JPH08160675A - 湿式トナーおよびその製造方法 - Google Patents

湿式トナーおよびその製造方法

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JPH08160675A
JPH08160675A JP6299834A JP29983494A JPH08160675A JP H08160675 A JPH08160675 A JP H08160675A JP 6299834 A JP6299834 A JP 6299834A JP 29983494 A JP29983494 A JP 29983494A JP H08160675 A JPH08160675 A JP H08160675A
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JP
Japan
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resin
wet toner
pigment
yellow
toner
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JP6299834A
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English (en)
Inventor
Yoichi Higuchi
洋一 日口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湿った環境においても経時変化の少ない湿式
トナーを得る。 【構成】 樹脂粒子単独又は着色剤を含有した樹脂粒子
を液状脂肪族炭化水素中に分散した湿式トナーにおい
て、と大部分の液状脂肪族炭化水素とからなる湿式トナ
ーにおいて、湿式トナーの重量に対して0.01〜3重
量%の水分を含有している湿式トナー。 【効果】 外部の水分の吸湿による画像乱れの影響を受
けにくい湿式トナーが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式トナーおよびその
製造方法に関し、特にカルボキシル基またはエステル基
を有するオレフィン系樹脂粒子が電気絶縁性液体中に分
散してなる湿式トナーであり、微小量の水分を存在させ
ることを特徴とするものであって、情報記録用、静電印
刷用、電子写真用として適した湿式トナーおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いて、帯電した光半導
体上を露光して形成した静電濳像を現像剤によって像を
形成する方法はよく知られている。電子写真において像
形成に使用する現像剤には、乾式と湿式のトナーがあ
る。湿式トナーは、電気絶縁性液体中に分散した着色剤
などからなる粒径0.1〜10μmの現像剤粒子から構
成されており、該電気絶縁性液体中に着色剤粒子の分
散、定着、電荷制御を目的とした樹脂を溶解させたもの
が使用されている。この種の湿式トナーは、着色粒子が
小さいため解像性に優れるという長所を有している。ま
た、電子写真方式を用いて平版印刷版に画線部を形成す
る方法が、オフセット印刷による軽印刷分野において広
く用いられている。この方法は、一般に導電性の基体上
に光導電性酸化亜鉛粉末をバインダー樹脂と共に塗布し
て作製した平版印刷用原版を帯電の後に画像を露光し、
湿式トナーで潜像を現像後、定着し、更に非画線部の親
水処理を行なうことにより平版印刷版を得る方法であ
る。ところが、現像剤の定着が溶媒中に溶解した樹脂の
乾燥固着によるため刷版基板との接着性が悪く、さらに
画線部自体の凝集力が小さいため、印刷中に刷版の画線
部がとれやすく、耐刷性に弱いという欠点がある。そこ
で樹脂粒子を分散させた湿式現像剤において、その樹脂
粒子中に各種物質を含有させ、画像濃度,画質,画像流
れ,かぶり等の現像剤の物性を改良することが行われて
いる。画像特性改良に関しては、シリコーン油の添加に
よる転写画像定着性の向上や無機微粒子添加による画像
流れ防止がなされている。
【0003】また、現像剤の物性の中でも帯電特性に関
しては、トナー粒子を分散した絶縁性液体として使用す
る液状脂肪族炭化水素中の着色粒子表面の電荷、極性は
それを構成する材料の化学構造および物理的な電子準位
および電荷調整剤等によって決定されていた。以上のよ
うに、湿式現像剤は、各種の添加剤を加えることによっ
てその特性を向上させているが、得られた湿式現像剤の
特性を保持し、さらに、保存中に変化せず常に良好な画
像が形成されるようにすることが求められている。
【0004】湿式トナーにおいて、帯電特性に悪影響を
及ぼす大きな要因に含有されている水分が挙げられる。
とくに、日本の様な多湿な地域において、無含水の湿式
トナーを作製することは容易ではない。湿式トナーの各
構成材料には、吸湿性あるいは含水性を有するものがあ
り、一般には、溶媒類は乾燥剤による脱水、蒸留により
精製したものが用いられている。
【0005】また、製造した湿式トナーが保存中に空気
中の水分によって悪影響を受けてトナー特性が悪化する
こともあった。そこで、トナー特性の変化に対処するた
めに、現像工程で印加する電圧にバイアス電圧を加えて
電圧を調整をすることが行われていた。電圧の調整は、
画像かぶりをはじめとした画像特性を防ぐ上でも有効な
手段であるが、湿式トナー濃度や分散媒の抵抗率の変動
によって、画像特性に直接反映してくるので、常に現像
適正値へ保っておかなければならない。センサー等によ
ってこれを制御することも可能であるが、制御あるいは
センサー等を設けるために現像装置そのものを複雑にし
てしまうという問題があった。したがって、一般には、
現像初期に現像特性を把握し、バイアス電圧を設定する
ことが行われている。ところが、上記したように、湿度
等の変化の要因が初期設定の範囲外となった場合には、
このような方法では、十分に対処することができないと
いう問題があった。また、現像初期からバイアス電圧の
複数の値をあらかじめ予測して設定するということも困
難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、湿式トナー
において、使用初期の現像剤と使用時間が経過した現像
剤による空気中の水分の吸水による画像品質の劣化がな
く、製造工程を簡単にすることが可能であり、画像形成
能ならびに高速現像特性に優れた湿式トナーの提供およ
びその製造方法を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂の溶媒に
対する溶解度差および温度差による溶融特性の変化を利
用した樹脂造粒法により作製された湿式トナーにおいて
微量の水を存在させることによって、高温多湿環境での
現像条件下でも、空気中の水分によって現像液の導電率
をはじめとする諸特性が変化を受けることなく一定品質
の現像を可能とするものであり、さらに現像工程におい
て、初期現像バイアス設定をすることによって安定した
現像を実現することができ、頻繁にこれを修正する必要
がないようにしたものである。
【0008】すなわち、樹脂の溶媒の種類による溶解度
差および温度差による溶融特性の変化を利用した樹脂造
粒法により作製した湿式トナーは、湿式現像剤中に含ま
れる電荷制御剤やヒドロキシカルボン酸エステルをモノ
マーとする3〜10量体のポリヒドロキシカルボン酸エ
ステル等が微小量の水分によりトナー粒子表面でのイオ
ン性を増加させ、その作用によって電気二重層の厚みが
増しより安定に静電濳像を現像をするためと推測され
る。そして、その結果、画像形成能および高速現像特性
に優れた特性が得られるものと考えられる。また、本発
明の湿式トナー中の水分量は、湿式トナーの全体の重量
に対して0.01〜3%の重量比であり、好ましくは
0.05〜1重量%の範囲である。
【0009】水分の添加量が3重量%を超えると、液状
脂肪族炭化水素からなる湿式トナーの分散媒の導電率を
上昇させることとなり、これを現像液とした場合には静
電濳像の消去あるいは静電荷の相殺が不可能となり、画
像の可視化が困難となる。
【0010】また、湿式トナー中の水分量の測定は、J
IS K 0113−1990(電位差・電量・カール
フィッシャー滴定法通則)に準じた測定法によれば、1
ppm程度の微量水分まで1〜2%の精度で定量するこ
とができる。本発明の湿式トナー中への水分の添加は、
樹脂粒子の作製工程で樹脂の溶解に使用する溶媒中に混
合するか、樹脂粒子の分散剤に使用する液状脂肪族炭化
水素中に混合することによって行うことが好ましい。溶
媒中に添加する水分の量は、湿式トナーの最終製品中の
水分量が0.01〜3%重量となるように添加すれば良
く、溶媒に添加した後に均一となるように分散すること
が好ましい。
【0011】本発明の湿式トナーは、着色剤を含有もし
くは含有しない樹脂の溶液を樹脂を溶解する溶媒の溶解
度の違い、あるいは温度による溶解度の違いを利用して
樹脂粒子を析出させることによって製造することができ
る。湿式トナーに使用することができる樹脂としては、
エチレン−酢酸ビニル重合体等のオレフィン系樹脂が好
ましく、さらにポリオレフィン樹脂を変成しカルボキシ
ル基を導入したものを用いることができ、これらを1種
もしくは、2種以上を混合して使用することができる。
具体的には、特開平6−273792号に記載のものを
挙げられる。
【0012】また、樹脂を溶解する溶媒としては、オレ
フィン系樹脂等を加温時に溶解し、常温では溶解しない
もの、あるいは常温で溶解し、冷却することにより不溶
化せしめるなど、溶解性に温度依存性を与える溶媒であ
ればよく、25℃と65℃のそれぞれの溶解度差が0.
01g/溶媒ml以上、好ましくは0.05g/溶媒m
l以上のものであればよい。この様な溶媒として例えば
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)、アセトン、メチルエチルケトン(ME
K)等が挙げられる。溶媒と樹脂の総和にしめる樹脂の
溶解量は樹脂が溶解する条件であれば任意の量とするこ
とができるが、樹脂比率が高すぎると、樹脂粒子の析出
工程において樹脂粒子が相互に接触し、ゲル状の塊とな
る恐れがあるため1〜80重量%の範囲とするとよい。
樹脂を溶解させるための加温条件は、樹脂の溶解に必要
な最低の温度でよく、必要以上に加温度することは好ま
しくない。溶解中は通常の方法に従い撹拌することが好
ましい。
【0013】また、本発明において必要に応じて使用し
うる着色剤としては、公知の有機若しくは無機の着色剤
を使用することができる。ブラック系の着色剤としては
カーボンブラック、四三酸化鉄等の無機顔料、のシアニ
ンンブラック等の有機顔料が挙げられる。イエロー系着
色剤としては黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、
チタン黄、オーカー等の無機顔料が挙げられる。また、
難溶性金属塩(アゾレーキ)のアセト酢酸アニリド系モ
ノアゾ顔料としては、ハンザイエローG(C.I.N
o.pigment Yellow 1,以下,同
様)、ハンザイエロー10G(pigment Yel
low 3)、ハンザイエローRN(pigment
Yellow 65)、ハンザブリリアントイエロー5
GX(pigment Yellow 74)、ハンザ
ブリリアントイエロー10GX(pigmentYel
low 98)、パーマネントイエローFGL(pig
ment Yellow 97)、シムラーレーキファ
ーストイエロー6G(pigment Yellow
133)、リオノールイエロー2R(pigment
Yellow 169)、またアセト酢酸アニリドジス
アゾ顔料としては、ジスアゾイエローG(pigmen
t Yellow 12)、ジスアゾイエローGR(p
igment Yellow 13)、ジスアゾイエロ
ー5G(pigment Yellow 14)、ジス
アゾイエロー8G(pigment Yellow1
7)、ジスアゾイエローR(pigment Yell
ow 55)、パーマネントイエローHR(pigme
nt Yellow 83)が挙げられる。縮合アゾ顔
料としては、クロモフタルイエロー3G(pigmen
t Yellow 93、クロモフタルイエロー6G
(pigment Yellow 94)、クロモフタ
ルイエローGR(pigment Yellow 9
5)が挙げられる。さらに、ベンズイミダゾロン系モノ
アゾ顔料としては、ホスタパームイエローH3G(pi
gment Yellow 154)、ホスタパームイ
エローH4G(pigment Yellow 15
1)、ホスタパームイエローH2G(pigment
Yellow 120)、ホスタパームイエローH6G
(pigment Yellow 175)、ホスタパ
ームイエローHLR(pigment Yellow
156)が挙げられる。またイソインドリノン系顔料と
しては、イルガジンイエロー3RLTN(pigmen
t Yellow110)、イルガジンイエロー2RL
T、イルガジンイエロー2GLT(pigment Y
ellow 109)、ファーストゲンスーパーイエロ
ーGROH(pigment Yellow 13
7)、ファーストゲンスーパーイエローGRO(pig
ment Yellow 110)、サンドリンイエロ
ー6GL(pigment Yellow 173)が
挙げられる。その他、スレン系顔料であるフラバントロ
ン(pigment Yellow 24)、ヘリオフ
ァーストイエローE3R(pigment Yello
w 99)、金属錯体顔料であるアゾ系ニッケル錯体顔
料(pigment Yellow 10)、ニトロ系
ニッケル錯体顔料(pigment Yellow 1
53)、エゾメチン系銅錯体(pigment Yel
low 117)、さらにキノフタロン顔料であるフタ
イルイミドキノフタロン顔料(pigment Yel
low 138)等が挙げられる。
【0014】また、マゼンダ系着色剤としては無機系の
カドミウムレッド、ベンガラ、銀朱、鉛丹、アンチモン
朱が挙げられる。またアゾ系顔料のアゾレーキ系として
は、ブリリアンカーミン6B(pigment Red
57:1)、レッキレッド(pigment Red
3:1)、パーマネントレッドF5R(pigmen
t Red 48)、リソールレッド(pigment
Red 49)、ペルシャオレンジ(pigment
Orange 17)、クロセインオレンジ(pig
ment Orange 18)、ヘリオオレンジTD
(pigment Orage 19)、ピグメントス
カーレット(pigment Red60:1)、ブリ
リアントスカーレットG(pigment Red 6
4:1)、ヘリオレッドRMT(pigment Re
d 51)、ボルドー10B(pigment Red
63)、ヘリオボルドーBL(pigment Re
d 51)が挙げられる。また不溶性アソ系(アノア
ゾ、ジスアゾ、縮合アゾ系)としては、パラレッド(p
igment Red 1)、レーキレッド4R(pi
gment Red 3)、パーマネントオレンジ(p
igment Orange 5)、パーマネントレッ
ドFR2((pigment Red 2)、パーマネ
ントレッドFRLL(pigment Red 9)、
パーマネントレッドFGR(pigment Red
12)、ブリリアントカーミンFB(pigment
Red 5)、パーマネントカーミンFB(pigme
ntRed 5)、P.V.カーミンHR(pigme
nt Red 150)、パーマネントカーミンFBB
((pigment Red 46)、ノバパームレッ
ドF3K−F5RK(pigment Red 17
0)、ノバパームレッドHFG(pigment Re
d 38)、ノバパームレッドHF4B(pigmen
t Red 187)、ノバパームオレンジHL.HL
−70(pigment Orange 36)、P.
V.カーミンHF4C(pigmentRed 18
5)、ホスタバームブラウン(pigment Bro
wn 25)、バルカンオレンジ(pigment O
range 16)、ピラゾオレンジ(pigment
Orange 13)、ピラゾロンレッド(pigm
ent Red 38)が挙げられ、さらに融合アゾ顔
料としてクロモフタイルオレンジ4R(pigment
Orange 31)、クロモフタールスカーレット
R(pigment Red 166)、クロモフター
ルレッドBR(pigment Red 144)が挙
げられる。
【0015】また、縮合多還系顔料であるアントレキノ
ン顔料としてピランスロンオレンジ(pigment
Orange 40)、オントアントロンオレンジ(p
igment Orange 168)、ジアントラキ
ノニルレッド(pigment Red 177)が挙
げられ、チオインジゴ系顔料としてチオイチゴマゼンタ
(pigment Violet 38)、チオイチゴ
バイオレット(pigment Violet 3
6)、チオイチゴレッド(pigment Red8
8)が挙げられ、さらにベリノン系顔料としてペリノン
オレンジ(pigment Orange 43)が挙
げられ、さらにペリレン系顔料としてペリノンオレンジ
(pigment Orange 43)が挙げられ、
さらにペリレン系顔料としてペリレンレッド(pigm
ent Red 190)、ペリレンバーミリオン(p
igment Red 123)、ペリレンマルーン
(pigment Red 79)、ペリレンスカーレ
ット(pigment Red149)、キナクリドン
系顔料としてキナクリドンレッド(pigment V
iolet 19)、キナクリドンマゼンダ(pigm
ent Red 122)、キナクリドンマルーン(p
igment Red 206)、キナクリドンスカー
レット(pigment Red 207)が挙げら
れ、その他、縮合多還顔料としてピロコリン系顔料、赤
色系フルオルビン系顔料、染付けレーキ系顔料(水性染
料+沈澱剤→レーキ固着)が挙げられる。
【0016】シアン系着色剤としては、無機系の群青、
紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー等が挙げら
れ、またフタロシアニン系として、ファーストゲンブル
ーBB(pigment Blue 15)、スミトン
シアンブルーHB(pigment Blue 1
5)、シアニンブルー5020(pigment Bl
ue15:1)、スミカプリントシアニンブルーGN−
O(pigment Blue 15)、ファーストス
カイブルー−A−612(pigment Blue
17)、シアニングリーンGB(pigment Gr
een 7)、シアニングリーンS537−2Y(pi
gment Green 36)、スミトンファースト
バイオレットRL(pigment Violet 2
3)が挙げられ、またスレン系顔料であるインダントロ
ンブルー(PB−60P,PB−22,PB−21,P
B−64)、塩基性染料レーキ顔料であるメチルバイオ
レットリンモリブデン酸レーキ(PV−3)等が挙げら
れる。その他、上記着色剤の表面に樹脂をコーティング
したいわゆる加工顔料と呼ばれる着色剤も同様に使用す
ることができる。また湿式トナーとして保存安定性、ま
たは得られた湿式トナーを用いてカラー画像を形成した
時の画像の透明性、混色性を考慮すると、着色剤にはブ
ラック系ではカーボンブラック、イエロー系としてはベ
ンジジンイエロー、ジスアゾイエロー、およびハンザイ
エローの混合物、マゼンタ系ではブリリアントカーミン
6B、シアン系としてはフタロシアニンブルーを使用す
ることが好ましい。
【0017】樹脂中における着色剤の含有量は、樹脂重
量に対して0.0001−2000重量%の範囲で任意
に選択しうるが、オフセット印刷と同等の多色の連続階
調を再現するためには各色トナーの被転写体への転写後
の光学反射濃度が0.7以上あることが望ましい。各色
について光学反射濃度を0.7以上とするには、ブラッ
クおよびシアンの場合、上記と同様の重量基準で10〜
150重量%であり、マゼンタの場合40〜150重量
%、イエローの場合10〜100重量%とするとよい。
いずれの色についても上記の範囲を越えると現像後、形
成画像の光学反射濃度および地汚れを生じやすくなる。
着色剤は、2次凝集状態で粒径30〜150μmの粉末
状のものを使用し、樹脂と着色剤を所定の混合比となる
ように、樹脂を加熱溶融させて着色剤を混合した後、樹
脂中に分散・溶解させてもよい。
【0018】液状の脂肪族炭化水素としては液状のn−
パラフィン系炭化水素、iso−パラフィン炭化水素、
またはその混合物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げ
られる。特に好ましくは分岐鎖脂肪族炭化水素であり、
例えばエクソン社製のアイソパーG、アイソパーH、ア
イソパーK、アイソパーL、アイソパーM、アイソパー
V等を使用することが好ましい。これらはカルボキシル
基またはエステル基を有するオレフィン系樹脂に対して
殆ど溶解性を有しないものであり、例えばアイソパーH
に対する樹脂の溶解性は、25℃と65℃での溶解度差
が0.001g/溶媒ml以下である。
【0019】樹脂粒子の造粒工程においては、造粒を調
整する物質、電荷調整剤等を加えることによって樹脂粒
子の粒度分布を調整し、また分散性を高めることができ
る。このような物質には、ヒドロキシカルボン酸エステ
ルの3〜10量体の重合体からなるポリヒドロキシカル
ボン酸エステルを挙げることができ、12−ポリヒドロ
キシカルボン酸エステルが好ましく、樹脂重量あたり
0.01〜200重量%の割合で使用することが好まし
い。また、電荷調整剤として液状脂肪族炭化水素と相溶
性を有するジアルキルスルホコハク酸金属塩が添加する
ことが好ましい。ジアルキルスルホコハク酸金属塩は、
顔料および樹脂粒子に対して高い吸着性を有すると共
に、電気絶縁性液体との相溶性のため最小限の使用量で
目的を達成することができる。ここで、電気絶縁性液体
と相溶性を有するとは25℃での溶解度が0.005g
/溶媒ml以上のものであり、好ましくは0.01g/
溶媒ml以上のものである。このようなジアルキルスル
ホコハク酸金属塩としては、アルキル基の炭素数が5〜
7のジルアルキルスルホコハク酸金属塩であり、また金
属としては、好ましくはコバルト、マンガン、ジルコニ
ウム、イットリウム、ニッケル等の金属塩である。
【0020】ジアルキルスルホコハク酸金属塩の添加量
は、電荷制御効果を示す最小限の量でよいが、通常、電
気絶縁性液体中で0.01〜50重量%とすることがで
き、またジアルキルスルホコハク酸金属塩を添加するこ
とにより得られる液体現像剤中の樹脂粒子は負帯電して
おり正帯電で使用する電子写真用感光体においてポジ画
像を与える。電荷調整剤の添加時期は、樹脂溶液、着色
剤分散液、およびそれらの混合液に添加してもよく、ま
た、樹脂粒子の造粒工程、または最終の湿式トナー中の
いずれの段階で添加してもよい。また本発明の湿式トナ
ーには、ジアルキルスルホコハク酸金属塩以外に、ナフ
テン酸金属塩、オクチル酸金属塩等の金属石鹸、レシチ
ン、セハリンなどの燐脂質を添加しても良い。また、本
発明の湿式トナーにはその他の定着剤として、例えば電
気絶縁性液体に可溶な各種樹脂、例えば変性あるいは未
変性のアルキッド樹脂、通常のアクリル樹脂、合成ゴ
ム、ポリアルキルオキシド、ブチラール等のポリビニル
アセタール、酢酸ビニル樹脂等を添加できる。また本発
明の湿式トナーには分散剤として多くのアニオン系,カ
チオン系,両性,あるいはノニオン系の界面活性剤を添
加でき、また上記定着剤として使用される合成樹脂等を
分散剤として用いることもでき、二酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム等の酸化物粒子を添加することができる。
【0021】本発明における樹脂粒子の造粒は、樹脂溶
液を電気絶縁性液体中に投入することにより行われ、投
入に際しては撹拌しなくてもよいが、好ましくは撹拌お
よび/または超音波照射等の分散手段により、析出する
樹脂粒子の分散をよくすることが望ましい。冷却速度に
関してはドライアイス、液体窒素等を使用して急冷して
も、また冷却した電気絶縁性液体中に投入してもよく、
また自然冷却してもよい。樹脂溶液は電気絶縁性液体中
に投入されると、樹脂溶液の温度差による樹脂粒子の析
出と同時に、樹脂に対する貧溶媒である電気絶縁性液体
との溶解度差により樹脂粒子が析出する。
【0022】
【作用】本発明の湿式トナーは、水分を混在させ、かつ
現像工程中におけるバイアス電圧設定を現像初期時の数
値とすることができ、高温多湿の外部環境変化、特に現
像液中への水分吸湿による画像乱れの影響を受けにくい
湿式トナーとなる。かつ溶媒の精密蒸留などの複雑な工
程が簡略化され、作成工程における水分に対する品質基
準が緩和され低コストに湿式トナーを得ることができ
る。
【0023】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明する。 実施例1 200ml丸底フラスコ中に樹脂としてエチレン・ビニ
ルアセテート共重合体(三井デュポンポリケミカル製
エバフレックス250)2.5g、電荷調整剤としてテ
トラ−2−エチルスルフォハコク酸コバルト256m
g、溶媒としてテトラヒドロフラン50mlを入れた。
油浴下80℃で1時間加熱撹拌した。別の容器に、シア
ン顔料としてMonasutral Blue FBN
(ICI製銅フタロシアニン顔料)を2.5gとポリ−
12ヒドロキシステアリン酸(3〜10量体混合品 伊
藤製油製)90mgをテトラヒドロフラン50ml中に
分散させた。これを先に反応させたフラスコ中に1度に
投入しさらに80℃で1時間撹拌混合し顔料分散樹脂液
とした。顔料分散樹脂液の温度を室温で放置し、約60
℃まで温度を低下させた後、5℃の冷アイソパーG(エ
クソン社製)100ml中に超音波ホモジナイザーを使
用しながら分散混合した。テトラヒドロフランとアイソ
パーGとの溶媒置換は遠心分離器にておこなった。この
湿式現像液をアイソパーG100ml中に1mlの純水
(半導体用)を予め添加分散したものを使用して印刷濃
度1%に調整した。
【0024】湿式トナーの含水率はカールフィッシャー
滴定装置(三菱化学製 CA−06)によって測定し
た。含水率は0.1%であった。得られた湿式トナーを
静電記録紙上に表面電荷150V〜50Vまでの種々の
静電パターンを形成させた後、ローラ現像機にて現像印
刷評価した。現像機速度は2.6m/分および10.0
m/分で行った。さらに、縦4.5cm、横4.0cm
の電極を間隔1.0cmで保持した電解槽に湿式トナー
を満たし、高電圧発生装置(KEITHLEY社製23
7)を使用し、初期電流値測定および電気泳動特性評価
を行った。印刷物の評価は、OD値(マクベスRD91
4によって測定)により行った。現像特性は、負極性を
示す。OD値1.2以上、初期電流値と60秒後の電流
値差が500nA以上、Q/m=400の良好なトナー
物性を示した。現像バイアスが−20Vでの現像特性曲
線を図1に示す。画像特性の良好な湿式トナーが得られ
た。
【0025】実施例2 樹脂を溶解する溶媒として、1〜10%の水分を含有す
るテトラヒドロフランを使用した点を除き、実施例1と
同様に造粒し湿式トナーを製造し、得られた湿式トナー
を実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】現像バイアス−35Vで得られた現像特性
曲線を図1に示すように、画像特性が良好であった。 比較例1 実施例2と同様にして製造した含水率3%以上のものに
ついて、実施例2と同様に評価をし、その結果を表2に
示す。含水率が3%以上ものは、導電性が大きく、電流
値測定結果も不安定であり、現像しても画像ながれの起
こるものであった。
【0028】
【表2】
【0029】含水率が5.0および7.0重量%では、
電極板状に湿式トナーが付着しなかった。 実施例3 実施例2で得られた含水率が0.1%および0.01%
の湿式トナーと市販の湿式トナーA(含水率0.005
% バーサテック製静電プロッター7000用湿式トナ
ー 黒色Type−H,4407−3)および湿式トナ
ーB(含水率0.007% リコー製湿式トナー 黒色
PPC用Type−5080)を恒温加湿試験機中にお
いて、40℃85%の条件下において1ケ月間の特性の
変化を、各湿式トナーを超音波分散機で再分散後、実施
例1と同様にトナーの帯電量を測定し、その結果を図2
に示す。本発明の水分を含有した湿式トナーは再分散性
もよく、保存安定性の高いものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明の湿式トナーは、微量の水分を含
有しており、高温多湿の外部環境変化特に現像液中への
水分吸湿による画像乱れの影響を受けにくい湿式トナー
となる。したがって、画像特性が良好であるとともに、
かつ現像工程中におけるバイアス電圧設定を現像初期時
の数値とすることができ、かつ溶媒の精密蒸留などの複
雑な工程が簡略化され、作成工程における水分に関する
材料品質基準が緩和され、低コストに湿式トナーを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の湿式トナーの現像特性曲線を説明す
る図である。
【図2】 本発明の湿式トナーと比較例の湿式トナーの
現像特性の経時変化を説明する図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂粒子単独又は着色剤を含有した樹脂
    粒子を液状脂肪族炭化水素中に分散した湿式トナーにお
    いて、湿式トナーの重量に対して0.01〜〜3重量%
    の水分を含有していることを特徴とする湿式トナー。
  2. 【請求項2】 樹脂粒子が、カルボキシル基またはエス
    テル基を有するオレフィン系樹脂粒子単独、またはそれ
    らに着色剤を含有するとともに、ヒドロキシカルボン酸
    エステルをモノマーとする3〜10量体のポリヒドロキ
    シカルボン酸エステルおよび電荷調整剤を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の湿式トナー。
  3. 【請求項3】 樹脂溶液又は着色剤を含有した樹脂溶液
    から、樹脂の溶媒の種類による溶解度差、もしくは温度
    による溶解度差に基づいて樹脂粒子を析出させる湿式ト
    ナーの製造方法において、樹脂の溶解あるいは樹脂粒子
    の分散に使用する溶媒中に水分を含有させることによっ
    て、湿式トナーの重量に対して0.01〜3重量%の水
    分を含有する湿式トナーを得ることを特徴とする湿式ト
    ナーの製造方法。
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