JPH08157964A - 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法Info
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Abstract
くとも1つとAlNとを複合して用いて,高磁束密度か
つ低鉄損の特性を有する一方向性珪素鋼板の製造技術を
提供する。 【構成】 C,Si,Mn,Al,N,Se,Sを含有
するけい素スラブを加熱し、インヒビターを溶体化した
後、熱間圧延、熱延板焼鈍、冷間圧延を行い、その後脱
炭素鈍および仕上げ焼鈍を行う工程を経て一方向性けい
素鋼板を製造するに当たり、前記仕上げ圧延における入
り側の鋼板表面温度を1000〜1200℃の範囲と
し、かつ仕上げ圧延の第1パス圧下終了から仕上げ圧延
の第2パス圧下開始までの経過時間を下記式の関係を満
足するように処理する。即ち t≦(T−600)/1
00 ただし、tは仕上げ圧延の第1パス圧下終了から第2パ
ス開始までの経過時間(sec),Tは仕上げ圧延り側
の鋼板表面温度(℃)
Description
も含む。以下同じ。)の製造方法に係り、とくに低鉄損
高磁束密度の一方向性珪素鋼板の製造方法に関するもの
である。
の他の電気機器の鉄心材料として使用されており、磁束
密度および鉄損値などの磁気特性ならびに外観などの表
面性状に優れることが要求される。この一方向珪素鋼板
を製造するために、一般に採用されている方法は、厚さ
100〜300mmのスラブを1250℃以上の温度で
加熱してから、粗圧延および仕上げ圧延からなる熱間圧
延を行い、得られた熱延板を1回または中間焼鈍をはさ
む2回以上の冷間圧延によって最終板厚とし、さらに脱
炭焼鈍後、焼鈍分離剤を塗布してから二次再結晶および
純化を目的とした仕上げ焼鈍を行うのが一般的である。
すなわち、まず、スラブを高温加熱してインヒビター成
分を完全に固溶させたのち、熱間圧延、さらには、1回
または2回以上の冷間圧延および1回または2回以上の
焼鈍によって得られる一次再結晶粒組織を制御し、しか
るのち、仕上げ焼鈍でその一次再結晶粒を{110}
〈001〉方位の結晶粒に二次再結晶させることにより
必要な磁気特性を確保するようにしたものである。
るためには、まず、一次再結晶粒の正常粒成長を抑制す
るためのインヒビターと呼ばれる分散相を、鋼中に均一
かつ適正なサイズで分散するようにその析出状態を制御
し、かつ、一次再結晶粒組織を板厚全体にわたって、適
当な大きさの結晶粒でしかも均一な分布とすることが重
要である。かかるインヒビターの代表的なものとして、
MnS、MnSe、AlNおよびVNのような硫化物、
セレン化物や窒化物等で、鋼中への溶解度が極めて小さ
い物質が用いられている。また、これ以外にもSb、S
n、As、Pb、Ce、CuおよびMo等の粒界偏析型
元素もインヒビターとして利用されている。いずれにし
ても、良好な二次再結晶組織を得るためには、熱間圧延
に於けるインヒビターの析出から、それ以降の二次再結
晶焼鈍に至るまでのインヒビターの制御は重要な要件で
ある。特に近年の省エネルギー化の要請から、より優れ
た磁気特性が求められるようになり、この点からも、か
かるインヒビター制御の重要性はますます大きくなって
きたといえる。
術については多くの提案が行われており、熱間圧延時に
インヒビターを制御する技術としては、例えば、米国特
許3069299号に見られるように鋼塊の冷却速度を
規制する方法、特公昭58−13606号公報のように
950〜1200℃の間を熱延圧下率10%以上で連続
して熱間圧延しつつ3℃/sec 以上の冷却速度で冷却す
る方法、特開昭59−208021号公報のように粗圧
延から仕上げ圧延終了までの時間を4分以内に規制する
方法、さらに、仕上げ圧延終了後、巻き取りまでにイン
ヒビターを制御する技術としては、例えば特開昭56−
33431号公報、特開平5−295442号公報に巻
き取り温度および巻き取りまでの冷却速度を規制する方
法が開示されている。しかしながら、これらいずれの技
術を駆使しても、現在要求されている優れた磁気特性
を、鋼帯全長にわたって安定して得ることは容易ではな
いのが実状である。
では、Si:2〜4.5%、C:0.030〜0.08
0%とインヒビター構成元素とを含有する珪素鋼スラブ
に熱間圧延を施して、1.5〜4.0mm厚の熱延鋼帯
に仕上げる一方向性珪素鋼板製造用熱延鋼帯の圧延方法
において、圧延中の鋼片温度が1000℃以下に達した
後に、1000℃に達したときの鋼片の厚さを基準にし
て、少なくとも70%の圧下率で2スタンド以上におい
て熱間圧延を連続して鋼片に施し、かつ、前記2スタン
ド以上のそれぞれのスタンドを通過して次のスタンドに
鋼片が移行するまでの時間をt(sec) 、各スタンド毎
の熱延温度をT(℃)、熱延圧下率をR(%)とすると
き、上記熱間圧延を下記式を満足するように行うことに
より、熱延板の集合組織を改善する技術が開示されてい
る。すなわち、この技術は、仕上げ熱延後段の各スタン
ド間の移行時間を規定することによって、鋼板の表面層
に再結晶を極力発達させないようにして、表面層のゴス
方位を強め理想方位に近づけることにより電磁特性の向
上を達成しようというものである。 t≦(4.68×105 −450×T)/R(R+30) しかしながら、この技術は、インヒビターの制御には何
ら効果をもたらさないのである。このことは、実際に、
本発明者らが、AlNをインヒビターとして用いて実験し
たところ、磁性向上の効果は認められないばかりか、表
面性状が劣化するということからも確認された。
していることは、良好なインヒビター析出制御が実現さ
れていないということである。すなわち、これらの従来
技術ではインヒビターの適切な析出制御ができていない
ために、実工程による製品において、局部的な特性変動
(低下)が生じ、鋼帯の全長、全幅にわたって安定した
磁気特性を有する一方向性珪素鋼板を製造することがで
きないという問題があった。
としてMnSe、MnSの少なくとも1つとA1Nとを
複合して用いる一方向性電磁鋼板の製造において、上記
問題点を解決し、磁気特性の優れた一方向性珪素鋼板の
製造技術を提供することにある。この発明の他の目的
は、インヒビタ−としてMnSe、MnSの少なくとも
1つとA1Nとを複合して用いる一方向性電磁鋼板の製
造において、磁気特性の向上に有効に寄与する二次再結
晶組織の発達を促し、もって高磁束密度かつ低鉄損の特
性を有する一方向性珪素鋼板の製造技術を確立すること
にある。
の目的の実現に向けて、鋼帯内とくに鋼帯長手方向の電
磁特性を変化させる熱間圧延上の要因の検討を詳細に行
った。その中で、仕上げ圧延の圧下スケジュール、圧延
速度を種々に変化させた実験から、仕上げ圧延の第1パ
ス目と第2パス目との間の経過時間がその後の電磁特性
に大きな影響を与えること、仕上げ第1パス−第2パス
間の板厚に関わらず、その間の経過時間がある一定の値
以上になると磁性劣化が顕著になることを見出したので
ある。このような事実については、従来、仕上げ圧延は
連続的な圧延であるとして、パス間時間の変化は全くと
いってよいほど注目されていなかったのである。本発明
は上記の知見に立脚するものであり、その要旨構成は次
のとおりである。
4.5 wt%、Mn:0.02〜0.30wt%、 Al:0.005 〜0.10
wt%、N:0.004 〜0.015wt %を含み、かつSe:0.005
〜0.06wt%およびS:0.005 〜0.06wt%のうちから選ば
れる1種または2種を含有するけい素鋼スラブを加熱
し、インヒビター成分を溶体化した後、粗圧延および仕
上げ圧延からなる熱間圧延を行い、次いで熱延板焼鈍を
施したのち、1回または中間焼鈍をはさむ2回以上の冷
間圧延を行い、その後脱炭焼鈍および仕上げ焼鈍を行う
工程を経て一方向性けい素鋼板を製造するに当たり、前
記仕上げ圧延における入り側の鋼板表面温度を1000
〜1200℃の範囲とし、かつ前記仕上げ圧延の第1パ
ス圧下終了から前記仕上げ圧延の第2パス圧下開始まで
の経過時間を下記式; t≦(T−600)/100 ただし、t:仕上げ圧延の第1パス圧下終了から第2パ
ス圧下開始までの経過時間(sec) T:仕上げ圧延入り側の鋼板表面温度(℃) の関係を満足するように処理することを特徴とするに磁
気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法。
いて説明し、併せて本発明の構成を明らかにする。 C:0.030wt%、Si:2.95wt%、Al:0.
020wt%、N:0.0073wt%、Mn:0.04wt
%およびS:0.025wt%を含有し、残部は実質的に
Feよりなる厚み40mmのけい素鋼シートバーを、1
390℃の温度で溶体化処理し、仕上げ圧延入り側表面
温度を900〜1300℃、仕上げ圧延の第1パスと第
2パスとの間の経過時間を1秒から7秒の範囲で種々に
変化させて、4パスで仕上げ圧延を行い、2.0mm厚
の熱延板に仕上げた後、0.8mmに冷延し、950℃
で60秒の中間焼鈍を施し、0.30mmに冷延した。
この冷延板に湿潤雰囲気で840℃、3分間の脱炭焼鈍
を施し、焼鈍分離材を塗布し、1200℃で15時間の
高温仕上げ焼鈍を施した。このようにして得られた鋼板
について、仕上げ圧延の第1パス−第2パス間の経過時
間および仕上げ圧延入り側の鋼板表面温度と磁束密度と
の関係を図1に示す。図中で、磁束密度B8≧1.92
0(T)の特性を有するものに○、B8<1.920
(T)のものにを×を付して示す。
鋼板表面温度Tが1000〜1200℃の範囲にあり、
かつ仕上げ圧延第1パスと第2パスの間の経過時間t
が、t≦(T−600)/100の範囲にある場合には
良好な磁性が得られることがわかる。なお、これらの材
料を走査型電子顕微鏡により観察したところ、磁性が劣
化した材料からはMnSの粗大な析出物が観察されたこ
とから、このように磁性が劣化した理由はインヒビター
の粗大化による抑制力低下に起因するものであると考え
られる。
常、仕上げ圧延は6パス程度のタンデム式連続圧延機で
行われる。通常、この圧延機のスタンド間距離は一定の
間隔で配列され、かつ、シートバー素材は通常25〜6
0mm程度の板厚から徐々に圧延されて1.5〜4.0
mm程度の仕上げ板厚に変形されるため、後段に向かう
ほどスタンド間の経過時間は短くなる。したがって、当
然、仕上げ第1パス目―第2パス目間の経過時間は圧延
機の各パス間の中で最長の経過時間となる。それにもか
かわらず、従来、材料は一定条件の下で連続的に変形を
受けるものとみなして考えられていたわけである。とこ
ろが、本発明者らの検討結果によると、第1パス−第2
パス間のわずか数秒の間にもインヒビターの劣化が生じ
ていると推定されるのである。すなわち、発明者らが熱
間変形後の転位組織を観察した結果、変形直後には高密
度で歪すなわち転位が存在するが、2〜3秒のうちに回
復した副結晶組織となり、その後再結晶して、転位がほ
とんど存在しない、新たな再結晶組織となることを見出
した。この各組織におけるインヒビターは、歪が高密度
で存在する際には転位上に微細に良好な析出をするのに
対し、仕上げ圧延前の状態と考えられる再結晶後には析
出しない。一方、インヒビターにとって最も望ましくな
いのが変形後の回復した副結晶組織であり、この場合に
は転位が離散的に存在するため、粗大不均一に析出す
る。そして、仕上げ圧延の第1パス−第2パス間で、仕
上げ圧延入り側温度の関数で与えられるある特定の時間
が経過すると、この望ましくない状態が発現して、イン
ヒビターの析出に悪影響を及ぼすものと考えられる。
『連続して熱間圧延しつつ、3℃/sec 以上の冷却速度
で冷却するとインヒビターの分散状態は微細になる』と
いう記述があるが、3℃/sec 以上の冷却速度で連続的
に冷却しても、第1パス目−第2パス目間の経過時間が
本発明で規定した範囲を超える場合には、上記の望まし
くない状態が発現し、磁気特性の劣化を招くのである。
この技術においても、仕上げ圧延は連続的な圧延である
として、パス間時間の変化は全くといってよいほど注目
されていなかったのである。
件としては、仕上げ圧延第1パス−第2パス間における
経過時間が、仕上げ圧延入り側温度の関数で与えられる
値を超えないようにすることが重要である。さらに、付
言するならば、仕上げ圧延第2パス目以降も同様のこと
が考えられるが、第1パス目−第2パス目間で本発明の
範囲が達成される場合には、通常、第2パス目以降も諸
条件が満足されるので、第1パス目−第2パス目間のみ
について制御を行えばよい。なお、第1パス目―第2パ
ス目間の経過時間を調整する方法としては、両スタンド
間の距離を変更する措置を講じてもよいし、一般的に
は、通板速度と第1パス目出側板厚を調整して行っても
よい。また、各パスの圧下率であるが、図2に示すよう
に、3%けい素鋼を熱延温度域で変形した際には、歪量
約0.1、圧下率に換算して約10%以上の範囲で定常
応力に、すなわち転位組織は飽和して一定となるので、
各パス10%以上の圧下を加えれば、得られる効果はほ
ぼ同じとなる。通常の熱間圧延ではこの条件は満足され
ているので、各パスの圧下率については特に格別の配慮
は要しない。
おける入り側の鋼板表面温度も重要な要件である。すな
わち、仕上げ圧延の入り側鋼板表面温度が1000℃未
満では、仕上げ圧延開始以前にインヒビターの析出がお
こる。この場合には、インヒビター析出サイトとなる結
晶粒内の転位密度が低く、析出したインヒビターは不均
一で粗大であるため抑制力が弱い。一方、入り側鋼板表
面温度が1200℃を超えると、仕上げ第1パス後の変
形粒の回復速度が極めて速くなり、同様に、インヒビタ
ー析出時の転位密度は低く、結果として、不均一で粗大
なインヒビターが析出し抑制力の低下を招く。したがっ
て、仕上げ圧延における入り側の鋼板表面温度は100
0〜1200℃の範囲とする必要がある。なお、入り側
の鋼板表面温度は好ましくは1050〜1150℃の温
度範囲である。
度を1000〜1200℃の範囲とし、かつ前記仕上げ
圧延の第1パス圧下終了から前記仕上げ圧延の第2パス
圧下開始までの経過時間を下記式; t≦(T−600)/100 ただし、t:仕上げ圧延の第1パス圧下終了から第2パ
ス圧下開始までの経過時間(sec) T:仕上げ圧延入り側の鋼板表面温度(℃) の関係を満足するように処理するすることにより、鋼帯
の長手方向にも安定した良好磁気特性をうることが可能
になる。なお、上記tとTとの関係は、 2≦t≦(T−600)/100 とするのが好ましい。
熱間圧延、熱延板焼鈍、酸洗、1回または中間焼鈍をは
さむ2回以上の冷間圧延、脱炭焼鈍、焼鈍分離剤塗布お
よび最終仕上げ焼鈍などの各工程における製造条件はそ
れぞれ公知の方法にしたがって行えばよい。例えば、ス
ラブ加熱温度はインヒビター成分を十分固溶する128
0℃以上、シートバー厚は25〜60mm、熱延鋼帯厚
は1.4〜3.5mmなどが挙げられる。
は、MnSe、MnSのうちの少なくとも1種とA1N
とをインヒビタ−として複合添加したものに適合する。
その成分組成をあげると次のとおりである。
らず、ゴス方位の発達に有用な元素であり、少なくとも
0.01wt%は含有させる必要がある。しかしながら、
0.10wt%を超えて含有すると脱炭が困難となり、か
えってゴス方位に乱れが生じるので、上限は0.10wt
%とする。なお、好ましいC含有量は0.03〜0.0
8wt%である。
Si含有量が、2 .0wt%未満では鉄損低減効果が十分
ではなく、また純化と2次再結晶のため行われる高温で
の仕上げ焼鈍において、α−γ変態による結晶方位のラ
ンダム化が生じ十分な磁気特性が得られない。一方、
4.5wt%を超えると冷間圧延性が損なわれ、鋼板の製
造が困難となる。したがって、Si含有量は、2.0〜
4.5wt%とする。なお、好ましくは2.5〜3.5wt
%の範囲とするのがよい。
に有効な元素であり、その効果は、0.02wt%未満で
は得られない。一方、0.30wt%を超えて添加する
と、MnSe,MnSの解離固溶温度を高め、またスラ
ブ抽出から粗圧延までにインヒビターの粗大化がおこ
る。したがって、Mn含有量は、0.02〜0.30wt
%とする。なお、好ましくは0.05〜0.10wt%の
範囲とするのがよい。
元素である。Al含有量が、0.005wt%未満では抑
制力の確保が十分ではなく、一方、0.10wt%を超え
るとその効果が損なわれるので、0.005〜0.10
wt%とする。なお、好ましい範囲は0.01〜0.05
wt%である。
素である。N含有量が、0.004wt%未満では抑制力
の確保が十分ではなく、一方、0.15wt%を超えると
その効果が損なわれるので、0.004〜0.15wt%
とする。なお、好ましい範囲は0.006〜0.010
wt%である。
る有力な元素である。Se含有量が、0.005wt%未
満では抑制力の確保が十分ではなく、一方、0.06wt
%を超えるとその効果が損なわれる。したがって、単独
添加、複合添加いずれの場合とも0.005〜0.06
wt%とする。なお、好ましい範囲は0.010〜0.0
30wt%である。
力な元素である。S含有量が、0.005wt%未満では
抑制力の確保が十分ではなく、一方、0.06wt%を超
えるとその効果が損なわれるので、単独添加、複合添加
いずれの場合とも0.005〜0.06wt%とする。な
お、好ましい範囲は0.015〜0.035wt%であ
る。
分として上記したS、Seの1種または2種とAlとを
用いるが、このほかに、Cu、Sn、Sb、Mo、Te
およびBi等も有利に作用するのでそれぞれ前記成分に
併せて含有させることもできる。これらの成分の好適添
加範囲は、Cu、Sn:それぞれ0.01〜0.15
%、Sb、Mo、Te、Bi:それぞれ0.005〜
0.1wt%である。また、これらの各インヒビター成分
についても、単独使用および複合使用のいずれもが可能
である。
020wt%、N:0.0073wt%、Mn:0.04wt
%およびS:0.025wt%を含有し、残部は実質的に
Feよりなる厚み200mmのけい素鋼スラブを139
0℃の温度で溶体化処理し、3パスの粗圧延により厚み
40mmのシートバーとした。このシートバーを、仕上
げ圧延入り側の鋼板表面温度、仕上げ圧延の第1パスと
第2パスの間の経過時間を種々に変化させて、7スタン
ド(パス)の圧下により1.9mm厚の熱延板に仕上げ
圧延し、その後、0.8mmに冷延し、950℃で60
秒の中間焼鈍を施し、0.30mmに冷延した。この冷
延板に湿潤雰囲気で840℃、3分間の脱炭焼鈍を施
し、焼鈍分離剤を塗布し、1200℃で15時間の高温
仕上げ焼鈍を施した。このときの仕上げ圧延入り側の鋼
板表面温度ならびに仕上げ圧延の第1パスと第2パスと
の間の経過時間を表1に示す。このようにして得られた
鋼板について磁気特性を測定し、その結果を表1に併せ
て示す。
も高磁束密度かつ低鉄損の優れた磁気特性を示すことが
わかる。これに対し、本発明の範囲を外れた比較例で
は、磁気特性も劣っていることがわかる。 ・実施例2 C:0.062wt%、Si:3.16wt%、Al:0.
029wt%、N:0.0096wt%、Mn:0.082
wt%およびSe:0.014wt%を含有し、残部は実質
的にFeよりなる厚み220mmのけい素鋼スラブを1
400℃の温度で溶体化処理し、5パスの粗圧延により
種々の厚みのシートバーとした。このシートバーを、7
スタンドからなるタンデム式仕上げ圧延機を用いて、仕
上げ圧延入り側の鋼板表面温度、仕上げ圧延の第1パス
と第2パスの間の経過時間を種々に変化させて、2.3
mm厚の熱延板に仕上げ圧延した後、さらに、950℃
での熱延板焼鈍、1.5mm厚までの冷延、1150℃
での中間焼鈍を経て、0.23mm厚まで冷延した。こ
の冷延板に840℃、3分間の脱炭焼鈍を施し、120
0℃で15時間の高温仕上げ焼鈍を施した。このときの
シートバー厚、仕上げ圧延入り側の鋼板表面温度ならび
に仕上げ圧延の第1パスと第2パスとの間の経過時間を
表2に示す。このようにして得られた鋼板について磁気
特性を測定し、その結果を表2に併せて示す。
も高磁束密度かつ低鉄損の優れた磁気特性を示すことが
わかる。これに対し、本発明の範囲を外れた比較例で
は、磁気特性も劣っていることがわかる。
インヒビタ−としてMnSe,MnSの1種又は2種と
A1Nとを複合して用いる一方向性電磁鋼板の製造にお
いて、従来の方法が抱えていた問題点が解消され、磁気
特性の優れた一方向性珪素鋼板の製造が可能となる。さ
らに、本発明方法によれば、仕上げ圧延条件を制御する
ことにより、インヒビタ−の劣化を抑制し、磁気特性の
向上に有効に寄与する二次再結晶組織の発達を促し、も
って高磁束密度かつ低鉄損の特性を有する一方向性珪素
鋼板を安定して製造することが可能となる。
の第1パス−第2パス間の経過時間と磁束密度との関係
を示すグラフである。
フである。
Claims (1)
- 【請求項1】C:0.01〜0.10wt%、 Si:2.0 〜4.5
wt%、 Mn:0.02〜0.30wt%、 Al:0.005 〜0.10wt%、 N:0.004 〜0.015wt %を含み、かつSe:0.005 〜0.06
wt%およびS:0.005 〜0.06wt%のうちから選ばれる1
種または2種を含有するけい素鋼スラブを加熱し、イン
ヒビター成分を溶体化した後、粗圧延および仕上げ圧延
からなる熱間圧延を行い、次いで熱延板焼鈍を施したの
ち、1回または中間焼鈍をはさむ2回以上の冷間圧延を
行い、その後脱炭焼鈍および仕上げ焼鈍を行う工程を経
て一方向性けい素鋼板を製造するに当たり、前記仕上げ
圧延における入り側の鋼板表面温度を1000〜120
0℃の範囲とし、かつ前記仕上げ圧延の第1パス圧下終
了から前記仕上げ圧延の第2パス圧下開始までの経過時
間を下記式; t≦(T−600)/100 ただし、t:仕上げ圧延の第1パス圧下終了から第2パ
ス圧下開始までの経過時間(sec) T:仕上げ圧延入り側の鋼板表面温度(℃) の関係を満足するように処理することを特徴とするに磁
気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法。
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JP30208994A JP3179986B2 (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法 |
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JP2005279689A (ja) * | 2004-03-29 | 2005-10-13 | Jfe Steel Kk | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
KR20180043351A (ko) | 2015-09-28 | 2018-04-27 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 방향성 전자 강판 및 방향성 전자 강판용의 열연 강판 |
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- 1994-12-06 JP JP30208994A patent/JP3179986B2/ja not_active Expired - Fee Related
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