JPH08171885A - 平型蛍光ランプおよびその製造方法 - Google Patents

平型蛍光ランプおよびその製造方法

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JPH08171885A
JPH08171885A JP7208850A JP20885095A JPH08171885A JP H08171885 A JPH08171885 A JP H08171885A JP 7208850 A JP7208850 A JP 7208850A JP 20885095 A JP20885095 A JP 20885095A JP H08171885 A JPH08171885 A JP H08171885A
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fluorescent lamp
wall
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light
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JP7208850A
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Jieikobu Maya
ジェイコブ マヤ
Munisami Anandan
ムニサミ アナンダン
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Matsushita Electric Works Ltd
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    • H01J61/02Details
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Abstract

(57)【要約】 【課題】面状光源として用いることが可能な小型かつ低
価格の平型蛍光ランプを提供する。 【解決手段】 蛍光ランプ2の容器は平型円筒状であっ
て気体が封入され、容器の厚み方向の上面は蛍光物質か
ら放出される光に対して透光性を有するとともに下面は
非透光性を有する。また、容器の厚み方向の両内側面の
間には円環壁6が配設され、円環壁6は容器の内部空間
に渦巻状の放電経路となる1本に連続した溝4を形成す
る。容器の内側面の要所および円環壁6の表面には蛍光
物質が被着される。容器内には2個の電極8,10が配
設され、両電極8,10間には溝4に沿ったアークが持
続的に生成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型の平型蛍光ランプ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、小型の蛍光ランプとしては、管
形の容器を数箇所で折り曲げることにより占有空間を小
さくしたものが知られている。蛍光ランプを小型化する
には種々の目的があり、その一つは白熱電球に代わる光
源を提供することである。白熱電球に代えて蛍光ランプ
を用いる利点の第1は、電力コストが低減されることで
ある。たとえば、白熱ランプでは1ワットの電気エネル
ギを入力すると16ルーメンの光束が出力されるが、蛍
光ランプでは1ワットの入力に対して50〜60ルーメ
ンの光束を得ることが可能である。したがって、白熱電
球を光出力(出力光束)の等しい蛍光ランプに置き換え
れば、消費エネルギが節約され、結果的に電力コストの
低減につながる。
【0003】さらに、白熱電球は750時間程度しか寿
命がないが、蛍光ランプの寿命は6000〜10000
時間程度にはなる。一般に、電球の交換作業に工賃を要
する場合には、電球の交換を必要とする頻度が減少する
ほど電球の取付作業に要する費用が低減されることにな
る。一方、従来より電気事業者はエネルギの使用を管理
することによってピーク時の電力需要を減少させるとい
うことに関心を持ちつづけている。つまり、ピーク時の
電力需要を賄うような電力供給設備(発電所)を新たに
建設するには膨大な費用を要するから、エネルギ使用を
減少させることに配慮しているのである。そこで、電気
事業者はピーク時の電力需要を減少させるには、電力供
給設備を建設するよりもエネルギを節約する装置に費用
をかけるほうが経済的であることに着目し、DSM(De
mand Side Management)と称する計画を推進している。
そして、少なくともこの10年間には、DSM計画によ
って、小型の蛍光ランプのあらゆる用途に対してエネル
ギ節約のための強力な後押しがなされている。
【0004】ところで、ランプの分野においては、小型
化、長寿命化、高効率化、低価格化ということがつねに
要請されているが、他のランプと同様に、小型の蛍光ラ
ンプにおいても同時に満たすことのできない多数の要件
がある。つまり、すべての要件を同時に最適化すること
は不可能である。たとえば、小型化すると効率が低下
し、高価になることもある。一方、白熱電球に代えて蛍
光ランプを用いるには、白熱電球用の既設のランプホル
ダに蛍光ランプを適合させることが必要になる。しかし
ながら、白熱電球用の既設のランプホルダや白熱電球用
の配置スペースでは、従来から提供されている小型の蛍
光ランプを配置する空間を充分に確保することができ
ず、このことが白熱電球から蛍光ランプへの移行を遅ら
す一因になっている。
【0005】また、蛍光ランプを小型化するにつれて生
じる問題点もある。たとえば、小型化すれば放熱が問題
になる。蛍光ランプでは効率を最適にするために水銀蒸
気圧を最適値に維持しなければならず、水銀蒸気圧の維
持には蛍光ランプから発生する熱を放熱しなければなら
ない。また、小型化すると、蛍光物質の単位面積当たり
の電流密度つまり蛍光物質の単位面積当たりの消費電力
が増加し、光出力が急速に低下する。さらに、放熱が困
難になるから、白熱電球に置き換えるために蛍光ランプ
と一体に設けた電気部品が高温になりやすく、蛍光ラン
プの寿命が短くなるという問題も生じる。
【0006】上述ような問題を解決するために、蛍光物
質をアルミナで被覆することによって、蛍光物質の劣化
を抑制することが考えられている。また、小型の蛍光ラ
ンプにおける熱の問題を解決するために、アマルガムを
封入したり、蛍光ランプを包む部材(セードやグロー
ブ)に放熱用の孔を開けたり、放熱用の熱伝導部材を設
けることなどが考えられている。これらの技術を採用す
れば、光出力の少ない領域では問題解決にある程度の効
果があるが、同寸法で光出力を増大させれば、上記問題
の解決はより困難になり、問題解決にさらに効果のある
別の改善策が必要になる。
【0007】従来より小型の蛍光ランプとしては、ガラ
ス管をU字状ないし円環状に曲げただけで体積を縮小し
たものが提供されている。これらの蛍光ランプは、管壁
の内周面の全面に亙って蛍光物質を被着し、管の両端部
に電極を配置して形成してある。また、この構成を拡張
した蛍光ランプとして、U字管を2ないし4本連結した
形状のものもある。つまり、基本になるU字管をつなぎ
合せた形状になる。上述のような小型蛍光ランプの全長
は、所望の光出力を得るのに必要なアーク長を維持でき
るように設定されている。ただし、これらの蛍光ランプ
において所望の方向への配光を得るには、蛍光ランプと
は別に反射器が必要になる。
【0008】ところで、平型蛍光ランプは照明用途以外
に、ラップトップ型のパーソナルコンピュータにおいて
も用いられる。この分野では液晶ディスプレイが出現し
たことにより、平型蛍光ランプのような面光源の需要が
増加している。つまり、液晶ディスプレイのバックライ
トの形状として面状に発光することが要求されるから、
面光源の需要が増加したのである。以下に、この用途で
要求される条件を列挙する。 (1)正面形状が長方形状もしくは正方形状であって平
板状であること。 (2)ランプ表面の全面に亙って明るさが均一であるこ
と。 (3)明るさの最大値と最小値との比率が1000:1
以上であること。
【0009】現状で用いられている液晶ディスプレイの
バックライトは、管を蛇行状に曲成したランプと拡散器
とを用いたもの、あるいは1〜2本の直管形の通常の蛍
光ランプを用い、導光および拡散を行なう部材の端面に
蛍光ランプを対置して、蛍光ランプからの光を面状に拡
散させるものが知られている。さらに、超小型の蛍光ラ
ンプのアレイを一平面上で縦横に配列するとともに、前
方に拡散器を配置し、後方に反射器を配置したもの、あ
るいは対向配置した2枚のガラス板の対向面に蛍光物質
を被着し、2つの電極を収納した形でガラス板の周部を
気密に封止したものもある。ただし、上述のような大型
の面状光源では、各種加工時、ガス封入時における低圧
下で破損することがないような補強が必要である。
【0010】比較的大型の平型ランプとしては、米国特
許第3,226,590号(発明者:Christy ) にパネ
ルランプ(panel-lamp)と称するものが記載されてい
る。このパネルランプは互いに対向する2枚のガラスの
波板を備え、大気圧に耐えるように気密に封止されてい
る。このパネルランプでは、波板を用いたことと封止の
形態とによって、蛇行状ないし迷路状の放電径路が形成
されている。また、正面形状が丸形である平型ランプに
上述のものと同様の波型構造を適用したものが、米国特
許第3,243,630号(発明者:W. C. Martyny )
に記載されている。この平型ランプは中心部に発光に寄
与しない孔を有している。
【0011】しかしながら、上記米国特許に基づいて作
成したランプを白熱電球に代えて用いることは有用では
ない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事由に鑑
みて為されたものであり、その主な目的は、面状光源と
して用いることが可能な小型かつ低価格の平型蛍光ラン
プを提供することにあり、他の目的は、所望方向への配
光制御が容易であって配光制御に関する器具本体の負担
が少なく、かつ長寿命である平型蛍光ランプを提供する
ことにあり、さらに他の目的は、在来の白熱電球に置き
換えて用いることができる平型蛍光ランプを提供するこ
とにあり、別の目的は、連続工程で生産することができ
生産性の高い平型蛍光ランプの製造方法を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、上
記目的を達成するために、気体が封入された平型の気密
な容器を備え、容器の厚み方向の一面は蛍光物質から放
出される光に対して透光性を有するとともに少なくとも
他面は非透光性を有する。また、容器の厚み方向の両内
側面の間に配設され両内側面に気密的に結合された壁体
を形成し容器の内部空間に非直線状の1つの放電経路を
形成する壁部材が設けられ、容器の内側面の要所および
壁部材の表面には蛍光物質が被着される。容器内には2
個の電極が配設され、両電極間に上記放電経路に沿った
アークを発生させかつ持続させることができる。
【0014】壁部材は、容器の内部空間に比較的長い放
電経路を形成する機能を有するとともに、容器の厚み方
向に外側から作用する力に対して容器を補強する機能を
有する。とくに、壁部材によって容器の内部空間に比較
的長い放電経路を形成することにより、現在商品化され
ている既存の蛍光ランプと同程度の特性を有するもので
あればより小型に形成することが可能である。
【0015】ここにおいて、本発明における「平型」の
用語は、ラップトップ型のコンピュータのバックライト
に用いる場合には数mmの厚みのものを意味し、天井な
どに設置される照明器具のような照明用途では数cmの
厚みのものを意味する。上記容器は、望ましくは請求項
2の発明のように、厚み方向の両壁を形成する一対の板
部材と、両板部材の周部間に介在して両板部材の周部間
を全周に亙って連結する側壁部材とから成る。
【0016】壁部材は、請求項3の発明のように、容器
の厚み方向に直交する面内で1本の放電経路を形成する
ように互いに連通した矩形状の複数個の区画を形成し、
上記区画は放電経路の長手方向に直交する断面形状が矩
形状に形成される。ここに、容器の厚み方向に直交する
面内で上記区間の幅寸法を変更すれば、同じ容器を用い
ながら区画を形成する位置や区画の個数を変えることが
でき、結果的に放電経路の長さを変えることができる。
【0017】請求項4の発明は請求項3の発明の望まし
い実施形態であって、放電経路の幅寸法と、壁部材の厚
み寸法と、容器の厚み方向の上記他方の壁の内側面の面
積と、容器の内部空間の厚み寸法とを、容器の1立方イ
ンチ当たりの光出力が70ルーメン以上かつ280ルー
メン以下になるように設定している。請求項5の発明は
請求項1の発明の実施形態であって、容器における上記
一方の壁には蛍光物質を被着しなくても蛍光ランプとし
て機能させることが可能である。
【0018】壁部材は、請求項6の発明のように、容器
の厚み方向に直交する面内で1本の放電経路を形成する
ように互いに連通した円形状の複数個の区画を形成して
もよい。請求項7の発明のように、蛍光物質の一面に蛍
光物質の他面側に向けて光を反射する反射層を部分的に
設けたものでは、光出力を所望方向に配光することがで
きる。
【0019】請求項8の発明では、細長部材を一つの平
面内で渦巻状に曲成して形成され気体が封入された気密
な容器と、容器の内側面の要所に被着された蛍光物質
と、細長部材の両端間で容器内に形成された放電経路に
沿ったアークを発生させかつ持続させるように配設され
た2個の電極とを備え、容器の壁は渦巻を含む上記平面
に沿った一面側が蛍光物質から放出される光に対して透
光性を有するとともに他面側が非透光性を有する。
【0020】請求項9の発明では、請求項8の発明にお
いて、渦巻の内周側の外側面と外周側の内側面とが密着
するように細長部材が曲成されている。請求項10の発
明では、請求項8の発明において、容器は細長部材の長
手方向に直交する断面が円形状であることを特徴とす
る。請求項11の発明では、請求項8の発明において、
容器は細長部材の長手方向に直交する断面が多角形状で
あることを特徴とする。
【0021】請求項12の発明では、請求項8の発明に
おいて、蛍光物質の一面には蛍光物質の他面側に向けて
光を反射する反射層が部分的に設けられている。請求項
13の発明では、容器のうち非透光性を有する一面側に
バラストと白熱電球と同形状の口金とを備え、在来の白
熱電球に置き換えて用いることを可能にしている。
【0022】請求項14の発明は、本発明の蛍光ランプ
の望ましい製造方法であって、互いに直径が異り中心線
方向の寸法が一致する複数個の環状体のうち直径が最大
の環状体を除いて各環状体の周方向の1箇所を開放する
切欠部を形成する過程と、すべての環状体の内側面に反
射層を被着するとともに直径が最大の環状体を除いて各
環状体の外側面に反射層を被着する過程と、直径が最大
の環状体の外周縁と一致する形状の板体であって透光性
を有する第1のガラス板の一面に各環状体を中心を一致
させた形で気密的に結合する過程と、隣接する環状体間
に形成される溝が1本に連続するように、環状体の中心
線方向における寸法が環状体と等しい隔壁を隣接する各
環状体間の要所に配置する過程と、隣接する環状体間に
形成される溝の内周面に蛍光物質を被着する過程と、直
径が最大の環状体の外周縁と一致する形状の板体である
第2のガラス板に電極挿通用の2組の挿通孔および挿通
孔から離れた排気孔を形成する過程と、第2のガラス板
の一面側に反射層を被着する過程と、第2のガラス板の
上記一面側に配設される電極に接続された各2本の導入
線をそれぞれ挿通孔に気密的に挿通する過程と、第2の
ガラス板に反射層を介して蛍光物質を被着する過程と、
環状体における第1のガラス板とは反対側の端面に第2
のガラス板を気密的に結合するとともに排気管を排気孔
に気密的に接合する過程と、排気孔を通して内部空間の
排気を行なう過程と、排気孔を通して内部空間に気体を
封入する過程と、排気孔を封止する過程とを備える。
【0023】この製造方法を採用すれば、小型化のため
に現状の蛍光ランプで行なわれているようなガラス管の
曲成作業を必要とせず、部材間を気密的に結合する作業
を中心として小型の蛍光ランプを製造することが可能に
なる。すなわち、ガラス管の曲げ作業を必要としないか
ら、寸法管理が容易になることによって動作特性が安定
し、しかもバッチ工程ではなく連続工程での製造が可能
となって、生産性が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1に正面形状が円形である平型蛍光ラ
ンプ2を示す。図1は蛍光ランプ2の上壁(図2に示す
光通過板32)を取り除いた状態で示してあり、蛍光ラ
ンプ2の内部に形成された放電経路となる溝4が露出し
ている。溝4は断面長方形ないし断面正方形であって、
複数個(ここでは4個)の円環壁6が同心円上に配列さ
れた形で円板状の底壁(図2に示す陰極板30)から立
ち上がることにより、隣接する一対の円環壁6の間に溝
4が形成される。また、最外側の円環壁6を除く各円環
壁6にはそれぞれ切欠部9が設けられ、各円環壁6の切
欠部9の開口縁から突出する隔壁13が隣接する円環壁
6に接合されることにより、連続した1本の溝4が形成
される。この溝4の両端部、すなわち最大径の円環壁6
と次に径の大きい円環壁6との間および最小径の円環壁
6の内側とにはそれぞれ電極(フィラメント)8,10
が配置され、上記溝4によって両電極8,10の間に1
本の連続した放電径路が形成される。言い換えれば、両
電極8,10は放電経路となる溝4の両端付近に配置さ
れる。ここに、上壁および底壁は板部材により形成さ
れ、最大径の円環壁6が側壁部材、残りの円環壁6が壁
部材として機能する。
【0025】上述した蛍光ランプ2の分解斜視図を図2
に示す。図2より明らかなように、蛍光ランプ2は、光
通過板32と4個の円環壁6(R1〜R4)と陰極板3
0とを一体に組み立てることにより形成される。最大径
の円環壁6(R1)を除く他の円環壁6(R2〜R4)
にはそれぞれ周方向の1箇所を開放する切欠部9が形成
され、また最小径の円環壁6(R4)を除く他の円環壁
6(R1〜R3)にはそれぞれ隔壁13が一体に結合さ
れ、1本の連続した溝4を形成するように円環壁6(R
1〜R4)が中心を一致させた形で配列される。
【0026】次に、図2に基づいて蛍光ランプ2の製造
方法を説明する。円環壁6はソーダ石灰ガラスのガラス
管を切断加工して形成される。ここに、各円環壁6(R
1〜R4)の内径、高さ、切欠部9の幅は、たとえば表
1のように設定することができる。
【0027】
【表1】
【0028】円環壁6(R1)は洗浄後に内側面にのみ
反射層21となるアルミナ(Al2 3 )が被着され、
他の円環壁6(R2〜R4)には洗浄後に内外両側面に
反射層21となるアルミナが被着される。次に、各円環
壁6は、一端面にペースト状のガラスフリットを塗布し
て光通過板32に同心円状に配置した形で取り付けられ
る。ここに、光通過板32としてはソーダ石灰ガラスを
外径が76.2mmの円板状に切り出して用いる。隔壁
13は円環壁6と同様にソーダ石灰ガラスよりなり、ペ
ースト状のガラスフリットを用いて各円環壁6に取り付
けられる。このように、光通過板32に円環壁6および
隔壁13をガラスフリットにより取り付けた状態で45
0℃で加熱処理すれば、光通過板32、円環壁6、隔壁
13が互いに密着されたカバー体が形成される。ここ
に、最外周の溝4の幅は10.5mm、内周側の2つの
溝4の幅は7.5mmとした。カバー体を形成した後
に、溝4の内周面に蛍光物質23を被着し、蛍光物質2
3中の有機物質(液状成分)を除去するように加熱処理
を行なう。その後、円環壁6において光通過板32に結
合されていない端面を清浄化して不要な蛍光物質を除去
し、この端面にペースト状のガラスフリットを塗布す
る。
【0029】一方、陰極板30は以下の手順で作成され
る。陰極板30は3mm厚のソーダ石灰ガラスを外径が
76.2mmの円板状に切り出して用い、2つの電極
8,10を配置することができるように、陰極板30の
所定位置には直径2.3mmの2組(合計4個)の挿通
孔7aを形成する。また、後述する排気管5を取り付け
るために陰極板30において上記挿通孔7aとは異なる
所定位置に直径2.3mmの排気孔5aが形成される。
ここに、電極8,10を配置するための挿通孔7aと排
気孔5aとの直径を等しく設定しているが、必ずしも等
しくする必要はない。
【0030】電極8,10となるフィラメントの両端に
はフィラメントを外部回路と電気的に接続するために導
入線7がそれぞれ接続される。各フィラメントに接続さ
れた2本ずつの導入線7は、それぞれニッケル−鉄−ク
ロム(Ni−Fe−Cr)合金よりなり、加熱処理の後
に陰極板30に形成された挿通孔7aに挿通され、ガラ
スフリットにより封着される。その後、陰極板30には
反射層21となるアルミナが所要部分に選択的に被着さ
れ、有機物質(液状成分)を除去するため熱処理が施さ
れる。さらに、アルミナの反射層21の上に蛍光物質2
3が被着され、有機物質(液状成分)を除去するように
加熱処理が行なわれる。電極8,10であるフィラメン
トには熱電子放出物質としてのトリプルカーボネイト
(Ba,Ca,Srの炭酸塩の混合物)が被着され、各
電極8,10の両端はそれぞれ導入線7に溶着される。
また、一方の電極8の導入線7にはリング状の水銀ゲッ
タ11も溶着される。
【0031】上述のようにして陰極板30に電極8,1
0などを取り付けた後に、陰極板30は上述したカバー
体と位置合わせされる。排気管5は一端面にペースト状
のガラスフリットが塗布され、陰極板30に設けた排気
孔5aに一致するように取り付けられる。このように、
カバー体と陰極板30と排気管5とを結合した状態で加
圧下に置かれ、炉内で450℃に加熱されることによ
り、ガラスフリットが溶融し、カバー体と陰極板30お
よび陰極板30と排気管5とがそれぞれ気密に結合され
る。気密に結合した後は所定の排気手順に従って内部の
空気を排気し、その後にアルゴンガスと水銀とを内部に
封入する。さらに、排気管6を封止し、排気装置から外
して、安定化のためにエージングを施す。
【0032】ここにおいて、蛍光物質は単体もしくは混
合物であり、気密空間に封入する物質については、希ガ
スの単体ないし混合ガスを用いることができ、水銀に代
えて水銀アマルガムを用いることも可能である。また、
希ガスの封入圧、水銀の量、水銀アマルガムの組成につ
いては特に制限はない。上述した工程で蛍光ランプ2を
作成したところ以下の動作特性を示した。すなわち、蛍
光ランプ2を周囲温度が25℃の環境下で点灯させる
と、ランプ電圧が約75V、ランプ電流が200mAの
ときに13.6Wの出力を得ることができた。この蛍光
ランプ2は通常の蛍光ランプと同様の電圧−電流特性を
示すものであって、安定器のリアクタンスを変えるとラ
ンプ電流が変化し、それによってランプ電圧が変化す
る。
【0033】上記説明から明らかなように、本発明の蛍
光ランプ2は、ガラス管を曲げる作業が不要であり、ガ
ラスフリットを用いることにより封止することになる。
つまり、ランプを曲げるにはガラスを軟化させることが
必要であるから、ランプを曲げる作業を伴う場合には連
続工程には適さずバッチ工程になるが、本発明の蛍光ラ
ンプ2ではガラスを曲げる必要がないから連続工程で製
造することが可能になる。
【0034】また、上述した蛍光ランプ2の直径は3イ
ンチ(76.2mm)であって、アークは放電径路とな
る溝4に沿って形成され、アークの長さは約32インチ
(812.8mm)になる。いま、本発明の蛍光ランプ
2と他の蛍光ランプとの効率が等しいものとすれば、上
記寸法で形成した蛍光ランプ2は、2本の直管を連結し
て1つの放電経路を形成した、いわゆるツイン型の小型
蛍光ランプであれば7Wのものを5本用いた場合、U字
管を2本連結して1つの放電経路を形成した、いわゆる
W型の小型蛍光ランプであれば35Wのものを用いた場
合と同程度の光出力を得ることになる。ここで、放電経
路の幅寸法と、壁部材の厚み寸法と、容器の厚み方向の
上記他方の壁の内側面の面積と、容器の内部空間の厚み
寸法とは、容器の1立方インチ当たりの光出力が70ル
ーメン以上かつ280ルーメン以下になるように設定す
るのが望ましい。
【0035】ところで、この種の平型蛍光ランプでは、
排気時に管壁に対して内向きに作用する圧力に耐えうる
構造を持たなければ破損することになる。本実施形態に
おける円環壁6は、放電経路を延長するのに有効かつ必
要なものであり、しかも排気時に作用する圧力によって
陰極板30および光通過板32が破損するのを防止する
ことにも寄与している。
【0036】上記構成によれば、円環壁6の両面にそれ
ぞれ蛍光物質23を被着することによって、円環壁6の
両面から可視光を放射させることができる。このことに
よって、管を折曲することによって小型化した従来の蛍
光ランプでは、管壁の一面にしか蛍光物質を被着するこ
とができないから、管壁が隣接する部位において2枚の
管壁の厚み分の空間が必要であったのに対して、本実施
形態の構成によれば1枚の円環壁6の両面に蛍光物質2
3を被着することができることによって占有空間を小さ
くすることができ、ひいては材料コストも低減すること
ができる。ただし、最外側の円環壁6(R1)は、内側
面にのみ蛍光物質23が被着される。
【0037】ところで、本実施形態のように放電経路と
なる溝4の断面形状を矩形状とすると、この矩形に内接
するような円形の断面を有する放電経路を形成する場合
よりも表面積を大きくとることができる。つまり、同程
度の広さの設置空間を占有するのであれば、断面が矩形
状の放電経路を形成するほうが円形の放電経路を形成す
る場合よりも放電経路の表面積を大きくとることができ
る。一般に、放電経路の表面積が大きくなれば放電経路
の周囲に配置される蛍光物質23の表面積も大きくな
り、供給電力を一定とすれば、蛍光物質23の表面積が
大きいほど、光出力を長期に亙って維持することができ
るとともに蛍光物質23の劣化を少なくすることができ
る。したがって、放電経路の表面積を大きくとることが
できるのは大きな利点となる。
【0038】要するに、蛍光物質23の発光量が低下す
る速度によりランプ寿命が決まるから、放電経路の断面
が矩形状である平型蛍光ランプは、他条件がほぼ同じで
あれば、光出力を等しくした管形ないし管を折り曲げて
小型化した蛍光ランプに比較すると、光出力をより長期
に亙って維持することができ長寿命化することが可能に
なる。逆に、平型蛍光ランプへの供給電力を、管を折り
曲げて小型化した蛍光ランプと等しく設定すれば、光出
力を維持できる期間つまりランプ寿命は両者で同じにな
るが、単位体積当たりの光出力は平型蛍光ランプのほう
が大きくなる。つまり、同程度の光出力を得るに際して
従来よりも蛍光ランプを小型化することが可能になると
いう効果をもたらすのである。
【0039】加えて、上記構成の蛍光ランプ2は、陰極
板30側の裏面が平面状になるから、図3のように、裏
面(陰極板30の外側面)側にバラスト17を容易に配
置することができる。さらに、図3に示すランプは白熱
電球と同様の口金12を備え、片口金の白熱電球に代え
て用いることができるようにしてある。ここに、蛍光物
質23からは光はあらゆる方向に放射されるが、蛍光ラ
ンプ2のバラスト17側の一面には反射層21が形成し
ていることにより、大部分の光を図3の下面側から取り
出すことができる。つまり、図3に示すものは、白熱電
球と同様の寸法および形状を有したダウンライトを形成
している。ただし、蛍光ランプ2の側面には必ずしも反
射層21を設けても設けなくてもよい。側面に反射層2
1を設けなければ蛍光ランプ2の側壁を通して光を取り
出すことができる。
【0040】このように本実施形態の蛍光ランプ2は、
蛍光ランプ2の内部に反射層21を備えているから、従
来の小型蛍光ランプのように蛍光ランプとは別に外部に
反射器を設ける必要がなく、結果的に反射器を要する場
合でも高効率のものは必要ではなく、器具本体の構成を
簡略化することができる。上述のような反射層21の形
成状態を図4、図5に断面図として示す。図4、図5で
は蛍光ランプ2の内部の円環壁6および光通過板32は
省略してあるが、光通過板32を設ける場合には図の下
面側に位置させることになる。
【0041】図4に示すものは、光通過板32を除く容
器19の内面の全面に亙って反射層21が形成され、反
射層21を介して容器19の内面の全面に亙って蛍光物
質23が被着されている。また、図5に示すものは、容
器19の内底面(図5の上壁下面)にのみ反射層21が
形成され、蛍光物質23は反射層21が形成されている
部分を含む容器19の内面の全面に亙って被着されてい
る。つまり、図5に示すものは、図4に示すものから容
器19の側壁の反射層21を省略した形になっている。
したがって、図5に示す蛍光ランプ2では容器19の下
面からのみではなく側面からも光が放射される。
【0042】反射層21には、アルミナ(Al2 3
やシリカ(SiO2 )などの皮膜ないしフィルムが用い
られる。この種の材料を用いた反射層21は紫外線およ
び可視光を反射し、すべての光を光通過板32ないし光
通過板32と容器19の側壁とを通して取り出すことが
できるようにする。したがって、反射層21の配置に応
じて、ビームの開きを狭くしたダウンライトを形成した
り、拡散光を発生する光源を形成したりすることができ
る。すなわち、図4はすべての光が光通過板32を通過
するように反射層21を配置した例を示したものであ
り、図5は光通過板32および容器19の側壁を光が通
過するように反射層21を配置した例を示したものであ
る。反射層21は光通過板32を除く部位であれば、ど
こに形成してもよく、本実施形態の蛍光ランプ2では、
反射層21を自由に配置することができるという、従来
のように管を折曲することによって小型化した蛍光ラン
プではなし得なかった利点がある。
【0043】(実施形態2)本実施形態を図6に示す。
この図は実施形態1を示した図1と同様に光通過板32
を省いた形で示してある。本実施形態は正面形状を正方
形状としたものであり、円環壁6に代えて側壁部材とし
ての外側壁6Aおよび壁部材としての内側壁6Bを備え
る。外側壁6Aは1枚の帯状板を正方形状に曲成した形
を有し、外側壁6Aの内側空間に配置された内側壁6B
は1枚の帯状板を外側壁6Aの各辺に沿った渦巻状に曲
成した形を有する。したがって、外側壁6Aと内側壁6
Bとの間、および内側壁6B同士の間に放電経路となる
渦巻状の溝4Aが形成される。このようにして形成され
た溝4Aの両端付近にそれぞれ電極8A,10Aが配置
される。
【0044】他の構成は実施形態1と同様であり、本実
施形態においても実施形態1と同様にバラスト17およ
び口金12と一体化して白熱電球に代えて用いることが
可能である。上述のように、実施形態1、2ではガラス
フリットを用いて容器19を封止しているが、他の周知
のプロセスにより容器19を形成してもよい。たとえ
ば、容器19の製造にはガラス成形技術を用いることが
できる。この技術を適用する場合は、図2に示した円環
壁6、陰極板30、排気管5および図1の導入線7が一
体に成形された第1成形品と、光通過板32となる平板
状の第2成形品とを個別に成形する。その後、第1成形
品における円環壁6の側端面を第2成形品に円環壁6に
対応して形成された凹部に圧入し、両成形品の周部を封
止すればよい。
【0045】(実施形態3)本実施形態を図7に示す。
この実施形態は1本の管(細長部材)34を図7(a)
(b)に示すように、一平面内で渦巻状に形成し、渦巻
の両端付近に電極8B,10Bを設けたものであって、
管34は図7(c)(d)(e)に示すように、断面が
長方形、正方形、円形のいずれかの形状から選択され
る。ここに、電極8B,10Bの位置はランプ特性を最
適化したり特定の特性を得たりするために他の位置に配
置してもよい。
【0046】上述した各実施形態において、容器19の
外側寸法を変更することなく、放電経路の巻き数を変更
することが可能であり、容器19の厚み寸法も変更可能
である。容器19の厚み寸法が小さくなれば、一定のラ
ンプ電流のもとで供給電力が増加することになり、光出
力が増加することになる。つまり、内周側と外周側との
管壁が密着する形に形成するのが望ましい。また、正面
形状についても実施形態1のような円形のものや実施形
態2のように正方形状のもののほか、どのような形状を
採用してもよい。さらに、渦巻を形成している平面に沿
った一面側には実施形態1、2のように管壁と蛍光物質
との間に反射層21を形成し、他面側から光を取り出す
ようにするのが望ましい。
【0047】
【発明の効果】請求項1の発明は、気体が封入された平
型の気密な容器を備え、容器の厚み方向の一面は蛍光物
質から放出される光に対して透光性を有するとともに少
なくとも他面は非透光性を有し、しかも、容器の厚み方
向の両内側面の間に配設され両内側面に気密的に結合さ
れた壁体を形成し容器の内部空間に非直線状の1つの放
電経路を形成する壁部材が設けられるから、壁部材によ
って、容器の内部空間に比較的長い放電経路を形成する
ことができるとともに、容器の厚み方向に外側から作用
する力に対して容器を補強することができるという利点
がある。とくに、壁部材によって容器の内部空間に比較
的長い放電経路を形成することにより、現在商品化され
ている既存の蛍光ランプと同程度の特性を有するもので
あればより小型に形成することが可能になるという効果
を奏する。さらに、容器の一面は透光性を有するが、少
なくとも他面は非透光性を有するから、容器自身による
配光制御が可能であって、所望の配光を得るための器具
本体の構成は比較的簡単になる。また、小型化のために
管を折り曲げている従来の蛍光ランプでは、隣接する一
対の管壁の各片面にしか蛍光物質が被着できなかったの
に対して、壁部材では容器の内部であれば両面に蛍光物
質を被着することができるから、蛍光物質の両に対する
材料の割合を低減することができ、結果的に同程度の特
性であれば従来構成よりも材料コストを低減することが
できる。
【0048】請求項2の発明のように、容器を厚み方向
の両壁を形成する一対の板部材と、両板部材の周部間に
介在して両板部材の周部間を全周に亙って連結する側壁
部材とで形成すれば、ガラス管を折曲する作業を伴うこ
となく比較的長い放電経路を有する蛍光ランプを製造す
ることが可能になるという利点がある。請求項3の発明
では、壁部材が、容器の厚み方向に直交する面内で1本
の放電経路を形成するように互いに連通した矩形状の複
数個の区画を形成し、上記区画は放電経路の長手方向に
直交する断面形状が矩形状に形成されるから、容器の厚
み方向に直交する面内で上記区間の幅寸法を変更すれ
ば、同じ容器を用いながら区画を形成する位置や区画の
個数を変えることができ、結果的に放電経路の長さを変
えることができる。すなわち、同寸法を容器を用いなが
らも仕様の異なる蛍光ランプを提供することが可能にな
る。
【0049】壁部材は、請求項6の発明のように、容器
の厚み方向に直交する面内で1本の放電経路を形成する
ように互いに連通した円形状の複数個の区画を形成して
もよい。この場合、放電経路が滑らかに連続するからア
ークを継続的に生成するのが容易になる。請求項7の発
明のように、蛍光物質の一面に蛍光物質の他面側に向け
て光を反射する反射層を部分的に設けたものでは、光出
力を所望方向に配光することができるという利点があ
る。
【0050】請求項8の発明では、細長部材を一つの平
面内で渦巻状に曲成して形成され気体が封入された気密
な容器を有し、容器の壁は渦巻を含む上記平面に沿った
一面側が蛍光物質から放出される光に対して透光性を有
するとともに他面が非透光性を有するから、従来より提
供されている円環状の蛍光ランプに比較すると放電経路
の長さが同等であれば、直径をより小さくすることがで
きるという利点がある。しかも、容器は渦巻を含む平面
に沿った一面側が透光性であり、他面側が非透光性であ
るから配光制御のための部材を器具本体にほとんど設け
る必要がないという利点を有する。
【0051】請求項12の発明では、請求項8の発明に
おいて、蛍光物質の一面には蛍光物質の他面側に向けて
光を反射する反射層が部分的に設けられているから、光
出力を所望方向に効率よく取り出すことができ、高効率
の蛍光ランプを提供することができる。逆に言えば、高
効率であることは従来の蛍光ランプと同程度の光出力を
得るものとすれば、蛍光物質の劣化が少なくなり長寿命
の蛍光ランプを提供することができる。
【0052】請求項13の発明では、容器のうち非透光
性を有する一面側にバラストと白熱電球と同形状の口金
とを備え、在来の白熱電球に置き換えて用いることを可
能にしている。請求項14の発明は、本発明の蛍光ラン
プの望ましい製造方法であって、互いに直径が異り中心
線方向の寸法が一致する複数個の環状体のうち直径が最
大の環状体を除いて各環状体の周方向の1箇所を開放す
る切欠部を形成する過程と、すべての環状体の内側面に
反射層を被着するとともに直径が最大の環状体を除いて
各環状体の外側面に反射層を被着する過程と、直径が最
大の環状体の外周縁と一致する形状の板体であって透光
性を有する第1のガラス板の一面に各環状体を中心を一
致させた形で気密的に結合する過程と、隣接する環状体
間に形成される溝が1本に連続するように、環状体の中
心線方向における寸法が環状体と等しい隔壁を隣接する
各環状体間の要所に配置する過程と、隣接する環状体間
に形成される溝の内周面に蛍光物質を被着する過程と、
直径が最大の環状体の外周縁と一致する形状の板体であ
る第2のガラス板に電極挿通用の2組の挿通孔および挿
通孔から離れた排気孔を形成する過程と、第2のガラス
板の一面側に反射層を被着する過程と、第2のガラス板
の上記一面側に配設される電極に接続された各2本の導
入線をそれぞれ挿通孔に気密的に挿通する過程と、第2
のガラス板に反射層を介して蛍光物質を被着する過程
と、環状体における第1のガラス板とは反対側の端面に
第2のガラス板を気密的に結合するとともに排気管を排
気孔に気密的に接合する過程と、排気孔を通して内部空
間の排気を行なう過程と、排気孔を通して内部空間に気
体を封入する過程と、排気孔を封止する過程とを備える
から、小型化のために現状の蛍光ランプで行なわれてい
るようなガラス管の曲成作業を必要とせず、部材間を気
密的に結合する作業を中心として小型の蛍光ランプを製
造することが可能になるという利点がある。すなわち、
ガラス管の曲げ作業を必要としないから、寸法管理が容
易になることによって動作特性が安定し、しかもバッチ
工程ではなく連続工程での製造が可能となって、生産性
が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す一部省略した斜視図
である。
【図2】本発明の実施形態1の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1を用いた白熱電球と置換可
能な蛍光ランプを示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態1における要部の断面図であ
る。
【図5】本発明の実施形態1における要部の断面図であ
る。
【図6】本発明の実施形態2を示す一部省略した斜視図
である。
【図7】本発明の実施形態3を示し、(a)は平面図、
(b)は側面図、(c)〜(e)は各種形態の断面図で
ある。
【符号の説明】
2 蛍光ランプ 4 溝 5 排気管 5a 排気孔 6 円環壁 6A 外側壁 6B 内側壁 7 導入線 7a 挿通孔 8 電極 8A 電極 8B 電極 9 切欠部 10 電極 10A 電極 10B 電極 11 水銀ゲッタ 12 口金 13 隔壁 17 バラスト 19 容器 21 反射層 23 蛍光物質 30 陰極板 32 光通過板

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体が封入された平型の気密な容器と、
    容器の厚み方向の両内側面の間に配設され両内側面に気
    密的に結合された壁体を形成し容器の内部空間に非直線
    状の1つの放電経路を形成する壁部材と、容器の内側面
    の要所および壁部材の表面に被着された蛍光物質と、容
    器内に上記放電経路に沿ったアークを発生させかつ持続
    させるように配設された2個の電極とを備え、容器の厚
    み方向の一方の壁は蛍光物質から放出される光に対して
    透光性を有するとともに少なくとも他方の壁は非透光性
    を有することを特徴とする平型蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 上記容器は厚み方向の両壁を形成する一
    対の板部材と、両板部材の周部間に介在して両板部材の
    周部間を全周に亙って連結する側壁部材とから成ること
    を特徴とする請求項1記載の平型蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 壁部材は容器の厚み方向に直交する面内
    で1本の放電経路を形成するように互いに連通する矩形
    状の複数個の区画を形成し、上記区画は放電経路の長手
    方向に直交する断面形状が矩形状であることを特徴とす
    る請求項1記載の平型蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 放電経路の幅寸法と、壁部材の厚み寸法
    と、容器の厚み方向の上記他方の壁の内側面の面積と、
    容器の内部空間の厚み寸法とは、容器の1立方インチ当
    たりの光出力が70ルーメン以上かつ280ルーメン以
    下になるように設定されることを特徴とする請求項3記
    載の平型蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 容器における上記一方の壁に蛍光物質が
    被着されていないことを特徴とする請求項1記載の平型
    蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 壁部材は容器の厚み方向に直交する面内
    で1本の放電経路を形成するように互いに連通する円形
    状の複数個の区画を形成することを特徴とする請求項1
    記載の平型蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 蛍光物質の一面には蛍光物質の他面側に
    向けて光を反射する反射層が部分的に設けられて成るこ
    とを特徴とする請求項1記載の平型蛍光ランプ。
  8. 【請求項8】 細長部材を一つの平面内で渦巻状に曲成
    して形成され気体が封入された気密な容器と、容器の内
    側面の要所に被着された蛍光物質と、細長部材の両端間
    において容器内に形成された放電経路に沿ったアークを
    発生させかつ持続させるように配設された2個の電極と
    を備え、容器の壁は渦巻を含む上記平面に沿った一面側
    が蛍光物質から放出される光に対して透光性を有すると
    ともに他面側が非透光性を有することを特徴とする平型
    蛍光ランプ。
  9. 【請求項9】 渦巻の内周側の外側面と外周側の内側面
    とが密着するように細長部材が曲成されていることを特
    徴とする請求項8記載の平型蛍光ランプ。
  10. 【請求項10】 容器は細長部材の長手方向に直交する
    断面が円形状であることを特徴とする請求項8記載の平
    型蛍光ランプ。
  11. 【請求項11】 容器は細長部材の長手方向に直交する
    断面が多角形状であることを特徴とする請求項8記載の
    平型蛍光ランプ。
  12. 【請求項12】 蛍光物質の一面には蛍光物質の他面側
    に向けて光を反射する反射層が部分的に設けられて成る
    ことを特徴とする請求項8記載の平型蛍光ランプ。
  13. 【請求項13】 容器のうち非透光性を有する一面側に
    バラストと白熱電球と同形状の口金とを備えることを特
    徴とする請求項1または請求項8記載の平型蛍光ラン
    プ。
  14. 【請求項14】 互いに直径が異り中心線方向の寸法が
    一致する複数個の環状体のうち直径が最大の環状体を除
    いて各環状体の周方向の1箇所を開放する切欠部を形成
    する過程と、すべての環状体の内側面に反射層を被着す
    るとともに直径が最大の環状体を除いて各環状体の外側
    面に反射層を被着する過程と、直径が最大の環状体の外
    周縁と一致する形状の板体であって透光性を有する第1
    のガラス板の一面に各環状体を中心を一致させた形で気
    密的に結合する過程と、隣接する環状体間に形成される
    溝が1本に連続するように、環状体の中心線方向におけ
    る寸法が環状体と等しい隔壁を隣接する各環状体間の要
    所に配置する過程と、隣接する環状体間に形成される溝
    の内周面に蛍光物質を被着する過程と、直径が最大の環
    状体の外周縁と一致する形状の板体である第2のガラス
    板に電極挿通用の2組の挿通孔および挿通孔から離れた
    排気孔を形成する過程と、第2のガラス板の一面側に反
    射層を被着する過程と、第2のガラス板の上記一面側に
    配設される電極に接続された各2本の導入線をそれぞれ
    挿通孔に気密的に挿通する過程と、第2のガラス板に反
    射層を介して蛍光物質を被着する過程と、環状体におけ
    る第1のガラス板とは反対側の端面に第2のガラス板を
    気密的に結合するとともに排気管を排気孔に気密的に接
    合する過程と、排気孔を通して内部空間の排気を行なう
    過程と、排気孔を通して内部空間に気体を封入する過程
    と、排気孔を封止する過程とを備えることを特徴とする
    蛍光ランプの製造方法。
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