JPH08157698A - 導電性組成物とこれを用いた配線部材 - Google Patents

導電性組成物とこれを用いた配線部材

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JPH08157698A
JPH08157698A JP30653594A JP30653594A JPH08157698A JP H08157698 A JPH08157698 A JP H08157698A JP 30653594 A JP30653594 A JP 30653594A JP 30653594 A JP30653594 A JP 30653594A JP H08157698 A JPH08157698 A JP H08157698A
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conductive
resin
electrically conductive
conductive layer
composition
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JP30653594A
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English (en)
Inventor
Hiroyasu Sugiyama
博康 杉山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱硬化性樹脂のような種々の制限を生じない
熱可塑性樹脂を結着樹脂として使用して、しかも高くか
つ安定した導電性を有する導電層を形成しうる導電性組
成物と、これを用いた配線部材とを提供する。 【構成】 導電性組成物は、導電層の使用温度以上のガ
ラス転移温度を有する熱可塑性ポリエステル樹脂70〜
100重量%を含む熱可塑性樹脂を、導電性フィラーの
結着樹脂として使用した。また配線部材Fは、シールド
層2を、上記導電性組成物からなる導電層で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、導電性を有する接着
剤、塗料等として使用しうる導電性組成物と、当該導電
性組成物からなる導電層をシールド層として有する、プ
リント配線板、フレキシブルプリント配線板、フラット
ケーブル等の配線部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】たとえば
上記シールド層等の導電層を構成する導電性組成物は、
通常、金属粉等からなる導電性のフィラーを、適当な熱
可塑性樹脂からなる結着樹脂中に分散することで構成さ
れている。しかしこの構成では、導電層の使用条件(と
くに使用温度)によっては、目的とする導電性が得られ
なかったり、あるいは使用温度が変化すると導電性が不
安定化したりする場合があった。
【0003】また導電性フィラーとしては、金属中で最
も導電率の高い銀を使用する必要があり、コストダウン
等を目的として銀以外の金属、たとえば銅、ニッケル等
を導電性フィラーとして使用した場合には、銀製のフィ
ラーの場合よりも導電性が低くなってしまうという問題
もあった。そこで発明者らが検討したところ、結着樹脂
として熱硬化性樹脂を使用すると導電性が安定する上、
導電性フィラーとして銀以外の金属を使用しても、銀と
同程度の高い導電性が得られることがわかった。たとえ
ば特開平4−353575号公報に開示された、銅製の
フィラーを熱硬化性樹脂であるレゾール型のフェノール
樹脂と組み合わせた導電性塗料や、あるいは特開平3−
133006号公報に開示された、銀銅合金製のフィラ
ーを熱硬化性樹脂と組み合わせた導電性ペーストは、銀
製のフィラーを使用したものと同等で、かつ安定した導
電性が得られるのである。
【0004】しかしこれらの塗料やペーストは、熱硬化
性樹脂の硬化時に高温に加熱する必要があること、硬化
後の熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂のようにラミネートに
よる接着ができないこと、などの理由から、導電層と組
み合わせる材料(たとえば前記プリント配線板における
基板材料等)が制限を受けたり、配線部材の製造工程に
制約が生じて、配線部材の構造によっては製造が困難に
なったりするという問題があった。
【0005】この発明の目的は、熱硬化性樹脂のような
種々の制限や制約を生じない熱可塑性樹脂を結着樹脂と
して使用し、しかも導電性フィラーの種類に関係なく、
安定でかつ高い導電性を有する導電層を形成しうる、新
規な導電性組成物と、これを用いた配線部材とを提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】発明者らの検
討によると、導電性組成物からなる導電層の導電性は、
導電性フィラーを構成する金属材料自体の導電率のみに
よって決まるのでなく、導電層中における導電性フィラ
ー間の接触抵抗によっても大きく左右されることがわか
った。たとえば結着樹脂中に、導電率の高い銀製のフィ
ラーが高密度で充填されていても、各導電性フィラー間
の接触抵抗が大きければ、導電層全体としての導電性は
低くなるのである。
【0007】前記のように熱硬化性樹脂を結着樹脂とし
て使用した場合には、加熱硬化後の導電層内で、その冷
却過程において結着樹脂が収縮することで、導電性フィ
ラー間の接触抵抗が小さくなる。このため前述したよう
に、熱硬化性樹脂を使用した導電性塗料やペーストから
なる導電層は、銀以外の導電性フィラーを使用しても、
銀製のフィラーを使用したものに近いレベルの高い導電
性が得られる。
【0008】また、熱硬化性樹脂の硬化物は強固な3次
元網目状構造を有し、熱可塑性樹脂のように温度変化に
よってその相が変化しないので、導電層は、常に安定し
た導電性を有することになる。これに対し、結着樹脂と
して熱可塑性樹脂を使用したものにおいては、そのガラ
ス転移温度が、導電性フィラー間の接触抵抗を大きく左
右する。つまり、熱可塑性樹脂を結着樹脂として使用し
た導電層を、そのガラス転移温度以下の温度で使用した
際には、導電性フィラー間の接触抵抗が小さいため、導
電層全体としては高い導電性を示す。しかし、熱可塑性
樹脂のガラス転移温度より高い温度では、導電性フィラ
ー間の接触抵抗が大きくなって導電層全体としての導電
性が低下してしまい、目的とする導電性が得られなくな
る。このため、使用温度が結着樹脂のガラス転移温度よ
り高い場合には、たとえ銀製のフィラーを使用しても十
分な導電性が得られず、また使用温度が結着樹脂のガラ
ス転移温度を挟んで上下した場合には、導電性が不安定
化してしまう。
【0009】この原因は以下のように考えられる。すな
わち熱可塑性樹脂中に導電性フィラーを分散した構造で
は、熱可塑性樹脂が導電性フィラーに収縮応力を及ぼす
が、結着樹脂のガラス転移温度以下の温度では上記収縮
応力が大きいため、前記熱硬化性樹脂の硬化後の状態と
同様になって、導電性フィラー間の接触抵抗が小さくな
り、その結果、導電層の導電性が高くなる。これに対
し、結着樹脂のガラス転移温度より高い温度では収縮応
力が小さくなって、導電性フィラー間の接触抵抗が大き
くなり、導電層の導電性が低下するのである。
【0010】そこで発明者らは、上記の知見に基づい
て、結着樹脂の成分ならびにその組成を検討した結果、
この発明を完成するに至った。すなわちこの発明の導電
性組成物は、導電性フィラーと結着樹脂とを含み、上記
のうち結着樹脂が、当該導電性組成物からなる導電層の
使用温度より高いガラス転移温度を有する熱可塑性ポリ
エステル樹脂を、70〜100重量%の割合で含有する
熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
【0011】また、この発明の配線部材は、シールド層
が、この発明の導電性組成物より形成された導電層から
なることを特徴とするものである。なお、この発明の導
電性組成物においては、熱可塑性ポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度は、上記のごとく導電性組成物からなる導
電層の使用温度より高ければ、その範囲についてはとく
に限定されないが、室温での使用を考慮した場合には2
5〜140℃の範囲内であるのが好ましい。
【0012】またこの発明の導電性組成物においては、
導電性フィラーと結着樹脂の配合割合もとくに限定され
ないが、当該導電性組成物を導電性接着剤として使用す
る場合には、結着樹脂の、導電性フィラー100重量部
に対する配合量が、20〜70重量部であるのが好まし
い。一方、この発明の導電性組成物を導電性塗料として
使用する場合は、結着樹脂の、導電性フィラー100重
量部に対する配合量が、15〜70重量部であるのが好
ましい。
【0013】かかるこの発明の導電性組成物は、上記の
ごとく、導電層の使用温度より高いガラス転移温度を有
する熱可塑性ポリエステル樹脂を含む熱可塑性樹脂を、
結着樹脂として使用しているため、導電層の通常の使用
条件下での使用時に、導電性フィラー間の接触抵抗が大
きくなって導電性が低下することが防止される。したが
ってこの発明の導電性組成物によれば、熱硬化性樹脂の
ような種々の制限や制約を生じない熱可塑性樹脂を結着
樹脂として使用して、しかも使用する導電性フィラーの
種類に関係なく、安定でかつ高い導電性を有する導電層
を形成することが可能となる。またとくにこの発明によ
れば、銀よりも導電率の低い銅やニッケル等からなる導
電性フィラーを使用して、なおかつ銀製のフィラーを使
用したものに近いレベルの高い導電性を有する導電層を
形成することもできる。
【0014】またこの発明の配線部材は、前述したよう
にこの発明の導電性組成物からなるシールド層を有する
ため、安定したシールド性能を有している。なお、この
発明の導電性組成物に類似したものとして、たとえば特
開平1−217043号公報には、所定のガラス転移温
度を有する線状飽和ポリエステル樹脂を用いた導電性フ
ィルムが開示されている。しかしこのものは、上記線状
飽和ポリエステル樹脂をイソシアネート化合物で架橋し
ている点で、前述した熱硬化性樹脂を使用した導電性塗
料等と同等のものに過ぎず、導電層と組み合わせる材料
が制限を受けたり、配線部材の製造工程に制約が生じる
という問題がある。
【0015】また特開平2−245070号公報には、
耐マイグレーション性向上のために、耐熱性熱可塑性樹
脂のガラス転移温度を150℃以上とした導電性ペース
ト組成物が開示されているが、かかるガラス転移温度の
高い導電性ペースト組成物を、たとえばラミネート接着
に使用するためには、高温に加熱する必要があるため、
やはり熱硬化性樹脂を用いた導電性塗料等と同様に、導
電層と組み合わせる材料が制限を受けたり、配線部材の
製造工程に制約が生じるという問題がある。
【0016】さらに特開昭62−156176号公報に
は、ガラス転移温度が60℃以上のアクリル樹脂をポリ
エステル樹脂と併用した導電性印刷インキ組成物が開示
されているが、アクリル樹脂を添加すると接着性が低下
するため、導電性接着剤としての使用が困難になるだけ
でなく、導電性塗料として使用した際にも、形成された
導電層の、下地への密着性が不十分になって、機械的強
度の点で問題を生じる。
【0017】これに対しこの発明の構成によれば、上記
のような従来の問題点をすべて解消することができる。
以下にこの発明を説明する。まずこの発明の導電性組成
物について説明する。上記導電性組成物は、結着樹脂中
に導電性フィラーを分散させることで構成される。
【0018】かかる導電性組成物は、前記のように主と
して、導電性接着剤または導電性塗料として使用され
る。導電性接着剤と導電性塗料の違いは接着性を有する
か否かという点であって、それ以外の具体的な構成はほ
ぼ同じである。より詳しくは、たとえば結着樹脂の導電
性フィラーに対する配合量が少なくてラミネート等によ
る接着が困難な、導電性接着剤として使用できないもの
であっても、下地に対する密着性や膜強度等の点で問題
なければ導電性塗料として使用することができ、この発
明の構成は、かかる導電性塗料にも適用できる。なお上
記導電性塗料は、後述するように導電性を有さない接着
剤と併用することで、導電性接着剤と同様の使用が可能
である。
【0019】結着樹脂としての熱可塑性樹脂に含まれ
る、導電層の使用温度より高いガラス転移温度を有する
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、高分子の主鎖中に
エステル結合を有する、従来公知の種々の熱可塑性ポリ
エステル樹脂が、いずれも使用可能である。具体的に
は、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリアルキ
レンテレフタレート類;共重合ポリエステル類;脂肪族
ポリエステル類;ポリアリレート類;液晶ポリエステル
類などがあげられる。中でもとくに、ポリアルキレンテ
レフタレート類の主鎖の一部を他の成分に置き換えた共
重合ポリエステル類が、接着性、膜形成性および溶媒溶
解性にすぐれるため、この発明に好適に使用される。ま
た、かかる共重合ポリエステル類は、置換する成分の種
類とその割合を変更することで、ガラス転移温度を細か
く調整できるという利点もある。
【0020】熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温
度は、前記のように導電層の使用温度より高い値に設定
される。熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度
が、導電層の使用温度より低い場合には、前述したよう
に導電性フィラー間の接触抵抗が大きくなって、導電層
全体としての導電性が低下してしまう。また、上記ガラ
ス転移温度が、導電層の使用温度付近である場合には、
使用温度の変動によって導電性が不安定化してしまう。
【0021】なお、上記熱可塑性ポリエステル樹脂のガ
ラス転移温度は、室温での導電層の使用を考慮した場
合、前記のように25〜140℃の範囲内であるのが好
ましい。熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転移温度が
25℃未満では、前記のように導電層の導電性が低下し
たり不安定化したりするおそれがある。逆に熱可塑性ポ
リエステル樹脂のガラス転移温度が140℃を超える
と、導電性接着剤においては接着強度が低下するおそれ
があり、また導電性塗料においては下地への密着性が低
下するおそれがある。
【0022】熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量等につ
いてはとくに限定されないが、溶媒溶解性や成膜性、あ
るいは導電層の膜強度等を考慮すると、5000〜25
000程度が好ましい。上記特定のガラス転移温度を有
する熱可塑性ポリエステル樹脂の、結着樹脂全体に対す
る割合は、70〜100重量%に限定される。
【0023】上記熱可塑性ポリエステル樹脂の割合が7
0重量%未満では、当該熱可塑性ポリエステル樹脂の添
加効果が得られず、導電性フィラー間の接触抵抗が大き
くなって、導電層全体としての導電性が低下してしま
う。なお、上記熱可塑性ポリエステル樹脂の割合は、当
該熱可塑性ポリエステル樹脂の添加による、導電層の導
電性向上の効果を考慮すると、上記範囲内でもとくに8
0重量%以上であるのが好ましく、100重量%すなわ
ち結着樹脂の全体が上記熱可塑性ポリエステル樹脂であ
るのがさらに好ましい。
【0024】上記熱可塑性ポリエステル樹脂と併用して
もよい他の熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステ
ル樹脂との相溶性が良好な種々の熱可塑性樹脂が、何れ
も使用可能であるが、中でもとくに、ガラス転移温度
が、導電層の使用温度未満である、同系の熱可塑性ポリ
エステル樹脂が好適である。かかる熱可塑性ポリエステ
ル樹脂は、特定のガラス転移温度を有する前記熱可塑性
ポリエステル樹脂との相溶性にとくにすぐれる上、導電
層の接着性、下地への密着性を向上させる効果を有して
いる。
【0025】結着樹脂の、導電性フィラー100重量部
に対する配合量は、導電性接着剤の場合は20〜70重
量部に限定され、導電性塗料の場合は15〜70重量部
に限定される。導電性接着剤において、結着樹脂の配合
量が20重量部未満では、接着強度が低下してしまう。
また逆に、結着樹脂の配合量が70重量部を超えた場合
には、相対的に導電性フィラーの割合が少なくなる分、
導電性フィラー間の接触抵抗が大きくなって、導電層全
体としての導電性が低下してしまう。
【0026】なお導電性接着剤における結着樹脂の配合
量は、上記範囲内でもとくに40〜70重量部であるの
が好ましい。一方、導電性塗料において、結着樹脂の配
合量が15重量部未満では、下地への密着性や導電層の
膜強度が低下してしまう。また逆に、結着樹脂の配合量
が70重量部を超えた場合には、上記と同様に、導電性
フィラー間の接触抵抗が大きくなって、導電層全体とし
ての導電性が低下してしまう。
【0027】導電性塗料における結着樹脂の配合量は、
上記範囲内でもとくに30〜70重量部であるのが好ま
しい。導電性フィラーとしては、高い導電性を有する銀
製のフィラーを使用するのが理想的であるが、この発明
の構成によれば、前述したように銅やニッケル等の、銀
以外の金属製のフィラーを用いても、銀製のフィラーに
近いレベルの導電性が得られるので、コスト等を考慮す
ると、上記銀以外の金属製のフィラーを、単独であるい
は2種以上使用するのが好ましい。もちろん、銀製のフ
ィラーを使用しても構わない。
【0028】導電性フィラーの表面は、長期間にわたっ
て初期の導電性を維持すべく、酸化防止処理されていて
もよい。また、結着樹脂に対する分散性を向上するため
に、たとえばシランカップリング剤やチタネートカップ
リング剤等で処理されていてもよい。導電性フィラーの
粒径はとくに限定されないが、導電層の導電性にむらが
生じるのを防止するには、50μm以下であるのが好ま
しい。また導電層の厚みを薄くする場合は、導電性フィ
ラーの粒径は30μm以下であるのがさらに好ましい。
なお、上記導電性フィラーの粒径は、凝集を防止して、
結着樹脂中への均一な分散を確保するためには、5μm
以上であるのが好ましい。
【0029】導電性フィラーは、当該導電性フィラー間
の接触抵抗を高めるために、隣接するもの同士が接触し
やすい形状が好ましい。具体的には、球状よりも鱗片状
(薄片状)が好ましく、樹枝状がさらに好ましい。かか
る結着樹脂と導電性フィラーとを含む、この発明の導電
性組成物には、さらに必要に応じて、酸化防止剤や、あ
るいは導電性フィラーの沈降を防止する沈降防止剤等
の、従来公知の各種添加剤を配合することが、実用上効
果的である。
【0030】つぎにこの発明の配線部材について説明す
る。この発明の配線部材は、以上で説明した、この発明
の導電性組成物からなる導電層をシールド層として有す
ることを特徴とするもので、それ以外の構成については
とくに限定されない。すなわちこの発明の配線部材の具
体例としては、プリント配線板、フレキシブルプリント
配線板、フラットケーブル等があげられ、シールド層以
外の構成は、それぞれの具体例における従来の構成を、
そのまま採用することができる。
【0031】上記のうちフラットケーブルは、たとえば
図1(a)(b)に示すように構成されるが、図示以外の構成
ももちろん可能である。図1(a) のフラットケーブルF
は、この発明の導電性組成物のうち接着性を有するもの
を、導電性接着剤として用いたもので、内部に導体回路
11〜16を有するケーブル本体1の外周に、上記導電
性接着剤からなるシールド層(導電層)2と、保護フィ
ルム3とを、この順に積層することで構成されている。
なお導体回路11はアース回路であって、ケーブル本体
1に形成した凹部1a中に充填された導電性接着剤によ
って、シールド層2と電気的に接続されている。
【0032】上記フラットケーブルFは、表面に上記シ
ールド層2を塗布形成した保護フィルム3を、ケーブル
本体1の表面に巻きつけた状態で、ラミネート処理する
ことで形成される。これは、シールド層2を構成する導
電性接着剤の接着性を利用したものである。一方、図1
(b) のフラットケーブルFは、この発明の導電性組成物
のうち接着性を有しないものを、導電性塗料として使用
したもので、内部に導体回路11〜16を有するケーブ
ル本体1の外周に、上記導電性塗料からなるシールド層
(導電層)2と、導電性を有さない接着剤からなる接着
層4と、保護フィルム3とを、この順に積層することで
構成されている。なおシールド層2は、先の図1(a)の
フラットケーブルFの場合と同様に、ケーブル本体1に
形成した凹部1a中に充填された導電性塗料によって、
アース回路である導体回路11と電気的に接続されてい
る。
【0033】上記フラットケーブルFは、表面に接着層
4を塗布形成した保護フィルム3を、表面に導電性塗料
からなるシールド層2を塗布形成したケーブル本体1の
表面に巻きつけた状態で、ラミネート処理することで形
成される。このように、接着性を有さない導電性塗料を
使用する場合、接着剤と併用することで、導電性接着剤
を用いた場合と同様の構成が可能である。
【0034】なおこの発明においては、一つの配線部材
中に、導電性接着剤からなる導電層と、導電性塗料から
なる導電層とを混在させることもできる。
【0035】
【実施例】以下にこの発明を、実施例、比較例に基づい
て説明する。なお、以下の実施例は、本発明の一例を示
すものであり、本発明の範囲を限定するものではない。 実施例1〜7、比較例1〜5〈導電性組成物〉 導電性フィラーである銅粉〔樹枝状、福田金属(株)製
の商品名FCC−115A〕100重量部と、結着樹脂
である、表1〜3に示す配合量(重量部)の熱可塑性ポ
リエステル樹脂A〜Eとを、160重量部のジオキサン
とともに混合して、導電性組成物を作製した。なお、各
実施例、比較例で使用した熱可塑性ポリエステル樹脂A
〜Eはそれぞれ下記の製品であって、いずれも前述した
共重合ポリエステル類に属している。
【0036】熱可塑性ポリエステル樹脂 A:エリーテルUE−3600〔ユニチカ(株)製〕 B:ケミットK−1089〔東レ(株)製〕 C:ケミットK−1294〔東レ(株)製〕 D:エリーテルUE−3220〔ユニチカ(株)製〕 E:ケミットR−99〔東レ(株)製〕 上記各実施例、比較例の導電性組成物について、以下の
各試験を行って、その特性を評価した。 シート抵抗測定 各実施例、比較例の導電性組成物を絶縁基板の表面に塗
布し、乾燥させて、厚み50μmの導電層を形成した。
そしてこの導電層の表面に、図2に示すように縦1cm
×横1cmの金属ブロックMを2個、1cmの間隔をあ
けて載置し、さらにその上に、図中二点鎖線で示すよう
に重さ1kg重の荷重Wを、当該両金属ブロックMと絶
縁しつつ載せた状態で、環境温度25℃における両金属
ブロックM間の抵抗値(Ω/□)を測定した。 剥離強度測定 各実施例、比較例の導電性組成物をポリエステルフィル
ムの表面に塗布し、乾燥させて、厚み50μmの導電層
を形成した後、この導電層の上に、さらにポリエステル
フィルムを重ね合わせた状態で、150℃に加熱された
加熱ローラを通してラミネート接着した。加熱時間は3
0秒であった。
【0037】そして、ラミネート接着したものを幅1c
mの短冊状に切り出した後、図3に示すように、下側の
ポリエステルフィルムP1の一端をチャックC1で挟ん
で固定しつつ、上側のポリエステルフィルムP2を、チ
ャックC2によって180°剥離して、そのときの荷重
を導電層Dの剥離強度(g/cm)とした。なお、剥離
時のチャックC2の速度は、50mm/分とした。
【0038】以上の結果を表1〜3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例8〈配線部材〉 ポリエステルフィルムの表面に、実施例1で製造した導
電性組成物を塗布し、乾燥させて、厚み50μmの導電
層を形成した。そしてこのポリエステルフィルムを、図
1(a) に示すケーブル本体1の外周に、導電層を内側に
して巻きつけた状態で、加熱ローラを通してラミネート
接着して、同図に示すように、上記ケーブル本体1の外
周に、上記導電層からなるシールド層2と、ポリエステ
ルフィルムからなる保護フィルム3とを、この順に積層
したフラットケーブルFを製造した。
【0043】つぎに、上記フラットケーブルFのアース
回路(導体回路)11をアースした状態で、導体回路1
3に周波数1MHzの高周波電流を流しつつ、当該フラ
ットケーブルFの近傍に設置した電力計の受信部によっ
て、フラットケーブルから漏洩する透過電流量を測定し
た。そして、上記透過電流量の測定値を、外周にシール
ド層2および保護フィルム3を形成していないケーブル
本体1における、透過電流量の測定値と比較して、その
減衰量(dB)を求めたところ、70dBであった。こ
の値は、減衰量の合格値として設定した60dBを上回
るものであり、十分なシールド効果を有することがわか
った。
【0044】また、上記フラットケーブルを折り曲げた
後、元に戻して観察したところ、シールド層や保護フィ
ルムに剥離はみられなかった。以上の結果より、実施例
のフラットケーブルはシールド効果および可撓性の点
で、十分に実用可能であることが確認された。またこの
ことから実施例1の導電性組成物は、フラットケーブル
だけでなく、プリント配線板、フレキシブルプリント配
線板等の他の配線部材のシールド層としても有効に利用
できることがわかった。
【0045】さらに上記実施例8の結果より、当該実施
例8で使用した実施例1の導電性組成物と同様の特性を
有する他の実施例の導電性組成物を使用しても、ほぼ同
様の結果を得られることが予測された。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の導電性
組成物によれば、熱硬化性樹脂のような種々の制限を生
じない熱可塑性樹脂を結着樹脂として使用して、しかも
高くかつ安定した導電性を有する導電層を形成すること
が可能となる。またこの発明の配線部材は、上記のよう
に特性のすぐれた導電性組成物からなるシールド層を有
するため、安定したシールド性能を有しており、シール
ドを必要とするプリント配線板、フレキシブルプリント
配線板、フラットケーブル等の高性能化に寄与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a)(b)はいずれも、この発明のうち配線部
材の一例としてのフラットケーブルの層構成を示す断面
図である。
【図2】この発明のうち導電性組成物の実施例、比較例
において、当該導電性組成物によって形成された導電層
のシート抵抗を測定する方法を説明する斜視図である。
【図3】この発明のうち導電性組成物の実施例、比較例
において、当該導電性組成物によって形成された導電層
の剥離強度を測定する方法を説明する正面図である。
【符号の説明】 F フラットケーブル(配線部材) 2 シールド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 67/00 101:00)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性フィラーと結着樹脂とを含む導電性
    組成物において、上記結着樹脂が、当該導電性組成物か
    らなる導電層の使用温度より高いガラス転移温度を有す
    る熱可塑性ポリエステル樹脂を、70〜100重量%の
    割合で含有する熱可塑性樹脂からなることを特徴とする
    導電性組成物。
  2. 【請求項2】上記熱可塑性ポリエステル樹脂のガラス転
    移温度が、25〜140℃の範囲内である請求項1記載
    の導電性組成物。
  3. 【請求項3】結着樹脂の、導電性フィラー100重量部
    に対する配合量が20〜70重量部である請求項1記載
    の導電性組成物。
  4. 【請求項4】結着樹脂の、導電性フィラー100重量部
    に対する配合量が15〜70重量部である請求項1記載
    の導電性組成物。
  5. 【請求項5】シールド層を有し、当該シールド層が、請
    求項1ないし4記載のいずれかに記載の導電性組成物よ
    り形成された導電層からなることを特徴とする配線部
    材。
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