JPH08170156A - 鋼焼結体 - Google Patents
鋼焼結体Info
- Publication number
- JPH08170156A JPH08170156A JP31142894A JP31142894A JPH08170156A JP H08170156 A JPH08170156 A JP H08170156A JP 31142894 A JP31142894 A JP 31142894A JP 31142894 A JP31142894 A JP 31142894A JP H08170156 A JPH08170156 A JP H08170156A
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- JP
- Japan
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- sintered
- resultant
- steel
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 C:0.08〜0.3重量%、Si:1重量
%以下、Mn:2重量%以下、Cr:2〜4重量%、N
i:0.5〜4重量%、残部Fe及び不可避不純物から
なり、焼結密度が95%以上である鋼焼結体。また、表
面硬度がHRA76以上である上記鋼焼結体。 【効果】 強度、耐摩耗性及び靭性に優れる。
%以下、Mn:2重量%以下、Cr:2〜4重量%、N
i:0.5〜4重量%、残部Fe及び不可避不純物から
なり、焼結密度が95%以上である鋼焼結体。また、表
面硬度がHRA76以上である上記鋼焼結体。 【効果】 強度、耐摩耗性及び靭性に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、強度、靭性
に優れた鋼焼結体に関する。
に優れた鋼焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼焼結体は、各種装置、物品の部品等に
用いられている。この鋼焼結体は、金属や合金の粉末を
原料として、原料粉末を射出成形、プレス成形などによ
り成形し、成形体を焼結して製造される。近年、例えば
自転車用、ミシン用に用いる、耐摩耗性、強度、靭性に
優れた鋼焼結体の需要が増加している。
用いられている。この鋼焼結体は、金属や合金の粉末を
原料として、原料粉末を射出成形、プレス成形などによ
り成形し、成形体を焼結して製造される。近年、例えば
自転車用、ミシン用に用いる、耐摩耗性、強度、靭性に
優れた鋼焼結体の需要が増加している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の鋼焼結
体は、耐摩耗性、強度、靭性のいずれにも優れるものが
なかった。そこで本発明は、耐摩耗性、強度、靭性とも
に優れた鋼焼結体を提供することを目的とする。
体は、耐摩耗性、強度、靭性のいずれにも優れるものが
なかった。そこで本発明は、耐摩耗性、強度、靭性とも
に優れた鋼焼結体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の鋼焼結体は、
C:0.08〜0.3重量%、Si:1重量%以下、M
n:2重量%以下、Cr:2〜4重量%、Ni:0.5
〜4重量%、残部Fe及び不可避不純物からなり、焼結
密度が95%以上である点に特徴がある。
C:0.08〜0.3重量%、Si:1重量%以下、M
n:2重量%以下、Cr:2〜4重量%、Ni:0.5
〜4重量%、残部Fe及び不可避不純物からなり、焼結
密度が95%以上である点に特徴がある。
【0005】また、本発明の他の鋼焼結体は、上記特徴
の他に、表面硬度がHRA76以上である点に特徴があ
る。
の他に、表面硬度がHRA76以上である点に特徴があ
る。
【0006】
【作用】従来の構造用合金鋼ではCrが2.00重量%
以下添加されていたのに対し、本発明の鋼焼結体ではC
rを2〜4重量%添加する。これは、合金工具鋼のCr
添加量の範囲に入る。従来、構造用合金鋼を合金工具鋼
なみのCr添加量とすると、浸炭焼入処理による表面硬
化が生じにくいと考えられた。しかし、本発明の組成の
鋼焼結体は、浸炭硬化が深部まで及び、HRA76以上
の表面硬度が得られ、高い靭性も得られることがわかっ
た。
以下添加されていたのに対し、本発明の鋼焼結体ではC
rを2〜4重量%添加する。これは、合金工具鋼のCr
添加量の範囲に入る。従来、構造用合金鋼を合金工具鋼
なみのCr添加量とすると、浸炭焼入処理による表面硬
化が生じにくいと考えられた。しかし、本発明の組成の
鋼焼結体は、浸炭硬化が深部まで及び、HRA76以上
の表面硬度が得られ、高い靭性も得られることがわかっ
た。
【0007】Crはあまり多くすることは経済上好まし
くない。Cが、0.3重量%を超えると靭性が低下し、
0.08重量%未満であると、強度が著しく低下する。
Niは靭性、とりわけ疲労強度を高める効果があるが、
0.5重量%未満ではこの効果は小さく、あまり多くす
ることは経済上好ましくない。焼入性改善のため、Si
1重量%以下、Mn2重量%以下の範囲内で含有させて
良い。
くない。Cが、0.3重量%を超えると靭性が低下し、
0.08重量%未満であると、強度が著しく低下する。
Niは靭性、とりわけ疲労強度を高める効果があるが、
0.5重量%未満ではこの効果は小さく、あまり多くす
ることは経済上好ましくない。焼入性改善のため、Si
1重量%以下、Mn2重量%以下の範囲内で含有させて
良い。
【0008】焼結密度が95%以上であることを必要と
したのは、95%未満では表面処理の作用が芯部まで進
みすぎるため、満足な靭性が得られないからである。こ
こで芯部とは、表面硬化処理の作用が及んでいない部分
である。
したのは、95%未満では表面処理の作用が芯部まで進
みすぎるため、満足な靭性が得られないからである。こ
こで芯部とは、表面硬化処理の作用が及んでいない部分
である。
【0009】また、請求項2に記載の鋼焼結体におい
て、表面硬さをHRA76以上であるとしたのは、HR
A76未満では十分な耐摩耗性が得られないためであ
る。
て、表面硬さをHRA76以上であるとしたのは、HR
A76未満では十分な耐摩耗性が得られないためであ
る。
【0010】本発明の鋼焼結体は、次のような方法で製
造することができる。即ち、金属粉末または/及び合金
粉末を所望の組成となる割合に配合し、平均粒径3〜4
0μmの鋼粉末として調整する。次にこの鋼粉末を、そ
のままプレス成形したり、またはバインダーと混練して
射出成形した後脱バインダーしたりして、成形体を得、
この成形体を焼結する。得られた焼結体に、公知の浸炭
焼入、浸炭窒化などの表面硬化処理を施すことで、表面
硬さをHRA76以上とすることができる。
造することができる。即ち、金属粉末または/及び合金
粉末を所望の組成となる割合に配合し、平均粒径3〜4
0μmの鋼粉末として調整する。次にこの鋼粉末を、そ
のままプレス成形したり、またはバインダーと混練して
射出成形した後脱バインダーしたりして、成形体を得、
この成形体を焼結する。得られた焼結体に、公知の浸炭
焼入、浸炭窒化などの表面硬化処理を施すことで、表面
硬さをHRA76以上とすることができる。
【0011】
実施例1 ・・・ 原料には、化学組成がC:0.30
重量%、Si:0.80重量%、Mn:0.30重量
%、Cr:3.00%、Ni:3.50重量%、残部F
e及び不可避不純物である平均粒径20μmのガスアト
マイズ鋼粉末を用い、バインダーには、低密度ポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体及びステアリン酸を
重量比 3:1:1 でブレンドしたものを用いた。こ
れら原料粉末とバインダーとを重量比92:8で混練し
た。
重量%、Si:0.80重量%、Mn:0.30重量
%、Cr:3.00%、Ni:3.50重量%、残部F
e及び不可避不純物である平均粒径20μmのガスアト
マイズ鋼粉末を用い、バインダーには、低密度ポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体及びステアリン酸を
重量比 3:1:1 でブレンドしたものを用いた。こ
れら原料粉末とバインダーとを重量比92:8で混練し
た。
【0012】この混練物をペレット状に造粒し、厚さ5
mmのテストピースを射出成形した。射出圧は100M
Pa、射出温度は160℃とした。次にこのテストピー
スを、窒素雰囲気中で室温から450℃まで20℃/時
の昇温速度で昇温し、熱分解による脱バインダーを行っ
た。更に、脱バインダーした成形体を真空焼結炉に挿入
し、真空雰囲気中10℃/分の昇温速度で1300℃ま
で加熱し、1300℃で1時間保持した。その後、焼結
体を1100℃まで炉冷し、次に窒素を炉内に導入して
強制冷却した。
mmのテストピースを射出成形した。射出圧は100M
Pa、射出温度は160℃とした。次にこのテストピー
スを、窒素雰囲気中で室温から450℃まで20℃/時
の昇温速度で昇温し、熱分解による脱バインダーを行っ
た。更に、脱バインダーした成形体を真空焼結炉に挿入
し、真空雰囲気中10℃/分の昇温速度で1300℃ま
で加熱し、1300℃で1時間保持した。その後、焼結
体を1100℃まで炉冷し、次に窒素を炉内に導入して
強制冷却した。
【0013】上記焼結体には、更に、変成ブタンガス中
で930℃まで加熱し、その温度に4時間保持した後、
油冷する浸炭焼入処理を施した。
で930℃まで加熱し、その温度に4時間保持した後、
油冷する浸炭焼入処理を施した。
【0014】このようにして表面硬化した焼結体につい
て、(1)化学分析、(2)相対密度の測定、(3)表
面硬度の測定、(4)引張強度の測定、(5)伸びの測
定、(6)疲労強度の測定、(7)軟X線による欠陥検
査を行った。(4)引張強度の測定、及び、(5)伸び
の測定は、JIS G4103で規定された引張試験片
14号Bに従った。(6)疲労強度の測定は、JIS
Z 2275の規定に従いPWO式平面曲げ疲労試験機
を使用して行った。このうち(1)〜(6)の結果を表
1に示す。
て、(1)化学分析、(2)相対密度の測定、(3)表
面硬度の測定、(4)引張強度の測定、(5)伸びの測
定、(6)疲労強度の測定、(7)軟X線による欠陥検
査を行った。(4)引張強度の測定、及び、(5)伸び
の測定は、JIS G4103で規定された引張試験片
14号Bに従った。(6)疲労強度の測定は、JIS
Z 2275の規定に従いPWO式平面曲げ疲労試験機
を使用して行った。このうち(1)〜(6)の結果を表
1に示す。
【0015】
【表1】 実施例2 ・・・ 使用したガスアトマイズ鋼粉末の化
学組成が、C:0.15重量%であること以外は、実施
例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
学組成が、C:0.15重量%であること以外は、実施
例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0016】比較例1〜5 ・・・ 使用したガスアト
マイズ鋼粉末の化学組成が、C:0.03重量%(比較
例1)、C:0.80重量%(比較例2)、Cr:1.
0重量%(比較例3)、Cr:6.0重量%(比較例
4)、Ni0.40重量%(比較例5)であること以外
は、実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
マイズ鋼粉末の化学組成が、C:0.03重量%(比較
例1)、C:0.80重量%(比較例2)、Cr:1.
0重量%(比較例3)、Cr:6.0重量%(比較例
4)、Ni0.40重量%(比較例5)であること以外
は、実施例1と同様に試験した。結果を表1に示す。
【0017】比較例6 ・・・ 焼結温度を1100℃
とし、相対密度92%の焼結体を得たこと以外は、実施
例1と同様に試験した。結果を表1に示す。なお、
(6)軟X線による欠陥検査では、実施例1、2、比較
例1〜6でいずれも欠陥は認められなかった。
とし、相対密度92%の焼結体を得たこと以外は、実施
例1と同様に試験した。結果を表1に示す。なお、
(6)軟X線による欠陥検査では、実施例1、2、比較
例1〜6でいずれも欠陥は認められなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、強度、耐摩耗性及び靭
性に優れた鋼焼結体が提供できる。
性に優れた鋼焼結体が提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 C:0.08〜0.3重量%、Si:1
重量%以下、Mn:2重量%以下、Cr:2〜4重量
%、Ni:0.5〜4重量%、残部Fe及び不可避不純
物からなり、焼結密度が95%以上であることを特徴と
する鋼焼結体。 - 【請求項2】 表面硬度がHRA76以上である請求項
1に記載の鋼焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31142894A JPH08170156A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 鋼焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31142894A JPH08170156A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 鋼焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08170156A true JPH08170156A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=18017094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31142894A Pending JPH08170156A (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 鋼焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08170156A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017206753A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | 株式会社豊田中央研究所 | 浸炭用焼結鋼、浸炭焼結部材およびそれらの製造方法 |
-
1994
- 1994-12-15 JP JP31142894A patent/JPH08170156A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017206753A (ja) * | 2016-05-20 | 2017-11-24 | 株式会社豊田中央研究所 | 浸炭用焼結鋼、浸炭焼結部材およびそれらの製造方法 |
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