JPH08174415A - 自動疵取り装置 - Google Patents

自動疵取り装置

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JPH08174415A
JPH08174415A JP31839594A JP31839594A JPH08174415A JP H08174415 A JPH08174415 A JP H08174415A JP 31839594 A JP31839594 A JP 31839594A JP 31839594 A JP31839594 A JP 31839594A JP H08174415 A JPH08174415 A JP H08174415A
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Noriyuki Tomikawa
則之 富川
Yoshihiro Matsuno
芳▲広▼ 松野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークに曲がり・ねじれがあっても正確に疵
取り工具を位置決めして確実にワーク表面の疵を除去す
ることができる自動疵取り装置を提供する。 【構成】 疵取り研削装置2に対して、探傷装置94か
らビレットBL上に座標基準をとった疵情報と材料情報
が送信される。レーザ光源30,CCDカメラ48,画
像処理装置28からなるビレット形状検出装置90から
の情報も制御回路部92に取り込まれ、入力されたデー
タを用いて、予め記憶された補正量算出式に基づいて水
平位置補正量の演算処理が行われる。求められた水平位
置補正量のデータは、制御信号として幅方向駆動位置決
め装置62に送信され、サーボモータ72でボールねじ
64が回転して幅方向移動キャリッジ60が左右にスラ
イドし、演算された水平位置に位置決めされる。そし
て、研削砥石34が下降して、ビレットBLに当たった
ところで所定の押し付け荷重で研削が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワーク表面の疵を自動
的に研削砥石,切削工具等の疵取り工具で加工して除去
するための自動疵取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生産加工工程においては、ワークの表面
に存在する種々の疵(割れ,孔等を含む)の除去が必要
になる。例えば、連続鋳造法で製造された普通鋼,特殊
鋼,ステンレス鋼等の鋼塊の表面には、種々の疵が存在
している場合がある。このような疵を鋼塊の表面に残し
たまま圧延加工等の後加工を施すと、疵が拡大されて、
得られる製品の歩留りや品質を低下させることになる。
かかる不具合を防ぐために、圧延加工等に先立って鋼塊
の表面の疵を除去することが必要になる。このようなワ
ーク表面の疵を除去するための方法として、従来は、オ
ペレータが研削装置を手動運転して疵のある箇所に研削
砥石を移動させ、疵の範囲や深さに応じてワーク表面を
研削して、疵の除去を行っていた。しかし、かかる従来
の方法では、常時オペレータが研削砥石の位置や姿勢を
変える操作を行って研削しなければならず、多大の人的
労力と時間を必要とし、さらにオペレータは研削中に激
しい粉塵に晒されて悪い作業環境に置かれるという問題
があった。特に、深い疵を研削して除去する場合には、
長時間の作業が必要となり、オペレータの負担が大きか
った。
【0003】そこで、ワーク表面の疵を除去するための
工程を自動化することによって、オペレータの作業を不
要として上記の諸問題を解決するための装置が開発され
ている。本出願人等は、このような自動疵取り装置につ
いて、先に出願(出願番号特願平6−101136号)
をしている。この出願に係る自動疵取り研削装置におい
ては、以下のようにして、ワーク表面の疵が自動的に研
削除去される。まず、疵情報入力手段によって、ワーク
表面に存在する疵の位置,深さ等についての情報が入力
される。この入力された情報に基づいて、疵取り条件決
定手段において、疵を除去するための疵取りの条件(研
削砥石の移動量,研削荷重,研削方向,研削回数等)が
決定される。そして、疵取り条件決定手段で決定された
条件に基づいて、疵取り制御手段によって研削砥石を作
動させるための制御信号が出力され、出力された制御信
号に基づいて、砥石移動機構によって研削砥石を回転さ
せながら移動させてワーク表面が研削され、ワーク表面
の疵が除去される。このようにして、特願平6−101
136号に係る自動疵取り研削装置においては、ワーク
表面の疵を除去するための疵取り工程が、自動的に実行
される。
【0004】この自動疵取り装置における疵情報の入力
の方法について、図10を参照して説明する。図10に
おいては、ワークとして角棒状の鋼材(以下、「ビレッ
ト」ともいう。)を対象とした場合が示されている。図
10(A)に示されるように、ワークであるビレットB
Lの表面に存在する疵FL(ここでは、見やすくするた
めに疵FLの深さを誇張して図示している。以下、他の
図においても同じ。)の位置情報は、ビレットBLの角
R部を基準として指定される。図10(B)に示される
ように、この角R部を座標原点とする座標系における疵
FLの位置が、疵マップ100として与えられる。すな
わち、図10(C)に示されるように、それぞれの疵F
Lごとに、座標原点からの幅方向の距離Wと、疵FLの
始点までの長さ方向の距離Ls,終点までの距離Le
が、疵マップ100の形式で疵情報入力手段によって自
動疵取り研削装置に入力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、連続鋳
造法等で製造されたビレットBLには、図11(A)に
示されるように、曲がりやねじれが存在する場合が多
い。かかるビレットBLの表面の疵FLについて、図1
0のような疵マップ100に基づいて自動疵取りを行う
場合には、以下のような問題が生ずる。自動疵取り工程
においては、図10(A)に示されるように、研削砥石
134は基準となる角R部から疵マップ100に示され
る幅Wだけ水平方向に移動して位置決めされ、そこから
垂直に下降してビレットBLに当接したところで疵取り
研削が行われる。ここで、疵マップ100は、ビレット
BLの角R部を座標原点とする座標系上の座標として与
えられている。従って、図11(B)に示されるよう
に、実線で示される曲がり・ねじれのないビレットBL
の場合には正確に疵FL上に研削砥石134が位置決め
されるが、想像線で示される曲がり・ねじれがあるビレ
ットBLの場合には、距離W10だけ水平位置がずれ
る。さらに、この距離W10だけ研削砥石134を水平
方向に位置修正したとしても、図11(C)に示される
ように、ビレットBLのねじれのために、研削砥石13
4は疵FLからずれた点P10に当接してしまう。
【0006】このように、従来の自動疵取り装置では、
曲がりやねじれを有するワークの疵を確実に除去できな
いという問題点があった。これに対して、疵マップ10
0に示される疵位置の周辺を幅広く何回も研削したり、
ワーク表面を全面にわたって研削するという方法で対応
することも考えられるが、かかる疵取り方法は著しく不
経済であり、非効率的である。そこで、本出願の請求項
1,請求項3,請求項5及び請求項6に係る発明におい
ては、曲がりを有するワークについてもワーク表面の疵
を確実に除去することができる自動疵取り装置を提供す
ることを目的とする。また、請求項2及び請求項4に係
る発明においては、ねじれを有するワークについてもワ
ーク表面の疵を確実に除去することができる自動疵取り
装置を提供することを目的とする。
【0007】さらに、請求項3,請求項5及び請求項6
に係る発明においては、曲がりを有するワークについて
の曲がり量の測定を容易に行うことができる自動疵取り
装置を提供することを目的とする。また、請求項4に係
る発明においては、ねじれを有するワークについてのね
じれ角の測定を容易に行うことができる自動疵取り装置
を提供することを目的とする。さらに、請求項5及び請
求項6に係る発明においては、曲がり量の測定の基準と
なる点の検出を容易に行うことができる自動疵取り装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1に係る発
明においては、上記課題を解決するために、ワーク表面
の疵を疵取り工具で疵取り加工して除去する自動疵取り
装置であって、前記ワーク表面に存在する疵の位置につ
いての情報を前記ワーク表面に沿った座標系を基準とし
た座標データとして入力する疵位置データ入力手段と、
前記ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、該
測定されたワーク位置と前記入力された疵位置データと
から前記疵取り工具で疵取り加工を行うべき位置を算出
する疵取り加工位置算出手段とを有することを特徴とす
る自動疵取り装置を創出した。ここで、「疵」には、
「割れ」や「孔」等も含まれる。また、「疵取り工具」
には、研削砥石等の研削工具,フライス等の切削工具等
が含まれる。
【0009】また、請求項2に係る発明においては、上
記課題を解決するために、ワーク表面の疵を疵取り工具
で疵取り加工して除去する自動疵取り装置であって、前
記ワーク表面に存在する疵の位置についての情報を前記
ワーク表面に沿った座標系を基準とした座標データとし
て入力する疵位置データ入力手段と、前記ワークのねじ
れ角を測定するワークねじれ角測定手段と、該測定され
たワークねじれ角と前記入力された疵位置データとから
前記疵取り工具で疵取り加工を行うべき位置を算出する
疵取り加工位置算出手段とを有することを特徴とする自
動疵取り装置を創出した。
【0010】また、請求項3に係る発明においては、上
記課題を解決するために、請求項1に記載された自動疵
取り装置であって、前記ワーク位置測定手段は、前記ワ
ーク表面に細線を投影する細線投影手段と、該投影され
た細線を撮像する撮像手段とを有し、該撮像された細線
の端部の位置を検出することによって前記ワーク位置を
測定することを特徴とする自動疵取り装置を創出した。
ここで、「細線投影手段」には、レーザ光やLED光等
をスリットを通して平面状のスリット光としたものや、
レーザ光やLED光等をポリゴンミラー等の光走査機構
で一定の直線上を走査させるもの等、あるいは逆に直線
状の影を投影する手段等が含まれる。また、「撮像手
段」には、CCDカメラ,8ミリ撮影機等が含まれる。
【0011】また、請求項4に係る発明においては、上
記課題を解決するために、請求項2に記載された自動疵
取り装置であって、前記ワークねじれ角測定手段は、前
記ワーク表面に細線を投影する細線投影手段と、該投影
された細線を撮像する撮像手段とを有し、該撮像された
細線の傾きを算出することによって前記ワークねじれ角
を測定することを特徴とする自動疵取り装置を創出し
た。
【0012】また、請求項5に係る発明においては、上
記課題を解決するために、請求項3に記載された自動疵
取り装置であって、前記撮像手段はその撮像中心線が前
記ワーク表面に投影される細線を含む垂直面に対して所
定の角度を有するように取り付けられており、前記ワー
クの上面に投影された細線の直線部の終点を探索するこ
とによって前記ワークの端部を検出することを特徴とす
る自動疵取り装置を創出した。
【0013】また、請求項6に係る発明においては、上
記課題を解決するために、請求項5に記載された自動疵
取り装置であって、前記撮像手段は、前記所定の角度に
加えて、その撮像中心線が前記ワーク表面に投影される
細線に垂直な面に対して一定の角度を有するように取り
付けられており、前記撮像された細線の上下方向の極大
点を探索することによって前記ワークの端部を検出する
ことを特徴とする自動疵取り装置を創出した。
【0014】
【作用】さて、請求項1の発明に係る自動疵取り装置
は、ワーク表面の疵を疵取り工具で疵取り加工して除去
する自動疵取り装置である。この自動疵取り装置におい
ては、疵位置データ入力手段によって、ワーク表面に存
在する疵の位置についての情報が、ワーク表面に沿った
座標系を基準とした座標データとして入力される。ま
た、ワーク位置測定手段によってワークの位置が測定さ
れるが、このときワークに曲がりがある場合には、その
曲がりをも含んだワークの絶対座標系における位置が測
定される。そして、測定されたワーク位置と入力された
疵位置データとから、疵取り加工位置算出手段によっ
て、疵取り工具で疵取り加工を行うべき位置が算出され
る。これによって、ワークに曲がりがある場合には曲が
りをも含んだ加工位置が算出されて、その位置に疵取り
工具が位置決めされて疵取り加工が行われる。従って、
ワークに曲がりがある場合においても疵取り工具を正確
にワーク表面の疵の存在する位置に当接させることがで
き、常に確実に疵取り加工を行うことができる。このよ
うにして、曲がりを有するワークについても確実にワー
ク表面の疵を除去することができる自動疵取り装置とな
る。
【0015】また、請求項2に記載された自動疵取り装
置においては、疵位置データ入力手段によって、ワーク
表面に存在する疵の位置についての情報がワーク表面に
沿った座標系を基準とした座標データとして入力され
る。また、ワークねじれ角測定手段によってワークのね
じれ角が測定される。そして、測定されたワークねじれ
角と入力された疵位置データとから、疵取り加工位置算
出手段によって、疵取り工具で疵取り加工を行うべき位
置が算出される。これによって、ワークにねじれがある
場合にはそのねじれ角をも考慮した加工位置が算出され
て、その位置に疵取り工具が位置決めされて疵取り加工
が行われる。従って、ワークにねじれがある場合におい
ても疵取り工具を正確にワーク表面の疵の存在する位置
に当接させて疵取り加工を行うことができ、常に確実に
疵取り加工を行うことができる。このようにして、ねじ
れを有するワークについても確実にワーク表面の疵を除
去することができる自動疵取り装置となる。
【0016】また、請求項3に記載された自動疵取り装
置においては、請求項1の自動疵取り装置におけるワー
ク位置測定手段として、ワーク表面に細線を投影する細
線投影手段と、投影された細線を撮像する撮像手段とを
有している。そして、撮像された細線の端部の位置を検
出することによって、ワーク位置が測定される。こうし
て撮像された細線の端部の位置を、曲がりのない基準の
ワークの場合の端部の位置と比較することによってワー
クの曲がり量が算出され、この曲がり量に応じて正確な
加工位置が算出される。そして、その位置に疵取り工具
が位置決めされて疵取り加工が行われる。このようにし
て、曲がりを有するワークについての曲がり量の測定を
容易に行うことができる自動疵取り装置となる。
【0017】さらに、請求項4に記載された自動疵取り
装置においては、請求項2の自動疵取り装置におけるワ
ークねじれ角測定手段として、ワーク表面に細線を投影
する細線投影手段と、投影された細線を撮像する撮像手
段とを有している。そして、撮像された細線の傾きを算
出することによって、ワークねじれ角が測定される。こ
うして測定されたワークねじれ角に応じて正確な加工位
置が算出され、その位置に疵取り工具が位置決めされて
疵取り加工が行われる。このようにして、ねじれを有す
るワークについてのねじれ角の測定を容易に行うことが
できる自動疵取り装置となる。
【0018】さらに、請求項5に記載された自動疵取り
装置においては、請求項3の自動疵取り装置において、
撮像手段の撮像中心線が、ワーク表面に投影される細線
を含む垂直面に対して所定の角度(以下、「迎角」とい
う。)を有するように取り付けられている。ワーク表面
に投影された細線は、迎角のない場合すなわち真上から
撮像した場合には直線として見えるが、迎角があるため
にワーク表面の角部で細線が曲がって見えることにな
る。従って、ワークの上面に投影された細線の直線部の
終点を探索することによって、ワークの角部(端部)を
検出することができる。このようにして、曲がり量の測
定の基準となる点の検出を容易に行うことができる自動
疵取り装置となる。
【0019】さらに、請求項6に記載された自動疵取り
装置においては、請求項5の自動疵取り装置において、
撮像手段の撮像中心線が、前記の迎角に加えて、ワーク
表面に投影される細線に垂直な面に対して一定の角度
(以下、「変角」という。)を有するように取り付けら
れている。この変角があることによってワークは常に傾
いて撮像され、ワーク表面に投影された細線は「へ」の
字型に見えることになる。従って、ワークの角部(端
部)は常に撮像された細線の上下方向の極大点に位置す
ることになるので、この極大点を探索することによっ
て、ワークの角部(端部)を検出することができる。こ
のようにして、曲がり量の測定の基準となる点の検出を
さらに容易に行うことができる自動疵取り装置となる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を具現化した一実施例につい
て、図1〜図9を参照しつつ説明する。まず、本発明に
係る自動疵取り装置の一実施例の機械的な構造につい
て、図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、自動疵
取り装置の一実施例としての疵取り研削装置2の全体構
成を示す正面図である。また、図2は疵取り研削装置2
の主要部の構造を示す正面図であり、図3はその側面図
である。図1に示されるように、この疵取り研削装置2
は、床面4に固定された一対の支持台6A,6Bの間に
水平に渡された一対の走行ビーム8A,8Bを有してい
る。この走行ビーム8A,8B上に、水平方向に移動可
能に研削機10が設けられている。また、走行ビーム8
A,8Bの下には研削台12が床面4に固定されてお
り、この研削台12上に、疵取りされるワークとなる特
殊鋼ビレット(以下、単に「ビレット」ともいう。)B
Lが四対の固定治具12a,12b,12c,12dで
固定される。ビレットBLは、連続的に鋳造された鋼塊
が一定の長さで剪断又はガス切断されてなる角棒状の鋼
材である。研削機10は、画像処理装置28と研削砥石
34を備えており、研削台12上に固定されたビレット
BLの形状等を画像処理装置28で測定して、研削砥石
34をビレットBLの表面疵の位置に正確に位置決めし
て、研削による表面疵の除去を行う。
【0021】次に、研削機10の詳細な構造について、
図2及び図3を参照して説明する。図2(A)に示され
るように、研削機10は研削機本体14とその走行機
構、画像処理装置28及びその関連装置、研削砥石34
及びその移動機構・駆動機構を中心として構成されてい
る。研削機本体14は、前後の走行車輪52A,53A
によって、走行ビーム8A上に固定された走行レール4
2A上を走行する。また、図3に示されるように、走行
ビーム8B上にも走行レール42Bが固定されており、
この走行レール42B上を走行する前部の走行車輪52
Bと図示しない後部の走行車輪が研削機本体14に設け
られている。これらの走行車輪52A,53A等は、図
2(A)に示される走行駆動機構26によって回転駆動
される。さらに、図2(A)及び図3に示されるよう
に、走行レール42A,42Bを挟むようにして、研削
機本体14の前後,左右に一対ずつのガイドローラ24
A,24B,44A等が設けられている。また、図2
(A)に示されるように、研削機本体14の前後端に
は、ショックダンパ22,46がそれぞれ設けられてい
る。
【0022】研削機本体14の下部には、画像処理装置
28と光源部30が取り付けられている。これらの構造
の詳細について、図2(B)を参照して説明する。図2
(B)に示されるように、画像処理装置28はCCDカ
メラ48を内蔵しており、光源部30は半導体レーザ
(Laser Diode,以下「LD」とも略する。)50を内蔵
している。LD50から出射されたレーザ光は、図示し
ないシリンドリカルレンズとスリットを通過することに
よって、図2(B)の紙面に垂直な方向に拡げられると
ともに、図2(B)の左右方向の幅が極めて狭い平面状
のスリット光となる。このスリット光がビレットBLの
上面に照射されることによって、ビレットBL上に細い
光のラインが描かれ、この光のラインがCCDカメラ4
8によって撮像される。CCDカメラ48は、撮像レン
ズの中心軸が、光源部30から照射されるスリット光の
面に対して35°の角度をなすように取り付けられてい
る。
【0023】研削機本体14には、砥石保持機構38に
よって研削砥石34が取り付けられている。砥石保持機
構38は砥石回転用モータ40とギアボックス36を備
えており、砥石回転用モータ40の回転力がギアボック
ス36によって伝達されて研削砥石34が回転する。ま
た、砥石保持機構38は図示しない砥石変角機構を備え
ており、図2(A)に実線及び隠れ線で示されるような
研削砥石34の面が紙面に垂直な状態から、想像線で示
されるような研削砥石34の面が紙面に平行な状態まで
角度を変えられるようになっている。図2(B)にも、
研削砥石34の面が紙面に垂直な状態と、紙面に平行な
状態とが描かれている。砥石保持機構38は研削機本体
14に対して昇降可能に取り付けられており、研削機本
体14の上部に設けられた昇降駆動装置20及び圧着用
油圧シリンダ18によって昇降する。圧着用油圧シリン
ダ18は、研削砥石34をワーク(本実施例ではビレッ
トBL)に押し付ける圧力を調節するためのものであ
る。研削砥石34の押し付け圧力は、ロードセル荷重検
出器16によって測定される。さらに、研削機本体14
の下端には砥石径検出装置32が設けられており、研削
加工における研削砥石34の磨耗に伴う砥石径の変化を
検出する。この砥石径検出装置32は研削砥石34を挟
んで設けられた一対の投光器と受光器を有しており、投
光器から照射される光が遮られる高さに基づいて砥石径
を測定する。
【0024】次に、ビレットBLの幅方向に対する研削
砥石34の位置を調整する機構について、図3を参照し
て説明する。図3に示されるように、研削機本体14に
は左右の走行支持部54A,54Bが固定されている。
走行支持部54Aには前記の走行車輪52Aとガイドロ
ーラ24Aが回転可能に取り付けられており、走行支持
部54Bには走行車輪52Bとガイドローラ24Bが回
転可能に取り付けられている。走行支持部54A,54
B上には上部ガイド取付部材56A,56Bがそれぞれ
固定されており、これらの上部ガイド取付部材56Aと
56Bの間には上部幅方向ガイド58が固定されてい
る。また、研削機本体14の下部には下部ガイド取付部
材66A,66Bがそれぞれ固定されており、これらの
下部ガイド取付部材66Aと66Bの間には下部幅方向
ガイド68が固定されている。そして、上部幅方向ガイ
ド58及び下部幅方向ガイド68には、幅方向移動キャ
リッジ60が図の左右方向にスライド可能に取り付けら
れている。上述した昇降駆動装置20,圧着用油圧シリ
ンダ18,ロードセル荷重検出器16,砥石保持機構3
8は、全てこの幅方向移動キャリッジ60に取り付けら
れている。
【0025】一方、研削機本体14には幅方向位置決め
駆動装置62が取り付けられており、この幅方向位置決
め駆動装置62のボールねじ64が、幅方向移動キャリ
ッジ60に固定されたボールねじナット70に噛み合っ
ている。従って、幅方向位置決め駆動装置62が作動し
てボールねじ64が回転することによって、幅方向移動
キャリッジ60が研削機本体14に対して図3の左右方
向にスライドする。以上説明した構造によって、研削台
12に固定治具12d等で固定されたビレットBLに対
して、研削砥石34が三次元の各方向に移動する。すな
わち、研削機10が走行レール42A,42B上を走行
することによって、ビレットBLの長手方向(図3の紙
面に垂直な方向)に研削砥石34が水平移動する。ま
た、幅方向移動キャリッジ60が上下の幅方向ガイド5
8,68上をスライドすることによって、ビレットBL
の幅方向(図3の左右方向)に研削砥石34が水平移動
する。さらに、砥石保持機構38が幅方向移動キャリッ
ジ60に対して昇降することによって、ビレットBLに
対して研削砥石34が昇降する。
【0026】次に、ビレットBLの全周にわたって表面
疵を除去する手順について、図4を参照して説明する。
まず、図4(A)に示されるように、ビレットBLが研
削台12上に水平に固定され、ビレットBLの上面の疵
FL(図においては疵の深さが誇張して描かれてい
る。)が除去される。すなわち、後述する手順によって
疵FLの上に研削砥石34が正しく位置決めされ、研削
砥石34が回転することによって、表面疵FLが研削除
去される。次に、図4(B)に示されるように、研削台
12上のビレットBLが、四面がそれぞれ研削台12の
面に対して約45°の角度をなすように回動されて固定
される。そして、ビレットBLの上角部の疵FLが研削
砥石34によって研削除去される。続いて、研削台12
上のビレットBLがさらに約45°回転されて固定さ
れ、上面になった面の表面疵FLが研削除去される。以
下同様にして、ビレットBLを45°ずつ回転させなが
ら平面とコーナー部の疵の除去が交互に行われる。こう
して、ビレットBLの四面と四つのコーナー部の表面疵
が除去されて、一本のビレットBLの疵取り研削処理が
終了する。
【0027】次に、ビレットBLの形状(曲がり・ねじ
れ)を測定することによって、表面疵FLの位置に正確
に研削砥石34を移動させる手順について、図5〜図9
を参照して説明する。まず、ビレットBLの形状を測定
する方法について、図5〜図7を参照して説明する。図
5〜図7は、CCDカメラ48によるビレットBLの撮
像方法及び撮像された画面を示す図である。図5(A)
に示されるように、LD50から出射された平面状のス
リット光50aがビレットBLに当てられて、ビレット
BLの上面に細い光のライン(以下、「輪郭線」とい
う。)82が描かれる。この輪郭線82がCCDカメラ
48によって撮像される。先に説明したように、CCD
カメラ48の撮像レンズの中心軸とスリット光50aの
面との成す角度(以下、「カメラ迎角」という。)は3
5°である。そして、CCDカメラ48は、この迎角3
5°の面内でさらに垂直方向から約22°傾いて取り付
けられている。この角度を、以下、「カメラ変角」とい
う。この約22°のカメラ変角があるために、図5
(B)に示されるように、撮像画面80内に表れる輪郭
線82は傾いて見えることになる。図6は、コーナー部
を研削するために図4(B)に示されるように約45°
傾けて固定されたビレットBLを撮像した場合を示して
いる。カメラ変角を約22°としたのは、図5に示され
る平面研削の場合と図6に示されるコーナー部研削の場
合とで、撮像画面80内のX軸80x,Y軸80yと輪
郭線82との成す角度が余り変わらないようにするため
である。
【0028】さて、こうして撮像された輪郭線82から
ビレットBLの曲がり量及びねじれ角を測定する方法に
ついて、図7を参照して説明する。以下の手順は、画像
処理装置28内において実行される。ここでは、平面研
削の場合(図4(A),図5に示される場合)について
説明する。まず、図7(A)に示されるように、撮像画
面80内において、X軸80xを輪郭線82のコーナー
部に接する位置まで上下に移動させる。このときのX軸
80xの撮像画面80内での上下方向の座標を、Ymi
nとする。続いて、この接点82aを通る位置までY軸
80yを左右に移動させて、このときのY軸80yの水
平方向の座標をXminとする。この接点82aを、測
定原点(DX,DY)とする。すなわち、DX=Xmi
n,DY=Yminである。本実施例においては、約2
2°のカメラ変角を持たせているために、以上の操作に
よってビレットBLのコーナー部の一点が必ず測定原点
となる。この測定原点82aの座標(DX,DY)を、
予め測定された曲がり・ねじれのない基準ビレットにつ
いての測定原点の座標と比較することによって、その撮
像位置におけるビレットBLの曲がり量を求めることが
できる。なお、ビレットBLにねじれがあると、X軸8
0xが輪郭線82に接する位置がビレットBLの角R部
の範囲内でずれ、従って測定原点82aの座標もずれる
ことになる。しかし、このずれは、後で図8,図9につ
いて説明する補正式の中でねじれ角に応じて補正係数と
して取り込まれるため、曲がり量に基づく補正は接点8
2aの位置がずれても常に正確に行われる。
【0029】続いて、図7(B)に示されるように、測
定原点82aから右回りにビレットBLの上面の輪郭線
82に沿って、一定間隔で輪郭点の抽出操作を行う。こ
うして抽出された輪郭点のうちの二点(Xm,Ym),
(Xn,Yn)から、次式(1)によって、撮像画面8
0内での輪郭線82の傾斜角θが求められる。 θ=Arctan{(Ym−Yn)/(Xm−Xn)} … (1) この傾斜角θを、予め測定された曲がり・ねじれのない
基準ビレットについての傾斜角と比較することによっ
て、その撮像位置におけるビレットBLのねじれ角を求
めることができる。
【0030】次に、ビレットBLの曲がり・ねじれの測
定結果から研削砥石34の位置を補正するための機構の
全体構成について、図8を参照して説明する。図8は、
研削砥石34の位置を補正する機構の全体構成を示す模
式図である。図8に示されるように、疵取り研削装置2
とは別に設けられた探傷装置94から、表面疵の位置・
深さ等についての疵情報とワークの材料情報が疵取り研
削装置2の制御回路部92に送信される。ここで、探傷
装置94から送信される表面疵の位置の情報は、図10
に示されるような、ワーク(ビレットBL)上に座標基
準をとった疵マップ100である。また、上述したレー
ザ光源30,CCDカメラ48,画像処理装置28から
なるビレット形状検出装置90からの情報も、制御回路
部92に取り込まれる。この制御回路部92は、中央処
理装置(CPU)とRAM,ROMのメモリ装置を中心
とするコンピュータシステムであり、入力されたデータ
に基づいて演算処理を行う。制御回路部92における演
算処理によって求められた位置補正量のデータは、制御
信号として、上述した幅方向駆動位置決め装置62に送
信される。
【0031】幅方向駆動位置決め装置62は、サーボモ
ータの制御・駆動回路96とサーボモータ72からな
り、このサーボモータ72によって前述の如くボールね
じ64が回転して幅方向移動キャリッジ60が左右にス
ライドする。このように、本実施例においては、研削砥
石34の水平方向の位置のみが補正される。ビレットB
Lの曲がり・ねじれによって表面疵の位置が上下方向に
ずれていても、図2(A)の昇降駆動装置20によって
研削砥石34を下降させて、ビレットBLに当たったと
ころで圧着用油圧シリンダ18とロードセル荷重検出器
16で所定の押し付け荷重に調節して研削すれば良いか
らである。従って、位置補正量の算出に当たっては、探
傷装置94から入力された疵位置座標のうち幅方向の座
標X1のみが用いられる。
【0032】次に、ビレット形状検出装置90によるビ
レットBLの形状(曲がり・ねじれ)の測定結果から研
削砥石34の位置補正量を算出する手順について、図8
及び図9を参照して説明する。図9(A)は、CCDカ
メラ48による撮像画面80を示す図である。図9
(A)に想像線84で示されるのは曲がり・ねじれのな
いビレットを撮像した場合に撮像画面80上に表れる輪
郭線であり、実線82で示されるのは曲がり及びねじれ
を有する実際のビレットを撮像した輪郭線である。ただ
し、図9(A)においては、見やすくするために、スリ
ット光50aが当たらないため実際には輪郭線として表
れないビレットの下部までも示している。ここで、輪郭
線84で示される理想的なビレットの上面を示す線と撮
像画面80のX軸80xとの成す角度は18°であり、
図5(A)に示されるカメラ変角約22°と一致してい
ない。これは、図5(A)に示されるようにカメラ迎角
が35°あるために、CCDカメラ48による撮像画面
80においては、ビレットの上面を示す輪郭線82とX
軸80xとの成す角度が実際より小さく見えることによ
る。
【0033】さて、図9(A)に示されるように、曲が
り・ねじれのあるビレットの輪郭線82における測定原
点82aの座標(DX,DY)は、理想的な輪郭線84
における測定原点(基準原点)の座標からずれる。本実
施例においては、基準原点の座標が(370,160)
となるように、CCDカメラ48と研削台12の中心位
置との関係を調整している。この画面80上における基
準原点と測定原点とのX座標及びY座標の差は、それぞ
れ(370−DX),(DY−160)となる。ここ
で、カメラ変角に基づく輪郭線82,84の傾きがある
ために、ビレットBLの水平方向のずれは単純に(37
0−DX)から求めることはできない。すなわち、図9
(A)に示されるように、(370−DX),(DY−
160)から求められる基準ビレット水平方向のベクト
ル成分86x,86yが、実際のビレットBLの水平方
向のずれとして効いてくる。これらのベクトル成分86
x,86yは、理論的には幾何学的に算出することも可
能であるが、本実施例においては実際に種々の曲がり・
ねじれを有するビレットBLの疵取りを行った実験結果
から経験的に補正式を求めている。
【0034】すなわち、図8に示されるように、右方向
への補正値を(+)とし左方向への補正値を(−)とす
ると、測定原点82aのX座標DXに基づく水平方向の
砥石位置補正値Xc(DX)は、次式(2)で求められ
る。 Xc(DX)={(370−DX)×10/18} … (2) 同様に、測定原点82aのY座標DYに基づく水平方向
の砥石位置補正値Xc(DY)は、次式(3)で求めら
れる。 Xc(DY)={(DY−160)×1/8} … (3) これらの式に現れる係数「10/18」,「1/8」
は、いずれも多数のビレットBLの疵取りを行った実験
結果から経験的に求められた補正係数である。
【0035】次に、ビレットBLのねじれによる研削砥
石34の当接位置のずれについて、図9(B)を参照し
て説明する。図9(B)は、ビレットBLのねじれによ
る研削砥石34の当接位置のずれを示す図である。ねじ
れがないビレットBLaの場合には、研削砥石34の中
心線35が表面疵FLaを通る位置に研削砥石34を水
平移動させてそのまま下降させれば、研削砥石34aは
正確に表面疵FLaに当たる。しかし、右回りにねじれ
ているビレットBLbの場合には、中心線35が表面疵
FLbを通る位置から研削砥石34を下降させると、表
面疵FLbから左側にずれた位置Gbに研削砥石34b
が当たる。また、左回りにねじれているビレットBLc
の場合には、中心線35が表面疵FLcを通る位置から
研削砥石34を下降させると、表面疵FLcから右側に
ずれた位置Gcに当たってしまう。従って、ビレットB
Lにねじれがある場合にも、研削砥石34の水平位置を
補正する必要がある。ビレットBLのねじれは、撮像画
面80上の輪郭線82の傾斜角θとして表れるので、こ
のθの値と、ねじれがない場合の輪郭線84の傾斜角1
8°との差に応じて水平位置を補正すれば良い。
【0036】すなわち、傾斜角θが18°より大きい場
合には右回りにねじれているのであるから、研削砥石3
4の水平位置を右方向に補正すれば良い。また、θが1
8°より小さい場合には左回りにねじれているのである
から、研削砥石34の水平位置を左方向に補正すれば良
い。図8に示されるように、右方向への補正値を(+)
とし左方向への補正値を(−)とすると、傾斜角θに基
づく水平方向の砥石位置補正値Xc(θ)は、次式
(4)で求められる。 Xc(θ)={(θ−18)×6}×(砥石径/540) … (4) 式(4)に現れる係数「6」は、多数のビレットBLの
疵取りを行った実験結果から経験的に求められた補正係
数である。この補正係数「6」を掛けることによって、
ビレットBLのねじれによる測定原点82aのずれの影
響も取り込まれている。また、「砥石径」は、砥石径検
出装置32で測定された砥石径をmmで示した値であ
り、「540」は未使用の研削砥石34の径が540m
mであることを意味している。この項「砥石径/54
0」を掛けることによって、研削砥石34の磨耗に伴う
砥石径の変化の影響が打ち消される。
【0037】さらに、図8に示されるように、疵取り研
削装置2の位置決め原点74から疵座標の原点であるビ
レットBLの左コーナー部までの距離は、位置決め原点
74から砥石台12の中心線までの距離(本実施例では
150mm)から、ビレットBLの幅(本実施例では1
53mm)の1/2を差し引いた値となる。ただし、砥
石台12の中心線と、その上に固定されたビレットBL
の幅方向の中心線は一致しているものとする。以上よ
り、位置決め原点74から疵FLの位置までの正しい水
平移動量Xcは、上式(2)〜(4)で求められる各値
を用いて次式(5)で与えられる。 Xc〔mm〕=150−(153/2)+X1 +Xc(DY)+Xc(DY)+Xc(θ) … (5)
【0038】こうして算出された水平移動量Xcだけボ
ールねじ64が回転し、幅方向移動キャリッジ60がス
ライドして、研削砥石34が正しい水平位置に位置決め
される。そして、昇降駆動装置20によって研削砥石3
4が下降して、ビレットBLに当たったところで圧着用
油圧シリンダ18とロードセル荷重検出器16によって
所定の押し付け荷重で研削が行われ、疵FLが自動的に
研削除去される。このようにして、本実施例の自動疵取
り装置2においては、ビレットBLに曲がり・ねじれが
あっても、正確に研削砥石34を位置決めして、確実に
ビレットBL表面の疵FLを除去することができる。な
お、図2(B)に示されるように、研削砥石34の中心
線とLD50から出射されるスリット光とは距離L1だ
け離れている。従って、形状検出装置90で測定される
ビレットBLの形状は、研削砥石34の直下の形状とは
厳密には異なるものとなる。しかし、通常のビレットB
Lの曲がり・ねじれの程度に対して距離L1は充分小さ
いので、測定されたビレットBLの形状は、研削砥石3
4の直下の形状とほぼ一致する。従って、そのまま研削
砥石34を疵FL上に下降させて研削を行っても、実用
上支障はない。なお、より精密に疵取り加工を行う場合
は、まず図2の左方向に研削機10を距離L1スライド
させて疵FLの直上にスリット光を当てて測定を行い、
その後研削機10を右方向に距離L1だけ戻して研削砥
石34を下降させれば良い。
【0039】本実施例においては、本発明の自動疵取り
装置を特殊鋼ビレットの表面疵の研削工程に適用した場
合について説明したが、その他のいかなる形状あるいは
材質のワークの表面疵の除去にも適用することができ
る。例えば、形状としては角棒形状のビレット以外にも
直方体形状のスラブ等、また材質としては炭素鋼等の鋳
造物,アルミニウム合金やマグネシウム合金等の非鉄鋳
物,陶磁器等のセラミックス,木材,プラスティックや
ゴム等のような、表面に存在する疵を研削,切削等の加
工によって除去できる素材についても、同様に適用でき
る。また、研削砥石34についても通常の砥石に限られ
ることなく、研削対象となるワークの材質に応じて、例
えばダイヤモンドやCBN(Cubic Boron Nitride)等
の砥粒や、ビトリファイド砥石, レジノイド砥石, ゴム
砥石, 等で形成された研削工具等の、他の研削材を用い
ることもできる。さらに、本実施例における迎角(35
°),変角(約22°)等の値は一例を示すものであ
り、研削されるワークの大きさ,形状,材質や研削砥石
の厚さ・径等の条件に応じて、種々の適切な値を選定で
きる。自動疵取り装置のその他の部分の構造,形状,大
きさ,配置,数,材質等についても、本実施例に限定さ
れるものではない。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明においては、ワークの位
置を測定する手段と、測定されたワーク位置と入力され
た疵位置データとから疵取り工具で疵取り加工を行うべ
き位置を算出する手段とを有する自動疵取り装置を創出
したために、曲がりを有するワークについてもワーク表
面の疵を確実に除去することができる。これによって、
変形を有するワークについても自動的に疵取りを行うこ
とができる実用的な自動疵取り装置となる。
【0041】また、請求項2に係る発明においては、ワ
ークのねじれ角を測定する手段と、測定されたワークね
じれ角と入力された疵位置データとから疵取り工具で疵
取り加工を行うべき位置を算出する手段とを有する自動
疵取り装置を創出したために、ねじれを有するワークに
ついてもワーク表面の疵を確実に除去できる。これによ
って、変形を有するワークについても自動的に疵取りを
行うことができる実用的な自動疵取り装置となる。
【0042】さらに、請求項3に係る発明では、細線投
影手段と撮像手段を用いて細線の端部の位置を検出する
ことによってワーク位置を測定する自動疵取り装置を創
出したために、曲がりを有するワークについての曲がり
量の測定を容易に行うことができる。これによって、変
形を有するワークの自動的な疵取りをより容易かつ確実
に行うことができる、極めて実用的な自動疵取り装置と
なる。
【0043】また、請求項4に係る発明においては、細
線投影手段と撮像手段を用いて細線の傾きを算出するこ
とによってワークねじれ角を測定する自動疵取り装置を
創出したために、ねじれを有するワークについてのねじ
れ角の測定を容易に行うことができる。これによって、
変形を有するワークの自動的な疵取りをより容易かつ確
実に行うことができる、極めて実用的な自動疵取り装置
となる。
【0044】さらに、請求項5に係る発明においては、
撮像手段を所定の迎角を有するように取り付け、ワーク
の上面に投影された細線の直線部の終点を探索すること
によってワークの端部を検出する自動疵取り装置を創出
したために、曲がり量の測定の基準となる点の検出を容
易に行うことができる。これによって、変形を有するワ
ークの自動的な疵取りをより容易かつ確実に行うことが
できる、極めて実用的な自動疵取り装置となる。
【0045】さらに、請求項6に係る発明では、撮像手
段を迎角に加えて変角を有するように取り付け、撮像さ
れた細線の極大点を探索することによってワークの端部
を検出する自動疵取り装置を創出したために、曲がり量
の測定の基準となる点の検出をさらに容易に行うことが
できる。これによって、変形を有するワークの自動的な
疵取りをより容易かつ確実に行うことができる、極めて
実用的な自動疵取り装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動疵取り装置の一実施例の全体
構成を示す正面図である。
【図2】自動疵取り装置の一実施例の主要部の構造を示
す正面図である。
【図3】自動疵取り装置の一実施例の主要部の構造を示
す側面図である。
【図4】自動疵取り装置の一実施例における研削砥石に
よる疵取りの方法を示す図である。
【図5】自動疵取り装置の一実施例における撮像方法及
び撮像画面を示す図である。
【図6】自動疵取り装置の一実施例における撮像方法及
び撮像画面を示す図である。
【図7】自動疵取り装置の一実施例における撮像画面を
示す図である。
【図8】自動疵取り装置の一実施例における補正量の算
出方法を示す図である。
【図9】自動疵取り装置の一実施例における補正量の算
出方法を示す図である。
【図10】従来の自動疵取り装置における疵取り方法を
示す図である。
【図11】従来の自動疵取り装置における疵取り方法を
示す図である。
【符号の説明】
2 自動疵取り装置 30 細線投影手段 34 疵取り工具 48 撮像手段 82a 細線の端部 90 ワーク位置測定手段 90 ワークねじれ角測定手段 92 疵位置データ入力手段 92 疵取り加工位置算出手段 100 座標データ BL ワーク FL 疵 θ 細線の傾き

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワーク表面の疵を疵取り工具で疵取り加
    工して除去する自動疵取り装置であって、 前記ワーク表面に存在する疵の位置についての情報を前
    記ワーク表面に沿った座標系を基準とした座標データと
    して入力する疵位置データ入力手段と、 前記ワークの位置を測定するワーク位置測定手段と、 該測定されたワーク位置と前記入力された疵位置データ
    とから前記疵取り工具で疵取り加工を行うべき位置を算
    出する疵取り加工位置算出手段、とを有することを特徴
    とする自動疵取り装置。
  2. 【請求項2】 ワーク表面の疵を疵取り工具で疵取り加
    工して除去する自動疵取り装置であって、 前記ワーク表面に存在する疵の位置についての情報を前
    記ワーク表面に沿った座標系を基準とした座標データと
    して入力する疵位置データ入力手段と、 前記ワークのねじれ角を測定するワークねじれ角測定手
    段と、 該測定されたワークねじれ角と前記入力された疵位置デ
    ータとから前記疵取り工具で疵取り加工を行うべき位置
    を算出する疵取り加工位置算出手段、とを有することを
    特徴とする自動疵取り装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された自動疵取り装置で
    あって、 前記ワーク位置測定手段は、前記ワーク表面に細線を投
    影する細線投影手段と、該投影された細線を撮像する撮
    像手段とを有し、該撮像された細線の端部の位置を検出
    することによって前記ワーク位置を測定することを特徴
    とする自動疵取り装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載された自動疵取り装置で
    あって、 前記ワークねじれ角測定手段は、前記ワーク表面に細線
    を投影する細線投影手段と、該投影された細線を撮像す
    る撮像手段とを有し、該撮像された細線の傾きを算出す
    ることによって前記ワークねじれ角を測定することを特
    徴とする自動疵取り装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載された自動疵取り装置で
    あって、 前記撮像手段はその撮像中心線が前記ワーク表面に投影
    される細線を含む垂直面に対して所定の角度を有するよ
    うに取り付けられており、前記ワークの上面に投影され
    た細線の直線部の終点を探索することによって前記ワー
    クの端部を検出することを特徴とする自動疵取り装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載された自動疵取り装置で
    あって、 前記撮像手段は、前記所定の角度に加えて、その撮像中
    心線が前記ワーク表面に投影される細線に垂直な面に対
    して一定の角度を有するように取り付けられており、 前記撮像された細線の上下方向の極大点を探索すること
    によって前記ワークの端部を検出することを特徴とする
    自動疵取り装置。
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