JPH0817330A - 電界放出型電子源およびその製造方法 - Google Patents

電界放出型電子源およびその製造方法

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JPH0817330A
JPH0817330A JP16375594A JP16375594A JPH0817330A JP H0817330 A JPH0817330 A JP H0817330A JP 16375594 A JP16375594 A JP 16375594A JP 16375594 A JP16375594 A JP 16375594A JP H0817330 A JPH0817330 A JP H0817330A
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JP
Japan
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etching
forming
etching mask
micro
dimensional structure
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Application number
JP16375594A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Hori
義和 堀
Keisuke Koga
啓介 古賀
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サブミクロンの微小なゲート口径をもつ電界
放出型電子源を提供する。 【構成】 シリコン基板1の(100)表面の酸化シリ
コン膜2を、フォトリソグラフィにより径が約1ミクロ
ンの円盤状の酸化シリコン膜に加工した後、酸化シリコ
ン膜の表面と周辺部にウェットエッチングを施し、径が
約0.3ミクロンの微小エッチングマスク5を形成す
る。マスク5を介してドライエッチングすることにより
円柱状立体構造6aを形成し、さらに異方性エッチング
により微小立体構造6を形成する。その後、微小立体構
造の上面を蒸着マスクとして微小立体構造の周辺部に絶
縁物8、金属層9を付着し、口径が約0.3ミクロンの
ゲ−ト電極を形成する。最後に微小立体構造6の上部を
除去し、エミッタ先端部の急峻な電界放出型電子源を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線励起のレーザ、
平面型の固体表示素子、超高速の微小真空素子等への応
用が期待される冷電子源に係わり、特に集積化および低
電圧化が実現可能な電界放出型陰極(エミッタ)または
電子源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体の微細加工技術の進展により、微
小電界放出型陰極の形成が可能となった。そして、スピ
ントらはコーン型の電界放出型陰極を試作し、微小電界
放出型電子源が注目されるに至っている(参考文献1:
C. A. Spindt, J. Appl. Phys.Vol.47, p.5248 (197
6))。
【0003】スピントの提案した電界放出型陰極の構造
および作成方法を従来例として図13に示す。(a)導
電性基板(シリコン)401上に絶縁層402、ゲート
となる金属403を成膜する。金属膜403、絶縁層4
02に円形の小孔404を通常のフォトリソプロセスで
形成する。(b)次にアルミナ等の犠牲層405を基板
401に対して浅い角度で蒸着する。この工程によりゲ
ートの口径は縮小するとともにゲート電極膜は犠牲層4
05に覆われる。(c)その後モリブデン等のエミッタ
となる金属406を基板に対して垂直に蒸着する。ゲー
ト口は蒸着とともに小さくなるので孔の内部に円錐形の
エミッタ(陰極)407が形成できる。(d)そして、
犠牲層のエッチングによるリフトオフ法により不要の金
属を除去する。この素子は、エミッタ407の先端40
8からゲート電極403によって電子を真空中に引出
し、別途エミッタに対向して設置されたアノード電極
(陽極)で受けることで動作する。
【0004】一方、グレイらはシリコン基板を用い、そ
の異方性エッチングを利用してエミッタ形状の制御が比
較的容易なコーン型の電界放出型陰極を提案した(参考
文献2:H. F. Gray et al., IEDM Tech. Dig. p.776,
(1986))。
【0005】第2の従来例として、グレイらの提案した
電界放射陰極およびその作製方法を図14に示す。
(a)導電性基板(シリコン)411の(100)面上
に酸化シリコン膜412を成膜する。(b)次に酸化シ
リコン膜を通常のフォトリソプロセスで円形のマスク4
13に加工する。(c)そののち異方性エッチングによ
りマスクの下部のシリコン結晶を円錐形状414に加工
する。この異方性エッチングによりエッチング速度の遅
い(111)結晶面が基板表面の(100)面に対して
傾斜して表れ、陰極先端部417を急峻化する。また、
さらに陰極先端部417を急峻化するために、熱酸化に
よる酸化膜を形成する方法も提案されている。(d)そ
してマスクを介して円錐形状部の周辺部に絶縁層415
とゲート電極金属416を堆積する。この時、円形マス
ク413が蒸着マスクとなり、円錐の側面には絶縁層と
ゲート電極金属は堆積されない。(e)最後にマスクを
除去し引出し電極をつけて、電界放出型陰極を作製する
ものである。
【0006】シリコン基板を用いる別の方法として、別
井は、より急峻な陰極先端部を実現するために、サイド
エッチングの生じる条件でのシリコンのドライエッチン
グと熱酸化を組み合わせる方法を提案した(参考文献
3:K.Betui, Tech Digest IVMC'91, 26 (Nagahama 19
91)。
【0007】別井の提案した電界放出型陰極およびその
作製方法を図15に示す。(a)シリコン基板431の
表面に酸化シリコン膜432を成膜する。(b)次に酸
化シリコン膜を通常のフォトリソプロセスで円形のマス
ク433に加工する。(c)そしてサイドエッチングの
生じる条件でドライエッチングを行いほぼ垂直な面43
4を形成しマスクが残っている条件でエッチングを終了
する。次に熱酸化により酸化シリコン膜435が形成さ
れ、内側にシリコンの非常に鋭い先端436が形成され
る。(d)その後、マスクを介して陰極部の周辺部に絶
縁層437とゲート電極金属438を堆積する。(e)
最後にマスクを除去し引出し電極を構成し、電界放出型
陰極を作製するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの電界放出型電
子源はエミッタの構造がピラミッド型またはコーン型の
構造をしており、この電界放出型の電子源においてはゲ
ート電極に開けられた穴の径が電流密度や動作電圧に影
響を与えるのでできるだけ小さな径が望ましいことが知
られている。ところが、従来の作成方法においては光露
光による微細加工技術で形成されるエッチングマスクの
径でゲート電極に開けられた穴の径が決定されるため
に、約1μmが限界であった。これ以下の径を得るため
には、電子ビーム露光やX線露光法等を使用しなければ
ならなかった。また、ピラミッド型またはコーン型の形
状よりもタワー型の構造の方がエミッタ先端部における
電界強度が強く、動作電圧を低減させることが可能であ
ることが知られている。ところが、従来はタワー型のエ
ミッタ構造を再現性よく実現する手段がなく、低電圧動
作の電子源の実現は困難であった。
【0009】本発明は、従来の欠点を克服し、通常のフ
ォトリソグラフィー法を用いてゲート口径の微小な電子
源、およびタワー型のエミッタ構造を有する電界放出型
の電子源の製造方法およびその製造方法により製造され
る電子源を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法は、
まず導電性基板または表面に導電性媒体が形成された基
板の表面に形成された被覆層をリソグラフィー法により
形成したエッチングマスクを用いて特定の形状にパター
ニングする。次にこのエッチングマスクを除去した後ま
たはこのエッチングマスクを介して被覆層にエッチング
を施すことにより前記特定形状に比較して微小な形状を
有する被覆層でなる微小エッチングマスクを形成する。
以上の工程を微小マスク形成工程と呼び、この工程によ
り光露光による微細加工技術(フォトリソグラフィ)の
限界をこえたサブミクロンの微小エッチングマスクを形
成することができる。
【0011】次に前記微小エッチングマスクを介して基
板にエッチングを施すことによりマスクで保護されてい
ない基板の表面をエッチングし、柱状もしくはついたて
状の立体構造を形成する。その後、この立体構造の側面
部をエッチングし、エッチングマスクの径もしくは幅よ
りもさらに微小な寸法を一部に有する微小立体構造を形
成する(微小立体構造形成工程)。その後、前記微小エ
ッチングマスクを介して基板表面に絶縁物およびゲート
となる導電物を付着し(ゲート形成工程)ゲート電極に
開けられた穴の径が1.0μm以下のゲートを形成す
る。
【0012】最後に、前記微小立体構造の側面にエッチ
ングを施して前記微小立体構造の最小径または最小幅を
減少させることにより前記微小エッチングマスクと微小
エッチングマスクの下に付着した微小立体構造の一部、
および微小エッチングマスクの上部に付着した絶縁物お
よび導電物を除去し、急峻な先端部を有するエミッタと
その周辺部に微小なゲート開口径または開口幅を有する
ゲートを形成し(エミッタ形成工程)、低電圧で作動す
る電界放出型電子源を製造する。
【0013】本発明の第2の方法は、基板表面に円盤状
または多角形状のエッチングマスクを形成し、さらにエ
ッチングマスクで被覆されていない基板表面をエッチン
グすることにより、エッチングマスクの周辺境界部に表
面に対して垂直な段差を形成し、基板表面に円柱または
多角柱状もしくはついたて状の構造をまず形成する(立
体構造形成工程)。
【0014】エッチングマスクを除去した後、前記円柱
または多角柱状の構造の上面および側面を含む面をエッ
チングし、前記円柱または多角柱の径よりも小さな径を
有する円柱または多角柱状の微小構造を形成する(微小
構造形成工程)。この工程により光露光による微細加工
技術の限界をこえたサブミクロンの径を有する微小構造
を形成することができる。
【0015】次に前記微小構造の上面および基板表面に
保護層を付着(保護層付着工程)した後、前記微小構造
の側面にエッチングまたは熱処理を施すことにより、前
記保護膜の下に先端部の急峻な構造を有する微小構造陰
極を形成する。その後、保護層を蒸着マスクとして微小
構造陰極の周辺部にゲート電極となる金属層を含む層を
付着する(ゲート形成工程)。
【0016】最後に保護層およびそれに付着した金属を
含む層を除去し、前記微小構造陰極を露出し(エミッタ
形成工程)低電圧で作動する電界放出型電子源を製造す
る。
【0017】本発明の第3の方法は、まずシリコン基板
の(100)面上に形成された島状のエッチングマスク
を介してエッチングを施すことにより、該エッチングマ
スクの周辺部またはその近傍に基板表面に対してほぼ垂
直な段差を形成するとともに、前記エッチング保護マス
クの形状に対応する底面形状を有する柱状構造を形成す
る。次に前記段差部の表面、すなわち柱状構造の側面に
(100)面に比較して(111)面もしくは(33
1)面のエッチング速度が遅い異方性エッチングを施
す。この異方性エッチングにより柱状構造の側面に中央
部に向かう(111)面もしくは(331)面を形成
し、前記エッチング保護マスクの下に接続部を挟んでそ
の頂点を下とする上部構造と、頂点を上とする下部構造
が互いに向かい合う対構造が形成される(対構造形成工
程)。
【0018】次に熱酸化により前記対構造の表面に酸化
シリコン層を形成し、上部構造と下部構造を酸化シリコ
ン膜で分離するとともに、前記接続部の近傍に急峻な先
端形状を有するシリコン構造を形成する。
【0019】さらに基板表面に対して傾斜した複数の方
向から蒸着を施し、表面が酸化シリコン膜で構成された
下部構造の表面に直接、または絶縁膜を介してゲートと
なる金属膜を付着する(ゲート形成工程)。
【0020】最後に前記接続部近傍の酸化シリコン層を
選択エッチングすることにより、保護膜、絶縁膜および
金属膜がその上面に付着した上部構造を下部構造から分
離除去するとともに、先端の急峻なシリコン陰極を形成
(エミッタ形成工程)して、低電圧で作動する電界放出
型電子源を製造する。
【0021】以上述べたように、本発明はフォトリソグ
ラフィー法による限界をこえた開口径または開口幅を有
するゲート電極を急峻な先端部を有するエミッタの周辺
部に絶縁して形成し、低電圧で作動する電界放出型電子
源を提供するものである。また本発明によればエッチン
グマスクの下に、その径または幅よりも小さな径または
幅を有する立体構造を形成した後、さらに垂直方向にエ
ッチンングを施して柱状構造を形成し、その後その側面
をエッチングすることにより急峻な先端部を有するタワ
ー状構造のエミッタも形成することができる。
【0022】
【作用】本発明は、まずフォトリソグラフィー法により
通常の大きさのエッチングマスクを基板表面に作製す
る。次にウェットエッチングによりこのマスクの周辺部
をエッチングし、フォトリソグラフィー法による限界を
こえた微小エッチングマスクを形成する。この微小エッ
チングマスクを利用して微小な開口径または開口幅を有
するゲート電極を急峻な先端部を有するエミッタの周辺
部に絶縁して形成し、低電圧で作動する電界放出型電子
源を提供することができる。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0024】(実施例1)本発明の第1の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図1に示す。 (a)シリコンの結晶基板1の(100)表面に熱酸化
法により酸化シリコン膜2を形成し、さらにその表面を
フォトレジスト3で被覆する。 (b)次にフォトリソグラフィー法により約1μmの径
を有する円盤状のエッチングマスク4を形成する。 (c)ドライエッチング法により本エッチングマスクの
周辺部の酸化シリコン膜を除去し、エッチングマスクの
下にほぼ同等の径を有する酸化シリコンの円盤構造5a
を形成する。 (d)エッチングマスクが付着した状態で、酸化シリコ
ンの円盤構造5aの側面部にウェットエッチングを施す
ことにより酸化シリコンの円盤構造の径を縮小させる。 (e)その後エッチングマスクを除去することにより、
約0.3μmの微小径を有する円盤状の酸化シリコンでなる
微小エッチングマスク5を形成する。以上の工程を微小
マスク形成工程と呼ぶ。 (f)微小エッチングマスクを介してサイドエッチング
がほとんど生じない条件でドライエッチングすることに
より、微小エッチングマスクの下に円柱状の立体構造6
aを形成する。この工程を柱状立体構造形成工程と呼
ぶ。 (g)異方性エッチングを施すことにより側面が(33
1)面を含む面で形成されて互いに頂点部が接続した一
対の円錐形状の微小立体構造6が形成される。ここで頂
点部の径は前記微小エッチングマスクの径よりも小さ
く、微小立体構造の最小径は約0.1μmである。 (h)次に微小エッチングマスクを介して蒸着すること
により、微小エッチングマスクの上部と微小エッチング
マスクの周辺部の基板表面に絶縁物8およびゲートとな
る金属9を付着する。 (i)微小立体構造6の側面にウェットエッチングを施
して、微小立体構造の最小径を零に減少させることによ
り、微小エッチングマスクおよび微小エッチングマスク
の上に付着した絶縁物および導電物を除去し、前記微小
エッチングマスクと同等の内径を有する微小口径のゲー
トを形成するとともに急峻な先端部を有するエミッタ1
0を形成する。
【0025】以上のように本実施例によれば、フォトリ
ソグラフィーにより円形のエッチングマスクを形成し、
そのマスクパターンを酸化シリコン膜に転写し、さらに
その周辺部をエッチングすることによりその口径を減少
させる。したがって、リソグラフィーの限界以下の微小
ゲート口径を実現することができ、低電圧で作動する電
界放出型電子源を作製することが可能である。また、以
上の実施例で絶縁物と金属を蒸着する際に、エッチング
マスクを除去し、上部の円錐形状を介して絶縁物と金属
を付着することも可能である。
【0026】また以上の実施例では円形のエッチングマ
スクを形成したが、必要に応じて色々な形のエッチング
マスクを形成できるのは勿論である。この際、一定の幅
を有する線状のエッチングマスクを形成する際は、エッ
チングマスクを<011>方向に配置された線状の形状
とすると異方性エッチングにより(111)面が現わ
れ、異方性エッチングをきれいに再現性よく行うのに適
している。
【0027】さらに以上の実施例においては、陰極材料
としてシリコンの(100)基板を用い、陰極の急峻な
先端部を実現するために異方性エッチングを用いている
が、従来例のように、シリコン基板を用いてサイドエッ
チングの生じる条件でドライエッチングを施すことによ
りエッチングマスクの下部にコーン型の形状を形成する
方法を用いることも可能である。また、基板材料として
も必ずしもシリコンには限定されず、タングステンやモ
リブデンでもよい。この場合エッチングマスクは蒸着法
により形成すればよい。さらに、本実施例においてはシ
リコン基板を用いているが、必ずしも限定されることは
なく、ガラス基板の表面にシリコン等の陰極材料が付着
した基板を用いることも可能である。
【0028】(実施例2)本発明の第2の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図2に示す。 (a)〜(g)微小立体構造26を実施例1の(a)〜
(g)と同じ工程により形成する。ここで21〜24は
それぞれ図1の1〜4と同じくシリコン基板、酸化シリ
コン、フォトレジストおよびエッチングマスクである。
また25aおよび26aはそれぞれ円盤構造および円柱
状立体構造である。 (h)熱酸化を施すことにより、シリコン基板21およ
び微小立体構造26表面にシリコン酸化膜27を形成す
るとともに、微小立体構造の内部に先端の急峻な形状を
有するシリコンのエミッタ構造30を形成する。 (i)次に微小エッチングマスク25を介して蒸着する
ことにより、エッチングマスクの上部とエッチングマス
クの周辺部の基板表面に絶縁物28およびゲートとなる
導電物29を付着する。 (j)微小立体構造26の側面にウェットエッチングを
施して、酸化膜27を除去することにより、微小エッチ
ングマスクおよび微小エッチングマスクの上に付着した
絶縁物および導電物を除去し、前記微小エッチングマス
クと同等の内径を有する微小口径のゲート29を形成す
るとともに急峻な先端部を有するエミッタ30を形成す
る。
【0029】本実施例では、エミッタの形成にシリコン
の熱酸化を用いるので、急峻な先端を有するエミッタ構
造が実現できる。また本実施例においても、陰極材料と
してシリコンの(100)基板を用い、陰極の急峻な先
端部を実現するために異方性エッチングを用いている
が、従来例のように、シリコン基板を用いてサイドエッ
チングの生じる条件でドライエッチングを施すことによ
りエッチングマスクの下部にコーン型の形状を形成し、
その側面を熱酸化する方法を用いることも可能である。
【0030】(実施例3)本発明の第3の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図3に示す。 (a)〜(c)実施例1の(a)〜(c)と同じ工程に
より、エッチングマスクの下にエッチングマスクとほぼ
同等の径を有する酸化シリコンの円盤構造35aを形成
する。ここで31〜34はそれぞれ図1の1〜4と同じ
くシリコン基板、酸化シリコン、フォトレジストおよび
エッチングマスクである。 (d)エッチングマスクを除去し、酸化シリコン膜の円
盤構造35aを露呈させる。 (e)ウェットエッチングを施すことにより酸化シリコ
ンの円盤構造の径を縮小させ、約0.3μmの微小径を有す
る円盤状の酸化シリコンでなる微小エッチングマスク3
5を形成する。 (f)〜(i)実施例1の(f)〜(i)と同じ工程に
より、微小エッチングマスクと同等の内径を有する微小
口径のゲート39を形成するとともに急峻な先端部を有
するエミッタ40を形成する。ここで36a、36およ
び38はそれぞれ立体構造、微小立体構造および絶縁物
である。
【0031】本実施例においては、エッチングマスクを
ウェットエッチングにて均一に縮小させることが可能で
あり、同様にフォトリソグラフィーの限界以下の微小ゲ
ート口径を実現することができる。従って、低電圧の電
界放出型電子源を作製することが可能である。
【0032】(実施例4)本発明の第4の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図4に示す。 (a)〜(e)実施例1の(a)〜(e)と同じ工程に
より微小エッチングマスク45を形成する。ここで41
〜44はそれぞれ図1の1〜4と同じくシリコン基板、
酸化シリコン、フォトレジストおよびエッチングマスク
である。また45aは円盤構造である。 (f)微小エッチングマスクを介してサイドエッチング
が生じる条件でドライエッチングすることにより、エッ
チングマスクの下部にその径の一部が前記エッチングマ
スクの径よりも小さなコーン形状の第1の立体構造46
を形成する。このとき本立体構造における最小径は約0.
1μmである。 (g)次に、微小エッチングマスクを介してサイドエッ
チングがほとんど生じない条件でドライエッチングする
ことにより、前記のコーン形状の立体構造の下部に円柱
状の第2の立体構造46aを形成する。このとき円柱状
立体構造の径は微小エッチングマスクの径とほぼ同等で
ある。 (h)熱酸化を施すことにより、コーン状および円柱状
の立体構造の側面部をシリコン酸化膜47に変化させ、
しかも立体構造の内部には微小径でかつ急峻な先端部を
有するタワー状のシリコン構造のエミッタ50が形成さ
れる。 (i)次にエッチングマスクを介して蒸着することによ
り、エッチングマスクの上部とエッチングマスクの周辺
部の基板表面に絶縁膜48およびゲートとなる導電物4
9を付着する。 (j)立体構造の側面にウェットエッチングを施して、
立体構造の側面の酸化膜47を除去することにより、微
小エッチングマスクおよび微小エッチングマスクの上に
付着した絶縁物および導電物を除去し、前記微小エッチ
ングマスクと同等の内径を有する微小口径のゲート49
を形成するとともに微小径でかつ急峻な先端部を有する
タワー形状のエミッタ50を形成する。
【0033】以上のように本実施例によれば、リソグラ
フィーの限界以下の微小ゲート口径とさらに微小な径を
有するタワー状のエミッタ構造が実現でき、エミッタ先
端における電界強度がさらに高くなることから、低電圧
の電界放出型電子源を作製することが可能である。本実
施例に示す電界放出型電子源はエミッタの径を100n
m以下、先端部の極率半径を10nm以下にすることも
可能である。
【0034】(実施例5)本発明の第5の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図5に示す。 (a)〜(h)実施例2の(a)〜(h)と同じ工程に
よりシリコン基板51および円錐状の微小立体構造56
b表面にシリコン酸化膜57を形成する。ここで52〜
54はそれぞれ図2の22〜24と同じく酸化シリコ
ン、フォトレジストおよびエッチングマスクである。ま
た55aは円盤構造、56aは円柱状立体構造である。 (i)次に、微小エッチングマスク55を介してサイド
エッチングがほとんど生じない条件でドライエッチング
することにより、前記の微小立体構造56bの下に円柱
状の第2微小立体構造56を形成する(第2微小立体構
造形成工程)。このとき円柱状の第2微小立体構造の径
は微小エッチングマスクの径とほぼ同等である。 (j)熱酸化を施すことにより、円錐状の微小立体構造
56bおよび円柱状の第2微小立体構造56の側面部を
酸化シリコン57aに変化させ、しかも第2微小立体構
造の内部には微小径でかつ急峻な先端部を有するタワー
状のシリコン構造のエミッタ60が形成される。 (k)次に微小エッチングマスクを介して蒸着すること
により、微小エッチングマスクの上とエッチングマスク
の周辺部の基板表面に絶縁物58およびゲートとなる金
属59を付着する。 (l)微小立体構造および第2微小立体構造の側面にウ
ェットエッチングを施して、側面の酸化膜を除去するこ
とにより、微小エッチングマスクおよび微小エッチング
マスクの上に付着した絶縁物および金属を除去し、前記
微小エッチングマスクと同等の内径を有する微小口径の
ゲート59を形成するとともに微小径でかつ急峻な先端
部を有するタワー形状のエミッタ60を形成する。
【0035】本実施例では、微小立体構造および第2微
小立体構造の形状や高さを再現性よく制御できる。また
エミッタの形成にシリコンの熱酸化を用いるので、急峻
な先端を有するタワー型のエミッタ構造を実現できる。
【0036】(実施例6)本発明の第6の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図6に示す。 (a)〜(g)実施例1の(a)〜(g)と同じ工程に
より円錐状の微小立体構造66bを形成する。ここで6
1〜65はそれぞれ図1の1〜5と同じくシリコン基
板、酸化シリコン、フォトレジスト、エッチングマスク
および微小エッチングマスクである。また65aおよび
66aはそれぞれ円盤構造および円柱構造である。 (h)次に、微小エッチングマスクを介して再度サイド
エッチングがほとんど生じない条件でドライエッチング
することにより、前記の微小立体構造66bの下に円柱
上の第2微小立体構造66を形成する。このとき第2微
小立体構造の径はエッチングマスクの径とほぼ同等であ
る。 (i)微小立体構造および第2微小立体構造の側面およ
びシリコン基板の表面部をシリコン酸化膜67に変化さ
せ、しかも立体構造の内部に急峻な先端部を有する微小
径のタワー状のシリコン構造のエミッタ70aを形成す
る。 (j)微小立体構造および第2微小立体構造の側面にウ
ェットエッチングを施すことにより、微小径でかつ急峻
な先端部を有するタワー形状のエミッタ70を形成す
る。
【0037】実施例の4、5および6においては、熱酸
化法により円錐形状の立体構造の内部に急峻な先端を有
するタワー型の陰極構造を形成しているが、必ずしも熱
酸化を行わなくても、等方性のウェットエッチングによ
り立体構造の側面をエッチングすることにより実現する
ことも可能である。また、熱酸化と等方性のウェットエ
ッチングを併用することによっても同様の効果が得られ
ることは自明である。
【0038】また本実施例においても、陰極材料として
シリコンを用いているが、必ずしもシリコンには限定さ
れず、タングステン等、熱酸化により酸化物が形成さ
れ、しかもその酸化膜が選択エッチングにより除去され
る材料であればよい。また、本実施例においてもシリコ
ン基板を用いているが、必ずしも限定されることはな
く、ガラス基板の表面にシリコン等の陰極材料が付着し
た基板を用いることも可能である。
【0039】(実施例7)本発明の第7の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図7に示す。 (a)導電性シリコン基板101の表面にエッチングマ
スクを形成し、フォトリソグラフィーにより円盤状に加
工しエッチングマスク102とする。 (b)シリコン基板表面にドライエッチングを施してマ
スクの周辺境界部に表面に垂直な段差103を形成し、
シリコン基板にマスクの円盤と同じ径を有する柱状構造
104を形成する。 (c)次に、エッチングマスクを除去して、等方性エッ
チングを行い、径の微小化された微小構造105を形成
する(微小構造形成工程)。 (d)蒸着法により微小構造105の上部底面および基
板表面に再度保護層106を付着する(保護層付着工
程)。 (e)熱酸化を行い微小構造105の側面から内部にシ
リコン酸化膜107を形成し、シリコン微小構造内部に
急峻な先端を有するシリコン微構造108を形成する。 (f)表面に絶縁物109とゲートとなる金属膜110
を付着する。 (g)シリコン酸化膜107をふっ酸でエッチングする
ことにより、陰極部上部の絶縁膜109aおよび金属膜
110aが除去され、シリコン微構造が露出し線状のエ
ミッタ111が形成される。また陰極の先端部の周辺に
は口径の小さなゲート電極110が形成される。
【0040】以上のように、本実施例によれば、リソグ
ラフィーにより円形マスクを形成し、そのマスクを利用
して円柱状構造を形成した後、等方性エッチングを利用
して微小構造円柱を形成するので、リソグラフィーの限
界以下の微小構造を形成できる。したがって、ゲート口
径の小さくさらに先端の急峻なエミッタ電極をもつ電界
放出型電子源を製造することができる。
【0041】なお、(d)の工程の後に保護層106を
マスクとして微小構造105の側面にエッチングを行う
ことにより(d’)のように微小構造の径をさらに縮小
させ、熱酸化の時間を低減することも可能である。
【0042】本実施例においては導電性基板としてシリ
コン基板を用いたが、導電層としてタンタル金属を用い
てもドライエッチング、等方性エッチング、および熱酸
化により同様にゲート口径の微少な電子源が実現できる
ことは自明である。
【0043】(実施例8)本発明の第8の実施例の電子
源およびその作製方法を図8に示す。 (a)導電性シリコン基板121の(100)面上にエ
ッチング保護膜を形成し、フォトリソグラフィーにより
円盤状に加工し円形エッチングマスク122とする。 (b)シリコン基板表面にドライエッチングを施してマ
スクの周辺境界部に表面に垂直な段差を形成し、シリコ
ン基板にマスクの円盤と同じ径を有する円柱状構造12
3を形成する。 (c)続いてエッチングマスク122を円柱状構造の上
底面に付着したまま異方性エッチングを行い、マスクの
下部にくびれ部124を設けて円柱径を一部縮小させ
る。 (d)同じエッチングマスク122を用いて基板上方か
ら再度ドライエッチングすることにより円柱状構造の高
さを増加させ、新たな円柱状構造125を形成する。 (e)次に、等方性エッチングを施すことにより円柱お
よびくびれ部の径を微細化するとともに、くびれ部を接
続部126としてこれを挟んで対をなして構成される上
部円錐状微小構造127と下部円錐状微構造128およ
び円柱状微小構造129を形成する。 (f)熱酸化により円錐状微小構造および円柱状微小構
造の側面近傍にシリコン酸化膜130を形成し、一対の
円錐状微小構造127および128を酸化膜で分離す
る。このとき、シリコン基板側の円錐状微小構造128
の接続部近傍に急峻な先端を有するシリコン微構造陰極
131が形成される。 (g)蒸着により上部円錐状微小構造127をマスクと
して下部円錐状微小構造128および円柱状微小構造1
29の周辺の基板表面に絶縁膜132とゲートとなる金
属133を設置する。 (h)酸化膜128をエッチングすることにより絶縁膜
および金属の付着した上部円錐状微小構造127が除去
され、先端が極めて急峻なエミッタ131が形成され
る。また陰極の先端部の周辺には口径の極微小なゲート
電極133が形成される。
【0044】本実施例に示す電界放出型電子源は陰極の
径を100nm以下、先端部の極率半径を10nm以下
にすることも可能である。
【0045】以上のように、本実施例によれば、一度側
面に異方性エッチングを施して径の小さな接続部を形成
しているので陰極の径が細くさらに先端の急峻なエミッ
タ電極をもつ電界放出型電子源を製造することができ
る。
【0046】(実施例9)本発明の第9の実施例の電界
放出型電子源およびその作製方法を図9に示す。 (a)〜(c)実施例7の(a)〜(c)と同じ工程で
微小構造円柱144を形成する。ここで141〜144
はそれぞれシリコン基板、エッチングマスク、円柱構造
および微小構造円柱である。 (d)蒸着法により微小構造円柱の上部底面および基板
表面にエッチング保護層145を付着し、その後微小構
造円柱または多角柱の側面に異方性エッチングを施す。
このエッチングにより微小構造円柱側面に基板表面に対
して傾斜した(111)面を含む面が現れ、その結果基
板に垂直方向にその接続部152を挟んで対をなして構
成される上部円錐状微小構造146および下部円錐状微
小構造147を形成する。 (e)次に熱酸化を行い円錐状微小構造の側面近傍にシ
リコン酸化膜148を形成し、一対の微小構造146お
よび147を酸化膜で分離する。このとき、シリコン基
板側の下部微小構造147の接続部の近傍の内部に急峻
な先端を有するシリコン微構造エミッタ151が形成さ
れる。 (f)蒸着により上部円錐状微小構造146をマスクと
して下部円錐状微小構造147の周辺の基板表面に絶縁
膜149とゲートとなる金属150を設置する。 (g)酸化膜148をエッチングすることにより絶縁膜
149aおよび金属150aの付着した上部微小構造1
46が除去され、先端が極めて急峻なエミッタ151が
形成される。また陰極の先端部の周辺には口径の小さな
ゲート電極150が形成される。
【0047】以上のように、本実施例によれば、リソグ
ラフィーにより円形マスクを形成し、そのマスクを利用
して円柱構造を形成した後、等方性エッチングと異方性
エッチングを利用することにより、リソグラフィーの限
界以下のゲート口径で、しかも先端の急峻なエミッタ電
極をもつ電子源を製造することができる。
【0048】なお、本実施例の(d)の異方性エッチン
グの後に等方性エッチングを行うことにより接続部が滑
らかな微小構造が形成され、熱酸化により、より急峻な
先端を有するシリコン微構造が形成される。
【0049】また、本実施例においては、等方性エッチ
ングを異方性エッチングに先だって実施しているが、円
柱構造の側面に異方性エッチングを行ってから等方性エ
ッチングを実施してもよい。
【0050】(実施例10)本発明の第10の実施例の
電界放出型電子源およびその作製方法を図10に示す。 (a)燐のドープされたシリコン基板161の(10
0)面上に酸化シリコン膜、またはSiN膜を成膜す
る。次にこの膜を通常のフォトリソグラフィー法で円形
のエッチングマスク162に加工する。 (b)そして、ドライエッチング法によりシリコン基板
表面をエッチングし、表面に円柱状構造163を形成す
る。 (c)次に円柱状構造の側面を水酸化カリウムにより異
方性エッチングを行う。すると、マスクの下部には側面
が(331)面を含んで構成された一対の円錐状構造
(上部円錐状構造164および下部円錐状構造166)
が、側面が(100)面を含んで構成された小径の円柱
状接続部165を介して向い合うシリコンの対構造が形
成される。 (d)次にエッチングマスクを除去し、等方性のエッチ
ングにより接続部側面と円錐構造側面の境界部を滑らか
にするとともに径を縮小する。そして熱酸化により対構
造表面にシリコン酸化膜167を形成する。このとき、
下部円錐状構造166と接続部の境界部の内部には先端
が急峻なシリコンの微小対構造陰極168が形成され
る。この細線の先端形状はエッチングおよび熱酸化の条
件により制御することが可能である。 (e)そして、次に上部円錐状構造164をマスクとし
て下部円錐状構造166の周辺部に絶縁層169とゲー
ト金属170を堆積する。 (f)弗化水素溶液によるエッチングにより酸化シリコ
ンが除去されリフトオフにより表面に絶縁物と金属およ
び裏面に上部円錐状構造が付着したマスクが除去される
ことにより先端の急峻なエミッタ(陰極)171が露出
すると同時に、陰極先端部の周辺にゲート電極が形成さ
れる。最後に引出し電極を構成し、電界放出型陰極を作
製するものである。
【0051】本発明の陰極部は極めて急峻であり、その
結果、従来の電子源に比較して低電圧での動作、および
放出電流の増加を図ることができた。
【0052】以上のように、本実施例によれば、リソグ
ラフィーにより円形マスクを形成し、そのマスクを利用
して円柱構造を形成した後、異方性エッチングを利用す
ることにより、リソグラフィーの限界以下のゲート口径
で、しかも先端の急峻なエミッタ電極をもつ電子源を製
造することができる。
【0053】なお、本実施例では異方性エッチングの後
に等方性エッチングを行っているが必ずしも必要ではな
く、条件により充分に急峻な先端部を有するシリコン微
構造の製造が可能である。
【0054】(実施例11)本発明の第11の実施例の
電界放出型電子源およびその作製方法を図11に示す。 (a)燐のドープされたシリコン基板181の(10
0)面上に酸化シリコン膜、またはSiN膜を成膜す
る。次にこの膜を通常のフォトリソグラフィーで円形の
エッチングマスク182に加工する。 (b)そして、ドライエッチング法によりシリコン基板
表面をエッチングし、円柱状構造183を形成する(点
線)。次に水酸化カリウムによる異方性エッチングをす
る。このとき、マスクの下部には一対の円錐形状の上部
構造184、下部構造185が向い合うシリコンの対構
造が形成される(対構造形成工程)。またこのとき一対
の円錐の向かい合う接続部186の太さは円形マスクの
直径とドライエッチングの深さによりほぼ決定され、異
方性エッチングが一定以上であれば条件に依存せず極め
て安定である。 (c)次に、エッチングマスクを除去した後、再びドラ
イエッチングにてシリコンの上部構造をマスクとして下
部構造をエッチングする。すると下部構造の裾部がさら
にエッチングされるとともに上部構造の底面188の径
が小さくなる。その後、熱酸化により対構造表面に酸化
シリコン層189を形成する。このとき、下部微構造1
87の内部に先端が非常に先鋭なシリコンが形成され
る。この先端の極率半径は熱酸化の条件により制御する
ことが可能である。 (d)ここで、上部微構造188をマスクとして絶縁膜
190およびゲート電極191を蒸着する。 (e)そして弗化水素溶液によるエッチングにより酸化
シリコンが除去されると同時に上部構造がリフトオフさ
れ、急峻な陰極先端部192が形成されるとともに、小
口を有するゲート電極が陰極先端部周辺に形成された構
造の電界放射型電子源が作製できる。
【0055】以上のように、本実施例によれば、リソグ
ラフィーにより円形マスクを形成し、そのマスクを利用
して円柱構造を形成した後、異方性エッチングを利用す
ることにより、リソグラフィーの限界以下のゲート口径
で、しかも先端の急峻なエミッタ電極をもつ電子源を製
造することができる。
【0056】以上の実施例においてはシリコン基板を用
いたが、GaAs等の結晶性基板を用いることも可能で
ある。また、以上の実施例ではエミッタの周辺にはゲー
ト電極のみ形成されているが、同様に制御電極等、新た
に別の電極を形成することも可能である。さらに、基板
の一部に集積回路を形成することも可能である。
【0057】(実施例12)本発明の第12の実施例の
電界放出型電子源のおよびその作製方法を図12に示
す。 (a)導電性シリコン基板191の(100)面上にエ
ッチング保護膜を形成し、フォトリソグラフィー法によ
り円盤状に加工しエッチングマスク192とする。 (b)シリコン基板表面にドライエッチングを施してマ
スク周辺の境界部に表面に垂直な段差193を形成し、
シリコン基板にマスクの円盤と同じ径を有する円柱構造
194を形成する。 (c)円柱構造の側面193に異方性エッチングを施す
ことにより、側面に基板表面に対して約60度傾斜した
(331)面が現れ、その表面が(331)面を含む面
で構成される錐状の上部構造195および錐状の下部構
造196からなる対構造を形成する(対構造形成工
程)。 (d)次に熱酸化を行い対構造の側面から内部にシリコ
ン酸化膜197を形成し、一対の対構造195および1
96を酸化膜で分離する。このとき、シリコン基板側の
下部構造196の頂点近傍の内部に急峻な先端を有する
シリコン陰極(エミッタ)198が形成される。 (e)基板表面に対して傾斜した複数の方向から蒸着を
して、下部構造196の側面にゲートとなる金属膜19
9を付着する。 (f)酸化膜197を選択エッチングすることにより金
属膜199aの付着した上部構造195が除去され、先
端が極めて急峻な陰極先端部200が露出される。また
陰極の先端部の周辺にはシリコン酸化膜を介して口径の
小さなゲート電極金属膜199が形成される。
【0058】以上のように、本実施例によれば、ゲート
口径がシリコン酸化膜の厚さと同程度に小さい電子源を
製造することができる。
【0059】なお今までの実施例では、全てフォトリソ
グラフィー法により形成したエッチングマスクを用いた
場合について述べたが、電子線リソグラフィー法やX線
リソグラフィー法により形成したエッチングマスクを用
いても同様に本発明の方法を適用できるのは勿論のこと
であり、さらに微細な加工ができる。
【0060】
【発明の効果】以上に述べたように本発明によれば、陰
極先端部周辺のゲート電極の口径はエッチングマスクに
比較して小さくすることが可能であり、通常のフォトプ
ロセスを用いてもサブミクロンのゲート口径を有する微
小構造の電界放出型電子源を提供することができる。こ
の結果、従来方法に比較して動作電圧の低下と放射電流
の増加を可能とするものである。
【0061】また、本発明によるタワー形状の微構造は
必ずしも電界放出型の電子源への応用に限定されず、走
査型トンネル顕微鏡等、他への応用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図2】本発明の第2の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図3】本発明の第3の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図4】本発明の第4の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図5】本発明の第5の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図6】本発明の第6の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図7】本発明の第7の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図8】本発明の第8の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図9】本発明の第9の実施例の電界放出型電子源の作
製工程図
【図10】本発明の第10の実施例の電界放出型電子源
の作製工程図
【図11】本発明の第11の実施例の電界放出型電子源
の作製工程図
【図12】本発明の第12の実施例の電界放出型電子源
の作製工程図
【図13】第1の従来例の電界放出型電子源の作製工程
【図14】第2の従来例の電界放出型電子源の作製工程
【図15】第3の従来例の電界放出型電子源の作製工程
【符号の説明】
1、21、31、41、51、61 シリコン基板 2、22、32、42、52、62 酸化シリコン 3、23、33、43、53、63 フォトレジスト 4、24、34、44、54、64 エッチングマスク 5、25、35、45、55、65 微小エッチングマ
スク 5a、25a,35a,45a,55a,65a 円盤
構造 6、26 微小立体構造 6a,26a,36a,56a 円柱状立体構造 8,8a,9a,28、38、48、58 絶縁物 9、29、39、49、59 ゲート 10、30、40、50、60、70 エミッタ 27、47、57 酸化膜

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板または表面に導電性媒体が形成
    された基板の表面に形成された被覆層をリソグラフィー
    法により形成されたエッチングマスクを用いて特定形状
    にパターニングし、次に前記エッチングマスクを除去し
    た後または前記エッチングマスクを介して前記被覆層に
    エッチングを施すことにより、前記エッチングマスクの
    形状よりも微小な形状を有する前記被覆層からなる微小
    エッチングマスクを形成する工程を利用して製造した、
    ゲート電極に開けられた穴の径または幅が1ミクロン以
    下の電界放出型電子源。
  2. 【請求項2】導電性基板または表面に導電性媒体が形成
    された基板の表面に形成された被覆層をリソグラフィー
    法により形成されたエッチングマスクを用いて特定形状
    にパターニングし、次に前記エッチングマスクを除去し
    た後または前記エッチングマスクを介して前記被覆層に
    エッチングを施すことにより、前記エッチングマスクの
    形状よりも微小な形状を有する前記被覆層からなる微小
    エッチングマスクを形成する工程を含む電界放出型電子
    源の製造方法。
  3. 【請求項3】微小エッチングマスクを介して導電性基板
    または導電性媒体にエッチングを施すことによりマスク
    で保護されていない導電性基板または導電性媒体の表面
    をエッチングすることにより柱状もしくはついたて状の
    立体構造を形成する立体構造形成工程と、 柱状もしくはついたて状の立体構造の側面部をエッチン
    グし、微小エッチングマスクの下部に柱状もしくはつい
    たて状の立体構造の径または幅に比較してさらに微小な
    寸法の径または幅を一部に有する微小立体構造を形成す
    る微小立体構造形成工程と、 前記微小立体構造の側面にエッチングを施して前記微小
    立体構造の最小径または最小幅を減少させることにより
    前記微小立体構造の上部を微小エッチングマスクととも
    に除去し、急峻な先端部を有するエミッタを形成するエ
    ミッタ形成工程とを含むことを特徴とする請求項2記載
    の電界放出型電子源の製造方法。
  4. 【請求項4】微小エッチングマスクを介して導電性基板
    または導電性媒体にエッチングを施すことによりマスク
    で保護されていない導電性基板または導電性媒体の表面
    をエッチングすることにより柱状もしくはついたて状の
    立体構造を形成する立体構造形成工程と、 柱状もしくはついたて状の立体構造の側面部をエッチン
    グし、微小エッチングマスクの下部に柱状立体構造の径
    または幅に比較してさらに微小な寸法の径または幅を一
    部に有する微小立体構造を形成する微小立体構造形成工
    程と、 前記微小エッチングマスクを介して基板表面に絶縁物お
    よびゲートとなる導電物を付着するゲート形成工程と、 前記微小立体構造の側面にエッチングを施して前記微小
    立体構造の最小径または最小幅を減少させることにより
    前記微小立体構造の上部を微小エッチングマスクととも
    に除去し、急峻な先端部を有するエミッタとその周辺部
    に微小なゲート開口径または開口幅を有するゲートを形
    成するエミッタ形成工程とを含むことを特徴とする請求
    項2記載の電界放出型電子源の製造方法。
  5. 【請求項5】微小立体構造形成工程の後に、微小エッチ
    ングマスクを介して導電性基板または導電性媒体表面に
    ドライエッチングを施し、前記微小立体構造の下部に前
    記微小エッチングマスクの形状と同等の径または幅を有
    する柱状またはついたて状の第2の微小立体構造を形成
    する第2微小立体構造形成工程を設けることを特徴とす
    る請求項4記載の電界放出型電子源の製造方法。
  6. 【請求項6】微小立体構造形成工程の後に、酸化膜を形
    成する工程を設け、エミッタ形成工程において微小立体
    構造側面の前記酸化膜を除去することにより前記微小立
    体構造の上部を微小エッチングマスクとともに除くこと
    を特徴とする請求項4記載の電界放出型電子源の製造方
    法。
  7. 【請求項7】微小エッチングマスクを形成する工程にお
    いて、エッチングマスクを介して被覆層を選択的にエッ
    チングする際に、まずドライエッチング法により前記被
    覆層をエッチングマスクとほぼ同等の形状に加工し、そ
    の後ウェットエッチング法により前記被覆層の周辺部を
    エッチングすることにより特定形状の径または幅に比較
    して微小な径または幅を有する前記被覆層からなる微小
    エッチングマスクを形成し、次に前記エッチングマスク
    を除去することを特徴とする請求項2記載の電界放出型
    電子源の製造方法。
  8. 【請求項8】微小エッチングマスクを形成する工程にお
    いて、エッチングマスクが光露光により溶解度が変化す
    るフォトレジスト層であることを特徴とする請求項2記
    載の電界放出型電子源の製造方法。
  9. 【請求項9】微小エッチングマスクを形成する工程にお
    いて、被覆層が誘電体層であり、エッチングマスクがフ
    ォトレジスト層であることを特徴とする請求項2記載の
    電界放出型電子源の製造方法。
  10. 【請求項10】微小エッチングマスクを形成する工程に
    おいて、エッチングマスクが被覆層を溶解させる溶液に
    対して溶解しない性質を有していることを特徴とする請
    求項2記載の電界放出型電子源の製造方法。
  11. 【請求項11】微小エッチングマスクを形成する工程に
    おいて、エッチングマスクを介して被覆層を選択的にエ
    ッチングする際に、まずドライエッチング法により前記
    被覆層を前記エッチングマスクとほぼ同等の形状に加工
    し、次に前記エッチングマスクを除去し、ウェットエッ
    チング法により第1の被覆層の表面および周辺部をエッ
    チングすることにより前記エッチングマスクの径または
    幅に比較して微小な径または幅を有する前記被覆層から
    なる微小エッチングマスクを形成することを特徴とする
    請求項2記載の電界放出型電子源の製造方法。
  12. 【請求項12】微小エッチングマスクを形成する工程の
    後に、前記微小エッチングマスクを介してサイドエッチ
    ングが生じる条件でドライエッチングを施すことによ
    り、微小エッチングマスクの下部にその径または幅に比
    較してさらに小さな径または幅を一部に有するコーン形
    状の断面形状を有する第1の立体構造を形成し、前記微
    小エッチングマスクを介して基板表面にサイドエッチン
    グがほとんど生じない条件でドライエッチングを施し、
    前記第1の立体構造の下部に前記微小エッチングマスク
    の径または幅と同等の径または幅を有する柱状またはつ
    いたて状の第2の立体構造を形成する立体構造形成工程
    と、 熱酸化処理により導電性基板または導電性媒体表面およ
    び前記第1および第2の立体構造の側面から内部に酸化
    膜を形成する酸化膜形成工程と、 前記微小エッチングマスクを介して基板表面に絶縁物お
    よびゲートとなる導電物を付着するゲート形成工程と、 前記立体構造の側面の酸化膜を選択的にエッチング除去
    することにより、前記微小エッチングマスクの下部に付
    着した立体構造の一部を微小エッチングマスクとともに
    除去し、急峻な先端部を有するエミッタとその周辺部に
    微小なゲート開口径または開口幅を有するゲートを形成
    するエミッタ形成工程とを含むことを特徴とする請求項
    2記載の電界放出型電子源の製造方法。
  13. 【請求項13】微小立体構造形成工程の後に、微小エッ
    チングマスクを介して基板表面にドライエッチングを施
    し、微小立体構造の下部に微小エッチングマスクの形状
    と同等の径または幅を有する柱状またはついたて状の第
    2微小立体構造を形成する第2微小立体構造形成工程、
    および導電性基板または導電性媒体表面および前記微小
    立体構造と第2微小立体構造の側面から内部に酸化膜を
    形成する酸化膜形成工程を設け、 エミッタ形成工程において微小立体構造および第2微小
    立体構造側面の前記酸化膜を除去することにより前記微
    小立体構造の上部を微小エッチングマスクとともに除去
    することを特徴とする請求項4記載の電界放出型電子源
    の製造方法。
  14. 【請求項14】第2微小立体構造形成工程の前に、酸化
    膜を形成する工程を設けることを特徴とする請求項13
    記載の電界放出型電子源の製造方法。
  15. 【請求項15】導電性基板または導電性媒体表面がシリ
    コンの(100)面であって、微小立体構造形成工程に
    おけるエッチングが異方性エッチングであり、微小立体
    構造の側面がシリコンの(111)面もしくは(33
    1)面を含む結晶面でなり、前記微小立体構造のほぼ中
    央部にくびれを有することを特徴とした請求項4、6、
    13および14のいずれかに記載の電界放出型電子源の
    製造方法。
  16. 【請求項16】エッチングマスクが一定の径を有する点
    状または一定の幅を有する〈011〉方向に配置された
    線上の形状を有することを特徴とする請求項15記載の
    電界放出型電子源の製造方法。
  17. 【請求項17】導電性基板または導電性媒体表面に円盤
    状または多角形状もしくは短冊状のエッチングマスクを
    形成し、さらにエッチングマスクで被覆されていない表
    面をエッチングすることにより、エッチングマスクの周
    辺境界部に表面に対して垂直な段差を形成し、導電性基
    板または導電性媒体表面に円柱または多角柱状もしくは
    ついたて状の構造を形成する立体構造形成工程と、 前記エッチングマスクを除去した後に、円柱または多角
    柱状もしくはついたて状の構造の上面および側面を含む
    面をエッチングし、前記円柱または多角柱もしくはつい
    たて構造の径または幅よりも小さな径または幅を有する
    円柱または多角柱状もしくはついたて状の微小構造を形
    成する微小構造形成工程と、 前記微小構造の上面および導電性基板または導電性媒体
    表面に保護層を付着する保護層付着工程と、 前記微小構造の側面に酸化膜を形成する工程と、 前記微小構造の上面に形成された保護層を蒸着マスクと
    して前記微小構造の周辺部に絶縁物およびゲート電極と
    なる導電物を付着するゲート形成工程と、 保護層および酸化膜を除去し、微小構造エミッタとその
    周辺部に微小なゲート開口径または開口幅を有するゲー
    トを形成するエミッタ形成工程とを含むことを特徴とす
    る電界放出型電子源の製造方法。
  18. 【請求項18】熱酸化により絶縁物となる性質を有する
    導電性基板または導電性媒体を用い、 柱状構造形成工程におけるエッチングがドライエッチン
    グであり、 微小構造形成工程におけるエッチングが等方性エッチン
    グであることを特徴とする請求項17記載の電界放出型
    電子源の製造方法。
  19. 【請求項19】保護層付着工程の後に、さらに微小構造
    の側面をエッチングする工程を設けることを特徴とする
    請求項18記載の電界放出型電子源の製造方法。
  20. 【請求項20】導電性基板または導電性媒体がシリコン
    であることを特徴とする請求項4または17記載の電界
    放出型電子源の製造方法。
  21. 【請求項21】導電性基板または導電性媒体がタンタル
    であることを特徴とする請求項4または17記載の電界
    放出型電子源の製造方法。
  22. 【請求項22】導電性基板または導電性媒体表面がシリ
    コンの(100)面であって、 立体構造形成工程の後に、エッチングマスクを介して円
    柱または多角柱もしくはついたて構造の側面に異方性エ
    ッチングを施し、前記円柱または多角柱の側面の径もし
    くはついたて構造の幅を一部縮小させくびれ部を形成す
    る工程と前記エッチングマスクを用いてエッチングする
    ことにより再度円柱または多角柱状もしくはついたて状
    の構造を形成する工程とを設け、 保護層付着工程に代えて、酸化膜を微小構造および導電
    性基板または導電性媒体表面に形成する工程を採用する
    ことを特徴とする請求項17記載の電界放出型電子源の
    製造方法。
  23. 【請求項23】導電性基板または導電性媒体表面がシリ
    コンの(100)面であって、 保護層付着工程の後に、微小構造側面に異方性エッチン
    グを施し、側面が基板表面に垂直な面で構成される円柱
    または多角柱状もしくはついたて状の接続部を挟んで上
    部および下部に互いに対をなして構成される円錐状また
    は多角錐状もしくは断面が三角形状の微小構造を形成す
    る工程を設けることを特徴とする請求項17記載の電界
    放出型電子源の製造方法。
  24. 【請求項24】微小構造を形成する工程の後に、さらに
    等方性エッチングを行う工程を設けることを特徴とする
    請求項17記載の電界放出型電子源の製造方法。
  25. 【請求項25】導電性基板または導電性媒体表面がシリ
    コンの(100)面であって、 その(100)面上に円盤状または多角形状もしくは<
    011>方向に長い短冊状のエッチングマスクを形成
    し、前記導電性基板または導電性媒体表面にドライエッ
    チングを施してエッチングマスクの周辺境界部に表面に
    垂直な段差を形成し、さらに異方性エッチングを施すこ
    とにより、前記エッチングマスクの下に上部および下部
    に互いに対をなし、その頂点を下とする円錐状または多
    角錐状もしくは断面が三角形でなる上部構造と、頂点を
    上とする円錐状または多角錐状もしくは断面が三角形で
    なる下部構造からなる対構造を形成する対構造形成工程
    と、 前記エッチングマスクを除去した後に、前記対構造の表
    面に等方性エッチングを行うことにより前記対構造を縮
    小させ上部微構造と下部微構造からなる微小対構造を形
    成する微小対構造形成工程と、 熱酸化により前記微小対構造の表面にシリコンの酸化膜
    を形成することにより、上部微構造と下部微構造のシリ
    コンを酸化膜で分離する工程と、 前記上部微構造をマスクとして下部微構造の周辺に絶縁
    物およびゲートとなる導電物を付着するゲート形成工程
    と、 酸化膜のエッチングにより絶縁物および導電物の付着し
    た上部微構造を除去するとともに下部微構造の円錐また
    は多角錐の頂点の酸化膜を除去し先端の急峻なエミッタ
    を形成する工程とを含むことを特徴とする電界放出型電
    子源の製造方法。
  26. 【請求項26】対構造形成工程において、上部構造と下
    部構造の間に、側面が基板表面に垂直な面で構成される
    円柱または多角柱状もしくはついたて状の接続部を設け
    ることを特徴とする請求項25記載の電界放出型電子源
    の製造方法。
  27. 【請求項27】導電性基板または導電性媒体表面がシリ
    コンの(100)面であって、 その(100)面上に円盤状または多角形状もしくは<
    011>方向に長い短冊状のエッチングマスクを形成
    し、前記導電性基板または導電性媒体表面にドライエッ
    チングを施してエッチングマスクの周辺境界部に表面に
    垂直な段差を形成し、さらに異方性エッチングを施すこ
    とにより、前記エッチングマスクの下に上部および下部
    に互いに対をなし、その頂点を下とする円錐状または多
    角錐状もしくは断面が三角形でなる上部構造と、頂点を
    上とする円錐状または多角錐状もしくは断面が三角形で
    なる下部構造からなる対構造を形成する対構造形成工程
    と、 熱酸化により前記対構造の表面にシリコンの酸化膜を形
    成することにより、上部構造と下部構造のシリコンを酸
    化膜で分離する工程と、 基板表面に対して傾斜した複数の方向から蒸着を施し、
    表面がシリコンの酸化膜で構成される下部構造の表面に
    ゲートとなる導電物を付着するゲート形成工程と、 酸化膜のエッチングにより上部構造を除去するとともに
    下部構造の円錐または多角錐もしくは三角形の断面の頂
    点の酸化膜を除去し、先端の急峻なエミッタとその周辺
    部に微小なゲート開口径または開口幅を有するゲートを
    形成するエミッタ形成工程とを含むことを特徴とする電
    界放出型電子源の製造方法。
  28. 【請求項28】ゲート形成工程において、表面がシリコ
    ンの酸化膜で構成される下部構造の表面に絶縁物および
    ゲートとなる導電物を蒸着することを特徴とする請求項
    27記載の電界放出型電子源の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000045293A (ko) * 1998-12-30 2000-07-15 김영환 전계방출 표시 소자의 제조방법
US6593243B1 (en) 2000-02-16 2003-07-15 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Method of manufacturing semiconductor device
KR100441751B1 (ko) * 2001-12-28 2004-07-27 한국전자통신연구원 전계 방출 소자의 제조 방법
JP2008097971A (ja) * 2006-10-11 2008-04-24 Mt Picture Display Co Ltd 撮像装置
US7391145B2 (en) 2003-03-28 2008-06-24 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Cold-cathode electron source, microwave tube using it, and production method thereof

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