JPH0817163A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カートリッジ位置決め孔の基準位置を明確な
ものとして金型の仕上げ加工の区別等を容易なものとな
し、また、位置決めピンの外形寸法の公差を許容できる
ディスクカートリッジを提供する。 【構成】 上下一対のハーフ２，３からなるカートリッ
ジ本体４内に、記録ディスク１を回転自在に収納してな
るディスクカートリッジにおいて、カートリッジ本体４
に設けたカートリッジ位置決め孔１４，１５の外周囲に
円環状の溝１７，１８を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば光ディスクや光
磁気ディスク等の如きディスク状記録媒体がカートリッ
ジ本体内に回転自在に収納されてなるディスクカートリ
ッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、光ディスクや光磁気ディスク等の
如き所望の情報信号が記録される情報信号記録用の記録
ディスクが提案されている。これら記録ディスクは、通
常、媒体への塵埃付着防止や取扱い性等を考慮して、カ
ートリッジに収納されたディスクカートリッジとして取
り扱われている。

【０００３】かかるディスクカートリッジとしては、例
えば、上ハーフと下ハーフを突き合わせることにより形
成されるカートリッジ本体を有し、そのカートリッジ本
体内に、記録ディスクを回転自在に収納して構成されて
いる。

【０００４】このカートリッジ本体には、光学ピックア
ップ装置や磁気ヘッドが臨む記録再生用の矩形状をなす
開口部が形成されている。かかる開口部は、例えばカー
トリッジ挿入方向に対して垂直な方向に形成され、板金
等によって形成されるシャッタによって開閉自在となさ
れ、記録再生時以外は閉塞された状態とされている。な
お、シャッタの開放は、記録再生装置に設けられるシャ
ッタ開放部材によって行われる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ディス
クカートリッジは、記録再生に大きな影響を及ぼす記録
ディスクと光学ピックアップ装置や磁気ヘッド等との対
向距離、或いはこれらの相対的位置関係等により、記録
再生装置に対して所定の位置に装着される必要がある。

【０００６】このため、ディスクカートリッジには、記
録再生装置に設けられた一対の位置決めピンと係合する
カートリッジ位置決め孔が設けられている。このカート
リッジ位置決め孔に位置決めピンが係合することで、デ
ィスクカートリッジの前後左右方向の位置及び記録再生
装置に対するディスクカートリッジの高さ位置が規制さ
れる。

【０００７】ところが、高さ位置基準については規格上
その領域が規定されているだけで、実際のカートリッジ
にはその領域を示す構造上の差異はない。したがって、
位置決め部を含む表面の仕上げ処理（例えば、梨地処
理）を限定することになり、ユーザが掴む部分に滑り止
め用のロレット仕上げ等の対応を施し難くなる。

【０００８】また、記録再生装置側に設けられる位置決
めピンの外形寸法のばらつきによっては、カートリッジ
が固定される高さにも影響が生ずる。例えば、加工精度
のばらつきにより直径が大きいものと小さいものとで
は、高さ位置決めピンとディスクカートリッジの接触面
積の違いから、ディスクカートリッジの記録再生装置に
対する高さが異なってしまう。

【０００９】そこで本発明は、上述の従来の有する技術
的な課題を解消するために、位置決め孔の基準位置を明
確なものとして金型の仕上げ加工の区別等を容易なもの
となし、また、位置決めピンの外形寸法の公差を許容で
きるディスクカートリッジを提供することを目的とす
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】発明に係るディスクカー
トリッジにおいては、上ハーフと下ハーフとからなるカ
ートリッジ本体と、このカートリッジ本体内に回転自在
に収納されるディスク状記録媒体と、上記カートリッジ
本体の記録再生装置への装着面となる面に設けられたカ
ートリッジ位置決め孔とを備え、上記カートリッジ位置
決め孔の外周囲に円環状の溝を形成することにより、上
述の課題を解決する。

【００１１】

【作用】本発明に係るディスクカートリッジにおいて
は、カートリッジ本体の記録再生装置への装着面となる
面に設けられたカートリッジ位置決め孔の外周囲に、円
環状の溝を形成しているので、高さ基準位置が明確とな
り、そのカートリッジ位置決め孔と円環状をなす溝との
間の領域のみの金型を高精度に仕上げればよく、ディス
クカートリッジの仕上げ加工精度の区別が容易になる。

【００１２】また、カートリッジ位置決め孔の外周囲に
円環状の溝を形成しているので、記録再生装置に設けら
れる位置決めピンの外形寸法にばらつきがあっても、そ
の円環状をなす溝により位置決めピンの外形寸法のばら
つきが吸収され、ディスクカートリッジの高さ位置が高
精度なものとなる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１４】実施例１ この実施例は、シャッタをカートリッジの略対角線上に
斜めに配したディスクカートリッジの例である。

【００１５】かかるディスクカートリッジは、主として
図１ないし図４に示すように、ディスク状記録媒体であ
る記録ディスク１と、この記録ディスク１を回転自在に
収納する上ハーフ２と下ハーフ３からなるカートリッジ
本体４とを有して構成されている。

【００１６】記録ディスク１には、例えば光ディスクや
光磁気ディスク或いは磁気ディスク等の如きディスクが
いずれも用いられる。かかる記録ディスク１は、図７に
示すように、その中心部に金属材料からなるチャッキン
グハブ５を有し、ディスク回転駆動機構であるスピンド
ルによりチャッキングハブ５が磁気吸着されて、カート
リッジ本体４内で回転自在とされている。

【００１７】チャッキングハブ５は、例えば板金加工等
されることによって円盤状として形成され、その上端側
の外周縁部に円環状をなすつば部６を有している。この
つば部６は、上ハーフ２の内壁面にカートリッジ本体４
内に突出して形成される円筒状をなすリブ７を有し、そ
のリブ７の外周縁部に設けられた係止片８により支えら
れるようになっている。記録再生されないときは、つば
部６は上記係止片８により支えられ、記録再生時にはス
ピンドルにより記録ディスク１が持ち上げられて、これ
らの係合が解除され非接触状態とされる。

【００１８】なお、記録ディスク１の中央部には、上記
スピンドルの中心に設けられたセンタリングピン（図示
は省略する。）が挿通係合するセンター孔９が穿設され
ている。このセンター孔９は、小さな円形の孔として記
録ディスク１の厚み方向に貫通して設けられている。

【００１９】一方、カートリッジ本体４は、記録ディス
ク１を回転自在に収納するに足る大きさとなされた矩形
状をなす上下一対の上ハーフ２と下ハーフ３とから構成
され、これらが突合わされることにより薄い筐体として
形成されている。上ハーフ２の主面には、図１に示すよ
うに、ラベル等を印刷或いは貼付するためのレーベル面
１０が設けられている。

【００２０】これに対して下ハーフ３の主面には、図２
に示すように、記録再生装置に内蔵されたディスク回転
駆動手段と光学ピックアップ装置とが臨む開口部１１が
設けられている。かかる開口部１１は、少なくともディ
スク回転駆動手段と光学ピックアップ装置を臨ませるに
足る大きさの開口として形成され、記録ディスク１の中
心部より図１中矢印Ｙで示すカートリッジ挿入方向に対
して傾斜して設けられている。すなわち、この開口部１
１は、図１に示すように、記録ディスク１の中心Ｏを通
り、且つシャッタ１３の移動方向（同図中矢印Ａで示す
方向）と垂直な直線Ｂに対して４５度よりも小さい角度
θで傾斜されている。

【００２１】開口部１１の傾斜角度θを４５度よりも小
さい角度とするのは、最大の開放窓スペースを確保しな
がらディスクカートリッジの小型化を図るためである。
本来なら傾斜角度θを４５度とすることが最も望ましい
が、シャッタ１２の大きさや移動量、或いは光学ピック
アップ装置の大きさ等を考慮すると、４５度未満が望ま
しい。

【００２２】このように開口部１１を傾斜させると、図
２３に示すカートリッジ挿入方向と直交する方向に開口
部を形成した同一外形とされるディスクカートリッジと
比べると、その傾斜角度θ分だけ開口部１１を大きくと
ることができる。逆の見かたをすると、開口部１１の寸
法を同一とした場合には、角度θ分だけカートリッジ自
体の大きさを小さなものとすることができる。

【００２３】その場合でも、図５に示すように、記録デ
ィスク１における記録再生領域の最内周位置Ｘ₁ と最外
周位置Ｘ₂ とに亘って光学ピックアップ装置１３が移動
しても、当該光学ピックアップ装置１３がカートリッジ
本体４より飛び出るようなことがない。つまり、ディス
クカートリッジの小型化が図れると同時に、記録再生装
置の小型化も図れることになる。

【００２４】例えば、図２３で示すディスクカートリッ
ジの縦横の外形寸法を前述したようにＷ₁ ＝１３０ｍ
ｍ、Ｗ₂ ＝１３５ｍｍとすると、本実施例のディスクカ
ートリッジでは、その外形寸法Ｗ₁ ＝１３０ｍｍ、Ｗ₂
＝１３０ｍｍとなる。すなわち、開口部１１を傾斜させ
ることにより、カートリッジ挿入方向と直交する方向の
幅Ｗ₂ を５ｍｍも短くすることができることになる。

【００２５】また、下ハーフ３には、図２に示すよう
に、記録再生装置に対するディスクカートリッジの装着
位置を規制する一対のカートリッジ位置決め孔１４，１
５が設けられている。これらカートリッジ位置決め孔１
４，１５は、カートリッジ挿入側である一側壁４ａとは
反対側の他側壁４ｂ寄りに設けられ、一方が長孔とさ
れ、他方が円形とされた貫通孔として形成されている。
一方を長孔とし、他方を円形孔とするのは、これらカー
トリッジ位置決め孔１４，１５の間隔と記録再生装置の
位置決めピンの間隔の誤差や環境温度による両間隔の誤
差を吸収するためである。

【００２６】そして、そのカートリッジ位置決め孔１
４，１５には、図８（ａ）に示す記録再生装置に設けら
れた位置決めピン１６が係合するようになっている。こ
の位置決めピン１６が同図（ｂ）に示すように係合する
ことで、上記ディスクカートリッジの記録再生装置に対
する装着位置が決まる。

【００２７】また、この位置決めピン１６は、記録再生
装置に対するディスクカートリッジの高さ位置を規制す
る役目もする。したがって、上記位置決めピン１６と接
触するカートリッジ部分は、高さ基準面となるのでその
他の部分に比べて極めて平坦な面である必要がある。本
実施例では、その高さ基準面の位置を明確なものとする
と共に、金型の仕上げ加工の区別を容易なものとし、さ
らに位置決めピン１６の外形寸法の公差を許容すべく、
上記カートリッジ位置決め孔１４，１５の外周囲に円環
状の溝１７，１８を形成した。

【００２８】かかる溝１７，１８は、例えば位置決めピ
ン１６の外形寸法が最小寸法公差であるとき（その時の
直径をＤ₁ とする。）と、最大寸法公差であるとき（そ
の時の直径をＤ₂ とする。）のいずれの場合であって
も、位置決めピン１６の外周縁部分が溝部にかかるよう
な位置に形成されている。すなわち、カートリッジ位置
決め孔１４，１５とその周囲に形成される溝１７，１８
との間の円環状をなす高さ基準面にのみ位置決めピン１
６が接触するようになっている。

【００２９】このように、カートリッジ位置決め孔１
４，１５の外周囲に溝１７，１８を設けることによっ
て、その高さ基準面の位置を明確なものとすることがで
きると共に、金型の仕上げ加工の区別を容易なものとな
し得る。その結果、高さ基準面に相当する部分のみの金
型を高精度に作製すればよく、その他の部分は比較的ラ
フなものとすることができる。また、位置決めピン１６
の外形寸法公差を許容した位置に溝１７，１８を設けて
いるので、高さ基準面以外の部分に位置決めピン１６が
接触することがなく、ディスクカートリッジを高精度な
高さに位置決めすることができる。

【００３０】そして、このように構成された上ハーフ２
と下ハーフ３よりなるカートリッジ本体４には、上記開
口部１１を開閉自在となすシャッタ１２が設けられてい
る。かかるシャッタ１２は、例えばプラスチック等の樹
脂材料を射出成形する等して一体的に形成されてなるも
ので、上記斜めに形成された開口部１１を閉塞するに足
る大きさとして形成されている。そして、このシャッタ
１２は、カートリッジ挿入方向と平行な一方のカートリ
ッジ本体４の一側壁４ｃに沿って図２中矢印Ａで示す方
向に移動可能に取付けられている。

【００３１】すなわち、シャッタ１２は、図２に示す開
口部１１を閉塞する位置と、図６に示す記録ディスク１
を外方に臨ませる開口部１１を開放する位置とに亘って
移動するようになされている。シャッタ１２を移動する
に当たっては、下ハーフ３に設けられたシャッタ押さえ
１９によって該シャッタ１２の一端縁部が押さえられ、
当該シャッタ１２の安定した移動が行えるようになされ
ている。

【００３２】そして、上記シャッタ１２が取付けられた
ディスクカートリッジにおいては、記録再生装置への誤
った向きでの挿入を防止するために、カートリッジ挿入
方向と平行な相対向する両側壁４ｃ，４ｄの断面形状が
互いに異なっている。すなわち、シャッタ１２が設けら
れる側の側壁４ｃの断面形状が外方に向かって円弧状を
なす凸状とされ、これと対向する他方の側壁４ｄの断面
形状が略コ字状とされている。

【００３３】これに応じて、図９に示すように、記録再
生装置前面に設けられる前面パネル２０に設けられるデ
ィスクカートリッジ挿入口２１の開口形状を、ディスク
カートリッジの正規の挿入方向における横断面形状と略
同一形状とする。そうすることによって、ディスクカー
トリッジを正規の向きでディスクカートリッジ挿入口２
１へ挿入すると、記録再生装置内に設けられるカートリ
ッジホルダ２２へと保持される。一方、表裏逆向きとし
てディスクカートリッジを挿入しようとすると、ディス
クカートリッジ挿入口２１の開口周縁部にカートリッジ
本体４がぶつかり、それ以上挿入することができず、誤
挿入防止がなされる。

【００３４】なお、カートリッジホルダ２２に同様の形
状を有するディスクカートリッジ挿入口を設けるように
しても同様の効果がある。

【００３５】このように、ディスクカートリッジの外形
形状によって記録再生装置への誤挿入を防止するように
しているので、カートリッジ本体４の側壁に誤挿入防止
用の溝を形成する必要がない。したがって、上下ハーフ
２，３の接合部の設計自由度が増し、金型設計が容易に
行えると共に、かかる溝がカートリッジ収納時に引っ掛
かる等してトラブルが発生するようなことがない。

【００３６】なお、上記の例は片面ディスクの場合であ
るが、両面ディスクの場合は、前面パネル２０のディス
クカートリッジ挿入口２１を長方形状とし、ディスクカ
ートリッジの両側壁部分と対応する位置にスイッチや光
センサー等を設けることにより、表裏の判別を行う。

【００３７】以上のようにして構成されたディスクカー
トリッジでは、シャッタ１２をカートリッジ挿入方向Ｙ
と平行な方向に移動するように設けた例であるが、かか
るシャッタ１２をカートリッジ挿入方向Ｙと直交する方
向に移動するように設けても同様の効果がある。すなわ
ち、図１０ないし図１３に示すように、シャッタ１２を
左側へ９０度回転させ、該シャッタ１２をカートリッジ
挿入方向Ｙに対して直交する方向（図１１中矢印Ａで示
す方向）にスライドするように構成する。その他の構成
は、先のディスクカートリッジと同じである。

【００３８】実施例２ この実施例では、平面略Ｖ字状をなすシャッタを用いた
ディスクカートリッジの例である。このディスクカート
リッジにおいては、先の実施例１のディスクカートリッ
ジと同一構成部分については、その説明は省略し、また
同一の符号を付するものとする。

【００３９】このディスクカートリッジは、図１４ない
し図１７に示すように、上ハーフ２の形状は同じである
が、下ハーフ３に設けられる開口部２３の形状が平面略
Ｖ字状をなす開口として形成されている点で実施例１の
ディスクカートリッジと異なる。この開口部２３は、そ
の略Ｖ字部分をなす先端部分がスピンドルを臨ませる足
る大きさとされると共に、その先端部分から両側に斜め
方向に広がる部分が記録ディスク１の最内周から最外周
へと亘って移動する光学ピックアップ装置１３を臨ませ
るに足る大きさの開口として形成されている。

【００４０】また、このＶ字状をなす開口部２３の両側
に斜め方向に広がる部分が、いずれも実施例１のディス
クカートリッジにおける開口部１１と同じく、図１７に
示すように、記録ディスク１の中心Ｏを通り、且つシャ
ッタ２４の移動方向（同図中矢印Ａで示す）と垂直な直
線Ｂに対して４５度よりも小さい角度θとされている。

【００４１】このＶ字状をなす開口部２３には、図１６
に示すように、例えば一方の開口側に記録用の光学ピッ
クアップ装置２５が臨み、他方の開口側に再生用の光学
ピックアップ装置２６が臨むようになっている。すなわ
ち、このディスクカートリッジでは、記録用光学ピック
アップ装置２５で記録ディスク１に対して記録した後、
直に再生用光学ピックアップ装置２６でその情報信号を
再生することができる。

【００４２】一方、このＶ字状をなす開口部２３を開閉
自在となすシャッタ２４は、当該開口部２３を閉塞する
に足る大きさの平面略Ｖ字状の平板として形成され、カ
ートリッジ挿入方向Ｙと平行な相対向する両側壁４ｃ，
４ｄに沿って移動するようになっている。

【００４３】この実施例のディスクカートリッジを用い
れば、開口部２３の形状を平面略Ｖ字状としているた
め、ディスクカートリッジ自体の小型化及び記録再生装
置の小型化が図れる上、記録用と再生用の２つの光学ピ
ックアップ装置２５，２６を記録再生装置に内蔵でき、
ほぼ同時に記録ディスク１に対して記録と再生を行うこ
とができる。

【００４４】実施例３ この実施例は、直径の異なる記録ディスクを収納する２
種類以上のディスクカートリッジに対して同一の記録再
生装置で記録及び／又は再生可能とした互換性を有する
ディスクカートリッジの例であり、特に斜めに形成した
開口部を２枚のシャッタで開閉自在としたものである。

【００４５】図１８に、直径１２０ｍｍの記録ディスク
２７を収納した第１のディスクカートリッジ２８と、直
径８０ｍｍの記録ディスク２９を収納した第２のディス
クカートリッジ３０を示す。第１のディスクカートリッ
ジ２８に設けられる開口部３１は、実施例１のディスク
カートリッジと同じ条件でカートリッジ本体の略対角線
上に斜めに設けられている。これに対して、第２のディ
スクカートリッジ３０にも第１のディスクカートリッジ
２８の開口部３１と同じ位置に、同一開口幅とされた幅
広の開口部３２が設けられている。

【００４６】第１のディスクカートリッジ２８に対して
外形寸法が小さい第２のディスクカートリッジ３０にお
いて、上記開口部３２を閉塞するに足る大きさの１枚の
シャッタでこの開口部３２を開閉しようとすると、当該
シャッタの移動量が大きくなるからカートリッジ本体よ
りもシャッタが飛び出てしまう。そこで、カートリッジ
本体よりシャッタが飛び出ないようにすると共にシャッ
タの移動量を少なくすべく、シャッタを２枚のシャッタ
３３，３４で構成する。

【００４７】これら第１のシャッタ３３と第２のシャッ
タ３４は、開口部３２を閉塞した状態を図１９及び図２
０に示すように、２枚のシャッタ３３，３４によって開
口部３２を閉塞するに足る大きさとして形成されてい
る。第２のシャッタ３４は、第１のシャッタ３３に対し
て内側，言い換えればカートリッジ側に位置し、その一
部が重なり合った状態とされている。

【００４８】これらシャッタ３３，３４は、いずれも一
端側が下ハーフ３５に設けられたシャッタ押さえ３６に
よって押さえられると共に、カートリッジ側壁側へ折り
曲げられた他端側のシャッタスライド部３７，３８が下
ハーフ３５に設けられるそれぞれの摺動部３９，４０に
沿って移動自在とされることで、開口部３２を閉塞する
位置と開放する位置とに亘って移動自在とされている。
なお、シャッタ３３，３４は、下ハーフ３５のみに設け
られ、上ハーフ４７には設けられていない，いわゆる片
面シャッタとされている。

【００４９】上記第１のシャッタ３３のシャッタスライ
ド部３７は、下ハーフ３５の側壁に設けられた図２１及
び図２２に示す摺動部３９に沿って移動する。一方、第
２のシャッタ３４のシャッタスライド部３８は、上記第
１のシャッタ３３が移動する摺動部３９に対して一段下
がった位置に設けられる下ハーフ３５の摺動部４０に沿
って移動する。

【００５０】開口部３２をこれらシャッタ３３，３４で
閉塞した状態では、第１のシャッタ３３及び第２のシャ
ッタ３４共に移動不可能とされている。すなわち、第１
のシャッタ３３は、シャッタスライド部３７に矩形状の
開口として形成されたシャッタロック用孔４１を有し、
そのシャッタロック用孔４１に下ハーフ３５に設けられ
たシャッタロック部材４２のシャッタロック爪４３が係
合することで、上記開口部３２を閉塞する方向と開放す
る方向のいずれの方向にも移動できないようになされて
いる。

【００５１】一方、第２のシャッタ３４は、このシャッ
タスライド部３８にやはり矩形状の開口として形成され
たシャッタロック用孔４４を有し、そのシャッタロック
用孔４４内に第１のシャッタ３３のシャッタスライド部
３７に設けられたシャッタロック爪４５が入り込んで、
上記開口部３２を開放する方向への移動が不可能とされ
ている。開口部３２を閉塞する方向に対しては、下ハー
フ３５の側壁に設けられた段差部４６にこの第２のシャ
ッタ３４が接触することにより、この第２のシャッタ３
４の移動が不可能とされている。

【００５２】以上のようにして構成された２枚シャッタ
３３，３４は、このディスクカートリッジを記録再生装
置に挿入すると、該装置に設けられたシャッタ開放部材
によって第１のシャッタ３３をロックするシャッタロッ
ク部材４２をカートリッジ本体内に押し込み、当該第１
のシャッタ３３のロック状態を解除する。そして、この
シャッタ開放部材により、第１のシャッタ３３が開口部
３２を開放する方向に移動せしめられると同時に、この
第１のシャッタ３３が第２のシャッタ３４の上に重なり
ながら移動し、最終的に図２１に示すように第２のシャ
ッタ３４上に第１のシャッタ３３が重なって開口部３２
が開口する。

【００５３】ディスクカートリッジが記録再生装置より
イジェクトされるときには、第１のシャッタ３３に設け
られたシャッタロック用孔４１に該装置に設けられたシ
ャッタ閉塞部材が係合し、ディスクカートリッジの排出
動作に伴って第１のシャッタ３３と第２のシャッタ３４
が開口部３２を閉塞する方向に移動せしめられる。そし
て、第１のシャッタ３３に設けられたシャッタロック用
孔４１にシャッタロック部材４２が係合して、この第１
のシャッタ３３がロックされる。そして、第２のシャッ
タ３４も下ハーフ３５に設けられた段差部４６に接触す
ると共に、第１のシャッタ３３に設けられたシャッタロ
ック爪４５がシャッタロック用孔４４に係合して、当該
第２のシャッタ３４がロックされる。その結果、第１の
シャッタ３３と第２のシャッタ３４によって、開口部３
２が閉塞されることになる。

【００５４】なお、この実施例では、片面ディスクカー
トリッジの例であるが、上ハーフと下ハーフの両面に開
口部を有した両面ディスクカートリッジであっても同様
の作用効果が得られる。

【００５５】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係るディスクカートリッジにおいては、カートリッ
ジ本体の記録再生装置への装着面となる面に設けられた
カートリッジ位置決め孔の外周囲に円環状の溝を形成し
ているので、高さ基準位置を明確なものとすることがで
き、ディスクカートリッジの仕上げ加工精度の区別を容
易にできる。したがって、カートリッジ位置決め孔とそ
の外周囲に設けられた円環状の溝との間の領域のみを高
精度に仕上げることで、その他の部分の寸法精度や平坦
性等をラフなものとでき、また、ユーザが掴む部分に滑
り止め用のロレット仕上げが容易に行える。

【００５６】また、本発明においては、カートリッジ位
置決め孔の外周囲に円環状の溝を形成しているので、記
録再生装置に設けられる位置決めピンの外形寸法にばら
つきがあっても、その円環状をなす溝により位置決めピ
ンの外形寸法のばらつきが吸収され、ディスクカートリ
ッジを記録再生装置に対して所定位置及び所定高さ位置
に高精度に位置決めすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例１のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す平面図である。

【図２】実施例１のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す底面図である。

【図３】実施例１のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す正面図である。

【図４】実施例１のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す側面図である。

【図５】実施例１のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ開放状態を示し開口部に光学ピックアップ
装置が臨んだ状態を示す透視図である。

【図６】実施例１のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ開放状態を示す底面図である。

【図７】実施例１のディスクカートリッジの要部拡大断
面図である。

【図８】位置決めピンと位置決め孔との係合関係を示す
要部拡大断面図である。

【図９】実施例１のディスクカートリッジをカートリッ
ジホルダに挿入する状態を示す斜視図である。

【図１０】実施例１のディスクカートリッジのシャッタ
閉塞状態を示すもので、シャッタをカートリッジ挿入方
向に対して直交する方向にスライドするように構成した
ディスクカートリッジの平面図である。

【図１１】実施例１のディスクカートリッジのシャッタ
閉塞状態を示すもので、シャッタをカートリッジ挿入方
向に対して直交する方向にスライドするように構成した
ディスクカートリッジの底面図である。

【図１２】実施例１のディスクカートリッジのシャッタ
閉塞状態を示すもので、シャッタをカートリッジ挿入方
向に対して直交する方向にスライドするように構成した
ディスクカートリッジの正面図である。

【図１３】実施例１のディスクカートリッジのシャッタ
開放状態を示すもので、シャッタをカートリッジ挿入方
向に対して直交する方向にスライドするように構成した
ディスクカートリッジの底面図である。

【図１４】実施例２のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す平面図である。

【図１５】実施例２のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す底面図である。

【図１６】実施例２のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ開放状態を示し開口部に光学ピックアップ
装置が臨んだ状態を示す透視図である。

【図１７】実施例２のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ開放状態を示す底面図である。

【図１８】実施例３のディスクカートリッジを示すもの
で、大径の記録ディスクを収納したディスクカートリッ
ジと小径の記録ディスクを収納したディスクカートリッ
ジを共通の記録再生装置で記録及び／又は再生可能とな
すように構成したディスクカートリッジの対応関係を示
す平面図である。

【図１９】実施例３のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す底面図である。

【図２０】実施例３のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ閉塞状態を示す正面図である。

【図２１】実施例３のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ開放状態を示す底面図である。

【図２２】実施例３のディスクカートリッジを示すもの
で、シャッタ開放状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１・・・記録ディスク ２，４７・・・上ハーフ ３，３５・・・下ハーフ ４・・・カートリッジ本体 ５・・・チャッキングハブ １０・・・レーベル面 １１，２３，３２・・・開口部 １２，２４，３３，３４・・・シャッタ １３，２５，２６・・・光学ピックアップ装置 １４，１５・・・カートリッジ位置決め孔 １７，１８・・・円形溝 １９，３６・・・シャッタ押さえ部材 ４１・・・シャッタロック用孔 ４２・・・シャッタロック部材 ４３・・・シャッタロック爪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上ハーフと下ハーフとからなるカートリ
   ッジ本体と、 このカートリッジ本体内に回転自在に収納されるディス
   ク状記録媒体と、 上記カートリッジ本体の記録再生装置への装着面となる
   面に設けられたカートリッジ位置決め孔とを備え、 上記カートリッジ位置決め孔の外周囲に円環状の溝が形
   成されていることを特徴とするディスクカートリッジ。