JPH08172581A - ダイナミックシフトレジスタおよびこれを用いた固体撮像装置 - Google Patents

ダイナミックシフトレジスタおよびこれを用いた固体撮像装置

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JPH08172581A
JPH08172581A JP6334224A JP33422494A JPH08172581A JP H08172581 A JPH08172581 A JP H08172581A JP 6334224 A JP6334224 A JP 6334224A JP 33422494 A JP33422494 A JP 33422494A JP H08172581 A JPH08172581 A JP H08172581A
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inverter
shift register
clock signal
input
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Juichi Yoneyama
寿一 米山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な回路構成でダイナミックシフトレジス
タを瞬時にリセット/プリセット可能とし、固体撮像装
置で迅速に撮像動作が開始できるようにする。 【構成】 各々第1および第2の縦続接続されたインバ
ータ(P2,N2;P4,N4;…)からなる複数の回
路段が順次縦続接続され、各回路段の第1のインバータ
と第2のインバータとをクロック信号(φCK)によっ
て交互に活性化することにより、入力信号(φST)を
順次後続の回路段へと伝達するダイナミックシフトレジ
スタにおいて、前記第1および第2のインバータを同時
に活性化することにより複数の回路段にわたり入力信号
を直接伝達させるための同時活性化回路(INV2,O
R1,OR2)を設ける。このようなダイナミックシフ
トレジスタを固体撮像素子の垂直走査回路(5a)およ
び水平走査回路(9a)に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイナミックシフトレ
ジスタおよびこれを用いた固体撮像装置に関し、より詳
細にはダイナミックシフトレジスタの全回路段を瞬時に
リセットまたはプリセット可能にし、このようなダイナ
ミックシフトレジスタを固体撮像装置の走査回路に使用
することによって迅速に全画素のリセットを行ないかつ
新たに撮像を開始できるようにする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、従来の固体撮像装置の概略の構
成を示すブロック図であり、2次元のイメージセンサの
例を示している。同図の装置は、複数の画素1を有する
画素部3と、垂直走査回路5と、水平読出し部7と、水
平走査回路9とを備えている。
【0003】画素部3は、それぞれ受光用のフォトダイ
オードを備えた画素1がマトリクス状に配置されて構成
されている。垂直走査回路5は、画素部3の1水平ライ
ン分の画素を順次選択するものであり、ダイナミックシ
フトレジスタで構成される。水平読出し部7は、画素部
3から1水平走査ライン分の画素の電荷を受け入れ、こ
れを水平走査回路9からの走査パルスに基づき順次出力
するものである。水平走査回路9は前記垂直走査回路5
と同様にダイナミックシフトレジスタによって構成され
る。なお、水平走査回路9に入力されている信号φST
Hは水平走査回路9を構成するダイナミックシフトレジ
スタのスタート信号であり、φCKHは水平シフト用の
クロック信号である。また、垂直走査回路5に入力され
ている信号φSTVは該垂直走査回路5を構成するシフ
トレジスタへのスタート信号であり、φCKVは垂直シ
フト用のクロック信号である。
【0004】図4の固体撮像装置では、垂直走査回路5
において例えば高レベルのスタート信号φSTVをクロ
ック信号φCKVで順次シフトし、画素部3の1水平ラ
イン分の画素を順次選択する。選択された1水平ライン
分の各画素のフォトダイオードに蓄積されていた電荷は
水平読出し部7に転送される。次に、水平走査回路9に
より例えばハイレベルのスタート信号φSTHをクロッ
ク信号φCKHにより順次シフトすることにより、該水
平走査回路9によって水平読出し部7に転送された電荷
を1画素分ずつ順次水平方向に転送し出力端子から外部
に読出す。また、水平読出し部7への転送時に各画素の
フォトダイオードに蓄積されていた電荷はリセットされ
て、次画面の画素の蓄積動作に入る。
【0005】上述のような固体撮像装置における垂直走
査回路5および水平走査回路9としては、所要トランジ
スタ数が少なくピッチを小さくできるため一般にダイナ
ミックシフトレジスタが好んで使用されている。
【0006】図5は、このような走査回路に使用される
従来のダイナミックシフトレジスタの構成例を示す。図
5のダイナミックシフトレジスタは、CMOSプロセス
を使用して作成されクロックパルスによって順次活性化
される、いわゆるクロックドインバータを使用した例を
示している。図5においては、正の電源電圧VDDと負
の電源電圧VSSとの間に直列接続された2個のPMO
SトランジスタP1およびP2と2個のNMOSトラン
ジスタN2およびN1によって1段のクロックドインバ
ータを構成している。PMOSトランジスタP3,P4
およびNMOSトランジスタN4,N3が2段目のクロ
ックドインバータを構成し、PMOSトランジスタP
5,P6と2個のNMOSトランジスタN6,N5とが
3段目のクロックドインバータを構成し、2個のPMO
SトランジスタP7,P8と2個のNMOSトランジス
タN8とN7とが4段目のクロックドインバータを構成
している。
【0007】各回路段のクロックドインバータにおいて
中央に位置するPMOSトランジスタとNMOSトラン
ジスタ、例えば1段目ではP2とN2、2段目ではP4
とN4、3段目ではP6とN6、4段目ではP8とN8
はそれぞれCMOSインバータを構成している。各CM
OSインバータと電源VDDおよびVSSとの間に接続
されたトランジスタはこれらのCMOSインバータを活
性化させるための制御用トランジスタである。
【0008】これらの制御用トランジスタの内PMOS
トランジスタP1,P5,……およびNMOSトランジ
スタN3,N7,……のゲートにはクロックパルスφC
Kが供給されている。また、残りの制御用トランジス
タ、すなわちPMOSトランジスタP3,P7,……お
よびNMOSトランジスタN1,N5,……にはクロッ
クパルスφCKをインバータINV1で反転した信号が
供給されている。またスタートパルスφSTは1段目の
CMOSインバータを構成する各トランジスタP2およ
びN2のゲートに供給されている。1段目のCMOSイ
ンバータの出力は2段目のCMOSインバータの入力、
すなわちトランジスタP4およびトランジスタN4のゲ
ートに接続され、2段目のCMOSインバータの出力は
3段目のCMOSインバータの出力に接続され、3段目
のCMOSインバータの出力は4段目のCMOSインバ
ータの入力に順次接続されている。
【0009】図5のダイナミックシフトレジスタにおい
ては、例えばPMOSトランジスタP1とNMOSトラ
ンジスタN1がともにオンであるとPMOSトランジス
タP2とNMOSトランジスタN2とで構成されるCM
OSインバータ回路は動作可能であり、これを活性状態
という。逆にPMOSトランジスタP1とNMOSトラ
ンジスタN1がともにオフであるとPMOSトランジス
タP2とNMOSトランジスタN2とで構成されるCM
OSインバータ回路は動作せず、これを不活性状態とい
う。
【0010】次に、このようなクロックドインバータを
使用した図5のダイナミックシフトレジスタの動作を図
6のタイミング図で説明する。まず、図6のaで示す期
間では、クロックパルスφCKがロー(L)レベルの状
態であり、1段目のクロックドインバータは活性化され
ており、スタートパルスφSTをハイ(H)レベルにす
ると1段目のクロックドインバータの出力(図のA)は
Lレベルにある。この時2段目のクロックドインバータ
は不活性の状態であるので該2段目のクロックドインバ
ータの出力(B)は変化しない。
【0011】続いて、図6のbの期間に入り、クロック
パルスφCKがHレベルとなると、1段目のクロックド
インバータは不活性となる。その後スタートパルスφS
TをLレベルに戻しても、1段目のクロックドインバー
タの出力から2段目のクロックインバータの入力に至る
回路の図示しない寄生容量のため出力(A)のレベルは
Lレベルに保持される。また、この期間では2段目のク
ロックドインバータは活性化されてその出力(B)はH
レベルとなる。この時、3段目のクロックドインバータ
は不活性状態にあり、入力レベル(B)が変化しても出
力レベル(C)は変化しない。
【0012】続いて、期間cに入り、クロックパルスφ
CKがLレベルになると、初段のクロックドインバータ
は活性化されて出力(A)はHレベルになるが、2段目
のクロックドインバータは不活性状態であり出力(B)
のレベルは変化しない。この状態では3段目のクロック
ドインバータは活性状態であり、その出力(C)はLレ
ベルにある。
【0013】次に、期間dに入り、クロックパルスφC
KをHレベルにすると、2段目のクロックドインバータ
は活性化されてその出力(B)はLレベルになる。この
時3段目のクロックドインバータは不活性化されてお
り、出力(C)のレベルは変化せずLレベルに保持され
る。4段目のクロックドインバータは活性化され、その
出力(D)はHレベルにある。
【0014】以上のように、図5のダイナミックシフト
レジスタの各回路段はクロックドインバータ2段一組で
構成されており、2段のクロックドインバータの内片方
が活性状態にある時は、他方は不活性状態になるように
する。そして、不活性状態にあるクロックドインバータ
は寄生容量でデータを保持するように動作させて、クロ
ックパルスφCKを加えるごとにデータがシフトレジス
タの1段分ずつ順次伝達される。したがって、このよう
なダイナミックシフトレジスタは、入力に適切なスター
トパルスφSTを加えることにより、固体撮像素子の垂
直および水平走査回路に使用することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、ダイナ
ミックシフトレジスタは、各々のクロックドインバータ
の出力から次の段の入力に至る回路部分の寄生容量に蓄
えた電荷を一時的メモリとして使用して順次信号を伝達
しているので、長期間休止状態に保持すると不活性状態
にあるクロックドインバータの出力レベルはそれを構成
する各トランジスタの漏洩電流などによって変化してし
まう。すなわちクロックパルスφCKを長時間同じレベ
ルに保持することは不可能であり、使用しない時でも常
時動作させておくことが必要である。このため、ダイナ
ミックシフトレジスタを使用した従来の固体撮像装置に
おいては、撮像をしない時でもシフトレジスタの動作を
確保するため擬似動作を行なわせていた。
【0016】しかしながら、固体撮像装置の用途によっ
ては、コンピュータにおける割込み処理のように、任意
の時刻で直ちに撮像を開始したい場合がある。例えば、
スチルビデオカメラにおいては、シャッタを押した瞬間
に全画素をリセットして撮像を開始することが望まし
い。ところが、従来はダイナミックシフトレジスタを前
述のように常時動作させることが必要であるため、シャ
ッタを押す前にも該ダイナミックシフトレジスタを擬似
動作させていた。このため、シフトレジスタの擬似動作
が終了するまでは撮像を開始することが不可能であっ
た。最悪の場合は、擬似動作としてシフトレジスタがス
タートした直後にシャッタを押した場合であり、ほぼ一
画面分の擬似動作が終わるまで撮像を開始することがで
きず、シフトレジスタが一回りするまで待つ必要があっ
た。
【0017】このような不都合を避けるためには、走査
回路にダイナミックシフトレジスタに代えてスタティッ
クシフトレジスタを使用することが考えられる。しかし
ながら、スタティックシフトレジスタは、ダイナミック
シフトレジスタに比較して約2倍程度のトランジスタ数
を要し、イメージセンサのICチップ内に所望のピッチ
で配置することが困難である。
【0018】また、ダイナミックシフトレジスタにおい
ても、強制リセット機能や強制プリセット機能を持たせ
ることも不可能ではないが、この方法でもそのような機
能を持たないダイナミックシフトレジスタに比較して
1.5倍程度のトランジスタ数が必要になり、所望のピ
ッチで配置することは困難であった。
【0019】したがって、本発明の目的は、ダイナミッ
クシフトレジスタにおいて、簡単な回路構成により、か
つ各回路段ごとの回路ピッチを大きくすることなく瞬時
にリセットあるいはプリセット可能にすることにある。
【0020】本発明の他の目的は、ダイナミックシフト
レジスタを使用した固体撮像装置において、簡単な回路
構成で該ダイナミックシフトレジスタを瞬時にリセット
あるいはプリセットできるようにし、以て任意の所望の
時間に直ちに撮像を開始できるようにすることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の態樣によれば、各々第1および第2
の縦続接続されたインバータからなる複数の回路段が順
次縦続接続され、各回路段の第1のインバータと第2の
インバータとをクロック信号によって交互に活性化する
ことにより、入力信号を順次後続の回路段へと伝達する
ダイナミックシフトレジスタにおいて、前記第1および
第2のインバータを同時に活性化することにより複数の
回路段にわたり入力信号を直接伝達させるための同時活
性化回路を設ける。
【0022】また、本発明の第2の態樣によれば、各
々、第1および第2の縦続接続されたインバータと、ク
ロック信号が第1のレベルにあるとき前記第1のインバ
ータを活性化する第1の活性化回路と、前記クロック信
号が前記第1のレベルと異なる第2のレベルにあるとき
前記第2のインバータを活性化する第2の活性化回路
と、を有する回路段を複数個順次縦続接続することによ
って構成し、前記クロック信号によって各回路段の第1
のインバータと第2のインバータとを交互に活性化する
ことにより入力信号を順次後続の回路段へ伝達するダイ
ナミックシフトレジスタにおいて、制御信号と前記クロ
ック信号とにもとづき前記第1および第2の活性化回路
を制御するための信号を生成するゲート回路を備え、前
記制御信号の入力時には前記クロック信号のレベルにか
かわりなく前記第1および第2のインバータを同時に活
性化することにより、複数の回路段にわたり入力信号を
直接伝達させる同時活性化回路を設ける。
【0023】さらに、本発明の第3の態樣によれば、各
々、第1および第2の縦続接続されたインバータと、内
部クロック信号線が所定の作動レベルにあるとき前記第
1のインバータを活性化する第1の活性化回路と、内部
反転クロック信号線が所定の作動レベルにあるとき前記
第2のインバータを活性化する第2の活性化回路と、を
備えた回路段を複数個順次縦続接続することによって構
成し、前記内部クロック信号線と前記内部反転クロック
信号線に互いに相補的なクロック信号を供給して各回路
段の第1のインバータおよび第2のインバータを交互に
活性化することにより入力信号を順次後続の回路段へと
伝達するダイナミックシフトレジスタにおいて、制御信
号とクロック信号が入力され、出力が前記内部クロック
信号線に供給される第1のゲート回路と、前記制御信号
と反転クロック信号が入力され、出力が前記内部反転ク
ロック信号線に接続された第2のゲート回路とを備え、
前記制御信号の入力に応じて、前記内部クロック信号線
および前記内部反転クロック信号線のレベルを共に所定
の作動レベルに固定することにより、前記第1および第
2の活性化回路の双方を同時に作動させて前記第1およ
び第2のインバータ回路を同時に活性化し、それによっ
て複数の回路段にわたり入力信号を直接伝達させる同時
活性化回路を設ける。
【0024】さらに、本発明の第4の態樣によれば、上
記各々のシフトレジスタにおいて、前記同時活性化回路
によって、全ての回路段の第1のおよび第2のインバー
タを同時に活性化すると共に、前記入力信号を所定のリ
セットレベルまたはプリセットレベルとすることによ
り、全ての回路段の出力をリセットまたはプリセットす
ることが可能になる。
【0025】さらに、本発明の第5の態樣によれば、上
記各々のシフトレジスタにおいて、前記各回路段の第1
および第2のインバータはCMOSプロセスにより構成
されたクロックドインバータとすることができる。
【0026】また、本発明の第6の態樣によれば、各々
第1および第2のインバータを有し、第1のインバータ
の出力は第1の伝達ゲートを介して第2のインバータに
入力され、第2のインバータの出力を第2の伝達ゲート
を介して出力する回路段を複数個順次縦続接続して構成
し、各回路段の前記第1の伝達ゲートおよび前記第2の
伝達ゲートをクロック信号によって交互に活性化するこ
とにより入力信号を順次後続の回路段へと伝達するダイ
ナミックシフトレジスタにおいて、制御信号の入力に応
じて前記第1の伝達ゲートおよび前記第2の伝達ゲート
を同時に活性化する事により、複数の回路段にわたり入
力信号を直接伝達させるための同時活性化回路を設け
る。
【0027】さらに、本発明の第7の態樣によれば、各
々第1および第2のインバータと、前記第1のインバー
タと第2のインバータとの間に接続され、クロック信号
が第1のレベルにあるとき導通する第1の伝達ゲート
と、前記第2のインバータの出力に接続され、前記クロ
ック信号が前記第1のレベルと異なる第2のレベルにあ
るとき導通する第2の伝達ゲートとを有する回路段を複
数個順次縦続接続することによって構成し、各回路段の
第1の伝達ゲートおよび第2の伝達ゲートを前記クロッ
ク信号に基づき交互に導通させることにより入力信号を
順次後続の回路段へと伝達するダイナミックシフトレジ
スタにおいて、制御信号と前記クロック信号とにもとづ
き前記第1および第2の伝達ゲートを制御するための信
号を生成するゲート回路を備え、前記制御信号の入力時
にはクロック信号のレベルにかかわりなく前記第1およ
び第2の伝達ゲートを同時に導通させることにより、複
数の回路段にわたり入力信号を直接伝達させる同時活性
化回路を設ける。
【0028】次に、本発明の第8の態樣によれば、光電
変換を行なう複数の画素と、前記複数の画素を順次切換
えて読み出すための走査回路を具備する固体撮像装置が
提供され、該固体撮像装置においては、前記走査回路
は、ダイナミックシフトレジスタによって構成され、該
ダイナミックシフトレジスタは各々第1および第2の縦
続接続されたインバータからなる複数の回路段が順次縦
続接続されて構成され、各回路段の第1のインバータと
第2のインバータとをクロック信号によって交互に活性
化することにより、入力信号を順次後続の回路段へと伝
達するとともに、前記第1および第2のインバータを同
時に活性化することにより複数の回路段にわたり入力信
号を直接伝達させる同時活性化回路を備えている。
【0029】また、本発明の第9の態樣によれば、光電
変換を行なう複数の画素と、前記複数の画素を順次切換
えて読み出すための走査回路を具備する固体撮像装置が
提供され、該固体撮像装置においては、前記走査回路
は、ダイナミックシフトレジスタによって構成され、該
ダイナミックシフトレジスタは、各々第1および第2の
インバータを有し、第1のインバータの出力は第1の伝
達ゲートを介して第2のインバータに入力され、第2の
インバータの出力は第2の伝達ゲートを介して出力する
回路段を複数個順次縦続接続して構成し、各回路段の前
記第1の伝達ゲートおよび前記第2の伝達ゲートをクロ
ック信号によって交互に活性化することにより入力信号
を順次後続の回路段へと伝達するとともに、前記第1の
伝達ゲートおよび前記第2の伝達ゲートを同時に活性化
する事により、複数の回路段にわたり入力信号を直接伝
達させるための同時活性化回路を備えている。
【0030】
【作用】上記第1の態樣に係わるダイナミックシフトレ
ジスタにおいては、各回路段の第1のインバータと第2
のインバータとがクロック信号によって交互に活性化さ
れる。したがって、例えば、始めに第1のインバータが
活性化されると、該第1のインバータの入力信号が該第
1のインバータの出力に反転されて伝達されるが、第2
のインバータは活性化されていないので高い入力インピ
ーダンスを有している。したがって、第1のインバータ
の出力から第2のインバータの入力に至る回路の寄生容
量によって第1のインバータの出力信号が保持される。
次に、第1のインバータが不活性にされ、第2のインバ
ータが活性化されると、前述のようにて保持された第1
のインバータの出力信号は第2のインバータの出力に反
転されて伝達される。このとき次の回路段の第1のイン
バータは不活性状態であるから、該第2のインバータの
出力は寄生容量で保持される。このようにして順次入力
信号が後段の回路段へと伝達される。
【0031】このようなダイナミックシフトレジスタに
おいて、前記同時活性化回路によって複数の回路段の前
記第1および第2のインバータを同時に活性化すると、
入力信号は各インバータによって反転されながら高速度
で後段に伝達される。これによって、入力信号が各回路
段の出力にほぼ瞬時に伝達され、各回路段の出力を高速
度で所望の値に設定することが可能になる。この場合、
各回路段に余分の回路を設ける必要がないので、各回路
段ごとのトランジスタの数を増大させることはなく、小
さなピッチでシフトレジスタの各回路段を配置すること
が可能になる。
【0032】上記第2の態樣に係わるダイナミックシフ
トレジスタにおいては、クロック信号によって前記第1
の活性化回路と前記第2の活性化回路とが順次それぞれ
前記第1のインバータと前記第2のインバータとを交互
に活性化し、前述のようにして入力信号を順次後続の回
路段へ伝達する。
【0033】このようなダイナミックシフトレジスタに
おいて、同時活性化回路に設けられたゲート回路は、制
御信号が入力されない場合、例えば制御信号入力端子が
低レベルである場合、には該ゲート回路の出力は入力さ
れたクロック信号をそのまま出力し、前述のように入力
信号を順次後続の回路段へ伝達するダイナミックシフト
レジスタ動作が行なわれる。これに対し、前記ゲート回
路に制御信号が入力されると、すなわち例えば制御信号
入力端子のレベルが高レベルになると、該ゲート回路の
出力は入力されるクロック信号のレベルにかかわりなく
一定のレベルとなり、前記第1および第2のインバータ
を同時に活性化する。これによって、複数の回路段にわ
たり入力信号を直接高速度で伝達することが可能にな
る。
【0034】さらに、上記第3の態樣に係わるダイナミ
ックシフトレジスタにおいては、同時活性化回路におけ
る第1のゲート回路および第2のゲート回路に制御信号
が入力されない場合、例えば制御信号のレベルが低レベ
ルである場合、は第1のゲート回路および第2のゲート
回路はそれぞれ入力されたクロック信号および反転クロ
ック信号をそのまま通過させ、それぞれ内部クロック信
号線および内部反転クロック信号線に供給する。これに
よって第1の活性化回路および第2の活性化回路が前記
第1のインバータおよび第2のインバータを交互に活性
化し、入力信号を順次後続の回路段へ伝達するダイナミ
ックシフト動作が行なわれる。
【0035】これに対し、前記第1のゲート回路および
第2のゲート回路に制御信号が入力されると、例えばこ
れらのゲート回路の制御信号入力端子が高レベルになる
と、第1および第2のゲート回路は共に入力されるクロ
ック信号にかかわりなく所定のレベルの信号を出力す
る。これによって、前記第1および第2の活性化回路の
双方が同時に作動し第1および第2のインバータ回路を
同時に活性化する。これによって複数の回路段にわたり
入力信号を高速度で直接伝達させることができる。この
場合も、各回路段に共通の同時活性化回路によって、か
つ各回路段に余分のトランジスタを必要とすることな
く、入力信号を複数の回路段にわたり直接伝達させるこ
とができる。したがって、各回路段の構成は従来のもの
と同じで良く、各回路段を小さなピッチで配置すること
が可能になる。
【0036】また、上記第4の態樣によれば、各々のシ
フトレジスタにおいて、同時活性化回路によって全ての
回路段の第1および第2のインバータを同時に活性化す
ると共に、入力信号を所定のリセットレベルまたはプリ
セットレベルとすることにより、全ての回路段の出力を
ほぼ瞬時的にリセットまたはプリセットすることができ
る。したがって、簡単な回路構成で各回路段の配置ピッ
チを増大させることなく、ダイナミックシフトレジスタ
を瞬時にリセットまたはプリセット可能なものとするこ
とができる。
【0037】また、上記第5の態樣では、各々のシフト
レジスタにおいて、各回路段の第1および第2のインバ
ータはCMOSプロセスにより構成したクロックドイン
バータとすることにより、高速度でかつ信頼性の高いダ
イナミックシフトレジスタが実現できる。
【0038】また、上記第6の態樣に係わるダイナミッ
クシフトレジスタでは、第1の伝達ゲートと第2の伝達
ゲートとをクロック信号によって交互に活性化すること
により入力信号を順次後続の回路段へと伝達する。例え
ば、始めに第1の伝達ゲートが活性化すなわち導通し、
第2の伝達ゲートが不活性化、すなわち非導通とされれ
ば、第1のインバータに入力された入力信号は該第1の
インバータ、第1の伝達ゲートおよび第2のインバータ
を通り該第2のインバータの出力に伝達される。そし
て、第2のインバータの出力における寄生容量によりこ
の出力信号が保持される。次に、第1の伝達ゲートが不
活性となり第2の伝達ゲートが活性化されると、前記第
2のインバータの出力に保持されていた信号は次の回路
段の第1のインバータの出力まで伝達され、該出力の寄
生容量によって保持される。以下同様にして順次後続の
回路段へと入力信号が伝達されダイナミックシフト動作
が行なわれる。
【0039】そして、このダイナミックシフトレジスタ
においても、前記同時活性化回路が作動すると第1の伝
達ゲートおよび第2の伝達ゲートが同時に活性化され
る。これによって、全てのインバータが縦続接続された
ことになり、入力信号が高速度で直接各インバータを通
り伝達される。これによって、各回路段の回路構成を複
雑化することなく、したがって各回路段の配置ピッチを
大きくすることなく、ダイナミックシフトレジスタを瞬
時にリセットあるいはプリセットすることが可能にな
る。
【0040】上記第7の態樣に係わるダイナミックシフ
トレジスタにおいては、同時活性化回路の前記ゲート回
路に制御信号が入力されない場合、例えば該ゲート回路
の制御入力端子が低レベルの場合は、該ゲート回路に入
力されたクロック信号はそのまま出力され前記第1およ
び第2の伝達ゲートを交互に導通させる。これによっ
て、前記第4の態樣に係わるシフトレジスタと同様に入
力信号が順次後続の回路段へと伝達されダイナミックシ
フト動作が行なわれる。
【0041】これに対し、同時活性化回路のゲート回路
に制御信号が入力されると、例えば該ゲート回路の制御
入力端子が高レベルになると、該ゲート回路の出力はク
ロック信号のレベルに係わりなく一定のレベルとなる。
これによって、第1および第2の伝達ゲートが同時に導
通状態になる。したがって、各回路段の第1および第2
のインバータが直接接続されることになり、入力信号が
高速度で後続の回路段にほぼ瞬時に伝達される。これに
よって、各回路段の回路構成を複雑化させることなく、
したがって各回路段の配置ピッチを大きくすることな
く、瞬時にリセットあるいはプリセット可能なダイナミ
ックシフトレジスタを実現することが可能になる。
【0042】次に、前記本発明の第8の態樣によれば、
上述の第1の態樣に係わるものと同様のダイナミックシ
フトレジスタが固体撮像装置の走査回路に使用されてい
る。したがって、前述のように同時活性化回路により走
査回路のダイナミックシフトレジスタを瞬時にリセット
あるいはプリセットすることが可能になる。このため、
ダイナミックシフトレジスタにおいて行なわれる擬似動
作の途中であっても、任意の所望の時間にダイナミック
シフトレジスタをリセットあるいはプリセットすること
ができ、任意の所望の時間に瞬時に撮像動作に入ること
が可能になる。また、このような固体撮像装置に使用さ
れているダイナミックシフトレジスタでは、各回路段の
回路構成は複雑化せず、したがって配置ピッチが大きく
ならないから、画素ピッチが極めて小さな固体撮像装置
においても、瞬時にリセットが可能になる。
【0043】また、本発明の第9の態樣によれば、前記
第4の態樣に係わるものと同様のダイナミックシフトレ
ジスタを走査回路に使用した固体撮像装置が実現され
る。このようなダイナミックシフトレジスタも、前述の
ように、同時活性化回路の動作によって瞬時に複数の回
路段をリセットあるいはプリセットでき、任意の所望の
時間に速やかに撮像可能な固体撮像装置が実現できる。
また、このような固体撮像装置においても、各回路段の
回路構成は従来のものと同様であり、したがって各回路
段の配置ピッチを大きくする必要がなく、画素ピッチの
小さな固体撮像装置にも適用できる。
【0044】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につき
説明する。図1は、本発明の一実施例に係わるダイナミ
ックシフトレジスタの構成を示す。図1のダイナミック
シフトレジスタは、前記図5のダイナミックシフトレジ
スタと同様に、CMOSプロセスを使用して作成され、
クロックパルスによって順次活性化されるいわゆるクロ
ックドインバータを使用した例を示している。
【0045】図1のダイナミックシフトレジスタの各回
路段は前記図5のダイナミックシフトレジスタの各回路
段と同じ構成を有している。すなわち、正の電源電圧V
DDと負の電源電圧VSSとの間に直列接続された2個
のPMOSトランジスタP1およびP2と2個のNMO
SトランジスタN2およびN1とによって1段のクロッ
クドインバータを構成している。PMOSトランジスタ
P3,P4およびNMOSトランジスタN4,N3が2
段目のクロックドインバータを構成し、PMOSトラン
ジスタP5,P6と2個のNMOSトランジスタN6,
N5とが3段目のクロックドインバータを構成し、2個
のPMOSトランジスタP7,P8と2個のNMOSト
ランジスタN8とN7とが4段目のクロックドインバー
タを構成し、以下同様である。
【0046】各回路段のクロックドインバータにおいて
中央に位置するPMOSトランジスタとNMOSトラン
ジスタ、例えば1段目ではP2とN2、2段目ではP4
とN4、3段目ではP6とN6、4段目ではP8とN
8、はそれぞれCMOSインバータを構成している。各
CMOSインバータと電源VDDおよびVSSとの間に
接続されたトランジスタはこれらのCMOSインバータ
を活性化させるための制御用トランジスタである。
【0047】これらの制御用トランジスタのうちPMO
SトランジスタP1,P5,…のゲートは内部クロック
信号線CP1に接続され、PMOSトランジスタP3,
P7,…のゲートは内部クロック信号線CP2に接続さ
れている。また、他の導電形の制御用トランジスタ、す
なわちNMOSトランジスタN1,N5,…のゲートは
内部クロック信号線CN1に接続され、NMOSトラン
ジスタN3,N7,…のゲートは他の内部クロック信号
線CN2に接続されている。
【0048】また、1段目のCMOSインバータを構成
する各トランジスタP2およびN2のゲートにはスター
トパルスφSTが供給される。1段目のCMOSインバ
ータの出力は2段目のCMOSインバータの入力、すな
わちトランジスタP4およびトランジスタN4のゲート
に接続され、2段目のCMOSインバータの出力は3段
目のCMOSインバータの出力に接続され、3段目のC
MOSインバータの出力は4段目のCMOSインバータ
の入力に順次接続されている。
【0049】図1のダイナミックシフトレジスタはさら
に、同時活性化回路を構成するインバータINV2、O
RゲートOR1,OR2を備え、さらに2個のインバー
タINV3,INV4を備えている。ORゲートOR1
およびOR2のそれぞれの一方の入力には初期化パルス
φINTが供給される。ORゲートOR1の他方の入力
はクロックパルスφCKが供給され、他のORゲートO
R2の他方の入力はクロックパルスφCKをインバータ
INV2で反転した信号が供給される。ORゲートOR
1の出力は前記内部クロック信号線CN2に接続され、
かつインバータINV4を介して内部クロック信号線C
P2に接続されている。ORゲートOR2の出力は内部
クロック信号線CN1に接続され、かつインバータIN
V3を介して内部クロック信号線CP1に接続されてい
る。
【0050】以上のような構成を有するダイナミックシ
フトレジスタにおいては、初期化パルスφINTがロー
(L)レベルの場合はORゲートOR1の出力にはクロ
ックパルスφCKが発生し、ORゲートOR2の出力に
はクロックパルスφCKを反転したクロックパルスが供
給される。したがって、クロックパルスφCKがハイ
(H)レベルのときは、内部クロック信号線CN2がH
レベル、内部クロック信号線CP2がLレベルとなり、
トランジスタP3,P7,…およびN3,N7,…がオ
ンとなる。これに対し、クロック信号φCKがLレベル
の場合は、ORゲートOR2の出力がHレベルとなりト
ランジスタP1,P5,…およびN1,N5,…がオン
となる。したがって、クロック信号φCKによって各回
路段の第1のインバータと第2のインバータとが交互に
活性化され、前記図5の回路と同様の動作が行なわれ、
スタートパルスφSTが順次後続の回路段へとシフトさ
れる。
【0051】これに対し、初期化パルスφINTをHレ
ベルにすると、クロックパルスφCKのレベル如何にか
かわらず、ORゲートOR1およびOR2の出力は共に
Hレベルとなる。したがって、内部クロック信号線CN
1,CN2は共にHレベルとなり、内部クロック信号線
CP1,CP2は共にLレベルとなる。このため、全て
のクロックドインバータの制御用トランジスタP1,P
3,P5,P7,…およびN1,N3,N5,N7,…
が同時にオンとなる。すなわち、全てのクロックドイン
バータが同時に活性化される。
【0052】これによって、クロックパルスφCKとは
無関係に入力信号φSTが各インバータで反転されて後
速度で後段の回路に伝達される。したがってスタートパ
ルスφSTをLレベルにすれば、全ての回路段の出力S
1,S2,…も全てLレベルとなり、スタートパルスφ
STをHレベルとすれば全ての回路段の出力S1,S
2,…はHレベルとなる。すなわち、ほぼ瞬時的に全回
路段あるいは所望の回路段までの出力をセットあるいは
プリセットすることができる。また、回路は全て活性状
態にあるから、リセットまたはプリセット状態を安定し
て長時間継続することも可能である。なお、通常の固体
撮像装置に使用されるクロックドインバータの遅延時間
は、通常数ナノ秒以下であり、仮にクロックドインバー
タが1000段あったとしても入力段から最終段まで数
マイクロ秒以下でデータの伝達が可能であり、ほぼ瞬時
に各回路段のリセットあるいはプリセットを行なうこと
ができる。
【0053】図2は、図1のダイナミックシフトレジス
タを使用した固体撮像装置の構成例を示す。図2の固体
撮像装置において、画素部3および水平読出し部7は前
記図4のものと同じでよい。図2の固体撮像装置におい
ては、垂直走査回路5aおよび水平走査回路9aとして
それぞれ図1に示されるダイナミックシフトレジスタが
使用されている。図1のダイナミックシフトレジスタが
垂直走査回路5aに使用された場合には、図1のスター
トパルスφSTとしては垂直スタートパルスφSTVが
使用され、クロックパルスφCKとしては垂直クロック
パルスφCKVが使用され、初期化パルスφINTとし
ては垂直初期化パルスφINTVが使用されている。水
平走査回路9aにおいては、図1のスタートパルスφS
Tの代わりに水平スタートパルスφSTHが、初期化パ
ルスφINTの代わりに水平初期化パルスφINTH
が、そしてクロックパルスφCKの代わりに水平クロッ
クパルスφCKHがそれぞれ使用されている。
【0054】図2の固体撮像装置では、例えばスチルビ
デオカメラなどに使用された場合、シャッタを押す前に
は固体撮像装置は擬似動作をさせておく、すなわち走査
はするが出力信号は使用しない状態としておく。そし
て、シャッタが押されたら、垂直走査回路5aに10マ
イクロ秒程度の一定期間初期化パルスφINTVを加
え、同時にスタートパルスφSTVをHレベルにする
と、擬似動作中の垂直走査回路5aのシフトレジスタの
全段が強制的にプリセット状態になって全画素が選択状
態になり全画素の電荷がリセットできる。
【0055】次に、垂直スタートパルスφSTVをLレ
ベルにして垂直走査回路5aをリセット状態とし、かつ
水平操作回路9aにも初期化パルスφINTHを加えか
つ水平スタートパルスφSTHをLレベルにして水平走
査回路9aをリセット状態にした後に、正常動作に戻っ
て各シフトレジスタのシフト動作を開始する。このとき
各画素は画像情報の蓄積を開始しており、所定の露光時
間の経過後再度初期化パルスφINTV,φINTHを
Hレベル、垂直スタートパルスφSTVと水平スタート
パルスφSTHをLレベルにして各シフトレジスタを強
制リセットした後に通常の動作に戻って読出し動作を開
始すると、所定の時間露光された映像信号を得ることが
できる。
【0056】図3は、本発明の他の実施例に係わるダイ
ナミックシフトレジスタの概略の構成を示す。図3のダ
イナミックシフトレジスタは、各回路段ごとに2個のC
MOSインバータを備えている。すなわち、第1の回路
段はPMOSトランジスタP11とNMOSトランジス
タN11からなる第1のCMOSインバータと、PMO
SトランジスタP12およびNMOSトランジスタN1
2からなる第2のCMOSインバータとを有している。
第2の回路段は、PMOSトランジスタP13およびN
MOSトランジスタN13からなる第1のCMOSイン
バータと、PMOSトランジスタP14およびNMOS
トランジスタN14からなる第2のCMOSインバータ
とを備えており、以下同様である。各インバータは伝達
ゲートを介して順次縦続接続されている。すなわち、ト
ランジスタP11およびN11からなるインバータの出
力は第1の伝達ゲートT1を介してトランジスタP12
およびN12からなるインバータの入力に接続されてお
り、トランジスタP12,N12からなるインバータの
出力は第2の伝達ゲートT2を介してトランジスタP1
3,N13からなるインバータの入力に接続されてお
り、トランジスタP13,N13からなるインバータの
出力は第3の伝達ゲートT3を介してトランジスタP1
4,N14からなるインバータの入力に接続され、以下
同様である。
【0057】伝達ゲートT1,T3,…のPMOSトラ
ンジスタ側のゲートは内部クロック信号線CP1に接続
され、NMOSトランジスタのゲートは内部クロック信
号線CN1に接続されている。また、伝達ゲートT2,
T4,…のPMOSトランジスタのゲートは内部クロッ
ク線CP2に接続され、NMOSトランジスタのゲート
は内部クロック信号線CN2に接続されている。
【0058】図3のダイナミックシフトレジスタは、図
1のものと同様に、インバータINV2、ORゲートO
R1,OR2からなる同時活性化回路を備えており、ま
たORゲートOR1,OR2の出力をそれぞれ反転して
内部クロック信号線CP2,CP1に供給するインバー
タINV4,INV3を備えている。ORゲートOR
1,OR2の出力はまた内部クロック信号線CN2,C
N1に接続されている。
【0059】図3のダイナミックシフトレジスタにおい
ては、初期化パルスφINTがLレベルの場合には、O
RゲートOR1およびOR2の出力はそれぞれクロック
パルスφCKおよび該クロックパルスφCKを反転した
反転クロックパルスが出力される。これらのクロックパ
ルスφCKおよびその反転クロックパルスがそれぞれ内
部クロック信号線CN2およびCN1に供給される。ま
た、ORゲートOR1,OR2からそれぞれ出力される
クロックパルスφCKおよびその反転クロックパルスが
それぞれさらにインバータINV4,INV3によって
反転されてそれぞれ内部クロック信号線CP2,CP1
に供給される。すなわち内部クロック信号線CP2には
クロック信号φCKを反転したクロックパルスが、内部
クロック信号線CP1にはクロックパルスφCKが供給
される。
【0060】したがって、クロックパルスφCKがHレ
ベルの場合は、伝達ゲートT2,T4,…が導通し、ク
ロックパルスφCKがLレベルの場合は伝達ゲートT
1,T3,…が導通する。すなわちクロック信号φCK
によって伝達ゲートT1,T2,T3,T4,…が交互
に導通、非導通とされる。これによって、スタートパル
スφSTが、周知のごとく、順次後続の回路段へと伝達
されシフト動作が行なわれる。
【0061】これに対し、初期化パルスφINTがHレ
ベルの場合は、ORゲートOR1,OR2の出力は共
に、クロックパルスφCKのレベルにかかわらず、Hレ
ベルとなる。このため、内部クロック信号線CN1,C
N2は共にHレベル、内部クロック信号線CP1,CP
2は共にLレベルとなり、全ての伝達ゲートT1,T
2,T3,T4,…が導通する。すなわち、全ての回路
段のインバータが直接縦続接続されることになる。した
がって、スタートパルスφSTが順次反転されながら各
インバータによって直接伝達される。したがって、図3
の回路においても各回路段を瞬時にリセットあるいはプ
リセットすることが可能になる。
【0062】なお、上述の説明においては、ダイナミッ
クシフトレジスタとして2種類のものにつき説明した
が、本発明は種々の形式のダイナミックシフトレジスタ
に使用できることは明らかである。すなわち、各回路段
が2段1組のダイナミック形インバータ回路で構成され
ており、片方が実質的に活性状態のとき、他方は実質的
に不活性状態として入力信号を順次後続の回路段に伝達
する形式のダイナミックシフトレジスタであれば本発明
は適用できる。これらの場合、本発明によれば、2段1
組のダイナミック形インバータを同時に活性化し、複数
回路段にわたり入力信号を直接後続の回路段に伝達し、
リセットやプリセットを強制的に瞬時に行なわせること
ができる。
【0063】また、上記実施例では、入力されたクロッ
クパルスφCKから回路内部でその反転パルスをも生成
しているが、外部からクロックパルスφCKとその反転
パルスを共に供給するシフトレジスタあるいは撮像装置
にも本発明は適用できる。この場合は、外部から入力さ
れるクロックパルスφCKとその反転パルスのラインを
共に所定の同レベルとして第1および第2のインバータ
を同時に活性化すれば良い。したがって、この場合は前
記各実施例における同時活性化回路などは外部に設けら
れ、シフトレジスタあるいは固体撮像装置内の回路には
いっさい手を加えなくても同一機能を持たせることがで
きる。
【0064】さらに、ダイナミックシフトレジスタの動
作を安定に保つことだけであれば、映像信号の読出し時
以外には擬似動作をさせず初期化パルスφINTとスタ
ートパルスφSTによりシフトレジスタを強制リセット
状態にしておけば良い。信号処理上は、カメラの周辺回
路の動作を安定に保つために擬似動作をさせて、固体撮
像装置から擬似的な映像信号を発生させておく方が望ま
しく、一方、消費電力を低減するためには、読出し時以
外はシフトレジスタをリセット状態にしておくことが望
ましい。したがって、固体撮像装置の用途や目的により
いずれかを選択すればよい。
【0065】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、簡単な
回路構成によりダイナミックシフトレジスタを瞬時にリ
セットあるいはプリセットすることができる。また、ダ
イナミックシフトレジスタを構成する各回路段は従来の
ものと同じで良く、したがって各回路段ごとのトランジ
スタの数が増大することはない。このため、各回路段の
配置ピッチの増大を防止することができる。
【0066】さらに、上記ダイナミックシフトレジスタ
を固体撮像装置に応用した場合には、任意の所望の時間
に強制的に瞬時に画素のリセットを行なうことが可能に
なる。したがって、たとえシフトレジスタが擬似動作を
行なっている場合であっても、必要な時に直ちに撮影状
態に入ることができる。しかも、従来の固体撮像装置の
走査回路のクロック入力部にごく簡単なゲート回路を付
加するだけで良く、走査回路の面積の大部分を占める多
段のシフトレジスタの各回路段には手を加える必要がな
いから、チップサイズに与える影響はほとんど無視でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるダイナミックシフト
レジスタの概略の構成を示す電気回路図である。
【図2】図1のダイナミックシフトレジスタを使用した
固体撮像装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の別の実施例に係わるダイナミックシフ
トレジスタの概略の構成を示す電気回路図である。
【図4】従来の固体撮像素子の概略の構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】従来のダイナミックシフトレジスタの概略の構
成を示す電気回路図である。
【図6】図5のダイナミックシフトレジスタの動作を説
明するための信号波形図である。
【符号の説明】
P1,P2,P3,P4,…,P8,P11,P12,
P13,P14 PMOSトランジスタ N1,N2,N3,…,N8,N11,N12,N1
3,N14 NMOSトランジスタ INV1,INV2,INV3,INV4 インバータ OR1,OR2 ORゲート 1 画素 3 画素部 5,5a 垂直走査回路 7 水平読出し部 9,9a 水平走査回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々第1および第2の縦続接続されたイ
    ンバータからなる複数の回路段が順次縦続接続され、各
    回路段の第1のインバータと第2のインバータとをクロ
    ック信号によって交互に活性化することにより、入力信
    号を順次後続の回路段へと伝達するダイナミックシフト
    レジスタにおいて、 前記第1および第2のインバータを同時に活性化するこ
    とにより複数の回路段にわたり入力信号を直接伝達させ
    るための同時活性化回路を設けたことを特徴とするダイ
    ナミックシフトレジスタ。
  2. 【請求項2】 各々、第1および第2の縦続接続された
    インバータと、クロック信号が第1のレベルにあるとき
    前記第1のインバータを活性化する第1の活性化回路
    と、前記クロック信号が前記第1のレベルと異なる第2
    のレベルにあるとき前記第2のインバータを活性化する
    第2の活性化回路と、を有する回路段を複数個順次縦続
    接続することによって構成し、前記クロック信号によっ
    て各回路段の第1のインバータと第2のインバータとを
    交互に活性化することにより入力信号を順次後続の回路
    段へ伝達するダイナミックシフトレジスタにおいて、 制御信号と前記クロック信号とにもとづき前記第1およ
    び第2の活性化回路を制御するための信号を生成するゲ
    ート回路を備え、前記制御信号の入力時には前記クロッ
    ク信号のレベルにかかわりなく前記第1および第2のイ
    ンバータを同時に活性化することにより、複数の回路段
    にわたり入力信号を直接伝達させる同時活性化回路を設
    けたことを特徴とするダイナミックシフトレジスタ。
  3. 【請求項3】 各々、第1および第2の縦続接続された
    インバータと、内部クロック信号線が所定の作動レベル
    にあるとき前記第1のインバータを活性化する第1の活
    性化回路と、内部反転クロック信号線が所定の作動レベ
    ルにあるとき前記第2のインバータを活性化する第2の
    活性化回路と、を備えた回路段を複数個順次縦続接続す
    ることによって構成し、前記内部クロック信号線と前記
    内部反転クロック信号線に互いに相補的なクロック信号
    を供給して各回路段の第1のインバータおよび第2のイ
    ンバータを交互に活性化することにより入力信号を順次
    後続の回路段へと伝達するダイナミックシフトレジスタ
    において、 制御信号とクロック信号が入力され、出力が前記内部ク
    ロック信号線に供給される第1のゲート回路と、前記制
    御信号と反転クロック信号が入力され、出力が前記内部
    反転クロック信号線に接続された第2のゲート回路とを
    備え、前記制御信号の入力に応じて、前記内部クロック
    信号線および前記内部反転クロック信号線のレベルを共
    に所定の作動レベルに固定することにより、前記第1お
    よび第2の活性化回路の双方を同時に作動させて前記第
    1および第2のインバータ回路を同時に活性化し、それ
    によって複数の回路段にわたり入力信号を直接伝達させ
    る同時活性化回路を設けたことを特徴とするダイナミッ
    クシフトレジスタ。
  4. 【請求項4】 前記同時活性化回路によって、全ての回
    路段の第1のおよび第2のインバータを同時に活性化す
    ると共に、前記入力信号を所定のリセットまたはプリセ
    ットレベルとすることにより、全ての回路段の出力をリ
    セットまたはプリセット可能としたことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のダイナミックシフト
    レジスタ。
  5. 【請求項5】 前記各回路段の第1および第2のインバ
    ータはCMOSプロセスにより構成されたクロックドイ
    ンバータであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のダイナミックシフトレジスタ。
  6. 【請求項6】 各々第1および第2のインバータを有
    し、第1のインバータの出力は第1の伝達ゲートを介し
    て第2のインバータに入力され、第2のインバータの出
    力を第2の伝達ゲートを介して出力する回路段を複数個
    順次縦続接続して構成し、各回路段の前記第1の伝達ゲ
    ートおよび前記第2の伝達ゲートをクロック信号によっ
    て交互に活性化することにより入力信号を順次後続の回
    路段へと伝達するダイナミックシフトレジスタにおい
    て、 制御信号の入力に応じて前記第1の伝達ゲートおよび前
    記第2の伝達ゲートを同時に活性化する事により、複数
    の回路段にわたり入力信号を直接伝達させるための同時
    活性化回路を設けたことを特徴とするダイナミックシフ
    トレジスタ。
  7. 【請求項7】 各々第1および第2のインバータと、前
    記第1のインバータと第2のインバータとの間に接続さ
    れ、クロック信号が第1のレベルにあるとき導通する第
    1の伝達ゲートと、前記第2のインバータの出力に接続
    され、前記クロック信号が前記第1のレベルと異なる第
    2のレベルにあるとき導通する第2の伝達ゲートとを有
    する回路段を複数個順次縦続接続することによって構成
    し、各回路段の第1の伝達ゲートおよび第2の伝達ゲー
    トを前記クロック信号に基づき交互に導通させることに
    より入力信号を順次後続の回路段へと伝達するダイナミ
    ックシフトレジスタにおいて、 制御信号と前記クロック信号とにもとづき前記第1およ
    び第2の伝達ゲートを制御するための信号を生成するゲ
    ート回路を備え、前記制御信号の入力時にはクロック信
    号のレベルにかかわりなく前記第1および第2の伝達ゲ
    ートを同時に導通させることにより、複数の回路段にわ
    たり入力信号を直接伝達させる同時活性化回路を設けた
    ことを特徴とするダイナミックシフトレジスタ。
  8. 【請求項8】 光電変換を行なう複数の画素と、前記複
    数の画素を順次切換えて読み出すための走査回路を具備
    する固体撮像装置であって、 前記走査回路は、ダイナミックシフトレジスタによって
    構成され、該ダイナミックシフトレジスタは各々第1お
    よび第2の縦続接続されたインバータからなる複数の回
    路段が順次縦続接続されて構成され、各回路段の第1の
    インバータと第2のインバータとをクロック信号によっ
    て交互に活性化することにより、入力信号を順次後続の
    回路段へと伝達するとともに、前記第1および第2のイ
    ンバータを同時に活性化することにより複数の回路段に
    わたり入力信号を直接伝達させる同時活性化回路を備え
    たことを特徴とする固体撮像装置。
  9. 【請求項9】 光電変換を行なう複数の画素と、前記複
    数の画素を順次切換えて読み出すための走査回路を具備
    する固体撮像装置であって、 前記走査回路は、ダイナミックシフトレジスタによって
    構成され、該ダイナミックシフトレジスタは、各々第1
    および第2のインバータを有し、第1のインバータの出
    力は第1の伝達ゲートを介して第2のインバータに入力
    され、第2のインバータの出力は第2の伝達ゲートを介
    して出力する回路段を複数個順次縦続接続して構成し、
    各回路段の前記第1の伝達ゲートおよび前記第2の伝達
    ゲートをクロック信号によって交互に活性化することに
    より入力信号を順次後続の回路段へと伝達するととも
    に、前記第1の伝達ゲートおよび前記第2の伝達ゲート
    を同時に活性化する事により、複数の回路段にわたり入
    力信号を直接伝達させるための同時活性化回路を備えた
    ことを特徴とする固体撮像装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006323987A (ja) * 2005-04-19 2006-11-30 Semiconductor Energy Lab Co Ltd シフトレジスタ、表示装置、電子機器
JP2014098901A (ja) * 2005-05-20 2014-05-29 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 表示装置、表示モジュール及び電子機器

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