JP2586772B2 - 熱間継目無鋼管の傾斜延伸圧延方法 - Google Patents

熱間継目無鋼管の傾斜延伸圧延方法

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JP2586772B2 JP4056465A JP5646592A JP2586772B2 JP 2586772 B2 JP2586772 B2 JP 2586772B2 JP 4056465 A JP4056465 A JP 4056465A JP 5646592 A JP5646592 A JP 5646592A JP 2586772 B2 JP2586772 B2 JP 2586772B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間継目無鋼管の製造
に使用される傾斜延伸圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な熱間継目無鋼管の製造法である
マンネスマン製管法、特にマンネスマン・プラグミル製
管法においては、加熱炉で加熱したビレットをマンネス
マン穿孔機で穿孔し中空シェルをつくる。この工程にお
いては、例えばビレットの偏熱により大きな偏肉が発生
する。穿孔機の次にいわゆる第二穿孔機すなわちロータ
リエロンゲータが配置されている場合には、穿孔機で発
生した大きな偏肉が、ロータリーエロンゲータによる傾
斜延伸圧延で矯正される。
【0003】ロータリーエロンゲータは、N個(N≧
2)のロールとプラグで構成される。2ロール・ロータ
リーエロンゲータとは、2個のロールと2個のガイドシ
ューとで構成される傾斜延伸圧延機である。図1に、2
ロール・ロータリーエロンゲータの概略構成を示す。
【0004】2個のロール1,1は、パスラインzの両
側に設けられ、パスラインz上に配置されたプラグ2と
の間で、中空管3を延伸圧延する。圧延中の材料は、上
下一対のガイドシュー4,4により保持される。ロール
1,1は、中心軸に対する角度が異なる2つの周面を組
み合わせた形状とされ、ロールゴージと呼ばれるロール
1,1間の隙間が最も小さい部分5を、圧延プロセスの
中間に位置させるようになっている。ロール中心のパス
ラインzに対する水平方向の角度γは交叉角(Toe
Angle)と呼ばれる。交叉角γを必要としない図2
の如きロールも使用される。
【0005】ロール1,1は又、水平面に対して異なる
方向へ5〜12度の角度で傾斜されている。この角度F
は傾斜角(Feed Angle)と呼ばれる。ロール
1,1に傾斜角Fを与えることにより、材料に回転力と
パスラインz方向の推進力が与えられる。その結果、材
料の任意の1点は、螺旋状に回転しながら上流側から下
流側へロール1,1とプラグ2の隙間を何回か通過して
肉厚が減少しながら延伸されて行く。3aは圧延前の材
料、3bは圧延後の材料である。
【0006】図3(a)にロータリーエロンゲータによ
る傾斜延伸圧延の状況を平面図により詳示する。また、
図3(b)にはパスラインzの方向におけるロール1,
1の間隙Gの分布G(z)を例示し、図3(c)には、
パスラインzの方向におけるロール1とプラグ2の間隔
gの分布g(z)を例示する。
【0007】プラグの形状は、ロールの形状に合わせ、
圧延の最も下流側にロールとプラグの間隙が一定である
部分が存在するように設計される。このロールとプラグ
の隙間が一定である長さLrの部分をリーリング部と呼
んでいる。材料の全ての部分がこのリーリング部を通過
するようにすることによって、ロータリーエロンゲータ
で新たな偏肉が発生しないようにしている。むろんロー
ルとプラグの間隙が一定といっても実用上問題のない程
度の偏肉を発生させる程度のロールとプラグの間隙の変
動は許される。
【0008】図3(d)に、材料が螺旋状に半回転した
ときの肉厚圧下率Rt(z)を示す。Rt(z)は下記
の式(9)により表わされる。
【0009】 Rt(z)={t(z−δz)−t(z)}/t(z−δz)・・・(9) t(z):z位置での肉厚 δz(z):半回転での材料のz方向の進み量
【0010】もし、ロータリーエロンゲータの工具形状
及び/または設定が適切でない場合、例えばプラグのリ
ーリング部が全く存在しないような場合には、むしろロ
ータリーエロンゲータで新たな偏肉を発生させることに
より、ロータリーエロンゲータで偏肉が矯正されないば
かりか、かえって偏肉を大きくする危険すらある。
【0011】また、穿孔機で穿孔されたシェル内面に生
成される酸化スケールがロータリーエロンゲータでプラ
グと材料の間に噛み込まれて材料内面に押し込み疵をつ
くることが知られている。
【0012】そして、ロータリーエロンゲータでの偏肉
を改善する技術としては、例えば、塑性と加工(VO
L.26,NO.299,P.1175,1985年1
2月)で提案された、厚肉(肉厚外径比T/D=22.5
%)に穿孔したシェルをロール間隔とガイドシュー間隔
を小さくして圧延する方法がある。
【0013】ロータリーエロンゲータでの内面疵を防止
する方法としては、シェル内面を黒鉛等の熱間潤滑剤を
用いて潤滑する方法がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案の偏肉改善技術では、薄肉(肉厚外径比T/D=12.
5%程度)に穿孔されたシェルをロータリーエロンゲー
タで圧延するさいの改善効果が十分でない。即ち、材料
が圧下される際に、厚肉の材料では肉厚の薄い部分は減
肉が少なく、肉厚の厚い部分で減肉が大きくなり、結果
として偏肉が小さくなる。しかし、材料は本質的に周方
向に流れやすく肉厚方向に流れにくく、薄肉の材料では
肉厚の絶対値が小さく肉厚減少の差が小さいため、偏肉
改善の効果は小さい。さらに言えば、この技術は、既存
の大きな偏肉を改善する技術であって、偏肉が小さい場
合にさらに偏肉を改善するものではなく、あらたに偏肉
をつくらないことを保証する技術でもない。
【0015】また、従来の内面疵防止策については、シ
ェル内面を黒鉛で潤滑すると浸炭を起こすため、浸炭が
許されない仕様の継目無鋼管の製造時には使用できない
制約がある。更に、潤滑剤を用いると一般にプラグ寿命
が低下するという問題点も知られている。
【0016】本発明の目的は、偏肉を効果的に抑える継
目無鋼管の傾斜延伸圧延方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、偏肉を抑え、且つ、内面疵の発生を
抑える熱間継目無鋼管の傾斜延伸圧延方法を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の圧延方法
は、内面側にプラグを位置させた状態で中空管をN個
(N≧2)のロールで延伸圧延する傾斜伸圧延法におい
て、プラグと材料が接触する部分のパスライン方向の長
さLtが Lt≧6・π・D1SIN(F)・η/N ・・・(1) となり、かつ、プラグのリーリング部のパスライン方向
の長さLrが Lr≧π・D1SIN(F)・η/N ・・・(2) となるようにするとともに、リーリング部の面角αPと
ロールの実効面角αRとの関係が αR≦αP≦αR+0.25(deg.) ・・・(3) を満足するようにしたことを特徴とする。 但し、η :前進効率 D1:傾斜延伸圧延後の材料の外径 F :ロール傾斜角(Feed Angle)
【0018】本発明の第2の圧延方法は、内面側にプラ
グを位置させた状態で中空管をN個(N≧2)のロール
で延伸圧延する傾斜伸圧延法において、プラグが凸な曲
線または/及び直線を回転させてできた曲面または/及
び円錐面で構成される形状であり、プラグと材料が接触
する部分のパスライン方向の長さLtが Lt≧6・π・D1SIN(F)・η/N ・・・(1) となり、かつ、プラグのリーリング部のパスライン方向
の長さLrが、 Lr≧π・D1SIN(F)・η/N ・・・(2) となるようにするとともに、リーリング部の面角αPと
ロールの実効面角αRとの関係が αR≦αP≦αR+0.25(deg.) ・・・(3) を満足するようにし、更に、材料がプラグと接触を開始
する位置がロールゴージ後方となり、かつ材料がプラグ
と接触を開始する位置とロールゴージとのバランスライ
ン上の距離Lsが 0<Ls≦π・D1SIN(F)・η/(N・e)・・・(4) となるようにしたことを特徴とする。 但し、η :前進効率 D1:傾斜延伸圧延後の材料の外径 F :ロール傾斜角(Feed Angle) e :傾斜延伸圧延機での延伸比
【0019】
【作用】本発明の第1の圧延方法および第2の圧延方法
は、式(1)、式(2)、式(3)を共有する。これら
の式は、偏肉の少ない熱間継目無鋼管を製造するための
条件であり、図4、図5、図6に示す実験結果から導き
出された。
【0020】図4は肉厚圧下回数が偏肉に及ぼす影響を
表わし、図5はリーリング回数が偏肉に及ぼす影響を、
肉厚圧下回数をパラメータとして表わしたものである。
【0021】肉厚圧下回数とは、材料とプラグを接して
いるパスライン方向zの長さLtの区間で、材料が1/
N回転(図はN=2で半回転)に1回の割合で肉厚加工
を受ける回数である。また、リーリング回数とは、プラ
グのリーリング部のパスライン方向zの長さLrの区間
で、材料がロールとプラグの間を通過する回数で、これ
も1/N回転(図はN=2で半回転)に1回の割合とな
る。
【0022】傾斜圧延では、材料が傾斜ロールからパス
ライン方向の移動と周方向の回転とを与えられる。その
結果、材料の1点は螺旋状に回転しながら圧延機の入側
から出側へロールとプラグの隙間を何回か通過して肉厚
が減じられて行く。したがって、偏肉がない熱間継目無
鋼管をつくるためには、材料のすべての点が肉厚圧下を
受け、且つ、最終的に通過するロールとプラグの間隙が
同じ大きさでなければならない。即ち、リーリング部
は、1回以上のリーリング回数を確保できるパスライン
方向の長さを必要とする。この条件を表したのが式
(2)である。式中、π・D1・SIN(F)・η/N
は、材料が1/N回転で前進する距離である。ここで、
前進効率ηは、例えば実験により式(5)で求める。
【0023】 η=V1/{π・DR ・NR ・SIN(F)/60}・・・(5) 但し、DR :ロールの代表径 NR :ロールの回転数(rpm)
【0024】本発明の特徴となる新しく発見された事実
は、材料とプラグが接しているパスライン方向の長さL
tの区間での肉厚圧下が、十分な回数、すなわち式
(1)を満足する回数であれば、リーリング回数は原理
上満足すべき回数、すなわち1回で十分であると言うこ
とである。
【0025】一方、図6は、リーリング部の中央Zrで
のリーリング部面角αP とロール実効面角αR との偏差
が、偏肉改善効果に及ぼす影響を表わしている。ロール
実効面角αP は、圧延する状態にロールを設定したとき
のロール間隔Gの軸方向分布G(z)を用いて、式
(6)で定義される。実験の結果、大きな偏肉を作らな
いためには、図6に示すように、プラグにリーリング面
角とロール実効面角との間に、式(3)の関係を満足さ
せる必要があることが判明した。
【0026】 αR (z)=TAN-1{0.5・(G(z)−G(z−Δz))/Δz} ・・・(6) Δz:微小長さ
【0027】本発明の第1の圧延方法は、式(1)、式
(2)、式(3)を規定することにより、偏肉を抑え
る。
【0028】次に、本発明の第2の圧延方法が使用する
式(4)について説明する。式(4)は、内面疵の発生
を抑える条件である。従って、本発明の第2の圧延方法
は、偏肉を抑え、且つ、内面疵の発生を抑える。
【0029】図7は材料が1/N回転(図はN=2で半
回転)したときの肉厚圧下率Rtのパスライン方向分布
Rt(z)と、材料がプラグに接触する接触弧の長さの
パスライン方向分布を示す。1/N回転での肉厚圧下率
Rtが大きくなると、材料とプラグの周方向接触弧長が
大となる。プラグ全周長に対する接触部分の弧長が大き
くなると、材料熱負荷がその接触部分で大きくなる。そ
の結果、接触部分でのプラグ表面温度が高くなり、プラ
グ損傷が激しくなると共に、内面疵発生の原因となる。
【0030】式(4)はゴージより上流で材料がプラグ
と接触せず(左辺)、ゴージ下流では材料が1/N回以
上プラグと接触せずにロールのみで回転させられない
(右辺)と言う条件を示している。
【0031】凸形状の曲線及び/または直線z軸のまわ
りに回転させてできる曲面で構成されている場合には、
肉厚圧下の開始位置をロールゴージの上流側(圧延機入
側)に設定すると、ゴージでの肉厚圧下をある値以下に
下げることが幾何学的に不可能になる。これを図8に模
式的に示す。
【0032】すなわち、もし材料がゴージ上流側でプラ
グと接触すれば、ゴージ位置における1/N回転の肉厚
圧下量が最も小さくなるのは、リーリング開始位置と材
料がプラグに当り始める位置を結んだ直線をz軸周りに
回転させてできる曲面で構成されたプラグの場合であ
る。ロールのゴージより出側は、下流側に行くほどパス
ライン(z軸)との距離G(z)/2が大きくなって行
くため、プラグ表面とのz軸の距離p(z)との間に式
(7)が成立している必要がある。従って、p′(z)
に制約があるためゴージでの肉厚圧下のピークを下げる
のに限界があることになる。
【0033】 G′(z)/2<p′(z) ・・・(7)
【0034】しかるに式(4)の左辺を満足する場合に
は、材料がゴージ下流側でプラグと接触を開始するた
め、式(7)の制約は受けない。プラグの隙間g(z)
に対し、式(8)の関係があれば良く、プラグの接線角
p′(z)には制約がなく、無限のロール長さ、無限の
プラグ長さが許されれば、G′(z)/2=p′(z)
のプラグ、すなわち厚肉圧下率0のプラグが可能とな
る。
【0035】 g′(z)<0 ・・・(8) 但し、g(z)=G(z)/2−p(z)
【0036】しかし現実には、ロールの長さは全長で6
00〜1000mm程度であり、プラグ長さもロールの
長さ以上に長くすることができないが、それでも式
(4)を満足するプラグの肉厚圧下量のピークは、従来
技術で使用されるプラグの場合の1/2程度となる。
【0037】本発明の第2の圧延方法では、式(4)を
規定したことにより、図9に示すように、プラグによる
肉厚圧下開始位置がロールゴージの下流側とされ肉厚圧
下が部分的に集中しなくなり、プラグと材料の周方向の
接触長さが小さくなってプラグ熱負荷が部分的に集中し
なくなってプラグ寿命が延び、内面疵の発生が抑えられ
る。
【0038】ここで、式(4)の右辺を満足せず、Ls
>π・D1・SIN(F)・η(N・e)となる場合に
は、肉厚圧下率の最大値は下げることが可能であるが、
材料がロールにあたってからプラグによって肉厚圧下が
開始するまでの軸方向距離が極端に長くなるため、噛み
込み時に素管先端がプラグに当たる前に座屈し変形し、
ロールによってプラグに噛み込ませることが不可能にな
り、噛込不良が発生しやすくなる。また、プラグに材料
が接触せず肉厚加工が行われない状態でロールのみによ
って繰り返し外径を抑え込まれると、材料先端が縮径し
外径と内径が小さくなり、プラグに材料先端が当り始め
る時に材料がロールに十分接触しない状態となる。その
結果、ロールから受ける推進力が不充分となり、プラグ
に材料が押し戻されて噛み込み不良が発生する。
【0039】また式(4)を満足していたとしても、式
(1)を満足していない場合には、肉厚圧下率は十分に
は下がらない。
【0040】なお、図9に示すような肉厚圧下分布は、
必ずしも式(4)を満足するプラグ形状である必要はな
く、図10に示したようなロールの凸形状に合わせた凹
形状のプラグ形状にすれば肉厚下率の最大値を小さくす
ることができる。
【0041】しかし、このような凹形状プラグでは、ロ
ールの凸形状に合わせてプラグの軸方向の設定位置を固
定しなければ、目的とする肉厚圧下パターンは得られな
い。凹形状のプラグで、プラグの軸方向設定位置を変動
させると、図10に併記したような異常な肉厚圧下パタ
ーンとなり、内面疵、外面疵発生原因となり極端な場合
には圧延不能となる。
【0042】実操業ではプラグ位置を変動させることが
頻繁に行われるため、凹形状のプラグ実用的ではない。
このようなプラグ設定位置の変動の理由としては、噛み
込み性向上、尻抜性向上、同一プラグの他サイズへの適
用などがある。
【0043】式(4)を満足するプラグ、例えば図9の
プラグは、凸形状の滑らかな曲線で構成され、しかも肉
厚圧下率の最大値は図7のプラグと同等である。図9の
プラグは、滑らかな曲線で構成されているためプラグの
軸方向設定位置を変動させても肉厚圧下率パターンが大
きく変化することがなく操業上問題がない。実操業時に
想定される設定位置の変動範囲の中で式(4)を常に満
足させるような形状であることが望ましいのは当然であ
る。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0045】ピアサで得たシェルを2ロール・ロータリ
ーエロンゲータにより内面潤滑なしで熱間傾斜延伸圧延
するにあたり、3種類の製造条件を適用した。材料は、
いずれもJIS STH12(0.35%C,0.2%S
i,1.55%Mn)とした。各条件につき、350本の
圧延を行ない、それぞれの偏肉、内面粗さおよび内面疵
を調査した。製造条件および調査結果を表1および表2
に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】いずれの条件でも、肉厚外径比T/Dは1
1.7%となり、6・π・D1・SIN(F)・η/2は
464mm、π・D1・SIN(F)・η/2は77.4
mm、αR は3.8度、αR +0.25(deg.)は4.0
5度、π・D1・SIN(F)η/(N・e)は46.3
mmとなる。
【0049】条件Aでは、式(1)〜(3)および
(4)の関係が満足されないので、偏肉が大きく、内面
疵の発生率も高い。条件Bでは、式(1)〜式(3)の
関係が満足されるので、シェルが薄肉(T/D=11.7
%)であるにもかかわらず、偏肉が大幅に軽減される。
条件Cでは、更に式(4)も満足されるので、内面疵の
発生も従来の約1/3となり、プラグ寿命が約50%向
上した。なお、条件Bで式(4)が満足されていないに
もかかわらず若干の内面疵防止効果が得られるのは、プ
ラグと材料の接触長さが長いため、従来の方法に比べて
1/N回転時の肉厚圧下率が小さくなるからである。
【0050】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の傾斜延伸圧延方法は、薄肉に穿孔された中空管
に対しても充分な偏肉防止効果を示す。また、内面疵の
低減、プラグ寿命の向上についても若干の効果を有す
る。本発明の第2の傾斜延伸方法は、優れた偏肉抑止効
果に加え、優れた内面疵低減効果およびプラグ寿命向上
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】2ロール・ロータリーエロンゲータの概略構成
を示す3図面である。
【図2】ロータリーエロンゲータに使用される他のロー
ルの説明図である。
【図3】ロータリーエロンゲータによる圧延の説明図で
ある。
【図4】式(1)の根拠となる実験データの図表であ
る。
【図5】式(2)の根拠となる実験データの図表であ
る。
【図6】式(3)の根拠となる実験データの図表であ
る。
【図7】従来技術での圧延状況の説明図である。
【図8】式(4)の解説図である。
【図9】式(4)を適用した場合の圧延状況の説明図で
ある。
【図10】好適とは言えないプラグの説明図である。
【符号の説明】
1 ロール 2 プラグ 3 中空管 4 ガイドシュー 5 ロールゴージ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面側にプラグを位置させた状態で中空
    管をN個(N≧2)のロールで延伸圧延する傾斜延伸圧
    延方法において、プラグと材料が接触する部分のパスラ
    イン方向の長さLtが Lt≧6・π・D1SIN(F)・η/N ・・・(1) となり、かつ、プラグのリーリング部のパスライン方向
    の長さLrが Lr≧π・D1SIN(F)・η/N ・・・(2) となるようにするとともに、リーリング部の面角αPと
    ロールの実効面角αRとの関係が αR≦αP≦αR+0.25(deg.) ・・・(3) を満足するようにしたことを特徴とする熱間継目無鋼管
    の傾斜延伸圧延方法。 但し、η :前進効率 D1:傾斜延伸圧延後の材料の外径 F :ロール傾斜角(Feed Angle)
  2. 【請求項2】 内面側にプラグを位置させた状態で中空
    管をN個(N≧2)のロールで延伸圧延する傾斜延伸圧
    延方法において、プラグが凸な曲線または/及び直線を
    回転させてできた曲面または/及び円錐面で構成される
    形状であり、プラグと材料が接触する部分のパスライン
    方向の長さLtが Lt≧6・π・D1SIN(F)・η/N ・・・(1) となり、かつ、プラグのリーリング部のパスライン方向
    の長さLrが Lr≧π・D1SIN(F)・η/N ・・・(2) となるようにするとともに、リーリング部の面角αPと
    ロールの実効面角αRとの関係が αR≦αP≦αR+0.25(deg.) ・・・(3) を満足するようにし、更に、材料がプラグと接触を開始
    する位置がロールゴージ後方となり、かつ材料がプラグ
    と接触を開始する位置とロールゴージとのバランスライ
    ン上の距離Lsが 0<Ls≦π・D1SIN(F)・η/(N・e)・・・(4) となるようにしたことを特徴とする熱間継目無鋼管の傾
    斜延伸圧延方法。 但し、η :前進効率 D1:傾斜延伸圧延後の材料の外径 F :ロール傾斜角(Feed Angle) e :傾斜延伸圧延機での延伸比
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