JPH0816017B2 - 結晶化ガラス及びその製造方法 - Google Patents

結晶化ガラス及びその製造方法

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JPH0816017B2
JPH0816017B2 JP19505693A JP19505693A JPH0816017B2 JP H0816017 B2 JPH0816017 B2 JP H0816017B2 JP 19505693 A JP19505693 A JP 19505693A JP 19505693 A JP19505693 A JP 19505693A JP H0816017 B2 JPH0816017 B2 JP H0816017B2
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diopside
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glass
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登一郎 井澤
正行 後藤
岐夫 高柳
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東和電化工業株式会社
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/16Halogen containing crystalline phase

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定のフツ素マイカ−デ
ィオプサイド共晶系結晶化ガラス及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶化ガラスは建築用壁材を始め各種の
構造材料に使用されており、従来β−ワラストナイト、
ディオプサイド、フオルステライト及びフツ素マイカ等
を単一の結晶相とするものが知られている。そしてこの
結晶化ガラスは天然石材に比べて耐蝕性や強度の面で優
れており有用であるが、最近建築の高層化に伴い耐震性
のための靱性強度や施工性のための機械加工性が求めら
れており、これらの点は上記した従来の結晶化ガラスで
は解決されていない。即ちβ−ワラストナイト、ディオ
プサイド、フオルステライト等は硬質性であって靱性が
不足し、さらに機械加工性例えば研磨、切断、溝切り、
穿孔、ネジ切り等の加工が困難であり、またフツ素マイ
カ系のものは機械加工性はあるが、劈開性結晶の分散織
であるので強度に不足するという未解決の問題があっ
た。
【0003】そして従来の結晶化ガラスにおいては、フ
ツ素マイカやディオプサイド等の酸化物が使用されてそ
れぞれ単一の結晶相を形成するものであるが、結晶相と
して異質の両者を組合わせることは技術的に困難である
とされてきた。その理由はフツ素含有ガラスの溶融体に
フツ素マイカが折出する最適温度範囲(1100〜12
00℃)では、ガラス溶融体の粘度が著しく低く、しか
もそれがアルカリ性であるためディオプサイド等の酸化
物結晶が溶解してしまうこと、又フツ素マイカ結晶の折
出は急速であり、ガラス溶融体の粘度が上昇して硬化が
始まるため、フツ素マイカ結晶成分とディオプサイド等
の酸化物結晶成分との会合が阻害されることにより、両
者の結晶の共生を調整することができなかったからであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は建材に必要な
靱性を備え且つ機械的加工性に優れた結晶化ガラス及び
その製造方法を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来不可
能視されていたフツ素マイカ〔一般M・Mg(AlS
10)F〕とディオプサイド(CaO・MgO
・2SiO)等の酸化物との共生結晶相をもつ結晶化
ガラスの製造を可能にするため、この両者の結晶の折出
温度及び溶融体の粘度につき鋭意研究の結果、フツ素マ
イカ中の或る種のもの例えばフロゴパイト〔KMg
(AlSi10)F〕やバリウムマイカ〔Ba
0.5Mg(AlSi10)F〕がCaO、C
aOとZrO又はCaOとTiOの存在下でフツ素
マイカの最適結晶化温度範囲である1100〜1200
℃を、ディオプサイドの結晶折出可能な温度である10
00〜1150℃にまで下げ得ることに成功して本発明
に到達した。
【0006】以下、本発明を(1)結晶化ガラスの組成
と組織、(2)集積法、(3)溶融法の項に分けて説明
する。
【0007】(1)本発明の結晶ガラスの組成と組織に
ついて説明すると、重量%で、SiO45〜70、A
3〜15、MgO 8〜15、CaO 4〜1
5、F2〜7、KO 0〜12、BaO 0〜12、
O+BaO 3〜12、NaO 0〜6、Li
O 0〜5、B0〜5、ZrO0〜3、TiO
0〜3、着色顔料料0〜5からなる結晶化ガラス中に
特定のフツ素マイカ結晶とディオプサイド結晶とがそれ
ぞれ3重量%以上結晶として折出しているものである。
なお、上記した結晶化ガラスの組成は酸化物と元素状フ
ツ素で表わしてある。そして本発明の上記結晶化ガラス
の好ましい組成は重量%でSiO45〜65、Al
3〜12、MgO 9〜15、CaO 6〜13、
F 2.5〜7、KO 2〜10、BaO 0〜1
0、KO+BaO 5〜10、NaO 0〜4、L
O 0〜3、B0〜5、ZrO0〜2、T
iO0〜2、着色顔料0〜5から成っている。
【0008】上記組成の結晶化ガラス中に折出するフツ
素マイカは、フロゴパイトやバリウムマイカの単種また
はこれらの固溶体(以下、これらをフツ素マイカとい
う)で、これらはいづれもリン片状結晶を形成してい
る。また、ディオプサイドは化学式CaMgSi
で表わされ、針状結晶を形成している。
【0009】本発明の結晶化ガラスの特徴はフツ素マイ
カのリン片状結晶とディオプサイドの針状結晶が相互に
交錯したほぼ均一な組成を形成していることである。こ
の組織は前者のリン片状結晶のもつ劈開性による機械加
工性とリン片の弾性による柔軟性、後者の針状結晶によ
る強度の向上等のいわゆる繊維補強効果(FiberR
einforced Effect)を結晶化ガラスに
付与している。
【0010】上記した本発明の結晶化ガラスの組成にお
いてKO、MgO、SiO、Al、Fの各成
分は前記フロゴパイト結晶折出の必須成分であり、この
うちKOの一部又は全部をBaOで代替したものは前
記バリウムマイカ折出の必須成分である。KO、Ba
Oのいずれかを用いるか又は両者を併用したものがそれ
ぞれ≧3%好ましくは>5%になるようにすることによ
ってフロゴパイト及びバリウムマイカの折出が容易にな
る。しかし、KOやBaOの添加量が12重量%より
多くなると、軟化温度が低くなって成形加工に支障があ
り、また組成のアルカリ性を大きくするので<10%が
好ましい。またCaO、MgO、SiOはディオプサ
イド折出の必須成分である。各成分中MgOとSiO
は共通している。
【0011】上記した成分毎の働きを説明すると、Si
はフツ素マイカ及びディオプサイドの結晶成分とガ
ラス相の成分とになるので、SiO<45%では結晶
相の構成が難かしく、SiO>70%では溶融体の作
業温度が高くなり、フツ素マイカの折出と重なって成形
品の加工時に破損などの支障がでるので好ましくは65
%までの範囲が望ましい。
【0012】MgOはフツ素マイカとディオプサイドの
結晶成分とガラス相の成分となるので、MgOは>15
%では軟化温度が高くなり成型加工に支障が出るばかり
でなく、組成のアルカリ性が増大する。従って15%ま
での範囲で上記両者のMgO所望量を供給しなければな
らない。
【0013】MgOはフツ素マイカ(分子量437.
2)の1モル中約27%、ディオプサイド(分子量21
6.5)の1モル中約18%を占めており、両結晶が同
モル量折出する場合MgO必要量はフツ素マイカはディ
オプサイドの3倍である。従ってMgO<8%ではCa
Oによる結晶化抑制作用と相まってフツ素マイカの折出
は微小になるか折出しなくなるので>9%が好ましい。
【0014】Alはフツ素マイカの層格子の成分
であり、その余剰分はガラスとなるが、フツ素マイカ折
出量の設定量以外は溶融法においては粘性が高くなる点
と集積法においては焼結温度が高くなる点を配慮した上
で、フツ素マイカ折出量の下限と上限とを勘案して3〜
15%、好ましくは4〜13%の範囲に設定する。
【0015】CaOはディオプサイドの成分としてだけ
でなくフツ素マイカの高温折出性を抑制し、又結晶の粗
大化を防ぐ作用があり、CaOの下限は4%であるとが
必要である。しかしCaOが15%を越えるとアルカリ
性が強くなり、耐酸性が劣化するのでCaOの好ましい
範囲は6〜13%である。
【0016】Fはフツ素マイカの必須成分であるが融剤
作用が強く、F>7%では1000℃以上でディオプサ
イドの溶解が多くなり、F<3%になるとフツ素マイカ
の折出が減少し、<2%では折出しなくなる。従ってF
の好ましい範囲は2,5〜7%である。
【0017】NaO 0〜6%、LiO 0〜5
%、B0〜5%は高温時の成形温度域と粘度の可
変について所定範囲内で、且つまたガラス相に残存する
O、CaO、Fの融剤作用との協調を配慮して調整
するが、NaOとLiOについてはアルカリ性を増
大するので、NaOは0〜4%、LiOは0〜3%
が好ましい。
【0018】ZrO、TiOは何れも結晶核の形成
にあずかるものであり、特に高温溶融体より成形が行わ
れて、成形品が低温に移行する溶融法において、Fの溶
解作用を抑制してディオプサイドの折出を確保する作用
があり、それぞれ上限3%で効果を奏するが、結晶化の
促進による成型品の硬化が急激になって破損を起こすこ
とがあるので>2%の使用が好ましい。
【0019】本発明の結晶化ガラス中に配合させるフツ
素マイカとディオプサイドの両成分の合計は重量で70
〜95%であり、結晶の合算結晶化率は結晶ガラスに対
して15〜50%である。このうちフツ素マイカは5〜
30%、ディオプサイドは10〜40%であり、この範
囲で配合を調整し、結晶化抑制機による操作と結晶化処
理温度の操作等を総合的に判断して製品の特性を設計す
る。
【0020】上記組成以外に着色剤として用いられる金
属化合物、例えば鉄、ニッケル、クロム、マンガン、
銅、セレン、チタン、金等の化合物を添加すること、ま
た結晶化ガラスの組織を阻害しない範囲で、他の材質補
助材、例えば白亜材としてのZnO、P、清澄材
としてのSb、AS等を添加することは好
ましく推奨される。
【0021】上記した組成の結晶化ガラスの機械加工性
については、市販の超硬工具を用いた穿孔ではフロゴパ
イト折出量が約5重量%以上で可能であり、切断、溝切
り、タップ切りはフツ素マイカ折出量が約10重量%以
上で容易に行うことができる。また機械的強度は集積法
による製品であってフツ素マイカ折出量約10重量%で
あるとき、ディオプサイドの折出量が約7重量%である
とき、曲げ強さ450kg/cm以上、ヤング率6×
10kg/cm以上を示し、ディオプサイド折出量
が15重量%であると曲げ強さ600kg/cm
上、ヤング率7.0×10kg/cm以上を示す。
さらにフツ素マイカ折出量約15重量%、ディオプサイ
ド折出量約20重量%では曲げ強さ680kg/cm
以上、ヤング率7.5×10kg/cm以上の製品
が得られる。これらの結果は溶融法の製品でもほぼ同様
である。
【0022】(2)本発明の集積法による結晶化ガラス
は従来の集積法製品と比べて独自な特徴を有する。すな
わち従来の酸化物系結晶化ガラスは、その組成からなる
フリットを耐火物容器に充填集積して加熱し、融着一体
化して成形品を得るが、その際フリットはそれに隣接す
るフリットと粒界面(grain boundary)
を残して融着しており、粒界面より粒内へ向けて結晶を
折出する性質がある。そうすると力学上粒界面に応力が
集中してフリットを破砕するため成形品は靭性に乏しい
構造となっている。
【0023】本発明の集積法による結晶化ガラスにおい
て、フリットはフツ素含有ガラスであるから、それが1
100〜1200℃で融着一体化した成形品においては
フツ素の融剤作用により粒界面は融解削減し、粒間で成
分は相互に拡散し合った組織となる。従って、フツ素マ
イカとディオプサイドの結晶が均一に分布し、前者のリ
ン片結晶のもつ劈開性による機械加工性は勿論特に後者
のディオプサイドの針状結晶の繊維補強作用により、靭
性をはじめ機械的強度を改善する。
【0024】本発明の上記した融着一体化の現象は彩色
及び模様の形成にも効果をもたらす。例えばフリット組
成に着色剤を添加したフリットの組合わせにより他種類
の着色模様のデザインが可能であり、粒子間の成分拡散
現象により色調を濃淡に還移させたり、粒班状や縞状の
模様を形成したりすることができる。また集積時にフリ
ット粒子に着色剤を塗布したり、混在させて成形品中に
拡散さえる手法でのデザインも可能である。
【0025】本発明の集積法による結晶化ガラスの製造
方法は、前記(1)の項に示した組成により原料を配合
してバッチを調整する。即ちバッチを加熱炉により13
50〜1450℃で溶融し、次いで結晶が折出しない過
冷却条件での溶融体の冷却、例えば水中投入や冷却ロー
ル等により冷却し、粒状、フレーク、棒状等のフリット
とする。このフリットをアルミナ粉やジルコニア粉を塗
布した長方形板状の砕付耐火物セッターに集積し、次い
で加熱炉に炉詰して加熱する。加熱は室温から1100
〜1200℃まで毎時80〜200℃の速度で昇温し、
所定の到達温度で2〜6時間保持することによりフリッ
トを融着一体化して成形品とする。
【0026】本発明の結晶化ガラス組成の結晶化につい
て説明すると、フロゴパイトは約700℃から微晶の折
出が始まり、昇温に従い結晶の成長と量を増大し、11
50℃付近で折出量は最大値を示し、1200℃を超え
ると溶解が始まり、1250℃以上で著しく溶解が進行
する。ディオプサイドは約700℃より折出が始まり、
昇温に従い結晶の成長と量とを増大し、1050℃付近
で折出量は最大値を示し、1100℃以上で溶解が始ま
り、1180℃以上で結晶は溶解消滅する。従って、こ
のことから上記した融着一体化の温度域1100〜12
00℃が設定される。この融着一体化の温度域でディオ
プサイドは結晶量が減少過程、即ち劣勢にあり、フツ素
マイカは優勢であるので、一体化が完了後冷却の過程に
おいて、1000〜800℃で2〜3時間保持してディ
オプサイドの結晶の折出を図り、フロゴパイトと所定比
の共成状態を形成させ、次いで毎時50〜100℃の速
度で冷却して結晶化ガラス焼結成形品を得る。成形品は
これを所定の寸法に切断、研磨し、さらに本発明の特徴
である端面の溝切りや穿孔、ネジ切り等の加工を施して
製品とする。
【0027】(3)溶融法で従来ガラス溶融体が炉出さ
れてから成形が終了するまでの間、結晶折出等による粘
度上昇により成形品の損傷発生を防ぐ必要がある。
【0028】本発明では溶融体が流動、移動し、そして
成形の開始から終了まで、溶融粘度が連続的且つ徐々
に、つまり終始スムースに変化するように調整する。即
ち成形終了時の所要粘度は106.57.0ポアズで
あるが、その時の温度が1000℃であるように結晶化
ガラスの組成を調整する。例えばフロゴパイトの結晶折
出のピークは1150℃であるが、フロゴパイト成分を
全成分の20%以下、NaO、Liの合計を7
%以上、CaOを10%以上とする組成にして成形可能
な粘度に調整し、またフロゴパイトの代わりにその一部
又は全部をバリウムマイカで代替することによっても粘
度を調整することができる。
【0029】このバリウムマイカはまたBaOの粘度低
下作用と結晶の折出性が緩徐であることと相俟って、1
000℃〜800℃の温度範囲で折出量を増大させるこ
とができる。つまり溶融法では原料配合バッチを加熱炉
で1400〜1500℃で溶融し、溶融体を清澄にした
後炉出し、徐々に冷却して1100〜950℃間でプレ
ス又はロールアウト法により成形し、次いで1000〜
750℃で1〜5時間保持して結晶化処理を行った後、
毎時100〜200℃の速度で冷却してから所定の寸法
に切断研磨し、施工に必要な加工を施して製品とする。
【0030】以下に実施例を掲げて本発明を説明する。
【0031】実施例1
【0032】
【表1】
【0033】上記表1は本発明集積法による結晶ガラス
配合物の組成と試験条件を示す。
【0034】原料配合物は溶融炉で1400℃で2時間
溶融し溶融体を水中に投入して急冷し、粒径1〜7mm
に分級してフリットを得た。試料の内No.1〜No.
3はそれぞれ単独で、No.4とNo.5はNo,1と
それぞれ表1記載の比で混合し、アルミナ粉を塗布した
耐火物セッターに集積し、加熱炉に装入して室温から1
150℃まで毎時100℃の速度で昇温し、この到達温
度で2時間保持して融着一体化した後、毎時100℃の
速度で所定の結晶化温度まで降温し、2時間保持して結
晶化処理を行った後室温まで徐冷して加熱工程を終了
し、炉出後常法での研磨、切断を行って板状(縦300
mm、横300mm、肉厚18mm)の結晶化ガラスを
得た。
【0035】得られた製品の特性を表2に示す:
【0036】
【表2】
【0037】製品特性の結果は従来品(例えばワラスト
ナイト系集積品:ヤング率5.3〜5.8×10kg
/cm、曲げ強さ500〜520kg/cm)と対
比して各試料共に優れており、No.1〜No.3は白
色大理石調であり、No.4は緑色班が白地に濃淡で着
色された模様、No.5は黒色御影石調の美麗な模様を
それぞれ形成していた。
【0038】実施例2
【0039】表3に溶融法の組成と試験条件を、又表4
にその特性を示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】原料配合物は溶融炉により1400℃で3
時間溶融した後、ガラス溶融体を耐熱鋼板上に流出さ
せ、溶融体温度1050℃〜950℃で加圧成形し、予
め950℃に加熱してある加熱炉に装入した。
【0043】試料No.1は900℃で2時間保持し、
試料No.2及びNo.3は900〜800℃を2時
間、800〜700℃を2時間で通過させて加熱し、そ
れぞれ結晶化処理を行った後、毎時200℃の速度で冷
却し、板状(縦300mm、横300mm、肉厚8m
m)の結晶化ガラスを得た。いずれも成形時における損
傷はなく、結晶相はNo.1がフロゴパイト、No.2
がフロゴパイトーバリウムマイカ固溶体、No.3がバ
リウムマイカがそれぞれ折出していることをX線回折に
より認めることができた。
【0044】得られた結晶化ガラスの特性は従来品の機
械的強度(例えばフオルステライト系ロールアウト品:
ヤング率7.7×10kg/cm、曲げ強さ950
〜1000kg/cm)と対比して優れており、又機
械的加工性はNo.1がネジ切りと溝切りに若干の欠け
が出たが、No.2及びNo.3は何れもネジ切り、溝
切り及び穿孔共に支障なく行うことができた。
【0045】
【発明の効果】本発明は、結晶化ガラスに特定のフツ素
マイカ結晶と酸化物中より選ばれるディオプサイド結晶
の組合わせによる結晶相の形成を可能にしたもので、こ
れによりフツ素マイカのリン片結晶の劈開性による機械
加工性とディオプサイドの針状結晶による靭性及び機械
的強度を備えた結晶化ガラスを得ることができ、機械加
工性の向上による施工への寄与、機械的強度を必要とす
る高層耐震建築等の用途に好ましく対応することができ
る。
【0046】本発明は又、集積法及び溶融法のいずれの
方法でも実施でき、特に集積法ではフリット粒子間で成
分の拡散が行われる融着一体化により、溶融法と同様に
組織が均一なものになるに止まらず、それによって、濃
淡のある多色彩模様を形成することもできる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロゴパイト又はバリウムマイカ或はそ
    れらの固溶体の結晶とディオプサイド結晶とがほぼ均一
    に折出した共生結晶相を形成して成る結晶化ガラス。
  2. 【請求項2】 重量%で、SiO45〜70、Al
    3〜15、MgO 8〜15、CaO 4〜15、
    F 2〜7、KO 0〜12、BaO 0〜12、K
    O+BaO 3〜12、LiO 0〜5、B
    0〜5、ZrO0〜3、NaO 0〜6、TiO
    0〜3、着色料0〜5の組成のガラスフリットを耐火
    物容器に集積し、加熱してそれらを溶着一体化させると
    ともに、フロゴパイト又はバリウムマイカ或はそれらの
    固溶体の結晶とディオプサイド結晶とをほぼ均一に共生
    させることを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 重量%で、SiO45〜70、Al
    3〜15、MgO 8〜15、CaO 4〜15、
    F 2〜7、KO 0〜12、BaO 0〜12、K
    O+BaO 3〜12、Na0〜6、LiO 0
    〜5、B0〜5、ZrO0〜3、TiO0〜
    3、着色料0〜5の組成のガラス溶融体を成型し、加熱
    してフロゴパイト又はバリウムマイカ或はそれらの固溶
    体の結晶とディオプサイド結晶とをほぼ均一に共生させ
    ることを特徴とする結晶化ガラスの製造方法。
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