JPH0817158A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャッタ開放溝とローディンググリップの二
つの機能を兼用させ、カートリッジ表面の機能上必要な
凹凸を最小限となすと共に、シャッタを開放する大きな
開放力を得ることができるように、且つ記録再生装置へ
の挿入を容易なものとする。 【構成】 上下一対のハーフ２，３からなるカートリッ
ジ本体４内に、記録ディスク１を回転自在に収納してな
るディスクカートリッジにおいて、下ハーフ３の主面に
シャッタ開放用及びローディンググリップとして機能す
る幅広の溝１６を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば光ディスクや光
磁気ディスク等の如きディスク状記録媒体がカートリッ
ジ本体内に回転自在に収納されてなるディスクカートリ
ッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ディスクや光磁気ディスク等の
如き所望の情報信号が記録される情報信号記録用の記録
ディスクが提案されている。これら記録ディスクは、通
常、媒体への塵埃付着防止や取扱いを良好なものとなす
ために、上ハーフと下ハーフを突き合わせることにより
形成されるカートリッジ本体内に回転自在に収納される
ようになされている。

【０００３】そして、このカートリッジ本体には、光学
ピックアップ装置や磁気ヘッドが臨む記録再生用の矩形
状をなす開口部が形成されている。かかる開口部は、例
えば板金等によって形成されるシャッタによって開閉自
在となされ、記録再生時以外は閉塞された状態とされて
いる。

【０００４】上記シャッタを開放するには、記録再生装
置に設けられるシャッタ開放部材によって行われる。こ
のシャッタ開放部材は、通常、板金等の薄い部材で開放
機構を構成し、カートリッジ本体の側壁面に設けられた
溝内に臨んで、当該カートリッジ本体のローディング操
作に伴いシャッタ部材を移動させるようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
にして構成した場合には、開放力の比較的小さい小径の
ディスクでは、開放機構が薄い部材で構成できるが、大
径のディスクのようにシャッタが大きくなると開放力も
大きくなり、開放部材も厚くする必要がある。このた
め、どうしてもカートリッジを厚くする必要が生じる。

【０００６】一方、カートリッジの厚みを抑えようとす
ると、限られた厚みの中で開放用の溝を狭くする必要が
生じる。そのため、記録再生装置の開放部材の精度が厳
しくなる。このように、開放部材と溝との寸法精度が厳
しくなると、カートリッジをカートリッジ挿入口に挿入
する場合、遊びが少なくなり、操作が困難となる。

【０００７】そこで本発明は、上述の従来の有する技術
的な課題を解消するために、カートリッジの厚みを厚く
することなくシャッタの大きな開放力及びカートリッジ
の挿入操作を容易ならしめると共に、当該カートリッジ
の誤挿入防止とローディンググリップを兼用できるディ
スクカートリッジを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上ハーフと下
ハーフとからなるカートリッジ本体と、このカートリッ
ジ本体内に回転自在に収納されるディスク状記録媒体
と、少なくともカートリッジ本体のいずれか一方の主面
に形成される記録及び／又は再生用の開口部と、上記カ
ートリッジ本体の一側壁に沿って上記開口部を閉塞する
位置と開放する位置に亘って移動可能に取付けられたシ
ャッタと、上記開口部が形成されるカートリッジ本体の
主面に形成され、シャッタの移動方向と平行で、且つ、
該シャッタが移動する一側壁によって連結される一対の
側壁間に亘って形成された溝とを備えることにより、上
述の課題を解決する。

【０００９】上記溝は、両端が開放されていてもよく、
或いはいずれか一方が開放されていてもよい。また、こ
の溝は、シャッタが移動する一側壁よりもカートリッジ
本体の中心に向かって内側に形成されるか、カートリッ
ジ本体の中心よりも偏倚した位置に設けられていてもよ
い。

【００１０】

【作用】本発明においては、カートリッジ本体の主面に
形成されると共に、シャッタの移動方向と平行で、しか
もカートリッジ本体の一側壁によって連結される一対の
側壁間に亘って溝が形成されているので、この溝をシャ
ッタ開放用の溝として用いた場合、カートリッジ本体の
側壁に溝を設けるものと異なり、カートリッジ本体を厚
くすることなく、溝幅が広くとれる。したがって、この
溝に臨むシャッタ開放部材による大きな開放力が得られ
ると共に、カートリッジの挿入操作が容易になる。ま
た、シャッタ開放部材の精度も比較的緩くてもよくな
り、その分、記録再生装置の構成上の制約が少なくな
る。

【００１１】また、上記溝と平行な方向にカートリッジ
を挿入する場合には、正規の方向と異なる向きとしてデ
ィスクカートリッジ挿入口に挿入すると、記録再生装置
に設けられるシャッタ開放部材がカートリッジにぶつか
って、当該ディスクカートリッジの挿入が防止される。
つまり、上記カートリッジ本体の主面に形成した溝が、
誤挿入防止溝として機能することになる。

【００１２】また、この溝は、ディスカートリッジを記
録再生装置に挿入するに際してのローディンググリップ
として使用可能となる。すなわち、この溝部が、ディス
クカートリッジを自動的に引き込む際の引き込み部分と
なる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例のデ
ィスクカートリッジは、図１ないし図４に示すように、
ディスク状記録媒体である記録ディスク１と、この記録
ディスク１を回転自在に収納する上ハーフ２と下ハーフ
３からなるカートリッジ本体４とを有して構成されてい
る。

【００１４】記録ディスク１には、例えば光ディスクや
光磁気ディスク或いは磁気ディスク等の如きディスクが
いずれも用いられる。かかる記録ディスク１は、その中
心部に金属材料からなるチャッキングハブ５を有し、デ
ィスク回転駆動機構であるスピンドルによりチャッキン
グハブ５が磁気吸着されて、カートリッジ本体４内で回
転自在とされている。

【００１５】チャッキングハブ５は、例えば図６に示す
ように、板金加工等されることによって円盤状として形
成され、その上端側の外周縁部に円環状をなすつば部６
を有している。このつば部６は、上ハーフ２の内壁面に
カートリッジ本体４内に突出して形成される円筒状をな
すリブ７を有し、そのリブ７の外周縁部に設けられた係
止片８により支えられるようになっている。記録再生さ
れないときは、つば部６は上記係止片８により支えら
れ、記録再生時にはスピンドルにより記録ディスク１が
持ち上げられて、これらの係合が解除され非接触状態と
される。

【００１６】なお、記録ディスク１の中央部には、上記
スピンドルの中心に設けられたセンタリングピン（図示
は省略する。）が挿通係合するセンター孔９が穿設され
ている。このセンター孔９は、小さな円形の孔として記
録ディスク１の厚み方向に貫通して設けられている。

【００１７】一方、カートリッジ本体４は、記録ディス
ク１を回転自在に収納するに足る大きさとなされた矩形
状をなす上下一対の上ハーフ２と下ハーフ３とから構成
され、これらが突合わされることにより薄い筐体として
形成されている。上ハーフ２の主面には、ラベル等を印
刷或いは貼付するためのレーベル面１０が設けられてい
る。

【００１８】これに対して下ハーフ３の主面には、記録
再生装置に内蔵された光学ピックアップと対向する開口
部１１と、ディスク回転駆動手段が挿入されるスピンド
ル挿入用孔１２が設けられている。上記開口部１１は、
カートリッジ本体４の一側壁４ａと略直交する方向に、
この一側壁４ａ近傍部よりスピンドル挿入用孔１２の近
傍部に亘って平面略矩形状をなす切欠きとして設けられ
ている。この開口部１１には、カートリッジ本体４に収
納された記録ディスク１の記録領域が、その外周より内
周に亘って外方に臨むようになされている。

【００１９】上記スピンドル挿入用孔１２は、図示しな
い円盤状をなすスピンドルが挿入されるに足る大きさの
円形状をなす孔として形成されている。このスピンドル
挿入用孔１２には、記録ディスク１に取付けられたチャ
ッキングハブ５を磁気吸着し、当該記録ディスク１を回
転操作するスピンドルが臨むようになっている。

【００２０】また、下ハーフ３には、記録再生装置に対
するディスクカートリッジの装着位置を規制する一対の
位置決め孔１３，１４が設けられている。これら位置決
め孔１３，１４は、一方が楕円形とされ、他方が円形と
された貫通孔として形成されている。そして、その位置
決め孔１３，１４には、記録再生装置に設けられたそれ
ぞれの位置決めピンが係合するようになっている。これ
ら位置決めピンが係合することで、上記ディスクカート
リッジが記録再生装置の所定位置に装着される。

【００２１】そして、このように構成された上ハーフ２
と下ハーフ３よりなるカートリッジ本体４には、上記開
口部１１を開閉自在となすシャッタ１５が設けられてい
る。かかるシャッタ１５は、例えばプラスチック等の樹
脂材料を射出成形する等して一体的に形成されてなるも
ので、上記開口部１１を閉塞するに足る大きさの方形体
として形成されている。そして、このシャッタ１５は、
カートリッジ本体４の一側壁４ａに沿って図１中矢印Ａ
で示す方向に移動可能に取付けられている。

【００２２】すなわち、シャッタ１５は、図１に示す開
口部１１を閉塞する位置と、図５に示す記録ディスク１
を外方に臨ませる開口部１１を開放する位置とに亘って
移動するようになされている。かかるシャッタ１５を移
動させるのは、ディスクカートリッジを記録再生装置に
ローディング操作した際に、該シャッタ１５と接触して
このシャッタ１５をローディングと共に開口部１１を開
放させる方向に移動させる図示しないシャッタ開放部材
によって行われる。

【００２３】上記シャッタ開放部材が設けられる位置に
は、溝深さが比較的浅い帯状の溝１６が形成されてい
る。この溝１６は、下ハーフ３の主面であって、カート
リッジ本体４の一側壁４ａよりも若干カートリッジ本体
４の中心に向かって内側に形成されている。また、この
溝１６は、シャッタ１５が移動する一側壁４ａによって
連結される一対の側壁４ｂ，４ｃ間に亘って形成され、
それぞれの両端部１６ａ，１６ｂが開放されている。

【００２４】このように下ハーフ３の主面に溝１６を形
成することで、カートリッジ本体４の一側壁４ａに溝を
形成するものに比べて溝幅を広く確保でき、その分大き
なシャッタ開放部材を使用でき、大径のディスクのよう
に大きなシャッタを必要とするものに対しても大きな開
放力を得ることができる。また、溝幅を広くとることが
できることから、シャッタ開放部材の精度も比較的ラフ
なものとなすことができ、ディスクカートリッジの装置
本体内への挿入操作が楽に行える。

【００２５】また、この溝１６には、上記シャッタ１５
が記録再生時以外のときに不用意に開かないようにする
ためのシャッタロック部材１７が設けられている。かか
るシャッタロック部材１７は、その先端部にロック爪１
８を備え、該ロック爪１８をシャッタ１５に係合させる
ことで、当該シャッタ１５を移動不可能にロックしてい
る。

【００２６】例えば、ディスクカートリッジを図１中矢
印Ｂで示す方向に記録再生装置に対して挿入すると、該
記録再生装置に設けられたシャッタ開放部材が溝１６の
一方端１６ａより臨む。そして、このディスクカートリ
ッジをさらに挿入すると、シャッタ開放部材がシャッタ
ロック部材１７をカートリッジ本体４内に押し込み、シ
ャッタ１５のロック状態を解除する。そして、今度はシ
ャッタ開放部材がシャッタ１５と接触し、このシャッタ
１５を移動させ、最終的に開口部１１を開放させる位置
にシャッタ１５を移動させる。その結果、開口部１１に
記録ディスク１の一部が露出することになる。

【００２７】また、上記正規の向きとは異なる向き、例
えば左右反対向きや表裏反対向きとして記録再生装置に
挿入した場合には、シャッタ開放部材にディスクカート
リッジがぶつかることになり、当該ディスクカートリッ
ジの装置本体内への挿入が防止される。つまり、下ハー
フ３に設けられた溝１６が誤挿入防止用の溝としても機
能することになる。

【００２８】これに対して、図１中矢印Ｃで示すシャッ
タ１５を奥としてディスクカートリッジを記録再生装置
に挿入した場合、かかる溝１６がローディングに際して
のグリップ部として機能する。なお、この場合、シャッ
タ１５を開放するには、シャッタ開放ピンを設けたシャ
ッタ開放アーム等によってシャッタ１５を開放する必要
がある。このように、単に溝１６をローディンググリッ
プとして使用するならば、当該溝１６の両端部が開放さ
れている必要はなく、また、その溝１６の位置もカート
リッジ本体４の一側壁４ａからカートリッジ本体４の中
心位置の間にあればよい。

【００２９】なお、上述の実施例では、下ハーフ３にの
み開口部１１を設けた片側シャッタの例について説明し
たが、上ハーフ２と下ハーフ３の両方に開口部１１が設
けられた，いわゆる両面シャッタのディスクカートリッ
ジに適用できることはもちろんであり、その作用効果も
同じである。

【００３０】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るディスクカートリッジにおいては、カートリッ
ジ本体の側壁面ではなく主面に溝を形成しているので、
この溝をシャッタ開放溝として利用した場合、溝幅を広
くとることができ、大径ディスクを用いた場合の大型シ
ャッタに対しても大きな開放力が得られ、記録再生装置
への挿入操作も容易に行うことができる。また、溝幅を
広くできることにより、シャッタ開放部材の精度も下げ
ることが可能となり、その分記録再生装置の構成上の制
約を少なくすることができる。さらに、この溝に設けら
れるシャッタロック部材を大きく構成でき、そのロック
部材の強度の向上と、構成の制約を少なくすることがで
きる。

【００３１】また、本発明に係るディスクカートリッジ
においては、上記溝と平行な方向にディスクカートリッ
ジを挿入する場合は、この溝が誤挿入防止溝として機能
し、誤った向きでの記録再生装置への挿入を確実に防止
できる。これに対して、上記溝と直交する方向にディス
クカートリッジを挿入する場合は、この溝をローディン
ググリップとして使用することができ、カートリッジ表
面の機能上必要な凹凸を最小限にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】開口部がシャッタにより閉塞された状態を示す
ディスクカートリッジの底面図である。

【図２】開口部がシャッタにより閉塞された状態を示す
ディスクカートリッジの平面図である。

【図３】開口部がシャッタにより閉塞された状態を示す
ディスクカートリッジの上面図である。

【図４】開口部がシャッタにより閉塞された状態を示す
ディスクカートリッジの右側面図である。

【図５】開口部がシャッタにより開放された状態を示す
ディスクカートリッジの底面図である。

【図６】ディスクカートリッジの要部拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１・・・記録ディスク ２・・・上ハーフ ３・・・下ハーフ ４・・・カートリッジ本体 ５・・・チャッキングハブ １１・・・開口部 １２・・・スピンドル挿入用孔 １３，１４・・・位置決め孔 １５・・・シャッタ １６・・・溝 １７・・・シャッタロック部材

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上ハーフと下ハーフとからなるカートリ
   ッジ本体と、 このカートリッジ本体内に回転自在に収納されるディス
   ク状記録媒体と、 少なくともカートリッジ本体のいずれか一方の主面に形
   成される記録及び／又は再生用の開口部と、 上記カートリッジ本体の一側壁に沿って上記開口部を閉
   塞する位置と開放する位置に亘って移動可能に取付けら
   れたシャッタと、 上記開口部が形成されるカートリッジ本体の主面に形成
   され、シャッタの移動方向と平行で、且つ、該シャッタ
   が移動する一側壁によって連結される一対の側壁間に亘
   って形成された溝とを備えてなるディスクカートリッ
   ジ。
2. 【請求項２】 上記溝は、少なくともいずれか一方の端
   部が開放されていることを特徴とする請求項１記載のデ
   ィスカートリッジ。
3. 【請求項３】 上記溝は、両端部がいずれも開放されて
   いることを特徴とする請求項１記載のディスクカートリ
   ッジ。
4. 【請求項４】 上記溝は、シャッタが移動する一側壁よ
   りもカートリッジ本体の中心に向かって内側に形成され
   ていることを特徴とする請求項１記載のディスクカート
   リッジ。
5. 【請求項５】 上記溝は、カートリッジ本体の中心より
   も偏倚した位置に設けられていることを特徴とする請求
   項１記載のディスクカートリッジ。