JPH07292447A - 鋼焼結体 - Google Patents
鋼焼結体Info
- Publication number
- JPH07292447A JPH07292447A JP8900694A JP8900694A JPH07292447A JP H07292447 A JPH07292447 A JP H07292447A JP 8900694 A JP8900694 A JP 8900694A JP 8900694 A JP8900694 A JP 8900694A JP H07292447 A JPH07292447 A JP H07292447A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sintered body
- weight
- steel sintered
- toughness
- relative density
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐摩耗性、強度、靱性に優れた鋼焼結体を提
供する。 【構成】 C0.15〜0.5重量%、Cr8〜11重
量%、Ni5〜8重量%、Mo1〜2重量%、残部Fe
及び不可避不純物からなり、相対密度が95%以上であ
る鋼焼結体。
供する。 【構成】 C0.15〜0.5重量%、Cr8〜11重
量%、Ni5〜8重量%、Mo1〜2重量%、残部Fe
及び不可避不純物からなり、相対密度が95%以上であ
る鋼焼結体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば自転車、ミシン等
の部品として好適の、耐摩耗性、強度、靱性に優れた鋼
焼結体に関する。
の部品として好適の、耐摩耗性、強度、靱性に優れた鋼
焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車、ミシン等の部品の一部に低クロ
ム鋼構造用合金鋼製のものが使用されており、この部品
は通常ロストワックス法により製造されている。この合
金鋼の粉末を用いて、射出成形、プレス成形などで成形
した後焼結する粉末冶金法は、少量多品種の部品製造に
適するが、このようにして得られた鋼焼結体は相対密度
が94%以下で、耐摩耗性、強度及び靱性が溶製品に比
べて著るしく劣っている。
ム鋼構造用合金鋼製のものが使用されており、この部品
は通常ロストワックス法により製造されている。この合
金鋼の粉末を用いて、射出成形、プレス成形などで成形
した後焼結する粉末冶金法は、少量多品種の部品製造に
適するが、このようにして得られた鋼焼結体は相対密度
が94%以下で、耐摩耗性、強度及び靱性が溶製品に比
べて著るしく劣っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐摩
耗性、強度、靱性が前記従来の溶製品と同等程度の特性
を有する鋼焼結体を提供することにある。
耗性、強度、靱性が前記従来の溶製品と同等程度の特性
を有する鋼焼結体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の鋼焼結体は、C0.15〜0.5重量%、Cr
8〜11重量%、Ni5〜8重量%、Mo1〜2重量
%、残部Fe及び不可避不純物からなり、相対密度が9
5%以上である点に特徴がある。
本発明の鋼焼結体は、C0.15〜0.5重量%、Cr
8〜11重量%、Ni5〜8重量%、Mo1〜2重量
%、残部Fe及び不可避不純物からなり、相対密度が9
5%以上である点に特徴がある。
【0005】
【作用】Cは多くなるに従って強度が向上するがあまり
多くなると靱性を低下せしめるので0.15〜0.5重
量%とする必要がある。Crは8重量%以上の含有で強
度、靱性に効果があるが、あまり多くすることは経済的
でなく、8〜11重量%で充分である。Niは靱性を高
める効果があるが、5重量%未満ではこの効果が小さ
く、8重量%を超えると浸炭硬化を著るしく阻害するた
め十分な硬度が得られなくなるので、5〜8重量%とす
る必要がある。Moは1重量%以上含有せしめれば強
度、靱性の改善に寄与するが、多量に含有せしめること
は不経済であり、1〜2重量%で充分である。本発明の
鋼焼結体には焼入性改善のためSi1重量%以下、Mn
2重量%以下の範囲内で含有せしめて差し支えない。
多くなると靱性を低下せしめるので0.15〜0.5重
量%とする必要がある。Crは8重量%以上の含有で強
度、靱性に効果があるが、あまり多くすることは経済的
でなく、8〜11重量%で充分である。Niは靱性を高
める効果があるが、5重量%未満ではこの効果が小さ
く、8重量%を超えると浸炭硬化を著るしく阻害するた
め十分な硬度が得られなくなるので、5〜8重量%とす
る必要がある。Moは1重量%以上含有せしめれば強
度、靱性の改善に寄与するが、多量に含有せしめること
は不経済であり、1〜2重量%で充分である。本発明の
鋼焼結体には焼入性改善のためSi1重量%以下、Mn
2重量%以下の範囲内で含有せしめて差し支えない。
【0006】又、本発明の鋼焼結体は相対密度が95%
以上である必要がある。95%未満では浸炭焼入、浸炭
窒化などの浸炭硬化処理の作用が芯部まで進み、靱性が
低下するからである。
以上である必要がある。95%未満では浸炭焼入、浸炭
窒化などの浸炭硬化処理の作用が芯部まで進み、靱性が
低下するからである。
【0007】このような本発明の鋼焼結体は次のように
製造できる。即ち、金属粉、合金粉を所定の組成になる
ように配合し、平均粒径3〜40μmの混合粉を得、こ
の混合粉を直接プレス成形し、またはバインダーと混練
して射出成形後脱バインダーし、得られた成形体を焼結
する。この焼結は相対密度95%以上となるように温度
と時間を適宜選択する。
製造できる。即ち、金属粉、合金粉を所定の組成になる
ように配合し、平均粒径3〜40μmの混合粉を得、こ
の混合粉を直接プレス成形し、またはバインダーと混練
して射出成形後脱バインダーし、得られた成形体を焼結
する。この焼結は相対密度95%以上となるように温度
と時間を適宜選択する。
【0008】得られた焼結体に公知の浸炭焼入、浸炭窒
化などの表面硬化を施せば、表面硬度HR Cを45以上
にでき、芯部の硬化のない靱性の優れた焼結体を得るこ
とができる。表面硬度HR Cが45未満では耐摩耗性が
不足する。
化などの表面硬化を施せば、表面硬度HR Cを45以上
にでき、芯部の硬化のない靱性の優れた焼結体を得るこ
とができる。表面硬度HR Cが45未満では耐摩耗性が
不足する。
【0009】
【実施例】実験No.1…C0.50重量%、Cr9.
0重量%、Mo1.50重量%、Si0.80重量%、
Mn0.30重量%を含む平均粒径20μmの合金鋼粉
末とカーボニルニッケル粉末を、Niが6.00重量%
となるように配合してボールミルで混合し、原料粉末と
した。
0重量%、Mo1.50重量%、Si0.80重量%、
Mn0.30重量%を含む平均粒径20μmの合金鋼粉
末とカーボニルニッケル粉末を、Niが6.00重量%
となるように配合してボールミルで混合し、原料粉末と
した。
【0010】この原料粉末と、低密度ポリエチレン、エ
チレン酢酸ビニル共重合体及びステアリン酸を重量比
3:1:1でブレンドしたバインダーとを、重量比9
2:8で配合し、混練した。
チレン酢酸ビニル共重合体及びステアリン酸を重量比
3:1:1でブレンドしたバインダーとを、重量比9
2:8で配合し、混練した。
【0011】この混練物をペレット状に造粒し、5×5
×20mmのテストピースを射出成形した(射出圧:1
00MPa、射出温度160℃)。次にテストピースを
窒素雰囲気中で450℃まで20℃/時の昇温速度で加
熱し、脱バインダーを行った。
×20mmのテストピースを射出成形した(射出圧:1
00MPa、射出温度160℃)。次にテストピースを
窒素雰囲気中で450℃まで20℃/時の昇温速度で加
熱し、脱バインダーを行った。
【0012】脱バインダーした成形体を450℃に保持
した真空焼結炉に装入し、1×10-1Paの真空にした
後10℃/分の昇温速度で1300℃に加熱し、130
0℃で1時間保持した。その後温度を1100℃まで1
0℃/分で降温し、次いで窒素を炉内に導入して強制冷
却した。
した真空焼結炉に装入し、1×10-1Paの真空にした
後10℃/分の昇温速度で1300℃に加熱し、130
0℃で1時間保持した。その後温度を1100℃まで1
0℃/分で降温し、次いで窒素を炉内に導入して強制冷
却した。
【0013】得られた焼結体は更に、変性ブタンガス中
で930℃まで加熱し、4時間保持した後、油冷する浸
炭焼入処理を施した。
で930℃まで加熱し、4時間保持した後、油冷する浸
炭焼入処理を施した。
【0014】表面硬化した焼結体について化学分析に供
し、又、相対密度、表面硬度、引張強度及び伸びを測定
した。結果を表1に示す。尚JIS G4103に規定
される引張試験片14号Bによって、軟X線による欠陥
検査を行ったが、欠陥は発見されなかった。以下の実験
全てにおいても欠陥は認められなかった。
し、又、相対密度、表面硬度、引張強度及び伸びを測定
した。結果を表1に示す。尚JIS G4103に規定
される引張試験片14号Bによって、軟X線による欠陥
検査を行ったが、欠陥は発見されなかった。以下の実験
全てにおいても欠陥は認められなかった。
【0015】実験No.2…Cが0.20重量%である
以外は実験No.1と同じである合金鋼粉末を用い、実
験No.1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
以外は実験No.1と同じである合金鋼粉末を用い、実
験No.1と同様の実験を行った。結果を表1に示す。
【0016】実験No.3〜6…それぞれCが0.03
重量%、0.80重量%、Niが0.5重量%、10.
0重量%である以外は実験No.1と同じである合金鋼
粉末を用い、実験No.1と同様の実験を行った。結果
を表1に示す。
重量%、0.80重量%、Niが0.5重量%、10.
0重量%である以外は実験No.1と同じである合金鋼
粉末を用い、実験No.1と同様の実験を行った。結果
を表1に示す。
【0017】実験No.7…焼結温度を1100℃にし
た以外は実験No.1と同様の実験を行った。結果を表
1に示す。
た以外は実験No.1と同様の実験を行った。結果を表
1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1から、Cが0.15重量未満では硬度
及び強度が不足し、0.5重量%を超えると伸びが小さ
くなって靱性が不足すること、Niが5重量%未満では
伸びが小さく靱性が不足し、8重量%を超えると伸びは
改善されるが表面硬度が低下すること、又、焼結温度が
低いと密度、硬度、強度及び伸びが共に不充分となるこ
とが分る。
及び強度が不足し、0.5重量%を超えると伸びが小さ
くなって靱性が不足すること、Niが5重量%未満では
伸びが小さく靱性が不足し、8重量%を超えると伸びは
改善されるが表面硬度が低下すること、又、焼結温度が
低いと密度、硬度、強度及び伸びが共に不充分となるこ
とが分る。
【0020】
【発明の効果】本発明により耐摩耗性、強度、靱性に優
れた鋼焼結体を得ることができた。これにより従来溶製
品であった機械部品を焼結品に変更することが可能とな
り、多品種少量の生産に対応できるようになった。
れた鋼焼結体を得ることができた。これにより従来溶製
品であった機械部品を焼結品に変更することが可能とな
り、多品種少量の生産に対応できるようになった。
Claims (2)
- 【請求項1】 C0.15〜0.5重量%、Cr8〜1
1重量%、Ni5〜8重量%、Mo1〜2重量%、残部
Fe及び不可避不純物からなり、相対密度が95%以上
である鋼焼結体。 - 【請求項2】 表面硬度がHR C45以上である請求項
1の鋼焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8900694A JPH07292447A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 鋼焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8900694A JPH07292447A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 鋼焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07292447A true JPH07292447A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=13958766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8900694A Pending JPH07292447A (ja) | 1994-04-27 | 1994-04-27 | 鋼焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07292447A (ja) |
-
1994
- 1994-04-27 JP JP8900694A patent/JPH07292447A/ja active Pending
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