JPH08156515A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH08156515A
JPH08156515A JP6306249A JP30624994A JPH08156515A JP H08156515 A JPH08156515 A JP H08156515A JP 6306249 A JP6306249 A JP 6306249A JP 30624994 A JP30624994 A JP 30624994A JP H08156515 A JPH08156515 A JP H08156515A
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cord
layer
tire
wire
cord layer
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JP6306249A
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Yoshihide Kono
好秀 河野
Hisanobu Kobayashi
寿延 小林
Eiji Yamanaka
英司 山中
Takayuki Sato
隆之 佐藤
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Original Assignee
Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤ赤道面に対する平行コード層及び傾斜
コード層の組合せベルトとラグ溝とを備えるラジアルタ
イヤのラグ溝部の石咬みパンク防止を図る。 【構成】トレッド部がその踏面の両側辺領域のうち少な
くとも一方領域にラグ溝と、タイヤ赤道面に関し傾斜す
るスチールコード層又はスチールワイヤ層及びほぼ平行
に延びるコード層からなるベルトとを備え、傾斜コード
層又は傾斜ワイヤ層をカーカスとそれに最も近い平行コ
ード層との間に配置し、かつ傾斜配列コード又は傾斜配
列ワイヤがラグ溝を横切るように傾斜コード層又は傾斜
ワイヤ層を形成した空気入りラジアルタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一対のビード部及び
一対のサイドウォール部とトレッド部とからなり、これ
ら各部をビード部内に埋設したビードコア相互間にわた
って補強するラジアルプライのカーカスと、カーカスの
外周にてトレッド部を強化するベルトとを備え、ベルト
はトレッド部の中央円周を含む平面に対しスチールコー
ド又はスチールワイヤの傾斜配列になる1層のゴム被覆
傾斜コード層又はゴム被覆傾斜ワイヤ層と、上記平面と
実質上平行なコード配列になる少なくとも1層のゴム被
覆平行コード層とを有する空気入りラジアルタイヤに関
する。
【0002】
【従来の技術】空気入りラジアルタイヤ、なかでもとり
わけ市場にて最も多用されている乗用車用空気入りラジ
アルタイヤに適用するベルトは2層のコード交差層から
なり、このコード交差層は、トレッド部の中央円周を含
む平面、換言すればタイヤ赤道面を挟んで2層のスチー
ルコードが互いに交差する配列になる。
【0003】しかし上記2層のコード交差層からなるベ
ルトでは所望する諸性能及び耐久性が得られないとし
て、ベルトを内側の1層のゴム被覆傾斜コード層とその
外側のゴム被覆平行コード層(いわゆるキャップ層)と
の異種コード層の積層体により構成することが下記文献
(1)〜(3)にて提案されている。なお平行コード層
はそのコードがタイヤ赤道面に対し実質上平行な配列に
なり、ここにいう実質上とは、この平行コード層は、傾
斜コード層の外周に狭幅層を螺旋状に複数回又は多数回
巻回して形成するか、又は1本以上のコードを同様に螺
旋状に巻回して形成するか、もしくは1層の縦並びコー
ド層を一回以上巻回して得るかのいずれかであり、よっ
て前二者の場合は僅少な傾斜角度が付くことを前提とす
ることを意味し、また後者の場合でも製造上の僅少誤差
(バラツキ)を考慮に入れることを意味する。
【0004】(1)電車用やモノレール車両用の重荷重
用空気入りラジアルタイヤに適用する上記2層のベルト
の端部における耐セパレーション性向上を目的として、
特開昭61−9314号公報はタイヤ周方向と平行に近
い僅少なリード角でスパイラル状に配列したコードより
成る主ベルト層のコードの弾性率を3000kgf/m
2 以上とすること、そして特開昭62−152904
号公報では主ベルト層のコードを芳香族ポリアミドのよ
うな有機繊維コ─ドとし、その弾性率を2000kgf
/mm2 以上とすることを開示している。
【0005】(2)特開平4−163212号公報は、
乗用車用空気入りラジアルタイヤの高速耐久性向上とユ
ニフォーミティ向上及び軽量化を目指し、傾斜コード層
は1層のスチールコード層とし、その外側のキャップ層
は中央部で1層、両側部では2層の芳香族ポリアミドコ
ードの螺旋状巻回とする旨を開示している。
【0006】(3)また米国特許第3973612号明
細書では、乗用車用空気入りラジアルタイヤの乗り心地
性及び耐摩耗性の両性能向上を図るため、1層の傾斜コ
ード層をフォールドしコード傾斜角度を10〜30°の
範囲内に収め、1層のキャップ層を傾斜角度が0°のテ
キスタイルコードにより構成することを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれまでの2層
のコード交差層からなるベルトを備えるタイヤと、上記
(1)〜(3)に例示した異種コード層の積層体を備え
るタイヤとを、JISD 4230(1986)が定め
るタイヤ強度(破壊エネルギー)の試験方法に従いプラ
ンジャー試験を比較実施すると、後者のタイヤ強度は前
者のタイヤ強度に比し著しく低いレベルに止まる上、と
きにJISが規定する最小破壊エネルギー値を下回るこ
とも稀ではない。
【0008】ここに上記JISが定める試験方法の概要
を下記する。まずJISが規定する標準リムにタイヤを
装着し、同様に規定する空気圧を充てんしたタイヤ及び
リム組立体を準備し、この組立体の強度試験装置に用い
るプランジャーの直径は、乗用車用タイヤ〜小型トラッ
ク用タイヤは19mm、トラック及びバス用タイヤでは
12PR(プライレーティング)以下が32mm、14
PR以上が38mmと定めている。
【0009】次に操作として、先端が半球状のプランジ
ャーをタイヤ軸に垂直に、できるだけタイヤ中央部のト
レッド(踏面)パターンの突出部に、1分間に50.0
mmの速さで押し付ける。測定箇所は、タイヤの外周を
リム径の呼びが10以下のタイヤでは約3等分、その他
のタイヤでは5等分したそれぞれの位置とし、タイヤが
破壊する直前の押し込み力とプランジャーの移動量を測
定する。
【0010】最後にタイヤ破壊エネルギーの計算は、各
測定位置における破壊エネルギーを次の式によって算出
し、その平均値とする。 W=F×P/2、ここに、 W:破壊エネルギー(j){kgf ・cm} F:破壊時の押込み力(N){kgf } P:プランジャーの移動量(m){cm}
【0011】前記(1)項〜(3)項に例示したベルト
構成を有するタイヤで、かつ踏面の両側辺領域のいずれ
か一方領域、ときには両領域にラグ溝を設けたタイヤ
は、上記JISによる破壊エネルギーWが低い値を示す
に止まらず下記する不利な点を合せもつ。すなわちタイ
ヤは走行中に鋭利なエッジをもつ小石をラグ溝に挟み込
む現象、いわゆる石咬みがしばしば生じるのは不可避と
しても、上記のようなタイヤは石咬み状態で走行を継続
すると、咬み込んだ石が溝底からタイヤ内部まで貫通し
てパンク故障に至るケースが散見されるという点であ
り、このような故障を生じるタイヤは実用性に欠けると
言わざるを得ない。
【0012】従ってこの発明の目的は、踏面の両側辺領
域のうち少なくとも一方領域にラグ溝を設けたトレッド
部を有し、優れた各種諸性能の発揮及び十分な耐久性の
確保に有利である傾斜コード層と平行コード層とからな
るベルトを備えるタイヤにつき、たとえラグ溝に石咬み
現象が生じたとしてもパンク故障を有効に回避し得る十
分なタイヤ強度を有する空気入りラジアルタイヤを提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明の空気入りラジアルタイヤは、冒頭にて述べた
タイヤにおいて、トレッド部がその踏面の両側辺領域の
うち少なくとも一方領域にラグ溝を備え、上記傾斜コー
ド層又は傾斜ワイヤ層をカーカスとそれに最も近い平行
コード層との間に配置し、かつ傾斜配列コード又は傾斜
配列ワイヤがラグ溝を横切るように傾斜コード層又は傾
斜ワイヤ層を形成して成ることを特徴とする。
【0014】この発明を実施するにあたり、平行コード
層を螺旋状巻回コード層により形成すること、傾斜コー
ド層又は傾斜ワイヤ層の配列コード方向又は配列ワイヤ
方向と直交する向きに測った総幅D(mm)と、この総
幅D(mm)に含まれるスチールコードの素線又はスチ
ールワイヤの総断面積A(mm2 )との比の反比A/D
の値H(mm)が0.07mm以上であること、傾斜コ
ード層又は傾斜ワイヤ層のコード又はワイヤの上記平面
に対する傾斜角度が15〜45°の範囲内であること、
そしてラグ溝の幅中心を連ねる線と、傾斜コード層又は
傾斜ワイヤ層のコード又はワイヤの中点を連ねる線との
交角が50°以上であることが望ましい。
【0015】この発明を図1及び図2に基づき以下詳細
に説明する。図1はタイヤの回転軸心を含む平面による
断面図であり、図2は踏面の一部展開図であり、図2は
図1に示すタイヤ踏面の主として両側辺領域のうち一方
領域を示す。
【0016】図1(a)、(b)において、1は一対の
ビード部、2は一対のサイドウォール部、3はトレッド
部であり、カーカス4はビード部1内に埋設した一対の
ビードコア5相互間にわたってビード部1、サイドウォ
ール部2及びトレッド部3を補強する。カーカス4はタ
イヤ赤道面Eに対するコード交角が70〜90°のトロ
イド状ラジアルプライからなる。
【0017】符号6にて示すベルトは、トレッド部3の
中央円周を含む平面、すなわちタイヤ赤道面Eに対しス
チールコードの傾斜配列になる1層のゴム被覆傾斜コー
ド層6a(実線で示す)と、先に述べたタイヤ赤道面E
と実質上平行なコ─ド配列になる少なくとも1層のゴム
被覆平行コード層6b(一連なりの点・・・・・にて示
す)とを有する。
【0018】ここに上記の少なくとも1層とは、平行コ
ード層6bの両側端部外周に付加配置した幅狭の同様平
行コード層6b−1、6b−2を設けることを可とする
ことを意味する。複数平行コード層のうち層6bはカー
カス4に最も近く位置し、傾斜コード層6aをこの平行
コード層6bとカーカス4との間に配置する。
【0019】図1にてトレッド部3の踏面3tの幅TW
を4等分してできる4領域のうち、タイヤ赤道面E寄り
2領域を中央領域と名付け、その両側を側辺領域と呼
び、両側辺領域のうち少なくとも一方領域にラグ溝11
を設けるものとする。図1では両側辺領域に設けたラグ
溝11の底部を破線にて示す。また図示を省略したが中
央寄り2領域にもラグ溝を設けることを可とする。なお
踏面幅TWは図示例のようにラウンドショルダの場合は
タイヤ断面にてショルダの延長と踏面3tの延長との交
点を基準に測る。
【0020】図2は踏面3tの幅TWを定める側縁Te
及び中央領域と側辺領域との境界Tcにて区画する幅A
sをもつ側辺領域にラグ溝11とこの例では直状円周溝
12とを備える場合を示す。
【0021】図から明らかなように傾斜配列のスチール
コード16acがラグ溝11を横切るように傾斜コード
層6aを形成することが必要である。このことはラグ溝
11の配列状態が予め定められている場合には、傾斜コ
ード層6aはその傾斜配列コード16acが図示のよう
にラグ溝11を横切る相対配置関係を満たすように形成
するものとし、反面傾斜コード層6aのコード16ac
の配列方向を予め定める必要があるとき、このコード配
列を横切るようにラグ溝10の配列方向を決めるものと
する。
【0022】ここにスチールコード16acがラグ溝1
1を横切るとは、ラグ溝11がタイヤ赤道面Eと平行な
平面に対し傾斜しているとき、ラグ溝11の幅中心を連
ねる線と傾斜コード層6aのコード中心を連ねる線とが
上記平面を挟んで互いに交差することを意味する。例え
ば図2に示すラグ溝11は右上がりの配列であるから傾
斜コード層6aのコード16acを左上がり配列とし、
これとは逆にラグ溝11が左上がり配列であればコード
16acを右上がり配列とすることを要するとの意であ
る。
【0023】特別な例として図示を省略したがラグ溝1
1の幅中心を連ねる線がタイヤ赤道面Eと平行な平面に
垂直な直状ラグ溝である場合はコード16acは右上が
り、左上がり何れの配列でも適合し、何れを選択するか
はラグ溝11を除く他の溝との上記同様の関連にて定め
るのが望ましい。
【0024】平行コード層6b、6b−1、6b−2は
螺旋状巻回コード層により形成することが望ましく、各
平行コード層6b、6b−1、6b−2にはスチールコ
ード、1本のワイヤ及びモノフィラメントコードを含む
有機繊維コ─ド、例えばポリエステルコードなどが適合
する。
【0025】また図3にタイヤ正面(踏面3t)から傾
斜コード層6aのコード16acを透視した展開図の一
部を示す。図3に示す符号Dは傾斜コード層6aのコー
ド16acの配列方向に直交する向きに測った、断面幅
Dwをもつ傾斜コード層6aの総幅(mm)であり、こ
の総幅D(mm)に含まれる全スチールコードの素線の
総断面積A(mm2 )と総幅D(mm)との比A/D=
H(mm)につき、H≧0.07(mm)であることが
望ましい。
【0026】そして傾斜コード層6aにおけるスチール
コード16acのタイヤ赤道面Eに対する傾斜角度は1
5〜45°の範囲内にあることが望ましい。また図2に
示すラグ溝11の溝幅中心を連ねる線Lcと傾斜コード
層6aにおけるスチールコード16acとの交角αは5
0°以上であることが望ましい。なお図示のラグ溝11
は直状をなしているが勿論弧状とすることができる。
【0027】以上は傾斜コード層6aにスチールコード
16acを適用する場合につき述べたが、スチールワイ
ヤを適用することもでき、そのときも上述したところと
全く同一である。勿論このスチールワイヤにはタイヤ用
スチールコードの素線と同じで、接着処理(真鍮メッキ
処理)を施したものを用いる。
【0028】
【作用】まず図2に示すようなラグ溝11をトレッド部
に備えるタイヤを用いて、先に述べたJIS D 42
30のタイヤ強度試験に準じ、石咬みによるパンク抵抗
性評価のため、先端を半球状から先端角度が30°のク
サビ状に変更したプランジャー先端の刃先をラグ溝11
が延びる方向に沿わせて溝底に押し当て、押し込み続け
る試験を実施したところ、このプランジャー先端の押し
当て部分を折れ曲がり基部とするような撓曲挙動を示し
た。
【0029】そのとき、傾斜コード層のコード配列方向
がラグ溝11の配列方向と同一であれば、すなわちラグ
溝11の傾斜方向(タイヤを正面から見て右上がり方
向、又は左上がり方向)とコードの傾斜方向とが同じで
あり、しかも傾斜角度に大きな開きがない場合には、プ
ランジャーの押圧力直下にある配列コードはあたかもプ
ランジャー刃先を挟むように強制的に間隔が拡げられ
る。そのためトレッド部の撓曲に対抗する抵抗力が低下
すると共にプランジャーの貫通に対する抵抗力も著しく
低下するのは不可避であり、その結果比較的容易にプラ
ンジャー先端部は溝底からタイヤ内部まで貫通すること
になる。
【0030】上述したタイヤのようにプランジャーの押
し込み力が小さいと、当然ながらタイヤの破壊エネルギ
ー(強度)も小さい値を示し、この値はこれまでのタイ
ヤ赤道面Eを挟んで互いに交差する2層のコード交差層
ベルトを有するタイヤに遙に及ばない。その結果この種
のタイヤはラグ溝11に咬み込んだ小石が走行継続によ
り比較的容易に溝底を貫通してパンクを引き起こすこと
になる。
【0031】これに対し、傾斜配列コード16acがラ
グ溝11を横切るように傾斜コード層6aを形成するこ
とにより、プランジャー刃先によるコードの開きが抑制
され、刃先がラグ溝11の底部を切断しようとする際に
多数本のスチールコードが抵抗する結果、プランジャー
先端部分がタイヤを貫通する直前の破壊力F′が格段に
高まる一方、プランジャー刃先がラグ溝11の底部に接
してタイヤを貫通するまでのプランジャー移動量P′に
変化はほとんど見られず、結局F′×P′/2であらわ
すJISに準じる破壊エネルギーW′は大幅に向上する
効果を奏する。
【0032】このとき傾斜コード層6aの配列スチール
コード16ac方向と直交する向きに測った総幅D(m
m)と、総幅D(mm)に含まれるスチールコード16
acの素線の総断面積A(mm2 )との比D/Aの反比
A/D=H(mm)が0.07mm以上であれば上記破
壊エネルギーW′の大幅向上にさらに寄与することを見
出している。ここにスチールコード16acの素線の直
径をd(mm)、一本のスチールコード16acを構成
する素線の本数をn、傾斜コード層6aの50mm当た
りのコード打込本数をCとしたとき、上記反比H=(π
/4)d2 ×n×C/50(mm)であらわされる。
【0033】またラグ溝11の幅中心を連ねる線Lcと
傾斜コード層6aの配列スチールコード16acとの交
角αは90°が最良であるものの、50°以上であれば
これまでの2層の交差コード層ベルトのコード層におけ
るコード打込数を60%まで粗打込みにしたタイヤと同
等な破壊エネルギーをもつことを見出している。なおス
チールコードを上記の粗打込みにしたタイヤの石咬みに
よる耐パンク性は実際上殆ど問題とはなっていない。
【0034】また平行コード層6bを螺旋状に巻回して
形成すること、タイヤ赤道面Eに対する傾斜コード層6
aのコードの傾斜角度を15〜45°に設定することに
より、空気入りラジアルタイヤ、特に乗用車用タイヤの
優れた各種性能、とりわけ優れたコーナリングパワー性
能の発揮に寄与する効果がもたらされる。
【0035】以上はスチールコードについて記述したが
スチールワイヤを適用した傾斜ワイヤ層の場合も全く同
一であることを確かめている。
【0036】
【実施例】実施例1〜6は乗用車用ラジアルプライタイ
ヤで、サイズが195/65R14であり、構成は図1
〜図3従う。但しこの実施例では図1の付加平行コード
層6b−1、6b−2を除外した。ラグ溝11は、溝幅
中心線Lcと線Teとの交点にて、タイヤ赤道面Eと平
行な平面に対する傾斜角度が右上がりの約75°であ
る。但しこのラグ溝11の傾斜角度75°はJATMA
YEAR BOOKが定める正規内圧、正規荷重条件
下でタイヤを平面に押し当てた際の値である。またコー
ド16acの配列方向と直交する向きの総幅Dは183
mmであり、踏面幅TWは160mmである。
【0037】上記の他の傾斜コード層6a及び平行コー
ド層6bの諸元を従来例1、2及び比較例それぞれのタ
イヤの同様諸元と合せ表1に示す。従来例1、2及び比
較例共に表1に示す実施例との差異を除く他は全て実施
例に合せた。なお表1の項目中、「打込数(本/50m
m)」及び「傾斜角度(度)」はそれぞれコードに関す
るものであり、そのうち「傾斜角度(度)」の数値の前
に付した「+」はコードが右上がり配列であること、
「−」はコードが左上がり配列であることをあらわす。
この符号をラグ溝11に準用すれば勿論「+」である。
【0038】各実施例、従来例1、2及び比較例それぞ
れの供試タイヤに内圧1.8kgf/cm 2 を充てんし、先に
作用の項で述べたJISに準じるタイヤ強度試験を実施
した。すなわち直径19mmのプランジャーのクサビ状
先端の刃先をラグ溝が延びる向きに沿わて溝底に当てが
い、この先端部でタイヤを貫通させた際のプランジャー
エネルギー(破壊エネルギーW′)を求める試験であ
る。試験結果は従来例1を100とする指数表示にて表
1の最下段に示す。値は大なるほど良い。
【0039】
【表1】
【0040】表1において、従来例1、2は2層のコー
ド交差層からなるベルトを備えるタイヤであり、便宜上
コード層6a、6bの項にコード交差層諸元を記載し
た。表から明らかなように交差層におけるスチールコー
ドの打込数を従来例2は従来例1の約60%とする粗打
込数としたもので、この従来例2のプランジャーエネル
ギー指数60を基準として合否を判定するものとした。
これはJISに従うタイヤ強度試験で従来例1の破壊エ
ネルギーWが規定値100(指数値)に対し160〜1
70の指数値を示し、従来例2でも100を越える指数
値を示す他、従来例2のタイヤは先に述べたように石咬
みによるパンク発生が見られない実績に基づく。
【0041】表1からラグ溝11が延びる配列方向とコ
ード層6aのスチールコード16acの配列方向とが同
じプラス(+)方向である比較例のタイヤはプランジャ
ーエネルギーが従来例2の1/2程度と大幅に低い値を
示し、これでは石咬みパンク発生は不可避であるため実
用性に欠ける。これに対し実施例のタイヤは全て従来例
2以上の指数値を示し、とりわけ実施例5、6は、コー
ド層6bのコード材質が従来例1のスチールコードに対
しポリエステルコードであるにもかかわらず、従来例1
と同等のプランジャーエネルギーを示している点に注目
すべきである。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、空気入りラジアルタ
イヤに求められる高度な諸性能と優れた耐久性との発揮
に有効な平行コード層を傾斜コード層と共にベルトに適
用したラグ溝を備えるラジアルプライタイヤにつき、踏
面側辺部分のラグ溝に生じ勝ちな石咬みによりしばしば
パンクが発生し勝ちであった点を、平行コード層と傾斜
コード層との組合せになるベルト構成を変えずして有利
に解決することが可能な空気入りラジアルタイヤを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による空気入りラジアルタイヤの断面
図である。
【図2】この発明によるタイヤの傾斜コード層のコード
配列とラグ溝との関係を説明する一部展開図である。
【図3】この発明によるタイヤの傾斜コード層の強度を
説明する正面透視図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 サイドウォール部 3 トレッド部 3t 踏面 4 カーカス 5 ビードコア 6 ベルト 6a 傾斜コード層 6b、6b−1、6b−2 平行コード層 11 踏面側辺領域のラグ溝 16ac 傾斜コード層のスチールコード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B60C 9/20 E 7504−3B 9/22 A 7504−3B 11/00 F 7504−3B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部とトレッド部とからなり、これら各部をビード部内
    に埋設したビードコア相互間にわたって補強するラジア
    ルプライのカーカスと、カーカスの外周にてトレッド部
    を強化するベルトとを備え、ベルトはトレッド部の中央
    円周を含む平面に対しスチールコード又はスチールワイ
    ヤの傾斜配列になる1層のゴム被覆傾斜コード層又はゴ
    ム被覆傾斜ワイヤ層と、上記平面と実質上平行なコード
    配列になる少なくとも1層のゴム被覆平行コード層とを
    有する空気入りラジアルタイヤにおいて、 トレッド部がその踏面の両側辺領域のうち少なくとも一
    方領域にラグ溝を備え、上記傾斜コード層又は傾斜ワイ
    ヤ層をカーカスとそれに最も近い平行コード層との間に
    配置し、かつ傾斜配列コード又は傾斜配列ワイヤがラグ
    溝を横切るように傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層を形成
    して成ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 平行コード層を螺旋状巻回コード層によ
    り形成してなる請求項1に記載したタイヤ。
  3. 【請求項3】 傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層の配列コ
    ード方向又は配列ワイヤ方向と直交する向きに測った総
    幅(D(mm))と、この総幅(D(mm))に含まれ
    るスチールコードの素線又はスチールワイヤの総断面積
    (A(mm2))との比の反比(A/D)の値(H(m
    m))が0.07mm以上である請求項1又は2に記載
    したタイヤ。
  4. 【請求項4】 傾斜コード層又は傾斜ワイヤ層のコード
    又はワイヤの上記平面に対する傾斜角度が15〜45°
    の範囲内である請求項1〜3のいずれか一項に記載した
    タイヤ。
  5. 【請求項5】 ラグ溝の幅中心を連ねる線と、傾斜コー
    ド層又は傾斜ワイヤ層のコード又はワイヤの中点を連ね
    る線との交角が50°以上である請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載したタイヤ。
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