JP3627838B2 - ダイヤモンド被覆冷陰極の作製方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヤモンドが先端に被覆された冷陰極の作製方法に関し、特に、真空デバイス用途、ディスプレイ用途等に利用されるダイヤモンド被覆冷陰極の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイヤモンドを冷陰極に利用するために、ダイヤモンド自身を冷陰極チップに利用する方法や、予め作製したSiやMoチップの先端にダイヤモンドを付着させるか又はダイヤモンド薄膜を被覆する方法などが提案されている。
【0003】
上記ダイヤモンド技術を冷陰極の作製に利用するには、ダイヤモンドの加工難と高絶縁性という問題に加え、ダイヤモンドをSiやMo等の金属又は半導体チップ上に被覆することが困難であるという問題がある。先端部分だけにダイヤモンドを被覆して利用する方法では、かかる冷陰極をディスプレイの作製に利用しようとしても、数千、数万個も存在する全てのチップの先端にダイヤモンドを均一に被覆させることは極めて困難である。
【0004】
かかる問題を解決するため、本出願人は先に、カーボン系材料の核を陰極基板表面の冷陰極となる領域に形成し、これをエッチングに対するナノメータースケールの超微細なマスクとして、基板を反応性ガスを用いたプラズマエッチングで処理することにより、マスクに利用したカーボン系材料の核で先端部分が被覆された冷陰極を作製する方法と該冷陰極を提案した(特願平8−274928)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなカーボン系材料の核をマスクとして用いる方法では、SFのような反応性ガスを用いたプラズマエッチング処理であり、等方的なエッチングが起こるため、基板に対して垂直方向にだけエッチングを起こさせるのに、基板温度を低温に制御していた。しかし、実用化の面からは、このような基板温度の低温制御は好ましくない。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、冷陰極を作製する方法において、従来のようなチップ形成後のダイヤモンド被覆プロセスを不要にすると共に、SFのような反応性ガス、及び基板温度の低温制御プロセスをも不要とする、ダイヤモンドが先端部分に被覆された冷陰極を作製する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、SFによるプラズマエッチングの代わりに、水素や不活性ガスのイオンによる物理的エッチングプロセスを用いて、ダイヤモンド被覆冷陰極を作製する技術である。
【0008】
本発明によれば、ダイヤモンド核をエッチングに対するナノメータースケールの微細なマスクに利用し、水素のイオンや不活性ガスのイオンを用いる物理的エッチング、すなわちスパッタエッチングにより、先端部分がダイヤモンド核で被覆された冷陰極の作製が可能になる。
【0009】
この作製原理は、ダイヤモンドと基板のエッチング速度の違いを利用したものである。すなわち、ダイヤモンド核は水素イオン等によってほとんどエッチングされないが、基板は水素イオンによりエッチングされる。その結果、ダイヤモンド核にマスクされていない基板部分はエッチングされ、かつ、ダイヤモンド核にマスクされた直下の基板部分だけがエッチングされずに残る。こうして、ダイヤモンド核で被覆された冷陰極を作製することができる。
【0010】
上記方法は、基板側に負のバイアスを印加させて行うことが好ましい。これは、水素イオン等をできるだけ効率よく基板に入射させ、また、基板に対する垂直方向のエッチング速度をできるだけ増加させる効果があり、かくして、柱状冷陰極が形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
本発明では、ダイヤモンド核を陰極基板表面の冷陰極となる領域に形成し、この核をエッチングに対するナノメータースケールの超微細なマスクとする。エッチング時には、ダイヤモンドの原料ガス(メタン、エタン等の炭化水素系ガス)の供給をやめ、通常、希釈ガスとして使用される水素ガスのプラズマだけを利用する。この際、基板に負のバイアス(−50乃至−300V)を印加して、できるだけ水素イオンを基板表面に対して垂直に入射するようにする。これにより、マスクに利用したダイヤモンド核で先端部分が被覆された冷陰極を作製することができる。かくして作製された冷陰極は、基板1μm角にダイヤモンド微小核で被覆された数十〜数千個の超微細な陰極からなっている。
【0013】
かくして、本発明によれば、SFのような反応性ガスを用いることなく、また、エッチング時の基板を低温制御することもなく、ダイヤモンド被覆冷陰極の作製が可能になる。
【0014】
スパッタエッチング用のガスとしては、上述した水素ガスのかわりに、Ar、He、Ne、Xeなどの不活性ガスを利用してもよい。
【0015】
陰極基板の材料としては、これまで冷陰極材料に使用されてきた金属、半導体などの中から任意に選ぶことができ、特に制限はない。このような材料としては、例えば、Si、Mo、W、Ta及びこれらの合金などが挙げられるが、これらの中で特にSiが好適に使用される。
【0016】
また、超微細冷陰極のマスクとして利用したダイヤモンドの核は、その核自身が、SiやMoなどの特性向上、又は保護膜として作用する被覆材になる。このことは、従来のようにSiやMoの冷陰極を予め作製した後、ダイヤモンドを被覆するという困難なプロセスを不要にする。この核の形状は、一般に、ほぼ半球状である。
【0017】
本発明の超微細冷陰極の作製技術によれば、例えば直径が10nm程度の超微細なダイヤモンドが先端に被覆された柱状冷陰極チップ(横断面積10×10nm程度)が得られるので、従来技術における1μm程度の領域に1チップという構成に対して、同程度の領域に数千本ものチップを作製することが可能になる。このことは、ディスプレイを作製した場合、従来の1ドットの映像あたり数個から数十個のチップで構成した場合と比べ、1ドットの映像を数万から数十万個のチップで構成することができ、その分、信頼性と寿命を格段に向上させることができる。即ち、従来、冷陰極チップの1つが破損した場合ですら画像に大きな影響がでたのに比べ、本発明のように数万から数十万個のチップで1ドットの画像を構成した場合、1チップの破損ではなんら画像に影響を与えない。
【0018】
このように、本発明によれば、ダイヤモンドの核をマスクに利用することで、ダイヤモンドが予め被覆されている冷陰極チップの作製が可能になる。このため、従来技術におけるように、冷陰極を作製した後のダイヤモンド被覆が不要になった。さらに、冷陰極の寸法を従来の100分の1程度にすることができるので、ディスプレイに利用した場合、1ドットあたりの冷陰極チップの密度を従来の千倍から一万倍程度にすることができ、ディスプレイの信頼性と寿命を格段に向上させるものである。
【0019】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0020】
実施例1
ダイヤモンドを被覆した超微細金属又は半導体柱、例えばダイヤモンド被覆シリコン柱を、図1(a)〜(b)及び以下に示すようなプロセスによって作製すことができた。
【0021】
まず、図1(a)に示すように、シリコン陰極基板(Mo又はW基板でもよい)1上の領域に従来の気相法(熱フィラメントCVD法やプラズマCVD法)によりダイヤモンドの核2を発生させた。本実施例ではマイクロ波プラズマCVD法によって行なった。即ち、マグネトロンから発振した2.45GHzのマイクロ波を導波管を通して外径40mmの石英管に導入して、単結晶シリコン基板の周囲にプラズマを発生させた。このときの実験条件は、原料ガス(メタン1%−水素99%の混合ガス)を5kPa、マイクロ波電力を300W、基板温度を850℃、反応時間を12分とし、基板には−70Vのバイアスを印加した。
【0022】
次に、原料ガスのメタンをストップし、100%水素ガスだけを供給し、さらに20分間、基板をプラズマにさらした。このプロセスにより、図1(b)のように、直径数十nm程度のダイヤモンドで被覆された複数の超微細シリコン柱を作製することができた。
【0023】
また、上記水素ガスの代わりに、Ar等の不活性ガスを用いた場合も、同様にダイヤモンドで被覆された複数の超微細シリコン柱を作製することができた。
【0024】
実施例2
ダイヤモンドを被覆した冷陰極源は、図2(a)〜(i)に示すようなプロセスによって作製することができた。
【0025】
まず、図2(a)〜(c)に示すように、ガラス基板3上に、陰極材(Si、W又はMo)4を形成し、該陰極基板4にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜5を形成し、次いで露光、現像して、冷陰極となる領域にレジストのマスク5’を形成した。このマスクを利用し、冷陰極になる部分を残し、所定の深さまで陰極材4をエッチングした(図2(d))。次に、図2(e)〜(f)に示すように、陰極材4の露出部分とマスク5’上にSiO絶縁膜6を、その上にNiゲート電極のようなゲート膜7を形成した。その後、レジスト剥離剤により、冷陰極となる領域に形成されているゲート膜7及び絶縁膜6と共にマスク部分5’を剥離し、図2(g)のように、陰極材4を露出させた。
【0026】
次いで、実施例1と同様の条件下で、プラズマCVD法により直径数十nm程度のダイヤモンドの核8を発生させ(図2(h))、連続して、水素プラズマによりスパッタエッチング処理を行った。上記プロセスにより、図2(i)のように、1μm角の冷陰極ホールに、直径数十nm程度のダイヤモンドで被覆された高さ数百nm程度のダイヤモンド被覆シリコン柱を100本以上作製することができた。
【0027】
この実施例では、100本以上作製できたが、ダイヤモンドの核の数に応じて10本〜数千本までのダイヤモンド被覆シリコン柱ができた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイヤモンドで被覆した冷陰極チップを作製するプロセスにおいて、従来のような、チップ形成後のダイヤモンド被覆のプロセスを不要にすると共に、反応性ガスによるプラズマエッチングプロセス、また、基板の低温制御プロセスを不要とするができる。また、従来の冷陰極チップの寸法の100分の1程度(数十nm程度)のダイヤモンド被覆超微細冷陰極チップを作製することができる。
【0029】
冷陰極からの電子の放出はチップの高さの高い方から順に起こるが、本発明によって得られた冷陰極は、1チップあたりの超微細柱の数が多いので、寿命が長くなるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるダイヤモンド被覆超微細金属及び半導体柱の製造プロセスを示す模式図
【図2】本発明によるダイヤモンド被覆冷陰極の製造プロセスを示す模式図
【符号の説明】
1 陰極基板 2 ダイヤモンド核
3 ガラス基板 4 陰極基板
5 レジスト膜 5’マスク
6 絶縁膜 7 ゲート膜
8 ダイヤモンド核

Claims (2)

  1. ダイヤモンド被覆冷陰極の作製方法において、陰極基板表面の冷陰極となる領域にダイヤモンド微小核を形成し、該微小核をマスクにして基板を水素又は不活性ガスのイオンを用いて物理的にエッチングすることにより、該微小核が先端に被覆された柱状冷陰極を得ることを特徴とするダイヤモンド被覆冷陰極の作製方法。
  2. 前記基板に負のバイアスを印加することを特徴とする請求項1記載のダイヤモンド被覆冷陰極の作製方法。
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