ,等)及び陰イオン(OH - ,Cl- ,SO4 --
等)が含まれており、これらのイオンが研削性能に影響
することが知られている。そこで、本願発明者は、これ
らのイオンに磁界を付与することにより電解電流を制御
することができる可能性に着目した。また、この磁界に
より、砥石から発生するFeイオン等にも直接力を作用
させることができ、これによっても砥粒の突出し量を制
御しかつ電極表面への金属の付着を低減することができ
ることに着目した。本発明はかかる新規の着想に基づ
き、その効果を試験により確認したものである。
【0013】すなわち、上述した本発明の方法及び装置
によれば、導電性かつ磁性体の砥石及び電極との間に導
電性液を流し、電圧印加装置により砥石と電極との間に
導電性液を介して電流を流し、かつその間に磁界装置に
より前記電流に交差する方向に磁界を形成し、これによ
り砥石を電解によりドレッシングしながらワークを研削
するので、砥石、電極間の導電性液及び砥石表面に電流
と磁界を交差して形成することができ、いわゆるフレミ
ングの左手の法則により導電性液に含まれる陽イオンと
陰イオンを砥石表面に沿って逆方向に移動させることが
でき、同時に砥石から発生するFeイオン等も砥石表面
に沿って移動させることができる。従って、導電性液中
のイオンの分布が磁界により変化し、これにより電解電
流を変化させることができる。また、Feイオン等を砥
石表面に沿って積極的に移動させるので、砥粒の突出し
量を促進することができ、かつ電極表面への金属の付着
を低減することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1は、本発明による研削装置10の第
1実施例を示す斜視図である。この図において、本発明
の研削装置10は、ワーク1との接触面を有する導電性
かつ磁性体の砥石12と、砥石12と間隔を隔てて対向
する導電性かつ磁性体の電極14と、砥石12と電極1
4との間に導電性液を流すノズル16と、その間に導電
性液を介して電流Iを流す電圧印加装置18と、その間
に電流Iに交差する方向に磁界Bを形成する磁界装置2
0と、を備えている。
【0015】図1において砥石12は、円筒形砥石であ
り、その外周面でワーク1を平面研削するようになって
いる。この砥石12は、導電性砥石であり、砥粒(ダイ
ヤモンド又はCBN)と、これを固定するボンド材から
なり、ボンド材はFe,Co,Ni等の強磁性体金属を
含んでいる。また、電極14も導電性であり、Fe,C
o,Ni等の強磁性体金属からなる。すなわち、電極1
4を従来のように銅、銅合金、カーボン等の非磁性体か
らFe,Co,Ni等の強磁性体に変更することによ
り、砥石12及び電極14を通る磁界のループを形成
し、磁界Bをより強力にするようになっている。
【0016】導電性液は、従来の ELID 研削と同一のも
のを使用する。この導電性液には、陽イオン(Na+
+ ,Ca ++ ,等)及び陰イオン(OH- ,Cl-
SO 4 --,等)が含まれている。導電性液は、ノズル1
6からワーク1と砥石12との接触部、及び砥石12と
電極14との間に供給される。電圧印加装置18は、直
流電源18aと給電体18bとからなり、給電体18b
に正の電圧を印加し、電極14に負の電圧を印加するよ
うになっている。直流電源18aは、例えば60V程度
の電圧を発生し、かつこの電圧をON、OFFのパルス
波で供給できるようになっている。給電体18bは砥石
12の側面に摺動可能に接触してある。かかる構成によ
り、砥石12の外周面と電極14の内面との間に直流電
圧を印加し、その間に存在する導電性液を介して電流I
を流すことができる。
【0017】磁界装置20は、図1においてN極、S極
の一対の磁石20aからなる。この磁石は、この図では
永久磁石であるが電磁石であってもよい。S極の磁石2
0aは砥石12の前側に、N極の磁石20aは砥石12
の後側に配置され、これらにより発生する磁界Bを砥石
12と電極14の間の電流Iに交差する方向に磁界Bを
形成するようになっている。また、磁界装置20の少な
くとも砥石及び電極に対向する部分は、絶縁体からなる
のがよく、好ましくは全体が絶縁体からなるのがよい。
例えば、永久磁石の場合には、全体を導電性のないフェ
ライト磁石を用い、電磁石の場合にもそのコア等に導電
性のない材料を用いるのがよい。かかる構成により、磁
界装置20による電極への影響(例えばみかけ上の面積
の増加)を回避することができ、かつ電流Iの影響で磁
界装置20が消耗したり金属イオン等が付着するのを防
止することができる。
【0018】上述した装置は、以下のように使用する。
すなわち、ノズル16から砥石12及び電極14との間
に導電性液を流し、電圧印加装置18により砥石12と
電極14との間に導電性液を介して電流Iを流し、かつ
その間に磁界装置20により電流Iに交差する方向に磁
界Bを形成し、これにより砥石を電解によりドレッシン
グしながらワークを研削する。砥石12と電極14の間
には、砥石12から電極14に流れる電流Iと、磁界装
置20によるN極からS極に向かう磁界Bとが交差して
形成され、導電性液に含まれる陽イオンと陰イオンを砥
石表面に沿って逆方向に移動させることができ、同時に
砥石12から発生するFeイオン等も砥石表面に沿って
移動させることができる。また、特に、研削中に、磁界
Bの向き又は強さを変化させることにより、高効率加工
を必要とするような場合には、砥粒の突出し量を大きく
し、高品質の仕上げ面を必要とするような場合には、砥
粒の突出し量を小さくすることができる。
【0019】図2(A)は、図1の部分正面図であり、
図2(B)はそのX−X線における部分断面図である。
図2(B)に示すように、砥石12と電極14の間に
は、砥石12から電極14に流れる電流Iと、磁界装置
20によるN極からS極に向かう磁界Bとがほぼ直交し
て形成されている。なお、電流Iと磁界Bとは、必ずし
も直交する必要はなく、少なくとも交差していればよ
い。また、図1、図2では、砥石12の前側にS極を配
置し、砥石12の後側にN極を配置したが、本発明はか
かる構成に限定されず、逆にN極を前にS極を後に配置
してもよく、或いは電極14を図1で上下に挟む方向に
N極、S極を配置してもよく、更に電極14内に部分的
にN極、S極を埋め込んだ配置であってもよい。
【0020】図3は、砥石12と電極14の間に作用す
る電流I、磁界B、及び力fの関係図であり、(A)は
図1及び図2に示したように前側にS極、後側にN極を
配置した場合であり、(B)は逆にN極を前にS極を後
に配置した場合である。電流Iと磁界Bの交差角度をθ
とする場合に、フレミングの左手の法則により、f=I
Bsinθの力fが電流Iと磁界Bの両方に直交する方
向に作用する。従って、導電性液に含まれる陽イオンと
陰イオンを砥石表面に沿って逆方向に移動させることが
でき、同時に砥石12から発生するFeイオン等も砥石
表面に沿って移動させることができる。これにより、導
電性液中のイオンの分布が磁界により変化し、これによ
り電解電流を変化させることができ、また、Feイオン
等を砥石表面に沿って積極的に移動させるので、砥粒の
突出し量を促進することができかつ電極表面への金属の
付着を低減することができる。
【0021】図4(A)は本発明による研削装置10の
第2実施例であり、図4(B)はそのY−Y線における
部分断面図である。この図において砥石12は、カップ
形砥石であり、その下面でワーク1を平面研削するよう
になっている。また、磁界装置20は、砥石12の下面
に対向して配置されたS極、N極の一対の磁石20aか
らなる。磁石12の対向方向は、図に示すように円周方
向でもよく、或いは半径方向でもよい。その他の構成は
図1乃至図3の第1実施例と同様である。かかる構成に
より、図4(B)に示すように、砥石12と電極14の
間には、砥石12から電極14に流れる電流Iと、磁界
装置20によるN極からS極に向かう磁界Bとを交差し
て形成し、第1実施例と同様に導電性液に含まれる陽イ
オンと陰イオンを砥石表面に沿って逆方向に移動させる
ことができ、同時に砥石12から発生するFeイオン等
も砥石表面に沿って移動させることができる。
【0022】以下、図1に示した装置を使用した試験と
その結果を説明する。表1は、本試験に使用した磁石、
電極、磁石、その他の条件を示している。この表に示す
ように、磁石12には、導電性かつ磁性体の砥石とし
て、#325の砥粒を含むコバルト系メタルボンド砥石
(直径150mm、厚さ10mm)を使用した。この砥
石は従来の ELID 研削と同等のものである。また、電極
14には、従来の銅製(又は銅合金、カーボン)ではな
く、導電性かつ磁性体の電極として鉄製のものを使用し
た。これにより砥石12と電極14との間に強い磁界B
を形成することができた。更に、磁石20aには、導電
性のないフェライト磁石、すなわち、異方性Srフェラ
イト磁石(3600〜4000Gauss)を使用し
た。その他の電圧、電流、パルス時間は、従来の ELID
研削とほぼ同一である。
【0023】
【表1】
【0024】図5は、本発明による試験結果であり、
(A)は電解実電流値、(B)は電解不導体被膜厚の比
較図である。図5(A)に示すように、前S極/後N極
(図1と同一)には、磁界なし(破線)の場合に比較し
て30分後の安定領域において約2倍の電流が流れ、同
様に、前N極/後S極(図1と逆)の場合には、磁界な
し(破線)と前S極/後N極の中間の電流となる。従っ
て、磁界の向き又は強さを変化させることにより、電解
電流を制御することができ、これにより砥粒の突出し量
を制御することができる。また、特に研削中に、磁界の
向き又は強さを変化させることにより、高効率加工を必
要とするような場合には、砥粒の突出し量を大きくし、
高品質の仕上げ面を必要とするような場合には、砥粒の
突出し量を小さくすることができる。
【0025】図5(B)は、電解不導体被膜厚の比較図
であり、この結果からも、磁界の向き又は強さにより、
図6に示した ELID 研削を制御できることがわかる。な
お、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できるこ
とは勿論である。
【0026】
【発明の効果】上述したように、本発明の方法及び装置
によれば、導電性かつ磁性体の砥石12及び電極14と
の間に導電性液を流し、電圧印加装置18により砥石1
2と電極14との間に導電性液を介して電流Iを流し、
かつその間に磁界装置20により電流Iに交差する方向
に磁界Bを形成し、これにより砥石を電解によりドレッ
シングしながらワークを研削するので、砥石、電極間の
導電性液及び砥石表面に電流Iと磁界Bを交差して形成
することができ、いわゆるフレミングの左手の法則によ
り導電性液に含まれる陽イオンと陰イオンを砥石表面に
沿って逆方向に移動させることができ、同時に砥石から
発生するFeイオン等も砥石表面に沿って移動させるこ
とができる。従って、導電性液中のイオンの分布が磁界
により変化し、これにより電解電流を変化させることが
できる。また、Feイオン等を砥石表面に沿って積極的
に移動させるので、砥粒の突出し量を促進することがで
きかつ電極表面への金属の付着を低減することができ
る。
【0027】従って、本発明の磁界を用いた研削方法及
び装置は、電解電流を制御することができ、これにより
砥粒の突出し量を制御することができ、かつ電極表面へ
の金属の付着量を低減することができ、これにより長時
間の連続運転を可能にすることができる、等の優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による研削装置の第1実施例を示す斜視
図である。
【図2】図1の部分正面図(A)とそのX−X線におけ
る部分断面図(B)である。
【図3】砥石と電極の間に作用する電流I、磁界B、及
び力fの関係図である。
【図4】本発明による研削装置の第2実施例である。
【図5】本発明による試験結果である。
【図6】ELID 研削法における ELID サイクルを示す説
明図である。
【符号の説明】
1 ワーク 10 研削装置 12 砥石 14 電極 16 ノズル 18 電圧印加装置 18a 直流電源 18b 給電体 20 磁界装置 20a 磁石 I 電流 B 磁界 f 力

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性かつ磁性体の砥石及び電極との間
    に導電性液を流し、前記砥石と電極との間に導電性液を
    介して電流を流し、かつその間に前記電流に交差する方
    向に磁界を形成し、これにより砥石を電解によりドレッ
    シングしながらワークを研削する、ことを特徴とする磁
    界を用いた研削方法。
  2. 【請求項2】 研削中に、前記磁界を変化させる、こと
    を特徴とする請求項1に記載の磁界を用いた研削方法。
  3. 【請求項3】 ワークとの接触面を有する導電性かつ磁
    性体の砥石と、該砥石と間隔を隔てて対向する導電性か
    つ磁性体の電極と、前記砥石と電極との間に導電性液を
    流すノズルと、その間に導電性液を介して電流を流す電
    圧印加装置と、その間に前記電流に交差する方向に磁界
    を形成する磁界装置と、を備え、これにより、砥石を電
    解によりドレッシングしながらワークを研削する、こと
    を特徴とする磁界を用いた研削装置。
  4. 【請求項4】 前記磁界と電流の方向は、ほぼ直交す
    る、ことを特徴とする請求項3に記載の磁界を用いた研
    削装置。
  5. 【請求項5】 前記砥石及び電極は、強磁性体からな
    る、ことを特徴とする請求項3に記載の磁界を用いた研
    削装置。
  6. 【請求項6】 前記磁界装置の少なくとも砥石及び電極
    に対向する部分は、絶縁体からなる、ことを特徴とする
    請求項3に記載の磁界を用いた研削装置。
  7. 【請求項7】 前記磁界装置は、永久磁石である、こと
    を特徴とする請求項3に記載の磁界を用いた研削装置。
  8. 【請求項8】 前記磁界装置は、電磁石である、ことを
    特徴とする請求項3に記載の磁界を用いた研削装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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SG84571A1 (en) * 1999-03-03 2001-11-20 Riken Plasma discharge truing apparatus and fine-machining methods using the apparatus
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