JPH103924A - 正極活物質、該正極活物質を用いた電池および電池の作製方法 - Google Patents

正極活物質、該正極活物質を用いた電池および電池の作製方法

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JPH103924A
JPH103924A JP8203497A JP20349796A JPH103924A JP H103924 A JPH103924 A JP H103924A JP 8203497 A JP8203497 A JP 8203497A JP 20349796 A JP20349796 A JP 20349796A JP H103924 A JPH103924 A JP H103924A
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JP
Japan
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positive electrode
halogen
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electrode active
compound
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Application number
JP8203497A
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English (en)
Inventor
Teruo Umemoto
照雄 梅本
Kenji Adachi
健二 足達
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部抵抗の低い電池を与える正極活物質を提
供する。 【解決手段】 (A)N−フルオロピリジニウム塩と
(B)ハロゲン、ハロゲン間化合物、ポリハロゲン化物
および反応によりその場でハロゲン、ハロゲン間化合物
またはポリハロゲン化物を発生しうる化合物よりなる群
から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化合物とを含む
正極活物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
発生させるために用いる正極活物質および該正極活物質
からなる電池に関する。詳しくは、(A)N−フルオロ
ピリジニウム塩と(B)ハロゲン、ハロゲン間化合物、
ポリハロゲン化物、および反応によりその場でハロゲ
ン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン化物を発生し
うる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハ
ロゲン化合物とを含む正極活物質、または、電解質とを
兼用した正極活物質、または、該物質からなる電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】電池は民生用の簡便な電気エネルギー源
として、あるいは高度な機器の重要なエネルギー源とし
て必要不可欠なものとなっており、その種類も要求され
る性能に応じて多種多様のものが研究されている。ま
た、コードレスの電子電気機器がますます普及していく
状況のもと、より高エネルギー密度の電池が要求されて
いる。さらに、自然環境の保護の面から、環境受容性の
高い電池が要求されている。
【0003】従来より、高エネルギー密度を有する電池
としては、負極としてリチウムを用いるリチウム電池や
リチウム化合物を用いるリチウムイオン電池などが知ら
れている。一般に、これらの電池の正極活物質としては
二酸化マンガン、二酸化コバルト、五酸化バナジウムお
よびリチウム酸化マンガン、リチウム酸化コバルトなど
の重金属酸化物、ヨウ素、塩化チオニルおよびフッ化黒
鉛などの無機化合物、ポリアニリン、ポリピロールおよ
びポリチオフェンなどの有機ポリマーなどが用いられて
いる。しかしながら、前記の重金属酸化物は、通常、溶
媒に溶けないため、成型、加工などが容易とはいいがた
い。また、前記の無機化合物は毒性の化合物であるか、
または自然環境の保護の面から好ましくない重金属を有
していたり、たとえばフッ化黒鉛のようにイオン伝導性
および電子伝導性が全くないため電池の製造において数
々の問題点を有し、かつ二次電池になりえないものであ
った。また、前記の有機ポリマーでは、該有機ポリマー
だけでは高起電力の正極材料とはなりえないために、い
わゆるドーピング工程と充電工程が必要であり、電池の
製造工程などが複雑になり、さらに一般に正極活物質と
してこのポリマーを合成するばあいには電解重合法を用
いるが、この方法によれば該ポリマーは電極上にしか形
成できないため、様々な要求に対応しうる種々の電池を
製造するうえで大きな制限を受ける。
【0004】前記のように、従来の高起電力および高エ
ネルギーを有する電池に用いられる正極活物質は様々な
欠点を有しているものであった。
【0005】これらの欠点を解決する手段として、本発
明者らは分子内にN−F結合を有する化合物を正極活物
質として用いる方法を見出した。この方法によれば、前
記環境受容性、起電力、エネルギー密度などの点におい
て満足のいく電池を容易に製造しうる。
【0006】しかし、より高性能な電池のためには、さ
らに低い内部抵抗を示す正極活物質が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より一層内
部抵抗の低い電池を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は正極活物質が電解質の役割
を兼用しうる正極活物質および該正極活物質からなる電
解質を用いない電池を提供することをも目的とする。
【0009】さらに、本発明は一次電池だけではなく、
二次電池としても環境受容性が高く、加工性および耐久
性のよくて、内部抵抗の低い電池を提供することをも目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)N−フ
ルオロピリジニウム塩と(B)ハロゲン、ハロゲン間化
合物、ポリハロゲン化物、および反応によりその場でハ
ロゲン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン化物を発
生しうる化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種
のハロゲン化合物(本明細書において、ハロゲンも含め
て「ハロゲン化合物(B)」という)を含む正極活物質
に関する。
【0011】本発明は好ましくは前記ハロゲン化合物
(B)のハロゲンがヨウ素または臭素である正極活物質
に関する。
【0012】本発明は、好ましくは前記ハロゲン化合物
(B)のハロゲン間化合物が、ヨウ素原子または臭素原
子を含むハロゲン間化合物である正極活物質に関する。
【0013】本発明は、好ましくは前記ハロゲン化合物
(B)のポリハロゲン間化合物が、ヨウ素原子または臭
素原子を含むポリハロゲン化物である正極活物質に関す
る。
【0014】本発明は、好ましくは前記ハロゲン化合物
(B)の、反応によりその場でハロゲン、ハロゲン間化
合物またはポリハロゲン化物を発生しうる化合物がヨウ
素原子または臭素原子を含むものである正極活物質に関
する。
【0015】本発明は前記ハロゲンおよびハロゲン間化
合物を錯体、好ましくはπ電子およびまたは不対電子を
もつ有機化合物との錯体の形で使用する正極活物質に関
する。
【0016】本発明は、好ましくは前記N−フルオロピ
リジニウム塩(A)に対するハロゲン化合物(B)のモ
ル比が0.0001〜1の範囲内にある正極活物質に関
する。
【0017】本発明は、前記N−フルオロピリジニウム
塩(A)とハロゲン化合物(B)を溶媒および/もしく
は液体電解質を加えてまたは加えないで機械的に混合し
てえられる正極活物質に関する。
【0018】本発明は、前記ハロゲン化合物(B)の一
部または全部を溶媒または液体電解質に溶かしてN−フ
ルオロピリジニウム塩(A)と混合してえられる正極活
物質に関する。
【0019】本発明は、前記N−フルオロピリジニウム
塩(A)をハロゲンおよび/またはハロゲン間化合物の
蒸気に曝すことによりえられる正極活物質に関する。
【0020】また本発明は、前記のいずれかの正極活物
質からなる電池に関する。
【0021】本発明は、また前記N−フルオロピリジニ
ウム塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物が正極
活物質と電解質とを兼用している電池にも関する。
【0022】本発明は、また、前記N−フルオロピリジ
ニウム塩(A)を含む正極活物質を用いた電池におい
て、前記ハロゲン化合物(B)の一部または全部を混合
または溶かした電解質を用いて作製する電池の作製方法
に関する。
【0023】さらに、前記電池において、その正極缶お
よび負極缶の表面の一部または全部がニッケルで覆われ
ている電池に関する。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明における電池は、正極集電
体/正極活物質からなる正極/電解質/セパレータ/負
極からなり、正極活物質が電解質としての効果を兼ね備
えているときは、電解質が用いられないばあいがあり、
また正極と負極との界面が反応によって形成される保護
膜などにより短絡しないばあいは、セパレータが用いら
れないばあいもある。また正極活物質が正極集電体の働
きをするときは正極集電体が用いられない場合もあり、
また負極集電体を用いると好都合なときは負極集電体を
用いることができる。
【0025】本発明における正極活物質は、(A)N−
フルオロピリジニウム塩と(B)ハロゲン、ハロゲン間
化合物、ポリハロゲン化物、および反応によりその場で
ハロゲン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン化合物
を発生しうる化合物によりなる群から選ばれる少なくと
も1種のハロゲン化合物との混合物からなり、さらに内
部抵抗を下げるために後述の導電剤、極性化合物などの
添加物を混合することが好ましい。
【0026】本発明において用いうるN−フルオロピリ
ジニウム塩(A)として好ましい化合物は、つぎの式
(I)、(II)、(III)および(IV)で表わさ
れるものである。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】式(I)、式(II)、式(III)およ
び式(IV)中、隣接するR1 とR2 、R2 とR3 、R
3 とR4 またはR4 とR5 は連結して、−CR6 =CR
7 −CR8 =CR9 −を、また、R1 ´とR2 ´、R
2 ´とR、R3 ´とR4 ´またはR4 ´とR5 ´
連結して、−CR6 ´=CR7 ´−CR8 ´=CR9 ´
−を形成していてもよく、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R1 ´、R2 ´
3 ´、R4 ´、R5 ´、R6 ´、R7 ´、R8 ´およ
びR9 ´は同じかまたは異なり、いずれも、水素原子、
ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基また
はカルバモイル基;炭素数1〜15のアルキル基または
該アルキル基をハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜5の
アルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭
素数1〜5のアシル基、炭素数1〜5のアシルオキシ基
もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換した基;炭
素数1〜15のアルケニル基または該アルケニル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリール基で置換
した基;炭素数1〜15のアルキニル基または該アルキ
ニル基をハロゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリー
ル基で置換した基;炭素数6〜15のアリール基または
該アリール基をハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のア
ルキル基で置換した基;炭素数1〜15のアシル基また
は該アシル基をハロゲン原子で置換した基;炭素数2〜
15のアルコキシカルボニル基または該アルコキシカル
ボニル基をハロゲン原子もしくは炭素数6〜10のアリ
ール基で置換した基;炭素数7〜15のアリールオキシ
カルボニル基または該アリールオキシカルボニル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基;炭素数1〜15のアルキルスルホニル基または該
アルキルスルホニル基をハロゲン原子もしくは炭素数6
〜10のアリール基で置換した基;炭素数6〜15のア
リールスルホニル基または該アリールスルホニル基をハ
ロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基;炭素数1〜15のアルキルスルフィニル基または
該アルキルスルフィニル基をハロゲン原子もしくは炭素
数6〜10のアリール基で置換した基;炭素数6〜15
のアリールスルフィニル基または該アリールスルフィニ
ル基をハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基
で置換した基;炭素数1〜15のアルコキシ基または該
アルコキシ基をハロゲン原子もしくは炭素数6〜10の
アリール基で置換した基;炭素数6〜15のアリールオ
キシ基または該アリールオキシ基をハロゲン原子もしく
は炭素数1〜5のアルキル基で置換した基;炭素数1〜
15のアシルオキシ基または該アシルオキシ基をハロゲ
ン原子で置換した基;炭素数1〜15のアシルチオ基ま
たは該アシルチオ基をハロゲン原子で置換した基;炭素
数1〜15のアルカンスルホニルオキシ基または該アル
カンスルホニルオキシ基をハロゲン原子もしくは炭素数
6〜10のアリール基で置換した基;炭素数6〜15の
アレーンスルホニルオキシ基または該アレーンスルホニ
ルオキシ基をハロゲン原子もしくは炭素数1〜5のアル
キル基で置換した基;炭素数1〜5のアルキル基で置換
されたカルバモイル基または該アルキル置換カルバモイ
ル基を炭素数6〜10のアリール基で置換した基;炭素
数6〜10のアリール基で置換されたカルバモイル基ま
たは該アリール置換カルバモイル基を炭素数1〜5のア
ルキル基で置換した基;炭素数1〜5のアシル基で置換
されたアミノ基または該アシル置換アミノ基をハロゲン
原子で置換した基;炭素数6〜15のN−アルキルピリ
ジニウム塩基または該N−アルキルピリジニウム塩基を
ハロゲン原子、炭素数6〜10のアリール基もしくは炭
素数1〜5のアルキル基で置換した基;炭素数11〜1
5のN−アリールピリジニウム塩基または該N−アリー
ルピリジニウム塩基をハロゲン原子、炭素数6〜10の
アリール基もしくは炭素数1〜5のアルキル基で置換し
た基;または有機ポリマー鎖であり、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R1 ´
2 ´、R3 ´、R4 ´、R5 ´、R6 ´、R7 ´、R
8 ´およびR9 ´は種々の組合せでヘテロ原子を介して
または介さずに環構造を形成してもよく、式(II)に
おいて、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7
8 およびR9 の1つは
【0032】
【化5】
【0033】(Rは単結合または炭素数1〜5のアルキ
レン基)であり、式(III)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 およびR9 のうち
の1つとR1 ´、R2 ´、R3 ´、R4 ´、R5 ´、R
6 ´、R、R8 ´およびR9 ´のうちの1つとは単
結合で結合鎖を形成しており、また、式(IV)におい
ては、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 はそれらのう
ち2つが単結合で重合鎖を形成しており、式(IV)で
示される繰り返し単位は同種のものでも異種のものでも
よい。また
【0034】
【外1】
【0035】はブレンステッド酸の共役塩基である。
【0036】
【外2】
【0037】を生成するブレンステッド酸としては、た
とえばメタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、トルエンスルホン酸、ニトロベンゼンスル
ホン酸、ジニトロベンゼンスルホン酸、トリニトロベン
ゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリ
フルオロエタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホ
ン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロ
(2−エトキシエタン)スルホン酸、パーフルオロ(4
−エチルシクロヘキサン)スルホン酸、トリクロロメタ
ンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフル
オロエタンスルホン酸、フルオロスルホン酸、クロロス
ルホン酸、カンファースルホン酸、ブロモカンファース
ルホン酸、Δ4 −コレステン−3−オン−6−スルホン
酸、1−ヒドロキシ−p−メンタン−2−スルホン酸、
p−スチレンスルホン酸、β−スチレンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4
−メチル−7−オクテンスルホン酸などのスルホン酸;
ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(p−スチレンスルホ
ン酸)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−
プロパンスルホン酸)、ポリ(パーフルオロ−3,6−
ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホン酸)、お
よびスチレンあるいはまたテトラフルオロエチレンとの
共重合体であるポリ(スチレン−ビニルスルホン酸)、
ポリ(スチレン−スチレンスルホン酸)、ポリ(スチレ
ン−(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパン
スルホン酸))、ポリ(テトラフルオロエチレン−(パ
ーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オク
テンスルホン酸))などのポリスルホン酸;硫酸、リン
酸、硝酸などの鉱酸;フッ化水素、フッ化水素酸、塩化
水素、塩酸、過塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素酸、塩素
酸、臭素酸などのハロゲン酸;モノメチル硫酸、モノエ
チル硫酸などのモノアルキル硫酸;酢酸、ギ酸、トリク
ロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオ
ン酸、ジクロロ酢酸、アクリル酸などのカルボン酸;ポ
リアクリル酸、ポリ(パーフルオロ−3,6−ジオキサ
−4−メチル−7−オクテン酸)およびこれらとテトラ
フルオロエチレンとの共重合体などのポリカルボン酸;
HAlF4 、HBF4 、HB2 7 、HPF6 、HSb
4 、HSbF6 、HSb2 11、HAsF6 、HAl
Cl4 、HAlCl3 F、HAlF3 Cl、HBC
4 、HBCl3 F、HBBr3 F、HSbCl6 、H
SbCl5 Fなどのルイス酸とハロゲン化水素との化合
物;
【0038】
【化6】
【0039】などのアリール置換ホウ素化合物;(FS
2 2 NH、(PhSO2 2 NH、(CF3
2 2 NH、(C4 9 SO2 2 NH、CF3 SO
2 NHSO2 6 13
【0040】
【化7】
【0041】などの酸性アミド化合物;(FSO2 3
CH、(CF3 SO2 3 CH、(PhOSO2 3
H、(CF3 SO2 2 CH2 、(CF3 SO2 3
H、(C4 9 SO2 3 CH、(C8 17SO2 3
CHなどの炭素酸化合物などがあげられる。
【0042】安定性の高いN−フルオロピリジニウム塩
(A)を用いるためには、
【0043】
【外3】
【0044】として酢酸(pKaが4.56)よりも強
い酸性度のブレンステッド酸の共役塩基がとくに好まし
い。
【0045】前記共役塩基としては、 -BF4 -PF
6 -AsF6 -SbF6 - AlF4 - AlCl
4 -SbCl6 -SbCl5 F、 -Sb2 11 -
27 -OClO3 -OSO2 F、 -OSO2
l、 -OSO2 OH、 -OSO2 OCH3 -OSO2
CH3 -OSO2 CF3 -OSO2 CCl3 -
SO2 4 9 -OSO2 6 5 -OSO2 6
4 CH3 -OSO2 6 4 NO2 - N(SO2
CF3 2 などがとくに好ましい。
【0046】前記N−フルオロピリジニウム塩(A)の
うち式(I)で表わされる化合物としては、たとえば表
Iに示すものが好ましくあげられるが、これらのみに限
られるものではない。
【0047】
【化8】
【0048】表Iにおいて、kは1〜10の整数、
【0049】
【外4】
【0050】は10〜100,000の整数、mは10
〜10,000の整数であり、pおよびqはそれぞれ正
の整数であって1<p+q≦1000である。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【表14】
【0065】
【表15】
【0066】
【表16】
【0067】
【表17】
【0068】前記N−フルオロピリジニウム塩(A)の
うち式(II)で表わされる化合物としては、たとえば
表IIに示すものが好ましくあげられるが、これらのみ
に限られるものではない。
【0069】
【化9】
【0070】
【表18】
【0071】
【表19】
【0072】前記N−フルオロピリジニウム塩(A)の
うち式(III)で表わされる化合物の例としては、た
とえば表IIIに示すものが好ましくあげられるが、こ
れのみに限られるものではない。
【0073】
【化10】
【0074】
【表20】
【0075】
【表21】
【0076】前記N−フルオロピリジニウム塩(A)の
うち式(IV)で表わされる化合物の例としては、たと
えば構造式がつぎの式により示されるものが好ましくあ
げられるが、これのみに限られるものではない。
【0077】
【化11】
【0078】
【化12】
【0079】
【化13】
【0080】
【化14】
【0081】式(IV)で表わされる繰り返し単位を含
むN−フルオロピリジニウム塩含有重合体は、共重合成
分として置換または非置換のフェニレン、ナフタレンジ
イル、チオフェンジイル、ピロールジイル、フランジイ
ルなどの単位が含まれていてもよい。前記置換基のうち
好ましいものとしては、低級アルキル基やハロゲン原子
などが例示できる。また、前記N−フルオロピリジニウ
ム塩含有重合体は、異なるN−フルオロピリジニウム塩
を共重合成分とする2元または3元以上の共重合体であ
ってもよく、さらに該共重合体に前記のN−フルオロピ
リジニウム塩以外の成分が1種以上共重合されていても
よい。また、共重合体はブロック共重合体、ランダム共
重合体あるいはグラフト共重合であってもよい。共重合
体であるばあいは、式(IV)で示される単位の含有率
(モル分率)は、電池の電気容量の観点から、少なくと
も50%以上が好ましく、さらに好ましくは60%以上
である。また、式(IV)で示される繰り返し単位を含
むN−フルオロピリジニウム塩含有重合体の平均分子量
は製造のしやすさの点から500,000までのものが
好ましい。さらにまたこのN−フルオロピリジニウム塩
含有重合体は、つぎの式(V):
【0082】
【化15】
【0083】に相当するピリジン含有重合体をブレンス
テッド酸および/またはブレンステッド酸塩、および/
またはルイス酸の存在下に、フッ素(F2 )と反応せし
めることによって製造され未反応のフッ素は完全に除去
されるものであるが、この際にピリジン含有重合体とフ
ッ素との反応が不完全なときは、前記の式(V)で示さ
れる単位、および/またはつぎの式(VI):
【0084】
【化16】
【0085】で示される単位が、また、ルイス酸
【0086】
【外5】
【0087】を使用したばあいは、前記の式(V)およ
び/または式(VI)および/またはつぎの式(VI
I):
【0088】
【化17】
【0089】で示される単位が該N−フルオロピリジニ
ウム塩含有重合体に含まれている。
【0090】また、N−フルオロピリジニウム塩(A)
として、構造式あるいは組成式がつぎの式により示され
るN−フルオロピリジニウムピリジンヘプタフルオロジ
ボラートも例示することができる。
【0091】
【化18】
【0092】また、N−フルオロピリジニウム塩(A)
として、構造式あるいは組成式がつぎの式により示され
るN−フルオロピリジニウムピリジントリフルオロボロ
ンヒドロキシトリフルオロボラートも例示することがで
きる。
【0093】
【化19】
【0094】本発明に用いられるN−フルオロピリジニ
ウム塩(A)のうち、とくに好ましい化合物としては、
つぎの式(Ia):
【0095】
【化20】
【0096】(ここで、R1a、R2a、R3a、R4aおよび
5aは同じかまたは異なり、それぞれ水素原子、低級ア
ルキル基、低級ハロアルキル基、ハロゲン原子、メチル
またはハロゲン置換または無置換フェニル基、低級アル
コキシ基、低級アシル基、低級アシルオキシ基、低級ア
ルコキシカルボニル基、シアノ基またはニトロ基であ
る)で表わされる化合物および、つぎの式(IIa):
【0097】
【化21】
【0098】(ここで、R1a、R2a、R3a、R4aおよび
5aのうち1つが
【0099】
【化22】
【0100】(rは0〜5の整数)であり、その他が同
じかまたは異なり、それぞれ水素原子、低級アルキル
基、低級ハロアルキル基またはハロゲン原子である)で
表わされる化合物よりなる群から選ばれたN−フルオロ
ピリジニウム塩があげられ、また、前記低級アルキル
基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級アシ
ル基、低級アシルオキシ基および低級アルコキシカルボ
ニル基の炭素数が1〜4の範囲内にあり、前記低級アル
キル基および低級ハロアルキル基の炭素数が1〜4の範
囲内にあり、前記rが0〜2の整数であり、前記の式
(Ia)の
【0101】
【外6】
【0102】がpKaが4.56以下のブレンステッド
酸の共役塩基であるN−フルオロピリジニウム塩がさら
に好ましく、また、つぎの式(IIIa):
【0103】
【化23】
【0104】(ここでR1a、R2a、R3a、R4a、R5a
1a´、R2a´、R3a´、R4a´およびR5a´は同じか
または異なり、それぞれ水素原子、低級アルキル基、低
級ハロアルキル基、ハロゲン原子、メチルまたはハロゲ
ン置換または無置換フェニル基、低級アルコキシ基、低
級アシル基、低級アシルオキシ基、低級アルコキシカル
ボニル基、シアノ基またはニトロ基であり、R1a
2a、R3a、R4a、R5aのうち1つはR1a´、R2a´
3a´、R4a´、R5a´のうちの1つと単結合で結合鎖を
形成し、
【0105】
【外7】
【0106】がpKaが4.56以下のブレンステッド
酸の共役塩基である)で表わされる化合物があげられ、
前記低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコ
キシ基、低級アシル基、低級アシルオキシ基および低級
アルコキシカルボニル基の炭素数は1〜4の範囲内にあ
り、また、つぎの式(IVa):
【0107】
【化24】
【0108】(ここでR1a、R2a、R3a、R4aおよびR
5aは同じかまたは異なり、それぞれ水素原子、炭素数1
〜8のアルキル基、炭素数1個のハロアルキル基、炭素
数6〜8のアリール基またはハロゲン原子であり、
1a、R2a、R3a、R4a、R5aは、それらのうち2つが
単結合で重合鎖を形成し、
【0109】
【外8】
【0110】がpKaが4.56以下のブレンステッド
酸の共役塩基である)で表わされる化合物よりなる群か
ら選ばれたN−フルオロピリジニウム塩があげられる。
【0111】また、式(I)で示されるN−フルオロピ
リジニウム塩としては、N−フルオロピリジニウムトリ
フルオロメタンスルホナート、N−フルオロピリジニウ
ムテトラフルオロボラート、N−フルオロピリジニウム
ヘキサフルオロアンチモナート、N−フルオロピリジニ
ウムヘキサフルオロホスファート、N−フルオロピリジ
ニウムヘキサフルオロアルセナート、N−フルオロ(メ
チル)ピリジニウムテトラフルオロボラート、N−フル
オロ(エチル)ピリジニウムテトラフルオロボラート、
N−フルオロ(プロピル)ピリジニウムテトラフルオロ
ボラート、N−フルオロ(メトキシ)ピリジニウムテト
ラフルオロボラート、N−フルオロジメチルピリジニウ
ムテトラフルオロボラート、N−フルオロトリメチルピ
リジニウムトリフルオロメタンスルホナート、N−フル
オロトリメチルピリジニウムテトラフルオロボラート、
N−フルオロシアノピリジニウムテトラフルオロボラー
ト、N−フルオロニトロピリジニウムテトラフルオロボ
ラート、N−フルオロクロロピリジニウムテトラフルオ
ロボラート、N−フルオロジクロロピリジニウムトリフ
ルオロメタンスルホナート、またはN−フルオロジクロ
ロピリジニウムテトラフルオロボラートなどがとくに好
ましく、また、式(II)で示されるN−フルオロピリ
ジニウム塩としてはN−フルオロピリジニウムスルホナ
ート、N−フルオロクロロピリジニウムスルホナート、
N−フルオロ(メチル)ピリジニウムスルホナート、N
−フルオロ(トリフルオロメチル)ピリジニウムスルホ
ナートまたはN−フルオロ(ジメチル)ピリジニウムス
ルホナートなどがとくに好ましく、式(III)で示さ
れるN−フルオロピリジニウム塩としてはN,N´−ジ
フルオロビピリジニウムビス(テトラフルオロボラー
ト)、N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス(ヘキ
サフルオロホスファート)、N,N´−ジフルオロビピ
リジニウムビス(ヘキサフルオロアルセナート)、N,
N´−ジフルオロビピリジニウムビス(ヘキサフルオロ
アンチモナート)、N,N´−ジフルオロビピリジニウ
ムビス(トリフルオロメタンスルホナート)、N,N´
−ジフルオロジメチルビピリジニウムビス(テトラフル
オロボラート)、N,N´−ジフルオロジクロロビピリ
ジニウムビス(テトラフルオロボラート)などがとくに
好ましく、式(IV)で示されるN−フルオロピリジニ
ウム塩としては、ポリ(N−フルオロピリジニウムテト
ラフルオロボラート−ジイル)、ポリ(N−フルオロピ
リジニウムヘキサフルオロホスファート−ジイル)、ポ
リ(N−フルオロピリジニウムヘキサフルオロアルセナ
ート−ジイル)、ポリ(N−フルオロピリジニウムヘキ
サフルオロアンチモナート−ジイル)、ポリ(N−フル
オロピリジニウムトリフルオロメタンスルホナート−ジ
イル)、ポリ[N,N´−ジフルオロビピリジニウムビ
ス(テトラフルオロボラート)−ジイル]、ポリ[N,
N´−ジフルオロビピリジニウムビス(ヘキサフルオロ
ホスファート)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフルオ
ロビピリジニウムビス(ヘキサフルオロアルセナート)
−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフルオロビピリジニウ
ムビス(ヘキサフルオロアンチモナート)−ジイル]、
ポリ[N,N´−ジフルオロビピリジニウムビス(トリ
フルオロメタンスルホナート)−ジイル]、ポリ[N,
N´−ジフルオロジメチルビピリジニウムビス(テトラ
フルオロボラート)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフ
ルオロジクロロビピリジニウムビス(テトラフルオロボ
ラート)−ジイル]、ポリ[N,N´−ジフルオロジヘ
キシルビピリジニウムビス(テトラフルオロボラート)
−ジイル]などがとくに好ましい。
【0112】本発明において用いうるN−フルオロピリ
ジニウム塩(A)とハロゲン化合物(B)を含む正極活
物質、または電解質とを兼用した正極活物質は、固体状
でも粉末状でもフィルム状でも液状でもよい。また、前
記のハロゲン化合物(B)はそれぞれ単独で、または2
種以上の混合物として用いうる。
【0113】本発明におけるハロゲン化合物(B)の作
用は、N−フルオロピリジニウム塩(A)と組み合わせ
ることによって初めて発揮され、基本的にはつぎのよう
に推定される。なお、ここではハロゲン化合物(B)が
ハロゲンであるばあいに代表させて説明する。
【0114】本発明におけるハロゲンの正極に対する作
用は、その添加量が非常に少なくても電池の内部抵抗を
著しく減少させる効果があることからみて、正極の電子
伝導性を大きく向上させる作用であると考えられる。こ
れはN−フルオロピリジニウム塩がπ電子を有する化合
物であり、ハロゲンがこのπ電子と相互作用することに
より、N−フルオロピリジニウム塩の分子間の電子伝導
度を向上させているものと推察される。π電子をもたな
いフッ化黒鉛のような正極活物質に対しては、ハロゲン
はこのようなπ電子との相互作用は期待できない。ハロ
ゲンがN−フルオロピリジニウム塩に作用して電池の内
部抵抗を減少させているということは、アセチレンブラ
ックのような電子導電剤を一切用いない電池についてヨ
ウ素を添加したものの方が添加しないものより非常に内
部抵抗が低くなるという実験結果から明らかであると考
えられる(実施例20〜24および比較例7参照)。
【0115】すなわちピリジン環π電子をもち、かつイ
オン構造を特徴とするN−フルオロピリジニウム塩にハ
ロゲンが作用して、正極の電子伝導性を高めているもの
と考えられる。ポリアニリンなどのポリマーにハロゲン
などを添加して導電性を向上させることをドーピングと
呼んでいるが本発明におけるハロゲンの効果も、いわゆ
るドーピング効果に近いものと推測される。また一方、
ハロゲンがN−フルオロピリジニウム塩と正極集電体あ
るいはまた添加された正極中の電子導電剤との間の電子
の授受の極めて効率のよい仲立ちをすることによって電
子伝導度を向上させていることも考えられる。
【0116】なお、N−フルオロピリジニウム塩(A)
を含む正極活物質を用いた電池において、ハロゲン化合
物(B)の一部または全部を混合または溶かした電解質
を用いて電池を作製したばあいは、その電解質がN−フ
ルオロピリジニウム塩(A)を含む正極活物質内に浸透
する結果、N−フルオロピリジニウム塩と機械的に混合
したばあいと同様の効果を発揮する。
【0117】本発明で用いるハロゲン間化合物とは、あ
るハロゲンが他のハロゲンと結合した化合物また該化合
物にハロゲンが結合した化合物をいう。ハロゲン間化合
物はそれ自体で前記のハロゲンと同じ作用効果を示すと
思われる。あるいは、ハロゲン間化合物がN−フルオロ
ピリジニウム塩などと反応して、ハロゲンまたは別の構
造をもつハロゲン間化合物を生成し、前記の効果を示し
ていることも考えられる。
【0118】ポリハロゲン化物は、ハロゲン化物に余分
なハロゲン分子が付加したとみられる化合物である。こ
のポリハロゲン化物はすでにハロゲン分子が付加したと
見られる組成をもっているので、このもの自身で、ある
いはハロゲンが遊離して前記の作用効果を生じるものと
考えられる。あるいは、ポリハロゲン化物がさらにN−
フルオロピリジニウム塩などと反応して、ハロゲン、ハ
ロゲン間化合物または別の構造をもつポリハロゲン化物
を生成し、前記の効果を示していることも考えられる。
【0119】本発明における、反応によりその場でハロ
ゲン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン化物を発生
しうる化合物としてはハロゲン化物があげられ、N−フ
ルオロピリジニウム塩や添加された他の正極材料などと
反応して正極活物質内にハロゲン、ハロゲン間化合物ま
たはポリハロゲン化物を発生するものである。ポリハロ
ゲン化物は生成したハロゲンまたはハロゲン間化合物と
ハロゲン化物がさらに反応して発生する。このハロゲ
ン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン化物が前述の
作用効果を示すことにより、電池の内部抵抗が減少する
と考えられる。したがって、N−フルオロピリジニウム
塩や添加された他の正極材料などとその場で反応しな
い、または反応してもハロゲン、ハロゲン間化合物もし
くはポリハロゲン化物を発生しない化合物は、少量の添
加で電池の内部抵抗を下げるような効果はなく、本発明
の対象外である。添加された他の正極材料としては後述
の公知の正極活物質があげられる。
【0120】本発明で用いるハロゲンはヨウ素、臭素、
塩素またはフッ素であるが、ヨウ素、臭素または塩素が
好ましく、さらにヨウ素または臭素が好ましい。
【0121】本発明に好適に用いることができるハロゲ
ン間化合物としては、たとえばClF、BrF、BrC
l、ICl、IBr、ClF3 、BrF3 、I2
6 、ClF5 、BrF5 、IF5 、IF7 、ICl3
などの1種または2種以上があげられるが、これらのみ
に限られるものではない。
【0122】本発明で用いられるハロゲンまたはハロゲ
ン間化合物は無機化合物または有機化合物との錯体の形
で用いることもできる。該無機化合物または有機化合物
としてはπ電子および/または不対電子をもつ無機化合
物または有機化合物が例示される。無機化合物としては
たとえば水が例示される。有機化合物としては、たとえ
ばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アント
ラセン、ペリレン、ピレン、ビオラントレン、アズレ
ン、フラン、チオフェン、フェノチアジン、N−メチル
フェノチアジン、ピロール、テトラチオフルバレン、ピ
リジン、ビピリジル、カルバゾール、ポリアセチレン、
ポリフェニレン、ポリナフタレン、ポリアントラセン、
ポリピレン、ポリアズレン、ポリピロール、ポリ(アル
キルピロール)、ポリフラン、ポリチオフェン、ポリ
(アルキルチオフェン)、ポリセレノフェン、ポリ(フ
ェニレンビニレン)、ポリ(チオフェンビニレン)、ポ
リ(フリレンビニレン)、ポリピリジン、ポリ(ビピリ
ジル)、ポリカルバゾールなどの1種または2種以上の
芳香族あるいはπ電子共役系化合物;ジメチルスルフィ
ド、ジメチルセレニド、ジメチルテルリド、ジエチルス
ルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィ
ド、ジフェニルスルフィド、ポリ(フェニルスルフィ
ド)、ジフェニルセレニド、ジフェニルテルリド、ジ
(クロロフェニル)スルフィド、ジ(メトキシフェニ
ル)セレニドなどの1種または2種以上のカルコゲン化
合物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロ
ピルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミ
ン、ベンジルジエチルアミン、アニリン、N,N−ジメ
チルアニリン、ポリアニリンなどの1種または2種以上
のアミン;ジメチルケトン(アセトン)、ジエチルケト
ン、ジフェニルケトンなどの1種または2種以上のケト
ン;トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリ
ブチルホスフィン、トリメチルホスファイト(trimethy
lphosphite)、トリエチルホスファイト、トリフェニル
ホスフィンオキシドなどの1種または2種以上のリン化
合物;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、ジオキ
サン、ジオキソラン、ジメトキシエタン、ジメトキシメ
タン、ジエトキシエタン、ジエトキシメタン、ジグライ
ム、トリグライム、テトラグライム、ポリ(エチレンオ
キシド)、ポリ(フェニレンオキシド)、クラウンエー
テルなどの1種または2種以上のエーテル;メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ポリ
ビニルアルコールなどのアルコール;グルコース、フル
クトースなどの単糖類、マントース、セロビオース、ス
クロースなどの二糖類、またはセルロース、デンプン、
シクロデキストリンなどの多糖類などの1種または2種
以上の炭水化物;黒鉛、石墨などのグラファイト、アセ
チレンブラックなどのカーボンブラック、炭素繊維、ピ
ッチ、タール、ポリアセンなどの1種または2種以上の
炭素などが例示される。なかでも錯体の安定性、あるい
は取り扱いやすさ、あるいはまた電池にしたときの高起
電力の維持などの点から有機化合物が好ましい。
【0123】ハロゲンまたはハロゲン間化合物の錯体を
用いると、ハロゲンまたはハロゲン間化合物の蒸気圧を
著しく低下させるので、長期間の効果が期待できるう
え、製造工程において、有毒なハロゲンまたはハロゲン
間化合物の発散を著しく低下させることができるので有
利である。
【0124】ハロゲンまたはハロゲン間化合物がπ電子
または不対電子をもつ化合物と錯体を形成することはよ
く知られている。これらの錯体は、π電子または不対電
子と電子欠乏性のハロゲンまたはハロゲン間化合物との
間の電荷移動型の相互作用によって形成されるもので、
電荷移動錯体(charge-transfer complex)と呼ばれて
いる。一般にハロゲンまたはハロゲン間化合物はπ電子
または不対電子をもつ構成単位に対し、1:1錯体を形
成することが知られているが、Cl2・7.3H2Oのよ
うに塩素(Cl2)は水分子とは1:7.3の組成の錯体
を生成することが知られている。
【0125】つぎに、本発明に好適に用いることができ
るポリハロゲン化物としては、たとえばLiCl4I、
NaCl4I、KCl4I、CsCl4I、RbCl4I、
Me4NCl4I、Et4NCl4I、Pr4NCl4I、B
4NCl4I、PhNMe3Cl4I、PhCH2NMe3
Cl4I、Me3SCl4I、Cl8IP、KCl32、M
4NCl32、2,2′−ビピリジニウムμ−クロロ
ジクロロジアイオダート(2,2′−bipyridinium μ
−chlorodichlorodiiodate)、2,2′−ビキノリニウ
ムμ−クロロジクロロジアイオダート(2,2′−biqu
inolinium μ−chlorodichlorodiiodate)、KCl2I、
Me4NCl2I、Me4NClI2、Et4NCl3、Ph
4AsCl3、KClF2、Me4NClF4、CsCl
4、CsCl3FI、KBrClI、NH4BrCl
I、Me4NBrClI、Me4NBrCl2、Bu4NB
rCl2、Me4NBrCl22、CsBrFI、NaB
rF2、KBrF2、CsBrF4、Me4NBrF4、C
sBrF6、Me4NBrF6、Et4NBr6Cl、Cs
Br3、Me4NBr3、Et4NBr3、Bu4NBr3
PhCH2NMe3Br3、ピリジニウムトリブロミド(p
yridinium tribromide)、Br7P、CsBrI2、Me
4NBrI2、Me4NBrI4、Me4NBrI6、KBr
2Cl、Me4NBr2Cl、Bu4NBr2Cl、KBr2
I、Me4NBr2I、Bu4NBr2I、2,2′−ビピ
リジニウムμ−ブロモジブロモジアイオダート(2,
2′−bipyridinium μ−bromodibromodiiodate)、N
aF2I、KF2I、CsF4I、CsF6I、CsF
8I、KI3、CsI3、Me4NI3、Et4NI3、Pr4
NI3、Bu4NI3、ピリジニウムトリアイオジド(pyr
idinium triiodide)、Me4NI5、Et4NI7、Me4
NI9、Me4PBr3、Me4PI3、Me4PIBr2
Me4PICl2、Et4PI3、Bu4PI3、Ph4
3、Ph4PBr3、Ph4PIBr2などの1種または
2種以上があげられるが、これらのみに限られるもので
はない。
【0126】本発明に好適に用いることができる、反応
によりその場でハロゲン、ハロゲン間化合物またはポリ
ハロゲン化物を発生しうる化合物としてはハロゲン化物
があげられ、たとえばLiBr、LiI、NaBr、N
aI、KBr、KI、RbBr、RbI、CsBr、C
sI、BeBr2、BeI2、MgBr2、MgI2、Ca
Br2、CaI2、SrBr2、SrI2、BaBr2、B
aI2、ZnBr2、ZnI2、CuBr2、CuI2、C
uBr、CuI、AgBr、AgI、AuBr、Au
I、NiBr2、NiI2、PdBr2、PdI2、PtB
2、PtI2、CoBr2、CoI2、FeBr2、Fe
Br3、FeI2、FeI3、MnBr2、MnI2、Cr
Br2、CrI2、PbBr2、PbI2、SnBr2、S
nI2、SnBr4、SnI4などの金属塩;NH4Br、
NH4I、MeNH3Br、MeNH3I、Me4NBr、
Me4NI、Et4NBr、Et4NI、Bu4NBr、B
4NI、PhMe3NBr、PhMe3NI、PhCH2
NMe3I、臭化ピリジニウム、ヨウ化ピリジニウム、
ヨウ化クロルピリジニウム、ヨウ化メチルピリジニウ
ム、ヨウ化シアノピリジニウム、ヨウ化ビピリジニウ
ム、ヨウ化キノリウム、ヨウ化イソキノリウム、臭化N
−メチルピリジニウム、ヨウ化N−メチルピリジニウ
ム、ヨウ化N−メチルキノリウムなどのアンモニウム
塩;Me4PBr、Me4PI、Et4PI、Pr4PI、
Bu4PBr、Bu4PI、Ph4PBr、Ph4PIなど
のホスホニウム塩などの1種または2種以上があげられ
るが、これらのみに限られるものではない。
【0127】ハロゲン間化合物、ポリハロゲン化物およ
びハロゲン等を発生しうる化合物を構成するハロゲン原
子としては、ヨウ素原子または臭素原子を含むことが好
ましい。
【0128】なお、従来公知の添加剤として知られてい
るハロゲン化物あるいはハロゲン原子を含む化合物はい
ずれもN−フルオロピリジニウム塩(A)や前述の他の
正極活材料と反応しないか、反応してもハロゲン、ハロ
ゲン間化合物またはポリハロゲン化物を発生しない化合
物であり、それらとしては、ハロニトロベンゼン、ハロ
ジニトロベンゼン、ピリジニウムトリフルオロメタンス
ルホナート、ピリジニウムテトラフルオロボラート、ピ
リジニウムヘキサフルオロホスホナート、ピリジニウム
ヘキサフルオロアルセナート、ピリジニウムヘキサフル
オロアンチモナート、クロロピリジニウムテトラフルオ
ロボラート、2,6−ジクロロピリジニウムテトラフル
オロボラート、3,5−ジクロロピリジニウムテトラフ
ルオロボラート、2,4,5−トリメチルピリジニウム
テトラフルオロボラート、ビピリジニウムテトラフルオ
ロボラート、リチウムトリフルオロメタンスルホナー
ト、アンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、ナ
トリウムトリフルオロメタンスルホナート、カリウムト
リフルオロメタンスルホナート、亜鉛トリフルオロメタ
ンスルホナート、マグネシウムトリフルオロメタンスル
ホナート、リチウムパーフルオロブタンスルホナート、
リチウムパーフルオロオクタンスルホナート、リチウム
パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホナート、リ
チウムパーフルオロ(4−エチルシクロヘキサン)スル
ホナート、リチウムトリクロロメタンスルホナート、リ
チウムジフルオロメタンスルホナート、リチウムトリフ
ルオロエタンスルホナート、リチウムフルオロスルホナ
ート、リチウムクロロスルホナート、リチウムブロモカ
ンファースルホナート、リチウムパーフルオロ−3,6
−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホナート、
ポリ(リチウムパーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−
メチル−7−オクテンスルホナート)、フッ化リチウ
ム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、アンモニウム
フルオリド、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、アンモニウムクロリド、過塩素酸リチウム、過塩
素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過臭素酸リチウ
ム、過臭素酸ナトリウム、過臭素酸カリウム、過ヨウ素
酸リチウム、過ヨウ素酸ナトリウム、過ヨウ素酸カリウ
ム、塩素酸リチウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウ
ム、臭素酸リチウム、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウ
ム、ヨウ素酸リチウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸
カリウム、トリクロロ酢酸リチウム、トリフルオロ酢酸
リチウム、ペンタフルオロプロピオン酸リチウム、ジク
ロロ酢酸リチウム、ポリ(パーフルオロ−3,6−ジオ
キサ−4−メチル−7−オクテン酸リチウム)、LiB
4 、NaBF4 、KBF4 、NH4 BF4 、Zn(B
4 2 、Mg(BF4 2 、LiPF6 、LiAsF
6 、LiSbF4 、LiSbF6 、LiBCl3 F、L
iSbCl6 、LiSbCl5 F、LiAlCl4 、L
iSb2 11、LiB2 4 、(FSO2 2 NLi、
(CF3 SO2 2 NLi、(C4 9SO2 2 NL
i、CF3 SO2 NLiSO2 6 13、(FSO2
3 CLi、(CF3 SO2 3 CLi、(CF3
2 2 CHLi、(CF3 SO2 3 CLi、(C4
9 SO2 3 CLi、(C8 17SO2 3 CLiが
あげられる。これらは本発明の対象外である。
【0129】事実、比較例5、6の塩化ナトリウムおよ
び類似塩化物である塩化テトラブチルアンモニウムを添
加した電池において、その内部抵抗はいずれも1.53
kΩ、1.88kΩと大きく、臭化ナトリウム(実施例
11)、ヨウ化ナトリウム(実施例12)でみられる顕
著な効果はみられない。塩化ナトリウムあるいは塩化テ
トラブチルアンモニウムの添加が何も添加しない場合
(比較例1)よりも若干内部抵抗が低いのは、これらが
電池内のイオン伝導度を向上させたためと考えられる。
【0130】つぎに、N−フルオロピリジニウム塩
(A)とハロゲン化合物(B)の混合方法の例について
説明する。前記混合物は、下記の方法、または下記の2
種以上の方法の組み合せにより製造しうる。混合方法の
例を(1)〜(3)として以下に示す。
【0131】(1)N−フルオロピリジニウム塩(A)
とハロゲン化合物(B)とを溶媒および/もしくは液体
電解質を加えてまたは加えないで機械的に混合すること
により、本発明の混合物を製造する方法である。機械的
に混合させる具体的な方法の例としては、せん断力によ
り混合する方法、超音波を用いて混合する方法、振動す
ることにより混合する方法などがある。具体的には、せ
ん断力により混合する方法としては乳鉢を用いて乳棒で
砕きながら混合する方法、撹拌棒で混合する方法などな
どがあげられ、超音波を用いて混合する方法としては、
超音波を当てながら撹拌棒により、または乳鉢を用いて
乳棒により混合する方法などがあげられ、振動すること
により混合する方法としては、バイブレータを当てて混
合する方法、またバイブレーターを当てながら撹拌棒に
より、または乳鉢を用いて乳棒により混合する方法など
があげられる。加えてもよい溶媒または液体電解質は下
記(2)の方法で例示される溶媒および液体電解質があ
げられる。
【0132】(2)ハロゲン化合物(B)の一部または
全部を溶媒または液体電解質に溶かしてN−フルオロピ
リジニウム塩(A)と混合することにより、本発明の混
合物を製造する方法である。
【0133】この方法に用いうる溶媒は、ハロゲン化合
物(B)を少なくとも部分的に溶解しうるものであり、
たとえば、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニ
トリル、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロアル
カン;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどのエー
テル;酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボナートなど
のエステル;ベンゼン、トルエン、ハロベンゼンなどの
芳香族化合物;アセトン、メチルエチルケトン、ジプロ
ピルケトンなどのケトン;メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、第2ブチ
ルアルコール、第3ブチルアルコール、トリフルオロエ
タノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、ノナフル
オロ−t−ブチルアルコールなどのアルコール;水な
ど、あるいはこれらの混合物を例示することができる。
また、液体電解質は後述する液体電解質を使用すること
ができる。ハロゲン化合物(B)を溶媒または液体電解
質に一部または全部を溶解させたのち、N−フルオロピ
リジニウム塩(A)と混合させてもよいし、また、N−
フルオロピリジニウム塩(A)とハロゲン化合物(B)
とを同一の容器内に加えて、好ましくは機械(物理)的
に混合したのち、溶媒または液体電解質に加えてハロゲ
ン化合物(B)の一部または全部を溶解させて混合させ
てもよい。溶媒または液体電解質への溶解は必要ならば
加温下で行なわれてもよい。混合は、せん断力による混
合、超音波を用いる混合または振動することによる混合
など、もしくはこれらの組み合わせにより達成される。
【0134】ハロゲン化合物(B)を溶媒または液体電
解質に一部または全部を溶解させたのち、N−フルオロ
ピリジニウム塩(A)と混合させる方法として、ハロゲ
ン化合物(B)の一部または全部を溶解した溶媒または
液体電解質をN−フルオロピリジニウム塩(A)を含む
正極材料に含浸させてもよい。
【0135】(3)N−フルオロピリジニウム塩(A)
をハロゲンおよび/またはハロゲン間化合物の蒸気にさ
らすことにより本発明の混合物を製造する方法である。
蒸気にさらす方法の例としては密閉容器にN−フルオロ
ピリジニウム塩とハロゲンおよび/またはハロゲン間化
合物を共存させ、必要なら加温あるいは冷却して、また
は加圧して混合する方法、あるいはN−フルオロピリジ
ニウム塩にハロゲンおよび/またはハロゲン間化合物の
蒸気を必要ならば窒素ガス、ヘリウムガスあるいはアル
ゴンガスなどの不活性ガスと混合してさらす方法などが
あげられる。また、ポリハロゲン化物からハロゲンまた
はハロゲン間化合物の蒸気が発生する場合は、ハロゲン
またはハロゲン間化合物の発生源としてポリハロゲン化
物を用いてもよい。
【0136】本発明において、N−フルオロピリジニウ
ム塩(A)に対するハロゲン化合物(B)の混合比(モ
ル比)は0.0001〜1の範囲内にあることが好まし
く、0.0005〜0.5の範囲内にあることがさらに
好ましく、つぎに0.0005〜0.3の範囲内にある
ことが好ましく、さらに0.001〜0.2の範囲内に
あることがとくに好ましい。前記混合比(モル比)が前
記範囲より小さいと内部抵抗の上昇による電圧の低下が
起こり、また、安定した放電がえられない傾向があり、
前記範囲より大きいと電気容量の低下が起こり、高エネ
ルギー密度の電池が達成できなくなる場合がある。
【0137】また、本発明で用いられるN−フルオロピ
リジニウム塩とハロゲン化合物(B)との混合物に、さ
らに極性化合物の1種または2種以上をN−フルオロピ
リジニウム塩の重量に対して好ましくは0.5〜30重
量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%、より好ま
しくは1〜15重量%添加し混合させることにより、内
部抵抗のより低い正極活物質としうる。前記極性化合物
としてはジメチルスルホン、炭酸ジメチル、ジフェニル
スルホン、メチルフェニルスルホン、1,3−ジオキソ
ラン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、エチレンカー
ボナート、炭酸プロピレン、テトラエチレングリコール
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメ
トキシエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、メタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ニトロメタン、
ニトロエタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ト
リニトロベンゼン、クロロジニトロベンゼン、フルオロ
ジニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリル、ビリジニウムトリフルオロメタン
スルホナート、ピリジニウムテトラフルオロボラート、
ピリジニウムヘキサフルオロホスホナート、ピリジニウ
ムヘキサフルオロアルセナート、ピリジニウムヘキサフ
ルオロアンチモナート、2,6−ジクロロピリジニウム
テトラフルオロボラート、3,5−ジクロロピリジニウ
ムテトラフルオロポラート、2,4,5−トリメチルピ
リジニウムテトラフルオロボラートなどの極性有機化合
物、ならびにリチウムトリフルオロメタンスルホナー
ト、リチウムテトラフルオロボラート、リチウムヘキサ
フルオロホスファート、リチウムヘキサフルオロアルセ
ナート、リチウムヘキサフルオロアンチモナート、過塩
素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウ
ム、アンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、ア
ンモニウムテトラフルオロボラート、アンモニウムクロ
リド、ナトリウムトリフルオロメタンスルホナート、ナ
トリウムテトラフルオロボラート、カリウムテトラフル
オロボラート、セシウムテトラフルオロボラート、水な
どの極性無機化合物を例示することができる。
【0138】つぎに本発明のN−フルオロピリジニウム
塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物を正極活物
質として用いた好ましい電池構造および製造方法を説明
するが、これらのみに限られるものではない。
【0139】(1)本発明のN−フルオロピリジニウム
塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物を正極活物
質に用いる電池のばあい。
【0140】[正極の作製]本発明のN−フルオロピリ
ジニウム塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物が
粉末状であるばあいは、プレス機などで所望の形状に成
形するか、または、必要ならばたとえばバインダーや導
電剤、もしくは添加剤などと混合し、好ましくは正極集
電体とともにプレス機などで所望の形に成形する。バイ
ンダーとしては、たとえばポリテトラフルオロエチレン
粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコールなどの通常のバインダ
ーが、導電剤としては、たとえばニッケル粉末、金属細
繊維、黒鉛、石墨などのグラファイト、アセチレンブラ
ックなどのカーボンブラック、炭素繊維、ピッチ、ター
ルなどの炭素が、正極集電体としては、たとえば黒鉛、
石黒などのグラファイト、アセチレンブラックなどのカ
ーボンブラック、炭素繊維、ピッチ、タールなどの炭
素、白金、金、ニッケル、ステンレススチール、鉄、銅
などのネット、パンチングメタル(発泡メタル)、金属
繊維網などが好ましく用いられる。添加剤としては先に
示した極性有機または無機化合物などがある。
【0141】前記バインダーの量は前記N−フルオロピ
リジニウム塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物
の種類および該バインダーの種類により適宜選択すれば
よいが、該混合物に対して10重量%程度以下であるこ
とが好ましく、5重量%程度以下であることがさらに好
ましい。前記範囲よりバインダーの量が多いと内部抵抗
の上昇をもたらすばあいがある。
【0142】前記導電剤の量は前記N−フルオロピリジ
ニウム塩(A)とハロゲン化合物(B)の混合物の種類
および該導電剤の種類によって適宜選択すればよいが、
該混合物に対して1〜80重量%程度であることが好ま
しく、2〜50重量%程度であることがさらに好まし
い。前記範囲より導電剤の量が少ないと導電剤の効果が
小さく、一方前記範囲より導電剤の量が多いと起電力が
低下する傾向があり、また、電池の電気容量が小さいも
のとなる。
【0143】N−フルオロピリジニウム塩(A)とハロ
ゲン化合物(B)との混合物が膜状に成形可能なばあ
い、あるいはフィルム形成剤により膜形成可能な材料と
なるばあいは、そのままフィルム化するか、または必要
ならば前記のバインダーや導電剤もしくは添加剤などを
配合してフィルム状とし、好ましくは正極集電体と組合
せて正極を作製する。前記添加剤であるフィルム形成剤
としてはたとえばポリエチレンオキシド、ポリエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリビニルアセテート、ポリアクリロニトリル、ポ
リメチルアクリレートなどの高分子材料、またはゼラチ
ンなどが好ましい。前記添加剤の量はN−フルオロピリ
ジニウム塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物の
量に対して20重量%以下であることが好ましく、10
重量%以下であることがさらに好ましい。前記添加剤の
量が前記範囲より多いと内部抵抗の上昇をもたらす。
【0144】N−フルオロピリジニウム塩(A)とハロ
ゲン化合物(B)との混合物が液状のばあい、そのまま
で用いてもよいし、また、所望の形状をした多孔質体に
含浸させてもよい。また、必要なら、バインダーや導電
剤もしくは添加剤などを混合してもよいし、また、これ
らと混合して所望の形状に成形してもよい。多孔質体と
しては多孔性繊維材料、多孔性の導電性または非導電性
材料や多孔性可撓性材料などが用いられるが、多孔性の
導電性材料のばあいは集電体の働きを兼ねさせることも
できる。また、ここで用いられるバインダーや導電剤も
しくは添加剤の種類や用いる量については前述と同じで
ある。
【0145】また、N−フルオロピリジニウム塩(A)
とハロゲン化合物(B)との混合物には別の公知の正極
活物質を混合して使用してもよい。このような公知の正
極活物質としては二酸化マンガン、リチウム酸化マンガ
ン、二酸化コバルト、リチウム酸化コバルトなどの金属
酸化物やポリアニリン、ポリピロール、ポリフェニレン
などの有機ポリマーなどが例としてあげられる。このよ
うな別の公知の正極活物質はN−フルオロピリジニウム
塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物に対して1
〜80重量%であることが好ましく、2〜50重量%で
あることがさらに好ましい。
【0146】[電解質]電解質としては通常使用されて
いるものが液体、固体の別なく使用できる。好ましい液
体電解質としては、たとえば過塩素酸リチウム、過塩素
酸テトラブチルアンモニウム、リチウムテトラフルオロ
ボラート、リチウムヘキサフルオロホスファート、リチ
ウムヘキサフルオロアルセナート、リチウムヘキサフル
オロアンチモナート、リチウムトリフルオロメタンスル
ホナート、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニ
ル)アミドなどを溶解したエチレンカーボネート、プロ
ピレンカーボナート、スルホラン、γ−ブチロラクト
ン、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメト
キシエタン、ジエトキシエタン、ジグライム、トリグラ
イム、テトラグライム、アセトニトリルあるいはこれら
の溶媒を2種以上混合したものなどがあげられ、固体電
解質としてはたとえばリチウムトリフルオロメタンスル
ホナートや高イオン伝導性非水溶性電解液ゲルなどの高
分子固体電解質などがあげられる。
【0147】[負極]負極材料としては、リチウム、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウ
ム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウム
などの両性化合物、亜鉛、カドミウム、銅、鉛などの遷
移金属、リチウム−アルミニウム、リチウム−スズ、リ
チウム−鉛、リチウム−金、リチウム−白金、リチウム
−亜鉛、リチウム−カドミウム、リチウム−銀、リチウ
ム−マグネシウム、リチウム−ウッドメタルなどの各種
のリチウム合金などが使用できるが、高起電力を発生で
きるという点および柔軟性のある薄型電池に適用しやす
いという点から、リチウム、リチウム合金、カルシウ
ム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの材料が好
ましい。
【0148】[セパレータ]セパレータが必要なばあい
は、たとえばポリアミド系、ポリプロピレン系などの織
布、不織布などやセルロース繊維など従来より通常使用
されているものが採用できる。
【0149】以上の構成材料を通常の方法で電池に組立
てればよい。
【0150】つぎにN−フルオロピリジニウム塩(A)
とハロゲン化合物(B)の混合物が前記の正極活物質と
電解質とを兼用する電池について説明する。
【0151】(2)本発明のN−フルオロピリジニウム
塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物を正極活物
質と電解質とを兼用した正極として使用する電池のばあ
い。
【0152】[正極活物質と電解質とを兼用した正極の
作製]前記(1)の正極の作製方法にしたがって作製す
ればよい。このばあいも導電剤を使用してもよい。
【0153】[負極]前記(1)と同じ。
【0154】[セパレータ]本発明の正極と負極の界面
は反応により形成された保護膜により短絡状態とならな
いので、原則として不要である。要すれば、前記(1)
にあげたものを使用すればよい。
【0155】電池の組立ては、正極活物質と電解質を兼
用した正極として、負極との間にセパレータを介在させ
ることなく通常の方法により組み立てればよいが、要す
ればセパレータを用いてもよい。
【0156】つぎに、前記N−フルオロピリジニウム塩
(A)を含む正極活物質を用いた電池において、前記ハ
ロゲン化合物(B)の一部または全部を溶解した電解質
を用いる電池の作製方法の一例について説明する。
【0157】正極の作製は、前記(1)の正極の作製方
法に従うか、または本発明のN−フルオロピリジニウム
塩(A)とハロゲン化合物(B)との混合物を用いる代
わりに前記N−フルオロピリジニウム塩(A)を用いる
ほかは前記(1)の正極の作製方法に従って作製すれば
よい。セパレータおよび負極は前記(1)と同じであ
る。電解質の作製は、前記ハロゲン化合物(B)を溶媒
に加えるほかは前記(1)の電解質と同様に作製すれば
よい。以上の構成材料を通常の方法で電池に組み立てれ
ばよい。加えるハロゲン化合物(B)の量は、当該電池
に用いられるN−フルオロピリジニウム塩(A)の全量
に対して混合比(モル比)が0.0001〜1の範囲内
にあることが好ましく、0.0005〜0.5の範囲内
にあることがさらに好ましく、つぎに0.0005〜
0.3の範囲が、さらに0.001〜0.2の範囲内に
あることがとくに好ましい。前記混合比(モル比)が前
記範囲内より小さいと内部抵抗の上昇による電圧の低下
が起こり、また、安定した放電がえられない傾向があ
り、前記範囲より大きいと電気容量の低下が起こり、高
エネルギー密度の電池が達成できなくなるばあいがあ
る。
【0158】本発明の正極活物質を用いる電池の正、負
極缶の表面はその一部または全部がニッケルで覆われて
いると、通常のステンレス製の正、負極缶を用いたばあ
いに比べ、保存特性が著しく向上することを見出した
(実施例25〜28と比較例8、9および図6、7参
照)。ニッケルで覆う方法としてはこれらのみに限られ
るものではないが、たとえば電池の正、負極缶をニッケ
ルで作製するか、ニッケルでメッキするかあるいはま
た、ニッケルを含む合金を用いて電池の正、負極缶をつ
くりニッケル以外の金属を溶剤でその一部または全てを
溶出する方法、あるいはニッケルを含む合金からニッケ
ル以外の金属の一部または全てを溶出した材料を用いて
電池の正、負極缶をつくる方法などが例示できる。
【0159】本発明によってえられる電池の用途として
は、これに限られるものではないが、定期券、キャッシ
ュカード、ペースメーカー、時計、電卓、電子玩具、小
形ラジオ、電子ライター、カメラ、電子体温計、医療用
機器、グリーティングカード、補聴器、ページャー、電
子手帳、キーレスエントリー、RAMメモリー、ICメ
モリー、携帯電話、ノートパソコン、ポータブルAV機
器、太陽電池のバックアップ、カードなどの電源などが
あげられる。
【0160】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限られるものではな
い。
【0161】実施例1〜2 N−フルオロピリジニウム塩とハロゲンとを機械的(物
理的)に混合させる方法によりこの混合物をえ、正極活
物質成分とし、この正極活物質成分を用いて作製した電
池の性能を評価した。以下、詳細に説明する。
【0162】表IV記載のN−フルオロピリジニウム塩
とハロゲンとを、アルゴン雰囲気下のドライボックス中
で表IV記載の重量(アルゴン雰囲気下のドライボック
ス中で測定した重量。以下、重量の測定はすべて同じ方
法による重量をいう)および重量パーセントになるよう
に測りとり、これらを乳鉢に移し、均一微粉末状になる
まで充分に粉砕混合させた。
【0163】この粉砕混合物に表IV記載の重量パーセ
ントの電解質(1M(モル/リットル)のLiBF4
プロピレンカーボナート(PC):ジグライム=1:9
の溶液)を添加したのち均一混合し、さらに10重量パ
ーセントのアセチレンブラックを添加して均一混合した
後これを均一な厚さの直径16.5mmの円板状の薄層
となるように0.5トンで1分間プレスして正極活物質
を作製した。正極活物質の総重量は表IVに記載されて
いる。
【0164】つぎに、表IV記載のセパレータを、正極
活物質の負極側の表面に重ね合わせ、液体電解質として
1M(モル/リットル)のLiBF4 のプロピレンカー
ボナート(PC):ジメトキシエタン(DME)=1:
9の溶液を約0.09〜0.10ミリリットルを含浸さ
せたのち、さらにその上に負極活物質として直径16.
5mmの円板状(厚さ0.38mm)のリチウム板を重
ね合わせ、さらに負極側集電体として負極缶に溶接した
ニッケル網を用い、正極集電体としてグラファイトペー
ストを正極缶に塗って、通常の方法に従ってボタン型リ
チウム電池を作製した。当該電池の概略部分断面図を図
1に示す。作製した電池の内部抵抗を表IVに示す。
【0165】図1において、1は負極端子(ステンレス
スチール製)、2はリチウム(負極活物質)、3はニッ
ケル網、4は絶縁パッキング、5はセパレータと電解
質、6は正極缶(ステンレススチール製)、7はグラフ
ァイトペースト、8は正極活物質である。
【0166】内部抵抗値は、20℃で図2に示す装置の
開路電圧および1MΩから510kΩ、100kΩ、5
1kΩ、30kΩ、10kΩの外部負荷のもとでそれぞ
れ1分後の電池電圧あるいはほぼ一定の値となった電池
電圧を測定して、それぞれの抵抗における電流値と電圧
値から最小二乗法により求めた。図2において9は前記
ボタン型電池を示し、Vは電圧計、Rは外部負荷を示
す。結果を表IVに示す。
【0167】実施例3 N−フルオロピリジニウム塩とリチウムテトラフルオロ
ボラート(LiBF4)とを表IV記載の重量パーセン
トで混合した後、実施例1と同様にヨウ素、電解質(1
MLiBF4/PC:ジグライム=1:9)、アセチレ
ンブラックを順次加えて、均一に混合して正極活物質を
つくり、正極集電体として直径16.5mmの円板状
(厚さ0.1mm)のカーボン板10を重ね合わせ、さ
らに正極缶に溶接したニッケル網3を用いたほかは実施
例1と同じ方法により、電池を作製し、同じ方法により
内部抵抗を測定した。当該電池の概略部分断面図を図3
に示す。結果を表IVに示す。また20℃で測定した
0.3mA定電流放電曲線を図5に示す。
【0168】実施例4〜6 実施例4〜6についてはヨウ素を電解質(1MLiBF
4 /PC:ジグライム=1:9)にそれぞれ0.07
M、0.36M、1.43Mの濃度となるように溶か
し、これを表IVに記載した重量パーセントのN−フル
オロピリジニウム塩とアセチレンブラックとの均一混合
物に表IV記載の重量パーセントで添加し、混合して正
極活物質をつくり、実施例1と同じ方法により電池を作
製し、同じ方法により内部抵抗を測定した。結果を表I
Vに示す。
【0169】実施例7 臭素を電解質(1MLiBF4 /PC:ジグライム=
1:9)に2.27Mの濃度となるように溶かし、これ
を用いて実施例4〜6と同様の操作で正極活物質をつく
り、電池を作製して、同じ方法により内部抵抗を測定し
た。結果を表IVに示す。
【0170】実施例8 表IV記載の重量パーセントのN−フルオロピリジニウ
ム塩とアセチレンブラックの均一混合物を10mlのサ
ンプル管に945mg入れ、ヨウ素の固体を入れたより
大きなガラス瓶にこのサンプル管を栓をしないで入れ、
N−フルオロピリジニウム塩とアセチレンブラックの混
合物が固体状のヨウ素に直接触れることがないようにし
てこのガラス瓶を密栓して、室温で5日間放置した。そ
の結果、N−フルオロピリジニウム塩とアセチレンブラ
ックの混合物にヨウ素は6mg取り込まれた。これに表
IV記載の重量パーセントの電解質を加えて充分混合し
た正極活物質を用いて実施例1と同じ方法により電池を
作製し、同じ方法により内部抵抗を測定した。結果を表
IVに示す。
【0171】実施例9〜10 N−フルオロピリジニウム塩として、表IV記載の化合
物を用いたほかは実施例1と同じ方法により、電池を作
製し、同じ方法により内部抵抗を測定した。結果を表I
Vに示す。
【0172】
【表22】
【0173】
【表23】
【0174】実施例11〜18 ハロゲンの代わりに表V記載のハロゲン化合物を表V記
載の重量パーセントで用いたほかは実施例1と同じ方法
により電池を作製し、同じ方法により内部抵抗を測定し
た。結果を表Vに示す。
【0175】
【表24】
【0176】実施例19 表VIに示すように、ハロゲンの代わりにヨウ素とヨウ
化リチウムを1:1のモル比であらかじめ室温で機械的
に混合したものを用いたほかは、実施例1と同じ方法に
より正極活物質ならびに電池を作製し、同じ方法により
内部抵抗を測定した。結果を表VIに示す。
【0177】
【表25】
【0178】比較例1〜4 ハロゲンを用いないほかは実施例1と同様に表VII記
載の重量パーセントでそれぞれを混合し、実施例1と同
じ方法で正極活物質ならびに電池を作製し、同じ方法に
より内部抵抗を測定した。結果を表VIIに示す。
【0179】また比較例2において20℃で測定した
0.3mA定電流放電曲線を図5に実施例3の放電曲線
と併せて示す。
【0180】比較例5〜6 実施例11〜18と同様に表VII記載の重量パーセン
トでそれぞれを混合し、正極活物質ならびに電池を作製
し、同じ方法により内部抵抗を測定した。結果を表VI
Iに示す。
【0181】
【表26】
【0182】実施例20〜24 表VIII記載の重量パーセントのN−フルオロピリジ
ニウム塩とヨウ素に3重量パーセントの3−メチルスル
ホランを添加して均一混合物とした後、これを均一な厚
さの直径16mmの円板状の薄層となるように0.2ト
ンで1分間プレスして正極活物質を作製した。つぎにこ
の正極活物質に、負極活物質として直径16mmの円板
状(厚さ0.38mm)のリチウム板を直接に重ね合わ
せ、負極集電体としてニッケル網を用い、正極集電体と
して直径15mmの円板状(厚さ0.1mm)のカーボ
ン板を正極活物質に重ね合わせ、さらにニッケル網を溶
接した正極缶を用いて通常の方法に従って電池を作製し
た。当該電池の概略部分断面図を図4に示す。それぞれ
の電池について20℃、30℃、40℃、50℃、60
℃での内部抵抗を、図2に示す装置の開路電圧と、1M
Ωから510kΩ、100kΩ、51kΩ、10kΩの
外部負荷のもとでそれぞれ5分後の電池電圧を測定し、
それぞれの抵抗における電流値と電圧値から最小二乗法
により求めた。結果を表VIIIに示す。
【0183】
【表27】
【0184】比較例7 ヨウ素を用いないほかは実施例20〜24と同じ方法に
より電池を作製し、同じ方法により内部抵抗を測定し
た。結果を表IXに示す。
【0185】
【表28】
【0186】実施例25〜28 鉄をニッケルでメッキした材料で作製した正極缶と負極
缶を用い、表X記載の重量パーセントの成分を実施例3
と同様に混合して正極活物質を調製し、実施例3と同じ
方法で電池を作製した。実施例25の電池は作製後17
時間室温で放置した後に実施例3と同じ方法で内部抵抗
を測定し、つづいて20℃で、0.3mA定電流放電を
行なった。実施例26の電池は作製後22日間室温で放
置して同様に内部抵抗を測定し0.3mA定電流放電を
行なった。結果を表Xと図6に示す。実施例27、28
の電池は作製後それぞれ15時間、13日間、室温で放
置した後に実施例3と同じ方法で内部抵抗を測定した。
結果を表Xに示す。
【0187】
【表29】
【0188】比較例8〜9 ステンレス製の正極缶と負極缶を用いた以外は実施例2
5〜26と同じ電池を作製し実施例25〜26と同一条
件で内部抵抗を測定し、つづいて0.3mA定電流放電
を行なった。結果を表XIと図7に示す。
【0189】
【表30】
【0190】実施例1〜8、11〜19と比較例1〜
2、実施例9と比較例3、実施例10と比較例4、さら
に実施例20〜24と比較例7のそれぞれの内部抵抗値
の比較からわかるようにN−フルオロピリジニウム塩
(A)にハロゲン化合物(B)を混合させた正極活物質
を用いた電池は、これを混合させないばあいの電池より
内部抵抗が非常に低くなる。
【0191】また図5において実施例3と比較例2の放
電曲線を比べてもヨウ素を混合して作製した正極活物質
を用いた電池である実施例3の方がはるかに放電電圧が
高い電池となる。
【0192】また、実施例25〜26と比較例8〜9と
のそれぞれの電池作製後17時間および22日間放置し
た後の内部抵抗値およびその放電曲線(図6、7)の比
較から、ステンレス製の正極缶と負極缶を用いた電池は
著しい劣化が起こるのに対して、ニッケルメッキした正
極缶と負極缶を用いた電池は劣化を著しく抑えることが
できる。ヨウ素を添加した実施例27、28の電池につ
いても実施例25、26と同様に、放置しても内部抵抗
の上昇が起こらないので、ニッケルメッキした正極缶と
負極缶を用いると劣化は抑えられている。
【0193】実施例29〜31 N−フルオロピリジニウム塩とアセチレンブラック、つ
いで電解質(1MLiBF4/PC:ジグライム=1:
9)を表XII記載の重量パーセントで混合した後、表
XII記載の錯体を加え、均一に混合して正極活物質を
つくり、実施例3と同じ方法により電池を作製し、同じ
方法により内部抵抗を測定した。結果を表XIIに示
す。
【0194】なお、実施例29で用いたピリジン・I2
錯体(組成モル比1:1)は、常法に従い、石油エーテ
ル中、室温で等モルのヨウ素とピリジンを混合し、生成
した結晶を濾取することによってえた。また、実施例3
0および31で用いたジオキサン・Br2錯体(組成モ
ル比1:1)は、文献(J. Chem. Soc. ,3257ページ
(1954年))に従って合成した。
【0195】実施例32 重量比1:5でヨウ素とポリアニリン(市販品。ポリサ
イエンス(Polysciences,Inc.)社製)とを混合してポ
リアニリン・I2錯体をつくり、これを表XIIに示す
電解質、N−フルオロピリジニウム塩およびアセチレン
ブラックと表XII記載の重量パーセントになるように
混合して、正極活物質300mgをつくった。
【0196】正極集電体としてカーボン板の代わりにグ
ラファイトペーストを用いたほかは実施例3と同じ方法
により電池を作製し、同じ方法により、内部抵抗を測定
した。結果を表XIIに示す。当該電池の概略部分断面
図を図8に示す。
【0197】
【表31】
【0198】実施例33 表XIIIに示すN−フルオロピリジニウム塩、アセチ
レンブラックおよび電解質の混合物をまず錠剤に成形
し、これに2.5Mの濃度になるように一塩化ヨウ素
(ICl)を1MLiBF4/PC:ジグライム=5:
95の電解質に溶かした溶液を含浸させ、正極活物質2
84mgを調製した。該正極活物質の重量組成比は表X
IIIに示してある。これを用いて実施例32と同じ方
法により電池を作製し、同じ方法により内部抵抗を測定
した。結果を表XIIIに示す。
【0199】
【表32】
【0200】実施例34、35 実施例34、35については、表XIVに記載された成
分からなる正極活物質をつくり、そして、ヨウ素または
ヨウ化リチウムを1MLiBF4/PC:DME=1:
9の溶液にそれぞれ0.26M、0.5Mの濃度となる
ように溶かしたものを電解質として用いたほかは実施例
3と同じ方法により電池を作製し、同じ方法により内部
抵抗を測定した。結果を表XIVに示す。
【0201】実施例36 表XIVに記載された成分からなる正極活物質をつく
り、そして、一塩化ヨウ素を1MLiBF4/PC:D
ME=1:9の溶液に1.37Mとなるように溶かした
ものを電解質として用いたほかは実施例32と同じ方法
により電池を作製し、同じ方法により内部抵抗を測定し
た。結果を表XIVに示す。
【0202】
【表33】
【0203】N−フルオロピリジニウム塩(A)を含む
正極活物質を電池の一成分とし、ハロゲン化合物(B)
を混合した電解質を電池の他成分として電池を作製した
ばあいは、電解質がN−フルオロピリジニウム塩(A)
を含む正極活物質内に拡散、浸透してハロゲン化合物
(B)のハロゲン、ハロゲン間化合物、またはポリハロ
ゲン化物が、あるいはまた、反応により発生するハロゲ
ン、ハロゲン間化合物、またはポリハロゲン化物がN−
フルオロピリジニウム塩(A)に作用する結果、ハロゲ
ン化合物(B)をN−フルオロピリジニウム塩(A)と
機械的に混合したばあいと同様の結果を発揮する。
【0204】たとえば、実施例6と実施例34の比較か
らわかるように、ハロゲン化合物(B)を混合した電解
質を電池の一成分として電池を組み立てたばあい(実施
例34)、ハロゲン化合物(B)をN−フルオロピリジ
ニウム塩(A)に機械的に混合したばあい(実施例6)
と同様に内部抵抗を大幅に減じることができ、優れた電
池となる。
【0205】
【発明の効果】本発明のN−フルオロピリジニウム塩
(A)とハロゲン化合物(B)との混合物を含む正極活
物質によると、これを混合しないN−フルオロピリジニ
ウム塩からなる正極活物質よりも著しく内部抵抗を小さ
くすることができ、その結果高い放電電圧を示す電池を
うることができる。
【0206】電池の正極缶と負極缶の内側をニッケルで
覆うことにより電池の劣化を著しく抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、4〜19、比較例1〜6で製作
した電池の概略部分断面図である。
【図2】実施例1〜36および比較例1〜9で作製した
電池の起電力および内部抵抗の測定方法の概略説明図で
ある。
【図3】実施例3、25〜31、34、35および比較
例8、9で製作した電池の概略部分断面図である。
【図4】実施例20〜24、比較例7で製作した電池の
概略部分断面図である。
【図5】実施例3と比較例2の放電曲線を示す図であ
る。
【図6】実施例25、26の放電曲線を示す図である。
【図7】比較例8、9の放電曲線を示す図である。
【図8】実施例32、33および36で作製した電池の
概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 負極端子 2 リチウム(負極活物質) 3 ニッケル網 4 絶縁パッキング 5 セパレータと電解質 6 正極缶 7 グラファイトペースト 8 正極活物質 9 ボタン型電池 10 カーボン板

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)N−フルオロピリジニウム塩と
    (B)ハロゲン、ハロゲン間化合物、ポリハロゲン化
    物、および反応によりその場でハロゲン、ハロゲン間化
    合物またはポリハロゲン化物を発生しうる化合物よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化合物とを
    含む正極活物質。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化合物(B)のハロゲンがヨウ
    素または臭素である請求項1記載の正極活物質。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化合物(B)のハロゲン間化合
    物が、ヨウ素原子または臭素原子を含むハロゲン間化合
    物である請求項1記載の正極活物質。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化合物(B)のポリハロゲン化
    物が、ヨウ素原子または臭素原子を含むポリハロゲン化
    物である請求項1記載の正極活物質。
  5. 【請求項5】 ハロゲン化合物(B)の、反応によりそ
    の場でハロゲン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン
    化物を発生しうる化合物が、ヨウ素原子または臭素原子
    を含むものである請求項1記載の正極活物質。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化合物(B)のハロゲンおよび
    ハロゲン間化合物が錯体の形で使用される請求項1記載
    の正極活物質。
  7. 【請求項7】 錯体がπ電子および/または不対電子を
    もつ有機化合物との錯体である請求項6記載の正極活物
    質。
  8. 【請求項8】 N−フルオロピリジニウム塩(A)に対
    するハロゲン化合物(B)のモル比が0.0001〜1
    の範囲内にある請求項1記載の正極活物質。
  9. 【請求項9】 N−フルオロピリジニウム塩(A)とハ
    ロゲン化合物(B)を、溶媒および/もしくは液体電解
    質を加えてまたは加えないで機械的に混合してえられる
    請求項1〜8のいずれかに記載の正極活物質。
  10. 【請求項10】 ハロゲン化合物(B)の一部または全
    部を溶媒または液体電解質に溶かしてN−フルオロピリ
    ジニウム塩(A)と混合してえられる請求項1〜8のい
    ずれかに記載の正極活物質。
  11. 【請求項11】 N−フルオロピリジニウム塩(A)を
    ハロゲンおよび/またはハロゲン間化合物の蒸気にさら
    すことによりえられる請求項1、2、3または8記載の
    正極活物質。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の正
    極活物質からなる電池。
  13. 【請求項13】 (A)N−フルオロピリジニウム塩と
    (B)ハロゲン、ハロゲン間化合物、ポリハロゲン化
    物、および反応によりその場でハロゲン、ハロゲン間化
    合物またはポリハロゲン化物を発生しうる化合物よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化合物との
    混合物が正極活物質と電解質とを兼用している電池。
  14. 【請求項14】 電池の正極缶および負極缶の表面の一
    部または全部がニッケルで覆われた請求項12または1
    3のいずれかに記載の電池。
  15. 【請求項15】 N−フルオロピリジニウム塩(A)を
    含む正極活物質を用いた電池において、ハロゲン、ハロ
    ゲン間化合物、ポリハロゲン化物、および反応によりそ
    の場でハロゲン、ハロゲン間化合物またはポリハロゲン
    化物を発生しうる化合物よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種のハロゲン化合物の一部または全部を混合また
    は溶かした電解質を用いて作製する請求項12〜13の
    いずれかに記載された電池の作製方法。
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