JPH0815953A - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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Publication number
JPH0815953A
JPH0815953A JP14434094A JP14434094A JPH0815953A JP H0815953 A JPH0815953 A JP H0815953A JP 14434094 A JP14434094 A JP 14434094A JP 14434094 A JP14434094 A JP 14434094A JP H0815953 A JPH0815953 A JP H0815953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
layer
roll
outer peripheral
peripheral surface
Prior art date
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Pending
Application number
JP14434094A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Miyake
普 三宅
Hiroyasu Kato
宏泰 加藤
Norio Kanbara
紀雄 神原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication of JPH0815953A publication Critical patent/JPH0815953A/ja
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  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い硬度と低い体積抵抗率とが同時に得ら
れ、しかも製作時における経済性及び作業性が良好に改
善され得る導電性ロールを提供すること。 【構成】 ポリマー粘度(ML1+4 :100℃)が45
以下のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体と発
泡剤と加硫剤とを少なくとも含む発泡材料に、導電性充
填剤として、ジブチルフタレート吸油量が150cm3
100g以上のカーボンブラックを配合せしめると共
に、偏平な薄片形状を呈する偏平充填剤として、グラフ
ァイト及び/又はマイカを配合してなる発泡性ゴム組成
物を用いて発泡形成された電子導電系ゴム発泡体層14
を、軸体12の外周面上に設け、更に該電子導電系ゴム
発泡体層14の外周面上に、ロール径方向の内側から外
側に、抵抗調整層16と保護層18とを順に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真方式を利用した複写機
やプリンター等において、帯電ロールや現像ロール等と
して特に好適に用いられ得る導電性ロールに関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来より、電子写真方式の複写機やプリン
ター等に用いられる帯電ロールや現像ロール等の導電性
ロールには、導電性を有していることは勿論、低硬度で
あることが要求されている。そして、それらの要求を満
足せしめ得るものの一つとして、図2に示される如き構
造を有するものが知られている。即ち、この図2に示さ
れる導電性ロール20は、所定の原料ゴムや発泡剤等を
含む発泡材料に、イオン導電剤を配合せしめてなるイオ
ン導電系発泡性ゴム組成物を用いて発泡形成された基層
24が、軸体22の外周面上に、所定の厚さで設けられ
ていると共に、該基層24の外周面上に、略薄肉の表面
平滑層26が設けられ、更に該表面平滑層26の外周面
上に、ロール径方向の内側から外側に、導電性補助層2
8、抵抗調整層30、保護層32が、コーティングによ
り、順次、積層形成されて、構成されている。
【0003】而して、かくの如き構造とされた導電性ロ
ール20にあっては、イオン導電系発泡性ゴム組成物に
て形成された基層24によって、低硬度と導電性とが具
備せしめられ得るようになっているのであり、また導電
性補助層28、抵抗調整層30、保護層32の各コーテ
ィング層によって、電気抵抗の均一化、リーク防止、感
材固着性の低減等が図られ得るようになっているのであ
る。更に、かかる導電性ロール20にあっては、基層2
4が、発泡形成されて、スポンジ構造をもって構成され
ているが故に、軽量化が効果的に図られ得るばかりでな
く、多量の軟化剤を含有せしめることなく、低硬度化が
有利に達成され得て、基層24からの軟化剤の滲み出し
現象、所謂ブリードの発生が効果的に防止乃至は抑制さ
れ得るといった、非発泡性の弾性体材料を用いて形成さ
れたソリッド構造の基層を有するものにはみられない優
れた特徴が発揮され得るようになっているのである。
【0004】ところが、そのような導電性ロール20に
おいては、スポンジ構造を有する基層24の表面が、気
泡が露呈せしめられた粗面状態となっていることから、
かかる基層24と前記各コーティング層(28,30,
32)との間に、基層24の表面に対して平滑性を付与
する表面平滑層26が設けられており、それがために、
ソリッド構造とされた基層を有するものに比して、不可
避的に多層化せしめられ、以て製作時におけるコスト及
び作業性の両面において、著しく劣るものとなっていた
のである。
【0005】また、近年では、複写機やプリンター等に
対するコピー速度やプリント速度の高速化の要望の高ま
りに応じて、導電性ロールに対しても、高回転時におい
て優れたロール性能が発揮され得るように、より一層の
低硬度化と低抵抗化が望まれているが、上述の如き構造
を有する導電性ロール20においては、基層24の構成
上、そのような要望に対して、十分に応えることが出来
なかったのである。
【0006】すなわち、例えば高速複写機や高速プリン
ター等に用いられる帯電ロールに対しては、それらの高
速機において騒音発生の原因となる、感光体との接触部
で生ずる振動を有利に低減せしめ得るように、硬度が3
5度(JIS S 6050に準拠した規格を有するス
ポンジ・軟質ゴム用スプリング式硬度計を用いて得られ
る測定値)以下に調整されていることが望まれており、
また高回転時においても感光体に対して十分な量の電荷
を付与し得るように、体積抵抗率が106 Ωcm(DC2
50Vの電圧を印加した際の測定値)以下に制御されて
いることが要求されている。しかしながら、導電性ロー
ル20においては、基層24が、イオン導電剤が配合さ
れてなるイオン導電系発泡性ゴム組成物を用いて形成さ
れているがために、硬度を上述の如き低い値に調整した
上で、体積抵抗率までをも106Ωcm以下といった低い
値に制御することは極めて困難であったのである。
【0007】なお、基層24を与える組成物として、そ
のようなイオン導電系発泡性ゴム組成物に代えて、カー
ボンブラック等の電子導電剤が配合せしめられてなる電
子導電系発泡性ゴム組成物を使用すれば、基層24、ひ
いては導電性ロールの体積抵抗率を低く調整することが
可能とはなるが、かかる電子導電系発泡性ゴム組成物
が、単に、従来より用いられるものと同様な前記発泡材
料に、一般的なカーボンブラックを配合せしめただけの
ものである場合には、カーボンブラックの有する補強性
により、該ゴム発泡体材料の発泡倍率が抑制されて、基
層24の硬度が高くなってしまうことが避けられない。
一方、そのような基層24の高硬度化を回避すべく、か
かる発泡性ゴム組成物中に含まれる発泡剤の量を増大せ
しめて、無理に発泡倍率を高めようとすると、今度はカ
ーボンブラックのストラクチャーが分断されて、基層2
4及び導電性ロールにおいて、所望の体積抵抗率が得ら
れなくなるといった不具合が生ずることとなる。
【0008】要するに、従来の導電性ロール20にあっ
ては、基層24の構成上、低い硬度と低い体積抵抗率と
を同時に得るようにすることが非常に困難であったので
あり、またその製作時における経済性及び作業性が極め
て劣悪なものであったのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、硬度と体積抵抗率とが共に低く調整され、
且つ表面が平滑な状態とされた基層を有するようにする
ことによって、低い硬度と低い体積抵抗率とが同時に得
られ、しかも製作時における経済性及び作業性が良好に
改善され得る導電性ロールを提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、ポリマー粘度(ML 1+4 :100℃)が
45以下のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
と発泡剤と加硫剤とを少なくとも含む発泡材料に、導電
性充填剤として、ジブチルフタレート吸油量が150cm
3 /100g以上のカーボンブラックを配合せしめると
共に、偏平な薄片形状を呈する偏平充填剤として、グラ
ファイト及び/又はマイカを配合してなる発泡性ゴム組
成物を用いて発泡形成された電子導電系ゴム発泡体層
が、軸体の外周面上に設けられ、更に該電子導電系ゴム
発泡体層の外周面上に、ロール径方向の内側から外側
に、抵抗調整層と保護層とが順に設けられている導電性
ロールを、その特徴とするものである。
【0011】なお、かかる本発明に従う導電性ロールの
好ましい態様によれば、前記発泡剤として、ジニトロソ
ペンタメチレンテトラアミン及び/又はNaHCO3
用いられることとなる。
【0012】また、本発明の有利な態様の一つによれ
ば、前記加硫剤として、硫黄が用いられることとなる。
【0013】
【具体的構成・作用】ところで、図1には、本発明に従
う構造を有する導電性ロールの一例が示されている。か
かる図からも明らかなように、この導電性ロール10
は、金属製の軸体12の外周面上に、基層としての電子
導電系ゴム発泡体層14が、スポンジ構造をもって、所
定の厚さで設けられ、また該電子導電系ゴム発泡体層1
4の外周面上に、内側から順に、抵抗調整層16、保護
層18が、それぞれ、コーティングにより、所定厚みを
もって形成されて、構成されている。
【0014】より具体的には、基層としての電子導電系
ゴム発泡体層14は、エチレン−プロピレン−ジエン三
元共重合体と発泡剤と加硫剤とを少なくとも含む発泡材
料に、導電性充填剤と偏平充填剤とを配合せしめてなる
発泡性ゴム組成物を用いて発泡形成されて、構成されて
おり、その体積抵抗率が103 〜106 Ωcm程度に調整
されている。即ち、この電子導電系ゴム発泡体層14を
与える発泡性ゴム組成物の構成材料たる発泡材料には、
その主成分である原料ゴムとして、エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体が用いられている。そして、こ
こで用いられるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体としては、特にポリマー粘度、即ちJIS K 6
300に準拠して、L形ロータを使用し、予熱時間1
分、ロータの作動時間4分、試験温度100℃の条件に
て測定されたムーニー粘度(ML1+ 4 :100℃)が4
5以下のものでなければならない。けだし、後述する如
く、そのような低粘度のエチレン−プロピレン−ジエン
三元共重合体を原料ゴムとして用いて電子導電系ゴム発
泡体層14を形成して、初めて本発明の目的が効果的に
達成され得るからである。
【0015】また、そのような原料ゴムたるエチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体と共に、前記発泡材料
中に含まれ、前記電子導電系ゴム発泡体層14にスポン
ジ構造を与える発泡剤としては、通常、ゴムの発泡剤と
して使用されるものが何れも用いられ得るが、好ましく
は有機系のアゾジカルボンアミド(ADCA)や4,
4’オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド(OB
SH)等が使用され、より好ましくは有機系のジニトロ
ソペンタメチレンテトラアミン(DPT)と無機系のN
aHCO3 とが、それぞれ単独で、若しくはそれらが所
定の比率で配合されて、用いられることとなる。それに
よって、導電性ロール10の圧縮永久歪みを20%(J
IS K 6262に準拠して、70℃,22時間の熱
処理条件にて行われた圧縮永久歪み試験による測定値)
未満の小さな値と為すことが出来るのであり、即ち該導
電性ロール10の耐ヘタリ性を効果的に高めることが可
能となるのである。
【0016】なお、前記発泡材料、換言すれば前記発泡
性ゴム組成物中における、それらの発泡剤の含有量は、
得ようとする電子導電系ゴム発泡体層14の発泡倍率等
に応じて適宜に決定されるところではあるが、ここで
は、導電性ロール10のより一層の低硬度化を実現する
上で、該電子導電系ゴム発泡体層14の発泡倍率が2.
5倍以上とされていることが望ましく、その意味からし
て、通常、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
の100重量部に対して、配合される発泡剤全体で、5
〜30重量部程度の割合となる量とされる。また、発泡
剤として、DPTとNaHCO3 とを組み合わせて使用
する場合には、DPTより発生するNH3ガスによっ
て、周辺機器が腐食したり、その臭気が問題となったり
する恐れがあることから、かかるNH3 ガスの吸着剤と
して、前記ゴム発泡体材料中に、デキストリンを含有せ
しめることが望ましい。
【0017】さらに、かかる発泡材料中に含まれる加硫
剤としても、公知の各種のものが何れも使用され得る
が、好ましくは硫黄が用いられることとなる。けだし、
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体を硫黄加硫
することによって、かかる原料ゴムの成形性が高められ
得、以て電子導電系ゴム発泡体層14が、容易に成形さ
れ得ることとなるからである。また、前記発泡材料、即
ち前記発泡性ゴム組成物中における加硫剤の含有量も何
等限定されるものではないが、一般に、エチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体の100重量部に対して、
0.5〜3重量部程度の割合となる量とされる。
【0018】そして、そのような発泡材料には、それら
発泡剤や加硫剤の他、従来より公知の各種の配合剤や添
加剤等が、必要に応じて、通常の配合比率をもって、更
に含有せしめられることとなるのである。
【0019】一方、かくの如き構成とされた発泡材料に
配合せしめられる導電性充填剤としては、電子導電剤た
るカーボンブラックが用いられる。それによって、電子
導電系ゴム発泡体層14の体積抵抗率が103 〜106
Ωcmといった、導電性充填剤としてイオン導電剤を用い
たものでは到底得られない低い値に調整され得ているの
であり、以て導電性ロール10の体積抵抗率を、例えば
106 Ωcm(DC250Vの電圧を印加した際の測定
値)以下といった極めて低い値に調整することが可能と
なっているのである。
【0020】また、ここでは、そのようなカーボンブラ
ックとして、特に150cm3 /100g以上のジブチル
フタレート吸油量を有するものが用いられることとな
る。何故なら、そのような高い値のジブチルフタレート
吸油量を有するもの、換言すればストラクチャーの発達
したカーボンブラックを用いることによって、導電性ロ
ール10のより一層の低硬度化を図ることが出来るから
である。即ち、そのような特徴的なカーボンブラック
を、前述の如き低いポリマー粘度を有するエチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体と発泡剤と加硫剤とを少
なくとも含む発泡材料に配合せしめて、発泡性ゴム組成
物を構成することにより、かかる組成物中において、エ
チレン−プロピレン−ジエン三元共重合体とカーボンブ
ラックとの間に粘度差が生じ、それによって、該発泡性
ゴム組成物の発泡時に、発泡セルがカーボンブラックの
ストラクチャーに負担を掛けることなく成長せしめられ
得、またエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体が
低粘度であるが故に、その成長もスムーズに行なわれ
得、以て該発泡性ゴム組成物の発泡倍率が有利に高めら
れ得て、形成される電子導電系ゴム発泡体層14の低硬
度化が効果的に達成され得るのである。そして、その結
果、導電性ロール10の硬度が、例えば35度(JIS
S 6050に準拠した規格を有するスポンジ・軟質
ゴム用スプリング式硬度計を用いて得られる測定値)以
下の非常に低い値に調整され得ることとなるのである。
【0021】なお、かくの如くして、電子導電系ゴム発
泡体層14、ひいては導電性ロール10に対して、上述
のような優れた特性を付与せしめるカーボンブラック
は、その種類が特に限定されるものではないが、一般に
ケッチェンブラックやアセチレンブラック等が使用され
ることとなる。また、このカーボンブラックの配合量
は、得ようとする導電性ロール10の硬度及び体積抵抗
率等に応じて、適宜に決定されるところであるが、通
常、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体100
重量部に対して、10〜40重量部程度の割合となる量
とされる。
【0022】さらに、前述の如く、前記発泡材料には、
偏平充填剤が配合せしめられるのであるが、この偏平充
填剤とは、偏平な薄片形状を呈するもので、得られる電
子導電系ゴム発泡体層14の表面を改善せしめるもので
ある。そして、ここでは、かかる偏平充填剤として、グ
ラファイトとマイカとが、それぞれ単独で、またはそれ
らが所定の比率で組み合わされて、用いられる。このよ
うなグラファイトやマイカが偏平充填剤として用いられ
ることによって、前記発泡性ゴム組成物が発泡、加硫せ
しめられて、スポンジ構造を有する電子導電系ゴム発泡
体層14として成形された際に、該電子導電系ゴム発泡
体層14の表面に開口せしめられている気泡の開口部
が、それら偏平な薄片形状を呈するグラファイトやマイ
カによって、閉塞せしめられるような状態となり、その
結果、該電子導電系ゴム発泡体層14の表面が効果的に
平滑化され得るのである。なお、この偏平充填剤として
のグラファイトとマイカの配合量も特に限定されるもの
ではないが、一般に、エチレン−プロピレン−ジエン三
元共重合体の100重量部に対して、5〜20重量部程
度の割合となる量とされる。
【0023】一方、抵抗調整層18や保護層20は、従
来の帯電ロールにおいて、それらの層の形成材料として
使用されるものと同様なものが用いられて、構成されて
いる。なお、それら抵抗調整層18と保護層20とにお
いては、通常、体積抵抗率が、それぞれ105 〜109
Ωcmと107 〜1010Ωcmとになるように、調整され
る。
【0024】ところで、図1に示される如き帯電ロール
10は、有利には、以下の如くして、作製されることと
なる。
【0025】すなわち、先ず、前記発泡性ゴム組成物を
用い、これを押出成形等により、円筒状に成形する。な
お、かくして得られる円筒状の成形体は、軸体12の外
径よりも大なる内径と、後述する加硫操作及び発泡操作
において用いられる円筒状金型の成形キャビティの内径
よりも小なる外径とを有するように成形する。次いで、
円筒状金型の成形キャビティ内に、軸体12を配置する
と共に、前記発泡性ゴム組成物からなる円筒状の成形体
を、該軸体12と同軸状(同心的)に、且つ該軸体12
との間と円筒状金型の筒壁部との間にそれぞれ所定の隙
間が形成されるように配置した後、加熱等による加硫、
発泡操作を同時に行なって、軸体12の外周面上に電子
導電系ゴム発泡体層14を成形する。そしてその後、抵
抗調整層16の形成材料と保護層18の形成材料とを、
それぞれ用いて、ディッピング等の公知のコーティング
手法により、電子導電系ゴム発泡体層14の外周面上
に、ロール径方向において内側から外側に、抵抗調整層
16と保護層18とを、順次、積層形成し、以て目的と
する導電性ロール10を得るのである。
【0026】なお、かかる帯電ロール10の各層の厚み
は、その用途等によって、適宜に決定されるところであ
るが、通常、電子導電系ゴム発泡体層14は3〜6mm程
度の厚さで形成され、また抵抗調整層18は50〜30
0μm程度の厚さで、更に保護層20は3〜50μm程
度の厚さで、それぞれ形成されることとなる。
【0027】このように、導電性ロール10において
は、基層としての電子導電系ゴム発泡体層14を与える
発泡性ゴム組成物が、ポリマー粘度が特定の値以下とさ
れた極めて低粘度のエチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合体と発泡剤と加硫剤とを少なくとも含む発泡材料
に、導電性充填剤として、所定の値以上のジブチルフタ
レート吸油量とされた、ストラクチャーの発達したカー
ボンブラックを配合して、構成されていることから、か
かる電子導電系ゴム発泡体層14の硬度と体積抵抗率と
が共に低く調整され得ているのであり、しかも、そのよ
うな発泡性ゴム組成物中に、偏平充填剤として、偏平な
薄片形状を呈するグラファイトやマイカが含有されてい
ることから、該電子導電系ゴム発泡体層14の表面が有
利に平滑化せしめられ得ているのである。
【0028】従って、かかる導電性ロール10にあって
は、低い硬度と低い体積抵抗率が同時に得られることと
なるのであり、また従来のものにおける如き表面平滑層
が全く不要となって、製作時における経済性や作業性
が、従来のものに比して、飛躍的に向上され得ることと
なるのである。
【0029】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
【0030】実施例 1〜5 先ず、ポリマー粘度(ML1+4 :100℃)が8のエチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM−
1)〔EPT4010:三井石油化学(株)製〕の所定
量を準備した。また、カーボンブラックとして、ジブチ
ルフタレート吸油量が250cm3 /100gのアセチレ
ンブラックと、ジブチルフタレート吸油量が350cm3
/100gのケッチェンブラックとを、更に発泡剤とし
て、ジニトロソペンタメチレンテトラアミン(DPT)
とNaHCO3 とを、それぞれ所定量準備した。そし
て、それらの他に、デキストリンと偏平充填剤としての
グラファイトとマイカとを、それぞれ所定量準備し、下
記表1に示される如き割合で配合して、5種類の発泡性
ゴム組成物(A〜E)を調製した。なお、それら5種類
の発泡性ゴム組成物(A〜E)には、何れも、上述の如
き成分の他に、亜鉛華:5重量部、ステアリン酸:1重
量部、加硫促進剤M:0.8重量部、加硫促進剤TT:
1.5重量部、加硫剤としての硫黄:1.5重量部、軟
化剤としてのプロセスオイル20重量部を、それぞれ添
加、混合した。また、表1中に示される各成分の配合割
合は、全べて重量基準にて表した。
【0031】
【表1】
【0032】次いで、かくして得られた5種類の発泡性
ゴム組成物(A〜E)を、押出成形により各々円筒状の
成形体に成形した。そして、これらの成形体を用いて、
金型成形により、5つの金属製の軸体(直径:6mm)の
外周面上に、基層として、厚さ3mmの電子導電系ゴム発
泡体層を各々形成し、互いに基層の種類の異なる5つの
ベースロールを作製した。
【0033】引き続き、下記配合組成に従って、抵抗調
整層形成用材料と保護層形成用材料とを調整し、更にそ
れらを所定粘度のコーティング液に調整した。そして、
公知のディッピング手法により、前記抵抗調整層形成用
材料よりなるコーティング液を用いて、先に得られた5
種類のベースロールの電子導電系ゴム発泡体層の外周面
上に、厚さ160μmの抵抗調整層を形成した後、前記
保護層形成用材料からなるコーティング液を用いて、該
抵抗調整層の外周面上に、厚さ10μmの保護層を形成
して、目的とする5種類の導電性ロールを得た。そし
て、それら5種類の導電性ロールにおいて、発泡性ゴム
組成物A〜Eにて構成された電子導電系ゴム発泡体層を
有する導電性ロールを、それぞれ実施例1〜5とした。
【0034】抵抗調整層形成用材料 エピクロルヒドリンゴム 100重量部 第4級アンモニウム塩 0.1重量部 鉛丹 5重量部 促進剤22 1.5重量部
【0035】保護層形成用材料 メトキシメチル化ナイロン 100重量部 ケッチェンブラック 10重量部 クエン酸 2.5重量部
【0036】比較例 1〜3 先ず、前記実施例1〜5を作製するに際して、発泡性ゴ
ム組成物A〜Eを調製するのに準備されたものと同様な
ものを、それぞれ所定量準備し、またその他に、ポリマ
ー粘度(ML1+4 :100℃)が58のエチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体(EPDM−2)〔エスプ
レン567:住友化学工業(株)製〕と、ジブチルフタ
レート吸油量が72cm3 /100gのSRFカーボンと
を、それぞれ所定量準備した。そして、それら各成分を
下記表2に示される如き割合で配合して、3種類の発泡
性ゴム組成物(F〜H)を調製した。なお、それら3種
類の発泡性ゴム組成物(F〜H)にも、前記発泡性ゴム
組成物A〜Eに添加、混合せしめられた各種の配合剤
を、同様な量にて、配合した。また、表2中に示される
各成分の配合割合も、全べて重量基準にて表した。
【0037】
【表2】
【0038】次いで、かくして得られた3種類の発泡性
ゴム組成物(F〜H)を用いて、前記実施例1〜5と同
様にして、軸体(直径:6mm)の外周面上に、基層とし
て、厚さ3mmの電子導電系ゴム発泡体層を各々形成し、
基層の種類の異なる3つのベースロールを作製した。
【0039】引き続き、前記実施例1〜5と同様な材料
を用いて、また同様な方法にて、それら3つのベースロ
ールの各電子導電系ゴム発泡体層の外周面上に、抵抗調
整層と保護層とを、それぞれ形成し、以て目的とする3
種類の導電性ロールを得た。そして、それら3種類の導
電性ロールにおいて、発泡性ゴム組成物F〜Hにて構成
された電子導電系ゴム発泡体層を有する導電性ロール
を、それぞれ比較例1〜3とした。なお、抵抗調整層と
保護層の厚さは、前記実施例1〜5と同一の厚さとし
た。
【0040】そして、かくして得られた8種類の導電性
ロール(実施例1〜5及び比較例1〜3)を用いて、以
下の方法により、それらの硬度、圧縮永久歪み、体積抵
抗率、表面粗度及びアンモニア臭気を、それぞれ、測定
した。その結果を、下記表3及び表4に示した。
【0041】硬度 JIS S 6050に準拠した規格を有するスポンジ
・軟質ゴム用スプリング式硬度計〔ゴム・プラスチック
硬度計・アスカーC型:高分子計器(株)製〕を用い
て、測定した。圧縮永久歪み JIS K 6262に準拠して、70℃,22時間の
熱処理条件にて、圧縮永久歪み試験を実施した。体積抵抗率 外部電源よりDC250Vの電圧を印加して、測定し
た。表面粗度 各導電性ロールの表面の、基準長さを5mm(ロール軸方
向)とした十点平均粗さ:Rzを測定した。アンモニア臭気 各導電性ロールを2Lテドラーバッグに密閉して、70
℃,22時間の熱処理した後、かかるバッグ内のアンモ
ニア濃度をガス検知管で測定した。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】それらの表3及び表4の結果からも明らか
なように、実施例1〜5は、硬度、圧縮永久歪み、体積
抵抗率及び表面粗度が全べて低い値を示しているのに対
して、原料ゴムとして、本発明において規定されるより
も高いポリマー粘度を有するエチレン−プロピレン−ジ
エン三元共重合体が用いられてなる比較例1は、硬度と
圧縮永久歪みが高い値を示しており、また、基層たる電
子導電系ゴム発泡体層に、導電性充填剤として、本発明
の範囲外のジブチルフタレート吸油量を有するカーボン
ブラックが含有せしめられてなる比較例2は、体積抵抗
率が高く、更にかかる電子導電系ゴム発泡体層に、本発
明において特定される偏平充填剤が何等含まれていない
比較例3は、表面粗度が大きな値となっている。これ
は、本発明に従う構造とされた導電性ロールが、それら
の物性の全べてにおいて、優れた特性を有するものであ
ることが如実に示しているのである。なお、実施例5に
おいては、NH3 臭気が高い値を示しているが、これ
は、電子導電系ゴム発泡体層に、NH3 の吸着剤たるデ
キストリンが含まれていないことによるものと考えられ
る。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う導電性ロールにあっては、ポリマー粘度が特定の
値以下とされた極めて低粘度のエチレン−プロピレン−
ジエン三元共重合体と発泡剤と加硫剤とを少なくとも含
む発泡材料に、導電性充填剤として、所定の値以上のジ
ブチルフタレート吸油量とされた、ストラクチャーの発
達したカーボンブラックを配合せしめると共に、偏平充
填剤として、偏平な薄片形状を呈するグラファイトやマ
イカを配合してなる発泡性ゴム組成物を用いて発泡形成
された電子導電系ゴム発泡体層14が、軸体12の外周
面上に設けられていることから、かかる電子導電系ゴム
発泡体層14が、硬度と体積抵抗率とが何れも低く調整
され、且つ表面が平滑な状態とされた基層として、形成
され得、それによって、低い硬度と低い体積抵抗率が同
時に得られることとなるのであり、また従来のものにお
ける如き表面平滑層が全く不要となって、製作時におけ
る経済性や作業性が、従来のものに比して、飛躍的に向
上され得ることとなるのである。
【0046】従って、かかる導電性ロールにあっては、
近年において、特に需要の高い高速複写機や高速プリン
ター等の高速機に対して、帯電ロールや現像ロール等と
して、極めて有利に適用され得るのであり、かかる高速
機の高速運転時にも、各用途において、極めて優れたロ
ール性能が発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う導電性ロールの一例を示す横断面
説明図である。
【図2】従来の導電性ロールの一例を示す、図1に対応
する図である。
【符号の説明】
10 導電性ロール 12 軸体 14 電子導電系ゴム発泡体層 16 抵抗調整
層 18 保護層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー粘度(ML1+4 :100℃)が
    45以下のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
    と発泡剤と加硫剤とを少なくとも含む発泡材料に、導電
    性充填剤として、ジブチルフタレート吸油量が150cm
    3 /100g以上のカーボンブラックを配合せしめると
    共に、偏平な薄片形状を呈する偏平充填剤として、グラ
    ファイト及び/又はマイカを配合してなる発泡性ゴム組
    成物を用いて発泡形成された電子導電系ゴム発泡体層
    が、軸体の外周面上に設けられ、更に該電子導電系ゴム
    発泡体層の外周面上に、ロール径方向の内側から外側
    に、抵抗調整層と保護層とが順に設けられていることを
    特徴とする導電性ロール。
  2. 【請求項2】 前記発泡剤が、ジニトロソペンタメチレ
    ンテトラアミン及び/又はNaHCO3 である請求項1
    に記載の導電性ロール。
  3. 【請求項3】 前記加硫剤が、硫黄である請求項1又は
    請求項2に記載の導電性ロール。
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