JPH08168750A - 動植物細片の処理方法、及び、処理装置 - Google Patents

動植物細片の処理方法、及び、処理装置

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JPH08168750A
JPH08168750A JP6339434A JP33943494A JPH08168750A JP H08168750 A JPH08168750 A JP H08168750A JP 6339434 A JP6339434 A JP 6339434A JP 33943494 A JP33943494 A JP 33943494A JP H08168750 A JPH08168750 A JP H08168750A
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plants
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JP6339434A
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Kazuo Watanabe
一男 渡辺
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SANRIKU KOGYO KK
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/20Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses

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  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】厨房、食品工場、農場、庭園等で発生する野菜
屑や食肉屑等の動植物細片を、僅かな設備投資で、圧搾
する場合よりも、更に多量の水分を除去して、残存物の
量を非常に少なくする方法と装置を提供する。 【構成】野菜屑や食肉屑等の動植物細片を、圧力容器に
入れ密閉し、湿潤状態で144〜175℃、ゲージ圧で
3〜8kg/cmに加熱・加圧して、5分以上蒸煮処
理した後、圧力容器から急激に大気圧下に排出して、動
植物組織内の水分を瞬時に気化爆発させて、動植物細片
を破砕し、その中の水分を水蒸気として除去することを
特徴とする動植物細片の処理方法、及び、処理装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭や料理店やホテル
等の厨房、及び、加工食品製造工場等から出る野菜屑や
畜肉屑や魚肉屑、畠から野菜等の作物を収穫した時に廃
棄される葉や皮等の植物屑、草花の出荷の際に発生する
植物屑、芝生を刈るとき発生する芝屑等の一般に廃棄物
と呼ばれる動植物細片(以下単に「動植物細片」とい
う)の処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、農家では、稲の収穫の際に廃棄さ
れる稲の茎や葉は、稲藁として俵や筵等の加工品の材料
に使用される他は、牛馬等の家畜の糞尿とともに微生物
により発酵させて堆肥を製造するため使用されてきた。
そして、畠から出る作物の葉等の植物屑や農家の厨房か
ら出る野菜屑も、家畜の餌として利用されて間接的に、
又は、直接、堆肥の材料の一つとして利用されてきた。
従って、家庭の厨房や加工食品製造工場等から出る動植
物細片も、堆肥の材料として利用することがよいように
考えられる。しかしながら、堆肥の製造には、堆肥を堆
積させておく土地と、十分発酵するまでに長い期間とを
必要とするだけではなく、堆肥の発酵の際に悪臭が発生
し、更に、夏期には蝿等が発生する等不衛生であるの
で、住宅地の近傍では、堆肥を製造することは困難であ
る。
【0003】このような事情から、現在では、家庭の厨
房等から出る動植物細片は、生ゴミとして袋に詰めてゴ
ミ置場に出され、公的機関により回収し収集されて、公
立のゴミ処理場で、他の可燃物と一緒に焼却している。
しかしながら、増加するゴミの量に、ゴミの運搬、及
び、ゴミ処理場の能力が追いつかず、ゴミの減量が社会
的問題として叫ばれている。また、水分の極めて多い動
植物細片を、そのまま燃料を使って焼却することも、エ
ネルギーの有効利用という点から問題とされている。
【0004】このような生ゴミの問題を解決するため
に、多くの発明がなされてきた。例えば、下水道の普及
とともに、家庭の流台の排出孔にディスポーザーを取り
付け、動植物細片を微粉砕して、排水と一緒に流す方法
が考えられた。しかしながら、この方法では、排水中の
有機物濃度が高くなり、排水の量も多くなって、排水処
理場の負荷が増大し、それに対処するため膨大な公共設
備投資が必要になるという問題が発生する。
【0005】このように、生ゴミを水で希釈すると、か
えって、その処理が困難になるという点に着目して、そ
の逆に、生ゴミ、即ち、動植物細片の発生場所、特に多
量の食品屑が発生する食品工場等の近くで、動植物細片
を効率的に濃縮処理して、処理後の残存物の量を減らす
ことも考えられる。その方法として、一般に、動植物細
片は、その重量の約90%が水であることから、この水
を圧搾して絞り出すことが考えられる。しかしながら、
圧力をかけて搾り出しても、完全に水を搾り出すことは
できず、せいぜい、これらの動植物細片の重量を半分程
度に減らすことしかできない。また、搾り出した排水
も、着色したり、悪臭を放ったりすることが多く、その
処理が問題となる。
【0006】一方、とうもろこしや米等を加熱・加圧し
た後、急激に大気中に排出して、多孔質化する現象は、
膨化現象として知られ、ポップコーンやポン煎餅等の菓
子の製造に利用されている。更に、特平開1−2185
70号公報には、粉砕した丸大豆と脱脂加工大豆とを混
合し、水分調整したのち圧力4〜8kg/cm・Gで
20〜180秒間加圧加熱後急激に、より低圧下に放出
して膨化処理したものを使用して醤油を製造する方法が
開示されている。しかしながら、この膨化現象は、主と
して、食品業界において、特に、穀類を多孔質化するた
めに利用されているに過ぎなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する第1の課題は、大型の公共の塵処理場だけでなく、
レストランやホテルや食品工場やゴルフ場等であって
も、僅かな設備投資で適用できるものであって、動植物
細片から、圧搾する場合よりも、更に多量の水分を除去
して、残存物の量をより少なくする方法と装置を提供す
ることにあり、第2の課題は、単に残存物の量をより少
なくするだけではなく、その残存物を他に利用可能なも
のとする方法と装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
課題を解決するため、厨房、食品工場、農場、庭園等で
発生する野菜屑や畜肉屑等の動植物細片を、そのまま、
又は、必要に応じて予め圧縮して軽く脱水した後、圧力
容器に入れ密封し、湿潤状態で144〜175℃、ゲー
ジ圧3〜8kg/cmに加熱・加圧して、5分以上蒸
煮処理した後、圧力容器から急激に大気圧下に排出し
て、動植物組織内の水分を瞬時に気化爆発させて、動植
物細片を破砕して、その中の水分を水蒸気として除去す
ることを特徴とする動植物細片の処理方法(以下「第1
発明」という)、及び、野菜屑や畜肉屑等の動植物細片
を投入するための供給バルブ、処理された内容物を排出
するための排出バルブ、及び、圧力計を備えた圧力容
器、並びに、この圧力容器を加熱するための加熱装置か
らなることを特徴とする第1発明に係わる方法を実施す
るため使用する動植物細片の処理装置(以下「第2発
明」という)を提供する。
【0009】本発明における動植物細片とは、家庭や料
理店やホテル等の厨房、及び、加工食品製造工場等から
出る野菜屑や畜肉屑や魚肉屑、畠から野菜等の作物を収
穫した時に廃棄される葉や皮等の植物屑、草花の出荷の
際に発生する植物屑、芝生を刈るとき発生する芝屑等を
いい、未乾燥の水分を含んだ生の動植物組織の細片であ
って、加熱・加圧処理後、大気圧下に排出された時に、
その水蒸気圧で動植物組織を破砕することができるほど
の量の水分を含んでいるものであれば、どのような動植
物体の断片でもよい。一方、レストラン等の厨房等から
は、魚の骨や頭や尾等も混入されて排出される。これら
は、本発明に係わる方法による作用は受け難いが、処理
に当たって混入されてもよい。厨房から出される野菜屑
や畜肉屑や魚肉屑の他に、具体的には、食品工場から出
るものとしては、もやしの根、果物の皮等が含まれ、農
家から出るものとしては、柿等の果物の皮等や花期を過
ぎた草花等が含まれる。これらの動植物細片は、多くの
場合は、小さく裁断された状態になっているが、花期を
過ぎた草花のように、圧力容器に入れるため小さく裁断
することが必要になる場合もある。また、もやしのよう
に非常に水分の多いものの場合は、予め、圧搾して軽く
水分を除いた方が効率的な場合もある。
【0010】密閉容器中において湿潤状態で144〜1
75℃、ゲージ圧3〜8kg/cmに加熱・加圧し
て、5分以上蒸煮するのは、動植物組織中に存在する膜
や細胞壁等のような剛組織や細胞膜を軟らかくすると同
時に、細胞質等のコロイド状蛋白質を変成させて、水を
分離し易くするためである。従って、動植物組織を構成
する剛組織が硬いものほど高温で長時間蒸煮することが
必要になる。一般に、動植物細片は、乾燥するほど剛組
織が硬くなり、組織内の水分も少なくなる。従って、乾
燥し始めた動植物細片は、前処理として、水に漬けて剛
組織を軟らかくし、組織内に水を吸わせた方がよい場合
もある。また、動植物細片の寸法は、小さいほど、短時
間で中心部まで加熱されるので、好ましい。加熱温度
は、144℃(ゲージ圧3kg/cm)未満である
と、硬い剛組織を有するものでは、蒸煮時間がかなり長
くなり、実用的でなくなる。また、大気圧下に噴射した
場合の爆発力も弱くなり、組織を破砕することができな
くなる。また、蒸煮時間は、一応、実用的には、10分
以内であることが好ましく、また、10分以内の処理
で、充分な爆発力が得られることが好ましい。一方、1
75℃を超えると、内圧が、ゲージ圧で8kg/cm
を超え、高くなり過ぎて、設備費も嵩み、安全上の問題
も生じてくるので、好ましくない。このような観点か
ら、最も好ましい範囲は、ゲージ圧で4〜6kg/cm
、温度で151〜165℃の範囲である。
【0011】密閉容器から急激に大気圧下に排出するの
は、ゲージ圧3〜8kg/cm、144〜175℃
で、まだ液体になっている組織内の水を瞬時に気化さ
せ、組織を爆発させて、動植物細片を破砕するためであ
る。従って、高圧、高温であるほど、また、水分が多い
ほど爆発力が大きくなる。また、剛組織の破れが少ない
ほど爆発力が強くなる。従って、予め、動植物細片を、
圧搾して水分を搾り出すことは、加熱エネルギーの節約
になるが、水分を搾り出し過ぎると、爆発力が低くなる
と同時に、剛組織に破れが生じるおそれがあるので、好
ましくない。また、動植物体細片の寸法は、小さい方
が、効率的に微粉砕される点で、好ましいが、多くの場
合において、前処理として細かく裁断する必要もない。
通常、厚さや直径が5mm以下で、容積が1cm以下
であれば、問題はない。
【0012】このような方法により、水蒸気として約9
0%の水分を除去することができ、得られた残存物は、
非常に微細で、水分が非常に低く、量も非常に少なくな
っているので、運搬に便利になっている。そして、物に
よっては、そのまま、ピートモスのような土壌改良材と
して使用することができ、また、無酸素状態で、加熱し
炭化すると、更に優れた土壌改良材や汚水処理剤や脱臭
剤等として使用することができる。
【0013】第2発明に係わる処理装置は、動植物細片
を投入するための供給バルブ、処理された内容物を排出
するための排出バルブ、及び、圧力計を備えた圧力容
器、並びに、この圧力容器を加熱するための加熱装置か
らなっている。この供給バルブは、動植物細片等の固形
物を挿入でき、10kg/cm以上の耐圧性があるも
のであればどのようなものでもよい。構造が最も簡単な
ものには、圧力容器のフランジにパッキングを介して耐
圧蓋をねじで固定するようなものがある。また、操作が
最も簡単なものには、ボールバルブ等がある。排出バル
ブは、圧力容器の内容物を、中の圧力で急速に排出で
き、10kg/cm以上の耐圧性があるものであれば
どのようなものでもよい。一般には、ボールバルブ等が
利用される。圧力計は、中の圧力を測定するものである
が、更に、検出した圧力によって、自動的に圧力容器の
温度を調整したり、一定圧力以上になったら警報を発し
たりするような制御装置が付いていることが好ましい。
圧力容器は、10kg/cm以上の耐圧性があるもの
であれば、どのようなものでもよいが、内容物を排出し
た時に残る部分が少なくなるように、なるべく構造が簡
単な方がよい。一般的には、円筒形の容器が用いられ、
その上部には、フランジと蓋、又は、供給用のボールバ
ルブが設けられ、底部に漏斗状の底が設けられ、その最
下部に排出用のボールバルブが設けられる。この圧力容
器を加熱する装置には、最も簡単なものとして電熱器が
ある。また、連続使用に便利なものとして油加熱装置が
ある。内部に加圧蒸気を吹き込み加熱する方法もある
が、別に加圧蒸気発生装置を準備するため設備投資が嵩
むという問題がある。
【0014】この装置の供給バルブの前には、通常ホッ
パーが設置されるが、このポッパーでは、投入する動植
物細片を予熱することが好ましい。また、圧力容器に
は、安全弁や、動植物細片を挿入する際のエアを抜くた
め、また、内部の圧力が上がり過ぎた時に内部の空気を
抜くしためのエア抜きを設けることが好ましい。また、
排出バルブの後には、爆発室を設け、破砕片が四方に飛
び散らないようにすることが好ましい。更に、この爆発
室の上部には排気ダクトを設け、必要に応じて脱臭、滅
菌装置等に導くことが好ましい。
【0015】
【作用】一般に、植物組織は細胞壁等で仕切られ、ま
た、動物組織は各種の膜等で仕切られていて、その内部
は、通常の動植物細胞で満たされている。そして、動植
物組織内では、細胞間を比較的自由に移動できる水があ
り、細胞内には、蛋白質と結びついてコロイド状の細胞
質を形成している水がある。この細胞質には、多量の水
が含まれ、その平均的な組成は、水85%、蛋白質10
%、脂肪2%、その他の有機物1.5%、無機物1.5
%となっている。そして、一般には、圧搾等の機械的な
方法では、細胞間を自由に移動できる水は、比較的容易
に搾りとることができるが、細胞内のコロイドを形成し
ている水は、搾り出すのは非常に困難であると考えられ
る。しかしながら、本発明に係わる方法では、密閉容器
中で湿潤状態で144〜175℃、ゲージ圧3〜8kg
/cmに加熱・加圧して、5分以上蒸煮しているの
で、細胞壁等の剛組織が軟化されると同時に、細胞内の
コロイドを形成する蛋白質が変成して水を分離し易くな
っているものと推定される。このような推定は、野菜や
肉等を料理した時の変化によっても裏付けられる。更
に、本発明では、このような状態になっている動植物細
片を、急激に大気圧下に排出するので、自由に移動でき
る水だけでなく、機械的には搾り出せなかった細胞内の
水まで、一気に爆発的に気化し、その爆発力で細胞壁等
の剛組織や細胞膜を破砕し、大気中に蒸発するものと推
定される。
【0016】また、第2発明に係わる処理装置は、前述
のように、少なくとも、動植物細片を投入するための供
給バルブ、処理された内容物を排出するための排出バル
ブ、及び、圧力計を備えた圧力容器、並びに、この圧力
容器を加熱するための加熱装置からなっているので、動
植物細片を、高温・高圧で蒸煮処理し、それを急激に大
気圧に排出することができ、処理された動植物体細片の
組織内の水分を瞬時に気化させて、動植物細片を破砕
し、多量の水分を除去するという目的を達成することが
できる。
【0017】
【実施例】
1.動植物細片の処理方法 〔実施例1〕円筒状有底であって、上端にボルトで締め
つけられるフランジ蓋と、下端に排出用のボールバルブ
と、圧力計を有する内容積1lの鋼鉄製の圧力容器を、
予め電熱器で約100℃に予熱し、その中に500gの
もやしを入れ、フランジ蓋で密封し、更に電熱器で加熱
し、内部の圧力がゲージ圧で5kg/cmに達してか
ら、その圧力に5分間維持した後、ボールバルブを開け
て、内容物を大気中に噴射させた。得られた固形物は、
約50gで、ほぼ乾燥したものであった。
【0018】〔実施例2〕もやし1kgを、約500g
になるように、ローラー状の圧搾機にかけて50%の水
分を除去した後、その全量を、実施例1と同じように、
圧力容器に入れ、加熱し、内部の圧力がゲージ圧で5k
g/cmに達してから、5分間維持した後、ボールバ
ルブを開けて、内容物を大気中に噴射させた。得られた
固形物は、約150gで、ほぼ乾燥したものであった。
【0019】〔実施例3〕未乾燥の芝300gを、実施
例1と同じように、圧力容器に入れて、加熱し、内部の
圧力がゲージ圧で5kg/cmに達してから、5分間
維持した後、ボールバルブを開けて、内容物を大気中に
噴射させた。得られた固形物は、約30gで、ほぼ乾燥
したものであった。なお、得られたものは、嵩高でピー
トモスの代わりに使用できるものであり、更に、これを
炭化したものは、非常に微細な鱗片状のものであって、
各種の吸着剤や融雪剤として利用できるものであった。
【0020】〔実施例4〕家庭の厨房から出た野菜屑、
蓄肉屑、魚肉屑等を含む生ゴミ620gを、実施例1と
同じように、容器に入れて、加熱し、内部の圧力がゲー
ジ圧で5kg/cmに達してから、5分間維持した
後、ボールバルブを開けて、内容物を大気中に噴射させ
た。得られた固形物は、約70gで、ほぼ乾燥したもの
であった。
【0021】〔実施例5〕もやし500gを、実施例1
と同じように、容器に入れて、加熱し、内部の圧力がゲ
ージ圧で3kg/cmに達してから、10分間維持し
た後、ボールバルブを開けて、内容物を大気中に噴射さ
せた。得られた固形物は、約50gで、ほぼ乾燥したも
のであった。
【0022】〔比較例〕もやし500gを、実施例1と
同じように、容器に入れて、加熱し、内部の圧力がゲー
ジ圧で3kg/cmに達してから、4分半維持した
後、ボールバルブを開けて、内容物を大気中に噴射させ
た。得られた固形物の中には、破砕されず原形を留めた
もやしが多数認められた。
【0023】2. 動植物細片の処理装置 図1は、本発明に係わる動植物細片の処理装置の一つの
実施例を示す。図1において、便宜上、加熱装置だけ断
面で表しており、1は圧力容器、2は供給バルブ、3は
排出バルブ、4は圧力計、5は加熱装置、6はホッパ
ー、7は安全弁、8は爆発室、9は排気ダクト、10は
熱媒体容器、11は熱媒体、12は断熱材、13は熱媒
体供給バルブ、14は熱媒体排出調整バルブである。本
実施例に係わる処理装置において、圧力容器1は、さと
いも型で、本体が円筒状、上部は丸味を帯びた円錐状、
下部は丸味を帯びた漏斗状になっていて、内容物を噴出
させる際に容器内に残らないように工夫されている。供
給ハルブ2には、圧力容器1の上端のパイプと同一内径
のボールバルブが使用されており、短時間で動植物細片
を供給して、閉止後圧力容器内を高圧に維持できるよう
にしている。排出バルブ3にも、圧力容器1の下端のパ
イプと同一内径のボールバルブが使用されており、内容
物を残りなく噴出することができるようになっている。
加熱装置5は、オイルバスになっていて、熱媒体容器1
0は熱媒体11で満たされ、断熱材12で覆われてい
る。熱媒体11は、熱媒体供給バルブ13から供給さ
れ、熱媒体排出調整バルブ14から排出されるようにな
っている。熱媒体には、市販の熱媒体用のオイルが使用
され、図示されていない加熱装置で165〜170℃に
加熱されている。供給バルブ2の前にはホッパー6が設
けられている。このホッパーは、動植物細片が乾燥しな
い範囲内で、温水で約90℃に予熱できるようになって
いる。また、排出バルブ3の後には爆発室8が設けられ
ていて、その上端部に排気ダクト9が設けられている。
このダクトの先には、脱臭装置や滅菌装置をつなげるよ
うにしてある。また、熱媒体排出調整バルブ14は、圧
力計4で検出した圧力が5kg/cmに近づくにつれ
て、開度が狭くなり、5kg/cmに達すると、自動
的に閉止するようになっていて、6kg/cmに達す
ると警報音を発するようにしてある。このような処理装
置によって、動植物細片を1バッチごとに連続的に処理
することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明に係わる動植物細片の処理方法、
及び、処理装置は、前述のような構成と作用を有するの
で、大型の公共の塵処理場だけでなく、レストランやホ
テルや食品工場やゴルフ場等であっても、僅かな設備投
資で適用できるものであって、動植物細片から、圧搾す
る場合よりも、更に多量の水分を除去して、残存物の量
をより少なくすることができ、また、物によっては、単
に残存物の量をより少なくするだけではなく、その残存
物を他に利用可能なものとすることもできるものであっ
て、一般社会における衛生の向上と、食品工業等の産業
の発展とに寄与するという効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる動植物細片の処理装置
の概要を示す図である。
【符号の説明】
1.圧力容器 2. 供給バルブ 3. 排出バルブ 4. 圧力計 5. 加熱装置 6. ホッパー 7. 安全弁 8. 爆発室 9. 排出ダクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05F 9/02 D 9356−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厨房、食品工場、農場、庭園等で発生す
    る野菜屑や畜肉屑等の動植物細片を、そのまま、又は、
    必要に応じて予め圧搾して軽く脱水した後、圧力容器に
    入れ密封し、湿潤状態で144〜175℃、ゲージ圧3
    〜8kg/cmに加熱・加圧して、5分以上蒸煮処理
    した後、圧力容器から急激に大気圧下に排出して、動植
    物組織内の水分を瞬時に気化爆発させて、動植物細片を
    破砕して、その中の水分を水蒸気として除去することを
    特徴とする動植物細片の処理方法
  2. 【請求項2】 野菜屑や畜肉屑等の動植物細片を投入す
    るための供給バルブ、処理された内容物を排出するため
    の排出バルブ、及び、圧力計を備えた圧力容器、並び
    に、この圧力容器を加熱するための加熱装置からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法を実施するために使
    用する動植物細片の処理装置
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003275732A (ja) * 2002-03-25 2003-09-30 Hiroshi Shishido 未利用バイオマス・水産物ゼロエミッションのシステム
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