JP2003284323A - 直流電源装置 - Google Patents

直流電源装置

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JP2003284323A
JP2003284323A JP2002081371A JP2002081371A JP2003284323A JP 2003284323 A JP2003284323 A JP 2003284323A JP 2002081371 A JP2002081371 A JP 2002081371A JP 2002081371 A JP2002081371 A JP 2002081371A JP 2003284323 A JP2003284323 A JP 2003284323A
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Naoki Okuyama
直樹 奥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の発熱や周囲温度による電流変化が
小さい、安定度に優れた直流電源装置を提供する。 【解決手段】 交流電力を第1の整流回路により直流電
力に変換後、スイッチング回路により高周波化し、第2
の整流回路により直流電力に変換して出力する直流電源
装置において、予め設定した基準値と、実測値とを比較
して直流出力の過不足を検出し、上記過不足に応じて直
流出力を増減させる信号を上記スイッチング回路に供給
する比較器を備え、該比較器と温度制御器とが同一恒温
ユニット室に収納され、該恒温ユニット室内が温度制御
器で所定の基準温度範囲に制御され、温度制御器が恒温
ユニット室の温度変化を検出する温度センサと、上記検
出値と基準温度とを比較する温度コントローラと、該温
度コントローラの出力信号に従って電流を調整する電流
調整器と、該電流調整器により制御される電子冷熱器と
を接続して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は交流電力を直流電力
に変換後、高周波スイッチング回路を介して再度直流電
力に変換する直流電源に関わり、主にフィードバック系
の安定制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業機器や加速器のビーム制御、そして
理科学機器の多くに直流電源が利用されている。中でも
加速器や理科学機器に使用される直流電源には電子やイ
オン、そしてビームに関する安定性や挙動を追求するた
めに、変動の少ない安定性に優れた直流特性が要求され
る。このような直流電圧を発生させるには、大容量のス
イッチング回路により高周波を発生させ、直流に変換す
る方式がとられ、かつ、安定性の向上にはフィードバッ
ク制御をする方法がとられる。この種の直流電源の従来
例を図5に示す。
【0003】図5において、電源制御盤1と第1の整流
回路2とスイッチング回路3と第2の整流回路4と負荷
5とを直列に接続する。第1の整流回路2と第2の整流
回路4は交流の入力を受けて、この交流を直流に変換す
る整流回路とリプルを低減するフィルタ回路で構成さ
れ、直流を出力する。一方、スイッチング回路3は直流
の入力を受けて、この直流をIGBTなどの半導体素子
で構成される高周波スイッチング回路とそのゲート制御
回路、および所定の電圧を出力するための高周波変圧器
などにより構成され、高周波パルスを出力する。次に、
第2の整流回路4で直流を出力し、負荷5に印加される
直流の電圧、電流を計測するために負荷5と並列に電圧
検出器6を、直列に電流検出器7を接続し、その検出信
号ラインを比較器8に接続する。比較器8はスイッチン
グ回路3が有するゲート制御回路と接続して高周波スイ
ッチング回路を制御する。さらに、該比較器8は電源制
御盤1と接続されて運転スタートのオン/オフ指令や直
流出力、すなわち、電圧値および電流値、またはいずれ
かの設定された所定の基準値を受信する。なお、以降の
説明を容易にするため、該比較器8のそれぞれの端子盤
にT、T、Tの記号を付記した。
【0004】次に動作を説明する。図5において、電源
制御盤1は負荷5に供給する電圧値および/または電流
値を設定し、端子盤Tを介して比較器8にその値を基
準値として送信する。そして整流回路2に交流電力を供
給すると共に、比較器8に運転オン指令を送信する。比
較器8は、端子盤Tを介して直ちにスイッチング回路
3の高周波スイッチング回路用ゲート制御回路に所定の
信号を送り、運転を開始する。第1の整流回路2は交流
を直流に変換してスイッチング回路3に電力を伝送し、
該スイッチング回路3は高周波の電力に変換して第2の
整流回路4に供給する。第2の整流回路4は高周波パル
スを直流に変換して、負荷5に予め設定した直流電力を
供給する。
【0005】その後、負荷5に供給された直流出力を、
電圧は電圧検出器6で、電流は電流検出器7で検出し、
端子盤Tを介して比較器8にそのデータを送信する。
比較器8は予め設定された直流出力の基準値と比較して
過不足を検出し、常に基準値と一致するように端子盤T
を介してスイッチング回路3の高周波スイッチング回
路用ゲート制御回路を制御する。以上の動作によって直
流出力は設定された基準値を維持する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電子やイオンやビーム
の振る舞いは非常に複雑で難しい制御となる。従って、
直流電源に要求される理想的な条件は、直流の電圧、電
流ともに一定で変化のないきわめて安定性の良い直流が
要求される。しかし、電力供給ラインには電気機器が、
制御回路には電子部品が多量に使用されているために、
各部品自身の温度上昇や周囲温度の変化によってそれぞ
れの部品が有する特性に変化が生じ、その結果、直流出
力特性にも変化が生じる。
【0007】この変化の具合を安定度αで示すと、電源
制御盤1で設定された出力電流の基準電流Iと電流検
出器7で測定した出力電流の実測電流Iの関係は、安
定度α=(I−I)/Iの関係にあって限りなく
零に近いことが望まれるが、通常努力しても10−3
度である。その大きな原因は電源制御盤1で設定した基
準値の信号や電流検出器7で計測された実測値の信号
が、スイッチング回路3のゲート制御回路に行くまでの
過程で回路定数が変化してしまうこと、すなわち、フィ
ードバック制御回路で基準となる真の値が温度変化と共
に変わってしまうことによる。
【0008】これは比較器8に収納した部品の温度特性
によるもので、例えば特性の優れた金属皮膜抵抗でも5
ppm/℃程度(1ppmは100万分の1を表す単位)の変
化をし、また品種にもよるが、DAコンバータで5ppm
/℃、オペアンプでも0.5ppm/℃程度の温度変化が
ある。このような変化を比較器8の回路部品全体で積算
していくと、1℃の温度変化によって15ppm程度の特
性変化をきたすことになる。このことは比較器8のみで
温度係数が1.5×10−5/℃に相当し、いかに厳し
い温度管理をする必要があるかが分かる。なお、上記は
出力電流の制御について説明したが出力電圧についても
同様であるのでその説明を省略する。
【0009】この対策として電源全体の温度上昇を防ぐ
ために、形状的には大きくなるが余裕のある設計にした
り、ファンを用いて風冷したり、発熱体には水冷による
部分的な冷却をしたり、制御部はクーラによる冷却を行
うなど温度上昇を抑える努力をして来たが、小型で安定
度10−5を求めるユーザの要求に応えることは、非常
な困難さがあった。さらに安定度の向上を図るために電
圧検出器6や電流検出器7、そして比較器8をヒータを
用いた恒温槽や油槽に入れて外部から一定の温度になる
ように温度制御をする努力もなされたが、周囲温度より
も高い温度(例えば50℃)を基準温度と定め保温する
ために、収納部品が高温にさらされて経年変化も大きく
なり、かつ、直流電源自体も大きく複雑になり高価とな
るなどの問題があった。
【0010】本発明は上記の背景を鑑みて、比較器8
を、電子冷熱器を用いて微細に温度制御することによっ
て発熱や周囲温度による影響を受けにくい安定度に優れ
た直流電源装置を提供し、かつ、小型・軽量化を図ろう
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決したものであり、交流電力を第1の整流回路2によ
り直流電力に変換後、スイッチング回路3により高周波
化し、さらに第2の整流回路4により直流電力に変換し
て出力する直流電源装置において、直流出力の予め設定
した基準値と、実測値とを比較して直流出力の過不足を
検出し、かつ、上記過不足に応じて直流出力を増減させ
る信号を上記スイッチング回路に供給する比較器8を備
え、該比較器8と温度制御器9とが同一恒温ユニット室
10に収納され、該恒温ユニット室10内が上記温度制
御器9で所定の基準温度範囲に制御され、上記温度制御
器9が恒温ユニット室10の温度変化を検出する温度セ
ンサ17と、上記検出値と基準温度とを比較する温度コ
ントローラ16と、該温度コントローラ16の出力信号
に従って電流を調整する電流調整器14と、該電流調整
器14により制御される電子冷熱器15とを接続して構
成されることを特徴とする直流電源装置である。
【0012】また、上記電流調整器14が恒温ユニット
室10の外部に配置されたことを特徴とする直流電源装
置である。
【0013】さらに、上記比較器8と温度センサ17と
電子冷熱器15とが同一恒温室25内に収納され、該恒
温室25が断熱材により構成され、該恒温室25が設置
される恒温ユニット10内にも断熱材を配したことを特
徴とする直流電源装置である。
【0014】そして、上記電子冷熱機15は上記恒温ユ
ニット室10内の断熱材の切欠部に取付けられ、該断熱
材の吸熱側に吸熱板を、放熱側に放熱板20をそれぞれ
固着したことを特徴とする直流電源装置である。
【0015】さらに、上記放熱板20に取付けられた第
1の断熱材18と、第1の断熱材18に取付けられる第
2の断熱材19とで恒温槽を覆い、第1の断熱材18お
よび第2の断熱材19の恒温室25側に吸熱板21、2
2を取付けたことを特徴とする直流電源装置である。
【0016】また、上記第2の断熱材19に第3の断熱
材26を取付け、第2の断熱材19および第3の断熱材
26で制御線室27を形成し、外部より上記恒温室25
に引き込む制御線群29を上記制御線室27経由で配線
したことを特徴とする直流電源装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に示すように、直流電源の予
め設定した基準値と実測値とを比較して直流出力の過不
足に応じて出力を増減させる信号を上記スイッチング回
路3に供給する比較器8と温度制御器9とを同一恒温ユ
ニット室10に収納し、該恒温ユニット室10内を温度
制御器9で所定の基準温度範囲に制御する。上記温度制
御器9を恒温ユニット室10の温度変化を検出する温度
センサと、上記検出値と基準温度とを比較する温度コン
トローラ16と、該温度コントローラ16の出力信号に
従って電流を調整する電流調整器と、該電流調整器によ
り制御される電子冷熱器15とを接続して直流電源装置
を構成する。
【0018】
【実施例】〔実施例1〕図1は本発明の実施例による直
流電源装置であり、図2は本発明の主要素である恒温ユ
ニット室の構成図である。図5と同一構成要素には同一
記号を付記したのでその説明を省略する。
【0019】図2において、直流電流の設定動作を例と
してその機能を説明する。比較器8と温度制御器9は1
つの断熱材で構成された密室状の容器に収納されて恒温
ユニット室10を構成する。なお、図示しないが恒温ユ
ニット室10の電源は電源制御盤1からの端子盤T
介して供給される。次に出力電流の基準電流Iが電源
制御盤1において設定されると、直ちに比較器8のD/
A変換器11にデジタル信号で送信される。該D/A変
換器11ではアナログ信号に変換して誤差増幅器13に
与えられる。一方、電流検出器7で測定した直流出力の
実測電流Iは端子盤Tを介して増幅器12にアナロ
グ信号で送信され、その出力は誤差増幅器13に与えら
れる。誤差増幅器13は、誤差△I=(I−I)を
増幅し、端子盤Tを介して、スイッチング回路3に内
蔵した高周波スイッチング回路用ゲート制御回路に、直
流出力の増減を指示する信号を送信する。
【0020】このようなフィードバック制御の利点は、
誤差△Iを打消すように常に制御すれば基準電流I
相当する直流出力が得られることである。すなわち、電
源制御盤1の電源変動や電力回路系の温度特性や負荷5
に変化が生じても、誤差△Iの変化としてとらえ、誤差
制御をすることができる。従って、比較器8は基準値I
と実測値Iをいかに真値として扱い誤差△Iを正し
く出力するか、この結果が直流出力の性能を決定するこ
とになる。
【0021】さて、誤差△Iは比較器8の各種制御を受
ける過程で変化をきたし、見かけ上の誤差△I′に変わ
る。これは比較器8に内蔵した部品の温度特性によるも
のであり、前述したように厳しい温度管理が必要とな
る。
【0022】さて、上記のごとく厳格な温度管理の必要
性から、本発明は比較器8に温度制御器9を併置させて
比較器8を一定の温度に維持する発明をしたものであ
る。続いて図2により温度制御器9を説明する。なお、
電力の供給回路は図示しないが端子盤Tより供給され
る。温度制御の電子冷熱器15には熱電半導体を利用し
た電子冷熱方法を採用した。上記熱電半導体はペルチェ
効果を利用したもので供給電流の増減による微細制御に
より吸熱、発熱が容易にできる利点がある。さて、恒温
ユニット室10は断熱材を用いて密室状の容器としたも
ので、この中の設定基準温度は周囲温度の平均値にする
方法が取られる。従って、直流電源の使用温度が0〜5
0℃である場合は25℃とする。その温度は温度コント
ローラ16に基準温度として設定される。
【0023】次に、電流調整器14は恒温ユニット室1
0が基準温度になるように電子冷熱器15に電流を供給
する。恒温ユニット室10の温度はサーミスタを用いた
温度センサ17によりその温度変化を検出し、温度コン
トローラ16に伝送して設定した基準温度と比較し、誤
差増幅を行った後、電流調整器14に電流の増減信号を
出し、常に設定した基準温度を維持するようにフィード
バック制御される。ここで、上記温度センサ17にはサ
ーミスタを用いたが、他に熱電対を使用することもでき
る。
【0024】さて、この比較器8と温度制御器9のうち
温度コントローラ16と温度センサ17を1つの基板に
搭載できることから、恒温ユニット室10の収納体積も
小さなもので構成することが可能で上記温度管理も容易
である。一方、電子冷熱器15は熱電半導体を使用して
いるために小型で吸熱、発熱の微細制御が可能なこと、
しかも電流の方向を変えることによって吸熱、発熱が反
転する特徴を有しているために温度の上げ下げも容易で
ある。本電子冷熱器15は恒温ユニット室10の密室容
器の壁を一部切欠いて直接取り付けられる。そして室内
を吸熱する場合は室外に向かって発熱させ、室内に発熱
させる場合は室外で吸熱させる方向に電流を流す。
【0025】また、他の実施例として電流調整器14を
恒温ユニット室10の室外に配置して、恒温ユニット室
10の室内にある温度コントローラ16から制御し、該
電流調整器14は室外から室内にある電子冷熱器15を
制御しても有効である。電子冷熱器15は恒温ユニット
室10が大きくなったり、熱処理負担が大きくなると、
それにつれて供給する電流も増大し、10Aを超えるこ
ともある。このような大きな電流を電流調整器14が有
する半導体素子によって制御をすると、ここで生じた損
失が熱となり、さらに上記熱処理負担を増大させる。従
って、このような場合は電流調整器14を恒温ユニット
室10の室外に配置するのが有利である。さて、このこ
とにより性能の低下が懸念されるがさほど影響はない。
その理由は室外の電流調整器14が周囲温度にさらされ
るために部品の特性が変化して、電子冷熱器15へ供給
する電流に変化を与えても、その変化は恒温ユニット室
10内の温度変化として、温度センサ17が直ちに検出
して、温度コントローラ16に送信し、基準温度と比較
して過不足を検出し、直ちに補正する過不足信号を電流
調整器14に送信して誤差を常に打消すように作用する
からである。
【0026】また、恒温ユニット室10は本発明では直
流電源に適用したが、恒温ユニット室10を含むフィー
ドバック系の機能を考えると適用できる応用範囲は広
い。例えば交流電源やパターン運転される波形成形回路
やパルス電源においてもその有用な可能性を有してい
る。
【0027】〔実施例2〕本発明の他の実施例について
説明する。図3は本発明の恒温ユニットの構造を示す実
施例で、その一面を断面で示した開口図になっている。
図4は本発明の恒温ユニットの構成図である。図5と同
一構成要素には同一記号を付記したのでその説明を省略
する。
【0028】図4の比較器が図5と異なる点は比較器8
に温度制御器9を付加して恒温ユニット10を構成した
ことである。その他の電源の回路構成については図5と
同一構成であるのでその説明を省略する。なお、恒温ユ
ニット10の電源は電源制御盤1から端子盤Tを介し
て供給される。
【0029】温度制御の電子冷熱器15、恒温ユニット
10、電流調整器14の構成については、〔002
1〕、〔0022〕に記載したとおりであるので、説明
を省略する。
【0030】さて、電子冷熱器15は放熱板20、20
aと吸熱板21にボルト16とボルト16を用いて
固着され、第1の断熱材18を切欠いた形状で、かつ、
吸熱板21と放熱板20、20aによって挟み込む形に
取付ける。比較器8と温度制御器9の各種電気部品は基
板17aに取付けられ、絶縁材であるスペーサ23とボ
ルト16によって吸熱板21の上に近接して取付けら
れる。その後、基板17aを吸熱板22によって蓋をか
ぶせるようにボルト24を用いて吸熱板21に固着させ
る。次に、吸熱板22の上から第2の断熱材19をかぶ
せると、吸熱板22と吸熱板21は第2の断熱材19と
第1の断熱材18により包囲された密室状の断熱室、す
なわち、恒温室25を形成する。さらに、第3の断熱材
26を第2の断熱材19の上方に取付けて制御線室27
を設ける。次に、締付けバンド28とボルト30とを用
いて、第3の断熱材26と第2の断熱材19と第1の断
熱材18とを放熱板20に一括締付け固定する。なお、
基板17aに取付けられた比較器8の端子盤T
、Tへの引込み線、すなわち、制御線群29は、
第3の断熱材26と締付けバンド28にあけた穴部を通
過して制御線室27の中に所定の長さを収納し、その
後、第2の断熱材19と吸熱板22に設けられた最小限
の孔を通過して基板17に配線される。
【0031】次に、動作を説明する。基板17aから発
せられた熱および第1の断熱材18と第2の断熱材19
を介して伝わってくる外気の熱は、一旦恒温室25の熱
伝導媒体である空気を温め、その変化を基板17上の温
度センサ14が検出する。その電気的な動作は〔002
2〕に記載したので説明を省略する。
【0032】次に、制御線室27について説明する。制
御線室27は、制御線群29が恒温室25から直接に外
気にさらされると、外気の熱が該制御線群29の導体を
伝わって直接恒温室25に侵入するので、これをゆるや
かに抑制するために設けた室である。すなわち、制御線
群29は所定の長さをこの制御線室27内でたるませ
て、長さ当たりの温度勾配を緩やかにさせることによっ
て恒温室25の負担を軽減することができる。なお、制
御線室27はとくに温度制御を行っていないが、外気の
周囲温度と恒温室25の中間的な温度を維持している。
【0033】以上の構造によって恒温室25は第1の断
熱材18と第2の断熱材19によって密室状に外気温度
との熱遮断を行い、かつ、吸熱板21、22を内面に配
した構造となっている。しかも、熱応答を良くするため
に基板17aと吸熱板21、22の空間距離は絶縁耐力
が保証できる限界まで近づけるために、恒温室25はき
わめて小型に形成できる。
【0034】さて、恒温室25を常に所定の温度に維持
するには、1つには恒温室25の微小な温度変化を電子
冷熱器15の熱変化に変換できること、2つには電子冷
熱器15の熱変化を恒温室25の空気温度の熱変化に変
換できることである。前者は〔0022〕に説明した通
りフィードバック制御が確実に行われ、かつ、電子冷熱
器15に熱電半導体を使用しているために吸熱、発熱の
微細制御が電流制御によって可能なこと、しかも電流の
方向を変えることによって吸熱、発熱が反転する特徴を
有するために温度の上げ下げも容易である。後者は電子
冷熱器15の熱変化を吸熱板21、22および放熱板2
0、20aに早く伝導させることと恒温室25の空気に
伝熱させることである。そのために、吸熱板21、22
および放熱板20、20aには、熱伝導の良さと熱容量
を考慮して銅材を採用した。そして恒温室25内の空気
との熱交換を良くするには表面積を大きくすることが必
要なので、恒温室25の内面全体を吸熱板21、22に
よって囲み、充分な表面積を確保した。
【0035】さて、上記吸熱板21、22の面積は熱交
換の応答性や制御温度差によって決められる。温度管理
の緩い条件の場合は恒温室25の内面全体を吸熱板2
1、22で囲むことはなく一部だけでも良い。他方厳し
い条件の場合は、より面積を増やすために吸熱板21、
22の内側にヒダを設け、より表面積を大きくする方法
をとることができる。さらに、基板17aに搭載される
部品と吸熱板21、22の間に熱伝導性シートなどを入
れて密着させてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のとおり本発明は、断熱材で構成さ
れる密室状の恒温ユニット室10に、比較器8と温度制
御器9を併置させ一体構造とした結果、周囲温度に40
℃の変化を与えても、恒温ユニット10の室内は、前記
温度制御方法によって±1℃が達成できたこと、その結
果、使用周囲温度0〜40℃の範囲で比較器8の温度特
性は20ppm以下を満足したこと、さらに直流電源の安
定性は前記電圧検出器6又は電流検出器7固有の温度特
性と合わせても30ppmであって、温度係数は0.75
×10−6/℃となり、安定度α=3×10−5を保証
する直流電源が達成できた。特に、温度制御には電子冷
却式熱電半導体を採用したこと、温度センサ17にはサ
ーミスタを使用したことから温度制御が容易で、かつ、
比較器8と温度制御器9のそれぞれの電子部品も小さく
1つの基板にパターン化して配置できたことなど、小形
化を図り、かつ、コストメリットにも優れたもので工業
的価値大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直流電源装置の実施例を示す構成
図である。
【図2】本発明による恒温ユニット室を示す構成図であ
る。
【図3】本発明の直流電源装置に使用する恒温ユニット
の構造図である。
【図4】図1による恒温ユニット室の構成図である。
【図5】従来例による直流電源装置の構成図である。
【符号の説明】
1 電源制御盤 2 第1の整流回路 3 スイッチング回路 4 第2の整流回路 5 負荷 6 電圧検出器 7 電流検出器 8 比較器 9 温度制御器 10 恒温ユニット室 11 D/A変換器 12 増幅器 13 誤差増幅器 14 電流調整器 15 電子冷熱器 16 温度コントローラ 16、16、16 ボルト 17 温度センサ(サーミスタ) 17a 基板 18 第1の断熱材 19 第2の断熱材 20 放熱板 20a 放熱板 21 吸熱板 22 吸熱板 23 スペーサ 24 ボルト 25 恒温室 26 第3の断熱材 27 制御線室 28 締付けバンド 29 制御線群 30 ボルト T 端子盤 T 端子盤 T 端子盤 △I 誤差 I 基準電流 I 実測電流

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電力を第1の整流回路により直流電
    力に変換後、スイッチング回路により高周波化し、さら
    に第2の整流回路により直流電力に変換して出力する直
    流電源装置において、 直流出力の予め設定した基準値と、実測値とを比較して
    直流出力の過不足を検出し、かつ、上記過不足に応じて
    直流出力を増減させる信号を上記スイッチング回路に供
    給する比較器を備え、該比較器と温度制御器とが同一恒
    温ユニット室に収納され、該恒温ユニット室内が上記温
    度制御器で所定の基準温度範囲に制御され、 上記温度制御器が恒温ユニット室の温度変化を検出する
    温度センサと、上記検出値と基準温度とを比較する温度
    コントローラと、該温度コントローラの出力信号に従っ
    て電流を調整する電流調整器と、該電流調整器により制
    御される電子冷熱器とを接続して構成されることを特徴
    とする直流電源装置。
  2. 【請求項2】 上記電流調整器が恒温ユニット室の外部
    に配置されたことを特徴とする請求項1記載の直流電源
    装置。
  3. 【請求項3】 上記恒温ユニット室内に、断熱材を介し
    て吸熱板を配し、上記断熱材が切欠部を有し、該切欠部
    に電子冷熱器を埋め込み、電子冷熱器が埋め込まれた断
    熱材の恒温ユニットの外側に放熱板を固着したことを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の直流電源装置。
  4. 【請求項4】 上記恒温ユニット室内に、断熱材で囲ま
    れた制御線室を形成し、外部より上記恒温室に引き込む
    制御線群を上記制御線室経由で配線したことを特徴とす
    る請求項3記載の直流電源装置。
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