JPH08294712A - 穿孔圧延機 - Google Patents

穿孔圧延機

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Publication number
JPH08294712A
JPH08294712A JP7102597A JP10259795A JPH08294712A JP H08294712 A JPH08294712 A JP H08294712A JP 7102597 A JP7102597 A JP 7102597A JP 10259795 A JP10259795 A JP 10259795A JP H08294712 A JPH08294712 A JP H08294712A
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JP
Japan
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plug
piercing
rolling
diameter
pipe
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Pending
Application number
JP7102597A
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English (en)
Inventor
Kazumune Shimoda
一宗 下田
Tomio Yamakawa
富夫 山川
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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  • Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 肉厚/外径比が大きい素管の穿孔圧延を、尻
詰まりの発生、プラグ先端部の溶損、及びプラグを支え
るマンドレルバーの変形を招くことなく安定して実施で
きる穿孔圧延機を提供する。 【構成】 半球状の先端を有する頭部30に連続して、そ
の外径を略直線的に減じる縮径部31と、略一定の外径を
有する等径部32とを、管材4の移動方向にこの順に有す
るプラグ3と、このプラグ3の縮径部31と整合する範囲
に、管材4の移動方向にその外径を増してゴージ部10に
連なる第2拡径部12を有する傾斜ロール1,1とを備
え、第2拡径部12の面角α2 を縮径部31の面角θと略等
しく設定して、傾斜ロール1,1とプラグ3との間に挾
持された管材4が、第2拡径部12と縮径部31との間にて
圧下を受けつつ縮径される構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、継目無管の素材となる
中実の管材(ビレット)から中空の素管を得るべく行わ
れる穿孔圧延の実施に用いる穿孔圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】継目無管の製造方法として広く採用され
ているマンネスマン製管法は、所定温度に加熱された中
実の管材(ビレット)を素材として用い、この管材を穿
孔圧延機(ピアサ)に送給し、穿孔圧延せしめて中空の
素管を得て、得られた素管を、このまま、又はエロンゲ
ータにより拡径,薄肉化せしめた後、プラグミル、マン
ドレルミル等の後続する延伸圧延機に送給し、所望の直
径及び肉厚を有するように延伸圧延し、更に、ストレッ
チレデューサ、リーラ、サイザにより磨管、形状修正及
びサイジングを行う精整工程を経て製品管を得る方法で
ある。
【0003】図8は、以上の如きマンネスマン製管法の
実施に用いる従来の穿孔圧延機の構成の一例を示す斜視
図、図9は、この穿孔圧延機による穿孔圧延の進行状態
の説明図である。図示の穿孔圧延機は、穿孔対象となる
管材4の送り線となるパスラインX−Xを挾んで相対向
する位置に一対の傾斜ロール1,1を備え、また周方向
にこれらの間に位置して一対のディスクロール2,2を
備えると共に、前記パスラインX−X上に穿孔具として
のプラグ3を配してなる。
【0004】傾斜ロール1,1は、軸長方向中途の最大
径部(ゴージ部1a)の両側に、端部に向けて縮径する入
側面1b及び出側面1cを夫々備え、全体として樽形をなす
ロールであり、パスラインX−Xと平行をなす面内にお
いて、該パスラインX−Xに対し所定の傾斜角度βを有
して傾斜する各別の軸回りに回転駆動されている。ディ
スクロール2,2は、前記パスラインX−Xと直交する
軸回りに回転する円板形のロールであり、またプラグ3
は、図示の如く、半球状の先端を有する頭部を備えた砲
弾形の部材であり、傾斜ロール1,1の出側からパスラ
インX−Xに沿わせたマンドレルバー3aの先端に固設さ
れ、該パスラインX−X上にて傾斜ロール1,1及びデ
ィスクロール2,2により囲まれた部分に配置され、マ
ンドレルバー3aにより軸回りでの回転自在に保持されて
いる。
【0005】以上の如き穿孔圧延機において、パスライ
ンX−Xに沿って傾斜ロール1,1間に送り込まれる管
材4は、まず図9(a)に示す如く、入側面1b,1b間に
噛み込まれ、パスラインX−Xに対して傾斜する傾斜ロ
ール1,1の回転により回転力及び進行力を付与され、
入側面1b,1b間での圧下により縮径しつつ前記パスライ
ンX−X上を螺進移動し、プラグ3の先端に導かれる。
【0006】パスラインX−X上に位置するプラグ3
は、前述の如く螺進移動する管材4の軸心部にねじ込ま
れるように貫入し、該管材4を穿孔する作用をなし、プ
ラグ3の先端に達した管材4は、図9(b)に示す如
く、プラグ3の外周と傾斜ロール1,1との間にて所定
の圧下を加えられ、管状に成形されつつ進行し、夫々の
ゴージ部1a,1aに続く出側面1c,1cの傾斜に沿って拡径
され、図9(c)に示す如く、中空の素管4′となって
連続的に送出される。この間、前記ディスクロール2,
2は、プラグ3により穿孔された管材4の外側に傾斜ロ
ール1,1間の周方向位置にて転接し、該管材4の外方
への膨れ出しを抑制して、傾斜ロール1,1の出側に得
られる素管4′の形状を整える作用をなす。
【0007】なお、従来の穿孔圧延機の構成は、図8に
示す構成に限らない。例えば、図示の樽形に限らず、管
材4の送り方向に拡径する入側面1bと、この入側面1bに
連続し、変化率を減じて拡径する出側面1cとを備えたコ
ーン形等、他の形状の傾斜ロールを備えた穿孔圧延機も
ある。
【0008】但し、コーン形の傾斜ロールを備えた場合
においても、各傾斜ロールは、パスラインX−Xと平行
をなす面内での前述した傾斜に加えて、パスラインX−
Xを含む面内にて所定の交叉角度を有して交わる各別の
軸回りに回転駆動され、図9と同様に、入側面1bと出側
面1cとの境界部分となるゴージ部1aがパスラインX−X
に最も接近するようになされ、また、パスラインX−X
上のプラグ3は同様の形状を有しており、両者間での穿
孔圧延は、全く同様に行われる。
【0009】また、管材4の膨れ出し抑制のための前記
ディスクロール2,2に換えて、非回転の抑制部材とし
てのガイドシューを備えた穿孔圧延機、更には、パスラ
インX−Xの周囲に3つ以上の傾斜ロールを並設し、デ
ィスクロール2,2又はガイドシュー等の抑制部材を省
略してなる穿孔圧延機もあり、これらの穿孔圧延機によ
る穿孔圧延もまた、図9に示す如く行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の如き
穿孔圧延により得られる素管を用い、前述した各圧延工
程を経て得られる継目無管は、文字通りの管(パイプ)
としての用途に加え、自動車用の伝動軸等、各種の回転
駆動軸の素材としての用途が拡大しており、この種の用
途においては、外径に対する肉厚の比(肉厚/外径比)
が0.2を超える極厚肉の継目無管が用いられている。
【0011】このような極厚肉の継目無管を、工程数の
増加に伴う製造コスト及び設備コストの増加を招くこと
なく製造するためには、前述した穿孔圧延により、肉厚
/外径比が可及的に大きく、また周方向の偏肉が少ない
良質の素管を得ることが要求されている。ところが、前
述の如く構成された従来の穿孔圧延機においては、以下
に示す3つの問題が発生することから、0.2以上の肉
厚/外径比を有する素管を製造することは難しく、前述
した要求に応え得ないという難点があった。
【0012】第1の問題は、図9に示す如く行われる穿
孔圧延の最終段階おいて、図10に示す如く発生する「尻
詰まり」と称される現象である。本図に示す如く、傾斜
ロール1,1と管材4との接触域は、穿孔圧延の最終段
階において減少し、更に、肉厚/外径比が大きい素管
4′を得ようとする場合、肉厚圧下量が小さいことか
ら、傾斜ロール1,1と管材4との接触面積は、肉厚/
外径比が小さい素管4′を得る場合よりも小さくなる。
この結果、傾斜ロール1,1の回転により管材4に付与
される移動力は小さくなり、該管材4の末端がプラグ3
から抜け切らず、該プラグ3の後半部と傾斜ロール1,
1の出側面1c,1cとの間に取り残される現象(尻詰ま
り)が発生する。このように尻詰まりを生じた素管4′
を後続する圧延工程に進めるためには、出側面1c,1cと
プラグ3との間に詰まった部分を切り落とさねばなら
ず、歩留り及び製管能率が著しく低下する。
【0013】以上の如き尻詰まりの発生を防止するため
には、プラグ3の頭部を尖頭とし、該プラグ3の後半部
と傾斜ロール1,1の出側面1c,1cとの間での肉厚圧下
量を大きくする方法がある。具体的には、プラグ3の頭
部に続くリーリング部の長さ(図10中にAとして示す)
を短くし、該リーリング部の面角を出側面1c,1cの面角
よりも大きくする方法である。ところが、前記リーリン
グ部は、穿孔及び肉厚圧下された管材4の形状を整え、
肉厚を平均化すべく設けられた部分であり、前述の如く
リーリング部を短くした場合、得られる素管4′の偏肉
量が増し、良質な素管4′が得られなくなるという問題
があり、このような偏肉は、後続する圧延工程を経た後
も解消されることなく残り、最終製品としての継目無管
の品質悪化を招くことになる。
【0014】第2の問題は、プラグ3の頭部の溶損であ
る。プラグ3の頭部は、前述した穿孔に際して高温の管
材4に強く押し付けられることによる圧延荷重及び熱負
荷に耐える必要がある。図8〜図10に示す従来の穿孔圧
延機を用いた場合、得られる素管4′は、前記プラグ3
の最大径部に対応する内径を有するために、肉厚/外径
比が大きい素管4′を得ようとする場合、半球状をなす
プラグ3の頭部は必然的に小径となり、熱容量及び強度
が低下し、前記圧延荷重及び熱負荷に耐えきれず、比較
的早期に溶損することになる。
【0015】この溶損が生じた場合、得られる素管4′
の内面性状の悪化を招くことから、プラグ3の頻繁な交
換を強いられ、歩留りの悪化に伴う製造コストの増大を
招来する。プラグ3の先端部は、一般的に、穿孔対象と
なる管材4の外径の7.5%〜18%の半径を有するよ
うに設計される。この半径の下限値(7.5%)は、前
述した溶損を防ぐために必要とされるが、従来の穿孔圧
延機において肉厚/外径比が大きい素管4′を得ようと
する場合、プラグ3の先端の半径を管材4の外径の7.
5%以上とすることは難しい。なお、前記半径の上限値
(18%)は、前述した尻詰まりの発生を抑制するため
に必要となるものである。
【0016】第3の問題は、プラグ3を支えるマンドレ
ルバー3aの変形である。従来の穿孔圧延機において、マ
ンドレルバー3aには、穿孔に際してプラグ3に作用する
圧延荷重が軸方向の圧縮力として作用する。一方、肉厚
/外径比が大きい素管4′を得ようとする場合、穿孔具
となるプラグ3は必然的に小径化するため、該プラグ3
を支えるマンドレルバー3aのサイズも限定され、前記圧
縮力の作用による曲がり又は座屈が生じ、この状態で穿
孔圧延を実施した場合、マンドレルバー3aの先端に支え
られたプラグ3が振れ回る結果、周方向の偏肉程度が小
さい良質の素管4′を得ることは難しい。
【0017】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、肉厚/外径比が大きい素管の穿孔圧延を、尻詰
まりの発生、プラグ先端部の溶損、及びプラグを支える
マンドレルバーの変形を招くことなく安定して実施でき
る穿孔圧延機を提供し、中空軸の素材として用いられる
厚肉の継目無管を、後続する圧延工程の工程増加を伴う
ことなく製造し得るようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る穿孔圧延機
は、パスラインに沿わせた中実の管材を、該パスライン
の回りに並設された複数の傾斜ロールに噛み込ませ、こ
れらの回転により軸方向に螺進移動させる間に、この移
動方向の前側から貫入するプラグにより軸心部に穿孔
し、該プラグと前記傾斜ロールとの間にて所定の圧下を
加えて中空の素管を製造する穿孔圧延機において、前記
プラグは、半球状の先端を有する頭部と、該頭部に連続
し、その外径を略直線的に減じる縮径部と、該縮径部に
連続し、略一定の外径を有する等径部とを、前記移動方
向にこの順に備え、前記複数の傾斜ロール同士が前記パ
スラインを含む断面内にて最も接近する位置に、前記縮
径部と前記等径部との境界部分を略整合させて配してあ
り、前記傾斜ロールは、少なくとも前記プラグの縮径部
と整合する範囲に、前記移動方向に向けて外径を増す拡
径部を備えることを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明においては、半球状の穿孔端を有する頭
部に連続して、管材の移動方向に向けて外径を減じる縮
径部を備えるプラグと、この縮径部と整合する範囲に拡
径部を備える傾斜ロールとを用い、両者間の隙間が管材
の移動方向に向けて狭まるようになし、プラグの頭部に
より穿孔されつつ傾斜ロールとの間にて圧下される管材
に、該プラグの縮径部と前記傾斜ロールの拡径部との間
にて圧下を加え、前記縮径部に続く等径部と傾斜ロール
との間にて形状を整えられた中空の素管として送出す
る。
【0020】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面に基づい
て詳述する。図1は、本発明に係る穿孔圧延機による穿
孔圧延の実施状態を示す断面図である。本発明に係る穿
孔圧延機は、従来の穿孔圧延機と同様、穿孔対象となる
管材4の送り線となるパスラインX−X回りに並設され
た複数の傾斜ロール1,1…と、パスラインX−X上に
配された穿孔具としてのプラグ3とを備えてなる。
【0021】傾斜ロール1,1…の並設個数は、一般的
には、2〜4個であり、2個の傾斜ロール1,1を設け
る場合、これらは、図8に示す従来の穿孔圧延機の場合
と同様、パスラインX−Xを挾んで相対向する位置に配
され、両傾斜ロール1,1間には、ディスクロール又は
ガイドシュー等の抑制部材が配される。
【0022】図に示す穿孔圧延機は、2個の傾斜ロール
1,1を備えており、これらは、パスラインX−Xと平
行をなす各別の回転軸14,14回りに回転駆動されてい
る。これらの回転軸14,14は、従来の穿孔圧延機におけ
ると同様、パスラインX−Xに対して所定の角度を有し
て傾斜し、両者間に挾持した管材4に、軸回りの回転力
及び軸方向の進行力を加えるようになしてある。またプ
ラグ3は、従来のそれと同様、傾斜ロール1,1の出側
からパスラインX−Xに沿わせたマンドレルバー3aの先
端に固設され、該パスラインX−X上に後述する如く位
置決めされており、マンドレルバー3aにより軸回りでの
回転自在に保持されている。
【0023】以上の如く構成された本発明に係る穿孔圧
延機において、穿孔対象となる管材4は、図示しない加
熱炉において所定温度に加熱され、パスラインX−Xに
沿って送り込まれる。この管材4は、まず、傾斜ロール
1,1間に噛み込まれ、両傾斜ロール1,1の回転に伴
ってパスラインX−Xに沿って螺進移動せしめられ、傾
斜ロール1,1間にて圧下されつつプラグ3の先端に導
かれる。プラグ3は、前記管材4の軸心部にねじ込まれ
るように貫入して穿孔する作用をなし、プラグ3の先端
に達した管材4は、プラグ3により穿孔されつつ傾斜ロ
ール1,1との間にて圧下を加えられ、管状に成形され
つつ進行して、中空の素管4′となって連続的に送出さ
れる。
【0024】本発明に係る穿孔圧延機の特徴は、傾斜ロ
ール1,1及びプラグ3の形状、並びにパスラインX−
X方向の両者の配置にある。傾斜ロール1は、軸方向中
途の最大径部(ゴージ部10)の一側(入側)に、管材4
の入側から出側に向けて外径を増す第1拡径部11及び第
2拡径部12を備え、第2拡径部12の末端に、前記ゴージ
部10に連続して、一定又はわずかに縮小する外径を有す
る等径部13を備えてなる。
【0025】一方プラグ3は、同じく管材4の入側から
出側に向けて、即ち、管材4の移動方向に、管材4への
穿孔端となる半球状の先端を有する頭部30と、該頭部30
に連続し、その外径を略直線的に減じる縮径部31と、該
縮径部31に連続し、一定又はわずかに縮小する外径を有
する等径部32とを、この順に備えてなり、該プラグ3の
パスラインX−X上での位置決めは、縮径部31と等径部
32との境界部部分が、傾斜ロール1,1同士が最も接近
する位置、即ち、傾斜ロール1,1のゴージ部10,10と
整合するようになされている。
【0026】傾斜ロール1の第2拡径部12は、以上の如
く位置決めされたプラグ3の縮径部31と整合する部分で
あり、第2拡径部12における外径の変化率(増加率)
は、前記縮径部31における外径の変化率(減少率)と略
等しくなるように設定されている。このことは、図1中
に示す如く、パスラインX−Xを含む断面内において、
第2拡径部12及び縮径部31が夫々の軸心に対して有する
面角α2 とθとの間に、α2 =θなる関係が成り立つこ
とにより達成される。なお、第2拡径部12の面角α
2 は、図示の断面、即ち、パスラインX−Xを含む断面
内での角度ではなく、パスラインX−Xに対して傾斜角
度β(図8参照)を有して傾斜する傾斜ロール1の回転
軸14を含む断面内での角度であり、パスラインX−Xを
含む断面内での第2拡径部12の面角は、前記α2 よりも
やや大きくなる。
【0027】なお、図1の実施例において第1拡径部11
の面角α1 は、第2拡径部12の面角α2 よりも小さくし
てあるが、これは、プラグ3の頭部30での穿孔直後にお
いて過剰な圧下がなされないようにするためであり、α
1 とα2 とを等しくし、第1拡径部11と第2拡径部12と
を一体化して、入側からゴージ部10までの間に一定の変
化率にて拡径する拡径部を設けてもよい。
【0028】以上の如く構成された本発明に係る穿孔圧
延機において、傾斜ロール1,1間に噛み込まれた管材
4は、第1拡径部11,11間にて圧下されつつ進行し、プ
ラグ3の頭部30により穿孔された後、傾斜ロール1,1
の第2拡径部12,12とプラグ3の縮径部31との間に挾持
されるが、これら両者は前述した関係を有していること
から、前記管材4はゴージ部10に至るまでの間において
も圧下を受けつつ縮径し、傾斜ロール1,1の等径部1
3,13と、プラグ3の等径部32との間にて形状修正され
て素管4′となる。
【0029】図2は、本発明にかかる穿孔圧延機におけ
る管材4の末端近傍での圧延状態を示す断面図である。
図示の如く、プラグ3の先端が管材4の末端を貫通した
状態において、傾斜ロール1,1とプラグ3との間の管
材4は、ゴージ部10,10までの十分な長さ範囲(図中の
A部)にて圧下を受け、この圧下は、管材4の縮径を伴
って行われる。従って、前記管材4には、これの末端が
ゴージ部10,10を通過するまでの間十分な移動力が付与
され、また、ゴージ部10,10の出側は、等径部13,32間
の略一定幅の隙間が生じているのみであり、管材4の末
端の詰まり、所謂、尻詰まりが生じる虞れは殆どない。
そのため、プラグ3の頭部30の先端の半径を、管材4の
外径D1 に対して18%を超える範囲に設定し、肉厚/
外径比が0.2を超える厚肉の素管4′を得ることが可
能となり、得られる素管4′は、等径部13,32間でのリ
ーリング作用により、偏肉の少ない良質なものとなる。
【0030】更に、傾斜ロール1,1の第2拡径部12,
12とプラグ3の縮径部31との間にて管材4に付与される
圧下力Pは、図2に示す如く、プラグ3に管材4の移動
方向と逆向きの分力P1 を加える。この分力P1 の向き
は、管材4の穿孔に伴ってプラグ3の頭部30に加わる力
と逆向きであり、両者が互いの相殺される結果、プラグ
3を支えるマンドレルバー3aに加わる軸方向力は小さ
く、小径のマンドレルバー3aにより、曲がり又は座屈を
伴うことなくプラグ3を支えることができ、プラグ3の
振れ回りに起因する偏肉が少ない良質な素管4′が得ら
れる。
【0031】最後に、本発明に係る穿孔圧延機により実
際に穿孔試験を行った結果について述べる。図3〜図5
は、試験に用いた傾斜ロール1及びプラグ3の形状寸法
を示しており、図3及び図4は、2ロールの穿孔圧延機
での実施例を、図5は、3ロールの穿孔圧延機での実施
例を夫々示している。また、図3と図4との相違は、前
者においては、第1拡径部11の面角α1 と第2拡径部12
との面角α2 とを異ならせた(α1 =3°,α2 =6
°)のに対し、後者においては、面角α1 ,α2とを等
しくした(α1 =α2 =4.5°)ことにある。また、
図6は、比較例として用いた従来の穿孔圧延機における
傾斜ロール1及びプラグ3の形状寸法を示している。
【0032】プラグ3は、スケール処理を施した SNCM6
16製のものであり、該プラグ3を支えるマンドレルバー
3aとしては、25mm又は20mmの外径を有する炭素鋼製の中
実丸棒を用いてある。図3〜図5に示す本発明に係る穿
孔圧延機において、プラグ3の最大径Dは、30mm又は40
mmであり、またプラグ3の頭部30の長さLは、図3にお
いては18〜25mm、図4及び図5においては30mm〜35mmと
し、いずれも半径16mmなる半球状の先端を有している。
また、図6に示す従来の穿孔圧延機において、プラグ3
の最大径Dは、30〜42mmであり、半径12mmの先端を有す
る頭部に連続する圧延部の長さL1 は40〜44mm、リーリ
ング部の長さL2 は、30〜36mmである。
【0033】穿孔試験に用いた管材4は、85mm,90mm,
95mm,100mm の外径と1000mmの長さとを有し、1200℃に
加熱されたS45C製の丸ビレットである。傾斜ロール1,
1の傾斜角βは10°とし、両傾斜ロール1,1間の最小
間隔は、図3〜図5に示す本発明に係る穿孔圧延機にお
いては、56〜75mmの範囲で、また図6に示す従来の穿孔
圧延機においては、75〜92mmの間隔で夫々変化させて、
種々の肉厚/外径比を有する素管4′を得るべく穿孔圧
延を行い、その結果を比較した。
【0034】以上の如き穿孔試験の結果、従来の穿孔圧
延機によった場合、特に、最大径が34mm以下のプラグ3
を用いたとき、該プラグ3先端の溶損が著しく、一回の
穿孔試験によりプラグ3の長さが4mm程度短くなり、穿
孔圧延の続行が不可能となったのに対し、本発明に係る
穿孔圧延機によった場合、プラグ3の溶損は殆ど観察さ
れなかった。また、マンドレルバー3aの外径を20mmとし
た場合、従来の穿孔圧延機においては、外径95mm又は 1
00mmなるビレットを用い、肉厚/外径比を0.22以上とな
すべく穿孔圧延を実施したとき、マンドレルバー3aの変
形が確認されたのに対し、本発明に係る穿孔圧延機にお
いては、全ての試験条件下にてマンドレルバー3aの変形
は確認されなかった。これらのことから、本発明に係る
穿孔圧延機の採用により、素管4′の肉厚/外径比の上
限を拡大することができることがわかる。
【0035】図7は、以上の如き穿孔試験の結果を示す
図である。この図は、得られた素管4′の偏肉発生状態
を比較したものであり、横軸は素管4′の肉厚/外径
比、縦軸は偏肉率である。図中○、□及び△は、図3、
図4及び図5に示す傾斜ロール及びプラグを用いた場合
の結果を夫々示し、また●は、図6に示す傾斜ロール及
びプラグを用いた従来の穿孔圧延機による穿孔圧延の結
果を示している。
【0036】本図に明らかな如く、素管4′の偏肉率
(%)は、肉厚/外径比が大きくなるに従って増加する
傾向を示すが、この増加率は、従来の穿孔圧延機を用い
た場合に著しく、穿孔限界とされている肉厚/外径比が
0.24であるときの偏肉率は10%を超えるのに対し、本発
明に係る穿孔圧延機を用いた場合、肉厚/外径比が0.24
であるときの偏肉率は5%以下であり、従来の穿孔限界
を大きく上回る0.32なる肉厚/外径比を有する素管4′
であっても、 7.5%以下の偏肉率にて実現することがで
きる。このように本発明に係る穿孔圧延機の採用によ
り、肉厚/外径比が大きい素管4′を偏肉を伴うことな
く製造し得ることが明らかとなった。
【0037】なお以上の実施例において、傾斜ロール
1,1の第2拡径部12の面角α2 は、これに整合するプ
ラグ3の縮径部31の面角θと略等しくしてあるが、該面
角α2は、傾斜ロール1,1の傾斜角βを含んでパスラ
インX−Xを含む断面内に現出する角度が縮径部31の面
角θよりも大きくなり、第2拡径部12と縮径部31との間
にて管材4に圧下を加え得る範囲にあればよく、縮径部
31の面角θよりもわずかに小さい角度から、適宜に大き
い角度までの角度範囲内にて適宜に設定することができ
る。
【0038】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る穿孔圧延
機においては、管材の移動方向に外径を減じる縮径部を
半球状の穿孔端を有する頭部に連続して備えるプラグ
と、前記縮径部と整合する範囲に拡径部を備える傾斜ロ
ールとを用い、両者間にて穿孔後の管材が縮径しつつ圧
下される構成としたから、尻詰まりの発生、プラグ先端
部の溶損、及びプラグを支えるマンドレルバーの変形を
招くことなく肉厚/外径比が大きい素管の穿孔圧延が安
定して実施できるようになり、例えば、中空軸の素材と
して用いられる厚肉の継目無管を、後続する圧延工程の
工程増加を伴うことなく製造でき、製造設備の簡素化及
び製造コストの低減に寄与できる等、本発明は優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穿孔圧延機による穿孔圧延の実施
状態を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる穿孔圧延機における管材の末端
近傍での圧延状態を示す断面図である。
【図3】穿孔試験に用いた傾斜ロール及びプラグの形状
寸法を示す図である。
【図4】穿孔試験に用いた傾斜ロール及びプラグの形状
寸法を示す図である。
【図5】穿孔試験に用いた傾斜ロール及びプラグの形状
寸法を示す図である。
【図6】比較例として用いた従来の穿孔圧延機の傾斜ロ
ール及びプラグの形状寸法を示す図である。
【図7】穿孔試験の結果を示す図である。
【図8】従来の穿孔圧延機の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図9】従来の穿孔圧延機による穿孔圧延の進行状態の
説明図である。
【図10】従来の穿孔圧延機における尻詰まりの発生挙
動の説明図である。
【符号の説明】
1 傾斜ロール 3 プラグ 3a マンドレルバー 4 管材 4′ 素管 10 ゴージ部 11 第1拡径部 12 第2拡径部 30 頭部 31 縮径部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パスラインに沿わせた中実の管材を、該
    パスラインの回りに並設された複数の傾斜ロールに噛み
    込ませ、これらの回転により軸方向に螺進移動させる間
    に、この移動方向の前側から貫入するプラグにより軸心
    部に穿孔し、該プラグと前記傾斜ロールとの間にて所定
    の圧下を加えて中空の素管を製造する穿孔圧延機におい
    て、前記プラグは、半球状の先端を有する頭部と、該頭
    部に連続し、その外径を略直線的に減じる縮径部と、該
    縮径部に連続し、略一定の外径を有する等径部とを、前
    記移動方向にこの順に備え、前記複数の傾斜ロール同士
    が前記パスラインを含む断面内にて最も接近する位置
    に、前記縮径部と前記等径部との境界部分を略整合させ
    て配してあり、前記傾斜ロールは、少なくとも前記プラ
    グの縮径部と整合する範囲に、前記移動方向に向けて外
    径を増す拡径部を備えることを特徴とする穿孔圧延機。
JP7102597A 1995-04-26 1995-04-26 穿孔圧延機 Pending JPH08294712A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007066631A1 (ja) * 2005-12-07 2007-06-14 Sumitomo Metal Industries, Ltd. 穿孔機に用いられるプラグ

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JP4661869B2 (ja) * 2005-12-07 2011-03-30 住友金属工業株式会社 穿孔機に用いられるプラグ

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