JPH08156575A - 車両用の燃焼式暖房装置 - Google Patents

車両用の燃焼式暖房装置

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JPH08156575A
JPH08156575A JP30099494A JP30099494A JPH08156575A JP H08156575 A JPH08156575 A JP H08156575A JP 30099494 A JP30099494 A JP 30099494A JP 30099494 A JP30099494 A JP 30099494A JP H08156575 A JPH08156575 A JP H08156575A
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JP
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combustion
heater
air
ventilation
heating
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JP30099494A
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Naoto Hotta
直人 堀田
Shinichi Mashita
晋一 真下
Yasuo Kondo
靖男 近藤
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Denso Corp
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NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気自動車にも使用することができる快適で
制御性がよく、熱効率も高い燃焼ヒータによる暖房装置
を提供する。 【構成】 燃焼ヒータ1はケース17によって覆われて
おり、入口17aと出口17bを備える換気用空気のた
めの通気間隙17cを形成している。燃焼ヒータ1は水
套9aで温水を加熱し、温水は室内ユニットRUのヒー
タコア8で暖房用空気に熱を与える。従来のものでは燃
焼ヒータ1が走行風により冷却されるが、本発明ではケ
ース17によって覆われているので熱損失が少ない。ま
た、従来のものでは燃焼を停止したり再着火したりして
断続燃焼を行う必要があるが、本発明では通気間隙17
cに流す換気用空気をモータ18によって制御すること
により、低位燃焼を続けながら水温を略一定に保つこと
ができ、着火遅れがなくて制御性が良く、温度の変動が
少ないので優れた暖房フィーリングが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御性に優れた車両用
の暖房装置に係り、特に電気自動車に設置するのに適し
た燃焼式の暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を搭載している自動車であれ
ば、機関冷却水等を主たる熱源として暖房装置を構成す
ることができるので、燃焼式の温水ヒータは補助暖房装
置として使用され、寒冷時にこの燃焼ヒータによって機
関の冷却水を先行的に加熱し、機関の早期暖機を促進す
ることが可能である。機関および付属の燃焼ヒータによ
って加熱される温水(この場合は機関の冷却水)は、室
内ユニットのヒータコアへ送られて暖房用空気と熱交換
し、加熱された空気が車室内へ供給されて暖房効果を発
揮するが、温水と暖房用空気との熱交換量は、通常、室
内ユニットに設けられたエアミックスダンパの開度調整
によって制御され、温水に与えられる熱量に対して暖房
需要の熱量が少ない場合には、余剰の熱量は機関のラジ
エータから大気中へ放出される。
【0003】電気自動車においてはラジエータが設けら
れていないので、暖房装置の熱源として燃焼ヒータを使
用する場合には、燃焼ヒータの発熱量を暖房需要の熱量
に合わせて制御する必要がある。しかしながら、燃焼装
置は一般に燃焼の安定性を維持するために燃焼量には下
限値があり、その限界よりも小さな燃焼量を得ることが
できないので、必要な発熱量が下限値を下回る場合には
燃焼を停止する他はない。その結果、車室内の温度が大
きく変動するために暖房フィーリングが悪化するばかり
でなく、車室内の温度が低下した後に燃焼を再開すると
きには応答遅れがあるので制御性が悪く、車室内の温度
を一定に維持することが難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、新規な手段によっ
てそれらの問題を解消し、例えば電気自動車においても
快適で制御性のよい燃焼ヒータによる暖房装置を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、車両に搭載され、少なくと
もヒータコアを備えていて、該ヒータコアによって加熱
された暖房用の空気を車室内へ供給することができる空
調用の室内ユニットと、内部に燃料の燃焼室を備えてお
り、該燃焼室において発生する燃焼ガスによって前記ヒ
ータコアへ流れる温水を加熱することができる燃焼ヒー
タと、前記燃焼ヒータ全体をその外壁との間に換気のた
めの空気を流すための通気間隙が残るようにして覆うと
共に、該通気間隙へ空気を導入する入口と該通気間隙か
ら空気を排出する出口とを形成しているケースと、前記
通気間隙を通過する換気用の空気の量を制御する手段
と、を備えている車両用の燃焼式暖房装置を提供する。
【0006】本発明は、更に具体的な解決手段として、
前記構成に加えて、制御装置と、該制御装置によって暖
房負荷を算出するためにシステム内の温度を検出して信
号を前記制御装置へ入力する温度センサと、前記制御装
置によって運転制御されて前記燃焼ヒータへ供給される
燃焼用空気の量を変化させることができる第1の送風機
と、前記制御装置によって運転制御されて前記燃焼ヒー
タへ供給される燃料の量を変化させることができる燃料
供給装置と、前記通気間隙を通過する換気用の空気の量
を制御する手段として、前記制御装置によって運転制御
される第2の送風機と、を備えている車両用の燃焼式暖
房装置を提供する。
【0007】本発明は、更に具体的な解決手段として、
前記構成に加えて、前記燃焼ヒータ内において、燃焼ガ
スと温水との間の熱交換および温水と換気用空気との間
の熱交換を促進するためのフィンを、温水の流路壁の内
側および外側に設けた車両用の燃焼式暖房装置をも提供
する。
【0008】
【作用】本発明の燃焼式暖房装置によれば、燃焼ヒータ
の燃焼室において燃料が燃焼して発生する熱が温水を加
熱し、加熱された温水が室内ユニットのヒータコアへ供
給されて暖房用の空気を加熱し、加熱された空気が車室
内に供給されるという通常の作用をすることは言うまで
もないが、それに加えて、燃焼ヒータが、その外壁との
間に換気のための空気を流す通気間隙が残るようにして
ケースによって覆われており、その通気間隙の入口から
出口へ空気が流れるため、通気間隙の空気流量を制御す
ることによって、その空気流へ与えられる熱量を増減調
節し、それによって燃焼ヒータにおいて温水に与えられ
る熱量を増減させて、室内ユニットにおいて車室内の空
気に与えられる熱量を制御し、暖房効果を調節すること
ができる。
【0009】従って、燃焼室における燃料の燃焼をON
−OFF制御しないで燃焼を継続させながら暖房効果を
調節することも可能になるので、燃焼室における燃焼の
停止や再起動による応答遅れや室温の変動を抑えること
が可能になる。また、燃焼ヒータはケースによって覆わ
れており、通気間隙に空気を流さないときは通気間隙お
よびケースが燃焼ヒータを保温する働きをして、無駄な
放熱を防止する。
【0010】具体的に、制御装置と、温度センサと、燃
焼室用の第1の送風機と、燃料供給装置と、更に通気間
隙を通過する換気用の空気の量を制御する手段として制
御装置によって運転制御される第2の送風機が設けられ
た場合には、温度センサが検出する温度信号に基づいて
制御装置が第1の送風機と燃料供給装置と第2の送風機
を運転制御し、第1の送風機および燃料供給装置によっ
て燃焼室の燃焼状態を制御すると共に、第2の送風機に
よって通気間隙を通過する換気用の空気に与えられる熱
量を制御し、燃焼室の燃焼を停止しないで継続させたま
まで、室内ユニットにおける暖房効果を自動的に円滑に
調整することができる。
【0011】更に、燃焼ヒータ内に燃焼ガスと温水との
間の熱交換および温水と換気用空気との間の熱交換を促
進するためのフィンを、温水の流路壁の内側および外側
に設けた場合には、熱交換の効率が高くなり、燃料の発
生する熱が温水または換気用空気へ効率よく伝えられる
ので、燃焼ヒータを小型化することが可能になるだけで
なく、暖房効果の制御の応答性が高くなる。
【0012】
【実施例】図1に実施例装置の全体構造を示す。その一
部は図2及び図3に拡大して示されている。図1に示す
ように、燃焼ヒータ1と燃料タンク2は燃料配管4によ
り接続されており、燃料は燃料ポンプ3によりヒータ1
に圧送され燃焼室1a内に供給されて燃焼する。燃焼に
必要な空気は、モータ5によって駆動されるファン6に
より燃焼室1a内に導入され、燃焼ガスは燃焼ガス流路
1bを流れてヒータ1の外へ排出される。なお7はヒー
タ1の燃焼を開始するときに通電されるグロープラグを
示す。
【0013】一方、ヒータ1と室内ユニットRUの一部
であるヒータコア8は温水配管9により結ばれており、
温水は水ポンプ10により循環される。ヒータ1におい
て燃焼ガス流路1bと温水の流れる水套9aを仕切る壁
の燃焼ガス流路側には、フィン13が設けられており、
燃焼ガスから水への伝熱を助長させる。
【0014】ヒータ1は空気導入口17aを有するケー
ス17内に納められており、ケース17の空気排出口1
7bには、内部の換気を行うことができるようにモータ
18とファン19によって構成される送風機が取り付け
られている。またヒータ1において温水が流れる水套9
aと空気が流れる通気間隙17cとを仕切る壁の空気側
にはフィン16が設けられており、温水から空気への伝
熱を助長させる。
【0015】室内ユニットRUには、室内モータ20に
より駆動される室内ファン21が設けられており、外気
または内気を吸い込み、その空気をヒータコア8に送
り、そこで熱交換して温風となったものを、デフロスタ
D、胸元B、及び足元Fの各吹出口より放出し、車室内
を暖房する。
【0016】さらに温水配管9の途中には、リリーフバ
ルブ11が設けられており、水温が上昇して水圧が所定
値以上になった場合には開弁し、温水配管9によって接
続されたサイクル内の温水の一部をリザーブタンク12
へ逃がすようになっている。さらに、温水の温度を検知
するためにヒータ1の本体、または温水系のどこかに水
温センサ14を設けて、その検出値等に基づくシステム
全体の制御は、電子式制御装置(ECU)15と操作パ
ネル22によって行われる。
【0017】次に図示実施例の作動について説明する。
操作パネル22により予め設定された目標室温に対応す
る目標水温と、水温センサ14により得られる実際の水
温の検出値とを比較し、その差に対応して決まる室内モ
ータ20の回転数と、それにより得られる風量によっ
て、室内ユニットRU内のヒータコア8において熱交換
されるべき放熱量と、温水配管9等のヒータコア以外の
部分における放熱量との総和である車両暖房負荷をQと
し、ヒータ1の燃焼制御をHi −Lo の二段階制御とす
る。Hi が最大発熱量であって、Lo が最小発熱量であ
る。
【0018】Hi ,Lo の切替えは水温センサ14の検
出値によるものとし、水温が所定温度1を越えた時に
は、ECU15の制御によりHi からLo に切替えると
共に、Lo に切替えた後に水温が下がって所定温度1よ
りも低い所定温度2以下になった時には、Lo からHi
に切替えるものとすると、運転モードは最大発熱量Hi
および最小発熱量Lo に対する車両暖房負荷Qの変化に
応じて次のようになる。同じ内容を図4に示す。
【0019】 Q≧Hi の発熱量のとき、ヒータ1は
Hi モードを維持する。このとき内部換気用ファン19
を駆動するモータ18は停止状態である。従ってケース
17内の通気間隙17cに空気の流れはなく、フィン1
6からの放熱もほとんど無い。この状態では、ケース1
7はヒータ1からその周囲へ熱が放出されることによる
熱損失を防ぐ働きをして、ヒータ1の熱効率を高める。
【0020】 Lo <Q<Hi のとき、ヒータの運転
開始直後等のように水温が低いときは、Hi モードによ
って燃焼を開始するが、その後に水温が上昇して行って
所定温度1に達すると、Hi モードからLo モードに切
り替わる。Lo モードになると徐々に水温は下がり、ま
もなく所定温度2以下になる。すると再びHi モードと
なるというように、Hi モードとLo モードを繰り返し
て行うことにより、水温をある幅をもって略一定に保つ
ことができる。
【0021】このとき、所定温度1と所定温度2の温度
差を大きくすると水温制御の幅が大きくなるが、Hi −
Lo の切替り頻度は少なくなる。また温度差を小さくす
ると水温制御の幅が小さくなり、温度制御性も向上する
が、Hi −Lo の切替り頻度も多くなる。このときモー
タ18は停止状態であり、のQ≧Hi のときと同様
に、ケース17はヒータ1からその周囲へ放出される熱
損失を防ぐ働きをする。
【0022】 Q=Lo のとき、ヒータ1はLo モー
ドを維持する。このときモータ18は停止状態であり、
ケース17は、ヒータ1からその周囲へ放出される熱損
失を防ぐ働きをする。
【0023】 Q<Lo のとき、Lo モードにおいて
も水温は上昇していく。そこで所定温度1よりも高い所
定温度3を設定しておき、Lo モードにおいて水温が所
定温度3に達したときには、内部換気用ファン19のモ
ータ18を運転させる。それによってケース17の通気
間隙17c内に空気の流れが生じ、フィン16により熱
が大気中へ放出されて、水温は徐々に下がる。
【0024】さらに所定温度3よりも低い所定温度4を
設定しておき、水温が下がって所定温度4に達したらモ
ータ18を停止させる。すると再び水温は上昇する。以
上のごとくモータ18のON−OFF制御を行うことに
より、Q<Lo の場合でもヒータ1の燃焼を停止させる
ことなく水温制御をある幅をもって行うことが可能にな
る。
【0025】このとき、ケース17は、フィン16から
外部への放熱を積極的に行うための通風ダクトとしての
働きをする。また、所定温度3と所定温度4との温度差
を大きく設定すると、水温制御の幅は大きくなるがモー
タ18のON−OFF頻度は少なくなる。それと反対に
温度差を小さく設定すると、水温制御の幅は小さくなる
がモータ18のON−OFF頻度が多くなる。
【0026】図5および図6に燃焼ヒータ1から出る温
水の温度(燃焼ヒータ水温)と、燃焼ヒータ1の発熱量
の時間的変化を例示する。図5は従来の車両用燃焼式暖
房装置についてのもので、着火によって燃焼が開始され
て水温が上昇するが、このときは暖房負荷Qが大きいの
で、ECU15の指令によって燃料の供給量が多く、フ
ァン6を駆動するモータ5の回転数が高くなって、前述
の最大発熱量Hi の状態になっている。また、室内ユニ
ットのファン21を駆動するモータ20も高速(Hi )
で回転している。水温はやがて所定の高温TH に達する
ので燃焼制御によって最小発熱量Lo に切り替えられ、
燃焼量が減少するので水温は徐々に降下して所定の低温
TL となる。ここで再び最大発熱量Hi に切り替えら
れ、水温が再び上昇するということを繰り返して略一定
の水温を維持する。
【0027】しかし、暖房負荷Qが小さく室内ユニット
のファンモータ20の回転数が低いLo または停止にな
っている状態では、水温が所定の高温TH を越えてTUL
に達して過熱の状態になる。このような時は燃料の供給
を絶って燃焼を停止する他はない。消火すると水温は急
激に且つ大幅に低下して所定の低温TL 以下となる。そ
こで再び燃焼を開始する必要が生じるので、グロープラ
グ7に通電すると共に燃料を供給して再着火を行うが、
今度も同様にしてTULに達し、燃焼を停止して水温を降
下させることになる。このようなことを繰り返すと、水
温の上昇と降下の幅が大きくなり、ヒータコア8を介し
て車室内の温度も同じように変動するので暖房フィーリ
ングが悪くなる。
【0028】これに対して、本発明の実施例においては
ケース17と換気用のファン6を備えているので、室内
ユニットのファンモータ20の回転数が低速(Lo )に
なっている状態において、燃焼ヒータ1の水温が所定の
高温TH を越えたとき、所定の高温TH よりも僅かに高
い所定の水温TR に達すると、ECU15によってモー
タ18が回転を開始しファン19を駆動する。それによ
ってケース17内の通気間隙に換気用の空気が流れて、
フィン16の助けを受けて水套9a内の温水を冷却する
ので、水温が所定の高温TH まで低下する。そこでモー
タ18が停止してファン19による換気が終わるので、
再び水温が上昇すると、また換気用モータ18が回転を
始めるというように繰り返して作動し、その間で燃焼を
停止させる必要がないため、水温、従って車室内の温度
の変動が小幅に抑えられる。
【0029】また、暖房負荷Qが高くなって室内ユニッ
トのモータ20が高速(Hi )で回転するときには換気
用のモータ18は運転されないので、燃焼ヒータ1の水
温は燃焼制御による最大発熱量Hi と最小発熱量Lo と
の切り替えによって、水温が所定の高温TH と所定の低
温TL との間で上下を繰り返すが、変動幅が比較的小さ
いので、車室内の温度が大幅に変動することがない。
【0030】以上の制御を行うことにより、車両暖房負
荷Qの値の大小にかかわらず、ヒータ1を停止させるこ
となしに水温制御を行うことが可能となり、ヒータ停止
から再着火までに必要な所定の動作手順によって生じる
水温制御不能な時間をなくすことができるため、暖房フ
ィーリングの向上をはかることができる。さらに、着火
および消火の繰り返しによる水温制御を行わないので、
着火および消火時に発生する排気ガス中の有害成分であ
るHC,CO,NOx の排出も低減することができる。
【0031】またケース17によってヒータ1を略完全
に覆うため、換気用のモータ18を運転しない状態では
ケース17内の通気間隙17cに停滞する空気が断熱作
用をして、燃焼ヒータ1の外壁から走行風等によって放
熱する熱量が減少し、燃焼ヒータ1の熱効率が高くな
る。さらに、ヒータ1から発生する騒音が外部に洩れる
のを遮断する作用もある。なお、ケース17の内側に吸
音材を貼り付けることによって、この効果はさらに向上
する。また、ケース17によって、被水、泥、飛石など
からヒータ1を保護することができる。
【0032】次に、前述のような実施例の保温効果を図
7および図8によって説明する。図7は従来の車両用の
燃焼式暖房装置についての実験結果を示すもので、横軸
に燃焼ヒータ1の壁面の外側を流れる空気の流速を表し
ており、通常は燃焼ヒータ1がケースを使用しないで車
体に取り付けられているので、車両の走行風の流速と考
えてよい。縦軸は燃焼ヒータ1において温水が吸収する
熱量であって、暖房のために有効に利用される熱量のこ
とである。外気温が0℃,−10℃,−20℃のそれぞ
れについて、吸熱量は風速の関数であって、両者の関係
は図示のような曲線によって表される。図中に外気温が
−20℃の場合の曲線について風速80km/hにおける放
熱量を示しているように、放熱量、即ち燃焼ヒータ1の
外壁から無駄に捨てられる熱量は外気温が低いほど大き
くなる。
【0033】これに対して、図8は本発明の実施例につ
いて、横軸と縦軸に同じ数値をとって、外気温が−20
℃の場合の両者の関係を曲線によって示している。ケー
ス17が設けられていない場合は、図7に示す外気温が
−20℃の場合の曲線と同じであるが、本発明の実施例
では、ケース17が設けられているので、ケース17と
通気間隙17cに停滞する空気の保温効果によって、吸
熱量の低下は少なく、風速が40km/hの場合の放熱量の
減少は650kcal/hにもなる。それだけ車両用の燃焼式
暖房装置として熱効率が高くなると言える。
【0034】図示実施例では、室内モータ20の回転数
を決める方法として、目標水温と水温センサ14が検出
する実際の水温との差を求めているが、水温の代りに目
標室温と実際の室温との差、もしくは、ヒータコア後の
水の温度と実際にヒータコア後に設けられる水温センサ
(図示しない)が検出する水の温度との差、などから求
めても良い。
【0035】なお、図示実施例ではヒータ1の燃焼能力
制御をHi とLo の二段階としたが、Hi とLo の間を
さらに多段階に分けた制御を行ってもよい。また、Q<
Lo のときのモータ18の制御方法をON−OFF制御
としたが、より多段階の制御を行ってもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、車両用の燃焼式暖房装
置において高い制御性と快適な暖房フィーリングが得ら
れるので、電気自動車にも適用することができる。また
燃焼ヒータをケースによって覆っており、通気間隙に空
気を流さないときは通気間隙およびケースは燃焼ヒータ
を保温する働きをして、無駄な放熱を防止するので、燃
焼ヒータの熱効率を改善することができるという効果も
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用の燃焼式暖房装置の実施例
を示す全体構成図である。
【図2】図1において燃焼ヒータの部分を拡大して示す
縦断面図である。
【図3】図2におけるIII −III 線に沿った横断面図で
ある。
【図4】本発明の実施例装置について作動状態を示す図
表である。
【図5】従来の車両用の燃焼式暖房装置について、燃焼
ヒータの水温と発熱量の時間的変化を示す線図である。
【図6】本発明の車両用の燃焼式暖房装置の実施例につ
いて、燃焼ヒータの水温、発熱量、およびモータ駆動の
時間的変化を示す線図である。
【図7】従来の車両用の燃焼式暖房装置について、風速
と有効な吸熱量との関係を示す線図である。
【図8】本発明の車両用の燃焼式暖房装置の実施例につ
いて、風速と有効な吸熱量との関係を、従来例と比較し
て示す線図である。
【符号の説明】
1…燃焼ヒータ 1a…燃焼室 1b…燃焼ガス流路 5…モータ 6…ファン 8…ヒータコア 9…温水配管 9a…水套 13,16…フィン 14…水温センサ 15…電子式制御装置(ECU) 17…ケース 17a…空気導入口 17b…空気排出口 17c…通気間隙(換気用空気流路) 18…モータ 19…ファン(換気用) 20…車室モータ 21…室内ファン 22…操作パネル B…胸元吹き出し口 D…デフロスタ吹き出し口 F…足元吹き出し口 RU…室内ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され、少なくともヒータコア
    を備えていて、該ヒータコアによって加熱された暖房用
    の空気を車室内へ供給することができる空調用の室内ユ
    ニットと、 内部に燃料の燃焼室を備えており、該燃焼室において発
    生する燃焼ガスによって前記ヒータコアへ流れる温水を
    加熱することができる燃焼ヒータと、 前記燃焼ヒータ全体をその外壁との間に換気のための空
    気を流すための通気間隙が残るようにして覆うと共に、
    該通気間隙へ空気を導入する入口と該通気間隙から空気
    を排出する出口とを形成しているケースと、 前記通気間隙を通過する換気用の空気の量を制御する手
    段と、 を備えている車両用の燃焼式暖房装置。
  2. 【請求項2】 制御装置と、 該制御装置によって暖房負荷を算出するためにシステム
    内の温度を検出して信号を前記制御装置へ入力する温度
    センサと、 前記制御装置によって運転制御されて前記燃焼ヒータへ
    供給される燃焼用空気の量を変化させることができる第
    1の送風機と、 前記制御装置によって運転制御されて前記燃焼ヒータへ
    供給される燃料の量を変化させることができる燃料供給
    装置と、 前記通気間隙を通過する換気用の空気の量を制御する手
    段として、前記制御装置によって運転制御される第2の
    送風機と、 を備えている請求項1に記載された車両用の燃焼式暖房
    装置。
  3. 【請求項3】 前記燃焼ヒータ内において、燃焼ガスと
    温水との間の熱交換および温水と換気用空気との間の熱
    交換を促進するためのフィンを、温水の流路壁の内側お
    よび外側に設けた請求項1または2に記載された車両用
    の燃焼式暖房装置。
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