JPH08171427A - 温度制御装置 - Google Patents

温度制御装置

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JPH08171427A
JPH08171427A JP31492194A JP31492194A JPH08171427A JP H08171427 A JPH08171427 A JP H08171427A JP 31492194 A JP31492194 A JP 31492194A JP 31492194 A JP31492194 A JP 31492194A JP H08171427 A JPH08171427 A JP H08171427A
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temperature
control
target temperature
current
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JP31492194A
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Tomokazu Shudo
智一 首藤
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御対象物の目標温度と現在温度との差の関
数だけでなく、現在温度の関数として与えられる補正項
を加えた関数式より得られる制御量に基づいて、制御対
象物の温度制御を行う。 【構成】 目標温度に制御されるカラム恒温槽と、カラ
ム恒温槽を加熱/冷却するサーモモジュールと、カラム
恒温槽の現在温度を測定する温度センサと、目標温度と
現在温度との差に基づいた制御信号をサーモモジュール
に与える制御回路部からなり、制御回路部は、カラム恒
温槽をある特定の目標温度に設定した時に求めた関数式
を用いてサーモモジュールの電流値を算出し、関数式を
求めた時点の特定の目標温度と異なる目標温度を設定し
たことによって生ずる電流の補正量を算定する補正項を
その関数式に加えることにより、算出した電流値を補正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、液体クロマ
トグラフのカラムの温度をある一定温度に保つためのカ
ラム恒温槽の温度制御などに用いられる温度制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の温度制御装置としては、
例えば、加熱と吸熱との両方が可能なペルチェ素子で構
成されたサーモモジュールなどを用いたものが知られて
いる。このような温度制御装置では、通常、目標温度T
o と測定した現在温度T(t) との差Te =To −T(t)
に基づいて、カラム恒温槽のような制御対象物に対する
加熱量、あるいは吸熱量を算出し、制御対象物の温度を
目標温度To に近づけるようにしている。
【0003】すなわち、目標温度To と現在温度T(t)
との温度差Te による関数式Q(t)=f(Te )をあら
かじめ求めておき、この関数式を用いて、温度差Te
応じた熱交換量Q(t) を算出し、サーモモジュールを制
御するようにしている。
【0004】具体的には、例えばサーモモジュールに与
える電流を制御するのであれば、 I(t) =kp e +ki ∫Te dt +kd (dTe/dt) ……(1) (kp,ki,kd は適当な定数)という関数式によって
サーモモジュールに流す電流I(t) を決定したり、同じ
形の式からスイッチング制御のON時間の割合いを決定
するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の温度制御装置においては、制御する目標温度
o が変化することがあるし、その変化の幅が広い場合
がある。したがって、関数f(To −T(t) )を決定し
た時の制御対象物の目標温度が、ある特定温度であった
場合、その特定温度とは異なる温度が目標温度となった
ときには、サーモモジュールの効率や制御対象物の放熱
特性が変化するため、収束時間、安定性等の面で温度制
御能力が低下する。
【0006】つまり、上述の式1であれば、ある特定温
度の近傍で定数kp,ki,kd の値を決定すると、その
温度から離れた温度が目標温度となった場合には、サー
モモジュールの効率や制御対象物の放熱特性が変化する
ため、この特定温度時での定数kp,ki,kd を用いて
サーモモジュールに流す電流I(t) を決定しても、サー
モモジュールを適切な温度に制御できない。
【0007】この発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、制御対象物の目標温度と現在温度との差の
関数だけでなく、この関数を決定した時の特定の目標温
度と現在温度の差の関数として与えられる補正項を加え
た関数式より得られる制御量に基づいて、制御対象物の
温度制御を行うようにした温度制御装置を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、制御
対象物に対して目標温度に制御するための熱交換を行う
熱交換手段と、制御対象物の現在温度を測定する温度セ
ンサと、温度センサによって測定された現在温度を目標
温度と比較し、両者の差に基づいた制御信号を熱交換手
段に与える制御手段からなり、制御手段が、制御対象物
をある特定の目標温度に設定した時に求めた関数式を用
いて熱交換手段の電気的制御量を算出する算出手段と、
関数式を求めた時点の特定の目標温度と異なる目標温度
を設定したことによって生ずる電気的制御の補正量を算
定する補正項をその関数式に加えることにより、算出手
段によって算出された電気的制御量を補正する補正手段
とを備えてなる温度制御装置が提供される。
【0009】この発明において、制御対象物としては、
例えば、液体クロマトグラフのカラムの温度をある一定
温度に保つためのカラム恒温槽などが挙げられるが、こ
れに限定されるものではなく、温度を制御する必要があ
るものであればあらゆるものが対象となる。
【0010】熱交換手段としては、制御対象物との間で
熱交換を行うことができるものであればどのようなもの
であってもよい。この熱交換を行うことができるとは、
高温部から低温部へ熱を移動させることができることを
意味する。つまり、熱交換手段を制御対象物よりも高温
に保持すれば、熱交換手段から制御対象物へ熱が移動す
るので、この場合には制御対象物を加熱することができ
る。また、熱交換手段を制御対象物よりも低温に保持す
れば、制御対象物から熱交換手段へ熱が移動するので、
この場合には制御対象物を冷却することができる。この
ように、この発明の熱交換手段としては、加熱と吸熱の
いずれか一方、または双方を行うことができるものが適
用される。
【0011】この熱交換手段としては、加熱を行う手段
であれば電熱ヒーターなど、吸熱を行う手段であれば気
体や液体を媒体とした冷却器などが挙げられるが、簡便
性の点からは、制御対象物の加熱と冷却の両方を行うこ
とができるペルチェ素子を用いたサーモモジュールなど
が最も適している。
【0012】温度センサとしては、熱によって起電力の
生ずる熱電対のような各種の感熱素子や、熱による抵抗
値の変化を電圧値や電流値の変化としてとらえることの
可能な各種のサーミスタなどの温度センサを用いること
ができるが、特性が直線的(温度に対する抵抗値の変化
が直線的)で温度への換算が容易であり、また、安価で
あり、さらに、使用可能温度の上限が高い(300℃程
度まで測定可能)、という理由から、白金抵抗センサを
用いるのが適している。
【0013】制御手段としては、マイクロプロセッサを
用いるのが便利である。制御手段は、現在温度と目標温
度との差に応じた制御信号を熱交換手段に与えるのであ
るが、この熱交換手段に与える制御信号としては、熱交
換手段に流す電流の制御信号であってもよいし、熱交換
手段に印加する電圧の制御信号であってもよい。また、
熱交換手段をスイッチング制御するのであれば、デュー
ティ比の制御信号、つまりスイッチング制御のON時間
の割合いを決める制御信号であってもよい。
【0014】この発明においては、制御手段は、制御対
象物をある特定の目標温度に設定した時に求めた関数式
を用いて熱交換手段の電気的制御量を算出する算出手段
と、関数式を求めた時点の特定の目標温度と異なる目標
温度を設定したことによって生ずる電気的制御の補正量
を算定する補正項をその関数式に加えることにより、算
出手段によって算出された電気的制御量を補正する補正
手段を備えている。ここで、電気的制御量とは、上述の
電圧や電流、あるいはデューティ比である。
【0015】例えば、熱交換手段の電流を制御する信号
を制御信号として熱交換手段に与える場合、制御範囲内
のある特定の目標温度T1 の近傍で、制御対象物の温度
(t ) に対する電流制御用の関数式を設定する。 I(t) =f(T1 −T(t) ) そして、最適な制御電流I(t) を得るように関数f(T
1 −T(t) )の定数を決定する。
【0016】実際の温度制御時には、一般に、さきほど
関数式を設定した時の特定の目標温度T1 とは異なる温
度To が目標温度となる。この場合には、熱交換手段の
温度特性や制御対象物の放熱量の温度特性を制御に反映
させるための補正項 g(T1 −T(t) ) を加え、 I(t) =f(To −T(t) )+g(T1 −T(t) ) から得られる電流を熱交換手段に流す。
【0017】
【作用】この発明によれば、制御手段は、制御対象物を
ある特定の目標温度に設定した時に求めた関数式を用い
て熱交換手段の電気的制御量を算出し、関数式を求めた
時点の特定の目標温度と異なる目標温度を設定したこと
によって生ずる電気的制御の補正量を算定する補正項を
その関数式に加えることにより、算出手段によって算出
された電気的制御量を補正する。
【0018】すなわち、温度センサによって制御対象物
の現在温度を測定し、目標温度と現在温度の差から決ま
る関数式によって熱交換手段の電気的制御量を算出し、
その関数を最適化した時の特定の目標温度と現在温度の
差からから決まる補正項をその関数式に付加することに
より、算出手段によって算出された電気的制御量を補正
する。これにより、適切な電気的制御を行うための制御
信号を熱交換手段に与えることが可能となり、最適な温
度制御が可能となる。
【0019】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいてこの発明
を詳述する。なお、これによってこの発明が限定される
ものではない。
【0020】図1はこの発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。この図において、1は液体クロマトグ
ラフのカラムである。2はカラム1を一定温度に保つた
めのカラム恒温槽である。カラム恒温槽2は、アルミブ
ロックで構成されており、断熱カバー3で覆われてい
る。このカラム恒温槽2は、制御対象物として、あらか
じめ決められた一定の目標温度に保たれるように制御さ
れる。
【0021】4はペルチェ素子で構成されたサーモモジ
ュールである。このサーモモジュール4は、カラム恒温
槽2に密着して設けられており、カラム恒温槽2に対し
て加熱及び吸熱の両方の熱交換を行うことができるよう
になっている。サーモモジュール4によるカラム恒温槽
2の温度設定範囲は、10℃〜70℃である。
【0022】5は白金抵抗センサであり、カラム恒温槽
2の現在温度を常時測定している。6は白金抵抗センサ
5によって測定された現在温度を目標温度と比較し、両
者の差に基づいた制御信号をサーモモジュール4に与え
る制御回路部である。
【0023】7は12ボルトの電源電圧を供給する直流
電源、8はユーザーインターフェイス、9はユーザーイ
ンターフェイス8からの指示により、カラム恒温槽2に
設定するべき目標温度To を2進数の信号であるデジタ
ル信号で制御回路部6に与えるPC(パーソナルコンー
ピュータ)である。
【0024】制御回路部6は、アンプ回路10と、A/
Dコンバータ11と、温度制御用マイクロプロセッサ1
2と、電圧変換回路13から構成されている。アンプ回
路10は、白金抵抗センサ5によって現在温度T(t)
測定し、それに応じたアナログ電圧を出力する。A/D
コンバータ11は、アンプ回路10から受けたアナログ
電圧を2進数の信号であるデジタル信号に変換する。
【0025】温度制御用マイクロプロセッサ12は、A
/Dコンバータ11から得られた現在温度T(t) の信号
を1秒間に1回のサンプリング周期でサンプリングし、
目標温度To と現在温度T(t) との差に応じた制御信号
を出力する。この出力信号は、PWM(パルス幅変調)
信号である。
【0026】電圧変換回路13は、PWM信号のパルス
幅に応じた電圧を出力するパルス幅−電圧変換回路と、
電圧の極性反転を行う極性反転回路から構成されてい
る。極性反転回路は、サーモモジュール4の加熱/吸熱
を切り換えるために用いられる。
【0027】温度制御用マイクロプロセッサ12は、カ
ラム恒温槽2をある特定の目標温度に設定した時に求め
た関数式を用いてサーモモジュール4の電気的制御量を
算出し、関数式を求めた時点の特定の目標温度と異なる
目標温度を設定したことによって生ずる電気的制御の補
正量を算定する補正項をその関数式に加えることによ
り、算出した電気的制御量を補正する。
【0028】例えば、サーモモジュール4の電圧を制御
する信号を制御信号としてサーモモジュール4に与える
場合、あらかじめ、カラム恒温槽2を制御範囲内のある
特定の目標温度T1 に設定してみて、その時の温度制御
の状態から、カラム恒温槽2の現在温度T(t) に対する
電圧制御用の関数式を次のように設定する。 V(t) =f(T1 −T(t) ) そして、最適な制御電圧V(t) を得るように関数f(T
1 −T(t) )の定数を決定する。
【0029】実際の温度制御時には、一般に、さきほど
関数式を設定した時の特定の目標温度T1 とは異なる温
度To が目標温度となる。この場合には、サーモモジュ
ール4の温度特性や放熱量の温度特性、あるいはカラム
カラム恒温槽2の放熱量の温度特性を電気的制御に反映
させるための補正項 g(T1 −T(t) ) を加え、 V(t) =f(To −T(t) )+g(T1 −T(t) ) から得られる電圧をサーモモジュール4に印加する。
【0030】補正項g(T1 −T(t) )は、サーモモジ
ュール4の特性を考慮して簡単に表す場合、定数Kを用
いて、 g(T1 −T(t) )= K・(T1 −T(t) ) と表せるので、印加電圧V(t) は、 V(t) =f(To −T(t) )+K・(T1 −T(t) ) となる。
【0031】温度制御用マイクロプロセッサ12から電
圧変換回路13に与えるPWM信号は、PWM信号のロ
ーの期間を“U”とし、ハイの期間を“B”とすると、
デューティ比は D=B/(U+B) となるので、温度制御用マイクロプロセッサ12から
は、電圧変換回路13に対し、 D=f(To −T(t) )+K・(T1 −T(t) ) のデューティ比を有するPWM信号を出力する。このP
WM信号は次のサンプリング時まで出力し続ける。
【0032】この時、電圧変換回路13から出力される
直流電圧Vは、直流電源7から12Vが供給されている
ので、 V≒D/12(V) となる。電流Iは、 I≒V/R(A) (ただし、Rはサーモモジュール4の抵抗の代表値)で
ある。
【0033】以下、温度制御用マイクロプロセッサ12
の処理動作の内容を図2に示すフローチャートに基づい
て説明する。温度制御用マイクロプロセッサ12は、ま
ず、A/Dコンバータ11からEを受け取る(ステップ
20)。Eとは、白金抵抗センサ5とアンプ回路10か
らなる温度センサ回路の出力のA/D変換の値である。
【0034】次に、Eより現在温度T(t) を計算し(ス
テップ21)、PC9より目標温度To を受け取り(ス
テップ22)、V(t) =f(To −T(t) )+K・(T
1 −T(t) )を計算する(ステップ23)。
【0035】そして、V(t) に対応するデューティ比D
(t) を計算し(ステップ24)、デューティサイクルを
決定するレジスタをD(t) に更新し(ステップ25)、
次のサンプリングの周期まで待機する(ステップ2
6)。
【0036】このような作用を以下に具体的に説明す
る。上記方法はペルチェ効果を用いた加熱/冷却デバイ
スであるサーモモジュール4を用いた金属体の温度制御
に適用される。
【0037】サーモモジュール4は、図3に示すよう
に、一対のリード線を有する板状のデバイスである。
に正、に負の電源を接続すれば表面から裏面側に、接
続を逆にすれば裏面から表面側に熱を運ぶ働きをする。
【0038】サーモモジュール4の効率は面の接してい
る温度によって変化する。からへ一定の電流が流れ
ていても、熱が運び込まれる側の面(つまり加熱される
側)の温度が上昇すると、運ばれる熱量は低下する。冷
却する時にも冷却面の温度低下につれて同じ現象があ
る。
【0039】いま、図4に示すような仕掛けを作って、
金属の箱31を望まれる温度に保つ場合を考える。例と
して、室温27℃、金属箱31を30℃〜60℃の範囲
内の任意の温度に設定したいとする。サーモモジュール
4の冷却面側はフィン(放熱板)32と扇風機33の風
で常に27℃に保たれているものと考える。34はサー
モモジュール4のリード線であり、このリード線34を
介してサーモモジュール4に電流I(A)を与える。
【0040】この場合、サーモモジュール4が冷却側か
ら加熱側へ運ぶ熱量は図5に示すように温度変化する。
なお、図5においては、目盛りは例として分かり易いよ
うに書かれており、サーモモジュール4は種類によって
も異なる特性を持つ。
【0041】ところで、一般に、温度制御について考え
る場合、対象の系との間でやりとりされる物理量として
本質的なものは熱量である。電流や電圧は用いられる道
具にまつわる二次的な量である。周囲から断熱された制
御対象物にとりつけられた単純な電気抵抗であるヒータ
などの場合には、電流(電圧)と加えられる熱量の間に
は、比例関係が成り立ち、計数を間に挿むだけで直接熱
量を扱っているのと同じ様に電流(電圧)を調整すれば
よい。
【0042】しかし、上述の事情でサーモモジュール4
ではそうはいかない。これを解決するためには、制御対
象物の温度が変化しても「やりとりされる熱量が望まし
い値となるように」電流(電圧)を調整しなければなら
ない。金属箱31の温度に無関係に一定の電流(圧)を
かけていてはサーモモジュール4による吸/加熱量をう
まく制御できない。この調整分を表すのが上述した「補
正項」である。
【0043】さて、温度制御の分野で広く用いられてい
る制御法にP.I.D.制御と呼ばれるものがある。こ
れは、制御対象物の現在温度T(t) と目標温度To に対
して、制御対象物に加える熱量Q(t) を次式から算出す
るものである。目標温度Toと現在温度T(t) との差を
e とすると、 Q(t) =kp e +ki ∫Te dt+kd (dTe/dt) ……(2) kp,ki,kd は定数であり。個々の制御対象物に対し
て適した値に定められる。
【0044】この定数に適当な値が選ばれていれば、こ
の式を用いた系は図6に示すように速やかに目標温度T
o に収束する。上述のヒータのような道具を用いる場合
ならば、式2のQ(t) をそのまま電圧V(t) と書き換え
て、kp,ki,kdを適当な定数倍にすれば、最適制御
が可能である。しかし、サーモモジュール4を用いると
図5に示した特性のために速やかに目標温度To に収束
しない。
【0045】例えば制御対象物を60℃に温度調節する
時に最も上手くいくように定数kp,ki,kdを決める
とする。こうして60℃の近くで吸/加熱量が最適にな
るような電流(圧)を得られるように決められた定数を
p60,ki60,kd60と表すと、次のような制御の式が
決まる。 I(t)=kp60e +ki60∫Te dt+kd60(dTe /dt)……(3)
【0046】60℃付近では式3で決まるI(t)によっ
て得られる熱量は、熱量で表した式2のQ(t)と等しく
なり、図6のように上手く温度が収束する。ところが、
ここで、kp,=kp60,ki=ki60,kd=kd60とした
ままで目標温度が30℃の制御を始めたとする。図5に
示されているように同じ電流の下での加熱量は、対象物
が60℃の時より30℃の時の方が大きい。したがっ
て、式3で決まる電流によって式2の加熱量を得るつも
りが、それ以上の加熱量が得られてしまう。
【0047】例えば、図5において、ある時点での式2
で決まる最適加熱量が16ワット(w)であったとしよ
う。この時、60℃のもとで決定された式3からは、大
体I (t)=6(A)という答えが得られ、これは正し
い。ところが30℃のもとでは、I(t)=6(A)とす
ると、27(w)も加熱してしまう。こうした場合、制
御系の温度変化は図7に示された様になり、いつまでも
目標温度To に収束しない。
【0048】これに対する解決法が式3に補正項を加え
ることである。図5からは、各電流をパラメータとする
線がほぼ平行に並んでいることが判る。したがって、補
正項は近似的には簡単な温度の一次式でよい。
【0049】図5の横軸を電流に書き換えると、図8に
示すような特性となる。この特性曲線から次式が得られ
る(60℃を基準に考えた場合)。 Q(t)=αI′(t)+β+γ(60−T(t)) ……(4) ここでα,β,γは曲線を反映する定数である。I′
(t) は補正項を考慮した上での電流を表わす。式4を変
形して次式を得る。 I′(t)={Q(t)−β−γ(60−T(t))}/α =I(t)−{β/α+(γ/α)(60−T(t))}……(5)
【0050】基準にする温度を、図8の特性曲線が原点
を通るような温度Tkにとると、βは“0”となり、目
標温度To と現在温度T(t) との差をTe とすると、 I′(t)=kpTKe +kiTK∫Te dt+kdTK(dTe /dt) +γ/α(TK−T(t)) ……(6) というように制御に必要な適切な電流I′(t) を決める
ことができる。サーモモジュール4はオームの法則がほ
ぼ成立するので、式6を電圧に置き換えてもほぼ同じで
ある。
【0051】この補正項を加えたP.I.D.制御を用
いれば、サーモモジュール4を採用した場合に、どんな
目標温度To に対しても、定数kp,ki,kdをある特
定の目標温度のもとで決定した価に固定したままで、図
6に示したような最適に近い制御が可能となる。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、熱交換手段の効率が
制御対象物の温度の影響を受けて変化する場合、あるい
は制御対象物からの放熱量が変化する場合でも、幅広い
設定範囲に対応して、あたかも目標温度がいつも関数式
を最適化した時の条件温度であるかのような温度制御が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】温度制御用マイクロプロセッサの処理動作の内
容を示すフローチャートである。
【図3】サーモモジュールの外観を示す斜視図である。
【図4】サーモモジュールによる制御例を示す説明図で
ある。
【図5】サーモモジュールの特性を示すグラフである。
【図6】現在温度が速やかに目標温度に収束する場合の
例を示すグラフである。
【図7】現在温度が収束せずに振動する例を示すグラフ
である。
【図8】サーモモジュールの特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 液体クロマトグラフのカラム 2 カラム恒温槽 3 断熱カバー 4 サーモモジュール 5 白金抵抗センサ 6 制御回路部 7 直流電源 8 ユーザーインターフェイス 9 PC(パーソナルコンーピュータ) 10 アンプ回路 11 A/Dコンバータ 12 温度制御用マイクロプロセッサ 13 電圧変換回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象物に対して目標温度に制御する
    ための熱交換を行う熱交換手段と、 制御対象物の現在温度を測定する温度センサと、 温度センサによって測定された現在温度を目標温度と比
    較し、両者の差に基づいた制御信号を熱交換手段に与え
    る制御手段からなり、 制御手段が、制御対象物をある特定の目標温度に設定し
    た時に求めた関数式を用いて熱交換手段の電気的制御量
    を算出する算出手段と、関数式を求めた時点の特定の目
    標温度と異なる目標温度を設定したことによって生ずる
    電気的制御の補正量を算定する補正項をその関数式に加
    えることにより、算出手段によって算出された電気的制
    御量を補正する補正手段とを備えてなる温度制御装置。
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KR100385577B1 (ko) * 2000-12-07 2003-05-27 신성전자공업 주식회사 열전소자를 이용한 온도조절 실험장치 및 이의 온도제어방법
KR100426663B1 (ko) * 2001-12-26 2004-04-14 신성전자공업 주식회사 상온 항온조 제어 수정발진기 및 그 제어 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100385577B1 (ko) * 2000-12-07 2003-05-27 신성전자공업 주식회사 열전소자를 이용한 온도조절 실험장치 및 이의 온도제어방법
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