JPH09283316A - 熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Info

Publication number
JPH09283316A
JPH09283316A JP8095158A JP9515896A JPH09283316A JP H09283316 A JPH09283316 A JP H09283316A JP 8095158 A JP8095158 A JP 8095158A JP 9515896 A JP9515896 A JP 9515896A JP H09283316 A JPH09283316 A JP H09283316A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron loss
flux density
magnetic flux
less
high magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8095158A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3492075B2 (ja
Inventor
Tomoyuki Abe
智之 阿部
Tomoji Kumano
知二 熊野
Masahiro Yamamoto
政広 山本
Kazufumi Hanzawa
和文 半澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP09515896A priority Critical patent/JP3492075B2/ja
Publication of JPH09283316A publication Critical patent/JPH09283316A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3492075B2 publication Critical patent/JP3492075B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/14766Fe-Si based alloys
    • H01F1/14775Fe-Si based alloys in the form of sheets

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現状、鉄損を下げた鋼板をコアに用いても、
コアの熱伝導率が低いため、モータからの放熱以上に蓄
熱がすすみ、モータ温度の上昇を招き、モータの温度上
昇を抑制するのに有効な電磁鋼板及びその製造方法に関
する技術が望まれている。本発明はモータの発熱による
温度上昇を抑制する目的で、熱伝導率に優れる高磁束密
度低鉄損無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提供する
ものである。 【解決手段】 Si:0.1〜1.2%を含む無方向性
電磁鋼板素成に更に、Sn,Cu,Sbの少くとも1種
以上を含有させることにより板厚:0.25mm超0.4
5mm以下、熱伝導率0.1 cal/cm/cec /℃以上の特
性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気機器鉄心材料
として使用される熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無
方向性電磁鋼板およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、モータの小型・高速化に伴い、励
磁周波数が高周波数化されてきた。その結果、コアの鉄
損、特に渦電流損が増加し、モータの発熱が大きくなる
ため、巻き線の絶縁を損ない、絶縁不良を引き起こすと
いう問題が発生するようになってきた。そこで、モータ
コアの鉄損を下げ、コアの発熱を抑制することによりこ
の問題を解決すべく取り組まれてきた。
【0003】その手段には、Si,Alなどを添加し、
鋼板の固有抵抗を上げることにより鉄損を下げること、
または板厚を低減することが考えられる。しかし、固有
抵抗を上げると、同時に熱伝導率が悪化するだけでなく
磁束密度も低下する。その結果、熱伝導率の悪化によ
り、モータコア及び巻き線から発する熱がモータ外部に
逃げずに蓄熱されるだけでなく、磁束密度の低下により
巻き線の発熱量が増加するためモータ温度の上昇を招
く。また、板厚薄手材は、従来、Si≧2%のみが製品
化され、Si<2%の無方向性電磁鋼板においては高磁
束密度低鉄損高熱伝導率を満たす鋼板は存在していな
い。ユーザは、コスト低減を重視したモータには、積み
工数削減を目的にできるだけ厚い鋼板の使用を望んでき
たため、これらモータに使用されるSi<2%のクラス
の鋼板には薄手材を必要としていなかったためである。
【0004】本発明の電磁鋼板およびその製造方法に関
する先行例としては、特開昭62−180014、特開
昭54−68716、特開昭55−158252があげ
られる。しかしながら、これら発明では板厚が厚すぎて
渦電流損が大きいため、モータの温度上昇を抑えること
ができないという難点がある。板厚の薄い材料として、
特開昭57−35626が挙げられる。この発明ではS
i量が高く、鋼板の熱伝導率が低くなり、モータ温度の
上昇を招く恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、現状で
は、鉄損を下げた鋼板をコアに用いても、コアの熱伝導
率が低いため、モータからの放熱以上に蓄熱がすすみ、
モータ温度の上昇を招くという課題があった。従って、
モータの温度上昇を抑制するのに有効な電磁鋼板及びそ
の製造方法に関する技術が望まれている。
【0006】上記問題点に鑑み、本発明はモータの発熱
による温度上昇を抑制する目的で、熱伝導率に優れる高
磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板及びその製造方法を提
供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは前記問題に鑑
み、鋭意検討を行った結果、熱伝導率、板厚、粒径、鉄
損、磁束密度、成分を制御すれば、モータの発熱を抑制
し、放熱を向上させ、モータ温度上昇を抑制することが
可能となることを究明した。その内容は以下の通りであ
る。
【0008】重量%で、C≦0.010%,0.1%≦
Si≦1.2%,Mn≦1.0%,Al≦0.85%,
P≦0.15%,S≦0.01%,N≦0.005%を
含有し、Sn:0.01%以上0.40%以下、Cu:
0.1%以上1.0%以下、Sb:0.005%以上
0.40%以下のSn,Cu,Sbの1種または2種以
上から成る成分を含有し、残部はFeおよび不可避的不
純物より成る鋼であって、板厚を0.25mm厚超0.4
5mm厚以下、熱伝導率0.1 cal/cm/sec /℃以上で
ある熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼
板であり、また、鉄損W15/50を6.00〔W/k
g〕以下、磁束密度B50を1.72T以上である熱伝
導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板であ
る。更に、前記特徴に加え、仕上焼鈍後の平均結晶粒径
が15μm以上200μm以下である熱伝導率に優れる
高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板であり、また、歪取
焼鈍後の平均結晶粒径を100μm以上500μm以下
である熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁
鋼板である。
【0009】一方、上記電磁鋼板の製造方法に関して
は、上記記載の成分から成る鋼を、熱間圧延後、一回ま
たは中間圧延をはさむ二回以上の冷間圧延によって最終
板厚とした後、仕上焼鈍を行う無方向性電磁鋼板の製造
方法において、熱延仕上げ温度をAr1 −50℃以上A
1 +50℃以下、巻取温度を650℃以上とする熱伝
導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板の製造
方法であり、また、上記記載の成分から成る鋼を、熱間
圧延後、一回または中間圧延をはさむ二回以上の冷間圧
延によって最終板厚とした後、仕上焼鈍を行う無方向性
電磁鋼板の製造方法において、熱延仕上げ温度もしくは
自己焼鈍をAr3 −50℃以上Ar3 +50℃以下、巻
取温度を550℃以上とした後、熱延板焼鈍を再結晶温
度以上Ar 1 点以下で行うこと、更に、仕上焼鈍後、1
%以上10%以下の冷延圧下率でスキンパス圧延を施こ
す熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板
の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の成分限定理由について述べる。Cは、鉄
損を増加させる有害な成分で、磁気時効の原因となるの
で、0.010%以下とする。
【0011】Siは周知のように鉄損を下げるのに有効
な元素であり、この効果を得るためには0.1%以上含
有させる必要がある。一方、その含有量が増えると磁束
密度が低下し、熱伝導率が悪化し、また、圧延作業性の
劣化、仕上げ焼鈍温度の上昇を招き、さらにはコスト高
ともなるので1.2%以下とする。MnはSiと同様に
鉄損を下げるのに有効な元素ではあるが、1.0%超に
なると磁束密度が下がるので1.0%以下とする。
【0012】AlはSiと同様に、固有抵抗を高めて鉄
損を下げる効果があるため、含有させても良いが、本発
明においてはSiにより固有抵抗を高めればよいので特
に下限はもうけない。一方、Al含有量が増えると、S
iと同様に磁束密度が低下するため、0.85%以下と
する。また、Alには、固溶Nを低減させ、窒化物の微
細析出を抑制する効果ももたせているため、Alの少な
い場合にはBを添加し、NをBNの形で粗大析出させて
無害化させることも本発明を損なわない。
【0013】Pは、0.15%を越えると鉄損を大きく
するので0.15%以下とする。Sは0.01%を越え
るとMnSなどの硫化物が微細に析出し、仕上げ焼鈍時
の粒成長を阻害し、鉄損を大きくするので0.01%以
下とする。Nは0.005%を越えるとAlNなどの窒
化物が微細に析出し、仕上げ焼鈍時の粒成長を阻害し、
鉄損を大きくするので0.005%以下とする。
【0014】Sn,Cu,Sbについては、本発明では
これらの1種または2種以上を所望の特性に応じて添加
する。Snは磁束密度を高くし、鉄損を低くする作用を
有するが、この作用を発揮するには0.02%以上必要
である。一方、この含有量が増えてもその作用は飽和
し、逆に結晶粒成長を抑制し、磁性に悪影響を及ぼすだ
けでなく、コスト高にもなるので0.20%以下とす
る。
【0015】Cuは磁束密度を高くし、鉄損を低くする
作用を有するが、この作用を発揮するには0.1%以上
必要である。一方、この含有量が増えると熱間脆性を招
き、作業性・加工性を劣化させるので1.0%以下とす
る。Sbは磁束密度を高くし、鉄損を低くする作用を有
するが、この作用を発揮するには0.005%以上必要
である。一方、この含有量が増えてもその作用は飽和
し、コスト高にもなるので0.40%以下とする。
【0016】上記成分以外は鉄及び不可避的不純物元素
である。次に、製品特性の限定理由について以下に述べ
る。発明者らは鋭意検討の結果、鋼成分の要因を除く
と、モータの温度上昇を抑制するには、熱伝導率、板
厚、粒径、鉄損、磁束密度を制御すれば、モータの発熱
を抑制し、放熱を向上させ、モータ温度上昇を抑制する
ことが可能となることを究明した。
【0017】図1に熱伝導率と板厚とモータ温度の関係
を示す。熱伝導率が0.1 cal/cm/cec /℃以上、製
品板の板厚を0.45mm厚以下の場合にモータ温度が8
0℃以下になっていることがわかる。モータの温度が8
0℃超になると、巻き線の絶縁不良を起こす恐れがある
ため、これ以下にモータ温度を抑えなければならない。
板厚を0.45mm以下とすることによりコア鉄損が下が
り、モータの発熱量を抑制できたこと、および熱伝導率
を0.1 cal/cm/cec /℃とすることにより放熱が促
進できたことの相乗効果によりモータ温度80℃以下を
実現できたと考えられる。ただ、あまり板厚が薄くなり
すぎると鋼板の生産性が悪化し、板の加工性も劣化する
ので、0.25mm厚超とする必要がある。より顕著に本
効果を発揮させるためには板厚を0.40mm厚以下とす
ることが望ましい。
【0018】図2に鉄損W15/50と磁束密度B50
とモータ温度の関係を示す。鉄損W15/50を6.0
0W/kg以下、磁束密度B50を1.72T以上とする
ことにより、モータ温度上昇を80℃以下に抑えること
が出来る。これは、コアの磁束密度を向上させることに
より、モータの励磁電流が減少し、巻き線の発熱量を抑
制できたこと、鉄損を下げることにより、コアの発熱量
を抑制することができたことの二つの効果によりモータ
温度上昇を抑制することができたと考えられる。
【0019】図3に平均結晶粒径と鉄損との関係を示
す。平均結晶粒径を15μm以上とすることにより鉄損
を6W/kg以下とすることができる。現行の電磁鋼板で
は、鉄損を下げる方法としてSi,Al,Mnを添加す
るなど固有抵抗を上げるのが一般的である。しかしこの
方法では熱伝導率が下がり、モータの放熱を阻害するこ
とになる。そこで、平均結晶粒径を15μm以上に制御
することにより、熱伝導率を悪化させることなく鉄損を
下げることができた。また、平均結晶粒径を200μm
以下としたのは、これ以上大きくするには焼鈍温度を上
げるもしくは時間が長くなりすぎて、鋼板製造コストが
上昇するのでこの値以下とした。
【0020】次に製造方法の限定理由について述べる。
熱延板焼鈍を行わない場合は以下のように製造される。
鋼スラブは所望温度に加熱された後、熱間圧延される。
熱間圧延後、冷延前結晶粒径を粗大化させる目的で、α
域のできるだけ高い温度で熱延を仕上げ、鋼板中に導入
された歪みを駆動力として熱延後の粒成長を促進させ、
加工組織が熱延板に残存させないようにする。その際に
必要な温度も同時に確保するためには熱延仕上げ温度を
Ar1 −50℃以上とする必要がある。一方、熱延仕上
げ温度をAr1 +50℃以下とするのは、Ar1 +50
℃を越えると熱間圧延後に変態点を通過する結晶粒の比
率が高くなり、熱延板の結晶粒の細粒化が起こり、磁気
特性が劣化するので上限を設ける。また、巻取温度を6
50℃以上とするのは、磁気特性を劣化させる原因であ
るAlNを比較的粗大に析出させ、冷間圧延後の焼鈍で
微細なAlNの析出が生じないようにするためである。
【0021】熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍は行われなく
ても所望の磁気特性を得ることはできる。しかしなが
ら、磁気特性を更に向上させ、モータ発熱を抑制する目
的で、熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍を行っても良い。熱
延板焼鈍もしくは自己焼鈍を行う場合は以下のように製
造される。鋼スラブは所望温度に加熱された後、熱間圧
延される。熱延仕上げ温度をAr3 −50℃以上とする
のは熱延後の板形状悪化を防ぐためである。熱延最終パ
スを二相域で行うと、α相とγ相の変形抵抗が異なるた
め、板形状が悪化するため下限を限定する。一方、熱延
仕上げ温度をAr3 +50℃以下とするのは熱延板焼鈍
もしくは自己焼鈍時の粒成長駆動力を稼ぐためである。
熱延最終パス後、γ相の粒が成長する前、つまりγ相の
粒径を小さく保った状態で直ちに変態させることによ
り、変態後のα相の粒径を小さくできる。その結果、続
く熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍時の粒成長駆動力を稼ぐ
ことができ、冷延前結晶粒径を粗大化させ、仕上焼鈍後
の鋼板の磁気特性をより一層向上させる事ができる。従
って、上限を設定する。また、巻取温度を550℃以上
とするのは、この温度以下になると鋼板が硬くなり、巻
取機の負荷が大きくなり過ぎるため下限を設ける。
【0022】歪取焼鈍後の平均結晶粒径は、100μm
以上とすることにより鉄損が下がるのでこれ以上とし、
一方、平均結晶粒径500μm越の大きさまで焼鈍する
にはコストがかかるため、500μm以下とする。ま
た、1%以上10%以下のスキンパスにより鉄損を下げ
られるので、モータ温度の上昇を抑制することができ
る。生産性が劣化するので10%以下とし、1%未満で
は効果が薄いのでこの範囲とする。
【0023】
【実施例】
<実施例1>表1は、板厚及び熱伝導率を変化させた鋼
板を用いてモータを作製したときのモータ温度および成
分を示す。本鋼は、熱間圧延をAr1 −50℃以上で仕
上げ、巻き取った後、酸洗、冷延を行い、続いて仕上焼
鈍を820℃で30秒間行った。成分、板厚、スキンパ
ス率を表に示すように調整した。本特許範囲を満たす板
厚及び熱伝導率の場合に限り、モータ温度が80℃以下
となる。従って、本発明範囲において、モータ温度の上
昇を抑制することができる。また、Bを添加することに
よりその効果が顕著になり、スキンパス10%までその
効果が顕著になる。
【0024】
【表1】
【0025】<実施例2>表2は、鉄損W15/50及
び磁束密度B50を制御した鋼板を用いてモータを作製
したときのモータ温度および成分を示す。本鋼は、熱間
圧延をAr1 −50℃以上で仕上げ、巻き取った後、酸
洗、0.35mm厚まで冷延を行い、続いて仕上焼鈍を8
00℃で30秒間行うことにより製造した。鉄損W15
/50が6.00W/kg以下、磁束密度B50が1.7
2T以上の場合に限り、モータ温度が80℃以下とな
る。従って、本発明範囲において、モータ温度の上昇を
抑制することができる。
【0026】
【表2】
【0027】<実施例3>表3は、各成分において、平
均結晶粒径を制御した鋼板を用いてモータを作製したと
きのモータ温度を示す。本鋼は、熱間圧延をAr1 −5
0℃以上で仕上げ巻き取った後、酸洗、0.35mm厚ま
で冷延を行い、続いて仕上焼鈍温度と時間を変化させ、
粒径を調整した。また、歪取焼鈍の時間と温度を変化さ
せ、歪取焼鈍後の粒径を調整した。平均結晶粒径が15
μm以上200μm以下の場合に限り、モータ温度が8
0℃以下となる。従って、本発明範囲において、モータ
温度の上昇を抑制することができる。また、歪取焼鈍後
の平均結晶粒径が100μm以上500μm以下にする
ことによりその効果が顕著になる。
【0028】
【表3】
【0029】<実施例4>表4は、各成分において、熱
延仕上げ温度および巻取温度を制御し、板厚は0.35
mmに冷延したのちに仕上焼鈍を行った鋼板を用いてモー
タを作製したときのモータ温度を示す。本特許範囲に示
すように熱延仕上げ温度をAr1 −50℃以上Ar1
50℃以下、巻取温度を650℃以上とした場合に限
り、モータ温度が80℃以下となる。従って、本発明範
囲において、モータ温度の上昇を抑制することができ
る。
【0030】
【表4】
【0031】<実施例5>表5に示す成分において、熱
延板焼鈍・自己焼鈍を行った場合と行わなかった場合の
鋼板を用いてモータを作製したときのモータ温度を示
す。鋼は、熱延後、酸洗、0.35mm厚まで冷延を行い
800℃で仕上焼鈍を行った。熱延条件を表5に示す。
熱延板焼鈍を行わなかった鋼は熱間圧延をAr1 −50
℃以上で仕上げ650℃以上で巻き取った。一方、熱延
板焼鈍・自己焼鈍を行った鋼はAr3−50℃以上Ar
3 +50℃以下で仕上げ550℃以上で巻き取った。熱
延板焼鈍・自己焼鈍を行った鋼の方がより一層磁気特性
が改善されている。従って、本発明範囲に示すように熱
延条件を制御し、熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍を行った
場合において、モータ温度の上昇を抑制効果が大きくな
る。
【0032】
【表5】
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、熱
伝導に優れた低鉄損高磁束密度無方向性電磁鋼板が得ら
れ、電気機器の効率化・小型化に伴い、その鉄心材料と
して用いられる無方向性電磁鋼板に対する要望に十分に
こたえることができ、その工業的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱伝導率と板厚とモータ温度の関係を示す。
【図2】鉄損W15/50と磁束密度B50とモータ温
度の関係を示す。
【図3】製品平均結晶粒径と鉄損の関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半澤 和文 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C≦0.010% 0.1%≦Si≦1.2% Mn≦1.0% Al≦0.85% P≦0.15% S≦0.01% N≦0.005% を含有し、さらに、Sn:0.01%以上0.40%以
    下、Cu:0.1%以上1.0%以下、Sb:0.00
    5%以上0.40%以下の1種または2種以上含有し、
    残部はFeおよび不可避的不純物から成る鋼であって、
    板厚を0.25mm超0.45mm以下、熱伝導率0.1 c
    al/cm/sec /℃以上であることを特徴とする熱伝導率
    に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 鉄損W15/50を6.00〔W/kg〕
    以下、磁束密度B50を1.72T以上であることを特
    徴とする請求項1記載の熱伝導率に優れる高磁束密度低
    鉄損無方向性電磁鋼板。
  3. 【請求項3】 仕上焼鈍後の平均結晶粒径が15μm以
    上200μm以下であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性
    電磁鋼板。
  4. 【請求項4】 歪取焼鈍後の平均結晶粒径が100μm
    以上500μm以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向
    性電磁鋼板。
  5. 【請求項5】 重量%で、C≦0.010% 0.1%≦Si≦1.2% Mn≦1.0% Al≦0.85% P≦0.15% S≦0.01% N≦0.005% を含有し、さらに、Sn:0.01%以上0.40%以
    下、Cu:0.1%以上1.0%以下、Sb:0.00
    5%以上0.40%以下の1種または2種以上含有し、
    残部はFeおよび不可避的不純物から成る鋼を、熱間圧
    延後、一回または中間圧延をはさむ二回以上の冷間圧延
    によって最終板厚とした後、仕上焼鈍を行う無方向性電
    磁鋼板の製造方法において、熱延仕上げ温度をAr1
    50℃以上Ar1 +50℃以下、巻取温度を650℃以
    上とすることを特徴とする熱伝導率に優れる高磁束密度
    低鉄損無方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 熱延仕上げ温度をAr3 −50℃以上A
    3 +50℃以下、巻取温度を550℃以上とした後、
    熱延板焼鈍もしくは自己焼鈍を再結晶温度以上Ar1
    以下で行うことを特徴とする請求項5記載の熱伝導率に
    優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 仕上焼鈍後、1%以上10%以下の冷延
    圧下率でスキンパスすることを特徴とする請求項5また
    は6記載の熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性
    電磁鋼板の製造方法。
JP09515896A 1996-04-17 1996-04-17 熱伝導率に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3492075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09515896A JP3492075B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 熱伝導率に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09515896A JP3492075B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 熱伝導率に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09283316A true JPH09283316A (ja) 1997-10-31
JP3492075B2 JP3492075B2 (ja) 2004-02-03

Family

ID=14129984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09515896A Expired - Fee Related JP3492075B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 熱伝導率に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3492075B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100544416B1 (ko) * 1997-11-04 2006-05-03 주식회사 포스코 자속밀도가높고철손이낮은무방향성전기강판및그제조방법
JP2010063252A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Jfe Steel Corp 熱放散性に優れた高速モータ用コアおよび高速モータ用コア材料
JP2010259158A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Jfe Steel Corp 高速モータ用コア材料
JP2013192417A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Jfe Steel Corp モータコアおよびその製造方法
WO2021238895A1 (zh) * 2020-05-29 2021-12-02 宝山钢铁股份有限公司 一种低成本极低铝的无取向电工钢板及其制造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2023008758A (es) 2021-03-31 2023-08-02 Nippon Steel Corp Maquina electrica rotativa, conjunto de nucleo de estator y nucleo de rotor, metodo para fabricar maquina electrica rotativa, metodo para fabricar lamina de acero electrico no orientado para estator y lamina de acero electrico no orientado para rotor, metodo para fabricar estator y rotor, y conjunto de laminas de acero electrico no orientado.

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100544416B1 (ko) * 1997-11-04 2006-05-03 주식회사 포스코 자속밀도가높고철손이낮은무방향성전기강판및그제조방법
JP2010063252A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Jfe Steel Corp 熱放散性に優れた高速モータ用コアおよび高速モータ用コア材料
JP2010259158A (ja) * 2009-04-22 2010-11-11 Jfe Steel Corp 高速モータ用コア材料
JP2013192417A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Jfe Steel Corp モータコアおよびその製造方法
WO2021238895A1 (zh) * 2020-05-29 2021-12-02 宝山钢铁股份有限公司 一种低成本极低铝的无取向电工钢板及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3492075B2 (ja) 2004-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3859032B1 (en) Non-oriented electrical steel sheet and method for producing same, and motor core and method for producing same
JP3307872B2 (ja) 無方向性電磁鋼板鋼板を用いた電気自動車用モータ及びその電磁鋼板の製造方法
JP3492075B2 (ja) 熱伝導率に優れる無方向性電磁鋼板およびその製造方法
US5667598A (en) Production method for grain oriented silicion steel sheet having excellent magnetic characteristics
JP3399726B2 (ja) 高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0978129A (ja) 全方位の磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH09228005A (ja) 熱伝導率に優れる高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPH06228645A (ja) 小型静止器用電磁鋼板の製造方法
JPH03211258A (ja) 磁気特性および表面性状の優れた無方向性電磁鋼板およびその製造方法
JP3179986B2 (ja) 磁気特性に優れる一方向性珪素鋼板の製造方法
JP3352599B2 (ja) 磁束密度が高い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP7268803B1 (ja) 無方向性電磁鋼板とその製造方法
JP2004162081A (ja) らせんコア用の無方向性電磁鋼板の製造方法
WO2024214370A1 (ja) 無方向性電磁鋼板
JP3845871B2 (ja) 磁束密度の高い無方向性電磁鋼板の製造方法
KR100240984B1 (ko) 0.5밀리 두께의 방향성 전기강판 제조방법
JPH06228644A (ja) 小型静止器用電磁鋼板の製造方法
JPH07116512B2 (ja) 磁気特性の優れたセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0617548B2 (ja) 耐発錆性に優れた無方向性電磁鋼板
JP3885480B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP3845887B2 (ja) 磁気特性に優れる熱延電磁鋼板の製造方法
JP2515449B2 (ja) 磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板の製造方法
JP3474594B2 (ja) 磁気特性の優れた厚い板厚の一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3348827B2 (ja) 磁束密度が高く鉄損の低い無方向性電磁鋼板の製造方法
JP2000096195A (ja) 電気自動車モータ用の無方向性電磁鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031014

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071114

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081114

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081114

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091114

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101114

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101114

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees