JPH08171915A - 電 池 - Google Patents

電 池

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JPH08171915A
JPH08171915A JP7271385A JP27138595A JPH08171915A JP H08171915 A JPH08171915 A JP H08171915A JP 7271385 A JP7271385 A JP 7271385A JP 27138595 A JP27138595 A JP 27138595A JP H08171915 A JPH08171915 A JP H08171915A
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JP
Japan
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group
positive electrode
compound
battery
bond
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Application number
JP7271385A
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English (en)
Inventor
Teruo Umemoto
照雄 梅本
Ikuko Takahashi
育子 高橋
Kenji Adachi
健二 足達
Nahomi Noda
なほみ 野田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭素系正極集電体とN−F結合を有する化合
物を含む正極活物質からなる電池。 【解決手段】 正極集電体として白金や金に代わり安価
な炭素系材料を用いることによって、白金や金を用いる
ばあいに匹敵する高起電力の電池をえることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池に関する。詳し
くは、環境受容性の高いN−F結合を有する化合物から
なる正極活物質を含むエネルギー密度が高い電池、また
は該N−F結合を有する化合物からなる固体電解質を兼
ねる正極活物質を含むエネルギー密度が高い電池に関す
る。さらに詳しくは、炭素系正極集電体および環境受容
性の高いN−F結合を有する化合物からなる正極活物質
を含むエネルギー密度が高い電池、または炭素系正極集
電体および該N−F結合を有する化合物からなる固体電
解質を兼ねる正極活物質を含むエネルギー密度が高い電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】電池は民生用の簡便な電気エネルギー源
として、あるいは高度な機器の重要なエネルギー源とし
て必要不可欠なものとなっており、その種類も要求され
る性能に応じて多種多様のものが研究されている。ま
た、コードレスの電子電気機器がますます普及していく
状況のもと、より高エネルギー密度を有し、安価である
電池が要求されている。さらに、自然環境の保護の面か
ら、環境受容性の高い電池が要求されている。
【0003】電池のエネルギー源としては、正極活物質
と負極活物質とがあげられ、正極活物質としては、たと
えば二酸化マンガン、二酸化コバルト、五酸化バナジウ
ム、酸化銅、フッ化黒鉛、酸化チオニル、ヨウ素など
が、また負極活物質としては、リチウム、ナトリウム、
マグネシウム、亜鉛やこれらの合金などの金属が知られ
ている。また、電池の高エネルギー化のためには、負極
活物質としてリチウム金属が最適であることが知られて
いる。しかし一方、従来の正極活物質は、電池としたと
きに起電力が不充分なものであったり、重金属を含むも
のは環境受容性が劣り、また毒性の液体や毒性のガスを
発生する取り扱いにくいものであり、起電力、エネルギ
ー密度、環境受容性、または取り扱い性が不充分なもの
であった。本発明者らは、起電力、エネルギー密度、取
り扱い性、環境受容性に優れ、しかも所望の起電力を与
えることのできる新規な正極活物質として、また、正極
活物質と固体電解質を兼用することのできる材料として
N−F結合を有する化合物を見出し、先に特許出願し
た。また、本発明者らの見出したこの正極活物質(固体
電解質も兼ねうる)を用いて電池を作製しようとするば
あい、正極集電体として酸化電位の非常に高い白金や金
を用いれば高起電力がえられることがわかった。しかし
ながら、白金や金は非常に高価であるため、民生用電池
として工業的に生産しにくいという問題点が残されてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、起電力が高
く、エネルギー密度が高く、環境受容性に優れ、安価な
電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素系正極集
電体およびN−F結合を有する化合物を含む正極活物質
からなる電池に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、白金や金に代わる
正極集電体について鋭意研究を行なった結果、N−F結
合を有する化合物を正極活物質として用いる電池のばあ
い、正極集電体として白金や金に代わり安価な炭素を用
いることによって白金や金を用いるときに匹敵する高起
電力の電池をえることができることを見出した。
【0007】本発明において正極集電体として用いうる
炭素系材料としては天然黒鉛、人造黒鉛、キッシュ黒鉛
などの各種の黒鉛、石墨などのグラファイト、アセチレ
ンブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維、ピッ
チ、タールなどを用いることができ、また塊状、板状、
粉末状など種々の形状で電池の正極集電体として使用す
ることができ、また、素材の形状が満足のいくものでな
いばあいは、所望の形状に成型加工して電池の正極集電
体として使用することができる。本発明における正極集
電体の量は、電池の形態などにより適宜選択すればよ
い。
【0008】本発明において正極集電体として用いうる
炭素系材料には、導電性をそこなわない範囲内で、加工
または成型しやすくするために、もしくは、所望の強度
あるいは柔軟性をうるために、種々の粘着剤、可塑剤ま
たは硬化剤などの添加剤を加えてもよい。これらの添加
剤としては、たとえば各種の樹脂、パラフィン、ワック
スまたはセルロースなどを例示することができる。本発
明における正極集電体に必要により加えられる添加剤の
量は、正極集電体の量に対して50重量%以下が好まし
く、20重量%以下であることがさらに好ましい。前記
範囲より添加剤の量が多いときは導電性がそこなわれる
ばあいがある。また、本発明において用いうる炭素系正
極集電体が金属網やその他の材料からなる鋼により補強
されていてもよい。
【0009】本発明において用いうるN−F結合を有す
る化合物としては、N−フルオロピリジニウム化合物、
N−フルオロスルホンアミド化合物、N−フルオロキヌ
クリジニウム化合物、N−フルオロ−1,4−ジアゾニ
アビシクロ[2.2.2]オクタン化合物、N−フルオ
ロジスルホンイミド化合物、N−フルオロアミド化合
物、N−フルオロカルバメート化合物、N−フルオロピ
リドン化合物などがあげられる。
【0010】前記のN−F結合を有する化合物の多くは
広い温度範囲、とくに高温でも安定な固体である。たと
えばN−フルオロピリジニウムトリフルオロメタンスル
ホナートの融点は185〜187℃、N−フルオロピリ
ジニウムヘキサフルオロアンチモナートの分解点は29
3℃、N−フルオロピリジニウム−2−スルホナートの
分解点は232〜235℃、ポリ(2−ビニル−N−フ
ルオロピリジニウムテトラフルオロボラート)の分解点
は240℃、N−フルオロピリジニウムトリクロロメタ
ンスルホナートの融点は205.5〜207℃、N−フ
ルオロピリジニウムテトラフルオロボラートの融点は1
96.8〜198℃、N−フルオロピリジニウムヘキサ
フルオロホスファートの分解点は202℃、N−フルオ
ロピリジニウムヘキサフルオロアルセナートの分解点は
230℃、N−フルオロピリジニウムパークロラートの
融点は225〜227.5℃、N−フルオロ−2,4,
6−トリメチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホ
ナートの融点は168〜170℃、N−フルオロ−2,
4,6−トリメチルピリジニウムフルオロスルフェート
の融点は162〜164℃、N−フルオロ−2,4,6
−トリメチルピリジニウムテトラフルオロボラートの融
点は215〜217℃、N−フルオロ−2,4,6−ト
リ−t−ブチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホ
ナートの融点は238〜239℃、N−フルオロ−2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジニウムトリフル
オロメタンスルホナートの融点は158〜159℃、N
−フルオロ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタ
ヒドロアクリジニウムトリフルオロメタンスルホナート
の融点は150〜152℃、N−フルオロ−2−フルオ
ロメチル−4,6−ジメチルピリジニウムトリフルオロ
メタンスルホナートの融点は160〜162℃、N−フ
ルオロ−2−クロロピリジニウムトリフルオロメタンス
ルホナートの融点は149〜151℃、N−フルオロ−
3,5−ジクロロピリジニウムテトラフルオロボラート
の融点は208〜209℃、N−フルオロペンタクロロ
ピリジニウムテトラフルオロボラートの融点は198〜
200℃、N−フルオロ−3,5−ビス(トリフルオロ
メチル)ピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート
の融点は193〜195℃、N−フルオロ−2−アセチ
ルピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートの融点
は151〜152℃、N−フルオロ−5−(トリフルオ
ロメチル)ピリジニウム−2−スルホナートの分解温度
は190〜220℃、そしてN−フルオロ−6−クロロ
ピリジニウム−2−スルホナートの融点は171〜17
3℃、N−フルオロキヌクリジニウムトリフルオロメタ
ンスルホナートの分解点は266〜268℃、N−フル
オロキヌクリジニウムヘプタフルオロブチラートの融点
は142〜144℃、N−フルオロ−N′−メチル−
1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンジ
(トリフルオロメタンスルホナート)の分解点は220
〜221℃、N−フルオロ−N′−クロロメチル−1,
4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンジ(テ
トラフルオロボラート)の融点は170℃、N−フルオ
ロ−o−ベンゼンジスルホンイミドの融点は139〜1
40℃、N−フルオロベンゼンスルホンイミドの融点は
114〜116℃、N−フルオロ−3,3−ジメチル−
2,3−ジヒドロ−1,2−ベンゾチアゾール−1,1
−ジオキシドの融点は114〜116℃、(−)−N−
フルオロ−2,10−カンファスルタムの融点は112
〜114℃、(+)−N−フルオロ−2−エンド−メチ
ル−2,10−カンファスルタムの融点は151〜15
4℃、N−フルオロ−3,4,5,6−テトラクロロ−
2−ピリドンの融点は102〜104℃である。これら
の化合物は高温でも安定な固体であるため常温下で製造
するときも、製品として使用するときも、取り扱いが容
易である。また、電解質として使用するばあい、優れた
固体電解質となり、また、正極活物質でもあるので、そ
れ自体で正極活物質と電解質を兼ねることもできる。こ
れを電池材料に用いると、正極活物質を有する正極と負
極活物質を有する負極とを電解液やセパレータを介在さ
せることなく相対させるのみで、小型で構造の簡単な漏
液および漏ガスのない構造の電池を提供することもでき
る。
【0011】さらに、N−F結合を有する化合物を種々
選択することにより起電力を変化させることができるた
め用途に応じた電池を作製でき、もちろん従来の電池と
の互換も容易である。
【0012】N−F結合を有する化合物の多くはフッ素
化剤として知られている(特公平2−33707号公
報、特開昭63−295610号公報、特開平3−99
062号公報、Bull.Chem.Soc.Jp
n.,64,1081(1991)、Z.Chem.,
,64(1965)、EP−A−470669、第1
7回フッ素化学討論会(大阪、1992年)講演要旨
集、129〜130頁、J.Fluorine Che
m.,54,207(1991)、EP−A−5268
49、特開平4−504124号公報、J.Fluor
ine Chem.,55,207(1991)、J.
Chem.Soc.,Chem.Commun,199
、595、J.Org.Chem.,58,2791
(1993)、J.Am.Chem.Soc.,10
,452(1984)、J.Am.Chem.So
c.,108,2445(1986)、J.Fluor
ine Chem.,46,297(1990)、Te
trahedron Lett,32,1779(19
91)、Tetrahedron Lett.,29
6087(1988)、J.Am.Chem.So
c.,109,7194(1987)、特開昭62−2
6264号公報、Synlett,1991,187、
Tetrahedron Lett.,32,1631
(1991)、Tetrahedron,47,744
7(1991)、Tetrahedron,48,15
95(1992)、J.Org.Chem.,34,2
840(1969)、J.Org.Chem.,35
1545(1970)、J.FluorineChe
m.,52,389(1991)、J.Fluorin
e Chem.,34,281(1986))。
【0013】本発明はかかるフッ素化剤として有用であ
るN−F結合を有する化合物を正極活物質として用いる
電池に関するものである。
【0014】本発明において用いうるN−F結合を有す
る化合物のうち、N−フルオロピリジニウム化合物とし
て好ましい化合物は、つぎの式(I)、(II)、(I
II)および(IV)で表わされるものである。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】式(I)、式(II)、式(III)およ
び式(IV)中、隣接するR1 とR2 、R2 とR3 、R
3 とR4 またはR4 とR5 は連結して、−CR6 =CR
7 −CR8 =CR9 −を、また、R1 ´とR2 ´、R
2 ´とR3 ´、R3 ´とR4 ´またはR4 ´とR5 ´
連結して、−CR6 ´=CR7 ´−CR8 ´=CR9 ´
−を形成していてもよく、R1 、R 2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R1 ´、R2 ´
3 ´、R4 ´、R5 ´、R6 ´、R7 ´、R8 ´およ
びR9 ´は同じかまたは異なり、いずれも、水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基また
はカルバモイル基;炭素数1〜15のアルキル基または
該アルキル基をハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜5の
アルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭
素数1〜5のアシル基、炭素数1〜5のアシルオキシ基
もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換した基;炭
素数1〜15のアルケニル基または該アルケニル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換
した基;炭素数1〜15のアルキニル基または該アルキ
ニル基をハロゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリー
ル基で置換した基;炭素数6〜15のアリール基または
該アリール基をハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のア
ルキル基で置換した基;炭素数1〜15のアシル基また
は該アシル基をハロゲン原子で置換した基;炭素数2〜
15のアルコキシカルボニル基または該アルコキシカル
ボニル基をハロゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリ
ール基で置換した基;炭素数7〜15のアリールオキシ
カルボニル基または該アリールオキシカルボニル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基;炭素数1〜15のアルキルスルホニル基または該
アルキルスルホニル基をハロゲン原子もしくは炭素数6
〜10のアリール基で置換した基;炭素数6〜15のア
リールスルホニル基または該アリールスルホニル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基;炭素数1〜15のアルキルスルフィニル基または
該アルキルスルフィニル基をハロゲン原子もしくは炭素
数6〜10のアリール基で置換した基;炭素数6〜15
のアリールスルフィニル基または該アリールスルフィニ
ル基をハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基
で置換した基;炭素数1〜15のアルコキシ基または該
アルコキシ基をハロゲン原子もしくは炭素数6〜10の
アリール基で置換した基;炭素数6〜15のアリールオ
キシ基または該アリールオキシ基をハロゲン原子もしく
は炭素数1〜5のアルキル基で置換した基;炭素数1〜
15のアシルオキシ基または該アシルオキシ基をハロゲ
ン原子で置換した基;炭素数1〜15のアシルチオ基ま
たは該アシルチオ基をハロゲン原子で置換した基;炭素
数1〜15のアルカンスルホニルオキシ基または該アル
カンスルホニルオキシ基をハロゲン原子もしくは炭素数
6〜10のアリール基で置換した基;炭素数6〜15の
アレーンスルホニルオキシ基または該アレーンスルホニ
ルオキシ基をハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアル
キル基で置換した基;炭素数1〜5のアルキル基で置換
されたカルバモイル基または該アルキル置換カルバモイ
ル基を炭素数6〜10のアリール基で置換した基;炭素
数6〜10のアリール基で置換されたカルバモイル基ま
たは該アリール置換カルバモイル基を炭素数1〜5のア
ルキル基で置換した基;炭素数1〜5のアシル基で置換
されたアミノ基または該アシル置換アミノ基をハロゲン
原子で置換した基;炭素数6〜15のN−アルキルピリ
ジニウム塩基または該N−アルキルピリジニウム塩基を
ハロゲン原子、炭素数6〜10のアリール基もしくは炭
素数1〜5のアルキル基で置換した基;炭素数11〜1
5のN−アリールピリジニウム塩基または該N−アリー
ルピリジニウム塩基をハロゲン原子、炭素数6〜10の
アリール基もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基;または有機ポリマー鎖であり、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R1 ´
2 ´、R3 ´、R4 ´、R5 ´、R6 ´、R7 ´、R
8 ´およびR9 ´は種々の組合せでヘテロ原子を介して
または介さずに環構造を形成してもよく、式(II)に
おいて、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 およびR9 の1つは
【0020】
【化5】
【0021】(Rは単結合または炭素数1〜5のアルキ
レン基)であり、式(III)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 のうち
の1つとR1 ´、R2 ´、R3 ´、R4 ´、R5 ´、R
6 ´、R、R8 ´およびR9 ´のうちの1つとは単
結合で結合鎖を形成しており、また、式(IV)におい
ては、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R
8 およびR9 はそれらのうち2つが単結合で重合鎖を形
成しており、式(IV)で示される繰り返し単位は同種
のものでも異種のものでもよい。また
【0022】
【外1】
【0023】はブレンステッド酸の共役塩基である。
【0024】
【外2】
【0025】を生成するブレンステッド酸としては、た
とえばメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸、ニトロベンゼンスル
ホン酸、ジニトロベンゼンスルホン酸、トリニトロベン
ゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パー
フルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスル
ホン酸、パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン
酸、パーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スルホ
ン酸、トリクロロメタンスルホン酸、ジフルオロメタン
スルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、フルオロ
スルホン酸、クロロスルホン酸、カンファースルホン
酸、ブロムカンファースルホン酸、Δ4 −コレステン−
3−オン−6−スルホン酸、1−ヒドロキシ−p−メン
タン−2−スルホン酸、p−スチレンスルホン酸、β−
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、パーフルオロ
−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホ
ン酸などのスルホン酸;ポリ(ビニルスルホン酸)、ポ
リ(p−スチレンスルホン酸)、ポリ(2−アクリルア
ミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)およびこ
れらとスチレンとの共重合体、ポリ(パーフルオロ−
3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホン
酸)およびこれらとテトラフルオロエチレンとの共重合
体などのポリスルホン酸;硫酸、リン酸、硝酸などの鉱
酸;フッ化水素、フッ化水素酸、塩化水素、塩酸、臭化
水素、臭化水素酸、ヨウ化水素、ヨウ化水素酸、過塩素
酸、過臭素酸、過ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸などのハロ
ゲン酸;モノメチル硫酸、モノエチル硫酸などのモノア
ルキル硫酸;酢酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ジクロロ酢酸、
アクリル酸などのカルボン酸;ポリアクリル酸、ポリ
(パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−
オクテン酸)およびこれらとテトラフルオロエチレンと
の共重合体などのポリカルボン酸;HBF4 、HP
6 、HSbF4 、HSbF6、HAsF6 、HBCl
3 F、HSbCl6 、HSbCl5 Fなどのルイス酸と
ハロゲン化水素との化合物;
【0026】
【化6】
【0027】などのアリール置換ホウ素化合物;(FS
2 2 NH、(PhSO2 2 NH、(CF3
2 2 NH、(C4 9 SO2 2 NH、CF3 SO
2 NHSO2 6 13
【0028】
【化7】
【0029】などの酸性アミド化合物;(FSO2 3
CH、(CF3 SO2 3 CH、(PhOSO2 3
H、(CF3 SO2 2 CH2 、(CF3 SO2 3
H、(C4 9 SO2 3 CH、(C8 17SO2 3
CHなどの炭素酸化合物などがあげられる。
【0030】安定性の高いN−F結合を有する化合物を
用いるためには、
【0031】
【外3】
【0032】として酢酸(pKaが4.56)よりも強
い酸性度のブレンステッド酸の共役塩基がとくに好まし
い。
【0033】前記共役塩基としては、 -BF4 -PF
6 -AsF6 -SbF6 - AlCl4 -SbC
6 -SbCl5 F、 -Sb2 11 -2 7 -
OClO3 -OSO2 F、 -OSO2 Cl、 -OSO
2 OH、 -OSO2 OCH3 -OSO2 CH3 -
SO2 CF3 -OSO2 CCl3 -OSO2 4
q -OSO2 6 5 -OSO2 6 4 CH3
-OSO2 6 4 NO2 などがとくに好ましい。
【0034】前記N−フルオロピリジニウム化合物のう
ち式(I)で表わされる化合物としては、たとえば表I
に示すものが好ましくあげられるが、これらのみに限ら
れるものではない。
【0035】
【化8】
【0036】表Iにおいて、kは1〜10の整数、nは
10〜100,000の整数、mは10〜10,000
の整数であり、pおよびqはそれぞれ正の整数であって
1<p+q≦1000である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【表11】
【0048】
【表12】
【0049】
【表13】
【0050】
【表14】
【0051】
【表15】
【0052】
【表16】
【0053】
【表17】
【0054】前記N−フルオロピリジニウム化合物のう
ち式(II)で表わされる化合物としては、たとえば表
IIに示すものが好ましくあげられるが、これらのみに
限られるものではない。
【0055】
【化9】
【0056】
【表18】
【0057】
【表19】
【0058】前記N−フルオロピリジニウム化合物のう
ち式(III)で表わされる化合物の例としては、たと
えば表IIIに示すものが好ましくあげられるが、これ
のみに限られるものではない。
【0059】
【化10】
【0060】
【表20】
【0061】
【表21】
【0062】前記N−フルオロピリジニウム化合物のう
ち式(IV)で表わされる化合物の例としては、たとえ
ば構造式がつぎの式により示されるものが好ましくあげ
られるが、これのみに限られるものではない。
【0063】
【化11】
【0064】
【化12】
【0065】
【化13】
【0066】
【化14】
【0067】式(IV)で表わされる繰り返し単位を含
むN−フルオロピリジニウム塩含有重合体は、共重合成
分として置換または非置換のフェニレン、ナフタレンジ
イル、チオフェンジイル、ピロールジイル、フランジイ
ルなどの単位が含まれていてもよい。前記置換基のうち
好ましいものとしては、低級アルキル基やハロゲン原子
などが例示できる。また、前記N−フルオロピリジニウ
ム塩含有体は、異なるN−フルオロピリジニウム塩を共
重合成分とする2元または3元以上の共重合体であって
もよく、さらに該共重合体に前記のN−フルオロピリジ
ニウム塩以外の成分が1種以上共重合されていてもよ
い。また、共重合体はブロック共重合体、ランダム共重
合体あるいはグラフト共重合であってもよい。共重合体
であるばあいは、式(IV)で示される単位の含有率
(モル分率)は、電池の電気容量の観点から、少なくと
も50%以上、好ましくは60%以上である。また、式
(IV)で示される繰り返し単位を含むN−フルオロピ
リジニウム塩含有重合体の平均分子量は製造のしやすさ
の点から500,000までのものが好ましい。さらに
またこのN−フルオロピリジニウム塩含有重合体は、つ
ぎの式(V):
【0068】
【化15】
【0069】に相当するピリジン含有重合体をブレンス
テッド酸および/またはブレンステッド酸塩、および/
またはルイス酸の存在下に、フッ素(F2 )と反応せし
めることによって製造されるものであるが、この際に反
応が不完全なときは、前記の式(V)で示される単位、
および/またはつぎの式(VI):
【0070】
【化16】
【0071】で示される単位が、また、ルイス酸
【0072】
【外4】
【0073】を使用したばあいは、前記の式(V)およ
び/または式(VI)および/またはつぎの式(VI
I):
【0074】
【化17】
【0075】で示される単位が該N−フルオロピリジニ
ウム塩含有重合体に含まれている。
【0076】また、N−フルオロピリジニウム化合物と
して、構造式がつぎの式により示されるN−フルオロピ
リジニウムピリジンヘプタフルオロジボラートも例示す
ることができる。
【0077】
【化18】
【0078】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロスルホンアミド化合物として、とくに好ましい化
合物はつぎの式(VIII):
【0079】
【化19】
【0080】(式中、Ra 、Rb は同じかまたは異なる
炭素数1〜15のアルキル基または該アルキル基をハロ
ゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換し
た基、炭素数6〜15のアリール基または該アリール基
をハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜5の
アシル基、もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基、ピリジル基または該ピリジル基をハロゲン原子で
置換した基であり、RaとRb はヘテロ原子を介してま
たは介さずに環状構造を形成してもよいし、また、Rb
は水素原子もとりうる。)で示されるものである。具体
的には
【0081】
【化20】
【0082】などがあげられる。
【0083】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロキヌクリジニウム化合物として、とくに好ましい
化合物はつぎの式(IX):
【0084】
【化21】
【0085】で示されるものである(
【0086】
【外5】
【0087】は前記のブレンステッド酸の共役塩基であ
る)。具体的には、
【0088】
【化22】
【0089】などがあげられる。
【0090】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オ
クタン化合物としてとくに好ましい化合物はつぎの式
(X):
【0091】
【化23】
【0092】で示されるものである(Rc は炭素数1〜
15のアルキル基または該アルキル基をハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数
1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカル
ボニル基、もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換
した基であり、
【0093】
【外6】
【0094】は同じかまたは異なる前記のブレンステッ
ド酸の共役塩基である)。具体的には
【0095】
【化24】
【0096】などがあげられる。
【0097】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロジスルホンイミド化合物としてとくに好ましい化
合物はつぎの式(XI):
【0098】
【化25】
【0099】(式中、Rd とRe は、同一または異なる
炭素数1〜15のアルキル基、または該アルキル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数6〜16のアリール基で置換
した基、炭素数6〜10のアリール基または該アリール
基をハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜5
のアシル基、もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換
した基であり、Rd とRe はヘテロ原子を介してまたは
介さずに環状構造をとってもよいし、または、Rd とR
e は一体となって炭素数6〜10の芳香環構造をまたは
該芳香環構造をハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭
素数1〜5のアシル基、もしくは炭素数1〜5のアルキ
ル基で置換した構造を形成する)で示されるものであ
る。具体的には、
【0100】
【化26】
【0101】などがあげられる。
【0102】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロアミド化合物としてとくに好ましい化合物はつぎ
の式(XII):
【0103】
【化27】
【0104】(式中、Rf とRg は同じかまたは異な
り、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基または該アミノ
基を炭素数1〜5のアルキル基で置換した基、炭素数1
〜15のアルキル基または該アルキル基をハロゲン原子
もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換した基、炭
素数6〜15のアリール基または該アリール基をハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜5のアシル
基、もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換した基で
あり、Rf とRg はヘテロ原子を介してまたは介さずに
環状構造を形成してもよい。)で示され、具体的には
【0105】
【化28】
【0106】などがあげられる。
【0107】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロカルバメート化合物としてとくに好ましい化合物
はつぎの式(XIII):
【0108】
【化29】
【0109】(式中、Rh とRi は、同じかまたは異な
る炭素数1〜15のアルキル基または該アルキル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数6〜16のアリール基で置換
した基、炭素数6〜10のアリール基または該アリール
基をハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜5
のアシル基、もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換
した基であり、また、Ri は水素原子であってもよく、
h とRi はヘテロ原子を介してまたは介さずに環状構
造をとってもよいし、または、Rh とRi は一体となっ
て炭素数6〜10の芳香環構造をまたは該芳香環構造を
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜5のア
シル基、もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換した
構造を形成する。)で示されるものである。具体的には
【0110】
【化30】
【0111】などがあげられる。
【0112】N−F結合を有する化合物のうち、N−フ
ルオロピリドン化合物としてとくに好ましい化合物はつ
ぎの式(XIV):
【0113】
【化31】
【0114】(式中、Rj〜mは式(I)中のR1 、R
2 、R3 、R4 およびR5 で定義された基と同じ)で示
されるものである。具体的には
【0115】
【化32】
【0116】などがあげられる。
【0117】また、N−F結合を有する化合物として
は、
【0118】
【化33】
【0119】などを用いてもよい。
【0120】本発明に好ましく用いられるN−F結合を
有する化合物としては、N−フルオロピリジニウム化合
物があげられるが、とくに好ましい化合物としては、つ
ぎの式(Ia):
【0121】
【化34】
【0122】(ここで、R1a、R2a、R3a、R4aおよび
5aは同じかまたは異なり、それぞれ水素原子、低級ア
ルキル基、低級ハロアルキル基またはハロゲン原子であ
る)で表わされる化合物および、つぎの式(IIa):
【0123】
【化35】
【0124】(ここで、R1a、R2a、R3a、R4aおよび
5aのうち1つが
【0125】
【化36】
【0126】(nは0〜5の整数)であり、その他が同
じかまたは異なり、それぞれ水素原子、低級アルキル
基、低級ハロアルキル基またはハロゲン原子である)で
表わされる化合物よりなる群から選ばれたN−フルオロ
ピリジニウム化合物があげられ、また、前記低級アルキ
ル基の炭素数が1〜4の範囲内にあり、前記低級ハロア
ルキル基の炭素数が1〜4の範囲内にあり、前記nが0
〜2の整数であり、前記の式(Ia)の
【0127】
【外7】
【0128】がpKaが4.56以下のブレンステッド
酸の共役塩基であるN−フルオロピリジニウム化合物が
さらに好ましく、また、つぎの式
【0129】
【化37】
【0130】(ここでR1a、R2a、R3a、R4a、R5a
1a´、R2a´、R3a´、R4a´およびR5a´は同じか
または異なり、それぞれ水素原子、低級アルキル基、炭
素数1個のハロアルキル基、炭素数1〜8のまたはハロ
ゲン原子であり、R1a、R2a、R3a、R4aおよびR5a
うち1つはR1a´、R2a´、R3a´、R4a´およびR
5a´のうちの1つと単結合で結合鎖を形成し、
【0131】
【外8】
【0132】がpKaが4.56以下のブレンステッド
酸の共役塩基である)で表わされる化合物および、つぎ
の式(IVa):
【0133】
【化38】
【0134】(ここでR1a、R2a、R3a、R4aおよびR
5aは同じかまたは異なり、それぞれ水素原子、炭素数1
〜8のアルキル基、炭素数1個のハロアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基またはハロゲン原子であり、R
1a、R2a、R3a、R4aおよびR5aは、それらのうち2つ
が単結合で重合鎖を形成し、
【0135】
【外9】
【0136】がpKaが4.56以下のブレンステッド
酸の共役塩基である)で表わされる化合物よりなる群か
ら選ばれたN−フルオロピリジニウム化合物があげられ
る。
【0137】また、式(I)で示されるN−フルオロピ
リジニウム化合物としては、N−フルオロピリジニウム
トリフルオロメタンスルホナート、N−フルオロピリジ
ニウムテトラフルオロボラート、N−フルオロピリジニ
ウムヘキサフルオロアンチモナート、N−フルオロピリ
ジニウムヘキサフルオロホスファート、N−フルオロ
(メチル)ピリジニウムテトラフルオロボラート、N−
フルオロジメチルピリジニウムテトラフルオロボラー
ト、N−フルオロトリメチルピリジニウムトリフルオロ
メタンスルホナート、N−フルオロトリメチルピリジニ
ウムテトラフルオロボラート、N−フルオロクロロピリ
ジニウムテトラフルオロボラート、N−フルオロジクロ
ロピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート、また
はN−フルオロジクロロピリジニウムテトラフルオロボ
ラートなどがとくに好ましく、また、式(II)で示さ
れるN−フルオロピリジニウム化合物としてはN−フル
オロピリジニウムスルホナート、N−フルオロクロロピ
リジニウムスルホナート、N−フルオロ(メチル)ピリ
ジニウムスルホナート、N−フルオロ(トリフルオロメ
チル)ピリジニウムスルホナートまたはN−フルオロ
(ジメチル)ピリジニウムスルホナートなどがとくに好
ましく、式(III)で示されるN−フルオロピリジニ
ウム化合物としてはN,N´−ジフルオロビピリジニウ
ムビス(テトラフルオロボラート)、N,N´−ジフル
オロビピリジニウムビス(ヘキサフルオロホスファー
ト)、N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス(ヘキ
サフルオロアルセナート)、N,N´−ジフルオロビピ
リジニウムビス(ヘキサフルオロアンチモナート)、
N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス(トリフルオ
ロメタンスルホナート)、N,N´−ジフルオロジメチ
ルビピリジニウムビス(テトラフルオロボラート)、
N,N´−ジフルオロジクロロビピリジニウムビス(テ
トラフルオロボラート)などがとくに好ましく、式(I
V)で示されるN−フルオロピリジニウム化合物として
は、ポリ(N−フルオロピリジニウムテトラフルオロボ
ラート−ジイル)、ポリ(N−フルオロピリジニウムヘ
キサフルオロホスファート−ジイル)、ポリ(N−フル
オロピリジニウムヘキサフルオロアルセナート−ジイ
ル)、ポリ(N−フルオロピリジニウムヘキサフルオロ
アンチモナート−ジイル)、ポリ(N−フルオロピリジ
ニウムトリフルオロメタンスルホナート−ジイル)、ポ
リ[N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス(テトラ
フルオロボラート)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフ
ルオロビピリジニウムビス(ヘキサフルオロホスファー
ト)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフルオロビピリジ
ニウムビス(ヘキサフルオロアルセナート)−ジイ
ル]、ポリ[N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス
(ヘキサフルオロアンチモナート)−ジイル]、ポリ
[N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス(トリフル
オロメタンスルホナート)−ジイル]、ポリ[N,N´
−ジフルオロジメチルビピリジニウムビス(テトラフル
オロボラート)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフルオ
ロジクロロビピリジニウムビス(テトラフルオロボラー
ト)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフルオロジヘキシ
ルビピリジニウムビス(テトラフルオロボラート)−ジ
イル]などがとくに好ましい。
【0138】本発明において用いうるN−F結合を有す
る化合物である電気エネルギー材料は、粉末状でもフィ
ルム状でも、あるいは液体状でもよい。また、前記のN
−F結合を有する化合物は1種で、または2種以上の混
合物として用いうる。
【0139】本発明の電気エネルギー材料は、前記のご
とくとくに電池の正極活物質および電解質として有用で
ある。
【0140】正極活物質として使用するばあい、前記N
−F結合を有する化合物は多様な分子量、分子構造をと
っているため、起電力も種々異なる。一般に、起電力は
N−F結合の電子欠乏性と関係し、N−Fの窒素原子に
結合する置換基の電気的性質、とくに電子吸引性や電子
供与性と関係する。N−F結合を有する化合物が、N−
フルオロピリジニウム化合物であるばあいは、起電力は
ピリジン環上の置換基の電気的性質と置換基の数に依存
する。したがって、置換基の種類や組合せあるいはその
数を選択することによって所望の起電力をうることが可
能である。本発明の材料を正極活物質として各種の負極
材料とともに用いるときは、約0.5〜約4.5Vの範
囲の起電力がえられる。
【0141】N−フルオロピリジニウム化合物のばあ
い、3Vを超える高起電力が求められるときは、電子吸
引性基をピリジン環に置換させればよい。好ましい電子
吸引性基としては、たとえばフッ素原子、塩素原子、臭
素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、トリハロメチル
基、シアノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基など
があげられる。一方、1.5V系や2V系電池と互換性
を持たせるための起電力をえたいばあいは、たとえば電
子供与性基を置換させればよい。好ましい電子供与性基
としては、たとえばメチル基やエチル基などのアルキル
基、メトキシ基やエトキシ基などのアルコキシ基、フェ
ノキシ基やトリルオキシ基などのアリールオキシ基など
があげられる。
【0142】本発明のN−F結合を有する化合物の多く
は前記のとおり融点が約100℃以上であるので、高温
で使用可能な正極活物質および固体電解質としても利用
できる。正極活物質として使用する際リチウム、亜鉛、
マグネシウムなどの負極と反応して、その界面に金属フ
ッ化物からなる保護皮膜が形成する。
【0143】この皮膜により、電池として短絡はもちろ
んほとんど自己放電することなく長期安定的に保存でき
る。当然セパレータも不要である。さらに、本発明化合
物は、負極活物質(金属)と電気化学反応を起こす際
に、金属イオンが本発明化合物中に拡散することによ
り、イオン電導性の金属錯体を形成するので前記反応が
進行してもイオン電導性は維持される。固体電解質も兼
用して使用するばあい内部抵抗が低い化合物が好まし
く、換言すれば高いイオン電導性を与えるものとして、
塩構造の
【0144】
【外10】
【0145】部分としてはトリフルオロメタンスルホナ
ート、テトラフルオロボラート、ヘキサフルオロアンチ
モナート、ヘキサフルオロアルセナート、パークロラー
ト、テトラキス〔ビス(トリフルオロメチル)フェニ
ル〕ボラート、ヘキサフルオロホスファートなどが特に
好ましい。
【0146】つぎに本発明の好ましい電池構造をさらに
詳しく説明するが、これらのみに限られるものではな
い。
【0147】(1)N−F結合を有する化合物を正極活
物質として用いるばあい [正極の製造]本発明のN−F結合を有する化合物が粉
末状であるばあいは、プレス機などで所望の形状に成形
するか、または、必要ならばたとえばバインダーや導電
剤などと混合し、正極集電体とともにプレス機などで所
望の形に成形する。バインダーとしては、たとえばポリ
テトラフルオロエチレン粉末、カルボキシメチルセルロ
ース、ポリビニルアルコールなどの通常のバインダー
が、導電剤としては、たとえばニッケル粉末、白金粉末
などの金属粉末;各種の金属網や金属細繊維;黒鉛、石
墨などのグラファイト、アセチレンブラックなどのカー
ボンブラック、炭素繊維、ピッチ、タールなどの炭素な
どが好ましく用いられる。
【0148】N−F結合を有する化合物がポリマーなど
の高分子量の化合物からなるばあいなどのように膜状に
成形可能なばあい、あるいはフィルム形成剤により膜形
成可能な材料となるばあいは、そのままでフィルム化す
るか、または必要ならばバインダーや導電剤もしくは後
述の添加剤などを配合してフィルム状とする。フィルム
形成剤としてはたとえばポリエチレンオキシド、ポリエ
チレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアセ
テート、ポリアクリロニトリル、ポリメチルアクリレー
トなどの高分子材料、またはゼラチンなどが好ましい。
【0149】また、他の公知の正極活物質と混合使用し
てもよい。
【0150】[電解質]電解質としては通常使用されて
いるものが液体、固体の別なく使用できる。好ましい液
体電解質としては、たとえば過塩素酸リチウム、過塩素
酸テトラブチルアンモニウム、リチウムトリフルオロメ
タンスルホナート、リチウムテトラフルオロボラート、
リチウムヘキサフルオロアンチモナート、リチウムヘキ
サフルオロアルセナート、リチウムヘキサフルオロホス
ファート、リチウムテトラクロロアルミニウム、塩化亜
鉛、フッ化亜鉛、塩化マグネシウム、フッ化マグネシウ
ム、アンモニウムフロリド、アンモニウムクロリド、過
塩素酸ナトリウムなどを溶解したエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボナート、スルホラン、γ−ブチロ
ラクトン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジメトキシエタン、アセトニトリルなどがあげられ、固
体電解質としてはたとえばリチウムトリフルオロメタン
スルホナート、リチウムテトラフルオロボラート、リチ
ウムヘキサフルオロアンチモナート、リチウムヘキサフ
ルオロアルセナート、リチウムヘキサフルオロホスファ
ート、過塩素酸リチウム、マグネシウムトリフルオロメ
タンスルホナート、亜鉛テトラフルオロボラート、Pb
SnF4 、LaF3 、Pb0.9 Sn0.9 Zr
0.2 4.4 、リチウムトリフルオロメタンスルホナート
/ポリエチレンオキシド、過塩素酸リチウム/ポリプロ
ピレンオキシドなどがあげられる。
【0151】[負 極]負極材料としては、リチウム、
ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウ
ム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウム
などの両性化合物、亜鉛、カドミウム、銅、鉛などの遷
移金属、リチウム−アルミニウム、リチウム−スズ、リ
チウム−鉛、リチウム−金、リチウム−白金、リチウム
−亜鉛、リチウム−カドミウム、リチウム−銀、リチウ
ム−マグネシウム、リチウム−ウッドメタルなどの各種
のリチウム合金などが使用できるが、高起電力を発生で
きるという点および柔軟性のある薄型電池に適用しやす
いという点から、リチウム、亜鉛、カルシウム、マグネ
シウム、リチウム合金などが好ましい。
【0152】[セパレータ]セパレータを使用するばあ
いは、たとえばポリアミド系、ポリプロピレン系などの
織布、不織布など従来より通常使用されているものが採
用できる。
【0153】以上の構成材料と前記の炭素正極集電体と
を通常の方法により電池として組立てればよい。
【0154】(2)N−F結合を有する化合物を、正極
活物質と電解質を兼用して使用するばあい [電解質を兼用する正極活物質の製造]前記(1)の正
極の製造方法に従って製造すればよい。このばあい、正
極活物質が電解質を兼ねているので、導電剤を使用する
ばあいはセパレータを用いたり、あるいは、導電剤を含
むN−F結合を有する化合物と負極との間に導電剤を含
まないN−F結合を有する化合物の層を挿入する方法、
いわゆる多層化などの方法により、短絡の起きない電池
とすることができる。
【0155】[負 極]前記(1)と同じ。
【0156】[セパレータ]本発明の電解質と負極の界
面は前記のとおり、保護膜形成により短絡状態とならな
いので、原則として不要である。要すれば、前記(1)
にあげたものを使用すればよい。
【0157】電池の組立ては、前記の炭素系正極導電体
を用い、負極を正極に直接接触して、要すればセパレー
タを用いて通常の方法により組み立てればよい。
【0158】前記(2)のばあいは全固体型電池とする
ことができるので、多くのばあい、たとえば100℃以
上でも漏液なく使用のできる優れた電池となる。
【0159】本発明における正極活物質の量は電池の形
態や所望の電気容量により適宜選択すればよい。
【0160】また本発明において使用しうるN−F結合
を有する化合物に極性化合物の1種または2種以上を、
N−F結合を有する化合物の重量に対して、1〜60重
量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2〜
40重量%混入させることにより、内部抵抗のより低い
電池とすることもできる。添加される極性化合物の添加
量が前記範囲より少ないか、該化合物の融点が常温より
高いばあいは全固体電池の特性を保った電池として使用
可能である。前記極性化合物としてはジメチルスルホ
ン、炭酸ジメチル、ジフェニルスルホン、メチルフェニ
ルスルホン、1,3−ジオキソラン、γ−ブチロラクト
ン、スルホラン、エチレンカーボナート、炭酸プロピレ
ン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレン
グリコール、エタノール、メタノール、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン、ジ
ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリルなどの極性有機化合物、ならびにリチウ
ムトリフルオロメタンスルホナート、リチウムテトラフ
ルオロボラート、リチウムヘキサフルオロホスファー
ト、リチウムヘキサフルオロアルセナート、リチウムヘ
キサフルオロアンチモナート、過塩素酸リチウム、過塩
素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、アンモニウムトリ
フルオロメタンスルホナート、アンモニウムテトラフル
オロボラート、アンモニウムクロリド、ナトリウムトリ
フルオロメタンスルホナート、カリウムトリフルオロメ
タンスルホナート、亜鉛トリフルオロメタンスルホナー
ト、亜鉛テトラフルオロボラート、マグネシウムトリフ
ルオロメタンスルホナート、マグネシウムテトラフルオ
ロボラート、水などの極性無機化合物、またはこれらの
混合物を例示することができる。
【0161】本発明によってえられる電池の用途として
は、これに限られるものではないが、定期券、キャッシ
ュカード、ペースメーカー、時計、電卓、電子玩具、小
型ラジオ、電子ライター、カメラ、電子体温計、医療用
機器、グリーティングカード、補聴器、ページャー、電
子手帳、キーレスエントリー、RAMメモリー、ICメ
モリー、携帯電話、ノートパソコン、ポータブルAV機
器、太陽電池のバックアップ、カードなどの電源などが
あげられる。
【0162】つぎに本発明において用いうるN−F結合
を有する化合物の電気エネルギー材料としての特徴を示
すために、以下の実験(参考例1〜170)を行った
(参考例1〜170において用いられているN−F結合
を有する化合物は例としてあげられたものであり、本発
明において用いうるN−F結合を有する化合物は、これ
に限られるものではない)。
【0163】参考例1〜6 表IVに示すN−フルオロピリジニウム化合物の酸化電
位を、図1に示すセルを用い、サイクリックボルタメト
リーによりつぎの要領で測定した。
【0164】作用極および対極は白金、基準極は銀であ
る。溶媒は20ミリリットル入れた(基準極は2ミリリ
ットル)。溶媒に用いたアセトニトリルは、水素化カル
シウムと2日間混ぜたあと、還流および蒸留して用い
た。硝酸銀および用いたN−フルオロピリジニウム化合
物は排気による脱水処理をして用いた。基準極は硝酸銀
0.1Mのアセトニトリル溶液、N−フルオロピリジニ
ウム化合物の濃度は電圧降下を避けるため、10mMと
し、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムの濃度0.
1Mとした。支持電解質として用いたトリフルオロメタ
ンスルホン酸リチウムは吸湿性が高いので秤量後に加熱
しながら脱気をし、さらに無水のテトラヒドロフランを
用いてトリフルオロメタンスルホン酸リチウムと水和し
ていると考えられる水を除去する操作を行なった。水と
反応する電位が、N−フルオロピリジニウム化合物の還
元電位に近いので、脱水処理を徹底した。白金電極はサ
ンドペーパーで磨いたあと王水で洗い、水ですすいで用
いた。銀電極はサンドペーパーで磨いたあとメタノール
と硝酸(9:1)の混合液で洗い、水ですすいだ。セル
はすべて温風機で加熱しながら、アルゴンガスを流して
乾燥した。すり合わせの部分にはグリースを用い、セル
を組む作業はグローブボックス中でアルゴン雰囲気下で
行なった。また、測定前に測定セル内を30分以上、ア
ルゴンガスでバブリングした。えられたEp値(ピーク
ポテンシャル)を表IVに示す。数値は飽和甘コウ電極
(SCE)に対する値である。
【0165】
【表22】
【0166】表IVから明らかなように、メチル基のよ
うな電子供与基で置換されたN−フルオロピリジニウム
化合物は卑な起電力をもち、一方、塩素原子のような電
子吸引性基で置換されたN−フルオロピリジニウム化合
物は貴な起電力を生じ、しかもこれらの置換基の位置や
数、種類を変化させることにより起電力を大きく変える
ことができる。
【0167】参考例7〜10 <N−F結合を有する化合物を用いた電池の作製−その
1> 式:
【0168】
【化39】
【0169】で表わされるN−フルオロピリジニウムト
リフルオロメタンスルホナートを正極活物質と固体電解
質を兼用する電極材料として用い、つぎの要領で全固体
電池を作製した。すべての実験は室温で行なった。
【0170】N−フルオロピリジニウムトリフルオロメ
タンスルホナート150mgを手動式プレス機で直径7
mm厚さ2mmのディスク状に固め、図2に示すように
白金電極と表Vに示す負極の間に挟んで全固体電池を作
製し、電圧計により開回路電圧を測定した。参考例7〜
9は大気中で、参考例10はアルゴン雰囲気下で測定し
た。
【0171】結果を表Vに示す。
【0172】
【表23】
【0173】また、負極に亜鉛を用いた参考例8におけ
る開回路電圧の経時変化を図3に示す。
【0174】表Vから明らかなように、負極を選定する
ことによっても起電力を変化させることができる。ま
た、図3から明らかなように初期の開路電圧は安定であ
り、全固体電池として長期間保存可能な電池となりう
る。
【0175】参考例11〜16 参考例8においてN−フルオロピリジニウムトリフルオ
ロメタンスルホナートに代えて表VIに示すN−フルオ
ロピリジニウム化合物を用いたほかは参考例8と同様に
して開回路電圧を測定した。
【0176】結果を表VIに示す。
【0177】
【表24】
【0178】参考例17 負極に亜鉛を用いて作製した参考例8の電池(N−フル
オロピリジニウムトリフルオロメタンスルホナートを使
用)を用いて図2におけるスイッチにより閉回路とし、
表VIIに示す各種の負荷をかけたときの1秒後の電池
電圧を測定した。
【0179】結果を表VIIに示す。
【0180】
【表25】
【0181】表VIIより、本発明におけるN−フルオ
ロピリジニウム化合物が、実際に新たな電気などのエネ
ルギーを発生させる材料として有用であることが明らか
である。
【0182】参考例18〜170 <N−F結合を有する化合物を用いた電池の作製−その
2>乳鉢でよく砕いた表VIIIに示すN−F結合を有
する化合物約120mgを、または表VIIIに示すよ
うにN−F結合を有する化合物の重量に対して所定割合
の添加物を乳鉢を用いてよく混合したN−F結合を有す
る化合物約120mgを1cm×1cmの白金板、金板
などの正極側集電体となる金属板上に薄く広げ、反対側
をフッ素樹脂シートで押さえ、プレス器を用いて表に示
す圧力(ton/cm2 )で10分間プレスした。前記
のようにして、N−F結合を有する化合物を含む固体状
成型体を作製し、その厚さは約100μmであった。こ
ののち、フッ素樹脂シートをはずし、亜鉛、マグネシウ
ム、リチウムなどの負極活物質となる金属板に置き換え
て開路電圧および内部抵抗を求めた。プレスはすべての
参考例において大気中で行った。負極が亜鉛、マグネシ
ウムのばあいの電池の組み立ておよび測定は大気中で行
ったが、負極がリチウムのばあいの電池の組み立ておよ
び測定はアルゴン雰囲気下で行った。なお、N−フルオ
ロ−3,5−ジクロロピリジニウムトリフルオロメタン
スルホナート、N−フルオロ−3,5−ジクロロピリジ
ニウムテトラフルオロボラート、N−フルオロ−2,6
−ジクロロピリジニウムトリフルオロメタンスルホナー
ト、N−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウムテト
ラフルオロボラート、N−フルオロ−2,3,4,5,
6−ペンタクロロピリジニウムトリフルオロメタンスル
ホナート、N−フルオロ−2,3,4,5,6−ペンタ
クロロピリジニウムテトラフルオロボラートについての
電池の組み立ておよび測定は負極金属にかかわらずアル
ゴン雰囲気下で行なった。
【0183】作製した電池の開路電圧を測定し、そし
て、図2と同様の装置で開路電圧と1MΩから10kΩ
の外部負荷のもとでの電池電圧から内部抵抗を測定し
た。外部負荷をかけたときの電池電圧は、一定値または
ほぼ一定値(約±0.01Vに安定したとき)になった
ところを測定した。結果は表VIIIに示した。
【0184】参考例149〜154で用いたN−F結合
を有する化合物のN−フルオロピリジニウムピリジンヘ
プタフルオロジボラートは、アライドシグナル社(Al
lied Signal Inc.)より入手した化合
物である。
【0185】また、参考例165〜170で用いたN−
F結合を有する化合物のポリ(2−ビニル−N−フルオ
ロピリジニウムトリフラート)は、平均分子量2000
00のポリ(2−ビニルピリジン)を原料として合成し
たものである。合成方法は、N−フルオロピリジニウム
トリフラートの合成方法を適用した(Bull.Che
m.Soc.Jpn.,64,1081(1991)参
照)。えられたポリ(2−ビニル−N−フルオロピリジ
ニウムトリフラート)は、19F−と 1H−NMRスペク
トルの解析の結果、目的化合物でない2−ビニル−N−
ヒドロピリジニウムトリフラート単位:
【0186】
【化40】
【0187】を約15重量%の成分比で含んでいた。
【0188】
【表26】
【0189】
【表27】
【0190】
【表28】
【0191】
【表29】
【0192】
【表30】
【0193】
【表31】
【0194】
【表32】
【0195】
【表33】
【0196】
【表34】
【0197】
【表35】
【0198】
【表36】
【0199】
【表37】
【0200】
【表38】
【0201】
【表39】
【0202】
【表40】
【0203】
【表41】
【0204】
【表42】
【0205】
【表43】
【0206】
【表44】
【0207】
【表45】
【0208】
【表46】
【0209】
【表47】
【0210】
【表48】
【0211】
【表49】
【0212】
【表50】
【0213】
【表51】
【0214】
【表52】
【0215】
【表53】
【0216】参考例171〜188 <N−F結合を有する化合物を用いた電池の作製−その
3>本方法はN−F結合を有する重合した化合物を用い
て薄膜状電池を作製する方法である。
【0217】本実験では参考例165〜170で用いた
ものと同じN−F結合を有する化合物を用いた。このN
−F結合を有する化合物を脱水処理したアセトニトリ
ル、または、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
−2−プロパノール、または、これらの混合物に溶かし
た。表IXに示す添加物を用いるばあいは、この溶液に
所定割合で添加物を加えた。このようにしてえた溶液
を、白金板上に滴下して空気雰囲気中、100℃で1時
間充分に乾燥した。えられた膜中の添加物の割合は表I
Xに示すとおりであり、できあがった膜の膜厚を測定し
たのち、膜上に1cm×1cmの亜鉛またはマグネシウ
ムの負極金属板をのせて、参考例18〜170と同様に
開路電圧および内部抵抗を求めた。電池の組み立ておよ
び測定は大気中で行なった。結果は表IXに示した。
【0218】
【表54】
【0219】参考例189 <N−F結合を有する化合物を用いた電池の作製−その
4>本方法は厚い電池を作製する方法である。空気中、
表Xに示すように、N−F結合を有する化合物1.5g
に、その重量に対し、所定割合の添加物を加えて乳鉢で
よく混合した。でき上がった混合物を、真空ポンプと接
続してステンレス製の加圧式錠剤調製器につめた。これ
を真空ポンプで吸引しながらプレス器を用いて表Xに示
す圧力(ton/cm2 )で10分間プレスした。こう
して、厚さ6.25mm、直径13mmの円柱状の錠剤
をつくった。この錠剤を表Xに示す集電体と負極にはさ
んで図2に示すような電池を組み立てた。開路電圧を測
定し、参考例18〜170と同様にして内部抵抗を求め
た。なお、電池の組み立ておよび測定はアルゴン雰囲気
下で行なった。参考例162〜164で用いたN−F結
合を有する化合物はエアープロダクツ(Air Pro
ducts)社製(製品名:セレクトフロール)であ
る。結果は表Xに示した。
【0220】
【表55】
【0221】参考例190〜205 <N−F結合を有する化合物を用いた電池の作製−その
2>N−F結合を有する化合物を約200mgと2cm
×2cmの正極側集電体である白金を用いたほかは、参
考例18〜170と同様に行ない、その結果を表XIに
示した。なお、参考例194のばあいのみは、N−F結
合を有する化合物を約100mg用いた。
【0222】
【表56】
【0223】
【表57】
【0224】
【表58】
【0225】
【実施例】つぎに本発明を実施例および参考例に基づい
て説明するが、本発明はかかる実施例のみに限られるも
のではない。
【0226】実施例1および参考例206〜209 炭素系正極集電体およびそのほかの種々の正極集電体を
用い、正極活物質としてN−F結合を有する化合物を用
いている電池の起電力を測定した。なお、この実施例お
よび参考例における電池は前記N−F結合を有する化合
物が固体電解質を兼ねたものである。以下、詳細に説明
する。
【0227】N−フルオロピリジニウムテトラフルオロ
ボラート(小野田セメント(株)製、製品名;オノダフ
ロリナートFP−B500)にスルホラン(キシダ化学
(株)製)を9重量%添加させたのち、乳鉢を用いて充
分に粉砕し混合した。前記の粉砕混合物を窒素雰囲気下
のドライボックス中で120mg計りとり、表XII記
載の正極集電体上に移し、ほぼ均一な厚さになるように
広げたのち、プレス機(理研製、製品名油圧シリンダー
MSO5−100他))を用いて1トン/cm2 の圧力
で10分間(加温せず)加圧し正極集電体に付着した正
極活物質をえた。そしてさらに前記正極活物質の上にリ
チウム板(1cm×1cm、厚さ0.38mm)を重ね
合わせて3層の積層体として、全固形薄型電池を作製
し、該電池の開路電圧(起電力)を測定した。結果を表
XIIに示す。
【0228】
【表59】
【0229】実施例2 正極集電体として炭素(ニラコ(株)製、品番C−07
3328)(2cm×2cm、厚さ0.1mm)を用
い、N−フルオロピリジニウムテトラフルオロボラート
にさらなる添加物としてカーボン粉を9重量%添加した
ほかは実施例1と同じ方法により電池を作製した(詳し
い構成成分などは表XIII中に記載した)。つぎに、
前記参考例18と同様の方法により、この電池の起電力
および内部抵抗を測定した。結果を表XIIIに示す。
【0230】
【表60】
【0231】実施例3〜9 炭素系正極集電体を用い、正極活物質としてN−F結合
を有する化合物を用いているボタン型リチウム電池を作
製し評価した。以下、詳細に説明する。
【0232】表XIV記載のN−F結合を有する化合物
と表XIV記載の添加物とをアルゴン雰囲気下のドライ
ボックス中で表XIV記載の重量部比が計りとり、これ
らを乳鉢に移し、充分に粉砕混合させた。前記粉砕混合
物を正極集電体(ニラコ(株)製の炭素板、品番C−0
73328、直径16mm厚さ0.1mmの円板状)の
一方の表面上に移し均一な厚さの薄層となるように前記
のプレス機を用いてプレスして正極集電体に密着した正
極活物質をえた。つぎに、セパレータ(日本理化器械
(株)製ろ紙、No.707、直径18mm厚さ0.0
5mmの円板状)を、前記正極集電体に密着した正極活
物質の表面に重ね合わせ、電解液として濃度1モル/リ
ットルのリチウムボロフルオライド(LiBF4 )の
1,2−ジメトキシエタン(DME)溶液0.15ミリ
リットル含浸させたのち、さらに負極活物質(リチウム
板、直径15mm厚さ0.38mmの円板状)を重ね合
わせてボタン型電池を作製した。つぎに前記参考例18
と同様の方法により、この電池の起電力および内部抵抗
を測定した。結果を表XIVに示す。また電気容量の測
定はつぎのように行なった。測定機器は図2と基本的に
同様の装置である。10kΩの外部負荷で電池電圧の変
化を測定し、時間を横軸にとって放電のグラフ(放電曲
線)をつくり、流れた電流値を積分しmAh/gの単位
で正極活物質の電気容量を算出した。結果を表XIVに
示した。表XIVに示されたたとえば2.4V以上の電
気容量とは起動の電圧から2.4Vに下がるまでに流れ
た総電気量である。また、1mAh/gとは活物質1g
で1mAの電流が1時間流れることに相当する。
【0233】実施例10 (負極、N−F結合を有する化合物の層、導電性の炭素
を添加したN−F結合を有する化合物の層、および炭素
系正極集電体とからなる電池)N−フルオロピリジニウ
ムテトラフルオロボラートとLiBF4 とアセチレンブ
ラック(重量比60:30:10)との均一の混合物1
50mgをプレス機を用いてプレスし(1t/cm2
3分間)、直径15mmの錠剤をつくった(第二層)。
さらにN−フルオロピリジニウムテトラフルオロボラー
トとLiBF4(重量比66.4:33.6)の均一の
混合物150mgをプレス機を用いて同様にプレスし
(1t/cm2 、3分間)、直径16mmの錠剤(第一
層)をつくり、先の直径15mmの錠剤とはり合わせた
第二層側を正極集電体のカーボン(直径14mm、厚さ
0.1mm)と、そして、第一層側を負極であるリチウ
ム(直径15mm、厚さ0.38mm)とはりあわせ
て、表XVに示す電解液(0.2ml)を加えた後、負
極の集電体としてNi網(直径12mm、厚さ0.0
3)を用いて常法に従い、ボタン電池を作製した。
【0234】作製した電池の起電力と内部抵抗を表XV
に示した。
【0235】
【表61】
【0236】
【表62】
【0237】
【表63】
【0238】
【発明の効果】N−F結合を有する化合物を正極活物質
して用いる電池において、正極集電体として白金や金に
かわり安価な炭素を用いることによって、白金や金を用
いるばあいに匹敵する高起電力の電池をえることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1〜6で用いた酸化電位測定用のセルの
概略説明図である。
【図2】実施例2〜9および参考例18〜209で作製
した電池の内部抵抗の測定方法の概略説明図である。
【図3】実施例8で作製した電池の起電力の経時変化を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足達 健二 茨城県つくば市御幸が丘3番地 ダイキン 工業株式会社MEC研究所内 (72)発明者 野田 なほみ 茨城県つくば市御幸が丘3番地 ダイキン 工業株式会社MEC研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素系正極集電体およびN−F結合を有
    する化合物を含む正極活物質からなる電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11102843A (ja) * 1997-07-28 1999-04-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電気二重層キャパシタおよびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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