JP3181902B2 - ポリホスフアゼン系電解質及びその用途 - Google Patents

ポリホスフアゼン系電解質及びその用途

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリホスフアゼンを基体とする電気化学電池
用電解質、更にその電解質を用いた高エネルギー密度二
次電池に関するものである。
(従来の技術) 現在、汎用されている二次電池には、鉛蓄電池やニツ
ケル・カドミウム電池があり、これらは単セルの電池電
圧が2V程度で水溶液を使用した電池である。近年、高エ
ネルギー密度の二次電池として、単セルで3V以上の高電
圧が得られる、リチウムを負極とする二次電池の研究、
開発が盛んである。しかし、リチウムを用いる場合、リ
チウムが水等と反応するため、水系電解質を使用できず
非プロトン系の電解質を使用せねばならない。そして、
現在、極性有機溶媒が多用されているものの、これらの
大部分は、低沸点(高蒸気圧)、可燃性のため、液漏れ
あるいは破損による周辺部材の汚損、引火、発火並びに
誤使用、過充電による爆裂の危険性を有している。更
に、二次電池の使途である充放電の繰り返しにより、負
極上にデンドライトが生成し、充放電効率の低下、及び
正、負極の短絡等の問題を有している。このため、デン
ドライトを防止し、負極の充放電効率、サイクル寿命を
改良するための技術開発も数多く報告されており、例え
ばメチル化した環状エーテル系溶媒を電池の電解液の溶
媒として用いる方法〔ケー・エム・アブラハム等“リチ
ウムバツテリーズ”、ジェー・ピー・ガバノ、編集、ア
カデミツクプレス発行、ロンドン(1983年):K.H.Abrah
am et al.in“Lithium Batteries",J.P.Gabano,editor,
Academic press,London(1983)〕や電解液系にポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエ
チレンオキサイド等の添加物を加え、Li界面にイオン導
電性の保護皮膜を形成する方法〔ジヤーナル・オブ・パ
ワーソーシーズ、第12巻、第2号、第83頁〜144頁(198
4):Journal of Power Sources,12(1984)や特開昭60
−41773号公報等〕、又、電極自体をAlと合金化するこ
とにより、Liのデンドライトを防止する方法〔特開昭59
−108281号公報〕等が提案されている。
一方、フランス特許公開第2442512号及びヨーロツパ
特許第13199号において、エム・アーマンド及びエム・
ダクトロツト(M.Armand and M.Duclot)は薄膜ポリマ
ー電解質による新規な高エネルギー密度の二次電池を開
示している。ヤオら〔ジヤーナル・オブ・インオーガニ
ツク・ヌクレアー・ケミストリー(Yao.eo al.,J.Inor
g.Nucl.Chem.)、1967年、29、2453〕及びフアリングト
ンら〔サイエンス(Farrington et al.,Science)1979
年、204、1371〕は無機イオン伝導性固体を全般的に記
載しているが、これらの固体は粉末であるため、電池等
への加工時に高圧プレスによるペレツト化が必要で、生
産性、均一性等を得る上で大きな障害となつている。
又、得られるペレツトは堅く、もろいため、薄型、大面
積化が困難であり、電極活物質との接合において、大き
な圧力で密着させねばならず、作業性、密着性に問題を
有している。更に、電池作動時の電極材料の体積変化に
追随し、補償することが困難で電解質破壊の危険を有し
ている。セクエリアら〔エクステンデイド・アブストラ
クツ、163回、ミーテイング・エレクトロケミカル・ソ
サエテイ(Sequlir et al.,Extended Abstracts.163rd
Meeting Electrochemical Society)、1983年、83、751
アブストラクト(Abstract)、第493号〕は溶媒を含ま
ない薄膜ポリマー電解質による新規な設計の電池を記載
しており、該電解質のテスト結果として約100℃の媒体
温度で用いることができる旨記載されているものの、室
温伝導度が10-6〜10-7S/cmと低く十分とはいえない。
又、ピー・エム・ブロンスキー等はジヤーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサエテイ第106巻6854頁、1
984年(P.M.Blonsky et al.J.Am.Chem.Soc.106,6854,19
84)に電気化学電池用電解質として、ポリホスフアゼン
(MEEP)が有用であると記述している。しかしながら、
彼等は30℃から97℃の範囲で交流電導度のデータを開示
しているにすぎず、直流での充放電を成し得ていない。
更に、ブロンスキーは彼の博士論文(University Mic
rofilms International Dissertation Information Ser
vice,8610511,North western University,PH.D.1986)
の71頁にMEEP/CF3SO3Li及びLiBF4系のリチウムの輸率が
約0.4〜0.2と報告している。
直流条件下のイオン移動を目的とする場合、目的イオ
ンの選択的移動が非常に重要である。なぜなら、目的イ
オンは極材料より恒常的に供給されるため、その数は殆
ど変化しないが、対イオンは対極からの供給がないた
め、対極附近ではその数が非常に少なくなり、この為に
電導度が著しく低下する。そして、この傾向は高電界、
長時間となるほど増大する。しかるに、塩溶解度並びに
拡散移動度が液体に比べて小さい固体電解質において
は、目的イオンの輸率が1であることが理想であり、で
きるだけ1に近いことが望ましい。このように、有機系
の高分子固体電解質は、易加工性、柔軟性の長所を有
し、無機固体電解質の欠点をカバーしうると予想される
ことから、非常に有望視されているものの、実用化を阻
む別の問題を有している。加うるに、構築された電池が
期待どうり作動するか否かは、電池構成部材の単独の物
性のみでは判断できず、電池としての確認試験が不可欠
である。例えば部材間の界面インピーダンス、電流効
率、耐レドツクス性、経時安定性等の問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は (1)液漏れ、破損による汚損並びに危険性、 (2)デンドライト生成による効率低下と短絡、 (3)室温での伝導性と輸率の観点から、 最終的には通常の環境温度で正常に作動する高エネルギ
ー密度の二次電池用電解質及びその用途を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 本発明は式{〔N=P(Z)〕・(MX)a}bで示
される化合物を含有する電解質に係る。
i)〔N=P(Z)〕は次式(I),(II),(II
I)で示されるセグメントが任意に配列したスルホン基
を有するオリゴエチレンオキシポリホスフアゼン又はこ
れらの混合物、 ii)Mは元素周期表におけるI及びII族の主族及び副
族、III〜VIII族の遷移族及びランタニド元素並びにオ
ニウムイオンから選ばれるカチオン、 iii)Xはアニオン、 iv)R、R′は独立にメチル、エチル又はプロピル基、 v)h及びkはエチレンオキシ単位の平均の繰り返し数
でそれぞれ、0≦h≦15、0≦k≦22.5の範囲の実数
値、 vi)aは(MX)と〔N=P(Z)〕の比であり、0.00
1〜4の実数値、 vii)l、m、nは3≦b=l+m+n≦20000の範囲の
0又は正の整数値をとり、かつl+n≠0を意味する。
本発明においては、デンドライトの生成が媒体の対流
によるものであり、液漏れが液体の流動性に帰するもの
であり、引火は有機溶媒の可燃性と高蒸気圧によるもの
と判断した。しかるに、前記(1),(2)の問題点を
解決するためには、電解質が非流動性で、難燃もしくは
不燃性、且つ低蒸気圧であればよく、これらの条件を満
たすものとして既に難燃剤として使用されている特開昭
58−41889号記載の物と類似の、固体状で且つ難燃性の
ポリホスフアゼンに帰結した。
又、電解質が室温で高い伝導度を発現するためには、
室温での伝導イオン数が多く、動きやすいことが条件で
あり、このためには塩の溶解度が大で高解離度でなけれ
ばならず、且つガラス転移温度(Tg)が低くなれけばな
らない。更にこの伝導度が安定に維持されるためには、
経時的に分極を生じないことが必要であり、高い目的イ
オン輸率を得ねばならない。
本発明者らは、ポリホスフアゼンのTgが−70℃以下と
低温であり、側鎖に各種作用性基を導入しうることに着
目し、種々検討を加えた結果、側鎖に強誘電部位を組み
込むことによりイオンの挙動を変化させうることを見い
出し、(3)の問題点を解決した。
尚、本発明の作用性基の1つであるアルキルスルホン
基の効果に関しては詳細は不明であるものの、強誘電性
のスルホン基が、添加されたイオン種と相互作用をし、
イオン解離や移動度並びに移動イオンの選択性に好都合
に働いているものと推定される。
本発明の上記化合物において、好ましくはXがCF3SO3
-、NCS-、I3 -、NO3 -、CF3COO-、ClO4 -、BF4 -、NO2 -、Si
F5 -、FSO3 -、AsF6 -、PF6 -、I-、Br-、Cl-、TCNQ-(7,7,
8,8−テトラシアノキノジメタン)、CCl3COO、DDQ
2-(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノ
ン)、C6H5SO3、AlCl4及びD−O−CH2CH2CFHCF2SO
3〔Dは−(CH2CH2O)r−E、 又は を示し、EはH、CH3、C2H5又はC3H7であり、rはオリ
ゴエチレンオキシ又はオリゴプロピレンオキシ鎖の平均
の繰り返し数を示すもので0≦r≦1015の実数値をと
る。〕から選ばれるアニオンであり、Mがリチウム、ナ
トリウム、カリウム、ストロンチウム、マグネシウム、
銅、亜鉛、銀、アンモニウム、ピリジニウム及びホスホ
ニウムから選ばれるカチオンである。
本発明の〔N=P(Z)〕bは特開昭63−162724に
基づいて製造することができ、このものにMXで示される
塩を添加、相溶させることにより本発明の化合物を得る
ことができる。本発明の化合物は約−80℃〜約30℃のガ
ラス転移温度を有し、緒方らの方法(ポリマープレプリ
ンツ、ジャパンVol.35,No.8,2626頁)に従つて測定した
リチウムカチオンの輸率はLiClO4、LiBF4で0.55〜0.6
5、CF3SO3Liで0.74、CH3OCH2CH2CFHCF2SO3Liで0.90であ
つた。このようにリチウムカチオンの輸率が0.5を上回
つていることはリチウムイオン電導が主体であることを
示しており、非常に良好な結果である。
本発明において電気化学電池とは、正電極及び負電極
が本発明の電解質を介して接触し、かつ該電解質により
電気的に分離されているもので、通常用いられているよ
うに電極間での全体の酸化還元反応が起電力を生じる
か、又は該電池にエネルギーを加えると、その状態が変
化するように配置された2つの電極の組み合せを言う。
電気化学電池には一次及び二次電池、燃料電池、イオン
選択センサー、電気化学的表示装置及び電子積分器が包
含される。
本発明に使用する正極活物質としては、リチウム1次
電池用として、MnO2、黒鉛、弗化黒鉛等が用いられ、又
リチウム2次電池用として、MnO2、(Li2O)x(MnO2
1-x〔但し、0<x≦0.6〕等のマンガン酸化物系、Mo
S2、MoS3、TiS2、V2S5等の遷移金属カルコゲン化合物
系、V2O5、V6O13、非晶質V2O5−P2O5等のバナジウム酸
化物系、ポリアニリンに代表される有機ポリマー系の正
極活物質が用いられる。一般にこれら正極活物質を用い
て、正極を形成するにはアセチレンブラツク、ケツチエ
ンブラツク、グラフアイトのような導電性粉末を混合
し、これに更にポリテトラフルオロエチレン、ポリエチ
レン、ポリスチレンのような結合剤粉末を所要に応じて
加え、この混合物を混練、成形して所定厚みのペレツト
又はシートとして、ステンレス、ニツケル等の金網等に
着設し正極とすることができる。
本発明において用いられる負極活物質は、リチウムあ
るいはリチウム合金であり、更にはウツド合金も使用可
能である。これらを負極材とする場合は、シート状やフ
イルム状に加工して使用するか、ニツケルやステンレス
板上に圧着したシート板状で使用する。又、真空蒸着法
やスパツター法等のPVD法もしくはCVD法によりニツケル
やステンレス板上に負極活物質の薄膜を形成させたもの
を用いることができる。
電池の作製方法は、例えば所定のステンレス板に正極
活物質を塗布し、乾燥後、予め調製しておいた固体電解
質の溶液をその正極材料表面上に塗布し、脱溶媒して成
膜後、不活性ガス雰囲気中もしくは乾燥空気中で別に作
製した負極活物質のシートを密着したステンレス板とシ
ール板を用いて真空シールすることにより得られる。
(実 施 例) 以下、参考例、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。
参考例1 HO(CH2CH2O)kCH3のkの平均値が約7であるオリゴ
エチレングリコールモノメチルエーテル375ミリモルとH
O(CH2CH2O)hCH2CH=CH2のhの平均値が約7であるオ
リゴエチレングリコールモノアリルエーテル54ミリモル
をTHF約500mlに溶解し、これにn−ブチルリチウム390
ミリモルのヘキサン溶液を−20〜−10℃で約30分間で滴
下した。一方、ヘキサクロルトリホスホニトリルを重合
管に入れて真空ラインに接続し、加熱溶融と冷却固化そ
して脱気を数回くり返したのち減圧封管し、250℃で約
8時間重合を行い、未反応のヘキサクロルトリホスホニ
トリルを約70℃で約7時間減圧昇華して除去され、白色
ゴム状のジクロルホスホニトリルポリマーを得る。
このジクロルホスホニトリルポリマー130ユニツトミ
リモル(15.1g)をジオキサン約100mlに溶解し、先に調
製したリチウムアルコラート中へ−15〜−10℃で約45分
間で滴下し、引き続いて5時間還流する。処理は濃縮
後、水を加え、希塩酸で中和した後セロフアン膜を用い
て透析を行い、この水溶液200mlをサンプリングし、水
を除去して、黄色ゴム状物9.67gを得た。
このポリマーの各種分析結果は以下の通りであり、31
P−NMRでは−11.6ppm(対リン酸)にポリホスホニトリ
ルに基づく吸収を認め、IRでは置換基および主鎖に基づ
く3075cm-1(C−H),1245〜1320cm-1(P=N)の吸
収を認め、活性塩素濃度が0.015%以下であること、P
含有率が4.52%であること、及び1H−NMR(第1図)の
積分値並びに沃素化法によるアリル基の定量値より次の
構造を確認した。
〔N=P{O(CH2CH2O)6.5CH31.62 {O(CH2CH2O)6.5CH2CH=CH20.38〕nまたGPC分析
より、重量平均分子量は773000、分散度は23.9であつ
た。
これらの分析値に基づき、先の透析液1130ml(ポリマ
ー含有量54.6g:アリル基0.028当量)に亜硫酸リチウム
0.2モルを水100mlに溶解して添加し続いて、亜硫酸水素
リチウム0.4モルと亜硫酸リチウム0.2モルを250mlの水
に溶解したものを、温度約25℃に於いて約5分間で滴下
し、70〜93℃で1時間反応させた。反応物はセロフアン
チユーブにて66時間透析を行つた後濃縮し、低温DSC分
析において−70.2℃にガラス転移点(Tg)を有する微黄
色粘性物52.3g(92%)を得た。
このポリマーの各種分析結果は以下の通りであり、1H
−NMR(第2図)より5.0〜5.5ppmのアリル基のピークが
消失し、2.0及び2.8ppm附近にプロピルスルホン酸のβ
メチレンとαメチレンのピークの出現を確認し、又31P
−NMRよりポリホスホニトリルの骨格に変化のないこと
を確認して目的の反応が進行したことを確認した。尚こ
のポリマーの水系GPC分析の結果(第3図)、重量平均
分子量が612000で分散度が13.4であることが分かつた。
又元素分析の値はPが4.55%、Sが1.71%、Liが0.30
%、Cが47.56%、Hが8.28%、Nが2.25%であること
から[N=P{O(CH2CH2O)6.5CH31.62{O(CH2CH
2O)6.5CH2CH2CH2SO3Li}0.38]nの組成を有するもの
と考えられる。尚、この組成の各元素の理論含有率はP
が4.31%、Sが1.69%、Liが0.37%、Cが47.78%、H
が8.19%、Nが1.94%である。
参考例2 参考例1と同様に合成したアリル基を有するホスフア
ゼンポリマー 〔N=P{O(CH2CH2O)6.5CH31.62 {O(CH2CH2O)6.5CH2CH=CH20.38〕nの水溶液(ポ
リマー量21.45g)にKHSO3(0.33モル)とK2SO3(0.11モ
ル)の水溶液を用いて、実施例1と同様に75〜88℃で1
時間反応させ、処理して、重量平均分子量が358000で分
散度が9.9であり、また元素分析値Pが4.11%、Sが1.7
8%、Kが2.11%である[N=P{O(CH2CH2O)6.5C
H31.63{O(CH2CH2O)6.5CH2CH2CH2SO3K}0.37]n
の組成を有するポリマーを得た。
参考例3〜15 参考例1と同様にして合成した、第1表に示すアリル
基を有するホスフアゼンポリマーを使用し、同様な比率
の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩を使用して反応を行い、1H
−NMR、31P−NMR、元素分析等により合成物の確認をし
て、第2表に示す結果を得た。この結果よりポリマー側
鎖の組成を第3表のごとく決定した。
尚、生成物組成のCH2CH=CH2及びCH3の値は、NP{O
(CH2CH2O)hCH2CH=CH2}u{O(CH2CH2O)kCH3}v
に於けるu及びvの値を表わすものである。また*はn
−BuLiの代わりにNaHを用いて反応したものである。
実施例1 参考例1で得たポリマーのTHF溶液に、各種塩類のTHF
溶液を、〔N=P(Z)・(MX)a〕のaが約0.3と
なるように添加し、THFを減圧下で除去し、溶媒非含有
複合体を製造した。塩類としては、LiClO4、LiBF4、CF3
SO3Li、CH3OCH2CH2CFHCF2SO3Li、CF3COOLi、LiPF6、LiC
l、AgClO4、Mg(ClO4、NaClO4、N−メチルピリジ
ウムパークロレート、テトラエチルアンモニウムパーク
ロレートを用いた。複合体はいずれもゴム状であつた。
複合体は光学顕微鏡並びにX線回折で無変形であること
を確認し、示差走査熱分析によりガラス転移点を測定し
た。導電率は交流複素インピーダンス法により5〜1300
0000Hzの範囲で測定し、これに基づいて算出した30℃に
おける交流電導度の値を、既述の方法で測定したリチウ
ムイオンの輸率と合わせて第4表に示した。尚、塩濃度
に関しては、aの値が4を大幅に上回つた場合、結晶相
が認められるようになり、電導率も低下するため不都合
であり、aの値が0.001を下回る場合は塩の添加効果が
認められなくなり無意味であった。以上のように本発明
の電解質は高い導電率と高い目的イオン輸率を有する非
常に優れた高分子固体電解質である。
実施例2 実施例1と同様に、参考例2〜15のポリマーに〔N=
P(Z)・(MX)a〕のaが約0.3の比率でLiClO4
添加した系の交流導電率の測定値を第5表に示した。
実施例3 本実施例において、電気化学電池の説明を行うが、負
極剤は、リチウム箔に代えて、例えばナトリウムや他の
金属、更にオニウムを供給しうるポリマー等を用いるこ
とができ、正極剤には、TiS2、V6O13、MnO2等をアセチ
レンブラツクのような導電剤及び/又は本発明のホスフ
アゼン電解質と組み合わせて用いることができる。
第4図は本発明による電池の一具体例であるシート型
薄膜電池の断面概略図であり、外形寸法は5.5cm×9cmの
名刺サイズに合わせたものであり、厚さは約0.1mmのも
のである。
当該電池の作製法の一例としては、先ず、超急冷法に
て得た非晶質V2O5を1.5%水溶液とし、5.5cm×9cm、厚
さ20μmのステンレス(SUS)板の中央部分36cm2に8.9g
を均一に塗布する。このものを80〜100℃で約1時間乾
燥して膜形成を行つた後、220℃で5時間真空乾燥した
ものを正極部材とする。この部材上に、実施例1に記載
したホスフアゼンポリマーをベースとする新規高分子固
体電解質のTHF溶液を塗布し、THFを除去して、皮膜形成
を行う。
一方、アルゴン雰囲気中で、周辺部にポリオレフイン
系シール材を貼付した5.5cm×9cm、厚さ20μmのステン
レス板の中央部分36cm2にさ30μmのリチウム箔を圧着
し、負極部材を作成する。この両部材を真空下に熱圧着
し、シート電池を作製した。この電池の開回路起電圧は
3.91Vを示し、30℃における電流密度25.5μA/cm2での4V
と2Vの間の充放電の状況は第5図に示した様になり、電
圧が2Vに低下するまでの初回放電容量密度は、正極活物
質に対して140Ah/kgであつた。更に本電池の充放電繰り
返し試験を行つた際の放電容量保持率(初回放電容量を
100%とする)は50回目で約80%、100回目で約70%であ
り、100回以上の充放電が可能であつた。
又、本電池の充放電効率は99%以上であり、電解質を
含めた、本電池系は良好な充放電特性を有する二次電池
であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1〜2図は参考例1で得られたポリホスフアゼンのNM
Rチヤート、第3図はそのGPC分析チヤート、第4図は本
発明による電池の一具体例であるシート型薄膜電池の断
面概略図である。第5図は上記電池の充放電試験を行つ
た状況を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−162724(JP,A) 特開 平2−223159(JP,A) 特開 平2−169628(JP,A) 特開 平2−165565(JP,A) 特開 昭61−254626(JP,A) 特開 昭61−91868(JP,A) 特開 昭55−40776(JP,A) 特開 昭61−9431(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 79/02 - 79/06 C08L 85/02 H01M 10/40 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式{〔N=P(Z)〕・(MX)a}bで
    示される化合物を含有する電解質。 i)〔N=P(Z)〕は次式(I),(II),(II
    I)で示されるセグメントが任意に配列したスルホン基
    を有するオリゴエチレンオキシポリホスフアゼン又はこ
    れらの混合物、 ii)Mは元素周期表におけるI及びII族の主族及び副
    族、III〜VIII族の遷移族及びランタニド元素並びにオ
    ニウムイオンから選ばれるカチオン、 iii)Xはアニオン、 iv)R、R′は独立にメチル、エチル又はプロピル基、 v)h及びkはエチレンオキシ単位の平均の繰り返し数
    でそれぞれ、0≦h≦15、0≦k≦22.5の範囲の実数
    値、 vi)a)は(MX)と〔N=P(Z)〕の比であり、0.
    001〜4の実数値、 vii)l、m、nは3≦b=l+m+n≦20000の範囲の
    0又は正の整数値をとり、かつl+n≠0を意味する。
  2. 【請求項2】XがCF3SO3 -、NCS-、I3 -、NO3 -、CF3CO
    O-、ClO4 -、BF4 -、NO2 -、SiF5 -、FSO3 -、AsF6 -、PF6 -
    I-、Br-、Cl-、TCNQ-(7,7,8,8−テトラシアノキノジメ
    タン)、CCl3COO-、DDQ2-(2,3−ジクロロ−5,6−ジシ
    アノ−p−ベンゾキノン)、C6H5SO3 -、AlCl4 -及びD−
    O−CH2CH2CFHCF2SO3 -〔Dは−(CH2CH2O)r−E、−
    (CH2 を示し、EはH、CH3、C2H5又はC3H7であり、rはオリ
    ゴエチレンオキシ又はオリゴプロピレンオキシ鎖の平均
    の繰り返し数を示すもので0≦r≦1015の実数値をと
    る。〕から選ばれるアニオンである請求項1記載の電解
    質。
  3. 【請求項3】Mがリチウム、ナトリウム、カリウム、ス
    トロンチウム、マグネシウム、銅、亜鉛、銀、アンモニ
    ウム、ピリジニウム及びホスホニウムから選ばれるカチ
    オンである請求項1記載の電解質。
  4. 【請求項4】Mが2−フルオロピリジニウム、4−フル
    オロピリジニウム、2−シアノピリジニウム、4−シア
    ノピリジニウム及びテトラアルキル(C1〜C4)ホスホニ
    ウムから選ばれるカチオンである請求項1記載の電解
    質。
  5. 【請求項5】請求項1記載の電解質を用いる電気化学電
    池。
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