JPH08158837A - デコンプレッションブレーキシステム用ロッカーアームの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】サイドスプリングの弾性荷重の影響をなくし、
偏芯ブッシュの回転をスムースにする。以て、デコンプ
レッションブレーキの作動機能を向上させる。 【構成】ロッカーアーム４のボス端面部に切欠き部分７
を設け、該切欠き部分７は、偏芯ブッシュのレバー部５
が回動する範囲に対応している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用ディーゼルエン
ジンのためのデコンプレッションブレーキシステムに関
する。

【０００２】

【従来技術】この発明に技術的に最も近い公知技術は、
例えば特開平６−１７６３２号公報に記載されている。

【０００３】この従来例は、ロッカーアーム内周側に設
けられた偏芯ブッシュを回転させることにより、ロッカ
ーアームの回転中心を移動させデコンプレッションブレ
ーキを作動させるものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来例にあっては、偏芯ブッシュのレバー部をロッ
カーアームとブラケット又はサイドスプリングの間で挾
持するという構造となっているため、サイドスプリング
の弾性による荷重により偏芯ブッシュの回転がスムース
でないことからデコンプレッションブレーキのためのバ
ルブの応答性が悪く、その結果デコンプレッションブレ
ーキの制動動作にも悪影響がでるという欠点があり、こ
れを解決することが大きな課題であった。

【０００５】本発明は、上記従来技術の欠点を除去する
ために発明されたものであり、デコンプレッションブレ
ーキシステム用ロッカーアームの構造において、サイド
スプリングの弾性荷重の影響をなくし、偏芯ブッシュの
回転をスムースにすることにより、デコンプレッション
ブレーキの作動機能を向上させることを目的としてい
る。

【０００６】

【発明が解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、本発明のデコンプレッションブレーキシステム
用ロッカーアームは、ロッカーアームのボス端面部に切
欠き部分を設け、該切欠き部分は、偏芯ブッシュのレバ
ー部が回動する範囲に対応させたことを特徴としてい
る。

【０００７】

【作用】本発明によれば、レバー部の先端に当接された
アクチュエータの伸縮動作により偏芯ブッシュが回転
し、その結果ロッカーアームの揺動中心位置を変位させ
てデコンプレッションブレーキを作動させる。

【０００８】偏芯ブッシュが回転する際、ロッカーアー
ムのボス端面部に設けられた切欠きによりレバー部には
サイドスプリングの荷重がかからない為、偏芯ブッシュ
の回転はスムースにできデコンプレッションブレーキの
作動性が向上する。

【０００９】

【実施例】以下、図面を参照にして本発明の実施例を説
明する。

【００１０】図１及び図２は、本発明の一実施例を示す
図である。

【００１１】図１は、６気筒エンジンのシンダーヘッド
部分に配置されるブラケット１の一部分であり、該ブラ
ケット１に保持されたロッカーシャフト２の外周に偏芯
ブッシュ３が設けられている。更に前記偏芯ブッシュ３
の外周にはロッカーアーム４、４・・が気筒の数だけ配
置されている。

【００１２】更に偏芯ブッシュ３には図２に示すように
レバー部５が設けられ、該レバー部５の先端下部はアク
チュエータ８の頭部に接当している。このアクチュエー
タ８は上下動してレバー部５を図２の矢印方向に揺動さ
せるように配置されている。ロッカーアーム４には、ロ
ッカーシャフト２の軸方向の位置決めの為サイドスプリ
ング６がロッカーシャフト２の周りに設けられ、ロッカ
ーアーム４をブラケット１方向へ常時付勢している。以
上の構成は図３に示されているように公知である。

【００１３】上記構成において、ロッカーアーム４のボ
ス端面部にはレバー部５にサイドスプリング６の荷重が
かからないように切欠き７が設けられていて、偏芯ブッ
シュ３はこの切欠き７の巾内でシャフト軸方向に揺動が
フリーとなるように構成されている。

【００１４】この切欠き７の切欠く範囲は図２のハッチ
ング部分で示されるように、ロッカーアーム４及び偏芯
ブッシュ３の揺動角度により決定される。

【００１５】上記実施例は、レバー部５の先端に当接さ
れているアクチュエータ８の上下動により偏芯ブッシュ
３が間欠回転し、ロッカーアーム４の揺動中心を変位さ
せ、これにより各気筒の排気バルブを作動させ、デコン
プレッションブレーキを作動させる。

【００１６】前記偏芯ブッシュ３が回転する際、ロッカ
ーアーム４のボス端面部に設けられている切欠き７によ
りレバー部５にはサイドスプリングの荷重がからないた
め、サイドスプリング６の影響を受けず偏芯ブッシュ３
の回転はスムースになり、アクチュエータ８に対する応
答性が良くなる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、本発明は
ロッカーアームのボス端面部に切欠部分を設け、該切欠
部分は、偏心ブッシュのレバー部が回動する範囲に対応
する構成としたため、ロッカーアームのボス端面部に偏
芯ブッシュのレバー部が逃げる切欠きを設けたことによ
り、偏芯ブッシュはサイドスプリングの荷重がかからな
くなる為、偏芯ブッシュの両方向の回転がスムースにな
り、デコンプレッションブレーキの作動性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す平面図。

【図２】上記実施例の側面の断面図。

【図３】従来技術を示す平面図。

【符号の説明】

１・・・ブラケット ２・・・ロッカーシャフト ３・・・偏芯ブッシュ ４・・・ロッカーアーム ５・・・レバー部 ６・・・サイドスプリング ７・・・切欠き部分 ８・・・アクチュエータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 宏一 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ユ ニシアジェックス内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロッカーアームのボス端面部に切欠き部
   分を設け、該切欠き部分は、偏芯ブッシュのレバー部が
   回動する範囲に対応していることを特徴とするデコンプ
   レッションブレーキシステム用ロッカーアームの構造。