JPH08174013A - 継目無金属管の穿孔圧延方法 - Google Patents

継目無金属管の穿孔圧延方法

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JPH08174013A
JPH08174013A JP32578694A JP32578694A JPH08174013A JP H08174013 A JPH08174013 A JP H08174013A JP 32578694 A JP32578694 A JP 32578694A JP 32578694 A JP32578694 A JP 32578694A JP H08174013 A JPH08174013 A JP H08174013A
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roll
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rolls
outer diameter
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一宗 下田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】拡管比1.15以上での穿孔圧延方法の提供。 【構成】傾斜ロール穿孔圧延機の設定条件を、傾斜ロー
ルが樽型である場合には下式(1)、コーン型である場
合には下式(2)の関係を満足させ、かつ下式(3)お
よび(4)を満足させて圧延する方法。 1.4≦Dp/Rp≦1.7 ・・・・・・・・ (1) 1.4≦Dp/Rp≦2.0 ・・・・・・・・ (2) 0.85≦Ro/Db≦0.92 ・・・・・・・・ (3) 0.95≦Do/Db≦1.10 ・・・・・・・・ (4) ただし、Ro:前記傾斜ロール間の最短間隔 Do:ディスクロール間の最短間隔 Db:中実ビレットの外径 Rp:プラグ最大外径位置での傾斜ロール間隔 Dp:プラグ最大外径位置でのディスクロール間隔 【効果】偏心性螺旋状偏肉の少ない中空素管を圧延停止
の恐れなく高効率に圧延できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクロールを備え
た傾斜ロール穿孔圧延機を用いた継目無金属管の穿孔圧
延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間で継目無金属管を製造する方法とし
ては、従来よりマンネスマン穿孔法が多く使用されてい
る。この方法では、所定の温度に加熱した中実の丸鋼片
(以下、中実ビレットという)を素材として、傾斜ロー
ル穿孔圧延機(以下、ピアサという)により孔をあけて
前記中実ビレットとほぼ同じ外径の中空素管となすこと
から始められる。この最初の工程で用いられるピアサ
は、通常、一個のプラグと、このプラグを挟んで対向配
置された一対の樽型もしくはコーン型の傾斜ロールと、
外面規制工具である一対の固定型のガイドシューとから
構成されている。
【0003】これに対して近年のピアサは、上記固定型
のガイドシューに替えて円盤型のディスクロールを採用
しているものが多い。このタイプのピアサは、前記ディ
スクロールを中実ビレットおよび中空素管の被圧延材に
追従回転させることによって被圧延材とディスクロール
とが焼付くのを防止できるとともに、穿孔効率を向上さ
せることができるため、圧延歩留まりの向上およびラン
ニングコストの低減が図れる等の利点を有している。
【0004】そして、一般に、ディスクロールを採用し
たピアサのミル設定条件等は、昭和59年9月13日開
催の日本鉄鋼協会主催の共同研究会で頒布された「第3
5回鋼管部会継目無分科会資料」および特開平5−69
011号公報等に見られるように、固定型のガイドシュ
ーを採用したピアサのそれと基本的には同じであり、通
常、穿孔圧延によって得られる中空素管の外径は、素材
である中実ビレットの外径の0.9〜1.05倍程度
で、中実ビレットの外径とほぼ同じである(以下、これ
を否拡管穿孔圧延法という)。
【0005】ところで、より一層の高効率な穿孔圧延等
を可能にするため、中空素管の外径を中実ビレットの外
径の1.15倍以上というような大きな外径にすべく、
穿孔と同時に拡管を行うという革新的な穿孔圧延法であ
る拡管穿孔圧延を行う場合には特別なミル設定条件等が
必要で、例えば本出願人が先に提案した特開昭63−2
38909号公報に開示されるような手段を採用する必
要がある。
【0006】しかし、上記従来のピアサでは、拡管穿孔
圧延に必要なミル設定条件等を全て満足させることが不
可能であり、新規なピアサを設計設置する必要があるた
め、設備費が嵩むという欠点があった。
【0007】また、図12および図13は、同一寸法仕
様の傾斜ロールとディスクロールとを具備するピアサを
用い、プラグドラフト率(プラグ先端位置における傾斜
ロール間隔と素材ビレット外径との比)をほぼ同じに設
定し、上記拡管穿孔圧延と従来の否拡管穿孔圧延とを行
う場合の模式図であり、図12には拡管穿孔圧延法の態
様を、図13には否拡管穿孔圧延法の態様を示してあ
る。
【0008】なお、図12および図13における(a)
図と(b)図は、いずれもそれぞれのB−B’線とC−
C’線の断面図である。また、両図において、3bはプ
ラグ3と傾斜ロール1との間隙がほぼ平行な領域でプラ
グリーリング部と称され、それより上流側の領域3aは
プラグ圧延部と称される。
【0009】この図12と図13に示した両穿孔圧延法
の大きな相違点は、得るべき中空素管Hの外径Dhを同
一とした場合、図12と図13の対比から明らかなよう
に、拡管穿孔圧延法で使用する中実ビレットBeの外径
Debの方が否拡管穿孔圧延法で使用する中実ビレットB
nの外径Dnbよりも小さい点であり、これに伴って、拡
管穿孔圧延法での傾斜ロール1、1間の間隔が最小にな
るゴージG位置での傾斜ロール間隙(以下、傾斜ロール
間の最短間隔という)Reoおよびディスクロール2、2
間の間隙が最小になる位置でのディスクロール間隔(以
下、ディスクロール間の最短間隔という)Deoが、否拡
管穿孔圧延法での傾斜ロール間の最短間隔Rnoおよびデ
ィスクロール間の最短間隔Dnoより小さく、かつ使用す
る同一最大外径部を有するプラグ3の長さが拡管穿孔圧
延法の方が長い点であって、図12に示す拡管穿孔圧延
法の利点は次の点にある。
【0010】すなわち、上述したように、同一外径の中
空素管を得る場合、拡管穿孔圧延法では、否拡管穿孔圧
延法で使用するよりも外径の小さい中実ビレットを素材
として用いるため、中実ビレットから中空素管に穿孔圧
延するときの断面積の減少量(中実ビレット断面積と中
空素管断面積との差)が否拡管穿孔圧延法による場合よ
りも小さい、換言すれば加工度が小さいので、圧延荷重
が小さく、より薄肉の中空素管を容易に得ることが可能
であることであることを意味しており、このことは次の
図14に示す実験結果から明かである。
【0011】図14は、拡管穿孔圧延法と否拡管穿孔圧
延法との穿孔限界を調べた結果を示す図であるが、この
図14からわかるように、拡管穿孔圧延法では肉厚/外
径の比が約2.5%という薄肉の中空素管の穿孔圧延が
可能であるが、否拡管穿孔圧延法では肉厚/外径の比が
約4.25%以上の厚肉の中空素管しか穿孔圧延できな
いことが明かである。この結果、拡管穿孔圧延法による
場合には、熱間継目無管の製管行程における被加工材料
の加工工程の大部分をピアサ1台でまかなうことがで
き、コストを大幅に削減できる他、塑性変形抵抗能が大
きく加工が困難で低加工度で穿孔圧延を行う必要のある
ステンレス鋼や快削鋼等の難加工性材料を容易に穿孔圧
延することができるという利点がある。
【0012】しかし、上記図12に示す拡管穿孔圧延法
には、次に述べる2つの大きな問題点があることが新た
に判明した。
【0013】第1の問題点は、傾斜ロール1の入側で中
実ビレットBeの振れ回りが大きくなって中空素管Hの
偏心性螺旋状偏肉が大きくなることである。すなわち、
同一外径の中空素管Hを得る場合の両穿孔圧延法におい
ては、通常、傾斜ロール1のゴージG位置よりも下流側
(以下、出側という)での中空素管Hの進行速度がほぼ
同じになるように設定して圧延するが、拡管穿孔圧延法
では使用する中実ビレットBeの外径が小さく、外径の
小さい分だけ材料の供給量不足が生じないように傾斜ロ
ール1のゴージG位置よりも上流側(以下、入側とい
う)での被圧延材の進行速度を否拡管穿孔圧延法に比べ
て速くするにもかかわらず、傾斜ロール1のロール入側
面1aで中実ビレットBeをグリップする領域Leが否
拡管穿孔圧延法のグリップ領域Lnに比べて短いため、
傾斜ロール1の入側での中実ビレットBeの振れ回りが
大きくなって中空素管Hの偏心性螺旋状偏肉が大きくな
る。
【0014】第2の問題点は、傾斜ロール1の出側での
ディスクロール2による圧下配分が難しく、被圧延材料
の回転が止まり易いことである。すなわち、拡管穿孔圧
延法では、プラグ3のリーリング部3b位置で、かつ中
空素管Hがディスクロール2から離れる直前位置が傾斜
ロール1のゴージG位置から下流側より離れた位置にな
るので、図12(b)と図13(b)との対比から明ら
かなように、その位置におけるディスクロール間隔Deg
と傾斜ロール間隔Redとの比Deg/Redが、否拡管穿孔
圧延法によった場合のディスクロール間隔Dngと傾斜ロ
ール間隔Rndとの比Dng/Rndよりも大きく、穿孔圧延
中の中空素管Hの最大外径と最小外径の比も大きくな
る。この結果、中空素管Hの一部が変形し、図15に示
すように、傾斜ロール1とディスクロール2の間隙に折
れ込んで被圧延材の回転が停止するという現象が生じ易
くなる。
【0015】尤も、この被圧延材の回転停止現象は、傾
斜ロール1のゴージG位置より若干下流側位置でのディ
スクロール間の最短間隔Deoを小さく、かつ傾斜ロール
間の最短間隔Reoを大きくするか、もしくは外径の大き
いディスクロール2を使用してプラグ最大径部位置での
材料の変形を真円に近づけることによって、プラグ圧延
部3aにおける肉厚加工に伴う材料の外径の膨らみを抑
制することによりある程度防止することは可能である。
しかし、この場合には、ディスクロール2と被圧延材と
の間の摩擦抵抗が大きくなり過ぎて材料回転が停止して
しまうので、これらの方法は採用できない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の実状に鑑みなされたもので、ディスクロールを有する
ピアサを用いて拡管比1.15以上の拡管穿孔圧延を行
う場合において、偏心性螺旋状偏肉の少ない中空素管
を、圧延停止の恐れなく得ることのできる継目無金属管
の穿孔圧延方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、次の継
目無金属管の穿孔圧延方法にある。
【0018】プラグを挟んで対向配置された一対の傾斜
ロールと、該傾斜ロール間に対向配置された一対のディ
スクロールを有する傾斜圧延機を用いて中実ビレットか
ら対中実ビレット外径比が1.15倍以上の中空素管を
得る方法において、前記傾斜ロール間の最短間隔をR
o、ディスクロール間の最短間隔をDo、中実ビレット
の外径をDb、プラグ最大外径位置での傾斜ロール間隔
をRp、プラグ最大外径位置でのディスクロール間隔を
Dpとしたとき、前記傾斜ロールが樽型である場合には
下式(1)、コーン型である場合には下式(2)の関係
を満足させ、かつ下式(3)および(4)を満足させて
圧延することを特徴とする継目無金属管の穿孔圧延方
法。
【0019】 1.4≦Dp/Rp≦1.7 ・・・・・・・・ (1) 1.4≦Dp/Rp≦2.0 ・・・・・・・・ (2) 0.85≦Ro/Db≦0.92 ・・・・・・・・ (3) 0.95≦Do/Db≦1.10 ・・・・・・・・ (4)
【0020】
【作用】本発明によれば、次に述べる(1)〜(3)の
作用がある。なお、図1は本発明にかかわるピアサのミ
ル設定条件を示す模式図であって、図中、Dbは素材で
ある中実ビレットBの外径、Roは傾斜ロール1のゴー
ジG位置における傾斜ロール1、1間の最短間隔、Do
はディスクロール2、2間の最短間隔、Rpはプラグ3
の最大外径位置おける傾斜ロール間隔、Dpはプラグ3
の最大外径位置おけるディスクロール2、2間の間隔で
あり、Hは中空素管である。
【0021】なお、図1に示すように、被圧延材の外径
が最小になる傾斜ロール1のゴージG位置とディスクロ
ール2、2間の最短間隔Doの位置とがほぼ一致するよ
うに設定してあり、これによってディスクロール2、2
と被圧延材との間の摩擦抵抗が大きくなり過ぎて被圧延
材の回転が停止するのを防止できるようにしてある。
【0022】また、図1において、(a)図と(b)図
はそれぞれのA−A’線の断面図である。
【0023】 (1)0.85≦Ro/Db≦0.92(図1参照)。
【0024】傾斜ロール1のゴージG位置における傾斜
ロール1、1間の最短間隔Roと素材である中実ビレッ
トBの外径Dbとの比Ro/Dbが0.85未満である
と、中実ビレットBおよび中空素管Hからなる被圧延材
と傾斜ロール1との接触域が長くなり、極端に胴長の長
い傾斜ロール1が必要となるのでミル全体が巨大になっ
て設備費が嵩むという不都合が生じる。また、図2は穿
孔圧延における噛み込み不良を説明する図であるが、上
記Ro/Dbが0.92を超えると、同図に示すよう
に、被圧延材の先端がプラグ3の最大径部にまで到達す
ることができず、被圧延材が傾斜ロール1、1間でスリ
ップを続けるいわゆる噛み込み不良という現象が生じて
圧延できなくなる。
【0025】すなわち、前述したように、拡管穿孔圧延
法では否拡管穿孔圧延法に比べて傾斜ロール1のゴージ
G位置より図中左方の上流側(入側)のロール入側面1
aで被圧延材である中実ビレットBをグリップする領域
が短い(図12(a)のLe参照)ので、被圧延材を下
流側に進行させる推進力が小さく、噛み込み不良が生じ
易いから、被圧延材の進行に必要な推進力を確保するこ
とが重要になる。
【0026】この噛み込み不良発生を抑制する方法とし
ては、プラグ3の先端位置を傾斜ロール1の図中右方の
下流側(出側)に後退させる、換言すればゴージG位置
に近かずけることによって抑制できるが、プラグ3の先
端位置を後退させ過ぎると傾斜圧延に特有の現象である
マンネスマン破壊を引き起こして中空素管Hの内表面に
疵が多発するようになる。しかし、上記Ro/Dbを
0.92以下に設定する場合には、上記マンネスマン破
壊が生じないのに加え、噛み込み不良を起すことなく、
かつ中空素管の偏心性螺旋状偏肉の程度が抑制軽減され
る。
【0027】 (2)0.95≦Do/Db≦1.10(図1参照)。
【0028】ディスクロール2、2間の最短間隔Doと
素材である中実ビレットBの外径Dbとの比Do/Db
が0.95未満であると、被圧延材とディスクロール2
との接触域が大きくなり過ぎて摩擦力が増大し、被圧延
材の回転が阻害される。また、上記Do/Dbが1.1
0を超えると、被圧延材の中心をプラグ3の先端に案内
することができなくなって被圧延材が触れ回り、中空素
管Hの形状悪化および偏心性螺旋状偏肉が顕著になる。
【0029】(3)傾斜ロール1が樽型である場合:
1.4≦Dp/Ro≦1.7 傾斜ロール1がコーン型である場合:1.4≦Dp/R
o≦2.0 (図1参照)。
【0030】傾斜ロール1の形状が樽型あるいはコーン
型のいずれの場合にあっても、プラグ3の最大外径位置
でのディスクロール間隔Dpとプラグ3の最大外径位置
での傾斜ロール間隔Rpとの比Dp/Rpが1.4未満
であると、ディスクロール2による被圧延材の拘束が大
きいため、被圧延材の肉厚加工に伴う周長増加が妨げら
れて被圧延材の回転が停止して圧延できなくなる。ま
た、上記Dp/Rpの上限を定めるのは、プラグ3の最
大外径位置での傾斜ロール間隔Rpに対してプラグ3の
最大外径位置でのディスクロール間隔Dpが大きくなり
過ぎると、穿孔圧延された中空素管Hの形状が著しい楕
円形状になるばかりでなく、前述の図15に示したよう
に、一部が異常変形して傾斜ロール1とディスクロール
2との間隙に噛み込んで被圧延材を傾斜ロール1で回転
させることができず、圧延できなくなるからである。そ
して、上記Dp/Rpが、形状が樽型の傾斜ロール1で
ある場合には1.7を、コーン型である場合には2.0
を超えると、中空素管Hの形状が著しく楕円形となって
一部が異常変形して傾斜ロール1とディスクロール2と
の間隙に噛み込んで被圧延材の回転が停止し、圧延でき
なくなる。
【0031】ちなみに、1.15未満の拡管比で穿孔圧
延を行う場合には、逆に、上記Dp/Rpを1.4未満
に設定しないと上記周長増加が抑制できず、中空素管H
の後端部の形状が著しい楕円となる。すなわち、1.1
5未満の拡管比で穿孔圧延を行う場合には、上述したよ
うに、傾斜ロール1のゴージG位置より下流側のロール
出側面1bでの被圧延材と傾斜ロール1との接触域が短
く、かつディスクロール2での被圧延材の拘束領域も短
い(図13(a)参照)ので、被圧延材の回転を止める
ほどの摩擦力が生じず、またディスクロール2の拘束力
に打ち勝つ回転力も傾斜ロール1のロール入側面1aで
長い接触域が得られるため、上記Dp/Rpを1.4未
満にしても被圧延材の回転が停止することがないからで
ある。
【0032】さらに、1.15未満の拡管比で穿孔圧延
を場合には、多くの肉厚加工を比圧延材と傾斜ロール1
との接触域が短いロール出側面1bで行うため、1.1
5以上の拡管比で穿孔圧延を行う拡管穿孔圧延法に比べ
て中空素管Hの出側での周長増加が大きくなるので、こ
の周長増加を拘束する必要からも上記Dp/Rpを1.
4未満にする必要があるのである。
【0033】なお、傾斜ロール1の形状によって上記D
p/Rpの上限を異なる値に設定したのは、以下に述べ
る理由による。すなわち、コーン型の傾斜ロール1は、
図3に示すように、中実ビレットBの進行方向である出
側(図中の右方)に向かうに従って外径が大きくなる形
状を有するのに対し、樽型の傾斜ロール1は、図4に示
すように、ゴージG位置が最大外径で、入側(図中の左
方)および出側(図中の右方)に向かって外径が順次小
さくなる形状を有している。従って、図5に示すよう
に、コーン型の傾斜ロールのロール軸長方向のロール周
速は出側に向かって順次速くなって被圧延材の回転を助
長する作用を有するのに対し、樽型の傾斜ロールのロー
ル軸長方向のロール周速は出側に向かって遅くなって被
圧延材の回転を妨げる作用を有するからである。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。
【0035】まず、ピアサとして、図6に示す寸法を有
するコーン型の傾斜ロールまたは図7に示す寸法を有す
る樽型の傾斜ロールを備えるとともに、溝底外径が60
0mm、900mmおよび1200mmの3種類のディ
スクロールのいずれかに変更可能なものを準備する一
方、素材として外径が10mmピッチで50〜90mm
φまでの炭素鋼製の中実ビレットを5種類準備し、以下
の第1〜3の穿孔圧延試験を行った。
【0036】なお、図6および図7において、γは各傾
斜ロールの傾斜角βが0゜の時に相対向する傾斜ロール
の軸心とパスラインとがなす交叉角であり、本実施例に
用いたピアサでは、傾斜角βが12°と一定で、交叉角
γを±2゜の範囲で微調整可能なものを用いた。
【0037】[第1の圧延試験]図6に示すコーン型の
傾斜ロールと溝底外径が600mmのディスクロールと
を用い、上記Dp/Rpが1.4〜1.7の範囲内で、
かつ上記Do/Dbが0.95〜1.10の範囲内にな
るようにミル設定した状態で、拡管比および傾斜ロール
間の最短間隔Roと中実ビレットの外径Dbとの比Ro
/Dbを種々変化させて穿孔圧延を行って拡管比1.1
5以上の穿孔圧延が可能な範囲を調べた。
【0038】なお、従来の否拡管穿孔圧延との比較を行
うために拡管比が1.0付近の穿孔圧延も行った。その
結果を、図8に示した。
【0039】図8から明らかなように、上記Ro/Db
が0.92を超えると、拡管比が1.0付近では穿孔圧
延可能であるが、拡管比が1.15以上では噛み込み不
良が生じて穿孔圧延できなかった。なお、図8中のAの
ものは拡管比が1.2以上であるにもかかわらず穿孔圧
延が可能であったが、得られた中空素管の最大偏肉率は
11.2%で、ほぼ同じ拡管比のBの中空素管の最大偏
肉率が5.3%であったのと比較して極端に劣ってお
り、これは次に述べる理由から実質的に穿孔圧延不能と
みなすべきものであった。すなわち、中空素管の偏肉率
が9%を超えると、ピアサより下行程の圧延機であるマ
ンドレルミル、プラグミル等の延伸圧延機によってこの
偏肉率を小さくすることが不可能でゲージオフ品になっ
てスクラップとなる。従って、以下の試験圧延において
得られた中空素管の最大偏肉率が9%を超える場合は、
穿孔圧延不能として判定した。
【0040】[第2の圧延試験]図6に示すコーン型の
傾斜ロールと溝底外径が600mmのディスクロールと
を用い、上記Dp/Rpが1.4〜1.7の範囲内で、
かつ上記Rp/Dbが0.85〜0.92の範囲内にな
るようにミル設定した状態で、拡管比およびディスクロ
ール間の最短間隔Doと中実ビレットの外径Dbとの比
Do/Dbおよび拡管比を種々変化させて穿孔圧延を行
い、拡管穿孔圧延が可能な範囲を調べた。
【0041】その結果を、図9に示した。
【0042】図9から明らかなように、上記Do/Db
が0.95未満および1.1超の領域では、拡管比1.
15以上の穿孔圧延は不可能であった。これに対し、上
記Do/Dbが0.95〜1.1の領域では拡管比1.
15以上の拡管穿孔圧延が可能であった。
【0043】[第3の圧延試験]図6に示すコーン型の
傾斜ロールを用い、傾斜ロール間の最短間隔Roと中実
ビレットの外径Dbとの比Ro/Dbを0.88、ディ
スクロール間の最短間隔Doと中実ビレットの外径Db
との比Do/Dbを1.0とし、この条件で拡管比およ
びプラグ3の最大外径位置におけるディスクロール間隔
Dpとプラグ3の最大外径位置における傾斜ロール間隔
Rpとの比Dp/Rpを外径の異なるディスクロールに
変更して種々変化させて穿孔圧延を行い、拡管比1.1
5以上の穿孔圧延が可能な範囲を調べた。その結果を、
図10に示した。また、傾斜ロールを図7に示す樽型に
変更した以外は上記と同一の条件で穿孔圧延を行い、拡
管比1.15以上の穿孔圧延が可能な範囲を調べた。そ
の結果を、図11に示した。
【0044】拡管比が1.15以上の場合、コーン型の
傾斜ロールでは、図10から明かなように、上記Dp/
Rpが1.4〜2.0の領域で穿孔圧延が可能であった
が、Dp/Rpが1.4未満あるいは2.0超の領域で
は拡管比1.15以上の穿孔圧延は不可能であった。ま
た、樽型の傾斜ロールの場合には、図11から明らかな
ように、上記Rp/Dpが1.4〜1.7の領域で穿孔
圧延が可能であったが、Rp/Dpが1.4未満あるい
は1.7超の領域では拡管比1.15以上の穿孔圧延は
不可能であった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、拡管比1.15以上の
高拡管穿孔圧延を行っても噛み込み不良等の圧延トラブ
ルを生じることなく、偏肉率の小さい中空素管を高効率
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の穿孔圧延を行うミル設定条件を説明す
る模式図である。
【図2】噛み込み不良の発生状況を説明する模式図であ
る。
【図3】コーン型の傾斜ロールを説明する模式図であ
る。
【図4】樽型の傾斜ロールを説明する模式図である。
【図5】コーン型と樽型の各傾斜ロールのロール軸長方
向のロール周速パターンを示す図である。
【図6】実施例で用いたコーン型の傾斜ロール寸法諸元
等を示す図である。
【図7】実施例で用いた樽型の傾斜ロール寸法諸元等を
示す図である。
【図8】穿孔可能限界に及ぼす拡管比とRo/Dbとの
影響を示す図である。
【図9】穿孔可能限界に及ぼす拡管比とDo/Dbとの
影響を示す図である。
【図10】コーン型の傾斜ロールを用いた場合における
穿孔可能限界に及ぼす拡管比とDp/Rpとの影響を示
す図である。
【図11】樽型の傾斜ロールを用いた場合における穿孔
可能限界に及ぼす拡管比とDp/Rpとの影響を示す図
である。
【図12】従来の拡管穿孔圧延法を説明する模式図であ
る。
【図13】従来の否拡管穿孔圧延法を説明する模式図で
ある。
【図14】拡管穿孔圧延法と従来の否拡管穿孔圧延法の
穿孔限界を示す図である。
【図15】被圧延材(中空素管)の折れ込み状態を説明
する模式図である。
【符号の説明】
1:傾斜ロール、 2:ディスクロール、3:
プラグ、 B:中実ビレット、H:中空素
管。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラグを挟んで対向配置された一対の傾斜
    ロールと、該傾斜ロール間に対向配置された一対のディ
    スクロールを有する傾斜圧延機を用いて中実ビレットか
    ら対中実ビレット外径比が1.15倍以上の中空素管を
    得る方法において、前記傾斜ロール間の最短間隔をR
    o、ディスクロール間の最短間隔をDo、中実ビレット
    の外径をDb、プラグ最大外径位置での傾斜ロール間隔
    をRp、プラグ最大外径位置でのディスクロール間隔を
    Dpとしたとき、前記傾斜ロールが樽型である場合には
    下式(1)、コーン型である場合には下式(2)の関係
    を満足させ、かつ下式(3)および(4)を満足させて
    圧延することを特徴とする継目無金属管の穿孔圧延方
    法。 1.4≦Dp/Rp≦1.7 ・・・・・・・・ (1) 1.4≦Dp/Rp≦2.0 ・・・・・・・・ (2) 0.85≦Ro/Db≦0.92 ・・・・・・・・ (3) 0.95≦Do/Db≦1.10 ・・・・・・・・ (4)
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